JP2009131083A - 回転電機および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータの軸長方向および周方向への相対変位を効果的に抑制することができる回転電機および燃料電池システムを提供する。
【解決手段】回転電機1は、作動室29をもつケース2と、ケース2の作動室29に設けられたステータ3と、ステータ3に巻回された巻線と、ケース2の作動室29に回転可能に設けられたロータ5と、ステータ3を覆う樹脂モールド部6とを備えている。ケース2は、ロータ5の軸長方向に沿った方向においてステータ3に係合する第1係合部8と、ロータ5の周方向に沿った方向において樹脂モールド部6と係合する第2係合部86とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明はモータや発電機などの回転電機、および、回転電機を有する燃料電池システムに関する。
従来、回転電機は、作動室をもつケースと、ケースの作動室に設けられたステータと、ステータに巻線が巻回されて形成された巻線部と、ケースの前記作動室に回転可能に設けられたロータと、ステータを覆う樹脂モールド部とを備えている。かかる回転電機によれば、ステータの巻線部を樹脂モールド部で被覆したステータ構造が知られている(特許文献1〜3)。このものによれば、樹脂モールド部によりステータの巻線の放熱性を高めることができる。
特開2005−223987号公報 特開2003−61294号公報 特開2003−61278号公報
上記した回転電機によれば、ステータの軸長方向および周方向への相対変位を簡単な構造で効果的に抑制することは、必ずしも充分ではなかった。本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、ステータの軸長方向および周方向への相対変位を簡単な構造で効果的に抑制することができる回転電機および燃料電池システムを提供することを課題とする。
様相1に係る回転電機は、作動室をもつケースと、ケースの作動室に設けられたステータと、ステータに巻線が巻回されて形成された巻線部と、ケースの作動室に回転可能に設けられたロータと、ステータを覆う樹脂モールド部とを具備しており、ケースは、ロータの軸長方向に沿った方向においてステータに係合する第1係合部と、ロータの周方向に沿った方向において樹脂モールド部と係合する第2係合部とを備えていることを特徴とする。
第1係合部は、ロータの軸長方向に沿った方向においてステータに係合する。これによりステータはケースにおいて位置決めされる。このため、ステータが、ロータの軸長方向に沿った方向において移動することが抑えられる。第2係合部は、ロータの周方向(ロータの回転方向)に沿った方向において樹脂モールド部と係合する。このためステータが、ロータの周方向に沿った方向において移動することが抑えられる。第1係合部は好ましくは凸部で形成されている。凸部はロータの周方向に沿って連続的にまたは断続的に1周していることが好ましい。第1係合部としては、ケースと一体成形されていてもよいし、別体のものをケースに取り付けて構成してもよい。樹脂モールド部は少なくともステータを覆うモールド部であり、巻線部も覆うことが好ましい。樹脂としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が例示されるが、熱硬化性樹脂が好ましい。
ケースの内面の合計表面積(ステータの外周壁面に対面する領域を除く)を100と相対表示すると、70以上を占める領域が樹脂モールド部で覆われていることが好ましい。この場合、樹脂モールド部からケースへの放熱性が高く設定される。ひいては回転電機の放熱性を高めることができる。回転電機としてはモータ、発電機が例示される。
様相2に係る回転電機によれば、上記した様相において、第1係合部はケースの内周壁面に径内方向に向けて突出するように設けられており、第2係合部は第1係合部に設けられていることを特徴とする。
第1係合部は、ケースの内周壁面に径内方向に向けて突出するように設けられているため、ロータの軸長方向に沿った方向においてステータに効果的に係合することができる。第2係合部は、ロータの周方向に沿った方向において樹脂モールド部と係合する。
様相3に係る回転電機によれば、上記した様相において、ステータは、ロータの回りを包囲するリング状または筒形状のステータ本体と、ステータ本体においてロータに向けて径内方向に突出すると共に巻線部が巻回される複数個のティース部と、隣設するティース部間に形成されていると共に巻線部が配置されるスロットル溝とを備えており、樹脂モールド部は各ティース部のうち少なくとも径内方向の先端部を被覆するティース先端モールド部を備えていることを特徴とする。各ティース部のうち少なくとも径内方向の先端部は、磁束の変化に基づく熱を発生させ易い。本様相によれば、樹脂モールド部のティース先端モールド部は、ティース部のうち少なくとも径内方向の先端部を覆う。このためティース部の径内方向の先端部の放熱性を高めることができる。
様相4に係る回転電機によれば、上記した様相において、ティース先端モールド部は、各ティース部のうち少なくとも径内方向の先端部のうちロータに対面する内面を被覆している内面被覆モールド部を備えていることを特徴とする。ティース部の少なくとも径内方向の先端部のうち、ロータに対面する内面は、磁束の変化に基づく熱を発生させ易い。この点について本様相によれば、樹脂モールド部のティース先端モールド部は、ティース部の径内方向の先端部のうちロータに対面する内面を被覆している。このためティース部の径内方向の先端部のうちロータに対面する内面からの放熱性を高めることができる。
