JP5718854B2 - 回転電機用膨張シート、回転電機用膨張シートを用いた回転電機用ステータおよび回転電機用ステータの製造方法 - Google Patents

回転電機用膨張シート、回転電機用膨張シートを用いた回転電機用ステータおよび回転電機用ステータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機用膨張シート、回転電機用膨張シートを用いた回転電機用ステータおよび回転電機用ステータの製造方法に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両は一般に、モータおよび発電機として機能し得る回転電機を備える。回転電機は一般に、固定子としてのステータと、ステータに対して所定のギャップを隔てて回転する回転子としてのロータとを備える。ステータは、ステータコアと、ステータコアに巻回された複数のコイル導体とを含む。
回転電機がモータとして機能するときには、二次電池や燃料電池などの電源からの直流電力を、必要に応じて昇圧コンバータを用いて所望の電圧に昇圧させて、インバータにより多相交流電力に変換した後にステータに巻きつけられたコイル導体に通電し、ロータを回転させる。一方、回転電機が発電機として機能するときには、ロータの回転によってステータに巻きつけられたコイル導体に電流が流れ、このとき得られた電力は回生電力として二次電池等に充電され、または補機等の電子機器に供給され、駆動電力として消費される。
回転電機用のステータにおけるステータコアにはスロットが形成され、このスロット内にコイル導体が収容される。その際に、スロット内周面とコイル導体との間には対地絶縁のための絶縁層を形成する必要がある。この絶縁層をスロット内に設ける方法の一例として、絶縁シートを用いる方法が挙げられる。
特許文献1には、回転電機の高圧コイルに関し、グラファイト紙の両面に導電性発泡体層を有したスロットライナで包囲するように巻装したコイル導体を、鉄心の溝に収納することが記載されている。
特許文献2には、圧縮機用電動機に関し、両面に厚みが異なる表層が形成された3層構造を有する絶縁紙を、薄い表層をコイル側、厚い表層を鉄心側となるように装着することが記載されている。
特許文献3には、圧縮機のモータ絶縁紙に関し、機械的な強度に優れた第1の絶縁紙素材と耐熱性に優れた第2の絶縁紙素材とを重ね合わせたスロット絶縁紙が記載されている。
特許文献4には、熱膨張率が異なる複数枚の材料を重ね合わせたバイメタルにより固定子コイルが支持された回転電機が記載されている。
特許文献5には、回転電機の固定子に関し、絶縁材層と、絶縁材層の両面にそれぞれ積層された固着材層とからなる三層構造を有する固着材シートにおいて、該固着材層を形成する樹脂に発泡性をもたせても良いことが記載されている。
特開昭59−117435号公報 実開平01−166780号公報 特開昭61−277347号公報 特開2002−262500号公報 特開2010−259316号公報
本発明は、スロット内に収容されたコイル導体とスロット内壁面との間に生じる空隙を消失または低減させることでスロット内のコイル導体の固定性を向上させる回転電機用膨張シート、回転電機用膨張シートを用いた回転電機用ステータおよび回転電機用ステータの製造方法を提供する。
本発明の他の目的は、膨張を適度に制限することでスロット内からの樹脂のはみ出しを防止または抑制させた回転電機用膨張シート、回転電機用膨張シートを用いた回転電機用ステータおよび回転電機用ステータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のコイル固定用絶縁樹脂シート、コイル固定用絶縁樹脂シートを用いたモータ用ステータおよびモータ用ステータの製造方法は以下の特徴を有する。
(1)コアに設けられたスロット内にコイル導体が収容されてなる回転電機において、前記スロット内において前記コアと前記コイル導体との間に配置され、加熱により膨張する、エポキシ樹脂を含むコア側膨張層と、エポキシ樹脂および膨張フィラーを含むコイル導体側膨張層とを有する膨張シートであって、コイル導体側膨張層が、コア側膨張層よりも熱膨張率が高い回転電機用膨張シート。
(2)上記(1)に記載の回転電機用膨張シートにおいて、前記コイル導体側膨張層は、シート中央部と、前記シート中央部の外側に設けられた、前記シート中央部よりも低い体積増加量で膨張するシート縁部とを有する回転電機用膨張シート。
(3)上記(1)に記載の回転電機用膨張シートにおいて、前記コイル導体側膨張層は、前記コア側膨張層よりも高い体積増加量で膨張するシート中央部と、前記シート中央部の外側に設けられた、加熱により体積増加しないシート縁部とを有する回転電機用膨張シート。
(4)スロットが設けられたステータコアと、スロット内に収容されたコイル導体と、前記ステータコアと前記コイル導体との間に配置された膨張シートと、を備え、前記膨張シートは、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の回転電機用膨張シートであって、前記ステータコアに対し前記コイル導体を固定させる、回転電機用ステータ。
