JP2007235330A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部の中継サーバ装置(電子メールサーバ)に記憶された通信データを受信して印刷する場合に、その通信データを自装置で直接的に処理できない場合であっても、ネットワーク接続された他装置を有効活用することによってその印刷処理を可能とする。
【解決手段】第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2の応答により得た電子メールデータのデータサイズと、自装置のデータ記憶部15の空き容量との比較に基づいて、その電子メールデータを直接処理(受信及び印刷)不可能と判別した場合に(S104)、所定の中継処理(電子メールデータの受信、添付画像データの分割、自装置への送信)を実行可能なファクシミリ装置Xに"中継処理"の実行要求を行い(S107)、"中継処理"により得られた分割画像データを順次印刷することにより元の添付画像データに相当する画像を印刷する(S108〜S110)。
【選択図】図3

Description

本発明は、外部の中継サーバ装置に記憶された通信データをネットワークを通じて受信し、その通信データに基づく画像を印刷するネットワークファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
いわゆるネットワークファクシミリ装置は、外部の電子メールサーバに記憶された電子メールデータ(通信データの一例)をネットワークを通じて受信し、その電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データに基づく画像を、記録紙に出力(印刷)する機能を備えている。なお、本明細書においては、"電子メールデータ"には、いわゆる電子メール本体のデータとその添付データ(添付ファイル)とが含まれるものとする。
また、ネットワークファクシミリ装置は、一般に、定期的に電子メールサーバに自装置宛の電子メールデータが到着しているか否かをネットワークを通じて問合せ、自装置宛の電子メールデータの到着を確認した場合に、その電子メールデータについて受信処理や出力処理を実行する。その際、その電子メールデータは、ネットワークファクシミリ装置が備えるフラッシュメモリやハードディスクなどのメモリに一時記憶される。
一方、特許文献1には、自装置の画像メモリの使用率が高い場合に、画像メモリのオーバーフロー発生を回避するために、電子メールサーバからの電子メールデータの受信を行わないインターネットファクシミリ装置が示されている。
特開2002−312293号公報
しかしながら、特許文献1に示されるように、自装置のメモリのオーバーフローを可否するために電子メールデータの受信を行わない場合、その電子メールデータに基づく画像の印刷を行うことができないという問題点があった。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、いわゆるネットワークファクシミリ装置などの画像形成装置において、外部の中継サーバ装置に記憶された通信データを受信して印刷する場合に、その通信データを自装置で直接的に処理できない場合であっても、ネットワーク接続された他装置を有効活用することによってその印刷処理を可能とする画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、外部の中継サーバ装置(電子メールサーバがその典型例)に記憶された通信データをネットワークを通じて受信し、その通信データに基づく画像を印刷する画像形成装置に適用されるものであり、以下の(1)〜(5)に示す各構成要素を備えることを特徴とする。
(1)前記中継サーバ装置からこれに記憶されている前記通信データに関する関連情報を前記ネットワークを通じて取得する関連情報取得手段。
(2)前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報に基づいて、これに対応する前記通信データが自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別する処理可否判別手段。
(3)前記ネットワークを通じて通信可能な所定の外部装置の中から、前記直接処理可能なデータではないと判別された前記通信データについて、前記中継サーバ装置からの受信処理、自装置が直接処理可能なデータへの変換処理及びその変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて自装置へ送信する処理を行う一連の中継処理を実行可能な中継外部装置を特定する中継外部装置特定手段。