様相5に係る回転電機によれば、上記した様相において、ケースは、冷媒が流れる冷媒室を有しており、樹脂モールド部は、ケースの壁部を介して冷媒室に対向する位置に形成されている対向モールド部を備えていることを特徴とする。本様相によれば、樹脂モールド部の対向モールド部は、ケースの壁部を介して冷媒室に対向する位置に形成されている。このため対向モールド部から冷媒室への放熱が期待される。
様相6に係る回転電機によれば、上記した様相において、樹脂モールド部は、樹脂基材と、樹脂基材に配合された伝熱フィラーとを含むことを特徴とする。本様相によれば、伝熱フィラーにより樹脂モールド部の放熱性を一層高めることができる。
様相7に係る燃料電池システムは、カソード流体が供給されるカソードとアノード流体が供給されるアノード流体とをもつ燃料電池と、カソード流体およびアノード流体のうちの一方を燃料電池に供給する流体供給装置とを具備する燃料電池システムにおいて、流体供給装置は、上記した様相に係る回転電機を備えていることを特徴とする。この場合には上記した様相と同様の作用効果が得られる。回転電機が回転駆動すれば、カソード流体およびアノード流体のうちの一方を燃料電池に供給することができる。
本発明によれば、第1係合部および第2係合部がケースに設けられているため、ステータの軸長方向および周方向への相対変位を簡単な構造で効果的に抑制することができる回転電機および燃料電池システムを提供することができる。
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に係る回転電機1は、モータとして使用されるものであり、ケース2と、ステータ3と、巻線部4と、軸芯P1をもつロータ5と、樹脂モールド部6とを有する。ロータ5の軸長方向はロータ5の軸芯P1が延びる方向を意味する。ロータ5およびステータ3は同軸的に配置されている。ロータ5の軸芯P1はステータ3の軸芯に相当する。ロータ5の軸長方向に沿った方向を矢印X方向とする。ロータ5の軸直角方向に沿った方向を矢印Y方向とする。ケース2は、互いに連結される第1ケース21と第2ケース24とで形成されており、作動室29を有する。ケース2の材質は金属または硬質樹脂が採用できる。金属としてはアルミニウム合金、鉄合金(ステンレス鋼等)が例示されるが、透磁率が低い非磁性材料(常磁性材料を含む)が例示される。
図1に示すように、第1ケース21は、円筒形状をなす第1筒部22と、第1筒部22の端面開口を覆う第1蓋部23とを有する。第2ケース24は、円筒形状をなす第2筒部25と、第2筒部25の端面開口を覆う第2蓋部26とを有する。第1筒部22および第2筒部25は、同軸的に配置されている。第1蓋部23および第2蓋部26は、作動室29を介して互いに対向する。
ケース2の第1筒部22と第2ケース24の第2筒部25との間には、冷媒室27がロータ5の軸芯P1(ステータ3の軸芯に相当)を1周するようにリング形状に形成されている。冷媒室27は、第1ケース21の第1筒部22の壁部を介してステータ3およびロータ5の径方向(矢印Y方向)において外周側に配置されている。冷却液(冷却水を含む)、冷却気体(冷却空気を含む)等の冷媒がポンプなどの図略の搬送源により冷媒室27に供給されて排出される。このため冷媒室27は高い冷却機能を果たす。
図1に示すように、第1ケース21の第1筒部22は、互いに背向する円筒形状をなす内周壁面と外周壁面とをもち、更に、外周壁面から径外方向に突出する複数の伝熱フィン28をもつ。伝熱フィン28は、冷媒室27の放熱面積を高めるべく冷媒室27に配置されており、ロータ5の軸芯P1まわりで周方向に沿って連続的にまたは断続的に突設されている。
図1に示すように、第2ケース24は、第2蓋部26の中央域に形成されたボス部24aを有する。ボス部24aは、作動室29に連通する中央孔24cを形成する。ボス部24aの中央孔24cには、軸芯P1が延びる方向において、第1軸受71および第2軸受72が直列に配置されている。第1軸受71は、外輪および内輪と、複数個の転動体とをもつ。第2軸受72も同様に外輪および内輪と、複数個の転動体とをもつ。
図1に示すように、第1ケース21の第1筒部22と第2ケース24の第2筒部25との間には、リング状のシール部73a,73cが配置されて、シールされている。そして、第1ケース21の挿入孔21mと第2ケース24の螺孔24mとを対面させた状態で、第1取付具74(螺子部材)を螺孔24mに締結する。これにより第1ケース21および第2ケース24はほぼ同軸的に連結され、ケース2が形成されている。
図1に示すように、固定子とも呼ばれるステータ3は、ケース2の第1ケース21の作動室29に固定されている。ステータ3は、透磁率が高い軟磁性材料で形成された複数の積層板30を、これの厚み方向、すなわち矢印X方向に沿って積層させることにより形成されている。
図6に示すように、ステータ3は、リング状または筒形状のステータ本体30と、ステータ本体30においてロータ5に向けて径内方向に突出する複数個のティース部32と、隣設するティース部32間に形成されている複数個のスロットル溝33とを備えている。ステータ本体31の外周壁面31pは、軸芯P1を中心とする円弧状をなす。図2において、W1は各ティース部32の中心線を示す。中心線W1は、軸芯P1から放射方向に沿って延設されている。
図2に示すように、ティース部32の中心線W1を包囲するように、各ティース部32には励磁用の巻線が巻回され、巻線部4が形成されている。巻線部4はスロットル溝33に配置されている。巻線は、導線と、導線を被覆する電気絶縁性をもつ被覆部とを備えている。なお図1に示すように、巻線部4は、矢印X方向においてステータ3から露出する巻線部分4aと巻線部分4cとを備えている。
