JP2007233294A - 光カプラ - Google Patents

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Abstract

【課題】MMI導波路に入力された光を設計通りの経路で伝播させること。
【解決手段】導波路層14が、MMI導波路20と、MMI導波路の一端面20aに接続された2個の入力用光導波路22,22と、入力用光導波路を挟んで一端面に接続される2個の入力側ダミー導波路24,24と、一端面に対向する他端面20bに接続される2個の出力用光導波路26,26とを備えており、2個の入力用光導波路の間に、第1凹溝30が形成されており、入力側ダミー導波路と入力用光導波路との間には、第1凹溝と合同の立体形状を有する第2凹溝32が形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、入力光を複数の出力用光導波路に分配して出力する光カプラに関する。特に、多モード干渉導波路(以下、MMI(Multimode Interference)導波路と称する。)を用いた光カプラに関する。
MMI導波路を用いた光カプラは、構造が単純であること、小型であること及び屈折率や波長による特性変化が小さいという特徴を有している。MMI導波路を用いた光カプラは、作成条件によらず安定した特性を示すため、マッハツェンダ型光変調器によく用いられる。
MMI導波路を用いた光カプラとしては、2入力2出力型(以下、2×2型と称する。)が、1入力2出力型(以下、1×2型と称する。)よりも一般的に用いられる(例えば、特許文献1参照)。この理由は、2×2型の光カプラでは、マッハツェンダ型光変調器により生成される光信号のチャープを選択することが可能だからである。
特開2000−162454号公報
特許文献1に記載の2×2型の光カプラ(以下、単に光カプラとも称する。)では、入力用光導波路の幅が、MMI導波路に近づくにつれてテーパ状に拡大されている。この構造により、MMI導波路の幅(光伝播方向に直交する方向の長さ)の寸法誤差に由来する出力光の光パワーのロスを低減することができる。
しかし、特許文献1の光カプラは、入力用光導波路とMMI導波路の接続部付近のドライエッチング加工が難しいという問題点がある。
つまり、この光カプラでは、隣り合う2本の入力用光導波路の間の凹溝の幅が、MMI導波路に近づくにつれて徐々に狭くなっていく。このため、MMI導波路近傍では、凹溝の幅が非常に狭くなる。その結果、MMI導波路近傍では、凹溝内部へのエッチングガスの侵入、及び凹溝内部からの反応生成物の脱出が極端に困難になる。つまり、MMI導波路近傍では、凹溝に、エッチングされなかった基板材料が残留してしまう。結果として、凹溝の等価屈折率が設計値よりも大きくなってしまう。
凹溝の等価屈折率が設計値よりも大きくなっているために、光は、MMI導波路中で設計通りに伝播しない。つまり、光は、等価屈折率が設計値よりも大きな凹溝に引っ張られるように、MMI導波路中を伝播する。その結果、出力側端面において、光は出力用光導波路とは異なる位置で励起される。これにより、出力光の光パワーに損失が生じる。
この発明は、このような問題点にかんがみ、なされたものである。したがって、この発明の目的は、凹溝内部にエッチング残さが残留したとしても、MMI導波路に入力された光を設計通りの経路で伝播させることができる光カプラを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するために、この発明の第1の光カプラは、基板と、導波路層と、上層と、下層とを備えている。
上層及び下層は、導波路層よりも低屈折率であり、基板の厚み方向に導波路層を挟み込んでいる。導波路層は、基板の主表面がわに設けられている。そして、導波路層は、多モード干渉導波路と、M個(Mは2以上の整数)の入力用光導波路と、2個の入力側ダミー導波路と、N個(Nは2以上の整数)の出力用光導波路とを備えている。
多モード干渉導波路は、平面形状が矩形であって、光伝播方向にそれぞれ直交する一端面、及びこれに対向する他端面を有している。
導波路層を上方から平面的に見たとき、M個の入力用光導波路は、多モード干渉導波路の一端面に互いに隣り合って接続され、かつ、多モード干渉導波路の光伝播方向に平行な中心軸に対して対称的に設けられている。
また、2個の入力側ダミー導波路は、多モード干渉導波路の一端面に接続され、かつ、M個の入力用光導波路を挟み、及び中心軸に対して対称的に、設けられている。
また、N個の出力用光導波路は、多モード干渉導波路の他端面に接続されて設けられている。
さらに、M個の中から選ばれた隣り合う2本の入力用光導波路の間に、合計(M−1)個の第1凹溝が形成されており、(M−1)個の第1凹溝は、それぞれ合同の立体形状を有している。
そして、入力側ダミー導波路と、入力側ダミー導波路に隣り合う入力用光導波路との間には、第1凹溝と合同の立体形状を有する第2凹溝が形成されている。
このように、この光カプラでは、M個の入力用光導波路を挟んで2個の入力側ダミー導波路を設けている。そして、隣り合う入力用光導波路の間に、合計(M−1)個の第1凹溝を形成する。さらに、入力側ダミー導波路と、この入力側ダミー導波路に隣り合う入力用光導波路との間に、2個の第2凹溝を形成する。そして、(M−1)個の第1凹溝と第2凹溝の立体形状を合同とする。
このようにすることにより、(M−1)個の第1凹溝、及び、2個の第2凹溝の等価屈折率を、それぞれ等しくすることができる。これにより、M個の中から任意に選択した1個の入力用光導波路の周囲での等価屈折率を、MMI導波路の幅方向に関して対称に分布させることができる。その結果、入力用光導波路から多モード干渉導波路に入力された光は、MMI導波路の中心線に引っ張られることなく、設計通りの経路を伝播する。よって、この光カプラでは、他端面において適切な位置に光ピークを励起させることができる。その結果、強度のロスが少ない光を、適切な分配比でN個の出力用光導波路に分配できる。