(4)前記中継外部装置特定手段により特定された前記中継外部装置に対し、前記中継処理の実行を前記ネットワークを通じて要求する中継処理要求手段。
(5)前記中継外部装置から前記変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて受信し、その受信データに基づく画像を印刷する中継データ処理手段。
これらの構成要素を備えることにより、本発明に係る画像形成装置は、中継サーバ装置に記憶された通信データを自装置で直接的に処理できない場合であっても、ネットワーク接続された外部装置(前記中継外部装置)を有効活用することによってその通信データに基づく印刷処理を実行できる。
ここで、前記関連情報に通信データのサイズ情報が含まれる場合に、前記処理可否判別手段が、少なくとも前記通信データのサイズ情報に基づいて前記通信データを自装置の記憶手段に記憶させることが可能か否かを判別することにより、自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別するものが考えられる。
これにより、自装置の記憶手段がオーバーフローすることを防止できる。
また、前記中継外部装置特定手段が実行する具体的な処理の例としては、前記ネットワークを通じて前記外部装置からその外部装置の装置状態の情報(例えば、記憶手段の空き容量情報など)を取得し、その取得情報と前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報とに基づいて前記中継外部装置を特定する処理が考えられる。
また、前記変換処理後のデータが、変換前の前記通信データ(元の通信データ)に含まれる画像データが複数に分割された分割画像データである場合に、前記中継データ処理手段が、複数の前記分割画像データ各々について、前記中継外部装置からの受信及び受信データに基づく印刷を順次行うことにより、分割前の元の前記画像データに対応する画像を印刷する画像形成装置が考えられる。
これにより、自装置で直接的に処理できない通信データであっても、外部装置(前記中継外部装置)を有効活用することにより、その通信データを直接的に処理した場合と同等の画像品質で印刷処理を実行できる。
もちろん、前記中継外部装置が、中継サーバ装置から受信した通信データについて、当該画像形成装置(自装置)が処理可能な程度までその解像度を下げる等の変換を行い、当該画像形成装置がその変換後のデータを処理(印刷)することも考えられる。
一方、通信データの変換を要求される側の前記外部装置が画像形成装置である場合、その画像形成装置は以下の構成を備えればよい。
即ち、外部の中継サーバ装置に記憶された通信データをネットワークを通じて受信し、その通信データに基づく画像を印刷する画像形成装置であって、以下の(1)及び(2)に示す特徴的な構成要素を備えればよい。
(1)前記ネットワークを通じて通信可能な他の画像処理装置から、前記中継サーバ装置に記憶された前記他の画像処理装置宛の前記通信データについて、前記中継サーバ装置からの受信処理、前記他の画像処理装置が直接処理可能なデータへの変換処理及びその変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて前記他の画像処理装置へ送信する処理を行う一連の中継処理の実行要求を前記ネットワークを通じて受信する中継処理要求受信手段。
(2)前記中継処理要求受信手段により受信された要求に応じた前記中継処理を実行する中継処理実行手段。
この場合、前記中継処理実行手段により実行される前記通信データの変換処理としては、前記通信データに含まれる画像データを分割する処理や、前記通信データに含まれる画像データの解像度を下げる処理が考えられ、これらのうちの一方のみを行う、或いはそれら両方を組み合わせて行うことが考えられる。
特に、画像データを分割する処理を行う場合、分割前の元の通信データを直接的に処理した場合と同等の画像品質で印刷処理を実行できる点で好適である。
本発明によれば、中継サーバ装置に記憶された通信データを自装置で直接的に処理できない場合であっても、ネットワーク接続された外部装置(前記中継外部装置)を有効活用することによってその通信データに基づく印刷処理を実行できる。
しかも、前記中継外部装置が通信データに含まれる画像データを分割して画像形成装置に送信し、その画像形成装置が受信データに基づく画像の印刷を順次行う場合、直接的に処理した場合と同等の画像品質で印刷処理を実行できる。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに、図1は本発明の実施形態に係るファクシミリ装置Xを構成要素とするネットワークFAXシステムの概略構成を表すブロック図、図2は本発明の実施形態に係るファクシミリ装置Xの概略構成を表すブロック図、図3はファクシミリ装置Xのネットワークファクシミリ受信処理の手順を表すフローチャートである。