図1に示すように、ロータ5は、シャフト部50と、シャフト部の一端部に同軸的に設けられたロータ本体51とを備えている。ロータ本体51は複数個の永久磁石を有する。ロータ5のロータ本体51は、ケース2の第1ケース21の作動室29においてステータ3に包囲されつつ、回転可能に設けられている。
図1に示すように、ロータ5のシャフト部50の長さ方向の他端部(ロータ本体51と反対側)には、羽根部53が取付具53xにより取り付けられている。シャフト部50は、第2ケース24のボス部24aに第1軸受71および第2軸受72を介して回転可能に設けられている。第1軸受71は羽根部53側に設けられており、第2軸受72はロータ本体51側に設けられている。羽根部53と第1軸受71との間にはリング状のシール部76が設けられている。シール部76は、第1軸受71および第2軸受72の潤滑剤等が羽根部53側に移動することを抑制する。なお、図1に示すように、ロータ5のシャフト部50は第1軸受71および第2軸受72により片持ち支持されている。従ってロータ5は、ロータ本体51の片側を支持する片持ち支持構造であり、ロータ本体51の両側を支持する両持ち支持構造ではない。
図3は、組付前の第1ケース21の断面を示す。図3に示すように、ケース2を構成する第1ケース21においては、第1係合部8が一体的に突起状に形成されている。第1係合部8は、ロータ5の軸長方向に沿った方向においてステータ3の端面に係合するためのものであり、従って、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面22iから径内方向(矢印D方向)に向けて突設されている。ここで、第1係合部8は、ロータ5の軸芯P1の回りを1周するように連続的にリブ突起状に設けられている。
図3に示すように、第1係合部8は、互いに逆向きとなる第1係合リング面81および第2係合リング面82と、第1係合リング面81の内端および第2係合リング面82の内端を繋ぐ内周係合面83とを備えている。
図3に示すように、第1係合リング面81および第2係合リング面82は、ロータ5の軸芯P1に対してほぼ軸直角方向(矢印Y方向)に沿ってリング状に延設されている。第1係合部8の第1係合リング面81は、ステータ3の端面3s(積層方向の端面)に当接して係合する。これにより樹脂が注入される前の状態で、ロータ5の軸長方向に沿った方向(矢印X方向)においてステータ3が位置決めされる。なお、図5に示すように、樹脂が注入される前の状態では、第1係合部8の内周係合面83と巻線部4との間には、隙間幅ΔWの対面隙間43がロータ5の軸芯P1の回りを1周するようにリング状に形成されている。
図4に示すように、第2係合部86は、リング形状をなす第1係合部8の内周係合面83を径外方向に円弧凹み状に窪ませることにより設けられている。従って第2係合部86は、第1係合部8と一体的に形成されている。
換言すると、第2係合部86は、第1係合部8の内周係合面83において露出されている。具体的には、第2係合部86は、第1係合部8の内周係合面83において径内方向に露出するように、且つ、ロータ5の軸芯P1の回りで周方向に間隔を隔てて第1係合部8において複数個設けられている。従って第2係合部86は、円弧凹形状をなす樹脂係合面87を有する。必要に応じて、樹脂係合面87に微小凹凸等(例えばローレット化工等)の凹凸を形成しても良い。このように樹脂係合面87は、真円または疑似真円に近い円弧M1で規定された凹形状をなすため、樹脂係合面87に作用する装填圧F1(図4参照)の均衡を図り易い。このため成形圧力でステータ3が矢印Y方向においてずれ変位することが抑制される。
なお、第2係合部86は第1係合部8を形成するときに一体成形して形成してもよい。あるいは、図4に示すように、円弧M1で規定される切削ドリル88をロータ5の軸長方向に沿った方向(図4の紙面の厚み方向)に沿って相対移動させることにより、切削ドリル88の一部を第1係合部8の内周係合面83にあてがって切削加工で第2係合部86を形成してもよい。なお、図4に示すように、複数個(偶数個)の第2係合部86は、ロータ5の軸芯P1を介して互いに対面するように設けられている。
図1および図5に示すように、ステータ3は、ロータ5の軸長方向(矢印X方向)と平行な方向において第1係合部8の第1係合リング面81により位置決めされている。このように第1係合部8の第1係合リング面81により位置決めされたステータ3を、樹脂モールド部6は包囲している。このようにして樹脂モールド部6は、ステータ3および巻線部4を包囲している。
樹脂モールド部6について更に説明を加える。即ち、図1に示すように、樹脂モールド部6は、第1ケース21の第1蓋部23の内面23iに密着しつつ対面するように巻線部4の一方の端面側(巻線部分4a側)に配置された第1端面モールド部61と、第2ケース24の第2蓋部26に隙間26kを介して対面するように巻線部4の他方の端面側(巻線部分4c側)に配置された第2端面モールド部62と、巻線部4のうち矢印X方向の一方側の内周部を被覆する第1内周モールド部63と、巻線部4のうち矢印X方向の他方側の内周部側を被覆する第2内周モールド部64とを備えている。樹脂モールド部6の内周壁面とロータ5の外周壁面との間には、ロータ5の回転を許容するエアギャップ55(図1参照)が形成されている。エアギャップ55は、ロータ5の軸芯P1の回りで1周するようにリング状に形成されている。
