JP2007228658A - 回転電機および回転電機の固定子コイル固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子コイルと固定子鉄心スロット内壁間に生じる空隙を最小化して固定子コイルをスロット内に密着固定し、コイル導体に発生する熱を効率良く固定子鉄心側に伝達して固定子コイルの温度上昇を防止する。
【解決手段】固定子鉄心スロット2内に収納するスペーサ部材として、ゲル状の充填部10材が封入されスロット2開口部への楔6介挿時に充填部材10がスロット2内に流出するよう形成した袋状部材14にスペーサ基材9を収納しシールしたものを用いる。スペーサ部材8aをスロット2内に配設して、スロット2開口部に楔6を介挿して上下コイル1b,1aをスロット2内に固定する。
【選択図】図3
【解決手段】固定子鉄心スロット2内に収納するスペーサ部材として、ゲル状の充填部10材が封入されスロット2開口部への楔6介挿時に充填部材10がスロット2内に流出するよう形成した袋状部材14にスペーサ基材9を収納しシールしたものを用いる。スペーサ部材8aをスロット2内に配設して、スロット2開口部に楔6を介挿して上下コイル1b,1aをスロット2内に固定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、水車発電機、タービン発電機等の回転電機に係り、特に回転電機固定子鉄心のスロット内に固定子コイルを固定する技術に関する。
図6は従来の回転電機における固定子鉄心スロット内への固定子コイル固定後の構成を示す要部断面図である(特許文献1参照)。一般に、回転電機の固定子コイル1は、導体を流れる電流により電源周波数の2倍の周波数の電磁力が発生し振動する。この振動を抑制するため、固定子鉄心スロット2内に、コイル底スペーサ3及びコイル間スペーサ4を介して上コイル1aおよび下コイル1bから成る固定子コイル1が収納される。
さらに、上コイル1aの外側に楔下スペーサ5を配置し、その楔下スペーサ5の外側のスロット開口部に楔6を介挿して固定子鉄心スロット2内に固定子コイル1を支持固定している。そして、固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と固定子コイル1との間に半導電性の平板積層板または波形積層板7等を介挿して固定子コイル1を固定子鉄心スロット2の他方の側壁に押し付け、そのばね力と圧接面の摩擦力を利用して半径方向振動の抑制および固定子コイル1と固定子鉄心間でのスロット放電の発生を防止するようにしている。
特開平10−14183号公報
しかしながら、このような、固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と固定子コイル1との間に半導電性の平板積層板または波形積層板を介挿し、半径方向振動の抑制および部分放電の発生を防止する構造の固定子コイルの固定方法では、固定子コイル1とスロット2の内壁間に熱伝導性の悪い空気層が形成される。このため、スロット2内の熱放散が悪くなり、運転中のコイル温度により長期間にコイルの馴染みや楔、半導電性の平板積層板または波形積層板等の枯れ(劣化)が生じ、電磁振動の抑制効果が低下する。この結果、図示しない固定子コイル表面に形成された低抵抗コロナ防止層が摩耗消失し、固定子コイル1と固定子鉄心15間でスロット放電が発生して、固定子コイル1が損傷を受け絶縁特性の低下を招く恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、作業に長時間を要せず固定子コイルを固定子鉄心スロット内へ比較的容易に挿入でき、固定子コイルと固定子鉄心スロットの内壁間に生じる空隙を最小化して密着固定し、コイル導体に発生する熱を効率良く固定子鉄心側に伝達して固定子コイルの温度上昇を防止または抑制できる回転電機および回転電機の固定子コイル固定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る回転電機は、固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設され、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定してなる固定子を備えた回転電機において、前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、ゲル状の充填部材が封入され前記スロット楔の介挿時に前記充填部材がスロット内に流出するよう形成した袋状部材にスペーサ基材を収納しシールしたものを用いたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様の回転電機は、固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設され、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定してなる固定子を備えた回転電機において、前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、スペーサ基材の両面に、ゲル状の充填部材を配したものを用いたことを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機の固定子コイル固定方法は、固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設した後、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定する回転電機の固定子コイル固定方法において、前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、ゲル状の充填部材が封入され前記スロット楔の介挿時に前記充填部材がスロット内に流出するよう形成した袋状部材にスペーサ基材を収納しシールしたものを用いて、前記スロット内に配設し、前記スロット開口部にスロット楔を介挿して前記袋状部材から前記充填部材をスロット内に流出させて、前記スロット内壁と前記上下固定子コイルおよび前記各スペーサ部材間に介在する隙間を充填し、しかる後、前記充填部材をゲル化させて前記上下コイルを前記スロット内に固定すること、を特徴とする。