まず、図1に示すブロック図を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置X(画像形成装置の一例)を構成要素とするネットワークFAXシステムZの概略構成について説明する。
図1に示すように、ネットワークFAXシステムZは、複数のファクシミリ装置Xと、電子メールサーバ2とを備え、それらがネットワーク3(LAN)により通信可能に接続されて構成されている。
ファクシミリ装置Xは、外部の電子メールサーバ2(サーバ装置の一例)に記憶された電子メールデータ(通信データの一例)をネットワーク3を通じて受信し、その電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データに基づく画像を印刷する画像形成装置である。
ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2に記憶された電子メールデータを自装置で直接的に処理できない場合に、ネットワーク3で接続された他のファクシミリ装置Xを有効活用することにより、その電子メールデータに基づく印刷処理を実行するものである。
一方、電子メールサーバ2は、インターネット5に接続された計算機であり、このインターネット5を通じて、SMTPプロトコルなどに従って、電子メールデータの受信及び送信を行う。さらに、電子メールサーバ2は、ファクシミリ装置Xからネットワーク3を通じて電子メールデータの到着状況の問い合わせや、電子メールデータの送信要求を受けた場合に、POP3プロトコルなどに従って、電子メールデータの到着状況の応答や、電子メールデータの送信などを行う。この電子メールサーバ2は、送受信対象となる電子メールデータが記憶されるハードディスクなどの不揮発性記憶手段であるデータ記憶部2aを備えている。
続いて、図2に示すブロック図を参照しつつ、ファクシミリ装置Xの構成について説明する。
ファクシミリ装置Xは、図2に示すように、操作部11、表示部12、スキャナ部13、印字部14、データ記憶部15、CPU16、ROM17、画像処理部18、ネットワーク制御部19及び電話回線制御部20等を備えている。なお、ファクシミリ装置Xは、図2に示す構成要素以外にも、一般的なファクシミリ装置が備える構成要素も備えているが、ここでは記載を省略している。
操作部11は、ユーザにより操作されるシートキーや操作ボタン等により構成され、ユーザによる操作入力を受け付ける入力インターフェースである。
表示部12は、液晶表示パネルやLEDランプ等により構成され、ユーザに提供する情報を表示するものである。
スキャナ部13は、例えば、密着型撮像素子(CIS:Contact Image Sensor)等のイメージセンサを備え、このイメージセンサにより原稿から画像を読み取るものである。
印字部14は、電話回線4を通じて受信される受信ファクシミリデータ(画像データ)や電子メールサーバ2から受信した電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データ、或いはスキャナ部13で読み取られた原稿画像データに基づく画像を、所定の記録紙に出力する(画像形成する)ものである。例えば、感熱記録方式によって感熱記録紙に画像形成を行うものや、インクジェット方式或いは電子写真方式によっていわゆる普通紙に画像形成を行うもの等である。
データ記憶部15は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等により構成された不揮発性メモリであり、送受信されるファクシミリデータや電子メールデータ、及びそれらに関連する各種データ、並びに、ユーザによって操作部11を通じて入力される各種設定情報等を記憶するものである。
例えば、データ記憶部15には、ネットワーク3(LAN)を通じた通信相手となる電子メールサーバ2及び他のファクシミリ装置X各々のIPアドレス(通信用アドレス)や、自装置の識別情報などが予め記憶されている。
CPU16は、当該ファクシミリ装置X全体の各種制御及び演算を行う演算手段である。
ROM17は、CPU16により実行される制御プログラムや演算プログラム、CPU16がそれらプログラムを実行する際に参照するデータ等が記憶されるメモリである。
画像処理部18は、例えば、DSP(Digital Signal Processors)等により構成され、データ記憶部15に記憶させる画像データの圧縮処理やその画像データを読み出す際のデータ伸長処理(復元処理)、データ形式変換等の各種画像処理を行うものである。
ネットワーク制御部19は、電子メールサーバ2や他のファクシミリ装置Xとの間でネットワーク3を介してデータの送受信を行う通信インターフェースであり、TCP/IPなどの所定の通信プロトコルに従った通信制御を行うものである。