なお、本実施形態によれば、図1に示すように、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面および第1蓋部23の内面の合計表面積(ステータ3の外周壁面に対面する領域を除く)を第1ケース21の内面とし、これを100と相対表示するとき、100のうち90以上を占める領域、あるいは、95以上(または98以上,殊に100)を占める領域が樹脂モールド部6で覆われている。このため樹脂モールド部6から第1ケース21への放熱性が高く設定されている。
上記した樹脂モールド部6は、樹脂基材と、樹脂基材に配合された伝熱フィラーとで形成されている。樹脂基材としては熱硬化性樹脂が好ましい。ここでエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂が例示されるが、成形性、ステータ3および巻線部4の固定性、コスト等を考慮すると、エポキシ樹脂(例えば二液性熱硬化型エポキシ樹脂)を採用できる。伝熱フィラーにより樹脂モールド部6の放熱性を更に高めることができる。
伝熱フィラーとしては樹脂基材よりも熱伝導性が高いものが好ましい。更に高い電気絶縁性を有するものが好ましい。このような伝熱フィラーとして、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素等が例示される。伝熱フィラーとして、粉末粒子状、短繊維状等が例示される。伝熱フィラーの最大長は500マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下が好ましく、更には、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下が例示できる。なお、巻線間等の微小隙間に樹脂モールド部6を浸透させる場合には、伝熱フィラーのサイズの大きさは制限される。
伝熱フィラーの配合割合としては、要請される放熱性、使用する伝熱フィラー等によって相違するものの、樹脂モールド部6を100%とするとき、伝熱フィラーは5〜90質量%、30〜85質量%、または50〜85質量%にできる。更に70〜80質量%にできる。なお、樹脂モールド部6に要請される放熱性等に応じて、伝熱フィラーの下限値は10質量%、30質量%、40質量%が例示される。伝熱フィラーの上限値は95質量%、90質量%、80質量%が例示される。
次に製造過程について説明を加える。まず、図3に示すように、第1係合部8を第1筒部22の内周壁面22iに有する第1ケース21を用意する。この場合、図4に示すように、第1係合部8の内周係合面83に形成されている前記した第2係合部86は、径内方向に臨んでいる。次に、図5に示すように、巻線をティース部32に巻いて巻線部4を形成した状態のステータ3を、第1ケース21に対して軸芯P1に沿って相対的に移動させる。これによりステータ3を第1ケース21の作動室29に挿入して配置させる。
この場合、第1ケース21を固定した状態でステータ3を移動させてもよい。あるいは、ステータ3を固定した状態で第1ケース21を軸芯P1に沿って移動させてよい。ここで、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面とステータ3の外周壁面との間には、微小隙間39(図5参照)が存在している。このため、特に焼き嵌め、冷やし嵌め、圧入等といった工程は必要がなく、挿入操作が用意である。
ここで、焼き嵌めとは、第1ケース21を加熱して熱膨張により拡径させた状態で、第1ケース21とステータ3とを嵌合し、その後、第1ケース21を常温に戻すことにより縮径し、第1ケース21およびステータ3を一体的に取り付けることをいう。また、冷やし嵌めとは、ステータ3を冷やして熱収縮により縮径させた状態で、第1ケース21とステータ3とを嵌合し、その後、ステータ3を常温に戻すことにより拡径させ、拡径により第1ケース21およびステータ3を一体に取り付けることをいう。
上記したステータ3を挿入操作させる際に、必要に応じて、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面とステータ3の外周壁面との間に接着剤を塗布させることも好ましい。この場合、第1ケース21の第1筒部22とステータ3との連結性を更に高めることができる。なお、接着剤が放熱性を有する場合には、ステータ3および巻線部4で発生する熱を第1ケース21側に放熱させるのに有利となる。
上記した挿入操作により、図5に示すように、ステータ3の積層方向の端面3sを第1ケース21の第1係合部8の第1係合リング面81に当てて係合させる。これにより、ロータ5の軸長方向(矢印X方向)と平行な方向において、ステータ3の位置決めを行う。その後、図5に示すように、成形型90の凸型部91を第1ケース21の内部に挿入させる。この状態では、ステータ3の径内方向(矢印D方向)に延びるティース部32の先端部の内面と凸型部91の型面との間には、隙間92がリング状に形成されている(図5参照)。更に、第1係合部8と巻線部4との間には、対面隙間43がリング状に形成されている(図5参照)。このように対面隙間43が形成されているため、巻線部4を有するステータ3を第1係合部8に係合させるときにおいて、巻線部4を構成する巻線の被覆層と第1係合部8との機械的な擦れ損傷などが対面隙間43により抑えられる。故に、巻線の被覆層の保護性を高めることができる。