さらに、本発明の他の態様の回転電機の固定子コイル固定方法は、固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設した後、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定する回転電機の固定子コイル固定方法において、前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、スペーサ基材の両面に、高熱伝導性の粉末を配合したゲル化後に変形能と高張力を発生させるゲル状の充填部材を配したものを用いて前記スロット内に配設し、前記スロット開口部にスロット楔を介挿して、前記充填部材をスロット内に流出させて、前記スロット内壁と前記上下固定子コイルおよび前記各スペーサ部材間に介在する隙間を充填し、しかる後、前記充填部材をゲル化させて前記上下コイルを前記スロット内に固定すること、を特徴とする。
本発明においては、スロット楔の介挿時に充填部材がスロット内に流出して、固定子鉄心スロット内壁と上下固定子コイルおよび各スペーサ部材間に生じる隙間を充填するため、熱伝導性の悪い空気層の形成を最小化して固定子コイルを固定子鉄心スロット内に固定することができる。これにより、固定子コイルからの発熱を効率良く伝達し放熱することができる。さらに、固定子コイルの固定作業が容易で長時間を要しない。
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。固定子鉄心15に設けられた固定子鉄心スロット2の底部にスペーサ部材8aを配置し、固定子鉄心15の外径側であるスロット下部に固定子コイル1の下コイル1aを挿入する。その後、スペーサ部材8aのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と下コイル1aとの間に打ち込み固定する。
本発明の第1の実施形態について、図1から図3を参照して説明する。固定子鉄心15に設けられた固定子鉄心スロット2の底部にスペーサ部材8aを配置し、固定子鉄心15の外径側であるスロット下部に固定子コイル1の下コイル1aを挿入する。その後、スペーサ部材8aのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と下コイル1aとの間に打ち込み固定する。
次に、下コイル1aの上側にスペーサ部材8aを配置し、固定子鉄心15の内径側であるスロット上部に固定子コイル1の上コイル1bを挿入し、その後、スペーサ部材8aの平板積層板9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の前記と同側壁に打ち込み固定する。
さらに、図3に示すように、上コイル1bの上側にスペーサ部材8a、楔下スペーサ5の順に配置し、その後、固定子鉄心スロット2の開口部へ楔6を強固に打ち込み固定する。
ここで、スペーサ部材8aは、スペーサ基材9を、一方が閉じられた扁平な筒状袋12に挿入し、液状の充填部材10を注入した後に、ゲル化させて、筒状袋12の注入口をシールしたものである。また、スペーサ部材8aの固定子鉄心スロット2内壁と対向する両端部には、圧力により容易に破裂して、ゲル化後に変形能と高張力を生ずるゲル状の充填部材10が押し出されるための穴11を等間隔に複数個形成している。
スペーサ基材8aは、たとえば、耐熱性の高いエポキシ樹脂組成物を用いて含浸したガラス繊維織布を複数枚積層して成形したものであって、たとえば、新興化学工業製SL−E24Aである。また、筒状袋12は、たとえば、高分子フィルム(たとえば、東レ製収縮ルミラ−)からなる。また、液状の充填部材10は、たとえば、高熱伝導性のアルミナ無機粉末(たとえば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合したシリコーンゲル(たとえば、GE東芝シリコーン社製TSE3070)から成る。
この実施形態では、下コイル1aおよび上コイル1bの固定子鉄心スロット2内への挿入固定時および固定子鉄心スロット2の開口部への楔6の打ち込みの各工程で、スペーサ部材8aが押し付けられる際、上下コイル1a、1bと接する部分の充填部材10が押し出されて、固定子鉄心スロット2内壁と上下コイル1a、1bおよび各スペーサ基材9との間に生じる隙間に充填される。その結果、熱伝導性の悪い空気層の形成を最小化して密着固定ができるため、コイル導体に発生した熱を効率良く固定子鉄心へ伝達し放熱することができ、固定子コイルの温度上昇を防止または抑制できる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について、図1、図3および図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成部分については同一の符号を付して説明は省略する。
本発明の第2の実施形態について、図1、図3および図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成部分については同一の符号を付して説明は省略する。
固定子鉄心15の固定子鉄心スロット2の底部にスペーサ部材8bを配置し、固定子鉄心15の外径側であるスロット下部に固定子コイルの下コイル1aを挿入した後、スペーサ部材8bのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と下コイル1aとの間に打ち込み固定する。
次に、下コイル1aの上側にスペーサ部材8bを配置し、固定子鉄心15の内径側である上部に位置する上コイル1bを挿入し、その後、スペーサ部材8b中のスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内のと同側壁に打ち込み固定する。
