JP2007232226A - 熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007232226A
JP2007232226A JP2006050561A JP2006050561A JP2007232226A JP 2007232226 A JP2007232226 A JP 2007232226A JP 2006050561 A JP2006050561 A JP 2006050561A JP 2006050561 A JP2006050561 A JP 2006050561A JP 2007232226 A JP2007232226 A JP 2007232226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
hot water
pipe
temperature
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006050561A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4868354B2 (ja
Inventor
Masahisa Otake
雅久 大竹
Koji Sato
晃司 佐藤
Hiroshi Mukoyama
洋 向山
Kiyotaka Kido
清隆 木戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIDO KK
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
KIDO KK
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIDO KK, Sanyo Electric Co Ltd filed Critical KIDO KK
Priority to JP2006050561A priority Critical patent/JP4868354B2/ja
Priority to EP07003912.8A priority patent/EP1826521A3/en
Priority to CN200710084212.2A priority patent/CN101029788A/zh
Priority to US11/711,159 priority patent/US20070214829A1/en
Publication of JP2007232226A publication Critical patent/JP2007232226A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4868354B2 publication Critical patent/JP4868354B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F3/00Plate-like or laminated elements; Assemblies of plate-like or laminated elements
    • F28F3/12Elements constructed in the shape of a hollow panel, e.g. with channels
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B39/00Evaporators; Condensers
    • F25B39/02Evaporators
    • F25B39/022Evaporators with plate-like or laminated elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F3/00Plate-like or laminated elements; Assemblies of plate-like or laminated elements
    • F28F3/12Elements constructed in the shape of a hollow panel, e.g. with channels
    • F28F3/14Elements constructed in the shape of a hollow panel, e.g. with channels by separating portions of a pair of joined sheets to form channels, e.g. by inflation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/06Compression machines, plants or systems characterised by the refrigerant being carbon dioxide
    • F25B2309/061Compression machines, plants or systems characterised by the refrigerant being carbon dioxide with cycle highest pressure above the supercritical pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/002Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the refrigerant
    • F25B9/008Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the refrigerant the refrigerant being carbon dioxide

Abstract

【課題】熱交換器の耐圧性及び伝熱性能を向上させて、特に、二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍サイクル装置に適した熱交換器を提供することを目的とする。
【解決手段】蒸発器16(熱交換器)は、一対の板材を備え、少なくとも一方の板材としての外板76は、周辺部全周が内側タンク70の底面70Bを構成する他方の板材に固着されて両板材76、70B間に密閉された冷媒通路空間77が構成されると共に、外板76の周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所底面70Bに固着された内側固着部78が形成され、冷媒通路空間77に連通して複数の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bが取り付けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱交換器に関し、特に、圧縮機、放熱器、減圧装置及び蒸発器を備えて冷媒回路が構成され、冷媒として二酸化炭素が封入された冷凍サイクル装置に使用される熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
従来、圧縮機、放熱器、減圧装置及び蒸発器を備えて冷媒回路が構成された冷凍サイクル装置では、フロン系の冷媒が広く使用されていたが、近年、オゾン層破壊防止や地球温暖化防止などの地球環境問題からこの種の冷媒が使用できなくなり、これに代えて二酸化炭素を冷媒として使用する試みがなされている。
当該二酸化炭素冷媒を使用した冷凍サイクル装置では、冷媒回路内の圧力が従来のフロン系冷媒に比べて著しく高くなるため、当該冷媒回路を構成する各機器(圧縮機、放熱器、減圧装置及び蒸発器等)も、係る高圧に耐えうるものを使用する必要がある。一方、二酸化炭素冷媒は、冷媒回路の理論上の成績係数が、従来のフロン系冷媒に比べて著しく低いため、伝熱能力の高い熱交換器が望まれる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−37054号公報
しかしながら、係る二酸化炭素冷媒の高圧に耐えるためには、熱交換器を構成する各部材の厚みを増大する必要があるが、これにより熱伝導損失が大きくなる問題が生じていた。特に、当該熱交換器を冷却容器の内部に貯蔵された被冷却物を当該冷却容器の外部から冷却する蒸発器とした場合、その構造上、二酸化炭素冷媒の高圧に耐えて、且つ、高い伝熱性能を確保することが困難であった。即ち、二酸化炭素冷媒の高圧に耐えるように蒸発器の構成部材を肉厚とすることで、熱伝導損失が更に大きくなるので、その結果、従来の冷媒を使用した蒸発器と比べて、伝熱性能が著しく低下する問題が生じていた。
また、高い耐圧強度を確保するための別の方法として、形状面で強度的に優れる円管を蒸発器の冷媒通路として使用することも考えられるが、円管と被冷却物を貯蔵する冷却容器との接触する部分において、接触熱抵抗が増大するため、係る伝熱性能の著しい低下を避けることはできなかった。
そこで、本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、熱交換器の耐圧性及び伝熱性能を向上させて、特に、二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍サイクル装置に適した熱交換器を提供することを目的とする。
本発明の熱交換器は、一対の板材を備え、少なくとも一方の板材は、周辺部全周が他方の板材に固着されて両板材間に密閉された冷媒通路空間が構成されると共に、一方の板材の周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所前記他方の板材に固着された内側固着部が形成され、冷媒通路空間に連通して複数の冷媒入口管及び冷媒出口管が取り付けられていることを特徴とする。
また、請求項2の発明の熱交換器は、上記発明において内側固着部は、所定間隔をおいて碁盤目状、若しくは、千鳥状に配列されていることを特徴とする。
請求項3の発明の熱交換器は、上記各発明において冷媒入口管は、冷媒通路空間の中心部において当該冷媒通路空間に連通すると共に、冷媒出口管は、冷媒通路空間の周辺部において当該冷媒通路空間に連通することを特徴とする。
請求項4の発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、減圧装置及び蒸発器を備えて冷媒回路が構成され、蒸発器として請求項1乃至請求項3の何れかに記載の熱交換器を用いると共に、冷媒として二酸化炭素が封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする。
請求項5の発明の冷凍サイクル装置は、請求項4に記載の発明において他方の板材の一方の板材とは反対側の面は、所定の被冷却空間の壁面を構成すると共に、一方の板材の他方の板材とは反対側の面は、所定の断熱構造が施されていることを特徴とする。
本発明によれば、一対の板材を備え、少なくとも一方の板材は、周辺部全周が他方の板材に固着されて両板材間に密閉された冷媒通路空間が構成されると共に、一方の板材の周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所他方の板材に固着された内側固着部が形成されているので、例えば、一方の板材の周辺部全周を他方の板材に固着した後、両板材間に圧力を印加することにより、両板材間に冷媒通路空間を膨出形成することで、当該熱交換器の耐圧強度を確保しながら、冷媒の伝熱性能を向上させることができる。
また、冷媒通路空間に連通して複数の冷媒入口管及び冷媒出口管が取り付けられているので、当該熱交換器の冷媒入口管及び冷媒出口管接合部の耐圧強度を確保しつつ、熱交換器の入口及び出口における冷媒の圧力損失を低減することができる。
更に、内側固着部を、所定間隔をおいて碁盤目状、若しくは、千鳥状に配列すれば、一方の板材及び他方の板材の板厚を増大させることなく、熱交換器の耐圧強度を向上させることができる。
更にまた、本発明によれば冷媒入口管は、冷媒通路空間の中心部において当該冷媒通路空間に連通すると共に、冷媒出口管は、冷媒通路空間の周辺部において当該冷媒通路空間に連通するので、中心部から冷媒通路空間内に流入した冷媒は、周辺部に広がるように流れるため、冷媒の分流性が良好となり、当該熱交換器における冷媒の停滞を防止、若しくは極力解消することができるようになる。
本発明の熱交換器は耐圧強度が優れているので、二酸化炭素を冷媒として封入した冷凍サイクル装置の蒸発器として使用することができる。これにより、二酸化炭素冷媒を用いた冷凍サイクル装置の性能を向上させることができるようになる。
以下、図面に基づき本発明の熱交換器、及び、当該熱交換器を備えた冷凍サイクル装置の実施形態を詳述する。
本実施例の冷凍サイクル装置は、搾乳直後の牛乳を出荷するまでの間、冷却して保冷するための装置に適用した一例であり、図1は、本発明を適用した一実施例の冷凍サイクル装置の概略構成図である。本実施例の冷凍サイクル装置1は、圧縮機10、放熱器11、減圧装置としての膨張弁14及び蒸発器16を順次環状に配管接続して閉回路を成すように冷媒回路2が構成されている。即ち、圧縮機10の吐出側に接続された高圧冷媒配管40は放熱器11の入口に接続されている。当該放熱器11は、冷媒と熱媒体とを熱交換させて、熱媒体に冷媒の熱を放出するための熱交換器である。本実施例では、熱媒体を空気とし、ファン11Fにて送風される空気と冷媒とを熱交換させるものする。
そして、放熱器11の出口に接続された冷媒配管41は膨張弁14の入口に接続されている。膨張弁14は、放熱器11にて放熱した冷媒を減圧するための減圧装置であり、当該膨張弁14の出口に接続された冷媒配管42は、蒸発器16の入口に接続されている。そして、蒸発器16の出口には吸入管45の一端が接続され、吸入管45の他端は圧縮機10の低圧側(吸入部)に接続されている。また、蒸発器16と圧縮機10の低圧側とを連結する当該吸入管45には、圧縮機10に液冷媒が吸い込まれて損傷する不都合等から圧縮機を保護するためのアキュムレータ17が介設されている。更に、吸入管45の蒸発器16とアキュムレータ17の間には、冷媒回路2の高圧側から蒸発器16に冷媒が逆流する不都合を防止するため、圧縮機10側(アキュムレータ17側)を順方向とする逆止弁18が設けられている。
また、前記高圧冷媒配管40上には、圧縮機10から吐出される高温高圧の冷媒温度を検出するための吐出温度センサT1が設置され、前記蒸発器16、若しくは、冷媒配管42上には、蒸発器16における冷媒の蒸発温度を検出するための蒸発温度センサT6が設置されている。更に、吸入管45上には、蒸発器16から圧縮機10に入る冷媒の温度を検出するための吸入冷媒温度センサT7が設置されている。