この光カプラにおいて、入力用光導波路は、導波路層を上方から平面的に見たとき、多モード干渉導波路の一端面に向かってテーパ状に拡幅していることが好ましい。
このようにすることにより、MMI導波路の幅(光伝播方向に直交する方向の長さ)の寸法誤差に由来する出力光の光パワーのロスを低減することができる。
また、この光カプラにおいて、第1及び第2凹溝は、導波路層を上方から平面的に見たとき、多モード干渉導波路に向かって略くさび形に幅が狭くなっていることが好ましい。そして、くさびを構成する2本の斜辺のなす角度をΘとし、中心軸に沿った多モード干渉導波路の全長をLとし、及び中心軸に直交する方向の多モード干渉導波路の幅をWmとしたとき、Θが下記(1)式の関係を満たすことが好ましい。
Wm/(2L)≦Θ≦2Wm/L・・・(1)
Θをこの範囲とすることにより、光カプラを形成するためのドライエッチングを単位時間行ったときの、全長Lの変化量ΔLを、幅Wmの変化量ΔWmよりも大きくすることができる。その結果、MMI導波路の全長Lと幅Wmとの関係を自己整合的に、略最適に調整することができる。なお、この点については後述する。
また、この光カプラにおいて、第1及び第2凹溝の底面は、くさびの先端方向に向かうにつれて高さが高くなる傾斜面として構成されることが好ましい。そして、多モード干渉導波路の一端面は、傾斜面を構成する下層と、傾斜面に露出した導波路層との境界部として形成されることが好ましい。
このように、第1及び第2凹溝の平面形状を、略くさび形とすることにより、第1及び第2凹溝内におけるドライエッチング速度を場所により変えることができる。すなわち、くさびの先端に向かうほど、エッチングガスの凹溝への侵入及び反応生成物の凹溝からの脱出が困難になる。その結果、くさびの先端に向かうほどエッチング速度が遅くなる。よって、第1及び第2凹溝の底面は、くさびの先端に向かうほど高さが高くなる傾斜面となる。ところで、MMI導波路の一端面は、第1及び第2凹溝の傾斜面からの露出部として設けられる。よって、傾斜面の傾斜角を変更することにより、MMI導波路の一端面の位置、すなわちMMI導波路の全長を変化させることができる。
また、この光カプラにおいて、Nが2であることが好ましい。このようにすることにより、M入力2出力型のMMI導波路を用いた光カプラが得られる。
また、この光カプラにおいて、出力用光導波路は、導波路層を上方から平面的に見たとき、多モード干渉導波路の他端面に向かってテーパ状に拡幅していることが好ましい。
このようにすることにより、MMI導波路の幅(光伝播方向に直交する方向の長さ)の寸法誤差に由来する出力光の光パワーのロスを低減することができる。
また、この光カプラにおいて、多モード干渉導波路の他端面において、2個の入力側ダミー導波路と対称的な位置に、入力側ダミー導波路のそれぞれと合同な平面形状の2個の出力側ダミー導波路を設けることが好ましい。
このようにすることにより、MMI導波路の他端面における等価屈折率を1本の出力用光導波路に対して対称形に分布させることができる。その結果、入力側ダミー導波路だけを設けた場合よりも、MMI導波路における光の伝播経路をより最適化することができる。その結果、強度のロスがより少ない光を、より適切な分配比で、2個の出力用光導波路に分配できる。
また、この光カプラにおいて、中心軸に直交する方向の多モード干渉導波路の幅をWmとしたとき、2本の出力用光導波路の中心線は、それぞれ、中心軸からWm/6の位置に配置されていることが好ましい。
このように出力用光導波路を設けることにより、一層、分配特性に優れ、光強度のロスの少ない光カプラが得られる。
上述した課題を解決するために、この発明の第2の光カプラは、基板と、基板の主表面がわに設けられた多モード干渉導波路と、2個の入力用光導波路と、2個の出力用光導波路を備えている。
入力用光導波路は、多モード干渉導波路の光伝播方向に平行な中心軸に対して対称に多モード干渉導波路の一端面に接続されている。そして、入力用光導波路は、一端面に向かって拡幅し、内部にエッチング残さが残留する入力側第1凹溝を隔てて互いに隣り合っている。
出力用光導波路は、入力用導波路と合同の平面形状であり、多モード干渉導波路を挟んで入力用光導波路と対称な位置に設けられている。そして、出力用光導波路は、多モード導波路の他端面に接続され、内部にエッチング残さが残留する出力側第1凹溝を隔てて互いに隣り合っている。
さらに、この光カプラは、2個の入力用光導波路を挟み、中心軸に対して対称に、一端面に接続される2個の入力側ダミー導波路と、2個の出力用光導波路を挟み、中心軸に対して対称に、他端面に接続される2個の出力側ダミー導波路とを備えている。そして、入力側ダミー導波路とこの入力側ダミー導波路に隣り合う入力用光導波路との間には、入力側第1凹溝と合同の立体形状の入力側第2凹溝が形成されている。また、出力側ダミー導波路とこの出力側ダミー導波路に隣り合う出力用光導波路との間には、出力側第1凹溝と合同の立体形状の出力側第2凹溝が形成されている。
このように、この光カプラは2入力2出力型である。そして、MMI導波路の一端面に2個の入力用光導波路及び2個の入力側ダミー導波路が設けられている。さらに、入力側第1凹溝と入力側第2凹溝とは合同の立体形状とされている。その結果、一端面における等価屈折率は、1個の入力用光導波路に対して対称に分布する。同様に、MMI導波路の他端面にも2個の出力用光導波路及び2個の出力側ダミー導波路が設けられている。そして、出力側第1凹溝と出力側第2凹溝とは合同の立体形状とされている。その結果、他端面における等価屈折率は、1個の出力用光導波路に対して対称に分布する。