(5)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の回転電機用膨張シートをステータコアのスロット内に挿入し、スロット内に挿入した前記膨張シートのステータコア側表面をスロットの内壁面と仮固着させ、前記スロット内にコイル導体を収容し、加熱して前記膨張シートを膨張および硬化させ、コイル導体の外周面と前記膨張シートのコイル導体側表面との間およびスロットの内壁面と前記膨張シートのステータコア側表面との間を固着させる、回転電機用ステータの製造方法。
(6)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の回転電機用膨張シートの縁部をレーザー処理して膨張を制限した後にステータコアのスロット内に挿入し、スロット内に挿入した前記膨張シートのステータコア側表面をスロットの内壁面と仮固着させ、前記スロット内にコイル導体を収容し、加熱して前記膨張シートを膨張および硬化させ、コイル導体の外周面と前記膨張シートのコイル導体側表面との間およびスロットの内壁面と前記膨張シートのステータコア側表面との間を固着させる、回転電機用ステータの製造方法。
本発明によれば、スロット内に収容されたコイル導体とスロット内壁面との間に生じる空隙が消失または減少し、スロット内のコイル導体の固定性が向上する。
回転電機のステータコアの一例を示す一部斜視図である。 スロット内に回転電機用ステータの一例を示す部分断面図である。 回転電機用ステータの一例を示す部分断面図である。 スロットの内壁面とコイル導体との間に形成される空隙について説明するための部分拡大図である。 本発明における回転電機用膨張シートの一例を示す部分断面図である。 図3に示す空隙に本発明における回転電機用膨張シートを適用した場合について説明するための部分拡大図である。 本発明における回転電機用膨張シートの他の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートの別の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートの別の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートの別の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートの別の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートの別の一例を示す部分断面図である。 本発明における回転電機用膨張シートのスロット装着形態の他の例を示す図である。 本発明における回転電機用ステータの製造方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。各図面において、同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略するか、簡略にとどめる場合がある。
[回転電機用膨張シート]
図1には、ステータコアの端面10Aから見たティースに、後述する回転電機用絶縁シートまたは回転電機用膨張シートおよびコイル導体が配置されていない状態の回転電機のステータコアの一例を示す一部斜視図が示されている。図1に示すように、ステータコア10には、径方向内側に突出するように形成されたティース12a,12b,・・・からなる複数のティース12と、隣り合うティース間に設けられた、スロット14a,14b,・・・からなる複数のスロット14とを有する。
図2Aは、回転電機用絶縁シート(以下「絶縁シート」と略す)およびコイル導体を装着させた回転電機用ステータ(以下「ステータ」と略す)の一例を示した部分断面図である。図2Aに例示するステータ120において、ステータコアのスロット14内にはそれぞれ、絶縁シート116が挿入されている。また、ティース12の外周には、コイル導体18が絶縁シート116を介して装着されている。
ここで、図2Aに示すコイル導体18として、略矩形状の断面形状を有するいわゆる角線または平角線と称される導電性材料を適用すると、図3に示すようにスロット14の内壁面14Aとコイル導体18との間に、その間隔が一様でない階段状の空隙22が生じる。このように、図2Aに示す絶縁シート116では、スロット14の内壁面とコイル導体18側とでその端面形状が大きく相違する空隙を適度に満たすことが困難となり、コイル導体18の適切な固定化が困難となる場合があり得た。そこで、図2Bに示すように、本発明の実施の形態における回転電機用膨張シート(以下「膨張シート」と略す)16を図2Aに示す絶縁シート116に代えて適用することにより、スロット14の内壁面とコイル導体18との間に生じた空隙を消失または低減させることができる。
図4は、本発明の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図4に示すように、膨張シート16aは、加熱により膨張する第1のエポキシ樹脂組成物32aを含むステータコア側膨張層30aと、ステータコア側膨張層30aよりも高い体積増加量で膨張する第2のエポキシ樹脂組成物42aを含むコイル導体側膨張層40aと、ステータコア側膨張層30aとコイル導体側膨張層40aとの間に配置された、絶縁性材料52を含む絶縁フィルム50とを有する。膨張シート16aは、ステータコア側膨張層30aの一面と絶縁フィルム50の一面、絶縁フィルム50の他面とコイル導体側膨張層40aの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
