JP2007232228A - 冷却加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却負荷と加熱負荷の変動に調和した好適な運転を行なうことにより、エネルギーの消費量を削減することができる冷却加熱装置を提供する。
【解決手段】各温度検出手段の出力に基づき、蒸発器4又は蒸発器として機能している室外熱交換器6(補助熱交換器)における冷媒の過熱度が所定の値となるよう低圧側となる膨張弁(絞り手段)を制御すると共に、圧縮機2から吐出される冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる膨張弁(絞り手段)を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器における冷媒の吸熱により冷却対象を冷却し、放熱器における冷媒の放熱により加熱対象を加熱する冷却加熱装置に関するものである。
一般に、冷房や冷凍等のように、冷却対象を冷却する方法として蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いた冷凍装置が広く利用されている。この種の冷凍装置では、蒸発器における冷媒の蒸発作用により冷却対象を冷却し、凝縮器における冷媒の凝縮により発生する熱を大気等へ放出していた。
また、暖房や給湯等のように加熱対象を加熱する方法としても蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いたヒートポンプ装置が用いられている。この種のヒートポンプ装置では、凝縮器において冷媒が放熱して凝縮する際の放熱作用により加熱対象を加熱し、蒸発器における冷媒の蒸発により大気等の熱源から吸熱を行っていた。
上記のような冷凍装置では、冷却運転の際に、凝縮器において冷媒が放熱し、凝縮することにより発生する熱を大気中に放出していたため、エネルギーの有効的利用が図られていないばかりで無く、周囲温度の上昇をもたらすという問題があった。
一方で、上記のようなヒートポンプ装置では、ヒートポンプ運転中に蒸発器において冷媒が蒸発することによる吸熱作用は何ら有効に利用されることなく、単に大気から熱を汲み上げるのみであった。
そこで、冷却運転時においても冷凍サイクルの高圧側での放熱を有効に利用し、省エネルギーを図る冷却加熱装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。係る特許文献1に記載の冷却加熱装置は、複数の熱交換器に流れる冷媒の流路を切り換えることで、これらの熱交換器を選択的に利用するものであった。そして、蒸発器として機能する熱交換器における冷媒の蒸発作用により冷却対象を冷却し、放熱器として機能する熱交換器における冷媒の放熱により加熱対象を加熱することで、従来は利用されずに大気中に放出されていた冷却過程において発生する冷凍サイクルの高温側の熱を有効に利用することができ、エネルギーの消費量を削減することが期待できる。しかしながら、冷媒の流路の切り換えにより、運転中に冷凍サイクル内を循環する冷媒量が変動し、その結果冷凍サイクルの効率が低下するという問題が生じていた。
そこで、このような問題を解決するため、冷媒の熱交換を行っていない熱交換器内に余剰冷媒を貯留して、エネルギー効率を改善した冷却加熱装置も開発されている(例えば、特許文献2)。
特開2004−309093号公報 特開平9−250838号公報
しかしながら、このような冷却加熱装置では、停止している熱交換器への余剰冷媒の貯留は、冷媒流路の切換時にのみしか行うことができないので、運転中の負荷変動に対して、冷凍サイクルを循環する冷媒量を常に最適となるように制御することは困難であった。従って、係る冷却加熱装置を用いても、運転中の負荷の変動による性能の低下を解消することができなかった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷却負荷と加熱負荷の変動に調和した好適な運転を行うことにより、エネルギーの消費量を削減することができる冷却加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の冷却加熱装置は、圧縮機、放熱器、第1の絞り手段、第2の絞り手段及び蒸発器を順次接続して冷媒回路が構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルを備え、放熱器における冷媒の放熱作用を利用して加熱対象を加熱し、蒸発器における冷媒の吸熱作用を利用して冷却対象を冷却することが可能とされたものであって、一端が第3の絞り手段を介して第1及び第2の絞り手段の間の配管に接続されると共に、他端が圧縮機の吸込側配管及び吐出側配管に接続され、加熱対象及び冷却対象以外の熱源と熱交換を行う補助熱交換器と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流すか補助熱交換器に流すか、及び、補助熱交換器から圧縮機に冷媒を吸い込むか蒸発器から圧縮機に冷媒を吸い込むかを制御する流路制御手段と、冷媒回路の温度、及び/又は、圧力に基づいて第1乃至第3の絞り手段を制御することにより、放熱器、補助熱交換器及び蒸発器に流れる冷媒量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の冷却加熱装置は、上記において蒸発器、