電話回線制御部20は、NCU(Network Control Unit)やモデム等により構成され、ダイヤルアップや通信相手(相手局)との間で通信方法を決定するネゴシエーション処理等を行い、電話回線4を通じて他のファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うものである。
次に、図3に示すフローチャートを参照しつつ、ファクシミリ装置Xにおけるネットワークファクシミリ受信処理の手順について説明する。なお、以下に示すS101、S102、…は、処理手順(ステップ)の識別符号を表す。また、以下に示すCPU16の処理は、CPU12がROM17に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
以下、便宜上、電子メールサーバ2に到着している自装置宛の電子メールデータの処理(受信及び印刷)を実行しようとするファクシミリ装置のことを第1ファクシミリ装置Xという。一方、その第1ファクシミリ装置Xが、電子メールサーバ2に到着している自装置宛の電子メールデータを処理できない場合に、第1ファクシミリ装置Xがその電子メールデータについての所定の中継処理を要求する相手となるファクシミリ装置Xのことを第2ファクシミリ装置Xという。
これ以降、最初に第1ファクシミリ装置Xの処理手順について説明した後に、第2ファクシミリ装置Xの処理手順についての説明を行う。
[第1ファクシミリ装置Xの処理]
<ステップS101、S101>
まず、第1ファクシミリ装置Xは、ネットワーク3を通じて、電子メールサーバ2に対して自装置宛の電子メールデータが到着しているか否か(即ち、データ記憶部2aに記憶されているか否か)の問い合わせ、及びその応答の受信を所定の周期で行う(S101)。この問い合わせ及び応答の受信は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより行われる。また、自装置宛の電子メールか否かは、第1ファクシミリ装置Xが電子メールサーバ2に対して送信するIDとパスワードによって識別される。
そして、第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2からの応答内容に基づいて、自装置宛の電子メールデータが到着しているか否かの判別を行い(S102)、到着している旨の応答が確認されない限り、ステップS1の処理を繰り返す。前記応答内容の判別は、CPU16によって行われる。
<ステップS103、S104>
ステップS2において、電子メールデータの到着が確認されると、第1ファクシミリ装置Xは、さらに、電子メールサーバ2に対し、ネットワーク3を通じて、到着している電子メールデータのデータサイズ(容量)を問い合わせるとともに、電子メールサーバ2からその応答を受信する(S103)。これにより、第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2に記憶されている電子メールデータのデータサイズ情報(関連情報の一例)をネットワーク3を通じて取得する。この問い合わせ及び応答の受信は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより行われる(関連情報取得手段の一例)。
次に、第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2の応答により得た電子メールデータのデータサイズと、自装置のデータ記憶部15の空き容量との比較に基づいて、その電子メールデータ(データサイズに対応するもの)が、自装置で直接受信して印刷すること(以下、直接処理という)が可能なデータであるか否かを判別する(S104)。この直接処理の可否の判別は、CPU16によって行われる(処理可否判別手段の一例)。例えば、電子メールデータのデータサイズが、データ記憶部15の空き容量よりも小さいか否か、或いはその空き容量から所定の余裕容量を差し引いた容量よりも小さいか否かによって直接処理の可否を判別する。
<ステップS111、S112>
ステップS104において、直接処理が可能な電子メールデータであると判別された場合、第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2からネットワーク3を通じて自装置宛の電子メールデータを受信してデータ記憶部15に記憶させる(S111)。この処理は、CPU16が、ネットワーク制御部19を制御することによって行われる。具体的には、CPU16は、電子メールデータの送信要求コマンドとともに、自装置のID及びパスワードをネットワーク制御部19を通じて電子メールサーバ2に送信し、返信されてくる電子メールデータをネットワーク制御部19を通じて受信してデータ記憶部15に記憶させる。