絶縁フィルム50は対地絶縁および剛性を担保する特性を有し、膨張シート16aの基材として挙動する。一方、ステータコア側膨張層30a、コイル導体側膨張層40aはいずれも、加熱により膨張するとともに、ステータコア10、コイル導体18にそれぞれ接合してコイル導体18を固定化させる接合用材料としても機能する。このとき、ステータコア側膨張層30aに比べ、高い体積増加量で膨張するエポキシ樹脂組成物を用いてコイル導体側膨張層40aを形成した膨張シート16aを適用すると、膨張シート16aの、特にコイル導体側膨張層40aが加熱により膨張することでスロット14の内壁面14Aとコイル導体18との間に形成された空隙の隅々にまで行き渡り、ステータコア10とステータコア側膨張層30a、コイル導体18(より詳細には、コイル導体18の外周表面を覆う図示しない被膜)とコイル導体側膨張層40aとがそれぞれ接合し、コイル導体18が適度に固定化される(図4、5参照)。
図6は、本発明の他の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図6に示すように、膨張シート16bは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物32bを含むステータコア側膨張層30bと、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物42bを含み、ステータコア側膨張層30bよりも厚いコイル導体側膨張層40bと、ステータコア側膨張層30bとコイル導体側膨張層40bとの間に配置された、絶縁フィルム50とを有する。膨張シート16bは、ステータコア側膨張層30bの一面と絶縁フィルム50の一面、絶縁フィルム50の他面とコイル導体側膨張層40bの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
図6において、膨張シート16bが加熱により膨張したときに、コイル導体側膨張層40bの方がステータコア側膨張層30bよりも体積増加量が大きいものであれば膨張シート16bに含まれるエポキシ樹脂組成物32b,42bはそれぞれ同じであっても良く、また異なっていても良い。特に、エポキシ樹脂組成物32b,42bが互いに同一の場合には、材料調達の面で有利である。膨張シート16bの加熱によりステータコアとステータコア側膨張層30b、コイル導体とコイル導体側膨張層40bとがそれぞれ接合する。このとき、コイル導体側膨張層40bがステータコア側膨張層30bよりも体積増加量が大きいことで膨張したコイル導体側膨張層40bがコイル導体側に形成された隙間の隅々にまで行き渡り、コイル導体が適度に固定化される。
図7は、本発明の別の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図7に示すように、膨張シート16cは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物32cを含むステータコア側膨張層30cと、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物42cを含み、ステータコア側膨張層30cよりも高い体積増加量で膨張するコイル導体側膨張層40cと、ステータコア側膨張層30cとコイル導体側膨張層40cとの間に配置された絶縁フィルム50と、ステータコア側膨張層30cの外側に配置された、接合材料37aを含むステータコア側接合層35aと、コイル導体側膨張層40cの外側に配置された、接合材料47aを含むコイル導体側接合層45aと、を有する。膨張シート16cは、ステータコア側接合層35aの一面とステータコア側膨張層30cの一面、ステータコア側膨張層30cの他面と絶縁フィルム50の一面、絶縁フィルム50の他面とコイル導体側膨張層40cの一面、コイル導体側膨張層40cの他面とコイル導体側接合層45aの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
図7において、膨張シート16cが加熱により、コイル導体側膨張層40cの方がステータコア側膨張層30cよりも高い体積増加量で膨張するものであれば膨張シート16bに含まれるエポキシ樹脂組成物32c,42cはそれぞれ同じであっても良く、また異なっていても良い。つまり、図4,6に例示するようなコイル導体側膨張層およびステータコア側膨張層の組み合わせをそれぞれ適用することができる。一方、ステータコア側接合層35a、コイル導体側接合層45aは、ステータコアおよびコイル導体に対し、それぞれ優れた接合性能を有し、かつ対応する各膨張層の膨張に追従してその形状を変化させうる適度な柔軟性を有する樹脂材料で構成されている。このとき、コイル導体側膨張層40cがステータコア側膨張層30cよりも高い体積増加量で膨張することで膨張したコイル導体側膨張層40cおよびコイル導体側接合層45aがコイル導体側に形成された隙間の隅々にまで行き渡り、コイル導体が適度に固定化される。