そして、上述した冷媒回路2には、冷媒として自然冷媒である二酸化炭素が封入されている。当該冷媒回路2の高圧側の圧力は臨界圧力を超えて上昇するため、当該冷媒サイクルは、遷臨界サイクルとなる。また、圧縮機10の潤滑油としては、例えば、鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキレングリコール)、POE(ポリオールエーテル)等が使用される。
一方、前記蒸発器16は、冷却容器7の内側タンク70内に貯蔵された被冷却物(本実施例では牛乳)を冷却するための熱交換器であり、この冷却容器7に一体形成されている。ここで、本実施例の冷却容器7について図2乃至図4を用いて詳述する。図2は冷却容器7の概略構造を示した断面図、図3は当該冷却容器7に一体形成された蒸発器16の概略構造を示した断面図、図4は蒸発器16の概略構成図をそれぞれ示している。当該冷却容器7は、当該冷却容器7の外郭を構成する外装タンク72の内側に、内部に被冷却物(牛乳)を貯蔵するための所定の被冷却空間を有する内側タンク70を備える。また、内側タンク70の下面(本実施例では底面70B)には熱伝導性の高い板材から成る外板(一方の板材)76が設けられ、当該外板76の周辺部全周が内側タンク70の底面70Bを構成する他方の板材に固着され、両板材間(内側タンク70の底面70Bと外板76間)に密閉された冷媒通路空間77が構成されており、これを蒸発器16の冷媒流路としている(図3)。
この場合、他方の板材(底面)70Bの外板(一方の板材)76とは反対側の面は、前記被冷却物(牛乳)を貯蔵する所定の被冷却空間の壁面を構成すると共に、外板76の他方の板材である底面70Bとは反対側の面には、所定の断熱構造が施されている。即ち、本実施例では冷却容器7は、外板76の底面70Bとは反対側の面を含む内側タンク70と外装タンク72の間に、例えば、ウレタンなどの発泡性素材から成る断熱材74が充填されている。当該断熱材74は、内側タンク70に外板76を固着し、更にその外側に外装タンク72を組み立てた後に、内側タンク70と外装タンク72の間に注入される。
また、外板76の周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所前記内側タンク70の底面70Bに固着された内側固着部78が形成されている(図3及び図4)。具体的には、外板76の周辺部全周が内側タンク70の底面にシーム溶接により固着され、当該周辺部以外の部分は所定間隔をおいて碁盤目配列状、若しくは、千鳥配列状にスポット溶接により固着されている(スポット溶接により固着された箇所が内側固着部78である)。
ここで、前記蒸発器16の冷媒流路(冷媒通路空間77)は、加圧加工により成形されている。具体的には、外板76の周辺部全周及び前記内側固着部78を前述の如く内側タンク70の底部に固着した後、内側タンク70と外板76との間に圧力を印加することにより、内側タンク70と外板76間に冷媒通路空間77を膨張形成している。そのため、外板76の前記内側固着部78以外の部分が断面略弓形に外側(図2及び図3では下側)に膨らんで、この膨らみが碁盤目配列状、若しくは、千鳥配列状に多数連なった形状となる。
内側タンク70の外板76が固着される底面70Bは、蒸発器16の冷媒流路(冷媒通路空間77)を流れる冷媒と当該内側タンク70内に貯蔵される被冷却物(牛乳)との熱交換が行われ易いように前記外板76と同様に熱伝導性の高い材質にて構成されている。また、その他の内側タンク70、外板76及び外装タンク72の材質は、腐食性や耐久性等を考慮して選択することが望ましい。例えば、内側タンク70、外板76及び外装タンク72の材質としてステンレス鋼を用いることができる。
また、上記冷却容器7の形状は、円柱状、横置き楕円柱状、直方体等の種々の形状が考えられるが、本実施例では横置き楕円柱状とする。また、本実施例では、被冷却物(牛乳)を効率的に冷却できるように、外板76を内側タンク70の底面70Bに配して蒸発器16の冷媒流路(冷媒通路空間77)を形成するものとしたが、必要に応じて、更に、内側タンク70の側面に形成しても構わない。尚、図2には、図の簡略化のため表されていないが、冷却容器7には、被冷却物(牛乳)を投入するための投入口7Aと、被冷却物(牛乳)を取り出すための取出口7Bが設けられている(図1)。
そして、内側タンク70の底面70Bと外板76との間に形成された前記冷媒通路空間77(蒸発器16の冷媒流路)には、当該冷媒通路空間77に連通して複数の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bが取り付けられている。冷媒入口管16Aは、蒸発器16(冷媒通路空間77)に冷媒を流入させるためのものであり、一端が当該冷媒通路空間77に接続されている。当該冷媒入口管16Aの他端は、冷媒配管42からの冷媒が冷媒通路空間77に分岐して流入するように当該冷媒配管42に接続されている。また、冷媒出口管16Bは、蒸発器16(冷媒通路空間77)から冷媒を流出させるためのものであり、一端が前記冷媒通路空間77に接続されている。そして、当該冷媒出口管16Bの他端は、冷媒出口管16Bからの冷媒が合流するように吸入管45に接続されている。
本実施例の冷却容器7において、内側タンク70の板厚は2mm、外板76の板厚は1mmである。また、スポット溶接部(内側固着部78)の直径は6mmであり、スポットピッチ(ある内側固着部78の中心部から当該内側固着部78に隣接する内側固着部78の中心部までの間隔)は二酸化炭素冷媒の使用に耐えうるように20mm以下にすることが望ましい。具体的なスポットピッチの決定方法については後述するが、本実施例では、スポットピッチを18.5mmとしている。冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの外径は、管接合部の強度低下を防止するため、スポットピッチの1/2以下が望ましく、本実施例では、外径φ6.35mm(1/4インチ)、板厚1.0mmである。
また、本実施例において、前記冷媒通路空間77は、図4に示すようにシーム溶接によって中央で領域が2分割された2つの並列した冷媒流路により構成されている。即ち、前述の如く外板76の周辺部全周を内側タンク70の底面70Bにシーム溶接にて固着することにより形成された冷媒通路空間77を、独立した2つの領域(図4では上下2つの領域)に分割するように、当該外板76の中央付近を内側タンク70の底面70Bにシーム溶接にて固着している。これにより、冷媒通路空間77は、2つの並列した冷媒通路となり、各冷媒通路には冷媒配管42からの冷媒が冷媒入口管16Aを介して各々分流されて入ることとなる。
尚、蒸発器16の冷媒流路となる冷媒通路空間77は、シーム溶接によって分割することより、自由に構成することが可能である。本実施例では、中央付近で領域を分割して冷媒通路空間を2つのパス(2つの冷媒通路)としたが、例えば、本実施例のように領域を分割せずに1つのパスとすることも可能であるし、また、別の方法としては、更に細かく領域を分割することにより3パス、4パス、若しくはそれ以上のパスとすることも可能である。更には、シーム溶接により冷媒通路を蛇行状や渦巻状とすることも可能である。
次に、上述した蒸発器16の加工方法について詳述する。先ず、内側タンク70の素材となる平板状の板材を所定の大きさにプレス切断し、同様に、外板76の素材となる平板状の板材を所定の大きさにプレス切断する。
次に、内側タンクの板材の底面70Bとなる位置に、予め、冷媒入口管16Aを接続するための冷媒入口及び冷媒出口管16Bを接続するための冷媒出口となる複数の穴が加工された外板76を重ね合わせて、当該外板76を前述の如くスポット溶接により所定の間隔で碁盤目配列状、若しくは、千鳥配列状に固着する。これにより、外板76には、所定間隔において複数箇所内側タンク70の底部となる板材に固着された内側固着部78が形成される。その後、外板76の周辺部全周をシーム溶接により前記内側タンク70の底部となる板材に固着し、必要に応じて所定の冷媒通路を形成するように、更にシーム溶接により固着する。本実施例では、前述の如く、外板76の中央付近を内側タンク70の底面70Bとなる板材にシーム溶接により固着して2つの並列した冷媒通路を形成している。
次に、上記外板76が取り付けられた内側タンク70の板材をロール加工、若しくは、プレス加工により内側タンク70を形成するための所定の形状とする。本実施例では、前述の如く横置き型の楕円柱状であるので、ロール加工により平板ロール曲げ加工を行う。その後、所定形状に加工されたその他の部材と溶接により接合し、内側タンク70を形成する。
上述のように所定のタンク形状に加工された内側タンク70に取り付けられた外板76に予め設けられた前記複数の冷媒入口用の穴及び冷媒出口用の穴にそれぞれ冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの一端を溶接により接合し、これらの冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの接合部に最も近い内側固着部78Pを外板76側から再度溶接して、補強する。
尚、冷媒入口管16A、若しくは、冷媒出口管16Bは、碁盤目配列状、若しくは、千鳥配列状に所定の間隔でスポット溶接されたスポット溶接間の略中央に接合されるため、上述の補強を行う内側固着部78Pは、各冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bに対して、4箇所ずつ存在することとなる(図4)。
その後、冷媒入口管16A、若しくは、冷媒出口管16Bから加圧用流体を注入し、内側タンク70と外板76との間に形成された空間に圧力を印加する。これにより、外板76の内側固着部78以外の部分が断面略弓形に外側に変形し、冷媒通路空間77が形成される。ここで、蒸発器16の冷媒通路が本実施例のように複数(本実施例では2パス)形成されている場合には、偏った変形を防止するため、全ての冷媒通路に同時に圧力を印加することが望ましい。
尚、本実施例では、内側タンク70と外板76との固着をスポット溶接及びシーム溶接により行うとして説明したが、固着の方法はこれに限定されるものではなく、例えば、レーザー溶接等、他の方法により固着することも可能である。
他方、当該冷却容器7の被冷却物(牛乳)を投入する投入口7Aには図示しない投入配管が投入口弁を介して着脱可能に接続され、同様に、取出口7Bには取出弁を介して、牛乳を取り出すための取出配管が着脱可能に接続されている。そして、当該投入配管は冷却容器7の内側タンク70内に被冷却物(牛乳)を投入する場合にのみ投入口7Aに装着し、それ以外の場合には、投入口7Aから取り外されて、当該投入口7Aは密栓されているものとする。同様に、取出配管は冷却容器7の内側タンク70内の被冷却物(牛乳)を取り出す場合にのみ取出口7Bに装着されて、それ以外の場合には、取出口7Bから取り外されて、当該取出口7Bは密栓されているものとする。
また、冷却容器7の内側タンク70の外周面には、被冷却物(牛乳)の温度を検出するための被冷却物温度センサT5が取り付けられている。更に、冷却容器7には冷却時の伝熱を促進すると共に、内側タンク70内に貯蔵された被冷却物(牛乳)の温度ムラを小さくして正確な温度測定を行うために、被冷却物(牛乳)を攪拌する図示しない攪拌機が設置されている。
以上の構成で、次に本実施例の冷凍サイクル装置1の動作を説明する。
(1)冷却運転時における動作
先ず、被冷却物である牛乳を冷却する冷却運転時における動作を説明する。図示しない搾乳機につながる搾乳パイプラインと冷却容器7の投入口7Aとを図示しない投入配管により接続し、投入口弁を開き、搾乳直後の牛乳を冷却容器7に投入する。この時、前記取出弁は完全に閉じられ、取出口7Bも密栓された状態である。搾乳直後の牛乳の温度は、牛の体温と同程度かやや低く、具体的には35℃から38℃程度である。そこで、細菌の発生を防止し、牛乳の品質を維持する目的で冷媒回路2を運転して牛乳の冷却と保冷を行う。
搾乳開始後(牛乳投入開始後)、冷媒回路2の圧縮機10を駆動すると同時に、図示しない前記攪拌機も駆動する。通常、冷却容器7内に所定量の牛乳が貯まってから圧縮機10を駆動して冷却動作を開始するものとするが、凍結が起こらないように配慮し、且つ、攪拌機の空転防止を行うことにより、牛乳投入開始と同時、又は、牛乳投入前から冷却動作を開始させても構わない。
圧縮機10が駆動されると、吸入管45から圧縮機10の低圧側(吸入部)に低温低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮される。これにより、高温高圧となった冷媒ガスが吐出側から高圧冷媒配管40に入り、圧縮機10の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。
圧縮機10から吐出された高温高圧の冷媒は、高圧冷媒配管40を経て放熱器11に流入し、ここでファン11Fによる通風により、当該空気に対して熱を放出して冷却され、低温となる。このとき、放熱器11において、冷媒は超臨界圧力以上であるため、凝縮しないので、放熱器11の入口から出口に向かって、冷媒の温度は空気への放熱に伴い、徐々に低下する。そして、放熱器11の出口では、冷媒の状態は、通常超臨界圧力以上の液相となる。
そして、当該放熱器11から出た低温高圧の冷媒は、冷媒配管41を通過し、膨張弁514で減圧され、膨張して低圧となった後、冷媒配管42を経て、各冷媒入口管16Aに分岐して流れ、蒸発器16に至る。尚、当該蒸発器16入口における冷媒の状態は、液冷媒と蒸気冷媒が混在する二相混合状態である。そして、当該蒸発器16において、液相冷媒が被冷却物である牛乳から吸熱することにより、蒸発して蒸気冷媒となる。このとき、当該吸熱により牛乳が冷却される。
そして、蒸発器16において蒸発した冷媒は、各冷媒出口管16Bから当該蒸発器16を出て、合流した後、吸入管45に入り、逆止弁18、アキュムレータ17を経て低圧側から再び圧縮機10に吸い込まれるサイクルを繰り返す。以上の連続したサイクルを繰り返すことにより、蒸発器16における冷媒の吸熱により牛乳が冷却される。
前記搾乳が完了すると冷却容器7への牛乳の投入は終了するが、その後も牛乳が所定の温度に達するまで上述した冷却運転は続けられる。ここで、牛乳の温度は内側タンク70の外周面に取り付けられた被冷却物温度センサT5によって検出される。冷却運転を終了する所定の温度とは牛乳内の細菌の発生を抑制し、品質を維持する観点から設定されており、具体的には約4℃である。
また、冷却運転中は冷媒回路2の吸入管45上に設置された吸入冷媒温度センサT7にて検出される蒸発器16から圧縮機10に入る冷媒の温度と、蒸発器16若しくは冷媒配管42上に設置された蒸発温度センサT6にて検出される冷媒の蒸発温度との差、所謂、過熱度が所定の値になるように膨張弁14の開度が調節される。即ち、過熱度が所定の値より大きい場合には、膨張弁14の開度が拡大され、逆に、過熱度が所定の値より小さい場合には、膨張弁14の開度が縮小される。