又は、蒸発器として機能している補助熱交換器における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、圧縮機に吸い込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度検出手段と、圧縮機から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度検出手段とを備え、制御手段は、各温度検出手段の出力に基づき、蒸発器又は蒸発器として機能している補助熱交換器における冷媒の過熱度が所定の値となるよう低圧側となる絞り手段を制御すると共に、圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる絞り手段を制御することを特徴とする。
請求項3の発明の冷却加熱装置は、請求項1の発明において蒸発器、又は、蒸発器として機能している補助熱交換器における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、圧縮機に吸い込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度検出手段と、冷媒回路の高圧側の圧力を検出する高圧圧力検出手段とを備え、制御手段は、各温度検出手段及び高圧圧力検出手段の出力に基づき、蒸発器又は蒸発器として機能している補助熱交換器における冷媒の過熱度が所定の値となるよう低圧側となる絞り手段を制御すると共に、冷媒回路の高圧側の圧力が所定の値となるように高圧側となる絞り手段を制御することを特徴とする。
請求項4の発明の冷却加熱装置は、上記各発明において冷媒回路は冷媒として二酸化炭素が封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする。
本発明によれば、蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器における冷媒の吸熱作用により冷却対象を冷却すると共に、放熱器における冷媒の放熱作用により加熱対象を加熱することができるので、従来は利用されずに大気中に放出されていた冷却過程において発生する冷凍サイクルの高温側の熱を有効に利用することができ、エネルギーの消費量を削減することができるようになる。
特に、流路制御手段により冷媒の流れを切り替えることにより、冷却対象の冷却のみを行う冷却運転と、加熱対象の加熱のみを行なう加熱運転、及び、冷却対象の冷却と加熱対象の加熱を同時に行なう冷却加熱同時運転の全てを実現することが可能となるので、冷却負荷、若しくは、加熱負荷のバランス変動に幅広く対応し、確実な冷却対象の冷却と加熱対象の加熱を行なうことが可能となる。
更にまた、本発明によれば、冷媒回路の温度や圧力に基づいて、流路切換手段及び第1乃至第3の絞り手段を制御することにより、冷媒回路内を循環する冷媒量を、運転モードの切換時のみならず、運転中常に負荷の状態に応じて最適に調整することができるので、冷凍サイクルの効率が向上し、エネルギー消費を削減することができる。
特に、冷媒回路に冷媒として二酸化炭素が封入され、高圧側が超臨界圧力となる冷却加熱装置に本発明を適用すれば、性能を著しく向上させることができるようになる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の実施例1における冷却加熱装置1の冷媒回路である。実施例の冷却加熱装置1は、圧縮機2と、冷媒の放熱作用により加熱対象を加熱する放熱器3と、冷媒の蒸発による吸熱作用で冷却対象を冷却する蒸発器4と、冷媒と外気(加熱対象及び冷却対象以外の熱源)との熱交換を行ない、冷媒の放熱、若しくは、吸熱を行うための補助熱交換器としての室外熱交換器6などから冷媒回路が構成された蒸気圧縮冷凍サイクルを備えている。
この場合、圧縮機2の吐出側配管7は切替弁SV1を介して放熱器3の冷媒入口側配管8に接続され、放熱器3の冷媒出口側配管9は第1の絞り手段としての膨張弁EV1に接続されている。この膨張弁EV1の出口に接続された冷媒配管10は第2の絞り手段としての膨張弁EV2に接続されている。そして、蒸発器4の冷媒入口側配管11がこの膨張弁EV2に接続され、蒸発器4の冷媒出口側配管12は切替弁SV2に接続され、更にこの切替弁SV2の出口側にアキュムレータ13が介設された圧縮機2の吸込側配管14が接続されて冷媒回路が構成されている。
前記室外熱交換器6は、例えば所謂チューブアンドフィン式の熱交換器であり、銅管と、該銅管に設けられた伝熱促進アルミフィンとから構成され、前記銅管の内部を冷媒の流路としている。また、前記銅管内を流れる冷媒と熱交換を行う空気(外気)を室外熱交換器6に通風するためのファン16とファンモータ17も設けられている。
ここで、室外熱交換器6の形式はこれに限定されるものではなく、例えば、アルミ押し出し多孔偏平管を用いて、前記偏平管に設けられた孔を冷媒の流路とすることもできる(所謂マイクロチャネル熱交換器)。
この室外熱交換器6の一端の冷媒配管18は、第3の絞り手段としての膨張弁EV3を介して前記膨張弁EV1及び膨張弁EV2の間の冷媒配管10に接続されており、室外熱交換器6の他端の冷媒配管19は分岐しており、一方の分岐配管19Aは切替弁SV3を介して圧縮機2の吐出側配管7に接続され、他方の分岐配管19Bは切替弁SV4を介して圧縮機2の吸込側配管14に接続されている。