さらに、第1ファクシミリ装置Xは、受信した電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データに基づく画像を記録紙へ印刷する処理を実行し(S112)、その後、処理を前述したステップS101へ戻す。画像の印刷は、前記印字部14によって実行される。
このステップS111及びS112の処理は、従来のファクシミリ装置Xにおける通常の処理と同様である。
<ステップS105>
一方、ステップS104において、直接処理が不可能な電子メールデータであると判別された場合、第1ファクシミリ装置Xは、ネットワーク3(LAN)内に存在する他の全てのファクシミリ装置Xに対し、各ファクシミリ装置Xの現在の装置状態の情報の提供を要求するとともに、各ファクシミリ装置Xからその応答を受信(装置状態の情報を取得)する(S105)。この装置状態の情報の要求及び応答の受信は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより行われる。
ここで、装置状態の情報には、各ファクシミリ装置Xがデータ記憶部15の空き容量の情報と、各ファクシミリ装置Xがビジー状態(画像処理の実行中である状態)であるか否かの情報とが含まれる。
<ステップS106>
さらに、第1ファクシミリ装置Xは、ステップS105において応答を受けた他のファクシミリ装置X(ネットワークを通じて通信可能な外部装置の一例)の中から、直接処理が不可能な自装置宛の電子メールデータについて、以下に示す中継処理を実行可能なファクシミリ装置X(即ち、第2ファクシミリ装置)を特定する処理を実行する(S106)。この特定処理は、CPU16が、ステップS103で得た電子メールデータのデータサイズの情報と、ステップS105で得た他のファクシミリ装置Xの装置状態の情報とに基づいて行う(中継外部装置特定手段の一例)。
ここで、"中継処理"とは、電子メールサーバ2に記憶されている自装置宛(第1ファクシミリ装置X宛)の電子メールデータについて、電子メールサーバ2からの受信処理と、自装置が直接処理可能なデータへの変換処理と、その変換処理後のデータをネットワーク3を通じて自装置へ送信する処理とを行う一連の処理である。
また、ここでいう自装置が処理可能なデータへの変換処理とは、電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データを、自装置のデータ記憶部15の空き容量よりも小さいデータサイズとなるように分割する処理である。以下、分割後の画像データを分割画像データという。
本実施形態では、全てのファクシミリ装置Xが、電子メールサーバ2から電子メールデータを受信する機能と、受信した電子メールデータに含まれる画像データを分割する機能と、その分割された分割画像データを他のファクシミリ装置X(ここでは、第1ファクシミリ装置X)に対して送信する機能とを備えているものとする。従って、第1ファクシミリ装置Xは、前記ビジー状態ではなく、かつ、データ記憶部15の空き容量が電子メールサーバ2に記憶されている自装置宛の電子メールデータのデータサイズよりも大きいファクシミリ装置Xについて、"中継処理"の実行が可能な装置であると判別する。
また、"中継処理"の実行が可能なファクシミリ装置Xが複数存在する場合は、例えば、データ記憶部15の空き容量が最も大きいもの1つを特定する。
ここで、第1ファクシミリ装置Xは、"中継処理"の実行が可能なファクシミリ装置Xを特定できなかった場合、即ち、前記ビジー状態ではなく、かつ、データ記憶部15の空き容量が十分な他のファクシミリ装置Xが存在しなかった場合は、処理をステップS101へ戻す。
<ステップS107>
一方、第1ファクシミリ装置Xは、ステップS106において、"中継処理"の実行が可能なファクシミリ装置X、即ち、第2ファクシミリ装置Xを特定できた場合は、その第2ファクシミリ装置Xに対し、ネットワーク3を通じて"中継処理"の実行要求を送信する(S107)。この実行要求の送信は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより行われる(中継処理要求手段の一例)。具体的には、第1ファクシミリ装置Xは、"中継処理"の要求コマンドとともに、自装置宛の電子メールデータの受信に必要なID及びパスワード、並びに、画像データの分割処理に必要な分割画像データのデータサイズなどの情報を第2ファクシミリ装置Xに対して送信する。
<ステップS108>