尚、冷却運転中の圧縮機10の回転数は、一定であっても良いし、インバータ等により周波数を調節しても良い。本実施例では、内側タンク70の外周面に取り付けられた被冷却物温度センサT5によって検出される牛乳の温度の時間的変化から要求される冷却能力を演算し、当該演算結果に応じた運転周波数となるように圧縮機10の回転数が制御されている。これにより、冷却効率の向上を図ることができる。
ここで、上記制御について詳しく説明する。上述したように被冷却物である牛乳の品質維持の観点から、冷却容器7内にて牛乳を冷却する所定の温度が決められているが、同様の理由により、所定の温度まで冷却するために要する所要時間も決められている。当該牛乳を冷却する装置は、農家によって牛の飼育規模が異なるため、所定の温度までの冷却が所定時間内に完了するように夫々の飼育規模に合わせて選定されているが、同じ農場であっても日によって搾乳量に変動が生じるため、通常、牛乳品質管理を優先して充分大きな冷却能力を持つ冷凍サイクル装置が使用される。従って、当該装置において、冷却運転中における回転数を一定とした場合、実際の冷却運転時に冷却容量が過剰となり、必ずしも効率的な運転とは云えない。
そこで、本実施例では、上述のように内側タンク70の外側に取り付けられた被冷却物温度センサT5によって検出される牛乳の時間的温度変化から冷却速度を算出し、予め設定された冷却所要時間で冷却運転が完了するように圧縮機10の回転数を調節し、冷却能力を制御するものとする。即ち、冷却される牛乳の量が少なく、所定の所要時間より短時間で所定の温度までの冷却が完了すると演算された場合、圧縮機10の回転数が下げられる制御が行われる。これにより、蒸発温度を上昇させ、効率を向上させることができる。これにより、所定の冷却能力を満たし、牛乳の品質を確保しつつ、冷却運転時のエネルギー消費を削減することができる。
尚、圧縮機10の運転効率やインバータの変換効率等を考慮し、最も効率の高い周波数での運転を優先するものとしても構わない。この場合、牛乳の量が充分に少ない等の条件により、所定の冷却所要時間より短い時間で冷却運転が完了する場合もある。
以上のように、本実施例の冷凍サイクル装置1の冷却運転では、冷却容器7に投入される搾乳直後の牛乳を、その品質を維持するための所定の温度まで冷却することができる。
(2)保冷運転時における動作
上述した冷却運転により牛乳の温度が所定の値に達すると、圧縮機10を停止し、膨張弁14を全閉とし、且つ、図示しない攪拌機を停止して、冷却運転を終了し、冷却容器7に貯蔵された前記牛乳の保冷運転が行われる。この場合、冷却容器7は前述の如く断熱材74により断熱されているが、長時間の貯蔵では外部からの熱侵入により牛乳の温度が上昇する。
そこで、保冷運転中は圧縮機10等を停止した状態であっても牛乳温度センサT5により冷却容器7内部に貯留された牛乳温度の検出を継続し(以下、待機という)、牛乳温度が所定の値以上になったら前記冷却運転を再開して、牛乳を冷却するものとしている。そして、保冷運転中の冷却運転により牛乳が所定の温度まで冷却されたら、当該冷却運転を停止して、再び待機状態となる。保冷運転中の冷却運転を開始する所定の温度とは、具体的には約4.5℃で、冷却運転を停止する所定の温度とは約4℃である。
また、待機時に膨張弁14を全閉とするのは、吸入管45上の蒸発器16とアキュームレータ17との間に設けた逆止弁18の作用と併せて、冷媒回路2の高圧側から蒸発器16への冷媒の逆流を防止して、被冷却物である牛乳への熱の侵入を抑えるためである。尚、前記逆止弁18に代えて吸入管45上、又は、膨張弁14に代えて冷媒配管42上若しくは冷媒配管41上に、遮断弁等を設けて、保冷運転における待機時に該遮断弁を閉じることによっても同様の効果を得ることができる。
ここで、保冷運転の待機時は一定の間隔をおいて間欠的に前記攪拌機を駆動するものとする。例えば、30分間の間隔で、2分間の攪拌運転を行うものとする。このように攪拌機を間欠的に駆動するのは、長時間の保冷で牛乳の温度の違いによる密度差により冷却容器7内部に成層上の温度分布が発生し、正確な温度計測ができなくなってしまう不都合を防ぐためからである。
保冷運転中の冷媒回路2の動作については、前述の搾乳時の冷却運転と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。但し、当該保冷運転時において、圧縮機10は牛乳の量に関係なく、最も効率の良い回転数で運転するように制御されているものとする。
(3)一般的な農場での冷却運転と保冷運転の運転パターン
以上、搾乳時の牛乳の投入に伴う冷却運転と保冷運転について説明したが、次に、一般的な農場での冷却運転と保冷運転の運転パターンについて説明する。
一般的な農場では、1日に2回から3回程度の搾乳を行っており、2回目以降の搾乳では、冷却済みで保冷中の牛乳が貯留されている冷却容器7に、搾乳直後の牛乳が追加投入されることとなる。その結果、冷却容器7内部の牛乳温度が上昇するので、冷却運転を開始し、上述と同様に、所定温度に達すると冷却運転を停止して保冷運転を行う。
また、冷却容器7からの牛乳の取り出し(牛乳の集荷)は毎日行う場合と隔日に行う場合とがある。従って、初回搾乳時から牛乳の集荷までに、牛乳の投入による冷却運転と保冷運転を2回から6回繰り返して行うことになる。
(4)冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bについて
次に、前述した冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの寸法とスポットピッチの関係、並びに、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの本数と冷却容器7の容量との関係について、更に詳しく説明する。
本実施例の冷媒回路2では、冷媒として二酸化炭素を使用しているので、冷却運転中の蒸発器16内部の冷媒圧力は、従来のフロン系冷媒に比べて高く、約3MPaから5MPa程度となる。そのため、圧縮機10の運転時には、安全性を考慮して少なくとも20MPa程度を超える耐圧強度が必要であると考えられる。更に、圧縮機10の停止時の圧力上昇を考慮すると、25MPa程度、若しくは、更に高い耐圧強度を確保することが望ましい。
特に、蒸発器16の前記冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの接合部は当該冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの外形寸法やスポットピッチにより耐圧強度が異なるため、上記二酸化炭素の使用に適した耐圧が確保できるような寸法やスポットピッチとする必要がある。
そこで、先ず、スポットピッチを種々変更した蒸発器を用いて、耐圧破壊試験を行った。図7は、当該耐圧破壊試験の結果の一例であり、横軸は各スポット溶接のスポットピッチ(ある内側固着部78の中心部と当該内側固着部78に隣接する内側固着部78の中心部との間隔、即ち、スポット間距離)、縦軸は破壊圧力を示している。図7に示した試験結果から、破壊圧力は、スポットピッチに依存し、スポットピッチが20mmを超えると、25MPa以上の耐圧強度を確保することが困難であることがわかった。従って、スポットピッチは20mm以下とすることが好ましい。そこで、本実施例では前述のようにスポットピッチを18.5mmとする。
しかしながら、ここで、従来のように冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bとして、冷媒配管42、若しくは、吸入管45の寸法(特に、外径)と同程度のものを使用すると、当該冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの接合部は、溶接時の熱により、耐圧強度が著しく低下することが判明した。そこで、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの形状及び管の寸法を変更した条件で、耐圧破壊試験を行うことにより、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの外径を、スポットピッチの1/2以下とすることで、当該管16A、16Bの接合部の強度低下を防止できることが分かった。そこで、本実施例では前述のように冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bとして、外径φ6.35mm(1/4インチ)で、板厚1.0mmの配管を用いることとする。
更に、冷媒配管42、若しくは、吸入管45の寸法より小径の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bを用いた場合であっても、従来のように1つの蒸発器の冷媒通路に対して、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bをそれぞれ1本ずつ接続した場合には、当該蒸発器16の冷媒入口、及び、冷媒出口における冷媒の圧力損失が大きくなるため、冷凍サイクル装置1の効率の低下を招いていた。
そこで、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの本数と冷却容器7の容量について検討した結果、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bは、少なくとも以下の数式(1)により求められる値以上の本数を確保することが望ましいという結果が得られた。
NT=6.5×10-3×V/N・・・数式(1)
上記数式(1)において、NTは蒸発器16の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの各々の本数(本)、Vは冷却容器7の定格容量(L)、Nは集荷毎の搾乳回数(回)である。
本発明の蒸発器16では、内側タンク70のみを介して被冷却物(牛乳)と冷媒との熱交換が行われるため、冷媒の伝熱性能が向上し、被冷却物(牛乳)と冷媒との温度差を著しく小さくすることができる。その結果、蒸発温度及び蒸発圧力が高くなり、冷凍サイクル装置1の効率が向上するという効果を得ることができるようになる。しかしながら、冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの本数が、上記数式(1)で求められる本数より少ない場合、蒸発器16の入口及び出口での冷媒の圧力損失が大きくなって、その分、効率が低下するため、前述した伝熱性能面での優れた効果を相殺してしまうこととなる。
即ち、蒸発器16における冷媒の圧力損失が大きくなると、圧縮機10の吸入圧力が低下して、冷媒回路2内を循環する冷媒量(冷媒循環量)が減少してしまう。そのため、蒸発器16における冷却能力が低下すると共に、圧縮機10の高低圧力差が更に大きくなり、冷凍サイクル装置1の効率が低下する不都合が生じる。
本実施例では、定格容量1150リットルの冷却容器7を使用し、1回の集荷あたりの搾乳回数は2回である。従って、数式(1)から算出されるNT(蒸発器16の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの本数)は3.7となるので、蒸発器16の冷媒入口管16A及び冷媒出口管16Bの本数を各4本とする。尚、本実施例では、蒸発器16の冷媒通路は前述したように2パスであるので、冷媒配管42からの冷媒は4本の冷媒入口管16Aにそれぞれ分岐して流れ、各冷媒入口管16Aから蒸発器16の2つの冷媒通路の何れかに流入する。従って、1つの冷媒通路に対して、冷媒入口管16Aは2本接続され、同様に、冷媒出口管16Bも2本接続される。
即ち、蒸発器16の一方の冷媒通路における冷媒の流れを説明すると、2本の冷媒入口管16Aから蒸発器16の一方の冷媒通路に流入した冷媒は、当該一方の冷媒通路内で合流し、被冷却物(牛乳)との熱交換により吸熱して、蒸発した後、2つの流れに分かれてそれぞれ冷媒出口管16Bに入り、蒸発器16から流出し、その後合流して吸入管45に流れる。
次に、外板76の面積について説明する。前述の如く内側タンク70と外板76との間に構成される冷媒通路空間77を蒸発器16の冷媒通路とするため、外板76の面積は蒸発器16の伝熱面積とほぼ一致すると考えられる。従って、外板76の面積は、冷却容器7(内側タンク70)の容量に応じて、必要とされる冷却能力を考慮して決定すべきである。具体的には、以下の数式(2)により求められる面積以上とすることが望ましい。
A=2×10-3×V/N・・・数式(2)
上記数式(2)において、Aは外板の面積(m2)、Vは冷却容器7の定格容量(L)、Nは集荷毎の搾乳回数(回)である。
外板76の面積を上記数式(2)で算出される値より小さくすると、被冷却物と蒸発器16内部の冷媒温度差が大きくなり、蒸発圧力が低下するため、その結果、冷却能力と効率が低下し、高効率な冷却運転ができなくなってしまう。
尚、言うまでもないが冷却容器(内側タンク)の形状によっては外板の面積、即ち、伝熱面積を容易に確保できる場合もあるので、その場合には上記数式(2)で算出される値より面積の大きい外板を用いることも可能である。本実施例では、前述したように定格容量1150リットルの冷却容器7を使用し、1回の集荷あたりの搾乳回数は2回である。従って、数式(2)から算出されるA(外板76の面積)は1.15となるが、本実施例の内側タンク70の形状を考慮すると、更に面積を拡大することが可能であるので、外板76の面積を1.6m2としている。
以上詳述したように、本実施例では、蒸発器16を構成する内側タンク70と外板76との間の冷媒通路空間77を20mm以下の間隔で碁盤目配列状、若しくは千鳥配列状に固着しているので、内側タンク70及び外板76の板厚を増大させることなく、蒸発器16の耐圧強度を向上させることができる。また、蒸発器16内に冷媒を流入させるための冷媒入口管16Aの外径を冷媒配管42の外径より小さく、且つ、スポットピッチの1/2以下とすると共に、当該冷媒入口管16Aを蒸発器16の冷媒通路(冷媒通路空間77)に複数本接続することで、冷媒入口管16Aを蒸発器16に接続する際に、当該冷媒入口管16A接合部の溶接による強度低下を極力防止でき、且つ、冷媒の圧力損失も低減することができるようになる。
同様に、蒸発器16から冷媒を流出させるための冷媒出口管16Bの外径を吸入管45の外径より小さく、且つ、スポットピッチの1/2以下とすると共に、当該冷媒出口管16Bを蒸発器16の冷媒通路(冷媒通路空間77)に複数本接続することで、冷媒出口管16Bを蒸発器16に接続する際、当該冷媒出口管16B接合部の溶接による強度低下を極力防止でき、且つ、冷媒の圧力損失も低減することができるようになる。