図8は、本発明のさらに別の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図8に示すように、膨張シート16dは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物32dを含むステータコア側膨張層30dと、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物42dを含み、ステータコア側膨張層30dよりも高い体積膨張率で膨張するコイル導体側膨張層40dと、を有する。膨張シート16dは、ステータコア側膨張層30dの一面とコイル導体側膨張層40dの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
図8において、膨張シート16dが加熱により、コイル導体側膨張層40dの方がステータコア側膨張層30dよりも高い体積増加量で膨張するものであれば膨張シート16dに含まれるエポキシ樹脂組成物32d,42dはそれぞれ同じであっても良く、また異なっていても良い。つまり、図4,6に例示するようなコイル導体側膨張層およびステータコア側膨張層の組み合わせをそれぞれ適用することができる。このとき、コイル導体側膨張層40dがステータコア側膨張層30dよりも高い体積増加量で膨張することで膨張したコイル導体側膨張層40dがコイル導体側に形成された隙間の隅々にまで行き渡り、コイル導体が適度に固定化される。なお、本実施形態では、図4,6,7に例示する膨張シート16a〜16cにおける絶縁フィルム50に相当する部材は有していない。このため、ステータコア側膨張層30dまたはコイル導体側膨張層40dの少なくとも一方に、適度な絶縁性を付与するための、例えばエポキシ樹脂組成物などの絶縁性材料を適用し、フェルト状のシート基材に含浸させる構成が好ましい。
図9は、本発明のさらに別の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図9に示すように、膨張シート16eは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物38eを含む。膨張シート16eは、加熱に伴う体積増加量が、ステータコア側端面66aからコイル導体側端面66bに向かって段階的に高くなるように構成されている。
図9において、膨張シート16eが加熱により膨張したときに、コイル導体側端面66b側の方がステータコア側端面66a側よりも体積増加量が大きいものであればエポキシ樹脂組成物38eに含まれる成分の種類は、膨張シート16eの厚み方向全体にわたり同じとしても良く、また段階的に異ならせても良い。このとき、コイル導体側端面66b側の方がステータコア側端面66a側よりも高い体積増加量で膨張することで、膨張シート16eがコイル導体側に形成された隙間の隅々にまで行き渡り、コイル導体が適度に固定化される。なお、本実施形態では、図8に示す膨張シート16dと同様に、適度な絶縁性を付与するための絶縁性材料を含有させることができる。
図10は、本発明のさらに別の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図10に示すように、膨張シート16fは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物32fを含むステータコア側膨張層30fと、エポキシ樹脂組成物42fを含み、ステータコア側膨張層30fよりも高い体積増加量で膨張するコイル導体側膨張層40fと、ステータコア側膨張層30fとコイル導体側膨張層40fとの間に配置された、絶縁性材料52を含む絶縁フィルム50とを有する。膨張シート16fは、ステータコア側膨張層30fの一面と絶縁フィルム50の一面、絶縁フィルム50の他面とコイル導体側膨張層40fの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
図10に示す膨張シート16fは、コイル導体側膨張層40fにおいて、その縁部402,406が、縁部402,406で挟まれた中央部404よりも体積増加量が低い点を除き、図4または6に示す膨張シート16a,16bと同様の構成を有している。ここで、「体積増加量が低い」とは、中央部404よりも低い体積増加量で膨張するエポキシ樹脂組成物を縁部402,406に適用するものである。本実施の形態の変形例として、縁部402,406に相当する箇所にコイル導体側膨張層40fを形成せず、絶縁フィルム50の少なくとも一部を露出させる構成としてもよい。本実施の形態によれば、スロットの内壁面に膨張シート16fを適用させた場合における、加熱による膨張に伴うコイル導体側への過度な樹脂のはみ出しを抑制し、所望する性能を有する回転電機を作製することができる。なお、本実施の形態では、スロットの内壁面に膨張シート16fを適用した場合において回転電機の径方向に配置される、膨張シート16fの2辺に相当するコイル導体側膨張層40fの縁部402,406の加熱による体積増加量を低減させる構成について説明したが、ステータコアの両端面側(図1参照)に配置される、膨張シート16fの2辺に相当するコイル導体側膨張層40fの縁部について加熱による体積増加量を低減させる構成とすることができ、また、その両方につき体積増加量を低減させる構成としてもよい。