さらに、図3に示すように、上コイル1aの上側にスペーサ部材8b、楔下スペーサ5の順に配置し、その後、固定子鉄心スロット2開口部へ楔6を強固に打ち込み固定する。
ここで、スペーサ部材8bは、図4に示すように、片面に高分子フィルム12が接着された無機繊維織布13を、高分子フィルム12面同士が合わさるように2枚を同形状に加工して、これらの高分子フィルム12の間に、スペーサ基材9を介挿する。高分子フィルム12の合わせ面周端部を、充填部材10の注入口を残して融着した扁平な筒状袋12に、スペーサ基材9を挿入し、液状の充填部材10を注入しゲル化させて筒状袋12の注入口を融着シールして形成している。
無機繊維織布13は、たとえば、日東紡績社製ガラス繊維織布WE26−104である。高分子フィルム12は、たとえば東レ製収縮ルミラーである。高分子フィルム12同士の融着は、充填部材10を注入した際に充填部材10が液漏れしない程度とする。スペーサ基材9は、耐熱性の高いエポキシ樹脂組成物を含浸したガラス繊維織布を複数枚積層して成形したものであって、たとえば、新興化学工業製SL−E24Aである。充填部材10は、高熱伝導性のアルミナ無機粉末(たとえば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合したシリコーンゲル(たとえば、GE東芝シリコーン社製TSE3070)から成る。
このように、下コイル1aおよび上コイル1bの固定子鉄心スロット2内への挿入固定時および固定子鉄心スロット2の開口部への楔6打ち込みの各工程で、スペーサ部材8bが押し付けられる際、上下コイル1a、1bと接する部分の固定子鉄心スロット2内壁と対向する融着部14が圧力により容易に剥離して充填部材10がスロット2内に押し出されて、固定子鉄心スロット2の内壁と上下コイル1a、1bおよび各スペーサ基材9間に生じる隙間が充填される。その結果、熱伝導性の悪い空気層の形成を最小化して密着固定ができるため、固定子コイル1に発生した熱を効率良く固定子鉄心15へ伝達し放熱することができ、固定子コイル1の温度上昇を防止または抑制できる。しかも、従来と同様の作業時間で容易に固定子コイル1を固定子鉄心スロット2内に挿入することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態について、図1、図2および図5を参照して説明する。なお、第1および第2の実施形態と同一または類似の構成部分については同一符号を付して説明は省略する。固定子鉄心15の固定子鉄心スロット2の底部にスペーサ部材8cを配置し、固定子鉄心15の外形側であるスロット下部に下コイル1aを挿入する。その後、スペーサ部材8cのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と下コイル1aとの間に打ち込み固定する。
本発明の第3の実施形態について、図1、図2および図5を参照して説明する。なお、第1および第2の実施形態と同一または類似の構成部分については同一符号を付して説明は省略する。固定子鉄心15の固定子鉄心スロット2の底部にスペーサ部材8cを配置し、固定子鉄心15の外形側であるスロット下部に下コイル1aを挿入する。その後、スペーサ部材8cのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内の一方の側壁と下コイル1aとの間に打ち込み固定する。
次に、下コイル1aの上側にスペーサ部材8cを配置し、固定子鉄心15の内径側であるスロット上部に上コイル1bを挿入し、その後、スペーサ部材8cのスペーサ基材9相当厚さまで押し付けた状態で半導電性平板積層板7を固定子鉄心スロット2内のと同側壁に打ち込み固定する。さらに、図3に示すように、上コイル1aの上側にスペーサ部材8c、楔下スペーサ5の順に配置した後、固定子鉄心スロット2開口部に楔6を強固に打ち込み固定する。
ここで、スペーサ部材8cは、図5に示すように、スペーサ基材9の両面に、ゲル状の充填部材10を貼り合わせて形成している。スペーサ基材9は、耐熱性の高いエポキシ樹脂組成物を用いて含浸したガラス繊維織布を複数枚積層して成形したもので、たとえば、新興化学工業製SL−E24Aである。ゲル状の充填部材10は、高熱伝導性のアルミナ無機粉末(たとえば、太平洋ランダム社製のLA2000またはLA4000アルミナ粉末)を配合したシリコーンゲル(たとえば、GE東芝シリコーン社製TSE3070)から成り、ゲル化後に変形能と高張力を生ずるものである。
なお、こうして形成したスペーサ部材8cはスペーサ基材9の両面が粘着性を有するため、直接固定子鉄心スロット2内の底部または上下コイル1a、1bの表面に貼り付けることができる。
このように、下コイル1aおよび上コイル1bの固定子鉄心スロット2内への挿入固定時および固定子鉄心スロット2開口部への楔6打ち込みの各工程で、スペーサ部材8cが押し付けられる際、上下コイル1a、1bと接する部分の充填部材10が押圧されて流動し、固定子鉄心スロット2内壁と上下コイル1a、1bおよび各スペーサ基材9間に生じる隙間に充填される。その結果、熱伝導性の悪い空気層の形成を最小化して密着固定ができるため、固定子コイル1に発生した熱を効率良く固定子鉄心15へ伝達し放熱することができ、固定子コイル1の温度上昇を防止または抑制できる。また、従来と同様の作業時間で容易に固定子コイル1を固定子鉄心スロット2内に挿入できる。
[他の実施形態]
以上説明した本発明の個々の実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、第1ないし第3の実施形態のスペーサ部材8a、8b、8cは、コイル底スペーサ3、コイル間スペーサ4、楔下スペーサ5のすべてに採用してもよいし、これらのうちの1箇所または2箇所に採用してもよい。さらに、第1ないし第3の実施形態のスペーサ部材8a、8b、8cを組み合わせてもよい。