圧縮機2の吐出側配管7には、圧縮機2で圧縮されて、当該圧縮機2から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサT1(吐出温度検出手段)が取り付けられている。また、蒸発器4の冷媒入口側配管11(若しくは、蒸発器4内の冷媒配管)には、冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度センサT2(蒸発温度検出手段)が取り付けられ、アキュムレータ13の入口側の吸込側配管14には、圧縮機2に吸い込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度センサT3(吸込温度検出手段)が取り付けられ、更に、室外熱交換器6と膨張弁EV3の間の冷媒配管18(若しくは、室外熱交換器6内の冷媒配管)には温度センサT4(温度検出手段)が取り付けられている。当該温度センサT4は、室外熱交換器6を蒸発器として機能させている場合には、冷媒の蒸発温度を検出するための蒸発温度検出手段となる。
ここで、この蒸気圧縮冷凍サイクルの冷媒回路には冷媒として二酸化炭素が封入されている。従って、放熱器3内部等の高圧側での冷媒圧力は臨界圧力を超える場合があるため、冷凍サイクルは遷臨界サイクルとなる場合がある。また、圧縮機2の潤滑油としては、例えば、鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキレングリコール)、POE(ポリオールエーテル)等が使用される。
また、本実施例の冷却加熱装置1は、放熱器3や補助熱交換器6及び蒸発器4に流れる冷媒量が制御装置C(制御手段)により制御されている。具体的には、当該制御装置Cが前記各温度センサT1乃至T4にて検出される冷媒回路内の各冷媒温度、若しくは、冷媒回路内の圧力、又は、冷媒回路内の温度と圧力等に基づいて、各膨張弁EV1乃至EV3を制御することにより、放熱器3や補助熱交換器6及び蒸発器4に流れる冷媒量が制御されている。尚、制御動作については、後述する動作説明で更に詳しく述べる。
次に実施例の冷却加熱装置1の動作について図1及び図2に基づき説明する。先ず、冷却負荷及び加熱負荷の状態に基づき運転モードが決定される。本実施例の冷却加熱装置1では、冷却対象の冷却のみを行う冷却運転と、加熱対象の加熱のみを行う加熱運転と、冷却対象の冷却と加熱対象の加熱を同時に行う冷却加熱同時運転とを選択的に行うことができる。各運転モードにおける各切換弁の開閉状態は図2に示す通りである。
(冷却運転)
この冷却運転で制御装置Cは、切替弁SV2、切替弁SV3及び膨張弁EV1を開き、切替弁SV1、切替弁SV4を閉じると共に、膨張弁EV2及び膨張弁EV3の開度を最適に調節する。これにより、圧縮機2、吐出側配管7、切替弁SV3、室外熱交換器6、膨張弁EV3、膨張弁EV2、蒸発器4、切替弁SV2、アキュムレータ13及び吸込側配管14を順次経て、圧縮機2へと戻る冷凍サイクルが構成される。
冷却運転を開始すると、圧縮機2により冷媒は圧縮され、高温高圧となり吐出側配管7に吐出される。その後、冷媒は室外熱交換器6に至り、空気(外気)に熱を放出して低温となる。尚、冷媒回路には冷媒として二酸化炭素が封入されており、外気温度が高い場合においては、室外熱交換器6内の冷媒圧力は臨界圧力以上となる。従って、この場合、室外熱交換器6内で冷媒の凝縮は起こらず、室外熱交換器6の入口から出口に向かって、冷媒の温度は外気への放熱とともに低下する。他方、外気温度が低い場合には、冷媒回路の高圧側の圧力は臨界圧力以下となる場合もあり、この場合は、室外熱交換器6内で冷媒は凝縮する。
そして、室外熱交換器6を出た低温高圧の冷媒は、膨張弁EV3で絞られ、中圧となり、膨張弁EV2で更に絞られ、膨張して低圧となり、蒸発器4に至る。ここでの冷媒の状態は、液冷媒と蒸気冷媒が混在する二相混合状態である。蒸発器4では液相冷媒が蒸発して蒸気冷媒となる。この冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により冷却対象が冷却される。冷却対象は、例えば、冷却や保冷を必要とする食品及び飲料、空気調和を行う場合の空気、又は、熱搬送や蓄熱を利用したシステムにおける水、ブライン、及び、氷等が考えられる。
その後、冷媒は蒸発器4から吸込側配管14を経て再び圧縮機2に吸い込まれる。以上の連続した冷凍サイクルの作用により、冷却対象が冷却される。
冷却運転中は、前記制御装置Cがアキュムレータ13の入口側に位置する吸込側配管14に取り付けられた吸込温度センサT3によって検出された吸込冷媒温度と、蒸発器4の冷媒入口側配管11、若しくは、蒸発器4内の冷媒配管に取り付けられた蒸発温度センサT2により検出された冷媒の蒸発温度との差、所謂過熱度が所定の値となるように低圧側となる膨張弁EV2の開度を制御する。即ち、制御装置Cは、高圧側の膨張弁EV3で一旦絞られて低圧(中圧)となった位置にある、即ち、高圧側の膨張弁EV3の下流側に位置する低圧側の膨張弁EV2の開度を蒸発器4における冷媒の過熱度が所定の値となるように制御する。具体的には、過熱度が所定の値より大きい場合は制御装置Cにより、膨張弁EV2の開度が拡大され、逆に、過熱度が所定の値より小さい場合は制御装置Cにより膨張弁EV2の開度が縮小される。これにより、蒸発器4内部の冷媒量を適切に調整でき、その結果蒸発器4での伝熱性能が向上し、高効率な冷却運転を行うことができる。