次に、第1ファクシミリ装置Xは、第2ファクシミリ装置Xから分割画像データ(変換処理後のデータの一例)をネットワーク3を通じて受信し(S108)、その受信を行うごとに受信データ(分割画像データ)に基づく画像を印刷する(S109)という処理を、全ての分割画像データについての印刷が終了するまで順次繰り返す(S108〜S110)。
より具体的には、まず、CPU16が、ネットワーク制御部19を制御することによって分割画像データを受信するとともに、その受信データをデータ記憶部15に記憶させる(S108)。この分割データの受信は、例えば、まず分割画像データの送信要求を第2ファクシミリ装置Xに対して送信し、その応答として返信されてくる分割画像データを受信する、という手順で行われる。
次に、印字部14が、データ記憶部15に記憶された分割画像データに基づく画像の印刷処理を行い、分割画像データの印刷が終了するごとに、CPU16がデータ記憶部15から分割画像データを消去する(S109)。
そして、CPU16が、分割画像データに所定の終了フラグが付加されているか否かをチェックすること等により、全ての分割データについての印刷が終了したか否かを判別する(S110)。なお、これらステップS108〜S110の処理を実行するCPU16、ネットワーク制御部19及び印字部14が、中継データ処理手段の一例である。
以上に示したように、第1ファクシミリ装置Xは、複数の分割画像データ各々について、第2ファクシミリ装置Xからの受信及び受信データに基づく印刷を順次行うステップS108〜S109の処理を実行することにより、分割前の元の画像データに対応する画像を記録紙に印刷する。
そして、第1ファクシミリ装置Xは、ステップS108〜S110の処理が終了すると、処理を前述したステップS101へ戻し、以上に示した処理(S101〜S112)を繰り返す。
以上に示したステップS101〜S110の処理を実行する第1ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2のデータ記憶部2aに記憶された自装置宛の電子メールデータを自装置で直接的に処理できない場合であっても、ネットワーク3を介して接続された第2ファクシミリ装置X(中継外部装置の一例)を有効活用することによってその電子メールデータに基づく画像の印刷処理を実行できる。
しかも、第1ファクシミリ装置Xは、元の画像データが複数に分割された分割画像データに基づく画像の印刷を順次行うことにより、分割前の元の画像データに対応する画像を印刷するので、元の画像データを直接的に処理した場合と同等の画像品質で印刷処理を実行できる。
[第2ファクシミリ装置Xの処理]
次に、第2ファクシミリ装置Xの処理について説明する。ここで、前述したように、第2ファクシミリ装置Xは、第1ファクシミリ装置Xとの間でネットワーク3(LAN)を介して通信可能な他のファクシミリ装置Xのうち、第1ファクシミリ装置XのステップS106の処理を経て初めて"中継処理"が可能な装置として特定されるものである。しかしながら、以下に記載する第2ファクシミリ装置Xという用語は、便宜上、第1ファクシミリ装置XのステップS106の処理によって第2ファクシミリ装置Xとして特定される予定のファクシミリ装置Xをも含む用語として用いている。
<ステップS201〜S203>
まず、第2ファクシミリ装置Xは、当該第2ファクシミリ装置X以外のファクシミリ装置X(ここでは、第1ファクシミリ装置X)からのネットワーク3を通じたデータ受信の状態を監視し、データ受信の状態に応じて、前記装置状態の要求の受信処理(S201)と、"中継処理"の実行要求の受信処理(S203)とを行う。これらの処理は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより行われる。なお、ステップS201の処理を実行するCPU16及びネットワーク制御部19が、中継処理要求受信手段の一例である。
ここで、前記装置状態の要求が受信されると、第2ファクシミリ装置Xは、その要求に応じて、前記装置状態をネットワーク3を介して要求元の第1ファクシミリ装置Xに送信(応答)する(S202)。ここで、装置状態は、CPU16によって検知され、CPU16がネットワーク制御部19を制御することにより、その検知された装置状態が第1ファクシミリ装置Xへ送信される。なお、装置状態の内容は前述した通りである。
<ステップS204〜S207>
また、第2ファクシミリ装置Xは、ステップS203の処理によって"中継処理"の実行要求が受信されると、その要求に応じた以下の処理(S204〜S207)を実行する。
まず、第2ファクシミリ装置Xは、電子メールサーバ2からネットワーク3を通じて第1ファクシミリ装置X宛の電子メールデータを受信する(S204)。具体的には、CPU16が、ネットワーク制御部19を制御することにより、"中継処理"の実行要求に含まれる第1ファクシミリ装置のID及びパスワードを電子メールデータの要求コマンドとともに電子メールサーバ2に対して送信し、これに応じて返信される電子メールデータを受信してデータ記憶部15に記憶させる。