これらの結果、入力用光導波路からMMI導波路に入力された光は、MMI導波路の中心線に引っ張られることなく、設計通りの経路を伝播する。よって、この光カプラでは、他端面において適切な位置に光ピークを励起させることができる。その結果、強度のロスが少ない光を、適切な分配比で2個の出力用光導波路に分配できる。
このように、この発明によれば、MMI導波路に入力された光を設計通りの経路で伝播させることができる光カプラが得られる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。尚、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。したがって、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。
(光カプラの構造)
図1〜図9を参照して実施の形態の光カプラについて説明する。図1は、光カプラの構造を概略的に示す斜視図である。図2は、上部クラッド層の図示を省略した光カプラの構造を概略的に示す平面図である。
まず、図1を参照して、光カプラ10の構造について概説する。なお、図面が煩雑となることを防ぐために、図1においては、チャネル型導波路29,29(後述)の図示を省略している。
光カプラ10は、基板18と、下層としての下部クラッド層12と、導波路層14と、上層としての上部クラッド層16とを備えている。
下部クラッド層12は、基板18上に形成されている。下部クラッド層12は、導波路層14よりも屈折率が低い材料から構成される。導波路層14は、下部クラッド層12上に所定の平面形状で形成されている。上部クラッド層16は、導波路14上に所定の平面形状で形成されている。上部クラッド層16は、導波路層14よりも屈折率が低い材料から構成される。
つまり、光カプラ10は、導波路層14よりも屈折率が低い下部クラッド層12及び上部クラッド層16により導波路層14が、基板18の厚み方向に挟み込まれた構造である。
光カプラ10は、ドライエッチングにより形成されている。このドライエッチングは導波路層14の深さよりも深くまで行われる。その結果、光カプラ10の側面10aには導波路層14の側面14aが露出する。つまり、光カプラ10はリッジ型導波路構造である。
詳しくは後述するが、この光カプラ10には、MMI導波路20と、2本の入力用光導波路22,22と、2本の出力用光導波路26,26とが形成されている。つまり、光カプラ10は、2入力2出力型(2×2型)の光カプラである。
次に、主に図2を参照して光カプラ10の構造について詳述する。
光カプラ10を構成する導波路層14は、MMI導波路20と、入力用光導波路22,22と、入力側ダミー導波路24,24と、出力用光導波路26,26と、出力側ダミー導波路28,28とを備えている。
MMI導波路20は平面形状が矩形状である。MMI導波路20は、光伝播方向に沿った全長をLとし、及び光伝播方向に垂直な方向の長さ(幅)をWmとする。
MMI導波路20の一端面20aには、入力用光導波路22,22と、入力側ダミー導波路24,24とが接続されている。また、MMI導波路20の他端面20bには、出力用光導波路26,26と、出力側ダミー導波路28,28とが接続されている。MMI導波路20は、入力用光導波路22よりも幅(光伝播方向に垂直な方向の長さ)が広い。したがって、入力用光導波路22からMMI導波路20に入力された光は、エネルギーが複数の伝播モードに分配されてMMI導波路20中を伝播する。
2本の入力用光導波路22,22は、MMI導波路20の光伝播方向に沿った中心軸20cに対して対称に、MMI導波路20の一端面20aに接続されている。2本の入力用光導波路22,22の平面形状は互いに合同である。入力用光導波路22,22は、その中心線22a,22aが、一端面20aと直交するように配置されている。また、入力用光導波路22の中心線22aと、MMI導波路20の中心軸20cとの距離は、好ましくは、例えばWm/6とする。
また、入力用光導波路22,22は、MMI導波路20との接続部(一端面20a)に向かって拡幅するテーパ状の平面形状である。入力用光導波路22,22には、チャネル型導波路29がそれぞれ接続されている。これらのチャネル型導波路29,29はシングルモード導波路である。光は、これらのチャネル型導波路29,29のどちらか一方を伝播し、入力用光導波路22,22のどちらか一方から、MMI導波路20へと入力される。
2本の入力用光導波路22,22の間には、入力側第1凹溝30が形成されている。入力側第1凹溝30は、テーパ状の2本の入力用光導波路22,22に挟まれている。そのため、入力側第1凹溝30は、MMI導波路20に向かって幅が狭くなる略くさび形の平面形状である。より詳細には、入力側第1凹溝30は、平面視で、2本の斜辺30a,30aと、辺30eとで囲まれた領域として構成される。ここで、両斜辺30a,30aはそれぞれ直線である。また、両斜辺30a,30aのなす角度はΘである。また、辺30eは、光伝播方向に対して垂直に延在し、両斜辺30a及び30aを結んでいる。なお、以降、角度Θをくさび角と称する。
ここで、図3(A)及び(B)を参照して、入力側第1凹溝30の立体形状について説明する。図3(A)は、入力側第1凹溝30の要部を拡大した斜視図である。図3(B)は、入力側第1凹溝30の要部を拡大した断面切り口を示す概略図である。なお、図面が煩雑となることを防ぐために、図3(A)及び(B)においては、チャネル型導波路29,29の図示を省略している。
入力側第1凹溝30の底面は、くさび31の先端方向に向かうにつれて高さが高くなる傾斜面30dとして構成される。