更に、制御装置Cは上記膨張弁EV2による蒸発器4の過熱度制御に並行して、冷媒回路の吐出側配管7に位置する吐出温度センサT1により検出された吐出冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる膨張弁EV3の開度を制御する。具体的には、吐出温度センサT1にて検出された圧縮機2から吐出される冷媒の温度が所定の値より大きい場合は制御装置Cにより膨張弁EV3の開度が拡大され、逆に、圧縮機2から吐出される冷媒温度が所定の値より低い場合は制御装置Cにより膨張弁EV3の開度が縮小される。これにより、冷媒回路の高圧側の冷媒量を最適に調節し、高圧側の圧力を好適な値に維持することができる。その結果、冷凍サイクルの効率が向上する。
冷却運転中、切替弁SV1は閉じられ、膨張弁EV1は全開とされているので、放熱器3は膨張弁EV2と膨張弁EV3の間の中圧部分に接続された余剰冷媒を貯留するための容積として機能する。上記のように膨張弁EV2による蒸発器4の過熱度制御と、膨張弁EV3による吐出温度制御は、同時に、且つ、冷却運転中継続的に行われるので、冷媒回路内を循環する冷媒量は常に最適に調節され、過剰となった冷媒は放熱器3内に貯留される。
(加熱運転)
加熱運転で制御装置Cは、切替弁SV1、切替弁SV4、及び、膨張弁EV2を開き、切替弁SV2及び切替弁SV3を閉じると共に、膨張弁EV1及び膨張弁EV3の開度を最適に調節する。これにより、圧縮機2、吐出側配管7、切替弁SV1、放熱器3、膨張弁EV1、膨張弁EV3、室外熱交換器6、切替弁SV4、アキュムレータ13、及び、吸込側配管14を順次経て圧縮機2へと戻る冷凍サイクルが構成される。
加熱運転を開始すると、圧縮機2により冷媒は圧縮されて高温高圧となり吐出側配管7に吐出される。この加熱運転では加熱対象を高温に加熱する必要があるので、通常この状態での冷媒は超臨界である。その後、冷媒は放熱器3に至り、ここで加熱対象に熱を放出し、冷媒自体は低温となる。通常ここでの冷媒の状態は臨界圧力以上の液相である。この放熱器3での冷媒の放熱作用で加熱対象が加熱される。加熱対象は、例えば、給湯負荷設備における水や、暖房装置における室内空気、若しくは、熱搬送のための熱媒等である。
尚、冷媒回路には冷媒として二酸化炭素が封入されており、放熱器3内の冷媒圧力は臨界圧力以上である場合が多い。従って、放熱器3内で冷媒の凝縮は起こらず、放熱器3の入口から出口に向かって冷媒の温度は加熱対象への放熱とともに低下する。他方、放熱器3において、加熱対象の温度は加熱対象の流路の入口から出口に向かって、冷媒からの吸熱とともに上昇する。よって、放熱器3における冷媒と加熱対象の流れの方向を対向させるように構成することにより、温度一定の下で凝縮放熱を行うHFC系冷媒に比べると、効率の高い熱交換が可能となり、且つ、高温の加熱が可能となる。
そして、放熱器3を出た低温高圧の冷媒は、膨張弁EV1、及び、膨張弁EV3で絞られ、膨張して低圧となり、室外熱交換器6に至る。ここでの冷媒の状態は、液冷媒と蒸気冷媒が混在する二相混合状態である。室外熱交換器6では液相冷媒が蒸発して蒸気冷媒となる。この冷媒の蒸発作用により、冷媒は外気から吸熱する。
その後、冷媒は室外熱交換器6から吸込側配管14を経て再び圧縮機2に吸い込まれる。以上の連続した冷凍サイクルの作用により、加熱対象が加熱される。
加熱運転中は、前記制御装置Cがアキュムレータ13の入口側の吸込側配管14に取り付けられた吸込温度センサT3によって検出された圧縮機2に吸い込まれる冷媒温度と、室外熱交換器6と膨張弁EV3の間の冷媒配管18、若しくは、室外熱交換器6内の冷媒配管に取り付けられた温度センサT4により検出された冷媒の温度(この場合は冷媒の蒸発温度)との差、所謂過熱度が所定の値となるように低圧側となる膨張弁EV3の開度を制御する。即ち、高圧側となる膨張弁EV1の下流側に位置する低圧側の膨張弁EV3の開度を室外熱交換器6における冷媒の過熱度が所定の値となるように制御する。具体的には、過熱度が所定の値より大きい場合は、制御装置Cにより膨張弁EV3の開度が拡大され、逆に、過熱度が所定の値より小さい場合は、制御装置Cにより、膨張弁EV3の開度が縮小される。これにより、蒸発器として機能する室外熱交換器6内部の冷媒量を最適に調節でき、その結果室外熱交換器6での伝熱性能が向上し、高効率な加熱運転を行うことができる。
更に、制御装置Cは上記膨張弁EV3による室外熱交換器6の過熱度制御に並行して、冷媒回路の吐出側配管7に取り付けられた吐出温度センサT1により検出された吐出冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる膨張弁EV1の開度を制御する。具体的には、吐出温度センサT1にて検出された圧縮機2から吐出される冷媒の温度が所定の値より大きい場合は、制御装置Cにより膨張弁EV1の開度が拡大され、逆に、吐出温度センサT1にて検出された圧縮機2から吐出される冷媒温度が所定の値より低い場合は、制御装置Cにより膨張弁EV1の開度が縮小される。これにより、冷媒回路の高圧側の冷媒量を最適に調整し、高圧側の圧力を好適な値に維持することができる。その結果、冷凍サイクルの効率が向上する。