次に、第2ファクシミリ装置Xは、受信した第1ファクシミリ装置X宛の電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データについて、第1のファクシミリ装置Xが直接処理可能な前記分割画像データに分割する(S205)。具体的には、画像処理部18が、データ記憶部15に記憶された第1ファクシミリ装置宛の画像データを、各分割画像データが、"中継処理"の実行要求含まれるデータサイズ以下(第1ファクシミリ装置Xのデータ記憶部15の空き容量以下)のデータサイズとなるように分割する。
さらに、第2ファクシミリ装置Xは、第1ファクシミリ装置Xから送信されてくる分割画像データの送信要求(S108)が受信されるごとに、ステップS205の処理で得られる分割画像データを、ネットワーク3を通じて第1ファクシミリ装置Xに対して送信する(S206)。この送信処理は、CPU16がネットワーク制御部19を制御することによって行われる。
そして、第2ファクシミリ装置Xは、ステップS204で受信した画像データ全体に相当する分のデータ分割及び分割画像データの送信を終えるまで、ステップS205及びS206の処理を順次繰り返す(S205〜S207)。全ての分割画像データの送信を終えたか否かの判別(S207)は、画像処理部18が行う。また、第2ファクシミリ装置XのCPU16は、全ての分割画像データの送信が終了した後に、元の画像データを含む第1ファクシミリ装置X宛の電子メールデータ全体を、データ記憶部15から消去する。さらに、第2ファクシミリ装置XのCPU16は、最後の分割画像データが送信される際に、それが最後である旨を表す所定の終了フラグをその最後の分割画像データに付加する。
以上のステップS205〜S207の処理を実行する第2ファクシミリ装置Xの各構成要素が、ステップS203の処理(中継処理要求受信手段の処理の一例)により受信された"中継処理"の実行要求に応じた"中継処理"を実行する中継処理実行手段の一例である。
そして、全ての分割画像データの送信が終了すると、第2ファクシミリ装置Xは、処理を前述したステップS201へ戻す。
このように、第1ファクシミリ装置Xに対してネットワーク3を介して通信可能な他のファクシミリ装置X(第2ファクシミリ装置X)は、ステップS201〜S207の処理を実行することにより、第1ファクシミリ装置Xが直接的に処理できない電子メールデータを、その第1ファクシミリ装置Xが処理できるデータに変換して提供することができる。
以上に示した実施形態では、"中継処理"の実行要求を受ける側の装置がファクシミリ装置Xである例を示した。しかしながら、"中継処理"の実行要求を受ける側の装置は、第1ファクシミリ装置Xとネットワーク3を通じて通信可能な装置であれば、他の装置であってもかまわない。例えば、ネットワーク3に接続された複写機やスキャナ装置などのファクシミリ装置以外の画像処理装置が、前記第2ファクシミリ装置Xと同様の処理を実行する画像処理システムが考えられる。
また、前述の実施形態では、第2ファクシミリ装置Xが"中継処理"において実行する電子メールデータの変換処理の例として、画像データを分割する処理を示した。
しかしながら、第1ファクシミリ装置Xが直接処理可能なデータへの変換処理としては、その他の処理も考えられる。例えば、第1ファクシミリ装置X宛の電子メールデータに添付ファイルとして含まれる画像データの解像度を下げる処理や、その解像度を下げる処理とデータ分割処理とを組み合わせた処理なども考えられる。
また、前述の実施形態では、第1ファクシミリ装置Xは、自装置宛の電子メールデータのデータサイズに基づいてそのデータを自装置のデータ記憶部15に記憶させることが可能か否かを判別することにより、自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別する例を示した。
しかしながら、第1ファクシミリ装置Xが、電子メールデータに含まれる画像データの形式情報(JPEG、TIFなど)を電子メールサーバ2から取得し、その形式情報に基づいて、自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別することなども考えられる。
この場合、第2ファクシミリ装置Xは、第1ファクシミリ装置X宛の電子メールデータに含まれる画像データの形式(データフォーマット)を、第1ファクシミリ装置Xが直接処理可能な形式に変換して第一ファクシミリ装置Xへ送信すればよい。
本発明は、ファクシミリ装置への利用が可能である。