以上説明した本発明の個々の実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、第1ないし第3の実施形態のスペーサ部材8a、8b、8cは、コイル底スペーサ3、コイル間スペーサ4、楔下スペーサ5のすべてに採用してもよいし、これらのうちの1箇所または2箇所に採用してもよい。さらに、第1ないし第3の実施形態のスペーサ部材8a、8b、8cを組み合わせてもよい。
1…固定子コイル、1a…下コイル、1b…上コイル、2…固定子鉄心スロット、3…コイル底スペーサ、4…コイル間スペーサ、5…楔下スペーサ、6…楔、7…半導電性平板積層板、8a、8b、8c…スペーサ部材、9…平板積層板、10…充填部材、11…穴、12…筒状袋、13…無機繊維材、14…融着部、15…固定子鉄心
Claims (12)
- 固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設され、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定してなる固定子を備えた回転電機において、
前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、ゲル状の充填部材が封入され前記スロット楔の介挿時に前記充填部材がスロット内に流出するよう形成した袋状部材にスペーサ基材を収納しシールしたものを用いたことを特徴とする回転電機。 - 前記袋状部材は、前記スロット内に配設され前記スロット楔挿入時に前記充填部材をスロット内に流出させる穴を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記穴は、前記袋状部材を前記スロット内に配設した時に、スロット内壁と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
- 前記袋状部材は、高分子フィルムから成ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機。
- 前記袋状部材は、片面に高分子フィルムが接着された無機繊維材から成る織布を、前記高分子フィルム面同士が向かい合うように重ね合わせ、前記織布の周縁部を少なくとも前記充填部材注入用の開口部を残して融着して形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機。
- 前記高分子フィルムとして、ポリエステルまたはポリエチレンからなるフィルムを用いたことを特徴とする請求項4または5に記載の回転電機。
- 固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設され、前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定してなる固定子を備えた回転電機において、
前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、スペーサ基材の両面に、ゲル状の充填部材を配したものを用いたことを特徴とする回転電機。 - 前記スペーサ基材は、高耐熱性のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂組成物のいずれかを含浸したガラス繊維織布を複数枚積層して成形した平板積層板であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の回転電機。
- 前記ゲル状の充填部材は、高熱伝導性の無機粉末が配合され、ゲル化後に変形能と高張力を発生させる液状のシリコーンゲルから成ることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の回転電機。
- 前記無機粉末として、アルミナまたはシリカからなる粉末を用いたことを特徴とする請求項9に記載の回転電機。
- 固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設した後、
前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定する回転電機の固定子コイル固定方法において、
前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、ゲル状の充填部材が封入され前記スロット楔の介挿時に前記充填部材がスロット内に流出するよう形成した袋状部材にスペーサ基材を収納しシールしたものを用いて、前記スロット内に配設し、
前記スロット開口部にスロット楔を介挿して前記袋状部材から前記充填部材をスロット内に流出させて、前記スロット内壁と前記上下固定子コイルおよび前記各スペーサ部材間に介在する隙間を充填し、
しかる後、前記充填部材をゲル化させて前記上下コイルを前記スロット内に固定すること、
を特徴とする回転電機の固定子コイル固定方法。 - 固定子鉄心に設けられたスロット内に、スロット底スペーサ部材、下コイル、上下コイル間スペーサ部材、上コイル、楔下スペーサ部材の順に配設した後、
前記楔下スペーサ部材の外側のスロット開口部にスロット楔を介挿して前記上下コイルを前記スロット内に固定する回転電機の固定子コイル固定方法において、
前記スロット底スペーサ部材、上下コイル間スペーサ部材、楔下スペーサ部材のうち少なくとも1つのスペーサ部材として、
スペーサ基材の両面に、高熱伝導性の粉末を配合したゲル化後に変形能と高張力を発生させるゲル状の充填部材を配したものを用いて前記スロット内に配設し、
前記スロット開口部にスロット楔を介挿して、前記充填部材をスロット内に流出させて、前記スロット内壁と前記上下固定子コイルおよび前記各スペーサ部材間に介在する隙間を充填し、
しかる後、前記充填部材をゲル化させて前記上下コイルを前記スロット内に固定すること、
を特徴とする回転電機の固定子コイル固定方法。
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