そして、伝熱フィラーを含む高い流動性をもつ液状をなす樹脂基材を成形型90の注入孔90cからキャビティに充填(例えば射出成形等)し、時間経過により樹脂基材を固化(硬化)させる。これによりステータ3および巻線部4を包囲する固体状の樹脂モールド部6が第1ケース21内に形成される(図7参照)。樹脂モールド部6は、第1係合部8の第2係合リング面82に対面して係合するモールド部6h(図8参照)を有する。このような本実施形態によれば、回転電機1の使用時において、矢印X方向および矢印Y方向にステータ3が移動することが抑制される。樹脂基材を注入の際には、第1ケース21内を減圧吸引または真空吸引することが好ましい。
上記した樹脂モールド部6は複数の第2係合部86に係合する。このため、ロータ5の周方向に沿った方向においてステータ3は回り止めされる。注入される樹脂基材は、固化(硬化)前の状態では、高い流動性をもつ。このため、樹脂基材が巻線間およびスロットル溝33内にも浸透して固化することができる。従って、樹脂モールド部6は、樹脂基材がスロットル溝33内で固化した溝モールド部65を有する(図2参照)。このため、樹脂モールド部6による巻線保持性を高めことができる。更に、流動性をもつ樹脂基材が巻線間およびスロットル溝33内にも浸透する。このため、回転電機1の使用時において発熱量(ジュール熱)が大きい巻線部4の熱を樹脂モールド部6の溝モールド部65を介して効率よく第1ケース21に放熱させることができる。
更に、第1ケース21の第1筒部21とステータ3との間の微小隙間39にも、流動性をもつ樹脂基材が浸透する。このため、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面とステータ3の外周壁面との結合がより強固となる、そればかりか、ステータ3および巻線部4の熱を第1ケース21に効率よく放熱させることができる。
ここで、図4に示すように、前記した第2係合部86は、仮想円の円弧M1を規定できる円弧凹状面である樹脂係合面87で形成されている。このため、第2係合部86が断面四角形状である場合に比較して、ステータ3の外周壁面と第2係合部86の樹脂係合面87とで形成される係合空間87c(ほぼ三日月状またはほぼ半月状の空間)に、樹脂基材が効率よく充填される。従ってボイド(樹脂未充填空孔)などの発生が抑制される。従って樹脂モールド部6は、当該係合空間87cを装填した複数の係合空間モールド部66(図2参照)を有する。
故に、樹脂基材と第1ケース21の第2係合部86との密着性および係合性が良好に確保される。更に第1係合部8と巻線部4との間の対面隙間43(図5参照)においても、流動性をもつ樹脂基材が装填されて固化され、対面隙間モールド部68(図7,図8参照)が形成されている。このため、第1係合部8と巻線部4の巻線部4とが直接接触することが抑制され、巻線部4の保護性を高めることができる。
上記した本実施形態によれば、樹脂モールド部6は、高い流動性をもつ樹脂基材が装填された後に固化して形成されている。このため、図1から理解できるように、樹脂モールド部6を構成する第1端面モールド部61,第2端面モールド部62,第1内周モールド部63,第2内周モールド部64,溝モールド部65(図2参照),係合空間モールド部66(図2参照),対面隙間モールド部68(図8参照)は、一体的に連接状態で形成されている。従って、樹脂モールド部6における放熱性が確保されている。
図1から理解できるように、本実施形態によれば、ステータ3および巻線部4の全体は、樹脂モールド部6および第1ケース21の第1筒部22で被覆されている。従って図7から理解できるように、ステータ3および巻線部4は外方に露出されておらず、樹脂モールド部6の内部に隠蔽状態に埋設されている。殊に、ステータ3および巻線部4の全部は外方に露出されておらず、樹脂モールド部6の内部に隠蔽状態に埋設されている。ステータ3等の耐食性の向上も図り得る。
ところで、回転電機1が使用される際には、励磁電流が巻線部4に通電される。これによりロータ5(ステータ3)の軸芯P1の回りを磁極が回転する回転磁界が形成される。この結果、ロータ本体51の永久磁石の磁極が吸引、反発されてロータ5がこれの軸芯P1の回りで回転する。よってロータ5のシャフト部50が回転し、更に羽根部53が回転して羽根部53が送風作用を果たす。なお、回転数としては適宜設定できるものの、2000rpm〜20万rpm、5000rpm〜10万rpmが例示される。
回転電機1が使用される際には、ケース2の冷媒室27には冷媒が供給され、回転電機1の過熱が抑制されている。冷媒室27に冷媒が流れないときには、ステータ3および巻線は100〜170℃、あるいは、それ以上になることがある。なお第1ケース21の第1蓋部23および樹脂モールド部6を貫通して作動室29に連通する連通孔29c(図1参照)が形成されている。例えば、連通孔29cは、樹脂モールド部6を形成した後で、且つ、第2ケース24と第1ケース21とを連結する前の段階において、ドリルによる切削、レーザビーム照射などで形成できる。更に別の工程で連通孔を形成しても良い。
なお、作動室29の空気は連通孔29cを介して外気に連通できる。このため回転電機1の使用の際に、作動室29の空気が過剰に熱膨張することが抑制される。仮に、熱膨張等で作動室29の内圧が過剰に高くなると、第1軸受71および第2軸受72の潤滑剤が羽根部53側に移行するおそれがある。羽根部53の回転によりガスが燃料電池等のガス使用装置に供給される場合、潤滑剤が燃料電池等のガス使用装置に供給されることは好ましくない。
以上説明したように本実施形態によれば、軸長方向のストッパ機能を果たす第1係合部8がケース2の第1ケース21に設けられていると共に、周方向のストッパ機能を果たす第2係合部86が第1ケース21に設けられている。このため、巻線部4を保持するステータ3をロータ5の軸長方向においても、ロータ5の周方向においても、ケース2の作動室29内に強固に保持することができる。
