JP3710982B2 - ブラインショーケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、即ちブラインにて熱交換するブラインショーケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のショーケースとして、特開平10−274463号公報(F25D17/02)には、ブラインを用いて複数のショーケースの冷却を行うようにしたブラインを用いた冷却システムにおいて、ブラインチラーユニットと、このブラインチラーユニットから流出するブラインを流す1次往路と前記ブラインチラーユニットに流入するブラインを流す1次復路とを閉回路に構成した1次回路と、この1次回路中にブラインを循環させる1次ポンプと、前記各ショーケースに設けられ、前記1次往路からブラインを取り込んで熱交換器に流す2次往路と前記熱交換器からブラインを1次復路に戻す2次復路とを有する2次回路とを備えるブラインを用いた冷却システムが開示されている。
【0003】
そして、この冷却システムのブラインとしては、プロピレングリコールまたはエチレングリコールまたはエタノール等と水とを混合した不凍液を用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な従来技術では、不凍液を用いている関係上、ショーケースの冷却を行う場合、常にブラインチラーユニットにてブラインを冷却する必要がある。
【0005】
このため、外気温が高いときなど、ブラインチラーユニットが所望の冷却能力を発揮しにくい場合、ショーケースの冷却不足となる虞がある。
【0006】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、冷却能力不足を極力防止することを目的としたブラインショーケースを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明の請求項1では、液体を用いてショーケースの冷却を行うようにしたものであって、冷凍機にて冷却されて一部が固体化した液体を貯留するスラリーブライン槽と、このスラリーブライン槽内に貯留された液体をショーケースの熱交換器に循環供給する搬送ポンプと、前記スラリーブライン槽内の上部の液体を前記熱交換器に供給するブライン供給管と、スラリーブライン槽内に貯留された液体を冷凍機に循環供給する製氷用ポンプと、スラリーブライン槽の下部の液体を前記冷凍機に供給し、冷却された後にスラリーブライン槽の上部に戻すブライン冷却管とを備え、冷凍機は内側に液体を流すと共に、外側に冷媒を流す二重管を用いると共に、冷凍機の運転時に製氷用ポンプを停止し、冷凍機の停止時に製氷用ポンプを運転するものである。
【0008】
この様に冷凍機の運転時に製氷用ポンプを停止し、冷凍機の停止時に製氷用ポンプを運転することにより、液体を効率よく固体化させることができると共に、一部が固体化した液体を効率よくスラリーブライン槽に戻すことができる。
【0009】
請求項2の発明では、ブライン冷却管内において前記製氷用ポンプの上流側と下流側の圧力差が一定値以上となった場合に、冷凍機と製氷用ポンプを同時に停止するものである。
【0010】
この様にブライン冷却管内において製氷用ポンプの上流側と下流側の圧力差が一定値以上となった場合に、冷凍機と製氷用ポンプを同時に停止することにより、必要以上に液体が固体化してしまった場合に、所望する固体量に戻すことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の冷却回路、図2は二重管の断面図、図3は冷凍機と製氷用ポンプの動作図、図4は氷比率とポンプ能力の関係図である。
【0013】
図1に示す1は内部に液体(ブライン)、例えば水などを貯留するスラリーブライン槽であり、このスラリーブライン槽1内の液体は冷凍機2に設けられた図示しない圧縮機、凝縮器と共に冷凍サイクルを形成する冷却器としての二重管3により冷却されて一部が固体化する。つまり、液体の冷却サイクルは、製氷用ポンプ6によりスラリーブライン槽1の下部に形成された製氷用ブライン供給口4よりブライン冷却管5に吸入され、そこで冷却器としての二重管3に冷却されて一部が固体化した後に、上部に形成された製氷用ブライン吸入口7よりスラリーブライン槽1に戻される循環となっている。この冷却サイクルで冷却されて一部が固体化した液体は、搬送ポンプ11によりスラリーブライン槽1の上部に形成された冷却用ブライン供給口8よりブライン供給管9に吸入され、そこで、店舗などに複数台設置されるショーケースの熱交換器10,10,10・・・の周囲の空気を冷却した後に、下部に形成された冷却用ブライン吸入口13よりスラリーブライン槽1に戻される循環となっている。そしてこれらの熱交換器10,10,10・・・は基本的に並列に接続されるものである。尚、12はブライン供給管9内の液体の氷の比率を計測する氷比率計である。