更に、前述の如く蒸発器16を構成する内側タンク70及び外板76の板厚を増大させることなく、蒸発器16の耐圧強度を確保することができるので、被冷却物と蒸発器16内部を流れる冷媒との熱交換が内側タンク70のみを介して行われるため、当該蒸発器16の熱伝導性の向上を図ることができるようになる。
その結果、冷却運転中の被冷却物と冷媒との温度差をより一層縮小することができる。これにより、蒸発温度及び蒸発圧力が上昇し、冷媒回路2の冷媒循環量が増加するため、高低圧差を小さくすることができる。以上により、二酸化炭素を用いた冷凍サイクル装置における熱交換器(蒸発器16)の耐圧強度を確保しながら、冷却能力及び効率の向上を図ることができる。
次に、本発明を適用した他の実施例の冷凍サイクル装置について説明する。図5は、本発明を適用した他の実施例の冷凍サイクル装置の概略構成図である。本実施例の冷凍サイクル装置は、搾乳直後の牛乳(被冷却物)を冷却容器にて冷却保冷すると共に、当該牛乳の冷却により得られた熱で湯を生成し、当該湯を冷却容器の自動洗浄に利用するものである。尚、以下図面において、上述した図1乃至図4と同一の符号が付されたものは、同様或いは類似の作用又は効果を奏するものであるため、詳細な説明は省略する。図5に示す冷凍サイクル装置200は、圧縮機10、放熱器21、減圧装置としての膨張弁14及び蒸発器16を含む冷媒回路2と、第2の圧縮機80、第2の放熱器81、減圧装置としての膨張弁84及び蒸発器86を含む第2の冷媒回路8と、貯湯タンク30を含む給湯回路3と、自動洗浄装置9とを備えて成るものである。
前記冷媒回路2は、圧縮機10、放熱器21、膨張弁14及び蒸発器16を順次環状に配管接続して閉回路を成すように構成されている。具体的には、圧縮機10の吐出側に接続された高圧冷媒配管40は放熱器21の入口に接続されている。当該放熱器21は、熱交換器13の一部を構成する冷媒通路であり、給湯回路3の水通路12と熱交換可能に配設されている。この熱交換器13は、放熱器21と給湯回路3の貯湯タンク30内の水を熱交換させる水−冷媒熱交換型の熱交換器であり、放熱器21としての冷媒通路と給湯回路3の水通路12から構成されている。当該熱交換器13の一端には、放熱器21の冷媒通路の入口と、水通路12の出口が形成され、他端には、放熱器21の冷媒通路の出口と、水通路12の入口がそれぞれ形成されている。従って、当該熱交換器13において、圧縮機10から吐出され、放熱器21を流れる高温高圧の冷媒と、水通路12を流れる水とは対向した流れとなる。
一方、放熱器21の出口に接続された冷媒配管41は膨張弁14の入口に接続されている。当該膨張弁14の出口に接続された冷媒配管42は、蒸発器16の入口に接続されている。そして、蒸発器16の出口には吸入管45の一端が接続され、吸入管45の他端は圧縮機10の低圧側(吸入部)に接続されている。また、蒸発器16と圧縮機10の低圧側とを連結する当該吸入管45には、圧縮機10に液冷媒が吸い込まれて損傷する不都合等から圧縮機10を保護するためのアキュムレータ17が介設されている。更に、吸入管45の蒸発器16とアキュムレータ17の間には、冷媒回路2の高圧側から蒸発器16への冷媒の逆流を防止するため、圧縮機10側(アキュムレータ17側)を順方向とする逆止弁18が設けられている。
また、冷媒回路2の前記高圧冷媒配管40には、圧縮機10から吐出される高温高圧の冷媒の温度を検出するための吐出温度センサT1が設置されている。
そして、上述した冷媒回路2には、前記実施例1の冷媒回路2と同様に冷媒として自然冷媒である二酸化炭素が封入されている。そして、当該冷媒回路2の高圧側の圧力は臨界圧力を超えて上昇するため、当該冷媒回路2は、遷臨界サイクルとなる。また、圧縮機10の潤滑油としては、例えば、鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキレングリコール)、POE(ポリオールエーテル)等が使用される。
一方、前記蒸発器16は、冷却容器7の内側タンク70内に貯蔵された被冷却物(本実施例では牛乳)を冷却するための熱交換器であり、この冷却容器7に一体形成されている。当該冷却容器7の基本的構成は図2乃至図4に示した実施例1の冷却容器7と同様であるので詳細な説明は省略する。
当該冷却容器7には、図5に示すように被冷却物(牛乳)を投入するための投入口7Aと、被冷却物(牛乳)を取り出すための図示しない取出口が設けられており、当該投入口7Aには投入配管50が投入口弁50Bを介して着脱可能に接続され、更に、前記牛乳取出口には取出弁52Bを介して、牛乳を取り出すための取出配管52が着脱可能に接続されている。そして、牛乳投入配管50は冷却容器7の内側タンク70内に牛乳を投入する場合にのみ牛乳投入口7Aに装着され、それ以外の場合には、当該牛乳投入口7Aから取り外されて、牛乳投入口7Aは密栓されているものとする。同様に、牛乳取出配管52は冷却容器7の内側タンク70内の牛乳を取り出す場合にのみ牛乳取出口に装着されて、それ以外の場合には、牛乳取出口から取り外されて、当該牛乳取出口は密栓されているものとする。
また、冷却容器7の内側タンク70の外周面には、被冷却物である牛乳の温度を検出するための牛乳温度センサT5が取り付けられている。更に、冷却容器7には冷却時の伝熱を促進すると共に、温度ムラを小さくして正確な温度計測を行うために、牛乳を攪拌する攪拌機75が設置されている。攪拌機75は、攪拌羽根と、攪拌モータと、それらを結合するシャフトから構成されている。
他方、前記第2の冷媒回路8は、圧縮機80、放熱器81、膨張弁84及び蒸発器86を順次環状に配管接続して閉回路を成すように構成されている。具体的には、圧縮機80の吐出側に接続された高圧冷媒配管90は放熱器81の入口に接続されている。当該放熱器81は、熱交換器83の一部を構成する冷媒通路であり、給湯回路3の第2の水通路82と熱交換可能に配設されている。この熱交換器83は、放熱器81と給湯回路3の貯湯タンク30内の水を熱交換させる水−冷媒熱交換型の熱交換器であり、放熱器81としての冷媒通路と給湯回路3の水通路82から構成されている。当該熱交換器83の一端には、放熱器81の冷媒通路の入口と、水通路82の出口が形成され、他端には、放熱器81の冷媒通路の出口と、水通路82の入口がそれぞれ形成されている。従って、当該熱交換器83において、圧縮機80から吐出され、放熱器81を流れる高温高圧の冷媒と、水通路82を流れる水とは対向した流れとなる。
一方、放熱器81の出口に接続された冷媒配管91は膨張弁84の入口に接続されている。膨張弁84は、放熱器81にて放熱した冷媒を減圧するための減圧装置であり、当該膨張弁84の出口に接続された冷媒配管92は、蒸発器86の入口に接続されている。当該蒸発器86は、例えば、チューブアンドフィン型の熱交換器であり、銅管と、この銅管に設けられた伝熱促進アルミフィンとから構成されている。そして、当該銅管の内部に膨張弁84からの冷媒が流れるための流路が構成されている。また、蒸発器86の近傍には、銅管内を流れる冷媒と熱交換させるための熱源としての大気(空気)を蒸発器86に供給するためのファン86Fと、当該ファン86Fを駆動するファンモータ86Mが設置されている。尚、上記蒸発器86の熱源は上述する大気に限らず、水、排水、太陽熱、地下水やその他の熱源を用いることも可能である。
そして、蒸発器86の出口には吸入管95の一端が接続され、吸入管95の他端は圧縮機80の低圧側(吸入部)に接続されている。また、蒸発器86と圧縮機80の低圧側とを連結する当該吸入管95には、圧縮機80に液冷媒が吸い込まれて損傷する不都合等から圧縮機80を保護するためのアキュムレータ87が介設されている。
また、第2の冷媒回路8の前記高圧冷媒配管90には、圧縮機80から吐出される高温高圧の冷媒の温度を検出するための吐出温度センサT8が設置されている。
尚、第2の冷媒回路8にも前記冷媒回路2と同様に冷媒として自然冷媒である二酸化炭素が封入されている。そして、当該第2の冷媒回路8の高圧側の圧力は臨界圧力を超えて上昇するため、当該冷媒回路8は、遷臨界サイクルとなる。
他方、前記給湯回路3は、上述した冷媒回路2の放熱器21を流れる冷媒、若しくは、第2の冷媒回路8の放熱器81を流れる冷媒から熱を受け取ることにより水を加熱し、高温の湯を生成して、当該湯を貯湯タンク30に貯える貯湯回路5と、貯湯タンク30内に給水する給水装置32と、貯湯タンク30に貯留された湯を自動洗浄装置9やその他の給湯負荷設備に供給する給湯装置34と、後述する排出装置36とから構成されている。
上記貯湯タンク30は熱交換器13において放熱器21、或いは、熱交換器83において放熱器81からの放熱で、生成された高温の湯を内部に貯えるためのタンクであり、外周面全体が断熱材にて被覆され、内部に貯えられた湯が冷め難い構造とされている。
そして、貯湯タンク30の下部には、貯湯タンク30の下方から当該貯湯タンク30に貯留された温度の低い湯(水)を取り出すための低温配管47が接続され、当該低温配管47は、循環ポンプ31、流量調整弁35を経て熱交換器13の他端に形成された水通路12の入口に接続されている。上記循環ポンプ31は、貯湯回路5内に水を循環させるためのものである。本実施例の循環ポンプ31は、貯湯タンク30の下部から取り出した水を熱交換器13側、或いは、熱交換器83側に吐出して、各熱交換器13、83の水通路12、82内の水流が、前述の如き放熱器21、81内の冷媒流に対して対向流となるように貯湯回路5内の水を循環させている(図5において、時計回りに水を循環)。また、流量調整弁35は、当該循環ポンプ31により循環される貯湯回路5内の温水の流量を調節するための弁装置である。
また、低温配管47の前記循環ポンプ31の上流側には三方弁47Aが設置され、当該三方弁47Aを介して低温配管47から分岐するようにバイパス配管49の一端が接続されている。当該バイパス配管49の他端は高温配管48の途中部に接続されている。そして、三方弁47Aを切り換えることにより、貯湯タンク30下方の水を循環ポンプ31に流すか、熱交換器13を通過した後の湯(水)、或いは、熱交換器83を通過した後の湯(水)を循環ポンプ31に流すかを択一的に切り換えることができる。
更に、低温配管47の流量調整弁35の下流側には三方弁47Bが設置され、当該三方弁47Bを介して低温配管47から分岐するように低温配管97が接続されている。当該低温配管97は、熱交換器83の他端に形成された水通路82の入口に接続されている。当該三方弁47Bは、流量調整弁35を通過した水を、熱交換器13に流すか、又は、熱交換器83に流すかを択一的に切り換えるものである。
そして、熱交換器83の一端に形成された水通路82の出口には、高温配管98の一端が接続され、当該高温配管98の他端は、高温配管48の途中部に接続されている。
一方、熱交換器13の一端に形成された水通路12の出口には高温配管48の一端が接続され、当該高温配管48の他端は前記給湯タンク30の上部(本実施例では上端)に接続されている。この高温配管48の前記高温配管98の接続箇所より下流側には、熱交換器13にて放熱器21からの放熱、若しくは、熱交換器83にて放熱器81からの放熱により生成され、貯湯タンク30内に入る高温の湯の温度を検出するための出湯温度センサT2が設けられている。
また、前記貯湯タンク30の上部には、前記高温配管48が接続されると共に、当該貯湯タンク30内から高温の湯を取り出す高温湯取出口37が設けられている。当該高温湯取出口37には給湯装置34の高温湯取出配管34Aが接続されている。また、貯湯タンク30の下部には、前記低温配管47が接続されると共に、当該貯湯タンク30内から低温の湯を取り出す低温湯取出口38が設けられている。この低温湯取出口38には給湯装置34の低温湯取出配管34Bが接続されている。
また、前記高温湯取出配管34Aには、洗浄用給湯配管60が接続され、高温湯取出口37から取り出した貯湯タンク30内の高温の湯は、洗浄用給湯配管60を経て自動洗浄装置9にも供給される。当該自動洗浄装置9は、前記冷却容器7を洗浄するための装置であり、貯湯タンク30に貯えられた高温の湯を洗浄用給湯配管60から取り出して、冷却容器7の洗浄水として使用している。また、洗浄用給湯配管60には、当該洗浄用給湯配管60を流れる湯が貯湯タンク30に逆流する不都合を防止するための逆止弁61と、洗浄水としての当該湯の供給を行うための給水弁(給湯弁)62が設置されている。また、尚、図5では示されていないが、洗浄用給湯配管60には、必要に応じて、当該洗浄用給湯配管60を流れる湯の温度を検出する温度センサ、湯量を検出する流量センサ、或いは、フロースイッチなどを設置することも可能である。
更に、本実施例では洗浄用給湯配管60から供給される高温の湯を冷却容器7の洗浄に使用するものとしたが、洗浄用給湯配管60を、冷却容器7以外の装置、例えば、搾乳機や搾乳パイプライン(図示せず。但し、一部は前記牛乳投入配管50に接続される)等の洗浄を行うための洗浄装置に接続し、それらを洗浄するための湯として利用することも可能である。
また、図5において65は混合弁であり、この混合弁65は高温湯取出配管34Aから取り出した貯湯タンク30内の高温の湯と低温湯取出配管34Bから取り出した貯湯タンク30内の低温の湯、或いは、低温湯取出配管34Bを介して供給される給水装置32からの水とを混合し、最適な温度に調節した後、上記洗浄用途以外の給湯負荷設備に供給するためのものである。当該混合弁65は、洗浄用途以外の給湯負荷設備に夫々接続されている。そして、洗浄用途以外の給湯負荷設備に対しての湯の供給は、図示しない給湯弁を開くことにより行われる。また、混合弁65と接続される高温湯取出配管34A、低温湯取出配管34Bには、貯湯タンク30内から高温湯取出配管34A、或いは、低温湯取出配管34Bに取り出された湯が当該貯湯タンク30に逆流する不都合を防ぐための逆止弁67がそれぞれ設けられている。
また、混合弁65から各給湯負荷設備の給湯弁に至る給湯配管68には、貯湯タンク30への逆流を防止するための逆止弁68Bと、給湯制御に利用される温度センサT3が設置されている。そして、当該給湯負荷設備に供給される湯の温度は当該温度センサT3により検出される。尚、給湯弁は、例えば、給湯用の蛇口等であり、一つに限らず、複数設けるものとしても構わない。また、給湯配管68には、必要に応じて、流量センサやフロースイッチ(共に図示せず)等を設置することも可能である。
更に、貯湯タンク30の下部には、給水装置32の給水配管32Aが減圧弁32Bを介して接続されている。当該給水装置32は、貯湯タンク30内に水を供給するものであり、給湯タンク30内の湯の使用量に相当する水、例えば、市水が給水配管32Aから貯湯タンク30内に供給される。この給水配管32Aには、図示しない給水弁が介設されており、当該給水弁32は、通常、常時開いた状態である。
更にまた、貯湯タンク30の下部には、当該貯湯タンク30不使用時に貯湯タンク30内の湯を排出するための排出管69Aが排出弁69Bを介して接続されている。