更に本実施形態によれば、図4に示すように、軸長方向(矢印X方向)のストッパ機能を果たす凸状の第1係合部8それ自体の内周係合面83に、周方向のストッパ機能を果たす凹み状の第2係合部86が形成されている。即ち、第1係合部8および第2係合部86は共通の突起において形成されており、係合構造の簡素化を図り得る。
更に、図2に示すように、樹脂モールド部6は、ステータ3の各ティース部32のうち径内方向の先端部を被覆するティース先端モールド部67を備えている。ここで、回転電機1が回転駆動するとき、各ティース部32の径内方向の先端部は、殊に、熱を発生させ易い。磁束が変化すると、それを妨げるように渦電流がティース部32に発生するためである。従って熱は、磁束の変化に起因する渦電流に基づく。ここで、図2に示すように、放熱性が高い樹脂モールド部6の一部をなすティース先端モールド部67は、ティース部32の径内方向の先端部を覆う。このためティース部32の径内方向の先端部の放熱性を更に高めることができる。この場合、各ティース部32の先端部の過熱が抑制される。
殊に、ティース先端モールド部67は内面被覆モールド部67m(図2参照)を備えている。内面被覆モールド部67mは、各ティース部32のうち径内方向の先端部のうちロータ5に対面する内面32iを厚み寸法tcで膜状に被覆している。この内面被覆モールド部67mは、ロータ5の周方向(回転方向)に沿って膜状に連続している(図2参照)と共に、ロータ5の軸芯P1と平行な方向に沿って軸長方向に沿って膜状に連続している(図1参照)。従って内面被覆モールド部67mは、大きな表出面積をもち、伝熱性および放熱性が向上している。
ここで、ティース部32の径内方向の先端部のうち、ロータ5に対面する内面は、殊に、熱を発生させ易い。この点について本実施形態によれば、前述したように、樹脂モールド部6の一部である内面被覆モールド部67mは、ティース部32の径内方向の先端部の内面32iを被覆している。このためティース部32の径内方向の先端部の内面32iからの放熱性を高めることができる。故に、ティース部32の径内方向の先端部における過熱を抑えるのに有利である。
なお、図7に示すように、内面被覆モールド部67mの厚みtcは、回転電機1の種類に応じて適宜設定されるものの、例えば0.1〜1.0ミリメートル、殊に0.2〜0.5ミリメートルに設定することができる。但しこれに限定されるものではない。この厚みtcは、第1内周モールド部63の厚みt1、第2内周モールド部64の厚みt2、第1端面モールド部61の厚みt3、第2端面モールド部62の厚みt4のいずれよりも薄く設定されている。このため、ティース部32の先端部の内面32iにおける放熱性を確保しつつ、内面32i付近における透磁率を過剰に低下させることが抑制される。よって回転電機1の回転性能が良好に維持される。なお、内面被覆モールド部67mは樹脂を基材とするため、万一、ロータ本体51が当たったとしても、衝撃が緩和され、永久磁石を有するロータ本体51の保護性を高めることができる。
更に本実施形態によれば、図7に示すように、樹脂モールド部6は、冷媒室27に対向する対向モールド部69を備えている。対向モールド部69は、ステータ3が配置されている領域以外の領域において、第1ケース21の第1筒部22の壁部を介して冷媒室27に対向する。このため対向モールド部69から冷媒室27への放熱性向上効果が期待される。従って、樹脂モールド部6の過熱が抑制されると共に、ステータ3および巻線部4で発生した熱を冷媒室27側に放熱させるのに一層有利となる。故に、回転電機1が長時間駆動するときであっても、ステータ3および巻線部4の過熱が良好に抑制される。
殊に、樹脂基材が固化(硬化)するときに膨張する材質である場合には、第1ケース21の第1筒部22の内周壁面と樹脂モールド部6との密着性を一層高めることができ、ケース2への放熱性を一層高めることができる。なお、対向モールド部69は、第1端面モールド部61および第2端面モールド部62等に一体的に連続している。これらの間における放熱性が良好に確保されている。
更に本実施形態によれば、図1に示すように、ロータ5のシャフト部50は片持ち支持構造とされているため、ロータ5のうちシャフト部50の反対側には、シャフト部50を回転支持する軸受を設けずともよい。このため、図1に示すように、第1ケース21の第1蓋部23の内面23iに対面するように、蓋対面モールド部6xを樹脂モールド部6と一体的に設けることができる。この蓋対面モールド部6xは、対向モールド部69および第1端面モールド部61等に一体的に連続している。このため、ステータ3および巻線部4の熱を、蓋対面モールド部6xおよび第1ケース21の第1蓋部23に放熱させる放熱性を更に高めることができる。
なお図1に示すように、第2ケース24の第2蓋部26の内面と樹脂モールド部6の軸端面62cとの間には、隙間26kが形成されている。これにより第1ケース21と第2ケース24とを締結させるとき、第2ケース24の第2蓋部26と樹脂モールド部6とが干渉することが抑制される。このため第1ケース21と第2ケース24とを第1取付具74により良好に取り付けることができる。