図11は、本発明のさらに別の実施の形態における膨張シートの構成の概略を例示した断面図である。図11に示すように、膨張シート16gは、加熱により膨張するエポキシ樹脂組成物32gを含むステータコア側膨張層30gと、エポキシ樹脂組成物42gを含み、ステータコア側膨張層30gよりも高い体積増加量で膨張するコイル導体側膨張層40gと、ステータコア側膨張層30gとコイル導体側膨張層40gとの間に配置された、絶縁性材料52を含む絶縁フィルム50とを有する。膨張シート16gは、ステータコア側膨張層30gの一面と絶縁フィルム50の一面、絶縁フィルム50の他面とコイル導体側膨張層40gの一面が、それぞれ互いに接するように配置されている。
図11において、膨張シート16gは、その縁部412,416が、例えばレーザカットなどの熱処理を伴い切断されることにより中央部414よりもステータコア側膨張層30g、コイル導体側膨張層40gにおいてそれぞれ加熱による体積増加量が低減されている点を除き、図4,6に示す膨張シート16a,16bと同様の構成を有している。本実施の形態によれば、スロットの内壁面に膨張シート16gを適用させた場合における、加熱による膨張に伴うコイル導体側への過度な樹脂のはみ出しを抑制し、所望する性能を有する回転電機を作製することができる。
なお、本実施の形態の変形例として、ステータコアの両端面側に配置される、膨張シート16gの2辺に相当する縁部についてレーザカットなどの熱処理を施すことができ、また、その両方につきレーザカットなどの熱処理を施す構成としてもよい。また、膨張シート16の4辺を含む縁部のうち、その一部に図10に例示する体積増加量低減処理を施し、残りの縁部にレーザカットなどの熱処理を施す構成としてもよい。
次に、上述した樹脂シート16a〜16gの構成について、詳細に説明する。
本実施の形態のエポキシ樹脂組成物32a,32b,32c,32d,32f,32g,38e,42a,42b,42c,42d,42f,42gは一般に、エポキシ樹脂と膨張フィラーとを含む。膨張フィラーが、熱により膨張し、樹脂シートのステータコア側が体積増加することにより、スロットの内壁面とコイル導体との間を隙間無く固着させることができる。
本実施の形態の膨張フィラーは、無機系や有機系の化学膨張剤と、マイクロカプセル系の物理膨張剤との2つに大別される。無機系や有機系の化学膨張剤は、熱分解によりガス化して膨張するものである。そして、上記2種類の膨張剤は、様々な種類があり、また様々な製法により製造されるが、例えば、樹脂の硬化性や物性に与える影響、膨張の均一性等を考慮し、背反が少ない点から、マイクロカプセル系の物理膨張剤の一種である、熱膨張性マイクロカプセルが好適である。また、マイクロカプセル系の物理膨張剤の一種の熱膨張性マイクロカプセルは、液状の低沸点物質を、熱可塑性ポリマーからなるポリマーシェルで包み込んだマイクロカプセルであって、ポリマーシェルの軟化点近傍、或いは、それ以上の温度で気化し、熱膨張するものである。
本実施の形態の膨張フィラーは、例えば、熱可塑性ポリマーからなるポリマーシェル内に液状炭酸ガスが封入された熱膨張性マイクロカプセルが用いられ、この熱膨張性マイクロカプセルの5倍以上の体積膨張時には、比誘電率が1.4以下になることから、樹脂シートの低誘電率化を促進し、膨張シートの体積膨張により、スロットの内壁面とコイル導体との空隙を減少させることができる。
本実施の形態のステータコア側膨張層30a〜30d、30f、30gにおいて適用されるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ノボラック型、などが挙げられるが、これらに限定されない。一種または複数のエポキシ樹脂が、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤などと併用され、適用される。
本実施の形態のコイル導体側膨張層40a〜40d、40f、40gにおいて適用されるエポキシ樹脂としては、ステータコア側膨張層30a〜30d、30f、30gにおいて適用されるものと同様のエポキシ樹脂を適用することができる。このとき、ステータコア側膨張層とコイル導体側膨張層とで適用されるエポキシ樹脂の種類は同じであっても、異なっていてもよい。
本実施の形態の樹脂シート16eにおいて適用されるエポキシ樹脂としては、上述のステータコア側膨張層30a〜30d、30f、30g、コイル導体側膨張層40a〜40d、40f、40gにおいて適用される複数のエポキシ樹脂を適宜組み合わせて適用するおよび/または膨張フィラーの配合量を段階的に異ならせることにより作製することができる。
本実施の形態のステータコア側膨張層30a〜30d、30f、30gにおいて、膨張フィラーは、適用するエポキシ樹脂100質量部に対し、1から3質量部配合される。膨張フィラーの配合量が3質量部を超えると異物となるおそれがある。一方、膨張フィラーの配合量が1質量部未満の場合には、ステータコアと膨張シート間の隙間を埋めることができない。
本実施の形態のコイル導体側膨張層40a〜40d、40f、40gにおいて、膨張フィラーは、適用するエポキシ樹脂100質量部に対し、3から7質量部配合される。膨張フィラーの配合量が3質量部を超えると、異物となるおそれがある。一方、膨張フィラーの配合量が1質量部未満の場合には、ステータコアと膨張シート間の隙間を埋めることができない。
本実施の形態における膨張シート16a〜16gの厚みは、350μm以下であり、好ましくは300μmから340μmである。膨張シート16a〜16gの厚みが350μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、膨張シート16a〜16gの厚みが300μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるステータコア側膨張層30a,30b,30f,30gの厚みは、125μm以下であり、好ましくは100〜120μmである。ステータコア側膨張層30a,30b,30f,30gの厚みが125μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、ステータコア側膨張層30a,30b,30f,30gの厚みが100μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるステータコア側膨張層30cおよびステータコア側接合層35aの厚みの総和は、125μmであり、好ましくは100〜120μmである。ステータコア側膨張層30cおよびステータコア側接合層35aの厚みの総和が125μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、ステータコア側膨張層30cおよびステータコア側接合層35aの厚みの総和が100μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるステータコア側膨張層30dの厚みは、175μm以下であり、好ましくは150〜170μmである。ステータコア側膨張層30dの厚みが175μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、ステータコア側膨張層30dの厚みが150μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるコイル導体側膨張層40a,40b,40f,40gの厚みは、125μm以下であり、好ましくは100〜120μmである。コイル導体側膨張層40a,40b,40f,40gの厚みが125μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、コイル導体側膨張層40a,40b,40f,40gの厚みが100μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるコイル導体側膨張層40cおよびコイル導体側接合層45aの厚みの総和は、125μmであり、好ましくは100〜120μmである。コイル導体側膨張層40cの厚みが125μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、コイル導体側膨張層40cおよびコイル導体側接合層45aの厚みの総和が100μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態におけるコイル導体側膨張層40dの厚みは、175μm以下であり、好ましくは150〜170μmである。コイル導体側膨張層40dの厚みが175μmを超えると、スロット内のコイル導体の占積率が向上しない。一方、コイル導体側膨張層40dの厚みが150μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態における絶縁フィルム50を構成する絶縁性材料52として、例えば、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが用いられる。本実施の形態における絶縁フィルム50の厚みは、100μm以下であり、好ましくは50〜100μmである。絶縁フィルム50の厚みが100μmを超えると、膨張層の樹脂厚が減ってしまう場合がある。一方、絶縁フィルム50の厚みが50μm未満の場合には、電気絶縁性を満足できないことがある。
本実施の形態における樹脂シート16a,16f,16gにおいて、ステータコア側膨張層30a,30f,30gの加熱に伴う体積増加量は、好ましくは0〜100μmである。ステータコア側膨張層30a,30f,30gの体積増加量が100μmを超えると、異物となるおそれがある。一方、コイル導体側膨張層40a,40f,40gの加熱に伴う体積増加量は、それぞれ、対応するステータコア側膨張層30a,30f,30gの加熱に伴う体積増加量よりも高く、好ましくは590μm以上である。コイル導体側膨張層40a,40f,40gの体積増加量が590μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。ただし、上述したように、縁部402,406,412,416についてはこの限りでない。
本実施の形態における樹脂シート16bにおいて、ステータコア側膨張層30bの加熱に伴う体積増加量は、好ましくは0〜100μmである。ステータコア側膨張層30bの体積増加量が100μmを超えると、異物となるおそれがある。一方、コイル導体側膨張層40bの加熱に伴う体積増加量は、ステータコア側膨張層30bの加熱に伴う体積増加量よりも高く、好ましくは590μm以上である。コイル導体側膨張層40bの体積増加量が590μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態における樹脂シート16cにおいて、ステータコア側膨張層30cの加熱に伴う体積増加量は、好ましくは0〜100μmである。ステータコア側膨張層30cの体積増加量が100μmを超えると、異物となるおそれがある。一方、コイル導体側膨張層40cの加熱に伴う体積増加量は、ステータコア側膨張層30cの加熱に伴う体積増加量よりも高く、好ましくは590μm以上である。コイル導体側膨張層40cの体積増加量が590μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態における樹脂シート16dにおいて、ステータコア側膨張層30dの加熱に伴う体積増加量は、好ましくは0〜100μmである。ステータコア側膨張層30dの体積増加量が100μmを超えると、異物となるおそれがある。一方、コイル導体側膨張層40dの加熱に伴う体積増加量は、ステータコア側膨張層30dの加熱に伴う体積増加量よりも高く、好ましくは590μm以上である。コイル導体側膨張層40dの体積増加量が590μm未満の場合には、隙間を埋めることができず、十分な接着力が発生しないことがある。
本実施の形態における樹脂シート16eにおいて、コイル導体側端面66b側の加熱に伴う体積増加量は、ステータコア側端面66a側の加熱に伴う体積増加量よりも高くなるように段階的に調整される。このとき、ステータコア側端面66a側の加熱に伴う体積増加量がステータコア側膨張層30a,30b,30c,30d,30f,30gの加熱に伴う体積増加量のいずれかの範囲に対応するように、コイル導体側端面66b側の加熱に伴う体積増加量が40a,40b,40c,40d,40f,40gのいずれかの範囲に対応するように作製される。
膨張シート16a〜16gの製造方法としては、公知のあらゆる方法を適用することができる。例えば、図4に示す膨張シート16aの場合、ステータコア側膨張層30a、絶縁フィルム50、コイル導体側膨張層40aをそれぞれ個別に作製し、適当な接着剤などにより接着または接合させる構成とすることができる。また、他の実施の形態として、絶縁フィルム50の一方面に、エポキシ樹脂および膨張フィラーを含むエポキシ樹脂組成物32aを塗布または含浸させる一方、絶縁フィルム50の他方面に、エポキシ樹脂および膨張フィラーを含むエポキシ樹脂組成物42aを塗布または含浸させ、必要に応じて乾燥させることにより膨張シート16aを作製してもよい。
なお、上記各実施の形態では、必要に応じて折り曲げ加工することによりスロットの内壁面の形状に合わせてスロット内に挿入することができる、いわゆるカフスなし形状を有する膨張シート16a〜16gについて説明したが、ステータコアのスロットへの固定を容易にする、図12に例示するようなカフス部70a,70bを設けた膨張シート16hを適用することができる。図12において、膨張シート16hとしては、カフス部70a,70bを設けたことを除き、上述した膨張シート16a〜16gと同様の構成を有する膨張シートを適用することができる。また、カフス部70a,70bについては、膨張性能は不要であるため、例えば図10に例示する膨張率低減処理を施す、または、熱処理により膨張低減加工を施す構成としてもよい。なお、図12に示す縁部422,426および中央部424は、図10に示す縁部402,406および中央部404、図11に示す縁部412,416および中央部414にそれぞれ対応している。
[回転電機用ステータ]
本実施の形態の回転電機用ステータは、図2B、図5に示すように、スロット14が設けられたステータコア10と、スロット14内に収容されたコイル導体18と、ステータコア10とコイル導体18との間に配置された膨張シート16と、を備え、膨張シート16は、上述した膨張シート16a〜16hのいずれか1つであって、ステータコア10に対しコイル導体18を適切に固定させる。
上記構成を有する本実施の形態のステータ20は、上記構成を有しない膨張シートまたは絶縁シートを適用した場合と比較して、スロット内に収容されたコイル導体とスロット内壁面との間に生じる空隙が消失または減少し、スロット内のコイル導体の固定性が向上する。
[回転電機用ステータの製造方法]
本実施の形態のモータ用ステータの製造方法の例を、図2Bおよび図13を用いて以下に説明する。
まず、上述した樹脂シート16a〜16hのいずれか1つからなる膨張シート16を、スロット14内に挿入する(S100)。このとき、膨張シート16のステータコア側表面がスロット14の内壁面に接するように、予め膨張シート16をスロット形状に折り曲げ成形しておいてもよい。
次に、スロット14内に挿入した膨張シート16のステータコア側表面をスロット14の内壁面と仮固着させる(S102)。仮固着の方法に特に制限はないが、例えば、膨張層が発泡せず、かつ、接着力が発生しない程度の温度(例えば、90℃以下)の熱を加えることにより膨張シートを軟化させ、該膨張シートをステータコアに仮固着させることができる。
次に、スロット14内にコイル導体18を収容する(S104)。コイル導体18の収容の方法は、いわゆる集中巻を構成する公知のいかなる方法によるものであっても良い。また、例えば平角線を適用する場合には、エッジワイズ巻きとすることもフラットワイズ巻きとすることもできる。
次に、膨張シート16を膨張および硬化させる(S106)。膨張シート16はスロット14の内壁面に仮固着されているため、スロット14の内壁面と膨張シート16のステータコア10側表面との間隔は狭い。このため、膨張シート16を加熱することにより容易にスロット14の内壁面と膨張シート16のステータコア10側表面との間を固着させることができる。一方、コイル導体18の外周面と膨張シート16のコイル導体18側表面との間隔は、スロット14の内壁面と膨張シート16のステータコア10側表面との間隔に比べて広い。このため、上述したような、コイル導体18側が、ステータコア10側よりも高い膨張率を有する膨張シート16a〜16hを適用することにより、スロット14の内壁面とコイル導体18との間に生じる空隙を消失または減少させることができ、スロット14内におけるコイル導体18の固定性を向上することができる。なお、本発明の実施の形態において、膨張シート16を膨張および硬化させるための好適な温度は、適用するエポキシ樹脂組成物の組成等により異なるが、例えば、150〜220℃程度とすることができる。膨張シートを膨張および硬化させるための温度が150℃未満の場合には、十分な硬化特性を確保することができない場合がある。
本発明は、コアに設けられたスロット内にコイル導体が収容されてなる回転電機の製造に関する用途であれば、ステータコアに限らず、例えば、ロータコアなど、いかなる用途にも有効である。
10 ステータコア、10A 端面、12 ティース、14 スロット、14A 内壁面、16,16a,16b,16c,16d,16e,16f,16g,16h 膨張シート、18 コイル導体、20,120 ステータ、22 空隙、30a,30b,30c,30d,30f,30g ステータコア側膨張層、32a,32b,32c,32d,32f,32g,38e,42a,42b,42c,42d,42f,42g エポキシ樹脂組成物、35a ステータコア側接合層、37a,47a 接合材料、40a,40b,40c,40d,40f,40g コイル導体側膨張層、45a コイル導体側接合層、50 絶縁フィルム、52 絶縁性材料、66a ステータコア側端面、66b コイル導体側端面、70a,70b カフス部、116 絶縁シート、402,406,412,416,422,426 縁部、404,414,424 中央部。

Claims (6)

  1. コアに設けられたスロット内にコイル導体が収容されてなる回転電機において、前記スロット内において前記コアと前記コイル導体との間に配置され、加熱により膨張する、エポキシ樹脂を含むコア側膨張層と、エポキシ樹脂および膨張フィラーを含むコイル導体側膨張層とを有する膨張シートであって、
    コイル導体側膨張層が、コア側膨張層よりも熱膨張率が高いことを特徴とする回転電機用膨張シート。
  2. 請求項1に記載の回転電機用膨張シートにおいて、
    前記コイル導体側膨張層は、シート中央部と、前記シート中央部の外側に設けられた、前記シート中央部よりも低い体積増加量で膨張するシート縁部とを有することを特徴とする回転電機用膨張シート。
  3. 請求項1に記載の回転電機用膨張シートにおいて、
    前記コイル導体側膨張層は、前記コア側膨張層よりも高い体積増加量で膨張するシート中央部と、前記シート中央部の外側に設けられた、加熱により体積増加しないシート縁部とを有することを特徴とする回転電機用膨張シート。
  4. スロットが設けられたステータコアと、
    スロット内に収容されたコイル導体と、
    前記ステータコアと前記コイル導体との間に配置された膨張シートと、
    を備え、
    前記膨張シートは、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用膨張シートであって、前記ステータコアに対し前記コイル導体を固定させることを特徴とする回転電機用ステータ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用膨張シートをステータコアのスロット内に挿入し、
    スロット内に挿入した前記膨張シートのステータコア側表面をスロットの内壁面と仮固着させ、
    前記スロット内にコイル導体を収容し、
    加熱して前記膨張シートを膨張および硬化させ、コイル導体の外周面と前記膨張シートのコイル導体側表面との間およびスロットの内壁面と前記膨張シートのステータコア側表面との間を固着させることを特徴とする回転電機用ステータの製造方法。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用膨張シートの縁部をレーザー処理して膨張を制限した後にステータコアのスロット内に挿入し、
    スロット内に挿入した前記膨張シートのステータコア側表面をスロットの内壁面と仮固着させ、
    前記スロット内にコイル導体を収容し、
    加熱して前記膨張シートを膨張および硬化させ、コイル導体の外周面と前記膨張シートのコイル導体側表面との間およびスロットの内壁面と前記膨張シートのステータコア側表面との間を固着させることを特徴とする回転電機用ステータの製造方法。
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