ここで、前述した排出装置36は、貯湯タンク30内の水(湯)を排出するためのものであり、高温湯取出口37より下方であって、低温湯取出口38より上方に配置されている。本実施例では、貯湯タンク30の高温湯取出口37より下方であって、低温湯取出口38より上方である位置に当該排出装置36の湯排出管36Aが湯排出弁36Bを介して接続されている。このように、排出装置36を高温湯取出口37より下方であって、低温湯取出口38より上方に配置することで、当該排出装置36から取り出される貯湯タンク30内の湯は、高温湯取出口37より取り出される湯より低温で、且つ、低温湯取出口38より取り出される水より高温である中温の湯となる。従って、必要に応じて、湯排出弁36Bを開放することで、貯湯タンク30内から中温の湯を排出することが可能となる。
他方、貯湯タンク30の外面には、上部から下部に渡って適当な間隔に複数の貯湯センサT4が配設されている。当該貯湯センサT4は、貯湯タンク30内に貯えられた温の各部の温度と湯の有無をそれぞれ検出するためのセンサである。このように、貯湯センサT4を高さを変えて複数設置し、各部の温度を検出することで、貯湯タンク30の上部から下部に渡る温度分布を把握しながら、貯湯タンク30内に貯えられている湯の量を検出することができる。
尚、上記貯湯タンク30の容量は、冷却容器7に投入される被冷却物である牛乳の量と、想定される給湯負荷とを充分に考慮した上で決定する必要がある。即ち、冷却運転時に、貯湯タンク30の下部から低温の水ではなく高温の湯が取り出されて、熱交換器13の水通路12に流れ込むと、放熱器21における放熱量が著しく低下し、その結果、冷媒回路2の冷却能力とCOPも悪化してしまう。そのため、貯湯タンク30の容量は、当該貯湯タンク30の下部から常に低温の水を取り出して、熱交換器13の水通路12に流すことができる充分な容積とすべきである。
具体的には、使用条件に合わせて個々に検討する必要があるが、例えば、冷却運転と同時に湯を使用しない場合には、1回の冷却運転で冷却容器7に投入されると想定される被冷却物である牛乳の最大量と同等、若しくは、それを超える容量の貯湯タンクを用いることが好ましい。例えば、冷却容器7に投入する被冷却物(牛乳)が500リットルである場合には、貯湯タンク30の容量は500リットル程度、若しくは、それを超える容量であることが好ましい。また、冷却運転中に湯を使用することが想定される場合には、貯湯タンク30の容量は上述の容量より小さくすることも可能である。
また、前記自動洗浄装置9は、洗浄用循環ポンプ101、洗浄配管102、冷却容器7、取出弁52B、循環切替弁104及び洗浄戻り配管105を順次接続してなる循環洗浄回路100と、洗浄用排出弁110Bを介して当該循環洗浄回路100の洗浄戻り配管105に接続される洗浄水排出通路110と、循環洗浄回路100の洗浄戻り配管105に接続される洗浄用バッファタンク115とから構成されている。
洗浄用バッファタンク115には、洗剤や殺菌剤を供給するための少なくとも1以上の洗剤供給配管116と、洗浄用水(本実施例では市水)を供給するための給水配管117と、前記給湯回路3から洗浄用の湯を供給するための洗浄用給湯配管60が接続されている。給水配管117には給水弁117Bが設けられ、当該給水弁117Bにより洗浄用バッファタンク115への給水が制御される。洗剤供給配管116上には、洗剤を供給するための洗剤供給ポンプ(図示せず)が設けられ、洗剤供給配管116の他端は洗剤容器(図示せず)に接続される。
以上の構成で、本実施例の冷凍サイクル装置200の動作を説明する。
(1)被冷却物(牛乳)の冷却運転
先ず、被冷却物である牛乳を冷却する冷却運転時における動作を説明する。図示しない搾乳機につながる搾乳パイプラインと冷却容器7とを前記牛乳投入配管50により接続し、投入口弁50Bを開いて、搾乳直後の牛乳を冷却容器7に投入する。この時、牛乳取出弁52Bは閉じた状態である。搾乳直後の牛乳の温度は、牛の体温と同程度かやや低く、具体的には35℃から38℃程度である。そこで、細菌の発生を防止し、牛乳の品質を維持する目的で冷媒回路2を運転して牛乳の冷却と保冷を行う。
搾乳開始後(牛乳投入開始後)、冷媒回路2の圧縮機10を駆動して、同時に、攪拌機75も駆動させる。通常、冷却容器7内に所定量の牛乳が貯まってから圧縮機10を駆動して冷却動作を開始するものとするが、凍結が起こらないように配慮し、且つ、攪拌機75の空転防止を行うことにより、牛乳投入開始と同時、又は、牛乳投入前から冷却動作を開始させても構わない。
圧縮機10が駆動されると、吸入管45から圧縮機10の低圧側(吸入部)に低温低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮される。これにより、高温高圧となった冷媒ガスが吐出側から高圧冷媒配管40に入り、圧縮機10の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮されている。
圧縮機10から吐出された高温高圧の冷媒は、高圧冷媒配管40を経て放熱器21の入口から熱交換器13内に入る。そして、当該高温高圧の冷媒ガスは、熱交換器13の放熱器21を通過する過程で、放熱器21と交熱的に設けられた水通路12を流れる貯湯回路5の水に熱を放出して冷却され、低温となる。一方、この放熱器21での放熱作用で水通路12内の水が加熱され、高温の湯が生成される。
本実施例では冷媒として二酸化炭素を用いており、放熱器21内の冷媒圧力は臨界圧以上である。従って、放熱器21内では冷媒の凝縮は生じないので、当該放熱器21の入口から出口に向かって、冷媒の温度は水通路12内の水への放熱に伴い、徐々に低下する。一方、熱交換器13の水通路12内において、水の温度は入口から出口に向かって、冷媒からの吸熱に伴い、徐々に上昇する。このように、二酸化炭素冷媒を用いて、放熱器21内の冷媒圧力を臨界圧力以上とすることで、従来の冷媒、例えば、HFC系冷媒のように、一定温度の下での凝縮放熱と比べて、効率の高い熱交換が可能となり、且つ、高温の湯を生成することができる。また、当該熱交換器13において、放熱器21を構成する冷媒通路と水通路12とが前述したように対向流となるように設置されているので、水と冷媒とを更に効率よく熱交換させることができる。
放熱器21にて冷却された低温高圧の冷媒は、当該放熱器21の出口から熱交換器13を出て、冷媒配管41を通過し、膨張弁14で膨張して低圧となり、冷媒配管42を経由して蒸発器16に至る。尚、当該蒸発器16入口における冷媒の状態は、液冷媒と蒸気冷媒が混在する二相混合状態である。そして、当該蒸発器16において、液相冷媒が被冷却物である牛乳から吸熱することにより、蒸発して蒸気冷媒となる。このとき、当該吸熱により牛乳が冷却される。
そして、蒸発器16にて蒸発した冷媒は、当該蒸発器16から出て吸入管45に入り、逆止弁18、アキュムレータ17を経て低圧側(吸入部)から再び圧縮機10に吸い込まれるサイクルを繰り返す。以上のサイクルを繰り返すことにより、蒸発器16による吸熱により牛乳が冷却され、同時に放熱器21からの放熱で湯が生成される。
前記搾乳が完了すると冷却容器7への牛乳の投入は終了するが、その後も牛乳が所定の温度に達するまで上述した冷却運転は続けられる。ここで、牛乳の温度は内側タンク70の外周面に取り付けられた牛乳温度センサT5によって検出される。冷却運転を終了する所定の温度とは牛乳内の細菌の発生を抑制し、品質を維持する観点から設定されており、具体的には約4℃である。
更に、冷却運転中は冷媒回路2の高圧冷媒配管40に設置された吐出温度センサT1にて検出される吐出冷媒の温度が、所定の値となるように膨張弁14の開度が調節される。具体的には、吐出温度センサT1にて検出される冷媒温度が所定の値より上昇すると、膨張弁14の開度が拡大され、逆に、吐出温度センサT1にて検出される冷媒温度が所定の値より低くなると、膨張弁14の開度が縮小される。これにより、洗浄用途に適した高温の湯を発生させる運転における好適な条件での高効率な運転を行うことができる。
尚、冷却運転中の圧縮機10の回転数は、一定であっても良いし、インバータ等により周波数を調節しても良い。当該回転数の制御については、既に実施例1で説明したものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
(2)冷却運転時の給湯回路3の動作
次に、冷却運転時における給湯回路3の動作について説明する。先ず、三方弁47Aは貯湯タンク30下部からの水が循環ポンプ31に流れるように切り替えられており、三方弁47Bは流量調整弁35を通過した水が冷媒回路2(牛乳冷却用の冷媒回路2)の熱交換器13に流れるように切り替えられている。
そして、上述した冷却運転が開始されると、給湯回路3の循環ポンプ31が起動され、貯湯タンク30の下部から低温の湯、若しくは、水(以降、水と省略する)が低温配管47を経て、循環ポンプ31に吸い込まれ、当該循環ポンプ31の出口に接続された熱交換器13側の低温配管47に押し出される。これにより、循環ポンプ31から押し出された水は、流量調整弁35を経て、水通路12の入口から熱交換器13内に流入する。熱交換器13では、上述の如く放熱器21を流れる冷媒との熱交換により水通路12内を流れる水が放熱器21から熱を受け取って加熱され、高温の湯が生成される。そして、水通路12の出口から熱交換器13を出た高温の湯は、貯湯回路5の高温配管48を通り、貯湯タンク30の上部(上端)から貯湯タンク30内に注入される。当該貯湯タンク30では、熱交換器13にて生成された高温の湯を上部から注入し、下部から水を取り出しているので、水の温度の違いによる密度差を利用して、上部に高温の水が、下部に低温の水が貯留される。
また、前記流量調整弁35は、熱交換器13の水通路12出口の湯の温度が所定の値となるように水の流量を調節している。本実施例では、出湯温度センサT2にて検出される熱交換器13の水通路12出口の湯の温度に基づいて、流量調整弁35が制御されている。即ち、出湯温度センサT2にて検出される水通路12出口の湯の温度が所定温度より高い場合には、流量調整弁35の開度が拡大される。これにより、当該貯湯回路5内を循環する水の循環量(流量)を増加させることができる。
一方、出湯温度センサT2にて検出される水通路12出口の湯の温度が所定温度より低い場合には、流量調整弁35の開度が縮小される。これにより、当該貯湯回路5内を循環する水の循環量(流量)を減少させることができる。尚、本実施例では高温配管48の途中部に設置された出湯温度センサT2にて水通路12出口の湯の温度を検出するものとしたが、これに限らず、熱交換器13の水通路12出口に温度センサを設置して、水通路12出口の湯の温度を検出するものとしても勿論構わない。また、上記所定の温度とは、給湯用途(洗浄用途も含む)に適した温度であり、具体的には、50℃〜85℃程度の範囲内で使用用途に応じて決定することが好ましい。
以上のように、本実施例の冷凍サイクル装置200の冷却運転では、冷却容器7に投入された搾乳直後の牛乳を、その品質を維持するために所定の温度まで冷却すると共に、冷媒回路2の高温側の放熱により高温の湯を生成し、且つ、貯湯タンク30にその湯を貯えることができる。
(3)保冷運転時における動作
冷凍サイクル装置200は、上述した冷却運転により牛乳の温度が所定の値に達すると、前記実施例1の冷凍サイクル装置1と同様に牛乳を保冷する保冷運転を実行する。当該保冷運転時の運転条件及び運転方法等は、前記実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。当該保冷運転中の冷媒回路2の作用や給湯回路3の動作等については、前述した冷却運転時と同様である。尚、本実施例の冷凍サイクル装置200では、当該保冷運転中の冷却運転においても、牛乳の冷却と同時に、冷却時の排熱を有効に利用した貯湯が可能である。
尚、一般的な農場での冷却運転と保冷運転の運転パターンについても、既に実施例1で説明した通りであるので、詳細な説明は省略する。
(4)洗浄運転
次に、洗浄運転について説明する。上述したように冷却容器7内にて冷却保冷された牛乳は、牛乳集荷時には、前記取出口から取り出される。具体的には、牛乳取出弁52Bに牛乳取出配管52を接続し、牛乳取出弁52Bを開いて、冷却容器7から牛乳を取り出す。そして、牛乳を取り出した後は、冷却容器7内を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑え、牛乳の品質を確保するために、自動洗浄装置9による洗浄運転を行う。
通常、冷却容器7の洗浄は冷却容器7から牛乳を取り出した後に実行されるので、毎日集荷する場合は1日に1回、隔日に集荷する場合は2日に1回行われることになる。また、本実施例では、図示しない搾乳機や搾乳パイプライン等の洗浄にも洗浄用の湯を供給することができるが、搾乳機や搾乳パイプラインの洗浄は搾乳が終了する都度行われ、1日に2回から3回実行される。
洗浄の工程は冷却容器7を洗浄する場合も搾乳パイプライン等を洗浄する場合も基本的には同じである。即ち、水によるすすぎ工程、湯によるすすぎ工程、複数種類の洗剤、例えば、アルカリ系洗剤や酸性洗剤等による洗浄工程、殺菌剤による殺菌工程を行うものである。このような各工程では、湯又は水を供給し、且つ、所定の種類の洗剤及び殺菌剤を所定量供給した後、必要に応じて該洗浄液(前記湯若しくは水と洗剤等との混合液)を装置内(冷却容器7の洗浄を行う場合は、循環洗浄回路100内)で所定時間循環洗浄させ、その後洗浄液を排出する。
また、上記各行程は、所定の順番で必要回数行われるものであり、例えば、まず、水によるすすぎ工程を行い、次いで、湯によるすすぎ工程、湯とアルカリ系洗剤によるアルカリ洗浄工程、湯によるすすぎ工程、湯と酸性洗剤による酸洗浄工程、水によるすすぎを行った後、殺菌剤による殺菌工程を行う。
牛乳集荷が完了し、洗浄を行う前に、先ずは、取出弁52Bから牛乳取出配管52を外し、取出弁52Bから洗浄戻り配管105に洗浄水が流れる構成にし、取出弁52Bは開いた状態にしておく。水によるすすぎ工程では、洗浄用排出弁110B及び循環切替弁104を閉じ、洗浄用循環ポンプ101は停止した状態で、給水弁117Bを開き、給水配管117を介して、洗浄用バッファタンク115に所定量の洗浄用水を供給する。尚、洗浄用バッファタンク115内の水量が所定の値に達したかどうかの判断は、例えば、フロート式レベルスイッチ等により検出できる。
そして、上述した洗浄用バッファタンク115内の水量が所定の値に達したら、給水弁117Bを閉じ、循環ポンプ101を運転状態にする。これにより、洗浄用バッファタンク115内の水は洗浄配管102を通り、冷却容器7内に供給される。洗浄配管102から冷却容器7内へ水を注入する際は、効率的な洗浄を可能とするため、水をノズルから噴射し、且つ冷却容器7内部の各部分にムラなく噴霧されるようにしている。また、必要に応じて攪拌機75を運転することも可能である。