上記した特許文献3(特開2003−61278号公報)によれば、ステータの外周壁面と第1ケースの第1筒部の内周壁面との間には、厚肉の樹脂モールド部が設けられているため、回転電機の径方向のサイズが大きくなる。この点について本実施形態によれば、図1に示すように、ステータ3の外周壁面と第1ケース21の第1筒部22の内周壁面との間の微小隙間39には、樹脂基材が浸透可能であるものの、厚肉の樹脂モールド部分が設けられていない。このため、回転電機1の径方向のサイズの小型化に有利となる。更に、金属製のステータ3の外周壁面から金属製の第1ケース21の第1筒部22に速やかに放熱できるため、ステータ3および巻線部4の熱を第1ケース21に放熱させるのに有利となる。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図8を準用することができる。本実施形態によれば、樹脂モールド部6は樹脂基材で形成されており、伝熱フィラーを含まない。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。但し、本実施形態によれば、回転電機1はモータとして機能するものであり、ロータ5のシャフト部50には、羽根部ではなく、ギヤ等の動力伝達要素が同軸的に固定されている(図示せず)。
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。但し本実施形態によれば、ケース2には冷媒室27が設けられていない(図示せず)。
(実施形態5)
図9は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態によれば、図9に示すように、樹脂モールド部6の第1端面モールド部61は軸長方向(矢印X方向)の一方側に配置されており、第1ケース21の第1蓋部23の内面23iに熱伝達可能に直接接触している。
更に図9に示すように、樹脂モールド部6の第2端面モールド部62の軸端面62cは軸長方向(矢印X方向)の他方側に配置されており、第2ケース24の第2蓋部26の内面に熱伝達可能に直接接触している。これによりロータ5の軸長方向における樹脂モールド部6の放熱均衡化を図るのに有利となる。よってロータ5の軸長方向(矢印X方向)において、巻線部4の巻線部分4aの温度と巻線部分4cの温度との一層の均衡化を図るのに有利となる。よって巻線部4における熱ムラの低減に貢献できる。
(実施形態6)
図10は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態によれば、図10に示すように、樹脂モールド部6は、第1ケース21の第1蓋部23の内面23iには被覆されていない。内面23iは作動室29に露出している。
(実施形態7)
図11は燃料電池システムに適用した形態を示す。燃料電池システムは、カソード流体としてのカソードガス(例えば、空気等の酸素含有ガスまたは酸素ガス)が供給されるカソード101とアノード流体(例えば水素ガス、水素含有ガス、メタノール等の燃料)が供給されるアノード102とをもつ固体高分子形の燃料電池のスタック100と、カソードガスを燃料電池のスタック100のカソード101に供給するカソード往路201と、カソードオフガスを燃料電池のスタック100のカソード101から排出するカソード復路202と、アノード流体を燃料電池のスタック100のアノード102に供給するアノード往路204と、アノードオフ流体(燃料オフ流体)を燃料電池のスタック100のアノード102から排出するアノード復路205とを備えている。カソード101およびアノード102は、固体高分子形の電解質膜(例えば炭化フッ素系または炭化水素系等、具体的にはパーフルオロ酸系のイオン交換樹脂)を挟んでいる。
カソード往路201は第1開閉弁301をもつ。カソード復路202は第2開閉弁302をもつ。アノード往路204は第3開閉弁303をもつ。アノード復路205は第4開閉弁304をもつ。カソード往路201は第1開閉弁301の上流に流体供給装置をもつ。流体供給装置は上記した各実施形態に係る回転電機1を備えている。
燃料電池の発電時には、第1開閉弁301、第2開閉弁302、第3開閉弁303、第4開閉弁304が開放される。これによりスタック100にアノード流体およびカソード流体が供給され、スタック100が発電する。ここで、回転電機1のステータ3の巻線部4に励磁電流が流れると、回転磁界が発生し、回転磁界によりロータ5が回転駆動する。すると、羽根部53がロータ5の軸芯回りで回転駆動し、カソードガスが燃料電池のスタック100のカソード101に向けて供給される。
図11に示すように、燃料電池のスタック100には、スタック100を冷却させる冷却通路105が形成されている。スタック100の冷却通路105に連通する冷媒往路107および冷媒復路108が設けられている。冷媒往路107にはポンプ307および第5開閉弁305が設けられている。図11に示すように、冷媒復路108には第6開閉弁306が設けられている。冷媒復路108は回転電機1の冷媒室27に連通している。従って、燃料電池のスタック100を冷却した冷媒は冷媒復路108を介して回転電機1の冷媒室27に供給され、回転電機1の放熱性を高めることができる。このようにスタック100を冷却することにより暖められた冷媒(例えば冷却水等の冷却液,例えば温度40〜90℃)が回転電機1の冷媒室27に供給される。このため、回転電機1の冷媒室27における急冷が抑制される。ひいては、樹脂モールド部6に対する熱衝撃が緩和される。なお、燃料電池のスタック100を冷却する前の冷媒を回転電機1の冷媒室27に供給することにしても良い。
(その他)
上記した実施形態によれば、次の形態としても良い。
・冷媒室27は第1ケース21と第2ケース24との間に形成されているが、これに限らず、第1ケース21および第2ケース24のうちの少なくとも一方の肉厚の内部に、冷媒室27を形成するパイプを埋設することにしてもよい。