この傾斜面30dは、くさび31の後方からくさび31の先端に至るまで形成されている。傾斜面30dは、いわば、ドライエッチング時に入力側第1凹溝30内に残留したエッチング残さ(下部クラッド層12及び上部クラッド層16)からなる。詳しくは後述するが、傾斜面30dが形成される理由は、入力側第1凹溝30において、くさび31の先端に向かうほどドライエッチング速度が遅くなるためである。
傾斜面30dが基板18の第1主面18aに対して傾斜しているために、導波路層14は、傾斜面30dの中腹から露出することとなる。この露出部がMMI導波路20の開始点、すなわち一端面20aとなる。より詳細には、一端面20aは、傾斜面30dを構成する下部クラッド層12と、傾斜面30dに露出した導波路層14との境界部として形成される。
再び図2を参照すると、2本の入力側ダミー導波路24,24は、2本の入力用光導波路22,22を外側から挟み、中心軸20cに対して対称に、MMI導波路20の一端面20aに接続されている。入力用光導波路22,22の場合とは異なり、入力側ダミー導波路24,24にはチャネル型導波路は接続されていない。
1本の入力側ダミー導波路24と、このダミー導波路24に隣り合う入力用光導波路22との間には、入力側第2凹溝32が形成されている。この入力側第2凹溝32は、傾斜面32dの形状を含めて、立体形状が入力側第1凹溝30と合同である(図3)。
なお、上述の議論は、出力側第1凹溝36及び出力側第2凹溝38にも同様に当てはまる。
2本の出力用光導波路26,26は、MMI導波路20の光伝播方向に沿った中心軸20cに対して対称に、MMI導波路20の他端面20bに接続されている。出力用光導波路26の平面形状は、入力用光導波路22と合同である。また、2本の出力用光導波路26,26は、その中心線26a,26aがMMI導波路20の中心軸20cからWm/6だけ離間するように、それぞれ配置されている。また、出力用光導波路26,26は、MMI導波路20との接続部(他端面20b)に向かって拡幅するテーパ状の平面形状である。出力用光導波路26,26には、チャネル型導波路34がそれぞれ接続されている。これらのチャネル型導波路34,34はシングルモード導波路である。MMI導波路20の他端面20bで励起された光は、これらのチャネル型導波路34,34に分配される。
2本の出力用光導波路26,26の間には、出力側第1凹溝36が形成されている。出力側第1凹溝36の立体形状は、入力側第1凹溝30と合同である。すなわち、出力側第1凹溝36は、テーパ状の2本の出力用光導波路26,26に挟まれて存在している。そのため、出力側第1凹溝36は、MMI導波路20に向かって幅が狭くなる、略くさび形の平面形状である。より詳細には、出力側第1凹溝36は、平面視で、2本の斜辺36a,36aと、辺36eとで囲まれた領域として構成される。ここで、両斜辺36a,36aはそれぞれ直線である。また、両斜辺36a,36aのなす角度はΘである。また、辺36eは、光伝播方向に対して垂直に延在し、両斜辺36a及び36aを結んでいる。
出力側第1凹溝36の内部に残留するドライエッチング残さ(下部クラッド層12及び上部クラッド層16)から構成される傾斜面36dは、入力側第1凹溝30の傾斜面30dと等しい傾きを有している。
2本の出力側ダミー導波路28,28は、それぞれ入力側ダミー導波路24と合同な立体形状である。そして、出力側ダミー導波路28,28は、MMI導波路20を挟んで、入力側ダミー導波路24,24と対称に、他端面20bに接続されている。すなわち、2本の出力側ダミー導波路28,28は、2本の出力用光導波路26,26を外側から挟み、中心軸20cに対して対称に、MMI導波路20の他端面20bに接続されている。出力用光導波路26,26の場合とは異なり、出力側ダミー導波路28,28にはチャネル型導波路は接続されていない。
1本の出力側ダミー導波路28と、このダミー導波路28に隣り合う出力用光導波路26との間には、出力側第2凹溝38が形成されている。この出力側第2凹溝38は、傾斜面38dの形状を含めて、立体形状が出力側第1凹溝36と合同である。
次に、この光カプラ10の具体的な寸法、及び、光カプラ10の構成部品の材料について説明する。
基板18の厚みは、好ましくは、例えば約300μmとする。基板18は、好ましくは、導電型がn型のInPを材料とする。
下部クラッド層12の厚みは、好ましくは、例えば約0.5μmとする。下部クラッド層12は、好ましくは、例えば導電型がn型であり、屈折率が約3.19のInPを材料とする。
導波路層14の厚みは、好ましくは、例えば約0.4μmとする。導波路層14は、好ましくは、例えば屈折率が約3.37のInGaAsPを材料とする。
上部クラッド層16の厚みは、好ましくは、例えば約2μmとする。上部クラッド層16は、好ましくは、例えば導電型がp型であり、屈折率が約3.19のInPを材料とする。
また、チャネル型導波路29,29,34,34の幅は、好ましくは、例えば約2μmとする。入力用光導波路22,22、入力側ダミー導波路24,24、出力用光導波路26,26及び出力側ダミー導波路28,28の光伝播方向に沿った長さは、好ましくは、例えば約20μmとする。MMI導波路20の幅Wmは、好ましくは、例えば約12μmとする。MMI導波路20の全長Lは、好ましくは、例えば約190μmとする。また、くさび角Θは、好ましくは、例えば約(12/190)(=Wm/L)radとする。
また、辺30e及び36eの長さは、好ましくは、例えば約0.5μmとする。
(光カプラの動作)
次に、図4〜図6を参照して、光カプラ10の動作について説明する。図4(A)は、光カプラ10と類似の構造を有する光カプラ50における光の伝播の様子を示す図である。図4(B)は、従来の光カプラ100における光の伝播の様子を示す図である。図5(A)は、光カプラ50の構造を概略的に示す斜視図である。図5(B)は、光カプラ50の一端面20aにおける等価屈折率分布を示す図である。図6(A)は、光カプラ100の構造を概略的に示す斜視図である。図6(B)は、光カプラ100の一端面20aにおける等価屈折率分布を示す図である。