また、加熱運転中、切替弁SV2は閉じられ、膨張弁EV2は全開とされているので、蒸発器4は膨張弁EV1と膨張弁EV3の間の中圧部分に接続された余剰冷媒を貯留するための容積として機能する。上記のように膨張弁EV3による室外熱交換器6の過熱度制御と、膨張弁EV1による吐出温度制御は、同時に、且つ、加熱運転継続中継続的に行われるので、冷媒回路内を循環する冷媒量は常に最適に調節され、過剰となった冷媒は蒸発器4内に貯留される。
尚、当該加熱運転中に冷却対象を保冷する必要がある等の理由により、蒸発器4内部に中圧の冷媒を入出させることが好ましくない場合は、膨張弁EV2を全開とせず、閉止状態とすることにより、蒸発器4を封止することもできる。この場合においても、前述の膨張弁EV3による室外熱交換器6の過熱度制御と、膨張弁EV1による吐出温度制御とを並行して行うことにより、低圧となる室外熱交換器6内部、高圧となる放熱器3内部、及び、中圧となる膨張弁EV1と膨張弁EV3を接続する冷媒配管内部(即ち、膨張弁EV1の出口側に接続された冷媒配管10乃至膨張弁EV3に至る冷媒配管18内部)の冷媒量を調節することができるので、冷凍サイクルの効率を向上させる効果が得られる。
但し、この場合は運転中に過剰冷媒を調節する中間圧力部容積として、蒸発器4を利用することができないので、蒸発器4を封止する際に、蒸発器4に封入する冷媒量を最適に調節しておくことが望ましい。上記蒸発器4封入の際の封入冷媒量の調節は、冷却運転停止時の膨張弁EV2及び切替弁SV2の操作によって行うことができる。即ち、冷却運転終了時に、膨張弁EV2の開度を大きく(過熱度を小さく)した後に、切替弁SV2を閉じ、次いで、膨張弁EV2を閉じることにより、蒸発器4に封入する冷媒量を多くでき、逆に、膨張弁EV2の開度を小さく(過熱度を大きく)した後に、膨張弁EV2を閉じ、次いで、切替弁SV2を閉じることにより、蒸発器4に封入する冷媒量を少なくできる。
(冷却加熱同時運転)
冷却加熱同時運転で制御装置Cは、切替弁SV1、切替弁SV2及び膨張弁EV3を開き、切替弁SV3及び切替弁SV4を閉じると共に、膨張弁EV1及び膨張弁EV2の開度を最適に調節する。これにより、圧縮機2、吐出側配管7、切替弁SV1、放熱器3、膨張弁EV1、膨張弁EV2、蒸発器4、切替弁SV2、アキュムレータ13及び吸込側配管14を順次経て圧縮機2へと戻る冷凍サイクルが構成される。
この冷却加熱同時運転を開始すると、圧縮機2により冷媒は圧縮されて高温高圧となり吐出側配管7に吐出される。冷却加熱同時運転では加熱対象を高温に加熱する必要があるので、通常この状態での冷媒は超臨界である。その後、冷媒は放熱器3に至り、ここで加熱対象に熱を放出して低温となる。通常ここでの冷媒の状態は臨界圧力以上の液相である。この放熱器3での冷媒の放熱作用で加熱対象が加熱される。加熱対象は、例えば、給湯負荷設備における水や、暖房装置における室内空気若しくは熱搬送のための熱媒等である。
尚、冷媒回路には冷媒として二酸化炭素が封入されており、放熱器3内の冷媒圧力は臨界圧力以上である場合が多い。従って、放熱器3内で冷媒の凝縮は起こらず、放熱器3の入口から出口に向かって、冷媒の温度は加熱対象への放熱とともに低下する。他方、放熱器3において、加熱対象の温度は加熱対象の流路の入口から出口に向かって、冷媒からの吸熱とともに上昇する。よって、前述同様放熱器3における冷媒と加熱対象の流れの方向を対向させる構成とすることにより、温度一定の下で凝縮放熱を行うHFC系冷媒に比べると、効率の高い熱交換が可能であり、且つ、高温の加熱が可能となる。
そして、放熱器3を出た低温高圧の冷媒は、膨張弁EV1で絞られた後、更に膨張弁EV2で絞られ、膨張して低圧となり、蒸発器4に至る。ここでの冷媒の状態は液冷媒と蒸気冷媒が混在する二相混合状態である。蒸発器4では液相冷媒が蒸発して蒸気冷媒となる。この冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により冷却対象が冷却される。冷却対象は、例えば、冷却や保冷を必要とする食品及び飲料、空気調和を行う場合の空気、又はM熱搬送や蓄熱を利用したシステムにおける水、ブライン、及び、氷等が考えられる。
その後、冷媒は蒸発器4から吸込側配管14を経て再び圧縮機2に吸い込まれる。以上の連続した冷凍サイクルの作用により、冷却対象が冷却されると同時に加熱対象か加熱される。
この冷却加熱同時運転中は、前記制御装置Cがアキュムレータ13の入口側に位置する吸込側配管14に取り付けられた吸込温度センサT3によって検出された吸込冷媒温度と、蒸発器4の冷媒入口側配管11、若しくは、蒸発器4内の冷媒配管に取り付けられた蒸発温度センサT2により検出された冷媒の蒸発温度との差、所謂過熱度が所定の値となるように低圧側となる膨張弁EV2の開度を制御する。即ち、高圧側となる膨張弁EV1の下流側に位置する低圧側の膨張弁EV2の開度を蒸発器4における冷媒の過熱度が所定の値となるように制御する。具体的には、過熱度が所定の値より大きい場合は制御装置Cにより、膨張弁EV2の開度が拡大され、逆に、過熱度が所定の値より小さい場合は制御装置Cにより膨張弁EV2の開度が縮小される。これにより、蒸発器4内部の冷媒量を適切に調整でき、その結果蒸発器4での伝熱性能が向上し、高効率な冷却運転を行うことができる。