洗浄用バッファタンク115内の水が無くなったら、洗浄用循環ポンプ101の運転を停止し、循環切替弁104及び洗浄用排出弁110Bを開き、洗浄水排出通路110からすすぎ水を排出する。以上が水によるすすぎの一工程であり、必要に応じて、この工程を所定の回数繰り返して行う。
一方、湯によるすすぎ工程は、基本的には、前述の水によるすすぎ工程と同様の動作である。相違する点は、水に代えて高温の湯を供給することのみである。即ち、水によるすすぎ工程では、給水弁117Bを開けて水を供給したが、湯によるすすぎ工程では、給水弁62を開けることにより、貯湯タンク30に貯えられた高温の湯を、洗浄用給湯配管60を介して、洗浄用バッファタンク115に供給する。その他、同様の動作については説明を省略する。
洗剤による洗浄工程では、洗浄用排出弁110B及び循環切替弁104を閉じ、洗浄用循環ポンプ101は停止した状態で、給水弁62を開き、洗浄用給湯配管60を介して、洗浄用バッファタンク115に所定量の湯を供給する。これと同時に、洗剤供給ポンプ(図示せず)を駆動し、所定種類の洗剤を所定の量、洗剤供給配管116を介して、洗浄用バッファタンク115に供給する。供給される洗剤の種類や量は各工程に応じて、予め決められており、当該洗剤の量は洗剤供給ポンプ(図示せず)の駆動時間により調節される。
そして、洗浄用バッファタンク115内の湯量(湯と洗剤の混合液)が所定の値に達したら、給水弁62を閉じ、循環ポンプ101を運転状態にする。これにより、洗浄用バッファタンク115内の洗浄液は洗浄配管102を通り、冷却容器7内に供給される。洗浄配管102から冷却容器7内へ洗浄液を注入する際は、効率的な洗浄を可能とするため、洗浄液をノズルから噴射し、且つ冷却容器7内部の各部分にムラなく噴霧されるようにしている。また、必要に応じて攪拌機75を運転することも可能である。
また、洗浄用バッファタンク115内の洗浄液が無くなったら、洗浄用循環ポンプ101の運転を停止する。冷却容器7内に所定量の洗浄液が貯まるまで、循環切替弁104及び洗浄用排出弁110Bは閉じたままで、再び給水弁62を開き、洗浄用バッファタンク115内に湯を所定量供給し、その後、給水弁62を閉じ、循環ポンプ101を駆動して、冷却容器7内に湯を供給するという動作を繰り返す。ここで、冷却容器7内に供給され貯められる湯の量は、バッファタンク115の容量と、上記動作を繰り返す回数から知ることができるので、予めバッファタンク115に貯める回数を設定しておくことで、適切な量を管理することができる。
冷却容器7内に所定量の洗浄液(湯と洗剤の混合液)が貯まったら、循環切替弁104を開き、洗浄用循環ポンプ101を所定時間駆動する。洗浄液は、冷却容器7から取出弁52B、循環切替弁104、洗浄戻り配管105、洗浄用循環ポンプ101及び洗浄配管102を順次経て冷却容器7に戻り、循環洗浄回路100内を循環する。これにより、冷却容器7内部の牛乳による汚れを除去できる。尚、洗浄配管102から冷却容器7内へ洗浄液を注入する際、効率的な洗浄を可能とするため、洗浄液をノズルから噴射し、且つ冷却容器7内部の各部分にムラなく噴霧されるようにしている。また、必要に応じて攪拌機75を運転することも可能である。
そして、所定の時間洗浄液の循環を行った後、洗浄用循環ポンプ101を停止して、洗浄用排出弁110Bを開き、洗浄用排出通路110から循環洗浄回路100内の洗浄液を排出する。
殺菌工程の動作は、基本的には、洗剤による洗浄工程の動作と同様である。相違する点は、注入する洗剤が殺菌剤であること、湯の代わりに水を利用すること、及び循環等の時間が相違すること等である。殺菌工程は次回の使用時間に合わせて行われ、殺菌液(殺菌剤と水の混合液)を冷却容器7や循環洗浄回路100の系内に保持したまま所定時間放置することにより殺菌効果を高めている。すすぎ工程や、洗剤による洗浄工程と共通の動作については詳細な説明を省略する。
尚、保冷運転の待機時には、蒸発器16内部への冷媒の進入による熱損失を低減するため、膨張弁14を全閉状態としていたが、洗浄運転時、特に、湯による洗浄を行う際には蒸発器16内部の異常高圧を避けるため、膨張弁14は開状態とすることが望ましい。
また、要求される給湯負荷が大きく、牛乳冷却により発生する量の湯だけでは不足する場合には、洗浄運転中も冷却運転を行って湯を発生させることも可能である。例えば、殺菌工程において、殺菌液を冷却容器7内に保持したまま冷却運転を行うことで、殺菌液を熱源とした高効率な給湯運転(ヒートポンプ運転)が可能となる。更に、必要に応じて、冷却容器7内に熱源となる水を追加投入して、冷却運転(給湯運転)を行うこともできる。
(5)洗浄用途以外の給湯動作
次に、上述した洗浄用途以外の用途に湯を供給する動作について説明する。洗浄用途以外の給湯負荷に対しての湯の供給は、前記給湯弁を開くことにより行われる。給湯弁を開くと、貯湯タンク30に貯えられた高温の湯が貯湯タンク30の上部から高温湯取出配管34Aを介して混合弁65に流入すると共に、給水装置32からの水、若しくは、貯湯タンク30内下部からの低温の湯が貯湯タンク30の下部に接続された低温湯取出配管34Bを介して混合弁65に流入する。そして、混合弁65で高温の湯と水、若しくは、低温の湯が混合され、所定の温度に調節された後、当該湯は給湯弁を介して各給湯負荷設備に供給される。
尚、供給される湯の温度は、混合弁65と給湯弁とを接続する配管68上に設けられた温度センサT3により検出される。尚、給水装置32の給水弁(図示せず)は、通常、常時開状態であるので、その他の給湯負荷設備(自動洗浄装置9以外の給湯負荷設備)に供給された湯の量に相当する量の市水が給水装置32の給水配管32Aから給湯回路3の貯湯タンク30内に供給される。
以上のように、本実施例の冷凍サイクル装置200によれば、被冷却物である牛乳を冷却すると同時に、冷却過程で発生する冷媒回路2の高温側の熱を有効に利用して湯を生成し、且つ、二酸化炭素冷媒を用いた遷臨界サイクルを利用することにより高温出湯が可能となり、この湯を前記冷却容器7等の洗浄等に用いることができる。従って、従来、洗浄用途のためにボイラー等で湯を沸かして供給していた場合に比べ、消費するエネルギーを大幅に削減することができる。また、冷媒回路2の高温側から大気に放出する熱も削減できるので周囲温度の上昇も抑えることができる。
(6)第2の冷媒回路8を用いた給湯運転
次に、第2の冷媒回路8の動作について述べる。第2の冷媒回路8は、給湯負荷が大きくて、牛乳を冷却するときに得られる湯だけでは不足する場合に、空気等の牛乳以外の熱源から吸熱して湯を生成する給湯運転(ヒートポンプ運転)を行うために設けられたものである。
第2の冷媒回路8における動作は、前記冷媒回路2と殆ど同じであるため、詳細な説明を省略する。冷媒回路2と相違する点は、蒸発器86において冷媒は大気中から吸熱を行う点である。即ち、蒸発器86にて冷媒は大気から吸熱し、その熱を熱交換器83にて放熱器81と交熱的に設けられた水通路82に放出する。これにより、水通路82を流れる水は加熱され、高温の湯が生成される。
給湯運転中は第2の冷媒回路8の高圧冷媒配管90に設置された吐出温度センサT8にて検出される吐出冷媒の温度が、所定の値となるように膨張弁84の開度が調節される。具体的には、吐出温度センサT8にて検出される冷媒温度が所定の値より上昇すると、膨張弁84の開度が拡大される。逆に、吐出温度センサT8にて検出される冷媒温度が所定の値より低くなると、膨張弁84の開度が縮小される。これにより、洗浄用途に適した高温の湯を発生させる運転における好適な条件での高効率な運転を行うことができる。
次に、当該給湯運転時の給湯回路3の動作について説明する。この場合、三方弁47Aは貯湯タンク30下部からの水が循環ポンプ31に流れるように切り替えられており、三方弁47Bは流量調整弁35を通過した水が熱交換器83に流れるように切り替えられているものとする。給湯運転中、給湯回路3の循環ポンプ31が運転され、貯湯タンク30の下部から低温の湯又は水が、低温配管47を通り、循環ポンプ31、流量調整弁35及び低温配管97を経て、熱交換器83の水流路82の入口に流れる。熱交換器83では、前述の通り、放熱器81を流れる冷媒との熱交換により水流路82内を流れる水が加熱され高温の湯が生成される。そして、熱交換器83の水流路82を出た高温の湯は、高温配管98、高温配管48を順次経由して、貯湯タンク30の上部から貯湯タンク30内に注がれる。貯湯タンク30では上部から高温の湯を注ぎ、下部から低温の水を取り出しているので、水の温度の違いによる密度差を利用して、貯湯タンク30内の上部に高温の水、下部に低温の水が貯留される。
また、流量調整弁35は、熱交換器83の水通路82出口の湯の温度が所定の値となるように水の流量を調節している。具体的には、水流路82の出口の湯の温度が所定の温度より高い場合は流量調整弁35の開度を大きくして水の流量を増やし、逆に、水流路82の出口の湯の温度が低い場合には流量調整弁35の開度を小さくして水の流量を減少させる。水流路82の出口の湯の温度は高温配管48に取り付けられた出湯温度センサT2により検出される。また、前記所定の温度とは、洗浄用途やその他の給湯用途に適した温度で、具体的には50〜85℃程度の範囲内で使用用途に応じて決定することが好ましい。
以上のように、第2の冷媒回路8による給湯運転は、牛乳冷却運転により発生する湯の量が、要求される給湯負荷に対して不足する場合に行うものであり、要求される湯の量に応じて給湯運転を行う時間の長さ、即ち、発生させる湯の量が決められる。但し、貯湯タンク30内全てを高温の湯で満たしてしまうと、冷却運転時に貯湯タンク30の下部から熱交換器13に高温の湯が流れ込むこととなり、冷却能力と効率が著しく低下し、牛乳の冷却を行うことが困難になる。そのため、給湯運転においては、貯湯タンク30内の全てを高温の湯で満たすことはせず、必ず、貯湯タンク30の下部に冷却運転で使用する量に相当する冷水部分(温度の低い水の部分)を確保しておく必要がある。
第2の冷媒回路8による給湯運転で貯湯タンク30内に貯える湯の量は、冷凍サイクル装置200を使用する条件、即ち牛乳の量(飼育規模)や使用する湯の量等に依存するが、例えば、湯の量が貯湯タンク30の1/5以下になったら第2の冷媒回路8による給湯運転を開始し、1/2以上になったら第2の冷媒回路8による給湯運転を停止するといった制御が考えられる。尚、貯湯タンク30に貯えられている湯の量は、前記貯湯センサT4により把握できる。
以上のように、本実施例の冷凍サイクル装置200は、第2の冷媒回路8を備えているので、牛乳の冷却時に発生する湯だけでは、要求される給湯負荷を賄うことができない場合、大気を熱源とした給湯運転を行うことにより、不足分の湯を発生させることができる。これによって、追加給湯のための補助ボイラー等が不要となり、且つ、高効率なヒートポンプ給湯を行うため、エネルギー消費の更なる削減が図られる。
(7)三方弁47A切換動作
次に、三方弁47Aの動作について説明する。三方弁47Aは、冷却運転及び給湯運転の起動時及び停止時に、低温の湯が貯湯タンク30の上部に流れ込み、貯湯タンク30内部の温度成層を乱すことを防止するものである。冷却運転若しくは給湯運転の開始から所定の時間TL1、三方弁47Aの貯湯タンク30側を遮断し、バイパス配管49からの湯(又は水)を循環ポンプ31に流すように切り替える。これにより、冷却運転若しくは給湯運転の開始からの所定の時間TL1、熱交換器13の水通路12、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の水通路82から流れてきた湯は貯湯タンク30へは流れ込まず、高温配管48からバイパス配管49、三方弁47A、循環ポンプ31を経由して、熱交換器13の水通路12、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の水通路82に戻る閉回路を流れる。
併せて、冷却運転若しくは給湯運転の開始から所定の時間TL2は、流量調整弁35は十分な流量を確保できる所定の開度に固定され、所定時間TL2経過後から徐々に開度を小さくし、流量を減らし、最終的には、高温配管48に取り付けられた出湯温度センサT2が所定の値になるように開度調節される。
前記所定時間TL1経過後は、三方弁47Aにより、バイパス配管49側が遮断され、貯湯タンク30の下部からの水が循環ポンプ31に流れるように切り替えられる。その結果、熱交換器13の水通路12、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の水通路82にて生成された湯は貯湯タンク30へ流れることになる。
前述の所定の時間TL1及びTL2は、予め一定の時間を定めておくこともできるし、出湯温度センサT2で検出される熱交換器13、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の出口の湯の温度を基準に操作することもできる。即ち、冷却運転開始から流量調整弁35は所定の開度に固定され、出湯温度が所定の値以上に上昇したら、流量調整弁35の開度を徐々に縮小し、更に出湯温度が上昇し、第2の所定の温度に達したら、三方弁47Aを、バイパス配管49側を遮断し、貯湯タンク30の下部からの水を循環ポンプ31に流すように切り替えれば良い。
以上により、貯湯タンク30に既に貯湯されている湯の温度成層を乱し貯湯されている湯の温度を低下させてしまうという問題を回避できる。その結果、貯湯されている湯の熱損失が低減され、湯の有効な利用が可能となる。
更に、上述の如く冷却運転若しくは給湯運転の開始から所定の時間TL2、十分な流量を確保できる所定の開度に流量調整弁35を固定することで、圧縮機10(或いは圧縮機80)を起動した直後の吐出温度の異常上昇や異常高圧も回避することができる。
一方、冷却運転若しくは給湯運転の停止直後も、圧縮機10(或いは圧縮機80)の運転停止から所定の時間経過するか、若しくは、出湯温度が所定の値以下になったら、三方弁47Aの貯湯タンク30側を遮断し、バイパス配管49からの湯(又は水)を循環ポンプ31に流すように切り替えると共に、その後も所定の時間循環ポンプ31を運転するものとする。これにより、熱交換器13の水通路12、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の水通路82から流れてきた湯は貯湯タンク30へは流れ込まず、高温配管48からバイパス配管49、三方弁47A、循環ポンプ31を経由して、熱交換器13の水通路12、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の水通路82に戻る閉回路を流れる
これにより、貯湯タンク30の上部から貯湯タンク30内に低温の湯が流れ込み、貯湯タンク30内部の温度成層を乱すことを防止すると共に、熱交換器13、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83の適切な冷却を行うことができる。