図4(A)及び(B)は、いずれもビーム伝播法(BPM:Beam Propagation Method)を用いたシミュレーションにより求められたものである。
まず、図5(A)を参照して、光カプラ50の構造について概説する。なお、図5(A)において、図1と同様の構成要素には同符号を付し、その説明を省略する。また、図面が煩雑となることを防ぐために、図5(A)においては、入力用光導波路22,22のそれぞれに接続されるチャネル型導波路29,29、及び出力用光導波路26,26のそれぞれに接続されるチャネル型導波路34,34の図示を省略している。
光カプラ50の構造は、上述した光カプラ10とは若干異なっている。具体的には、光カプラ50は、装荷型導波路構造として設計されている点が、光カプラ10(リッジ型導波路構造)とは異なっている。
簡単に言えば、光カプラ10は、導波路層14よりも深い深さまでエッチングを行なうのに対し、光カプラ50は、導波路層14の表面でエッチングを止めるように設計されている。
その結果、光カプラ50では、導波路層14が下部クラッド層12の全面に残留する。光カプラ50では、上部クラッド層16の直下に位置する導波路層14で等価屈折率が大きくなることを利用して、光を導波路層14に閉じ込める。
また、光カプラ50は、エッチング時間が短いことを除いては、光カプラ10と同様にして形成される。したがって、入力側第1凹溝30及び入力側第2凹溝32には、それぞれ傾斜面30d及び32dが形成される(図示せず)。また、入力側第1凹溝30及び入力側第2凹溝32のエッチング条件は同一であるので、両者30及び32は、傾斜面30d及び32dを含めて立体形状が合同である。
その結果、光カプラ50においては、MMI導波路20の一端面20a(他端面20b)内で、等価屈折率が1本の入力用光導波路22(出力用光導波路26)を挟んで対称形に分布する。この様子を図5(B)に示した。図5(B)は、縦軸が一端面20a面内における等価屈折率(任意単位)を示す。横軸が、入力用光導波路22の中心線22aからの距離(任意単位)を示す。横軸のA方向及びB方向は、それぞれ図5(A)に示した矢印A及びBの方向に対応する。
ここで、シミュレーションに用いた光カプラ50の具体的な寸法及び材料について説明する。
下部クラッド層12の厚みは、好ましくは、例えば約0.5μmとする。下部クラッド層12は、好ましくは、例えば導電型がn型であり、屈折率が約3.19のInPを材料とする。
導波路層14の厚みは、好ましくは、例えば約0.4μmとする。導波路層14は、好ましくは、例えば屈折率が約3.37のInGaAsPを材料とする。
上部クラッド層16の厚みは、好ましくは、例えば約2μmとする。上部クラッド層16は、好ましくは、例えば導電型がp型であり、屈折率が約3.19のInPを材料とする。
また、チャネル型導波路29,29,34,34の幅は、好ましくは、例えば約2μmとする。入力用光導波路22,22、入力側ダミー導波路24,24、出力用光導波路26,26及び出力側ダミー導波路28,28の光伝播方向に沿った長さは、好ましくは、例えば約50μmとする。MMI導波路20の幅Wmは、好ましくは、例えば約12μmとする。MMI導波路20の全長Lは、好ましくは、例えば約150μmとする。
また、辺30e及び36eの長さは、好ましくは、例えば約0.2μmとする。
さらに、MMI導波路20に入力する光の波長は、好ましくは、例えば約1.55μmとする。
次に、図6(A)を参照して、従来の光カプラ100の構造について説明する。
図6(A)から明らかなように、光カプラ100は、入力側ダミー導波路24,24及び出力側ダミー導波路28,28が設けられていない点を除いて、光カプラ50と同様の構造及び寸法である。なお、図面が煩雑となることを防ぐために、図5(A)においては、入力用光導波路22,22のそれぞれに接続されるチャネル型導波路29,29、及び出力用光導波路26,26のそれぞれに接続されるチャネル型導波路34,34の図示を省略している。
つまり、光カプラ100には、入力側第2凹溝32及び出力側第2凹溝38が存在しない。その結果、光カプラ100では、入力側第1凹溝30にのみエッチング残さ(傾斜面30d)が残留することとなる。
その結果、光カプラ50においては、MMI導波路20の一端面20a(他端面20b)における等価屈折率は、1本の入力用光導波路22(出力用光導波路26)を挟んで非対称形に分布する。つまり、エッチング残さが残留する入力側第1凹溝30(出力側第1凹溝36)がわで、等価屈折率が高くなる。この様子を図6(B)に示した。図6(B)は、縦軸が一端面20a面内における等価屈折率(任意単位)を示す。横軸が、入力用光導波路22の中心線22aからの距離(任意単位)を示す。横軸のA方向及びB方向は、それぞれ図6(A)に示した矢印A及びBの方向に対応する。
次に、図4(A)及び(B)のシミュレーション結果について説明する。
図4(A)及び(B)は、縦軸が光カプラ50及び100の光伝播方向の長さを示し、並びに、横軸が光カプラ50及び100の光伝播方向に直交する方向の長さを示す。光カプラ内部における光の強度分布はグラデーションで示される。グラデーションにおいて、黒色部が光強度の弱いことを、及び白色部が光強度の強いことをそれぞれ示している。
MMI導波路20は、縦軸の0〜150μmの範囲にわたって延在している。なお、図4(A)と図4(B)とでは、縦軸のスケールが異なっている。