本発明の実施形態に係るファクシミリ装置Xを構成要素とするネットワークFAXシステムの概略構成を表すブロック図。 本発明の実施形態に係るファクシミリ装置Xの概略構成を表すブロック図。 ファクシミリ装置Xのネットワークファクシミリ受信処理の手順を表すフローチャート。
符号の説明
11…操作部
12…表示部
13…スキャナ部
14…印字部
15…データ記憶部
16…CPU
17…ROM
18…画像処理部
19…ネットワーク制御部
20…電話回線制御部
S101、S102、〜…処理手順(ステップ)

Claims (6)

  1. 外部のサーバ装置に記憶された通信データをネットワークを通じて受信し、該通信データに基づく画像を印刷する画像形成装置であって、
    前記サーバ装置からこれに記憶されている前記通信データに関する関連情報を前記ネットワークを通じて取得する関連情報取得手段と、
    前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報に基づいて、これに対応する前記通信データが自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別する処理可否判別手段と、
    前記ネットワークを通じて通信可能な所定の外部装置の中から、前記直接処理可能なデータではないと判別された前記通信データについて、前記サーバ装置からの受信処理、自装置が直接処理可能なデータへの変換処理及び該変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて自装置へ送信する処理を行う一連の中継処理を実行可能な中継外部装置を特定する中継外部装置特定手段と、
    前記中継外部装置特定手段により特定された前記中継外部装置に対し、前記中継処理の実行を前記ネットワークを通じて要求する中継処理要求手段と、
    前記中継外部装置から前記変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて受信し、その受信データに基づく画像を印刷する中継データ処理手段と、
    を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記関連情報に通信データのサイズ情報が含まれ、
    前記処理可否判別手段が、少なくとも前記通信データのサイズ情報に基づいて前記通信データを自装置の記憶手段に記憶させることが可能か否かを判別することにより、自装置で直接処理可能なデータであるか否かを判別してなる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記中継外部装置特定手段が、前記ネットワークを通じて前記外部装置から該外部装置の装置状態の情報を取得し、その取得情報と前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報とに基づいて前記中継外部装置を特定してなる請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記変換処理後のデータが、変換前の前記通信データに含まれる画像データが複数に分割された分割画像データであり、
    前記中継データ処理手段が、複数の前記分割画像データ各々について、前記中継外部装置からの受信及び受信データに基づく印刷を順次行うことにより、分割前の元の前記画像データに対応する画像を印刷してなる請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 外部のサーバ装置に記憶された通信データをネットワークを通じて受信し、該通信データに基づく画像を印刷する画像形成装置であって、
    前記ネットワークを通じて通信可能な他の画像処理装置から、前記サーバ装置に記憶された該他の画像処理装置宛の前記通信データについて、前記サーバ装置からの受信処理、前記他の画像処理装置が直接処理可能なデータへの変換処理及び該変換処理後のデータを前記ネットワークを通じて前記他の画像処理装置へ送信する処理を行う一連の中継処理の実行要求を前記ネットワークを通じて受信する中継処理要求受信手段と、
    前記中継処理要求受信手段により受信された要求に応じた前記中継処理を実行する中継処理実行手段と、
    を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記中継処理実行手段により実行される前記通信データの変換処理が、前記通信データに含まれる画像データを分割する処理、及び前記通信データに含まれる画像データの解像度を下げる処理のうちの一方若しくは両方である請求項5に記載の画像形成装置。
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