尚、前述の起動時及び停止時を除き、通常の冷却運転若しくは給湯運転時には、三方弁47Aは、バイパス配管49側を遮断し、貯湯タンク30の下部からの水を循環ポンプ31に流すように切り替えられている。また、冷却運転及び給湯運転のいずれも行っていないときは、三方弁47Aは、貯湯タンク30側を遮断し、バイパス配管49側が連通するように切り替えられている。冷却運転及び給湯運転のいずれも行っていないときに、上述の状態に切り替えておくことにより、洗浄用途等の高温の湯の供給を行った場合に、給水配管32から貯湯タンク30下部に流入した冷水が、熱交換器13、若しくは、第2の冷媒回路8の熱交換器83側の貯湯回路5を経由して、貯湯タンク30の上部に流れ込み、供給する湯の温度を低下させるという問題を回避できる。
(8)排出装置36の動作
ところで、冷凍サイクル装置200では、冷却運転時において冷却負荷の増大、或いは、給湯負荷の低下により、貯湯タンク30内に貯留される高温の湯量が過剰となると、貯湯タンク30の下部から取り出される湯の温度も上昇し、その結果、熱交換器13に高温の湯が流れ込む不都合が生じる。
このように熱交換器13に高温の湯が流れ込むと、熱交換器13の放熱器21において、当該放熱器21を流れる冷媒が水通路12を流れる水に熱を放出する、冷媒の放熱量が著しく低下、或いは、不足することとなる。これにより、当該放熱器21において冷媒を低温とすることができないので、蒸発器16に流れる冷媒の比エンタルピも上昇し、蒸発器16における冷却能力、及び、冷凍サイクル装置200の効率が著しく低下し、蒸発器16における被冷却物の冷却に支障を来たす問題が生じる。
このような問題を解消するため、本実施例の冷凍サイクル装置200は、貯湯タンク30内の水、若しくは、放熱器21と貯湯タンク30内の水を熱交換させるための熱交換器13に循環される水の温度、又は、放熱器21内、若しくは、当該放熱器21を出た冷媒の温度が所定の値以上に上昇した場合、排出装置36により貯湯タンク30内の水を排出するものとする。
ここで、当該排出装置36による貯湯タンク30の水の排出動作について説明する。本実施例の冷凍サイクル装置200では、放熱器21と貯湯タンク30内の水を熱交換させるための熱交換器13に循環される水の温度が所定の値以上、例えば、25℃〜30℃以上に上昇した場合、排出装置36により貯湯タンク30内の水を排出するものとする。尚、排出装置36により貯湯タンク30内の水を排出する温度は、本実施例のように放熱器21と貯湯タンク30内の水を熱交換させるための熱交換器13に循環される水の温度に限らず、貯湯センサT4にて検出される貯湯タンク30内の水の温度であっても良く、また、熱交換器13の放熱器21内冷媒の温度や、放熱器21を出た冷媒の温度であっても差し支えない。
また、排出装置36の湯排出管36Aに設けられた湯排出弁36Bは、通常、閉じられており、この状態では、貯湯タンク30内の水は湯排出管36Aから排出されないものとする。
そして、冷却運転中に、放熱器21と貯湯タンク30内の水を熱交換させるための熱交換器13に循環される水の温度(熱交換器13の水通路12の入口の水の温度)が所定の値以上に上昇した場合、湯排出管36Aの湯排出弁36Bが開放される。これにより、貯湯タンク30内の高温湯取出口37より取り出される湯より低温で、且つ、低温湯取出口38より取り出される水より高温である中温の湯が湯排出管36Aから貯湯タンク30の外部に排出される。
当該湯排出管36Aからの湯の排出と同時に、排出された湯量に相当する量の冷水が給水装置32の給水配管32Aから貯湯タンク30内に供給される。尚、上記湯排出管36Aから貯湯タンク30の外部に排出される湯は、適切な用途があれば利用することも可能である。
このように、湯排出管36Aから貯湯タンク30の外部に湯を排出し、同時に、排出された湯量に相当する冷水を当該貯湯タンク30内に供給することで、貯湯タンク30内下部の湯の温度を低くすることができ、当該貯湯タンク30内下部の温度の低下した湯、若しくは、給水装置32から当該貯湯タンク30内に供給された冷水を熱交換器13に供給することができるようになる。
これにより、熱交換器13において、冷媒が蒸発器16における冷却作用を維持するために必要な放熱量を確保することが可能となる。即ち、熱交換器13において、放熱器21を流れる冷媒の熱を水通路12を流れる水に充分に放出して、冷媒の温度を低温とすることができるので、蒸発器16における冷却能力を維持して、確実に、被冷却物の冷却を行うことが可能となる。
上記各実施例(実施例1乃至実施例2)では、被冷却物を冷却保冷する容器として、横置き楕円柱状を呈した冷却容器7を用いて説明したが、冷却容器の形状は前述したようにその他の形状であっても構わない。そこで、本実施例では円柱状を呈した冷却容器を用いた場合について説明する。尚、本実施例では前述の上記各実施例と冷却容器の形状のみが相違するので、相違する事項についてのみ説明し、その他については前記各実施例と同様、或いは、類似するため説明を省略する。
図6は、本実施例の蒸発器316を内側タンク370の底面側から見た場合の概略構成図である。本実施例の冷却容器307の形状は縦置き円柱状であるため、内側タンク370の底面370B(他方の板材)の形状は、略円形であり、当該底面370Bに固着される外板376(一方の板材)の形状も略円形を呈している。
前記外板376の周辺部全周は、図6に示すようにシーム溶接により内側タンク370の底面370Bに固着され、両板材間(内側タンク370の底面370Bと外板376間)に密閉された冷媒通路空間377が構成されており、これを蒸発器316の冷媒流路としている。
また、外板376の周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所前記内側タンク370の底面370Bに固着された内側固着部378が形成されている。具体的には、外板376の周辺部全周が内側タンク370の底面にシーム溶接により固着され、当該周辺部以外の部分は所定間隔をおいて碁盤目配列状、若しくは、千鳥配列状にスポット溶接により固着されている(スポット溶接により固着された箇所が内側固着部378)。
そして、内側タンク370の底面370Bと外板376との間に形成された前記冷媒通路空間377(蒸発器316の冷媒流路)には、当該冷媒通路空間377に連通して複数の冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bが取り付けられている。そして、図6に示す如くこれら複数の冷媒入口管316Aの一端は、前記冷媒通路空間377の中心部において、当該冷媒通路空間377に連通すると共に、各冷媒出口管316Bの一端は、冷媒通路空間377の周辺部において当該冷媒通路空間377に連通している。
前記各冷媒入口管316Aは、略円形を呈した外板376と同心円状配列で、それぞれ略等間隔となるように冷媒通路空間377の中心部に連通接続されており、各冷媒出口管316Bは、略円形を呈した外板376と同心円状配列で、それぞれ略等間隔となるように冷媒通路空間377の周辺部に連通接続されている。
一方、冷媒入口管316Aの他端は、冷媒配管42からの冷媒が冷媒通路空間377に分岐して流入するように冷媒配管42に接続されている。そして、冷媒出口管316Bの他端は、各冷媒出口管316Bからの冷媒が合流するように吸入管45に接続されている。
また、本実施例においても、前記各実施例と同様に、内側タンク370の板厚は2mm、外板376の板厚は1mmである。また、スポット溶接部(内側固着部78)の直径は6mmであり、スポットピッチは18.5mm、冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの外径は外径φ6.35mm(1/4インチ)、冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの板厚は1.0mmである。
既に前記実施例1で説明したように、冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの本数、並びに外板376の面積は、前記数式(1)及び数式(2)から算出することができる。本実施例では、定格容量が1000リットルの冷却容器307を使用し、1回の集荷あたりの搾乳回数は2回である。従って、数式(1)から算出されるNT(蒸発器316の冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの本数)は3.25であるので、冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの本数を各4本とする。また、前記数式(2)にて算出されるA(外板376の面積)は1となるので、本実施例では当該外板376の面積を1.13m2としている。
本実施例の蒸発器316の冷媒通路は、1パスであり、冷媒入口管316A及び冷媒出口管316Bの本数は各々4本である。従って、冷媒配管42からの冷媒は、4つの流れに分流されて、各冷媒入口管316A内を流れ、各冷媒入口管316Aから蒸発器316の冷媒通路(冷媒通路空間77の中心部)に入る。そして、各冷媒入口管316Aから蒸発器316の中心部に流入した冷媒は、当該蒸発器316内で一旦合流し、中心部から円周方向に向かって流れる。その過程で、被冷却物との熱交換により吸熱して、蒸発する。蒸発した冷媒は4つの流れに分かれてそれぞれ冷媒出口管316Bに入り、各冷媒出口管316Bから蒸発器316の外部に流出した後、合流して吸入管45に流れる。
以上詳述したように、本実施例の蒸発器316では、冷媒入口管316Aが冷媒通路空間377の中心部において、当該冷媒通路空間377に連通すると共に、冷媒出口管316Bが冷媒通路空間377の周辺部において当該冷媒通路空間377に連通しているので、中心部付近から蒸発器316内に流入した冷媒が、円周方向に広がるように流れるため、冷媒の蒸発と共に圧力損失が増大する不都合を抑制することが可能となる。
即ち、冷媒は蒸発するにしたがって、比容積が大きくなるため、蒸発器316の冷媒入口から出口までの間の冷媒通路の面積を同一とした場合、冷媒が蒸発するに伴い、圧力損失が増大してしまう。しかしながら、本実施例の如く冷媒入口管316Aを冷媒通路空間377の中心部に設けて、冷媒出口管316Bを冷媒通路空間377の周辺部に設けることで、当該蒸発器316の冷媒通路面積は蒸発器316の入口において最も狭く、出口に向かうに従って徐々に大きくなり、当該蒸発器316の出口では最大となるため、係る圧力損失をより一層低減することができる。
更に、係る構造とすることで、冷媒の分流性も良好となるので、当該蒸発器316内での冷媒の滞留を防止することができるようになり、伝熱性能の向上も期待できる。
尚、上記各実施例では本発明の熱交換器を蒸発器として使用するものとしたが、これに限らず、放熱器として使用しても差し支えなく、本発明の熱交換器を放熱器として使用した場合には、放熱器における熱交換能力の向上を図ることができるようになる。
尚、以上説明において把握し得る発明としては、特許請求の範囲の各請求項の他に以下のものが考えられる。即ち、
請求項1の発明において前記一方の板材の周辺部全周を前記他方の板材に固着した後、両板材間に圧力を印加することにより、両板材間に前記冷媒通路空間を膨出形成したことを特徴とする熱交換器。
本発明は、上記各実施例の如く搾乳直後の牛乳を冷却して保冷する装置のみならず、例えば、食品等の加工に関連する装置や、自動販売機、冷却・保冷が求められる他の産業分野においても利用が可能である。
本発明を適用した一実施例の冷凍サイクル装置の概略構成図である。 冷却容器の概略構造を示した断面図である。 冷却容器に一体形成された蒸発器の概略構造を示した断面図である。 蒸発器の概略構成図である。 本発明の他の実施例の冷凍サイクル装置の概略構成図である。 本発明の他の実施例の蒸発器の概略構成図である。 耐圧破壊試験の結果の一例を示す図である。
符号の説明
1、200 冷凍サイクル装置
2 冷媒回路
3 給湯回路
5 貯湯回路
7 冷却容器
10、80 圧縮機
11、21、81 放熱器
14 84 膨張弁
16、86 蒸発器
16A、316A 冷媒入口管
16B、316B 冷媒出口管
70、370 内側タンク
72 外装タンク
74 断熱材
76、376 外板
77、377 冷媒通路空間
78、378 内側固着部

Claims (5)

  1. 一対の板材を備え、少なくとも一方の前記板材は、周辺部全周が他方の前記板材に固着されて両板材間に密閉された冷媒通路空間が構成されると共に、前記一方の板材の前記周辺部以外の部分には、所定間隔をおいて複数箇所前記他方の板材に固着された内側固着部が形成され、前記冷媒通路空間に連通して複数の冷媒入口管及び冷媒出口管が取り付けられていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記内側固着部は、所定間隔をおいて碁盤目状、若しくは、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記冷媒入口管は、前記冷媒通路空間の中心部において当該冷媒通路空間に連通すると共に、前記冷媒出口管は、前記冷媒通路空間の周辺部において当該冷媒通路空間に連通することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
  4. 圧縮機、放熱器、減圧装置及び蒸発器を備えて冷媒回路が構成され、前記蒸発器として請求項1乃至請求項3の何れかに記載の熱交換器を用いると共に、冷媒として二酸化炭素が封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 前記他方の板材の前記一方の板材とは反対側の面は、所定の被冷却空間の壁面を構成すると共に、前記一方の板材の前記他方の板材とは反対側の面は、所定の断熱構造が施されていることを特徴とする請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
JP2006050561A 2006-02-27 2006-02-27 冷凍サイクル装置 Expired - Fee Related JP4868354B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006050561A JP4868354B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 冷凍サイクル装置
EP07003912.8A EP1826521A3 (en) 2006-02-27 2007-02-26 Heat exchanger and refrigeration cycle device using the same