更に、制御装置Cは上記膨張弁EV2による蒸発器4の過熱度制御に並行して、冷媒回路の吐出側配管7に位置する吐出温度センサT1により検出された吐出冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる膨張弁EV1の開度を制御する。具体的には、吐出温度センサT1で検出した冷媒温度が所定の値より大きい場合は、制御装置Cにより膨張弁EV1の開度が拡大され、逆に、吐出温度センサT1で検出した冷媒温度が所定の値より低い場合は、制御装置Cにより膨張弁EV1の開度が縮小される。これにより、冷媒回路の高圧側の冷媒量を最適に調節し、高圧側の圧力を好適な値に維持することができる。その結果、冷凍サイクルの効率が向上する。
また、冷却加熱同時運転中、切替弁SV3及び切替弁SV4は閉じられ、膨張弁EV3は全開とされているので、室外熱交換器6は、膨張弁EV1と膨張弁EV2の間の中圧部分に接続された余剰冷媒を貯留するための容積として機能する。上記のように膨張弁EV2による蒸発器4の過熱度制御と、膨張弁EV1による吐出温度制御は、同時に、且つ冷却加熱同時運転中継続的に行われるので、冷媒回路内を循環する冷媒量は常に最適に調節され、過剰となった冷媒は室外熱交換器6内部に貯留される。
以上説明の各運転モードにおいて、目標とする過熱度の所定の値とは、蒸発器4、若しくは、蒸発器として作用する室外熱交換器6内部の液冷媒量が、熱伝達の観点と圧縮機2の液戻りを防止する観点から最適な量となるように決定される。
また、目標とする吐出温度(圧縮機2から吐出される冷媒温度の所定の値)は、遷臨界サイクルでは冷媒回路の高圧側の圧力変化により、放熱器3出口の冷媒比エンタルピが大きく変化することを考慮して、加熱対象の温度、若しくは、外気温度、又は、放熱器3、若しくは、放熱器として作用する室外熱交換器6出口の冷媒温度と、圧縮機2の吸込冷媒の状態、圧縮機2の特性、及び、加熱対象の加熱目標温度等を基準に決定する。例えば、予め圧縮機2の特性等を十分検討した上で、加熱対象の温度と蒸発温度とを基準として目標吐出温度を求める相関式、若しくは、制御マップ等を設定しておき、運転中に検出した値に基づき、上記相関式等により目標吐出温度を計算することができる。
また、本実施例では、圧縮機2からの吐出温度を所定の値とするように、高圧側の膨張弁を操作するものとしたが、吐出温度に代えて、冷媒回路の高圧側の圧力を検出する高圧圧力検出手段(圧力センサ等)を設けて、当該高圧圧力検出手段により検出された高圧側の圧力に基づいて、各膨張弁を制御することも可能である。この場合においても、加熱対象の温度と蒸発温度等に基づき、冷凍サイクルが最適な効率となる目標圧力を求め、検出した圧力が当該目標圧力となるように、高圧側の膨張弁の開度を制御する。これにより、好適な運転状態を維持することができる。
また、各運転モードにおいて、運転中の圧縮機2の回転数は一定でも良いが、冷却負荷、加熱負荷、若しくは、外気条件に応じてインバータ等により周波数を調節してもよい。
以上のように、本実施例では冷媒回路の蒸発器4における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により冷却対象を冷却すると共に、放熱器2における冷媒の放熱作用により加熱対象を加熱することができるので、従来は利用されずに大気中に放出されていた冷却過程において発生する冷凍サイクルの高温側の熱を有効に利用することができ、エネルギーの消費量を削減することができる。
更に、各切替弁により冷媒回路を切り替えることにより、冷却対象の冷却のみを行う冷却運転、加熱対象の加熱のみを行なう加熱運転、又は、冷却対象の冷却と加熱対象の加熱を同時に行なう冷却加熱同時運転を行うことができるので、冷却負荷、若しくは、加熱負荷の変化に幅広く対応し、確実な冷却、及び、加熱を行なうことが可能となる。
更にまた、本実施例の冷却加熱装置1の制御装置Cは、運転中の冷媒回路内を循環する冷媒の量を、負荷の状態に応じて、常に最適に制御するので、運転モードの切り換え時のみならず、運転中常に最適に調整することができる。例えば、冷却対象の温度が冷却によって徐々に低下するような場合であっても、蒸発器4における好適な伝熱条件と、好適な高圧を維持できるので、冷凍サイクルの効率が向上し、エネルギー消費を削減することができる。
次に、図3を用いて本発明の冷却加熱装置1の他の実施例について説明する。この実施例は、冷却加熱装置1におけるユニット構成の一例を示している。本実施例の冷却加熱装置1は、多くの点において前述の実施例1と共通するので、実施例1の冷却加熱装置1と同一、若しくは、同様の作用、又は、効果を奏する構成については詳細な説明を省略する。
図3は、本実施例の冷却加熱装置1の回路構成を示している。本実施例の冷却加熱装置1は一つの冷却加熱ユニット24を構成しており、圧縮機2と、第1の絞り手段としての膨張弁EV1、第2の絞り手段としての膨張弁EV2、及び第3の絞り手段としての膨張弁EV3と、冷媒と加熱側熱媒(実施例では水)が流れる循環経路29の当該加熱側熱媒との間で熱交換を行う加熱側熱交換器26と、冷媒と熱源である外気との間で熱交換を行う室外熱交換器6と、循環経路29に設けられて加熱側熱交換器26に加熱側熱媒を給送する加熱側ポンプ手段としての循環ポンプ27と、加熱側熱媒の流量を調節する加熱側流量調整手段としての流量調整弁28と、加熱側熱交換器26にて冷媒と熱交換した後の加熱側熱媒の温度を検出する加熱側温度センサT5(加熱側温度検出手段)とを備えている。
加熱側熱交換器26は、実施例1における放熱器3に相当するものであり、冷媒の流路26Aと加熱側熱媒の流路26Bとが交熱的に、且つ、流れる方向が対向するように接合されている。例えば、対向流式の二重管式熱交換器、若しくは、銅管接合式の熱交換器等である。