2本の入力用光導波路22,22のいずれかを伝播した光は、縦軸の0μm地点(一端面20a)からMMI導波路20へと入力される。MMI導波路20に入力された光は、MMI導波路20中で複数モードに分配されて導波する。そして、縦軸の150μm地点(他端面20b)に設けられた2本の出力用光導波路26,26に分配される。
図4(B)に示した従来の光カプラ100(図6(A))では、領域A(縦軸:0〜60μm付近)において、光がMMI導波路100の中心軸(横軸:0μm)の方向に引っ張られるように伝播していることがわかる。また、領域B(縦軸:240〜320μm付近)において、光が2本の出力用光導波路26,26から外部に向けて放射し、光強度の損失が発生していることがわかる。これらの現象は、図6(B)に示したように、光カプラ100では、一端面20a(他端面20b)における等価屈折率分布が非対称であることに起因する。
それに対し、図4(A)に示した光カプラ50(図5(A))では、MMI導波路20中で、光は中心軸に引っ張られることなく伝搬する。そして、2本の出力用光導波路26,26に、きれいに分配されている。これは、図5(B)に示したように、光カプラ50では、一端面20a(他端面20b)における等価屈折率分布が対称であることに起因する。
なお、光カプラ10は、エッチング時間が異なる以外は光カプラ50と同様の構造である。したがって、光カプラ50に関する上述の議論は、そのまま光カプラ10にも当てはまる。
(くさび角Θと幅Wm及び全長Lとの関係)
次に、くさび角Θの大きさと、MMI導波路20の幅Wm及び全長Lとの関係について説明する。
一般に、MMI導波路を用いた2×2型光カプラでは、MMI導波路の幅Wmと全長Lとが、下記(2)式を満たすことが好ましいとされている。これは、2本の出力用光導波路に、強度ロスの少ない光を分配するためである。
L=2nWm/(3λ)・・・(2)
ただし、nは、MMI導波路の屈折率である。また、λは、MMI導波路に入力される光の波長である。
つまり、(2)式によれば、全長Lは幅Wmの2乗に比例する。したがって、ドライエッチング誤差などにより、幅WmのずれΔW及び全長LのずれΔLが生じた場合であっても、(2)式の関係を保ち続けるためには、ΔWとΔLとは、下記(3)式の関係を満足する必要がある。
ΔL/ΔW=2L/Wm・・・(3)
ところで、通常の場合、ドライエッチングにおける幅方向及び全長方向のエッチング速度は等しい(ΔL=ΔW)。したがって(3)式は満足されない。つまり、エッチング誤差ΔL及びΔWが生じた場合、MMI導波路は、完全には(2)式を満足しなくなる。その結果、出力光の光パワーに損失が生じる。
この発明の発明者は、くさび角Θを適当な値に調整することで、ΔL及びΔWを(3)式にしたがって変化可能であることを想到した。
以下、図7を参照して、この点について、より詳細に説明する。
図7(A)は、入力側第1凹溝30の形成途上の第1時刻Tにおける平面形状を概略的に示す平面図である。また、図7(B)は、図7(A)に対応する入力側第1凹溝30の断面を概略的に示す断面図である。
図7(A)及び(B)において、実線は、第1時刻Tでの入力側第1凹溝30の輪郭を示している。また、破線は、第1時刻Tから微小時間ΔTだけ経過した第2時刻T+ΔTにおける入力側第1凹溝30の輪郭を示している。
まず、ドライエッチングにより、入力側第1凹溝30が形成されていく様子について概説する。
入力側第1凹溝30は、くさび31の後方と先端とでエッチング速度が異なっている。つまり、くさび31の後方では、エッチング速度が速い。これは、くさび31の後方では、入力側第1凹溝30の幅が広いために、エッチングガスの侵入及び反応生成物の脱出が容易だからである。一方、くさび31の先端近傍では、エッチング速度が遅い。これは、くさび31の先端近傍では、入力側第1凹溝30の幅が狭いために、エッチングガスの侵入及び反応生成物の脱出が困難だからである。その結果、入力側第1凹溝30には、くさび31の先端に向かうほど高さが高くなる傾斜面30dが形成される。
傾斜面30dはこのようにして形成されるので、傾斜面30dの傾斜角とドライエッチング時間との間には正の相関が成り立つ。つまり、傾斜角は、エッチングの進行とともに大きくなっていく。その結果、導波路層14の傾斜面30dからの露出部、すなわち一端面20aは、エッチングの進行とともに、くさび31の先端方向に移動していく。つまり、エッチングの進行とともに、MMI導波路20の全長Lが短くなっていく。ここで、微小時間ΔT(第2時刻−第1時刻)の間に一端面20aが移動する距離をΔlとし、及び微小時間ΔTの間のMMI導波路20の全長Lの変化をΔLとする。このときΔlとΔLとの間には、ΔL=2Δlなる関係が成り立つ。
また、ドライエッチングにより、MMI導波路20の外縁部が、MMI導波路20の内側に向かって削られていく。つまり、エッチングの進行とともに、(i)MMI導波路20の幅Wmが減少し、及び(ii)入力側第1凹溝30の幅が増加する。ここで、微小時間ΔTあたりのMMI導波路20の幅の減少量ΔWと、入力側第1凹溝30の幅の増加量とは等しくなる。なぜなら、入力用光導波路22の幅がエッチングにより狭くなることにより、くさび31の斜辺30a及び30aは、くさび31の外側に向かって、それぞれΔW/2ずつ移動するからである。
ところで、くさび角Θと、上述のΔW及びΔLとの間には、下記(4)式の関係が成り立つ。
tanΘ≒Θ=ΔW/Δl
=2ΔW/ΔL・・・(4)
(4)式に(3)式を代入すると、くさび角Θを表す下記(5)式が得られる。
Θ=Wm/L・・・(5)
よって、くさび角Θを(5)式のように設定すれば、ΔWの大きさによらず、MMI導波路20の全長Lと幅Wmとを常に(2)式を満たすようにすることができる。その結果、2本の出力用光導波路26,26に、強度ロスが少ない出力光を分配することができる。