CN200710084212.2A CN101029788A (zh) 2006-02-27 2007-02-27 热交换器及采用它的冷冻循环装置
US11/711,159 US20070214829A1 (en) 2006-02-27 2007-02-27 Heat exchanger and refrigeration cycle device using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006050561A JP4868354B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007232226A true JP2007232226A (ja) 2007-09-13
JP4868354B2 JP4868354B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=38083446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006050561A Expired - Fee Related JP4868354B2 (ja) 2006-02-27 2006-02-27 冷凍サイクル装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20070214829A1 (ja)
EP (1) EP1826521A3 (ja)
JP (1) JP4868354B2 (ja)
CN (1) CN101029788A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167844A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Ricoh Co Ltd 熱交換装置及び画像形成装置
JP2012198502A (ja) * 2011-03-07 2012-10-18 Ricoh Co Ltd 熱交換装置及び画像形成装置
KR20210085760A (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 주식회사 케이.엠 냉음수기

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2363288B1 (es) * 2010-01-15 2012-02-27 Abengoa Solar New Technologies S.A. Receptor solar de sales fundidas y procedimiento para reducir el gradiente térmico en dicho receptor.
EP2901091B1 (en) * 2012-09-28 2018-05-02 Electrolux Home Products Corporation N.V. Refrigerator and method of controlling refrigerator
CA2815783C (en) 2013-04-05 2014-11-18 Marc-Andre Lesmerises Co2 cooling system and method for operating same
US10222125B2 (en) * 2015-04-06 2019-03-05 International Business Machines Corporation Burst resistant thin wall heat sink
US10215504B2 (en) 2015-04-06 2019-02-26 International Business Machines Corporation Flexible cold plate with enhanced flexibility
US11656005B2 (en) 2015-04-29 2023-05-23 Gestion Marc-André Lesmerises Inc. CO2 cooling system and method for operating same
CN110494703A (zh) * 2017-03-31 2019-11-22 大金工业株式会社 空调装置
JP2021038895A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 昭和電工株式会社 熱交換器
SE2030317A1 (sv) * 2020-10-22 2022-04-23 Wedholms Ab Förfarande och arrangemang vid värmeväxling
CN117076830B (zh) * 2023-10-13 2024-03-12 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 氮气轴流压缩机功率确定方法、装置、电子设备及介质

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5079859A (ja) * 1973-11-19 1975-06-28
JPS534369A (en) * 1977-06-11 1978-01-14 Fuji Car Mfg Apparatus for disposing trash
JPS62142989A (ja) * 1985-12-12 1987-06-26 エム・テ−・ウ−・モト−レン−・ウント・ツルビ−ネン−ウニオ−ン・ミユンヘン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 熱交換器
JPH0262265A (ja) * 1988-08-30 1990-03-02 Canon Inc 手動走査式印刷装置
JP2003247796A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Sumitomo Precision Prod Co Ltd マイクロガスタービン用再生熱交換器

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2626130A (en) * 1949-08-19 1953-01-20 Raskin Leon Heat exchanger device
US2908149A (en) * 1958-07-30 1959-10-13 Reynolds Metals Co Evaporators for refrigeration
US3141500A (en) * 1962-02-14 1964-07-21 Dean Products Inc Heat exchanger coils of the panel type
US3448589A (en) * 1967-11-07 1969-06-10 English Rose Kitchen Ltd Milk cooling and cold storage apparatus
US3592261A (en) * 1968-11-25 1971-07-13 Lummus Co Heat exchanger
US4700445A (en) * 1982-07-12 1987-10-20 Rubin Raskin Method of manufacturing heat transfer panels by inflation
EP0157061A1 (fr) * 1984-03-30 1985-10-09 Pierre Jacquemin Appareil frigorifique pour refroidir des objets cylindriques ou des emballages cylindriques contenant des liquides
US5636527A (en) * 1995-11-15 1997-06-10 The Ohio State University Research Foundation Enhanced fluid-liquid contact
US20020195234A1 (en) * 2001-06-25 2002-12-26 Nanping Wu Plate freezer evaporator with carbon dioxide refrigerant
JP2003185271A (ja) * 2001-12-17 2003-07-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 温水器
US6536227B1 (en) * 2002-01-29 2003-03-25 Daewoo Electronics Corporation Direct cooling type refrigerator
NZ542600A (en) * 2003-03-28 2007-05-31 Siddons Stevens Developments P Water heater/cooler with heat-conductive material between tube and wall of tank, and layer of material wrapped about tank in airtight manner
US7424807B2 (en) * 2003-06-11 2008-09-16 Carrier Corporation Supercritical pressure regulation of economized refrigeration system by use of an interstage accumulator
JP4706372B2 (ja) * 2005-07-28 2011-06-22 株式会社デンソー 温度式膨張弁

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5079859A (ja) * 1973-11-19 1975-06-28
JPS534369A (en) * 1977-06-11 1978-01-14 Fuji Car Mfg Apparatus for disposing trash
JPS62142989A (ja) * 1985-12-12 1987-06-26 エム・テ−・ウ−・モト−レン−・ウント・ツルビ−ネン−ウニオ−ン・ミユンヘン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 熱交換器
JPH0262265A (ja) * 1988-08-30 1990-03-02 Canon Inc 手動走査式印刷装置
JP2003247796A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Sumitomo Precision Prod Co Ltd マイクロガスタービン用再生熱交換器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167844A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Ricoh Co Ltd 熱交換装置及び画像形成装置
JP2012198502A (ja) * 2011-03-07 2012-10-18 Ricoh Co Ltd 熱交換装置及び画像形成装置
KR20210085760A (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 주식회사 케이.엠 냉음수기
KR102397401B1 (ko) * 2019-12-31 2022-05-12 주식회사 케이.엠 냉음수기

Also Published As

Publication number Publication date
EP1826521A3 (en) 2013-12-11
EP1826521A2 (en) 2007-08-29
CN101029788A (zh) 2007-09-05
JP4868354B2 (ja) 2012-02-01
US20070214829A1 (en) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4868354B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP4592616B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP4338690B2 (ja) 冷却装置
JP4592617B2 (ja) 冷却加熱装置
US8978744B2 (en) Hot-water storage type hot-water supply device and hot-water storage type heating and hot-water supply device
JP2010175106A (ja) 冷凍装置
JP2008232576A (ja) 給湯装置
JP4587964B2 (ja) 殺菌用加熱・冷却装置
JP4661908B2 (ja) ヒートポンプユニット及びヒートポンプ給湯装置
JP2011027358A (ja) 暖房装置
JP2002130862A (ja) 空気調和システム
JP4922843B2 (ja) 冷却装置
JP2007293756A (ja) カップ式自動販売機
JP2008309384A (ja) 給湯装置
JP2001141312A (ja) 冷凍サイクルからなる給湯装置
JP2004150664A (ja) 冷却装置
JP2008107057A (ja) 空気調和装置
KR20080105607A (ko) 통신장비용 냉방장치 및 동파방지방법
JP2007232228A (ja) 冷却加熱装置
JP2010014375A (ja) 加熱塔の除霜方法
JPWO2016185689A1 (ja) 空調給湯システム
JP2011106749A (ja) 空調システム
JP3710982B2 (ja) ブラインショーケース
JP2006162086A (ja) ヒートポンプ給湯機
KR20050093166A (ko) 히트펌프용 냉수/온수 발생 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20111020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20111020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111108

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4868354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees