JP2004150664A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結露を抑制する構造を簡素化する。
【解決手段】冷水を貯留する膨張タンク1と、電子機器2が熱的に接続される冷却器3と、膨張タンク1内の冷水を冷却器3に導く複数の管路5A、5Bとを備え、管路5A、5Bは、冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器7A、7Bとポンプ9A、9Bとを有してなり、一方の例えば管路5Aを介して冷水を導き、管路5Aに異常が生じた場合は、バックアップ用の管路5Bに切り替えて冷水を導く冷却装置において、それぞれの管路5A、5Bの冷却器3側の端部と他の管路のタンク1側の端部とを連結するバイパス経路12A、12Bを設けることで、簡素な構成でバックアップ用の管路5Bに冷水が滞留することを防止でき、切り替え後の結露の発生を抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】冷水を貯留する膨張タンク1と、電子機器2が熱的に接続される冷却器3と、膨張タンク1内の冷水を冷却器3に導く複数の管路5A、5Bとを備え、管路5A、5Bは、冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器7A、7Bとポンプ9A、9Bとを有してなり、一方の例えば管路5Aを介して冷水を導き、管路5Aに異常が生じた場合は、バックアップ用の管路5Bに切り替えて冷水を導く冷却装置において、それぞれの管路5A、5Bの冷却器3側の端部と他の管路のタンク1側の端部とを連結するバイパス経路12A、12Bを設けることで、簡素な構成でバックアップ用の管路5Bに冷水が滞留することを防止でき、切り替え後の結露の発生を抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷式の冷却装置に係り、特に、ポンプと熱交換器からなる給水経路を複数備えた冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却装置は、冷水が通流する冷却器を有し、この冷却器に接触させて配置させた発熱を伴なう被冷却物を冷却するものである。このような冷却装置は、冷水を貯留するタンクと、タンク内の冷水を冷却器に導くポンプを備えた給水経路と、例えば外気やブラインなどの冷媒と給水経路内の冷水とを熱交換させて冷水を冷却する熱交換器とを備えて形成されている。また、被冷却物が、例えばコンピュータやデジタル放送機器などの電子機器(以下、電子機器と称する)である場合は、電子機器を用いたシステムがダウンする影響が甚大であり、高度な信頼性が要求される。このため、従来では、冷却装置に2つの給水経路を設けて、一方(以下、A系統と称する)を使用するとともに、他方(以下、B系統と称する)を不使用にしてバックアップ用とする構成とし、例えば、A系統にポンプの故障などのトラブルが生じた場合、直ちに、B系統に切替えて運転するというものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような冷却装置において、A系統の使用時、B系統の冷水の通流は停止しているため、B系統内に滞留している冷水、特に、B系統の熱交換器内に滞留している冷水は、例えば冬季などにおいて必要以上に冷却される場合がある。このため、給水をA系統からB系統に切り替えると、B系統内の比較的低温(例えば、冷却器が置かれた室内の温度より低温)の冷水が冷却器に流れて結露を発生させ、電子機器に重大な障害を及ぼすという問題がある。
【0004】
この問題に対して、不使用のB系統内の冷水の温度が結露を発生させる温度を下回りそうなときに、A系統からB系統に運転を切り替え、電子機器の熱により比較的温度が高くなった冷水をB系統に通流させて、B系統の冷水が必要以上に冷却されることを防止するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、起動時における結露の発生を防止するものとして、タンク内にヒータを設け、冷水の温度が所定の温度に上昇するまで電子機器の起動を遅らせるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−219615号公報(第2−3頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平10−9735号公報(第2頁、第1図)
【特許文献3】
特公平6−12209号公報(第1−2頁、第2図)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、結露の発生を防止する従来の構成において、A系統とB系統とを交互に切り替えるものは、どの系統が停止しているのか、その系統の冷水は何度か、などを判断して切り替えなければならず、装置の構成や制御が煩雑になる。また、系統の切り替え回数が増加するのでポンプなどに負担がかかるという問題がある。他方、ヒータで冷水を昇温する構成も同様に、ヒータを用いることで装置の構成が煩雑になり、ヒータに通電するタイミングの制御なども必要になる。さらに、ヒータで冷水の昇温が完了するまで電子機器を作動させることができないという不具合もある。
【0006】
本発明は、結露を抑制する構造の簡素化を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却装置は、冷水を貯留するタンクと、被冷却物が熱的に接続される冷却器と、タンク内の冷水をこの冷却器に導く複数の給水経路とを備え、この複数の給水経路は、冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器とポンプとを有してなり、複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して冷水を導き、この一部の給水経路に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える制御を行うものであり、上記課題を解決するために、それぞれの給水経路の冷却器側の端部と他の給水経路のタンク側の端部とを連結するバイパス経路を設けたことを特徴とする。
【0008】
このように構成することで、例えば、給水に利用している給水径路内を通流する冷水の一部を、バイパス径路を介して、例えばバックアップ用に待機している給水径路に通流させることができ、バックアップ用の給水径路内に冷水が滞留することを防止することができる。このように、本発明によれば、煩雑な構成や制御を用いることなくバックアップ用の給水系統に冷水が滞留することを防止することができ、結果、冷却器に導かれる冷水の温度が必要以上に低下することを抑制して、結露の発生を防止することができる。
【0009】
この場合において、各給水径路の使用、不使用、すなわち各系統の切り替えは、例えば、制御装置により、各給水径路に設けられたポンプをそれぞれ発停制御することで実現できる。また、それぞれの給水径路の異常は、例えば、冷水の温度、冷水の流量、ポンプの吐出・吸引圧力などを検出器で検出し、この検出値が入力された制御装置は、検出値が所望の範囲でない場合にその給水径路が異常であると判断する。そして、制御装置は、異常である給水径路のポンプを停止させ、停止していた他の給水径路のポンプを作動させるようにすることができる。また、給水径路にそれぞれ設けられた熱交換器は、冷水と冷水より温度の低い冷媒とを熱交換させて冷水を冷却するものである。この冷媒としては、例えば、送風ファンにより供給される外気や、冷凍サイクルの蒸発器と本発明の熱交換器との間を循環するブラインなどが挙げられる。この送風ファンまたはブラインの循環は、ポンプの作動、停止に同期させて運転することができる。
【0010】
また、発熱を伴なう電子機器を備えたシステムにおいて、電子機器自体を複数備え、複数の電子機器のうち一部を運転し、残りの電子機器をバックアップ用として停止・待機させておくものがある。このようなシステムに対応した冷却装置として、本発明は、複数の電子機器にそれぞれ対応した複数の冷却器を設け、各冷却器は各給水経路にそれぞれ連結する構造とし、複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して冷水を導き、この一部の給水経路に異常が生じた場合、及びこの一部の給水経路の冷却器に接続された被冷却物に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える構成とすることができる。この場合において、電子機器の異常は、例えば、電子機器の温度、動作性能などを検出器で検出し、この検出値が入力された制御装置は、検出値が所望の範囲でない場合に電子機器が異常であると判断するようにすることができる。
【0011】
また、本発明の冷却装置は、バイパス経路内の冷水の流量を制御する定流量弁を備えたことを特徴とする。これにより、不使用の給水径路に導かれる冷水の流量を調整することができる。これは、ポンプが作動してない給水径路に冷水を通流させると抵抗が大きいため、冷水を必要以上流さないようにするためである。なお、この定流量弁の開度は、実機を使った実験などにより、例えば、滞留している冷水の温度が結露を発生させる温度にならない開度に設定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の概略構成を示した図である。図2は定流量弁の構成を示した一部断面図である。図3は、本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の変形例を示した図である。なお、図中の矢印は冷水の流れ方向を表す。
【0013】
本実施形態の冷却装置は、図1に示すように、冷水を貯留する膨張タンク1と、電子機器2が密着した冷却器3と、それぞれの一端を膨張タンク1に、他端を冷却器3に連結された2つの給水径路である管路5A、5Bと、管路5A、5Bにそれぞれ設けられ、冷水と外気とを熱交換させるクロスフィンチューブ式の熱交換器7A、7Bと、ポンプ9A、9Bと、管路5A、5Bとは別に膨張タンク1と冷却器3とを連結する管路11と、管路5A、5Bを互いに連結するバイパス管路12A、12Bとを備えて形成されている。
【0014】
このような冷却装置について詳細に説明する。膨張タンク1は、冷水が封入される容器であり、出水口13と入水口15とが形成されている。膨張タンク1内の冷水は、膨張タンク1の中間の高さまで貯水されるように調節されており、出水口13は、冷水の水面より下側に位置するように配設されている。
【0015】
膨張タンク1の外側に突出する出水口13には、管路5A、5Bの一端がそれぞれ連結され、出水口13から管路5A、5Bが分岐した格好になっている。管路5A、5Bは、一端側から他端側にかけて、それぞれポンプ9A、9B、熱交換器7A、7Bが、順に配設されている。熱交換器7A、7Bの他端側には、それぞれ逆止弁17A、17Bが設けられている。管路5A、5Bの他端は、それぞれ冷却器3に連結されている。また、熱交換器7A、7Bに外気を送風する送風ファン19A、19Bが設けられている。ポンプ9A、9B、及び送風ファン19A、19Bは、制御装置20から発停信号が入力されるようになっている。管路5A、5B内の冷水の流量を検出する流量計18A、18Bが設けられ、流量計18A、18Bは検出した流量を制御装置20に入力するようになっている。
【0016】
冷却器3は、板状に形成された伝熱板と、伝熱板内部に設けられた図示していない伝熱管路とで形成され、電子機器2は伝熱板に熱的に接続されている。管路5A、5Bの他端は、伝熱管路の一端に合流した格好で連結されている。伝熱管路の他端は、管路11の一端に連結され、管路11の他端は膨張タンク1の入水口15に連結されている。
【0017】
次に、本実施の形態の特徴部であるバイパス管路12A、12Bの構成について説明する。バイパス管路12Aの一端は、熱交換器7Aと逆止弁17Aとの間に位置する管路5Aに連通し、他端は、ポンプ9Bより膨張タンク1側の管路5Bに連結されている。バイパス管路12Aは、管路5A側から管路5B側にかけて弁21A、定流量弁22A、及び弁23Aが、順に配設されている。
【0018】
定流量弁22Aは、図2に示すように、冷水が通流する筒状の管体25と、管体25の内径より小さい外形を有し先端が漸次縮径して形成された軸体27とを備えて形成されている。軸体27は、管体25の中心に同軸に配置されて固定されている。軸体27の先端部には、管体25の内径に沿って摺動可能な筒体29が配置され、筒体29には、軸体27の先端が挿入可能な貫通穴31が形成された受け板33が設けられている。管体25内には、受け板33を軸体27の先端方向に付勢するバネ35が固定されている。このように形成された定流量弁22Aは、軸体27の先端側を弁21A側に向けて配置されている。
【0019】
バイパス管路12Bも12Aと同様に、バイパス管路12Bの一端は、熱交換器7Bと逆止弁17Bとの間に位置する管路5Bに連通し、他端は、ポンプ9Aより膨張タンク1側の管路5Aに連結されている。バイパス管路12Bは、管路5B側から管路5A側にかけて弁21B、定流量弁22B、及び弁23Bが、順に配設されている。定流量弁22Bも軸体27の先端側を弁21Bに連結されている。
【0020】
このような冷却装置の動作について説明する。冷却装置の運転が開始されると、まず、制御装置20は、ポンプ9A及び送風ファン19Aを作動させる信号を出力する。これにより、膨張タンク1内の冷水は、出水口13を介して管路5Aに導かれポンプ9Aの吸引側からポンプ9A内に流入し、熱交換器7A側に吐出される。熱交換器7Aに流入した冷水は、送風ファン19Aにより送られた外気と熱交換して冷却され排出される。熱交換器7Aから排出された冷水の一部はバイパス管路12Aに分流して流れ、残りのほとんどは逆止弁17Aを介して冷却器3の伝熱管路に流れる。伝熱管路内の冷水は、伝熱管路及び伝熱板を介して電子機器2から熱を奪うことで昇温する。伝熱管路から排出された冷水は管路11及び入水口15を介して膨張タンク1内に導かれる。
【0021】
一方、逆止弁17Aの手前でバイパス管路12Aに分流した冷水は、弁21Aを介して軸体27の先端側、つまり、符号37側から定流量弁22Aに流入する。この冷水の流れによって、受け板33はバネ35を縮める方向、つまり、符号37から39に向かう方向に押され、それに伴ない、貫通穴31に軸体27が挿入される。結果、冷水の流速に反比例して貫通穴31と軸体27の先端との間である流路が変化し、一定量の冷水が流れる。この定流量弁22Aを通過した冷水は、弁23Aを介して、ポンプ9Bよりも膨張タンク1側の管路5Bに流入し、ポンプ9B、熱交換器7Bを通流する。すなわち、冷水の滞留を防止することができる。熱交換器7Bを通過した冷水は、バイパス管路12Bを介してポンプ9Aに吸引され管路5A内の冷水に合流する。
【0022】
ポンプ9Aの動作に異常が生じる場合、管路5Aを通流する冷水の流量に変化が生じる。この変化を検出した流量計18Aは、検出値を制御装置20に入力する。制御装置20は、流量計18Aが検出した値と、予め設定されている範囲とが一致するかを判定し、一致する場合は現状の運転を維持し、一致しない場合はポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。これにより、膨張タンク1内の冷水を冷却器3に導く管路が5Aから5Bに切り替わる。このとき、管路5B内の冷水が、冷却器3に流入するが、この冷水は、バイパス管路21Aにより流入していたものなので、滞留により必要以上に冷却されているようなことはなく、冷却器3及び電子機器2の結露の発生を抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で結露の発生を抑制することができる。
(図1に示す実施形態の変形例)
また、本実施形態では、1つの冷却器を設けた実施形態について説明したが、これに代えて、図3に示すように、複数の電子機器を備えたシステムに対応するために複数の冷却器を設けた構成とすることができる。なお、図3に示す変形例において、図1に示す実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、図1に示す実施形態と相違する構成及び特徴部などについて説明する。
【0023】
図3に示す実施形態は、複数の電子機器2A、2Bを備え、電子機器2A、2Bのうち一方を運転し、他方をバックアップ用として停止・待機させておくシステムに対応したものであり、膨張タンク51と、電子機器2A、2Bにそれぞれ密着させる冷却器3A、3Bを設け、冷却器3Aには管路55Aを介して、冷却器3Bには管路55Bを介して膨張タンク51の冷水が導かれるように形成されている。
【0024】
膨張タンク51は、冷水が封入される容器であり、それぞれ出水口13A、13Bと入水口15A、15Bとが形成されている。膨張タンク51内の冷水は、膨張タンク51の中間の高さまで貯水されるように調節されており、出水口13A、13Bは、冷水の水面より下側に位置するように配設されている。出水口13Aには管路55A一端が、出水口13Bには管路55B一端が連結され、管路55Aの他端は冷却器3Aに、管路55Bの他端は冷却器3Bに連結されている。
【0025】
管路55A、55Bは、一端側から他端側にかけて、それぞれポンプ9A、9B、熱交換器7A、7Bが、順に配設されている。熱交換器7A、7Bの他端側には、それぞれ逆止弁17A、17Bが設けられている。ポンプ9A、9B、及び送風ファン19A、19Bは、制御装置60から発停信号が入力されるようになっている。管路55A、55B内の冷水の流量を検出する流量計18A、18Bが設けられ、流量計18A、18Bは検出した流量を制御装置60に入力するようになっている。また、制御装置60には、図示していない感知器から電子機器2A、2Bの作動状態が入力されるようになっている。
【0026】
冷却器3A、3Bは、板状に形成された伝熱板と、伝熱板内部に設けられた図示していない伝熱管路とで形成され、電子機器2A、2Bは伝熱板に熱的に接続されている。管路55A、55Bの他端は、冷却器3A、3Bの伝熱管路の一端に連結され、伝熱管路の他端は、管路11を介して膨張タンク51の入水口15A、15Bにそれぞれ連結されている。
【0027】
このような図3に示す実施形態の冷却装置の動作について説明する。冷却装置の運転が開始されると、まず、制御装置60は、図示していない感知器から電子機器2A、2Bの作動状態を取り込み、作動している電子機器の系統、例えば、電子機器2Aが作動しているとすると、ポンプ9A及び送風ファン19Aを作動させる信号を出力する。これにより、膨張タンク51内の冷水は、出水口13Aを介して管路55Aに導かれポンプ9Aの吸引側からポンプ9A内に流入し、熱交換器7A側に吐出される。熱交換器7Aに流入した冷水は、送風ファン19Aにより送られた外気と熱交換して冷却され排出される。熱交換器7Aから排出された冷水の一部はバイパス管路12Aに分流して流れ、残りのほとんどは逆止弁17Aを介して冷却器3Aの伝熱管路に流れる。伝熱管路内の冷水は、伝熱管路及び伝熱板を介して電子機器2から熱を奪うことで昇温する。伝熱管路から排出された冷水は管路11及び入水口15Aを介して膨張タンク51内に戻される。
【0028】
一方、逆止弁17Aの手前でバイパス管路12Aに分流した冷水は、弁21A、定流量弁22A及び弁23Aを介してポンプ9Bよりも膨張タンク51側の管路5Bに流入し、ポンプ9B、熱交換器7Bを通流する。すなわち、冷水の滞留を防止することができる。
【0029】
ポンプ9Aの動作に異常が生じる場合、管路5Aを通流する冷水の流量に変化が生じる。この変化を検出した流量計18Aは、検出値を制御装置60に入力する。制御装置60は、流量計18Aが検出した値と、予め設定されている範囲とが一致するかを判定し、一致する場合は現状の運転を維持し、一致しない場合はポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。また、感知器が電子機器2Aの異常を感知した場合、感知器は、異常信号を制御装置60に入力し、異常信号が入力された制御装置60は、ポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。
【0030】
これにより、膨張タンク51内の冷水を冷却器3に導く管路が55Aから55Bに切り替わる。このとき、管路55B内の冷水が、冷却器3Bに流入するが、この冷水は、バイパス管路21Aにより通流していたものなので、滞留により必要以上に冷却されているようなことはなく、切り替え後の冷却器3B及び電子機器2Bの結露の発生を抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で結露の発生を抑制することができる。
【0031】
また、上記実施形態では、ポンプの異常を検出する方法として管路内の流量を検出する流量計を用いたが、これに限らず、例えば、冷水の温度、もしくは、ポンプの吐出・吸引圧力などを検出器で検出し、この検出値が所望の範囲でない場合にその給水径路が異常であると判断する構成にできる。また、上記実施形態では冷水と外気との熱交換を行うクロスフィンチューブ式の熱交換器を用いたが、これに限らず、例えば、冷凍サイクルの蒸発器により冷却されたブラインと、冷水との熱交換を行う熱交換器を用いることができる。この場合、冷水の温度は、一般的にブライン循環量により調整する構成とする。また、送風ファンと同様に、冷水を送るポンプが停止している時には、ブラインの循環を停止させるうように制御する構成とすることができる。また、上記実施形態では、給水径路である管路を2系統しか設けていないが、これに限らず、数系統設けた構成とすることができる。
【0032】
上述するように、本実施形態では、各熱交換器7の出口側と他系統のポンプ9の吸込側とを接続するバイパス管路12を設けたことで、ポンプの運転だけでバックアップ系に冷水を通水させることができ、バックアップ系統の熱交換器7内の冷水の過冷却を防ぎ、バックアップ起動時の低温送水による電子機器2の結露を防止することができる。またバイパス管路12に定流量弁22を設けることで、バックアップ系統に通流させる冷水の流量を調整することができる。さらに、弁21、23を閉にすることにより、運転用、バックアップ用が遮断することができ、例えば、メンテナンス時に有効である。
【0033】
このように、本発明によれば、バイパス管路12を追加するだけで電子機器2の結露が防止することができる。従来技術では、センサが複数必要であり、またヒータを使用するなど、構成機器数が多いことから、信頼面で問題がある。本発明では定流量弁と配管のみであるため単純であり、従来技術に比べて信頼面では高く評価することができる。また従来技術は、ヒータを用いるためヒータ通電時、消費電力大きくなるが、本発明はヒータを用いないので、消費電力は少なく、経済的である。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、結露を抑制する構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の概略構成を示した図である。
【図2】定流量弁の構成を示した一部断面図である。
【図3】本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の変形例を示した図である。
【符号の説明】
1 膨張タンク
2 電子機器
3 冷却器
5A、5B 管路
7A、7B 熱交換器
9A、9B ポンプ
12A、12B バイパス管路
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷式の冷却装置に係り、特に、ポンプと熱交換器からなる給水経路を複数備えた冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却装置は、冷水が通流する冷却器を有し、この冷却器に接触させて配置させた発熱を伴なう被冷却物を冷却するものである。このような冷却装置は、冷水を貯留するタンクと、タンク内の冷水を冷却器に導くポンプを備えた給水経路と、例えば外気やブラインなどの冷媒と給水経路内の冷水とを熱交換させて冷水を冷却する熱交換器とを備えて形成されている。また、被冷却物が、例えばコンピュータやデジタル放送機器などの電子機器(以下、電子機器と称する)である場合は、電子機器を用いたシステムがダウンする影響が甚大であり、高度な信頼性が要求される。このため、従来では、冷却装置に2つの給水経路を設けて、一方(以下、A系統と称する)を使用するとともに、他方(以下、B系統と称する)を不使用にしてバックアップ用とする構成とし、例えば、A系統にポンプの故障などのトラブルが生じた場合、直ちに、B系統に切替えて運転するというものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような冷却装置において、A系統の使用時、B系統の冷水の通流は停止しているため、B系統内に滞留している冷水、特に、B系統の熱交換器内に滞留している冷水は、例えば冬季などにおいて必要以上に冷却される場合がある。このため、給水をA系統からB系統に切り替えると、B系統内の比較的低温(例えば、冷却器が置かれた室内の温度より低温)の冷水が冷却器に流れて結露を発生させ、電子機器に重大な障害を及ぼすという問題がある。
【0004】
この問題に対して、不使用のB系統内の冷水の温度が結露を発生させる温度を下回りそうなときに、A系統からB系統に運転を切り替え、電子機器の熱により比較的温度が高くなった冷水をB系統に通流させて、B系統の冷水が必要以上に冷却されることを防止するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、起動時における結露の発生を防止するものとして、タンク内にヒータを設け、冷水の温度が所定の温度に上昇するまで電子機器の起動を遅らせるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−219615号公報(第2−3頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平10−9735号公報(第2頁、第1図)
【特許文献3】
特公平6−12209号公報(第1−2頁、第2図)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、結露の発生を防止する従来の構成において、A系統とB系統とを交互に切り替えるものは、どの系統が停止しているのか、その系統の冷水は何度か、などを判断して切り替えなければならず、装置の構成や制御が煩雑になる。また、系統の切り替え回数が増加するのでポンプなどに負担がかかるという問題がある。他方、ヒータで冷水を昇温する構成も同様に、ヒータを用いることで装置の構成が煩雑になり、ヒータに通電するタイミングの制御なども必要になる。さらに、ヒータで冷水の昇温が完了するまで電子機器を作動させることができないという不具合もある。
【0006】
本発明は、結露を抑制する構造の簡素化を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却装置は、冷水を貯留するタンクと、被冷却物が熱的に接続される冷却器と、タンク内の冷水をこの冷却器に導く複数の給水経路とを備え、この複数の給水経路は、冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器とポンプとを有してなり、複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して冷水を導き、この一部の給水経路に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える制御を行うものであり、上記課題を解決するために、それぞれの給水経路の冷却器側の端部と他の給水経路のタンク側の端部とを連結するバイパス経路を設けたことを特徴とする。
【0008】
このように構成することで、例えば、給水に利用している給水径路内を通流する冷水の一部を、バイパス径路を介して、例えばバックアップ用に待機している給水径路に通流させることができ、バックアップ用の給水径路内に冷水が滞留することを防止することができる。このように、本発明によれば、煩雑な構成や制御を用いることなくバックアップ用の給水系統に冷水が滞留することを防止することができ、結果、冷却器に導かれる冷水の温度が必要以上に低下することを抑制して、結露の発生を防止することができる。
【0009】
この場合において、各給水径路の使用、不使用、すなわち各系統の切り替えは、例えば、制御装置により、各給水径路に設けられたポンプをそれぞれ発停制御することで実現できる。また、それぞれの給水径路の異常は、例えば、冷水の温度、冷水の流量、ポンプの吐出・吸引圧力などを検出器で検出し、この検出値が入力された制御装置は、検出値が所望の範囲でない場合にその給水径路が異常であると判断する。そして、制御装置は、異常である給水径路のポンプを停止させ、停止していた他の給水径路のポンプを作動させるようにすることができる。また、給水径路にそれぞれ設けられた熱交換器は、冷水と冷水より温度の低い冷媒とを熱交換させて冷水を冷却するものである。この冷媒としては、例えば、送風ファンにより供給される外気や、冷凍サイクルの蒸発器と本発明の熱交換器との間を循環するブラインなどが挙げられる。この送風ファンまたはブラインの循環は、ポンプの作動、停止に同期させて運転することができる。
【0010】
また、発熱を伴なう電子機器を備えたシステムにおいて、電子機器自体を複数備え、複数の電子機器のうち一部を運転し、残りの電子機器をバックアップ用として停止・待機させておくものがある。このようなシステムに対応した冷却装置として、本発明は、複数の電子機器にそれぞれ対応した複数の冷却器を設け、各冷却器は各給水経路にそれぞれ連結する構造とし、複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して冷水を導き、この一部の給水経路に異常が生じた場合、及びこの一部の給水経路の冷却器に接続された被冷却物に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える構成とすることができる。この場合において、電子機器の異常は、例えば、電子機器の温度、動作性能などを検出器で検出し、この検出値が入力された制御装置は、検出値が所望の範囲でない場合に電子機器が異常であると判断するようにすることができる。
【0011】
また、本発明の冷却装置は、バイパス経路内の冷水の流量を制御する定流量弁を備えたことを特徴とする。これにより、不使用の給水径路に導かれる冷水の流量を調整することができる。これは、ポンプが作動してない給水径路に冷水を通流させると抵抗が大きいため、冷水を必要以上流さないようにするためである。なお、この定流量弁の開度は、実機を使った実験などにより、例えば、滞留している冷水の温度が結露を発生させる温度にならない開度に設定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の概略構成を示した図である。図2は定流量弁の構成を示した一部断面図である。図3は、本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の変形例を示した図である。なお、図中の矢印は冷水の流れ方向を表す。
【0013】
本実施形態の冷却装置は、図1に示すように、冷水を貯留する膨張タンク1と、電子機器2が密着した冷却器3と、それぞれの一端を膨張タンク1に、他端を冷却器3に連結された2つの給水径路である管路5A、5Bと、管路5A、5Bにそれぞれ設けられ、冷水と外気とを熱交換させるクロスフィンチューブ式の熱交換器7A、7Bと、ポンプ9A、9Bと、管路5A、5Bとは別に膨張タンク1と冷却器3とを連結する管路11と、管路5A、5Bを互いに連結するバイパス管路12A、12Bとを備えて形成されている。
【0014】
このような冷却装置について詳細に説明する。膨張タンク1は、冷水が封入される容器であり、出水口13と入水口15とが形成されている。膨張タンク1内の冷水は、膨張タンク1の中間の高さまで貯水されるように調節されており、出水口13は、冷水の水面より下側に位置するように配設されている。
【0015】
膨張タンク1の外側に突出する出水口13には、管路5A、5Bの一端がそれぞれ連結され、出水口13から管路5A、5Bが分岐した格好になっている。管路5A、5Bは、一端側から他端側にかけて、それぞれポンプ9A、9B、熱交換器7A、7Bが、順に配設されている。熱交換器7A、7Bの他端側には、それぞれ逆止弁17A、17Bが設けられている。管路5A、5Bの他端は、それぞれ冷却器3に連結されている。また、熱交換器7A、7Bに外気を送風する送風ファン19A、19Bが設けられている。ポンプ9A、9B、及び送風ファン19A、19Bは、制御装置20から発停信号が入力されるようになっている。管路5A、5B内の冷水の流量を検出する流量計18A、18Bが設けられ、流量計18A、18Bは検出した流量を制御装置20に入力するようになっている。
【0016】
冷却器3は、板状に形成された伝熱板と、伝熱板内部に設けられた図示していない伝熱管路とで形成され、電子機器2は伝熱板に熱的に接続されている。管路5A、5Bの他端は、伝熱管路の一端に合流した格好で連結されている。伝熱管路の他端は、管路11の一端に連結され、管路11の他端は膨張タンク1の入水口15に連結されている。
【0017】
次に、本実施の形態の特徴部であるバイパス管路12A、12Bの構成について説明する。バイパス管路12Aの一端は、熱交換器7Aと逆止弁17Aとの間に位置する管路5Aに連通し、他端は、ポンプ9Bより膨張タンク1側の管路5Bに連結されている。バイパス管路12Aは、管路5A側から管路5B側にかけて弁21A、定流量弁22A、及び弁23Aが、順に配設されている。
【0018】
定流量弁22Aは、図2に示すように、冷水が通流する筒状の管体25と、管体25の内径より小さい外形を有し先端が漸次縮径して形成された軸体27とを備えて形成されている。軸体27は、管体25の中心に同軸に配置されて固定されている。軸体27の先端部には、管体25の内径に沿って摺動可能な筒体29が配置され、筒体29には、軸体27の先端が挿入可能な貫通穴31が形成された受け板33が設けられている。管体25内には、受け板33を軸体27の先端方向に付勢するバネ35が固定されている。このように形成された定流量弁22Aは、軸体27の先端側を弁21A側に向けて配置されている。
【0019】
バイパス管路12Bも12Aと同様に、バイパス管路12Bの一端は、熱交換器7Bと逆止弁17Bとの間に位置する管路5Bに連通し、他端は、ポンプ9Aより膨張タンク1側の管路5Aに連結されている。バイパス管路12Bは、管路5B側から管路5A側にかけて弁21B、定流量弁22B、及び弁23Bが、順に配設されている。定流量弁22Bも軸体27の先端側を弁21Bに連結されている。
【0020】
このような冷却装置の動作について説明する。冷却装置の運転が開始されると、まず、制御装置20は、ポンプ9A及び送風ファン19Aを作動させる信号を出力する。これにより、膨張タンク1内の冷水は、出水口13を介して管路5Aに導かれポンプ9Aの吸引側からポンプ9A内に流入し、熱交換器7A側に吐出される。熱交換器7Aに流入した冷水は、送風ファン19Aにより送られた外気と熱交換して冷却され排出される。熱交換器7Aから排出された冷水の一部はバイパス管路12Aに分流して流れ、残りのほとんどは逆止弁17Aを介して冷却器3の伝熱管路に流れる。伝熱管路内の冷水は、伝熱管路及び伝熱板を介して電子機器2から熱を奪うことで昇温する。伝熱管路から排出された冷水は管路11及び入水口15を介して膨張タンク1内に導かれる。
【0021】
一方、逆止弁17Aの手前でバイパス管路12Aに分流した冷水は、弁21Aを介して軸体27の先端側、つまり、符号37側から定流量弁22Aに流入する。この冷水の流れによって、受け板33はバネ35を縮める方向、つまり、符号37から39に向かう方向に押され、それに伴ない、貫通穴31に軸体27が挿入される。結果、冷水の流速に反比例して貫通穴31と軸体27の先端との間である流路が変化し、一定量の冷水が流れる。この定流量弁22Aを通過した冷水は、弁23Aを介して、ポンプ9Bよりも膨張タンク1側の管路5Bに流入し、ポンプ9B、熱交換器7Bを通流する。すなわち、冷水の滞留を防止することができる。熱交換器7Bを通過した冷水は、バイパス管路12Bを介してポンプ9Aに吸引され管路5A内の冷水に合流する。
【0022】
ポンプ9Aの動作に異常が生じる場合、管路5Aを通流する冷水の流量に変化が生じる。この変化を検出した流量計18Aは、検出値を制御装置20に入力する。制御装置20は、流量計18Aが検出した値と、予め設定されている範囲とが一致するかを判定し、一致する場合は現状の運転を維持し、一致しない場合はポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。これにより、膨張タンク1内の冷水を冷却器3に導く管路が5Aから5Bに切り替わる。このとき、管路5B内の冷水が、冷却器3に流入するが、この冷水は、バイパス管路21Aにより流入していたものなので、滞留により必要以上に冷却されているようなことはなく、冷却器3及び電子機器2の結露の発生を抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で結露の発生を抑制することができる。
(図1に示す実施形態の変形例)
また、本実施形態では、1つの冷却器を設けた実施形態について説明したが、これに代えて、図3に示すように、複数の電子機器を備えたシステムに対応するために複数の冷却器を設けた構成とすることができる。なお、図3に示す変形例において、図1に示す実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、図1に示す実施形態と相違する構成及び特徴部などについて説明する。
【0023】
図3に示す実施形態は、複数の電子機器2A、2Bを備え、電子機器2A、2Bのうち一方を運転し、他方をバックアップ用として停止・待機させておくシステムに対応したものであり、膨張タンク51と、電子機器2A、2Bにそれぞれ密着させる冷却器3A、3Bを設け、冷却器3Aには管路55Aを介して、冷却器3Bには管路55Bを介して膨張タンク51の冷水が導かれるように形成されている。
【0024】
膨張タンク51は、冷水が封入される容器であり、それぞれ出水口13A、13Bと入水口15A、15Bとが形成されている。膨張タンク51内の冷水は、膨張タンク51の中間の高さまで貯水されるように調節されており、出水口13A、13Bは、冷水の水面より下側に位置するように配設されている。出水口13Aには管路55A一端が、出水口13Bには管路55B一端が連結され、管路55Aの他端は冷却器3Aに、管路55Bの他端は冷却器3Bに連結されている。
【0025】
管路55A、55Bは、一端側から他端側にかけて、それぞれポンプ9A、9B、熱交換器7A、7Bが、順に配設されている。熱交換器7A、7Bの他端側には、それぞれ逆止弁17A、17Bが設けられている。ポンプ9A、9B、及び送風ファン19A、19Bは、制御装置60から発停信号が入力されるようになっている。管路55A、55B内の冷水の流量を検出する流量計18A、18Bが設けられ、流量計18A、18Bは検出した流量を制御装置60に入力するようになっている。また、制御装置60には、図示していない感知器から電子機器2A、2Bの作動状態が入力されるようになっている。
【0026】
冷却器3A、3Bは、板状に形成された伝熱板と、伝熱板内部に設けられた図示していない伝熱管路とで形成され、電子機器2A、2Bは伝熱板に熱的に接続されている。管路55A、55Bの他端は、冷却器3A、3Bの伝熱管路の一端に連結され、伝熱管路の他端は、管路11を介して膨張タンク51の入水口15A、15Bにそれぞれ連結されている。
【0027】
このような図3に示す実施形態の冷却装置の動作について説明する。冷却装置の運転が開始されると、まず、制御装置60は、図示していない感知器から電子機器2A、2Bの作動状態を取り込み、作動している電子機器の系統、例えば、電子機器2Aが作動しているとすると、ポンプ9A及び送風ファン19Aを作動させる信号を出力する。これにより、膨張タンク51内の冷水は、出水口13Aを介して管路55Aに導かれポンプ9Aの吸引側からポンプ9A内に流入し、熱交換器7A側に吐出される。熱交換器7Aに流入した冷水は、送風ファン19Aにより送られた外気と熱交換して冷却され排出される。熱交換器7Aから排出された冷水の一部はバイパス管路12Aに分流して流れ、残りのほとんどは逆止弁17Aを介して冷却器3Aの伝熱管路に流れる。伝熱管路内の冷水は、伝熱管路及び伝熱板を介して電子機器2から熱を奪うことで昇温する。伝熱管路から排出された冷水は管路11及び入水口15Aを介して膨張タンク51内に戻される。
【0028】
一方、逆止弁17Aの手前でバイパス管路12Aに分流した冷水は、弁21A、定流量弁22A及び弁23Aを介してポンプ9Bよりも膨張タンク51側の管路5Bに流入し、ポンプ9B、熱交換器7Bを通流する。すなわち、冷水の滞留を防止することができる。
【0029】
ポンプ9Aの動作に異常が生じる場合、管路5Aを通流する冷水の流量に変化が生じる。この変化を検出した流量計18Aは、検出値を制御装置60に入力する。制御装置60は、流量計18Aが検出した値と、予め設定されている範囲とが一致するかを判定し、一致する場合は現状の運転を維持し、一致しない場合はポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。また、感知器が電子機器2Aの異常を感知した場合、感知器は、異常信号を制御装置60に入力し、異常信号が入力された制御装置60は、ポンプ9A及び送風ファン19Aを停止させるとともに、停止していたポンプ9B及び送風ファン19Bを作動させる。
【0030】
これにより、膨張タンク51内の冷水を冷却器3に導く管路が55Aから55Bに切り替わる。このとき、管路55B内の冷水が、冷却器3Bに流入するが、この冷水は、バイパス管路21Aにより通流していたものなので、滞留により必要以上に冷却されているようなことはなく、切り替え後の冷却器3B及び電子機器2Bの結露の発生を抑制することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で結露の発生を抑制することができる。
【0031】
また、上記実施形態では、ポンプの異常を検出する方法として管路内の流量を検出する流量計を用いたが、これに限らず、例えば、冷水の温度、もしくは、ポンプの吐出・吸引圧力などを検出器で検出し、この検出値が所望の範囲でない場合にその給水径路が異常であると判断する構成にできる。また、上記実施形態では冷水と外気との熱交換を行うクロスフィンチューブ式の熱交換器を用いたが、これに限らず、例えば、冷凍サイクルの蒸発器により冷却されたブラインと、冷水との熱交換を行う熱交換器を用いることができる。この場合、冷水の温度は、一般的にブライン循環量により調整する構成とする。また、送風ファンと同様に、冷水を送るポンプが停止している時には、ブラインの循環を停止させるうように制御する構成とすることができる。また、上記実施形態では、給水径路である管路を2系統しか設けていないが、これに限らず、数系統設けた構成とすることができる。
【0032】
上述するように、本実施形態では、各熱交換器7の出口側と他系統のポンプ9の吸込側とを接続するバイパス管路12を設けたことで、ポンプの運転だけでバックアップ系に冷水を通水させることができ、バックアップ系統の熱交換器7内の冷水の過冷却を防ぎ、バックアップ起動時の低温送水による電子機器2の結露を防止することができる。またバイパス管路12に定流量弁22を設けることで、バックアップ系統に通流させる冷水の流量を調整することができる。さらに、弁21、23を閉にすることにより、運転用、バックアップ用が遮断することができ、例えば、メンテナンス時に有効である。
【0033】
このように、本発明によれば、バイパス管路12を追加するだけで電子機器2の結露が防止することができる。従来技術では、センサが複数必要であり、またヒータを使用するなど、構成機器数が多いことから、信頼面で問題がある。本発明では定流量弁と配管のみであるため単純であり、従来技術に比べて信頼面では高く評価することができる。また従来技術は、ヒータを用いるためヒータ通電時、消費電力大きくなるが、本発明はヒータを用いないので、消費電力は少なく、経済的である。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、結露を抑制する構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の概略構成を示した図である。
【図2】定流量弁の構成を示した一部断面図である。
【図3】本発明を適用してなる一実施形態の冷却装置の変形例を示した図である。
【符号の説明】
1 膨張タンク
2 電子機器
3 冷却器
5A、5B 管路
7A、7B 熱交換器
9A、9B ポンプ
12A、12B バイパス管路
Claims (4)
- 冷水を貯留するタンクと、被冷却物が熱的に接続される冷却器と、前記タンク内の冷水を該冷却器に導く複数の給水経路とを備え、該複数の給水経路は、前記冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器とポンプとを有してなり、
前記複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して前記冷水を導き、該一部の給水経路に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える冷却装置であって、
前記各給水経路は、当該給水経路の冷却器側の端部と他の前記給水経路のタンク側の端部とを連結するバイパス経路を有することを特徴とする冷却装置。 - 冷水を貯留するタンクと、複数の被冷却物がそれぞれ熱的に接続される複数の冷却器と、前記タンク内の冷水を該複数の冷却器にそれぞれ導く複数の給水経路とを備え、該複数の給水経路は、前記冷水と冷媒とを熱交換させる熱交換器とポンプとを有してなり、
前記複数の給水経路のうちの一部の給水経路を介して前記冷水を導き、該一部の給水経路に異常が生じた場合、及び該一部の給水経路の冷却器に接続された被冷却物に異常が生じた場合は、残りの給水経路に切り替える冷却装置であって、
前記各給水経路は、当該給水経路の冷却器側の端部と他の前記給水経路のタンク側の端部とを連結するバイパス経路を有することを特徴とする冷却装置。 - 前記給水径路の切り替えは、前記各ポンプの運転・停止により行うことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
- 前記バイパス経路内の前記冷水の流量を制御する定流量弁を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
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