冷却加熱ユニット24には、循環経路29の両側に加熱側配管接続口31、31(加熱側接続ポート)が設けられており、この加熱側配管接続口31、31に、加熱負荷設備23から加熱側熱媒を供給するための加熱側配管32(加熱側熱媒の循環経路)と、冷却加熱装置1で加熱後の熱媒を加熱負荷設備23へと給送するための加熱側配管33(加熱側熱媒の循環経路)が接続される。この実施例では、加熱負荷設備23として、貯湯タンク34を備えた給湯設備を接続している。従って、前述の加熱側熱媒は水である。
更に、冷却加熱ユニット24には、冷媒配管接続口38、38が設けられており、この冷媒配管接続口38、38に、膨張弁EV2によって絞り膨張された後の冷媒を冷却負荷設備22へ供給するための冷媒配管39と、冷却負荷設備22に設けられた蒸発器4において冷却対象と熱交換を行ない蒸発した冷媒を冷却加熱装置1に戻すための冷媒配管41とが接続される。これらはこの実施例の冷却加熱ユニット24には含まれないが、冷却加熱装置1の一部を構成するものである。
また、この実施例では冷却負荷設備22として、内部に冷却対象を貯え、冷却、及び、保冷を行う冷却容器42を接続している。冷却対象は、例えば、牛乳、若しくは、その他の飲料等である。本実施例で冷却対象は、搾乳された牛乳(原乳)であり、当該牛乳が図示しない搾乳機から配管を介して冷却容器42内に導入される。この冷却容器42には蒸発器4が熱交換関係に配設され、蒸発器4で蒸発する冷媒の吸熱作用で冷却容器42は冷却されることになる。
また、図3において、56はこの場合の冷却負荷設備22が備える冷却容器洗浄装置であり、洗剤や開閉弁71を介して市水が導入される洗浄用バッファタンク57と、洗浄用ポンプ58、排水弁59、循環切り替え弁61などから構成され、更に給湯設備の貯湯タンク34から冷却容器42を洗浄するための高温の湯(例えば、+80℃程の高温の湯)を、逆止弁62、開閉弁63、69が介設された高温湯供給配管64から冷却容器洗浄装置56の洗浄用バッファタンク57に供給できる構成とされている。
搾乳された牛乳は開閉弁66を介して図示しない搾乳機から冷却容器42に導入され、攪拌機67にて攪拌される。前述同様に蒸発器4にて蒸発する冷媒の吸熱作用により冷却された牛乳は、取出弁68(このとき循環切り替え弁61は閉)を開放することで取り出される。冷却容器42を洗浄する際には、洗浄用ポンプ58を運転し、循環用切り替え弁61を開いて洗浄用バッファタンク57内の温度の高い洗浄用水を冷却容器42に循環する。洗浄用水の排出は排水弁59を開いて行うことになる。
一方、この場合の加熱負荷設備(給湯設備)23の貯湯タンク34には上下複数箇所に貯湯タンク温度センサT8が取り付けられており、更に、貯湯タンク34の上部から高温の湯が逆止弁73を介して混合弁72に取り出され、下部からは低温の湯が逆止弁74を介して混合弁72に取り出される。混合弁72ではこれらの湯が混合され、逆止弁76を介して取り出されるものであるが、この場合の混合比は出湯温度センサT9が検出する温度に基づき、所望の出湯温度(低温から高温)となるように調整される。尚、79は貯湯タンク34の給水管であり、減圧弁79Bを介して貯湯タンク34の下部に接続されている。そして、当該給水管79から貯湯タンク34内の下部に湯の使用量に相当する水、例えば、市水が供給される。また、78は貯湯タンク34内の圧力を逃がす逃がし弁、77は貯湯タンク34の排水弁である。
本実施例の冷却加熱装置1の動作、即ち、冷媒回路の切り換え、各膨張弁の制御、冷媒の流れと吸熱作用及び蒸発作用等については、前述した実施例1と共通するので詳細な説明を省略し、加熱対象である加熱側熱媒の動作についてのみ説明する。
給湯(水の加熱)に伴う、加熱運転及び冷却加熱同時運転時は、循環ポンプ27を駆動する。これにより、加熱側熱媒である水は、貯湯タンク34の下部から取り出され、加熱側熱交換器26に送られる。加熱側熱交換器26において、冷媒からの放熱により昇温された水(湯)は貯湯タンク34の上部から貯湯タンク34内に戻される。
ここで、加熱側熱交換器26で熱交換後の水温を、加熱側温度センサT5により検出し、この検出された温度が所定の値になるように、流量調整弁28の開度が制御される。具体的には、検出された湯温が所定の値より低い場合には、流量調整弁28の開度が縮小され、逆に、検出された湯温が所定の値より高い場合には流量調整弁28の開度が拡大される。これにより、必要とされる温度の湯を貯湯タンク34に貯えることができる。
本実施例によれば、冷却対象である冷却容器42内の牛乳を冷却すると同時に、冷却過程で発生する冷凍サイクルの高温側の熱を有効に利用して湯を沸かし、且つ、二酸化炭素冷媒を用いた遷臨界サイクルを利用することにより、洗浄に適した高温出湯が可能となり、この湯を貯湯タンク34に貯えて、冷却容器42の洗浄に用いることができる。従って、従来、冷却容器42の洗浄用途のためにボイラー等で湯を沸かして供給していた場合に比べ、消費するエネルギーを大幅に削減することができる。また、冷凍サイクルの高温側から大気に放出する熱も削減できるので周囲温度の上昇も抑えることができる。