次に、図8及び図9を参照して、入力側第1凹溝30のくさび角Θを(5)式に従わせることにより、MMI導波路20の幅誤差ΔWに対する耐性が向上することについて説明する。
図8及び図9は、BPMを用いて求められた出力光の強度と誤差幅ΔWとの関係を示した図である。図8は、光カプラ10に関するものであり、及び図9は、光カプラ50に関するものである。
図8及び図9において、縦軸は、出力用光導波路26及び26のそれぞれから出力される光の強度(任意単位)である。なお、図中においては、一方の出力用光導波路26から出力される光の強度を点線(I及びIII)で表し、及び他方の出力用光導波路26から出力される光の強度を実線(II及びIV)で表している。
また、横軸は、辺30eの長さの初期値からのずれddW(μm)である。ddW<0は、辺30eが初期値よりも長いこと、すなわち、光カプラ形成のためのエッチングが予定よりも不足していることを示す。また、ddW>0は、辺30eが初期値よりも短いこと、すなわち、光カプラ形成のためのエッチングが予定よりも過剰なことを示す。なお、辺30eの長さの初期値は、光カプラ10(図8)では0.2μmである。また、光カプラ50(図9)では0.5μmである。
図8及び図9から明らかなように、広い誤差幅ΔW(ddW)の範囲で、出力光の光強度が略一定であることがわかる。
次に、光カプラ10,50の奏する効果につき説明する。
光カプラ10,50においては、入力側ダミー導波路24,24を設けることにより、入力側第1凹溝30と合同の立体形状を有する入力側第2凹溝32,32を形成している。これにより、図5(B)に示したように、一端面20aにおける等価屈折率を、入力用光導波路22を挟んで対称に分布させることができる。その結果、入力用光導波路22からMMI導波路20に入力される光は、中心軸20cに引っ張られることなく、設計通りの経路を伝播する。そして、他端面20bにおいて、出力用光導波路26,26に正確に一致する位置で励起される。よって、光カプラ10,50によれば、強度のロスが少ない光を、適切な分配比で2個の出力用光導波路26,26に分配できる。
また、くさび角Θの大きさをWm/L((5)式)とすることにより、MMI導波路20の全長Lと幅Wmとの関係を自己整合的に略最適に、つまり、(2)式を常に満足するように調整することができる。つまり、MMI導波路20の幅誤差ΔWに対する耐性を高め、強度のロスが少ない光を、適切な分配比で2個の出力用光導波路26,26に分配することができる。
また、入力用光導波路22,22及び出力用光導波路26,26をMMI導波路20の中心軸20cから、Wm/6だけ離間して配置している。これにより、強度のロスが少ない光を、適切な分配比で2個の出力用光導波路26,26に分配できる。
また、入力用光導波路22,22及び出力用光導波路26,26のそれぞれをMMI導波路20に向かって拡幅するテーパ形状に形成している。このようにすることにより、MMI導波路20の幅誤差ΔWに対する耐性を高め、強度のロスが少ない光を、適切な分配比で2個の出力用光導波路26,26に分配することができる。
次に、光カプラ10,50において許容される設計変更及び変形例について説明する。
この実施の形態においては、くさび角Θの大きさをWm/Lとした。しかし、発明者が行ったシミュレーションから、くさび角Θは、Wm/(2L)≦Θ≦2Wm/Lの範囲であれば、MMI導波路20の幅誤差ΔWに対する耐性を高めることができることが明らかとなった。
また、この実施の形態においては、M=2、つまり、入力用光導波路22が2個の場合について例示した。しかし、入力用光導波路22の個数は、2個以上の任意の整数Mとすることができる。この理由は、入力用光導波路がM個の場合であっても(3)式が成立するためである。
つまり、入力用光導波路がM個となった場合、(2)式は、下記(2)’式に変化する。
L=CWm・・・(2)’
ここで、Cは、n(MMI導波路の屈折率)、及びλ(MMI導波路に入力される光の波長)に関係する係数である。
(2)’式と(2)式とを比較すると、係数に違いはあるが、MMI導波路の全長Lが、幅Wmの2乗に比例する関係は変化しない。よって、幅WmのずれΔW、及び全長LのずれΔLとの間には(3)式が成立する。以上のことから、入力用光導波路の個数は、M個とすることができる。
また、出力用光導波路26,26の個数は、2個に限定されない。設計に応じて2個以上の所望の個数とすることができる。
実施の形態の光カプラの構造を概略的に示す斜視図である。 上部クラッド層の図示を省略した、実施の形態の光カプラの構造を概略的に示す平面図である。 (A)は、実施の形態の光カプラの入力側第1凹溝の要部を拡大した斜視図である。(B)は、実施の形態の光カプラの入力側第1凹溝の要部を拡大した断面切り口を示す概略図である。 (A)は、実施の形態の光カプラにおける光の伝播の様子を示す図である。(B)は、従来の光カプラにおける光の伝播の様子を示す図である。 (A)は、実施の形態の光カプラの構造を概略的に示す斜視図である。(B)は、実施の形態の光カプラの一端面における等価屈折率分布を示す図である。 (A)は、従来の光カプラの構造を概略的に示す斜視図である。(B)は、従来の光カプラの一端面における等価屈折率分布を示す図である。 (A)は、実施の形態の光カプラにおいて、入力側第1凹溝の形成途上の第1時刻における平面形状を概略的に示す平面図である。(B)は、(A)に対応する入力側第1凹溝の断面を概略的に示す断面図である。 実施の形態の光カプラにおいて、出力光の強度と誤差幅との関係を示した図である。 実施の形態の光カプラにおいて、出力光の強度と誤差幅との関係を示した図である。
符号の説明
10 光カプラ
10a 側面
12 下部クラッド層
14 導波路層
14a 側面