【0014】
以上の構成にして、二重管3の構造、冷凍機2と製氷用ポンプ6の動作タイミング及び氷比率による搬送ポンプ11の制御について図2乃至図4を参照して説明する。
【0015】
二重管3は、円筒形状をなし、銅等の熱伝導性に優れた材料にて構成されており、中心部に円筒形状をしたブラインが供給されるブライン供給室20を形成すると共に、ブライン供給室20の周囲には内径壁21が形成され、二重管内径壁21と間隔を存して外側には外径壁22が形成され、内径壁21と外径壁22の間隔を一定に保つための補強壁23が形成され、内径壁21と外径壁22と補強壁23とにより囲まれた空間は、冷凍機2により冷却された冷媒が供給される冷媒供給室24が形成されている。
【0016】
ブライン冷却管5により二重管3に供給されたブラインは、内径壁21を通して冷媒供給室24に供給された冷媒により間接的に冷却される。この間接冷却によりブラインが冷却されて図2に示すように、内径壁21の内側には、つらら25が複数形成される。このつらら25がスラリーブライン槽1の上部に貯留されることになる。
【0017】
また、冷凍機2と製氷用ポンプ6の動作タイミングは、図3に示す如く、製氷用ポンプ6を止めて冷凍機2を運転させ、ブラインを冷却してつらら25を形成させ、ある一定量のつらら25が形成された時点で冷凍機2を停止すると共に、このつらら25をスラリーブライン槽1に供給するために製氷用ポンプ6を運転させる。そしてつらら25をスラリ−ブライン槽1に供給した後にまた、製氷用ポンプ6を停止し、冷凍機2を運転させてつらら25を形成させるといった循環を行う。ここで、ブライン冷却管5内において製氷用ポンプ6の上流側と下流側の圧力差を検知しており、つらら25が必要以上に大きくなった場合にこの圧力差が一定値以上となることがある。この場合に、つらら25を融解させるために冷凍機2と製氷用ポンプ6を同時に停止する。
【0018】
更に、搬送ポンプ11は、氷比率計12より計測された氷の比率を見て図4に示す如く搬送ポンプ11の能力を制御している。つまり、ブライン供給管9内の氷比率が高ければ、搬送ポンプ11の能力を落としても熱交換器10を十分に冷却でき、逆に氷比率が低ければ搬送ポンプ11の能力を上げて熱交換器10の冷却を十分に行うことになる。以上のようにしてブライン供給管9内の液体を熱交換する際に省エネを図ることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述した如く請求項1においては、冷凍機の運転時に製氷用ポンプを停止し、冷凍機の停止時に製氷用ポンプを運転することにより、液体を効率よく固体化させることができると共に、一部が固体化した液体を効率よくスラリーブライン槽に戻すことができる。
【0020】
請求項2の発明においては、ブライン冷却管内において製氷用ポンプの上流側と下流側の圧力差が一定値以上となった場合に、冷凍機と製氷用ポンプを同時に停止することにより、必要以上に液体が固体化してしまった場合に、所望する固体量に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷却回路である。
【図2】 二重管の断面図である。
【図3】 冷凍機と製氷用ポンプの動作図である。
【図4】 氷比率とポンプ能力の関係図である。
【符号の説明】
1 スラリーブライン槽
2 冷凍機
3 二重管
5 ブライン冷却管
6 製氷用ポンプ
9 ブライン供給管
10 熱交換器
11 搬送ポンプ
12 氷比率計

Claims (2)

  1. 液体を用いてショーケースの冷却を行うようにしたブラインショーケースにおいて、冷凍機にて冷却されて一部が固体化した液体を貯留するスラリーブライン槽と、このスラリーブライン槽内に貯留された液体をショーケースの熱交換器に循環供給する搬送ポンプと、前記スラリーブライン槽内の上部の液体を前記熱交換器に供給するブライン供給管と、スラリーブライン槽内に貯留された液体を冷凍機に循環供給する製氷用ポンプと、スラリーブライン槽の下部の液体を前記冷凍機に供給し、冷却された後にスラリーブライン槽の上部に戻すブライン冷却管とを備え、前記冷凍機は内側に液体を流すと共に、外側に冷媒を流す二重管を用いると共に、前記冷凍機の運転時に製氷用ポンプを停止し、冷凍機の停止時に製氷用ポンプを運転することを特徴とするブラインショーケース。
  2. 前記ブライン冷却管内において前記製氷用ポンプの上流側と下流側の圧力差が一定値以上となった場合に、冷凍機と製氷用ポンプを同時に停止することを特徴とする請求項1のブラインショーケース。
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