また、この実施例は実施例1と同様に室外熱交換器6を備えているので、冷却容器42内の牛乳の冷却時に発生する湯だけでは、冷却容器42の洗浄やその他の用途のために要求される給湯負荷を賄うことができない場合、大気を熱源とした給湯運転を行うことにより、不足分の湯を発生させることができる。これにより、追加給湯のための補助ボイラー等が不要となり、且つ、高効率なヒートポンプ給湯を行うため、エネルギー消費の更なる削減を図ることができるようになる。
他方、冷却対象である牛乳の量の変動や給湯負荷の変動等により、貯湯タンク34内の湯量が過剰となった場合であっても、室外熱交換器6を冷媒の放熱器として利用できるため、確実に冷却運転を行うことができ、冷却不良による冷却対象の品質劣化を防止できる。
更に、本実施例の冷却加熱装置1は、前記実施例1と同様に運転中の冷媒回路内を循環する冷媒の量を継続的に適切に制御できるので、冷凍サイクルの効率が向上し、エネルギー消費を削減することができる。
本発明は、牛乳やその他飲料等の冷却保冷装置とその洗浄のための給湯装置や、食品等の加工に関連する冷却加熱装置、自動販売機、空気調和機、その他冷却及び加熱が求められる他の産業分野においても利用が可能である。
本発明の実施例1の冷却加熱装置を示した冷媒回路図である。 図1の冷却加熱装置の運転モード別の切替弁の状態を示す図である。 本発明の実施例2の冷却加熱装置を示した回路構成図である。
符号の説明
1 冷却加熱装置
2 圧縮機
3 放熱器
4 蒸発器
6 室外熱交換器(補助熱交換器)
7 吐出側配管
14 吸込側配管
22 冷却負荷装置
23 加熱負荷装置
24 冷却加熱ユニット
26 加熱側熱交換器
27 循環ポンプ(加熱側ポンプ手段)
28 流量調整弁(加熱側流量調整手段)
31 加熱側配管接続口
32、33 加熱側配管(循環経路)
T1 吐出温度センサ(吐出温度検出手段)
T2 蒸発温度センサ(蒸発温度検出手段)
T3 吸込温度センサ(吸込温度検出手段)
T4 温度センサ
EV1、EV2、EV3 膨張弁(絞り手段)
SV1〜SV4 切替弁(流路制御手段)

Claims (4)

  1. 圧縮機、放熱器、第1の絞り手段、第2の絞り手段及び蒸発器を順次接続して冷媒回路が構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルを備え、前記放熱器における冷媒の放熱作用を利用して加熱対象を加熱し、前記蒸発器における冷媒の吸熱作用を利用して冷却対象を冷却することが可能とされた冷却加熱装置であって、
    一端が第3の絞り手段を介して前記第1及び第2の絞り手段の間の配管に接続されると共に、他端が前記圧縮機の吸込側配管及び吐出側配管に接続され、前記加熱対象及び冷却対象以外の熱源と熱交換を行う補助熱交換器と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流すか前記補助熱交換器に流すか、及び、前記補助熱交換器から前記圧縮機に冷媒を吸い込むか前記蒸発器から前記圧縮機に冷媒を吸い込むかを制御する流路制御手段と、
    前記冷媒回路の温度、及び/又は、圧力に基づいて前記第1乃至第3の絞り手段を制御することにより、前記放熱器、前記補助熱交換器及び前記蒸発器に流れる冷媒量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする冷却加熱装置。
  2. 前記蒸発器、又は、蒸発器として機能している前記補助熱交換器における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、
    前記圧縮機に吸い込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度検出手段と、
    前記圧縮機から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記各温度検出手段の出力に基づき、前記蒸発器又は蒸発器として機能している前記補助熱交換器における冷媒の過熱度が所定の値となるよう低圧側となる前記絞り手段を制御すると共に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定の値となるように高圧側となる前記絞り手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷却加熱装置。
  3. 前記蒸発器、又は、蒸発器として機能している前記補助熱交換器における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、
    前記圧縮機に吸い込まれる冷媒の温度を検出する吸込温度検出手段と、
    前記冷媒回路の高圧側の圧力を検出する高圧圧力検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記各温度検出手段及び高圧圧力検出手段の出力に基づき、前記蒸発器又は蒸発器として機能している前記補助熱交換器における冷媒の過熱度が所定の値となるよう低圧側となる前記絞り手段を制御すると共に、前記冷媒回路の高圧側の圧力が所定の値となるように高圧側となる前記絞り手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷却加熱装置。
  4. 前記冷媒回路は冷媒として二酸化炭素が封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の冷却加熱装置。
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