16 上部クラッド層
18 基板
18a 第1主面
20 MMI導波路
20a 一端面
20b 他端面
20c 中心軸
22 入力用光導波路
22a 中心線
24 入力側ダミー導波路
26 出力用光導波路
28 出力側ダミー導波路
29 チャネル型導波路
30 入力側第1凹溝
30a 斜辺
30d 傾斜面
30e 辺
31 くさび
32 入力側第2凹溝
32d 傾斜面
34 チャネル型導波路
36 出力側第1凹溝
36a 斜辺
36d 傾斜面
36e 辺
38 出力側第2凹溝
38d 傾斜面
50 光カプラ
100 従来の光カプラ

Claims (9)

  1. 基板と、
    該基板の主表面がわに設けられた導波路層と、
    該導波路層よりもそれぞれ低屈折率であり、前記基板の厚み方向に該導波路層を挟み込む上層及び下層を備えており、
    該導波路層は、平面形状が矩形であって、光伝播方向にそれぞれ直交する一端面、及びこれに対向する他端面を有する多モード干渉導波路と、M個(Mは2以上の整数)の入力用光導波路と、2個の入力側ダミー導波路と、N個(Nは2以上の整数)の出力用光導波路とを備えており、
    前記導波路層を上方から平面的に見たとき、
    M個の前記入力用光導波路は、前記多モード干渉導波路の前記一端面に互いに隣り合って接続され、かつ、該多モード干渉導波路の光伝播方向に平行な中心軸に対して対称的に設けられており、
    2個の前記入力側ダミー導波路は、前記多モード干渉導波路の前記一端面に接続され、かつ、M個の前記入力用光導波路を挟み、及び前記中心軸に対して対称的に、設けられており、
    N個の前記出力用光導波路は、前記多モード干渉導波路の前記他端面に接続されて設けられており、
    さらに、M個の中から選ばれた隣り合う2本の前記入力用光導波路の間に、合計(M−1)個の第1凹溝が形成されており、(M−1)個の当該第1凹溝は、それぞれ合同の立体形状を有しており、
    前記入力側ダミー導波路と、該入力側ダミー導波路に隣り合う前記入力用光導波路との間には、前記第1凹溝と合同の立体形状を有する第2凹溝が形成されていることを特徴とする光カプラ。
  2. 前記入力用光導波路は、前記導波路層を上方から平面的に見たとき、前記多モード干渉導波路の前記一端面に向かってテーパ状に拡幅していることを特徴とする請求項1に記載の光カプラ。
  3. 前記第1及び第2凹溝は、前記導波路層を上方から平面的に見たとき、前記多モード干渉導波路に向かって略くさび形に幅が狭くなっており、
    該くさびを構成する2本の斜辺のなす角度をΘとし、
    前記中心軸に沿った前記多モード干渉導波路の全長をLとし、及び
    前記中心軸に直交する方向の前記多モード干渉導波路の幅をWmとしたとき、
    前記Θが下記(1)式の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光カプラ。
    Wm/(2L)≦Θ≦2Wm/L・・・(1)
  4. 前記第1及び第2凹溝の底面は、前記くさびの先端方向に向かうにつれて高さが高くなる傾斜面として構成され、前記多モード干渉導波路の前記一端面は、該傾斜面を構成する前記下層と、該傾斜面に露出した前記導波路層との境界部として形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光カプラ。
  5. 前記Nが2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光カプラ。
  6. 前記出力用光導波路は、前記導波路層を上方から平面的に見たとき、前記多モード干渉導波路の前記他端面に向かってテーパ状に拡幅していることを特徴とする請求項5に記載の光カプラ。
  7. 前記多モード干渉導波路の前記他端面において、2個の前記入力側ダミー導波路と対称的な位置に、該入力側ダミー導波路のそれぞれと合同な平面形状の2個の出力側ダミー導波路を備えることを特徴とする請求項6に記載の光カプラ。
  8. 前記中心軸に直交する方向の多モード干渉導波路の幅をWmとしたとき、2本の前記出力用光導波路の中心線は、それぞれ、該中心軸からWm/6の位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光カプラ。
  9. 基板と、
    該基板の主表面がわに設けられた多モード干渉導波路と、
    該多モード干渉導波路の光伝播方向に平行な中心軸に対して対称に当該多モード干渉導波路の一端面に接続され、該一端面に向かって拡幅し、内部にエッチング残さが残留している入力側第1凹溝を隔てて互いに隣り合う2個の入力用光導波路と、
    前記入力用導波路と合同の平面形状であり、前記多モード干渉導波路を挟んで前記入力用光導波路と対称な位置に設けられ、前記多モード導波路の他端面に接続され、内部にエッチング残さが残留する出力側第1凹溝を隔てて互いに隣り合う2個の出力用光導波路とを備えた光カプラにおいて、
    2個の前記入力用光導波路を挟み、前記中心軸に対して対称に、前記一端面に接続される2個の入力側ダミー導波路と、
    2個の前記出力用光導波路を挟み、前記中心軸に対して対称に、前記他端面に接続される2個の出力側ダミー導波路とを備え、
    前記入力側ダミー導波路と該入力側ダミー導波路に隣り合う前記入力用光導波路との間には、前記入力側第1凹溝と合同の立体形状の入力側第2凹溝が形成されており、
    前記出力側ダミー導波路と該出力側ダミー導波路に隣り合う前記出力用光導波路との間には、前記出力側第1凹溝と合同の立体形状の出力側第2凹溝が形成されていることを特徴とする光カプラ。
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