・冷媒が流れる冷媒室27が設けられていない回転電機でも良い。
・第2係合部86は第1係合部8それ自体に形成されているが、これに限らず、第2係合部86および第1係合部8を物理的に間隔を隔てて分離させても良い。・第1係合部8は軸芯P1の回りで1周するように連続的にリング状に形成されているが、これに限らず、第1係合部8は軸芯P1の回りで1周するように断続的にリング状に形成されていても良い。
・第1係合部8の第1係合リング面81は軸芯P1に対して軸直角方向に沿っているが、これに限らず、軸芯P1を仮想的な頂角の位置とする円錐台面状でも良い。
・第1係合部8は第1ケース21に一体的に形成されているが、第1ケース21と別体のものを螺子等の取付具または溶接等の接合手段で取り付けることにしても良い。
・第1係合部8は第1ケース21に一体的に形成されているが、第2ケース24に形成することにしても良い。
・第2係合部86の樹脂係合面87は円弧状面とされているが、角形状面でも良い。
・ロータ5はケース2に片持ち構造で支持されているが、ロータ5はケース2に両持ち構造で支持されていても良い。
・回転電機1はモータとして使用されているが、発電機として使用しても良い。・回転電機1は燃料電池システムに適用できるが、これに限らず、過給装置のターボファンとして利用しても良い。
・ロータ5のシャフト部50は水平方向に沿っているが、これに限らず、鉛直方向に沿っていても良い。または斜め方向に沿っていても良い。
・巻線部はステータ3の軸長方向に沿った巻線部分4aおよび巻線部分4cを有するが、巻線部分4aおよび巻線部分4cのうちの一方のみでも良い。
・ロータ5は第1軸受71および第2軸受72で支持されているが、これに限らず、第1軸受71および第2軸受72のうちの一方のみで支持されていても良い。・第1軸受71および第2軸受72は、ロータ5のシャフト部50を接触しつつ機械的に支持しているが、空気軸受などのような非接触型の軸受としても良い。
・第1ケース21および第2ケース24の双方は、同軸型の筒部を有するが、第1ケース21および第2ケース24のうちの一方のみが筒部を有しており、他方は蓋部として機能する形状でも良い。
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)作動室と第1係合部と第2係合部とをもつ筒形状をなすケースを用意する工程と、ステータをケースに対して相対的に移動させることによりケースの作動室に挿入すると共に、ステータを第1係合部に当てて作動室内においてステータを位置決めする工程と、樹脂基材を作動室に装填して固化させることにより、少なくともステータを覆うと共に第2係合部に係合する樹脂モールド部を形成する工程とを順に実施することを特徴とする回転電機のステータ組付方法。
(付記項2)作動室と作動室に対面する第1係合部および第2係合部とをもつ第1ケースを用意する工程と、巻線部を設けたステータを第1ケースに対して相対移動させることにより第1ケースの作動室内に挿入すると共に、ステータを第1係合部に当てて作動室内において位置決めする工程と、流動性をもつ樹脂基材を作動室に装填して固化させることにより、ステータおよび巻線部を覆うと共に第2係合部に係合する樹脂モールド部を形成する工程と、ロータが取り付けられた第2ケースと、樹脂モールド部が設けられた第1ケースとを取付具で連結する連結工程とを順に実施することを特徴とする回転電機の製造方法。
本発明はモータ、発電機などの回転電機に利用することができる。
実施形態1に係り、軸芯に沿った方向に切断した回転電機の断面図である。 実施形態1に係り、軸直角方向に沿って切断した回転電機の要部の断面図である。 実施形態1に係り、軸芯に沿った方向に切断した組付前の第1ケースの断面図である。 実施形態1に係り、軸直角方向に沿って切断した組付前の第1ケースの第1係合部付近の断面図である。 実施形態1に係り、製造過程を示し、樹脂基材を注入する前の状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、製造過程を示し、第1ケースの第1筒部にステータを嵌合した状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、製造過程を示し、第1ケースに配置したステータに樹脂モールド部を被覆した状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、製造過程を示し、第1ケースに配置したステータに樹脂モールド部を被覆した状態の主要部を示す断面図である。 実施形態5に係り、軸芯に沿った方向に切断した回転電機の断面図である。 実施形態6に係り、軸芯に沿った方向に切断した回転電機の断面図である。 実施形態7に係り、回転電機を燃料電池システムにおいてカソード流体搬送源として適用したシステム図である。
符号の説明
1は回転電機、2はケース、27は冷媒室、29は作動室、3はステータ、31はステータ本体、32はティース部、33はスロットル溝、4は巻線部、43は対面隙間、5はロータ、50はシャフト部、51はロータ本体、53は羽根部、6は樹脂モールド部、61は第1端面モールド部、62は第2端面モールド部、63は第1内周モールド部、64は第2内周モールド部、65は溝モールド部、66は係合空間モールド部、67はティース先端モールド部、67mは内面被覆モールド部、68は対面隙間モールド部、69は対向モールド部をを示す。

Claims (7)

  1. 作動室をもつケースと、前記ケースの前記作動室に設けられたステータと、前記ステータに巻線が巻回されて形成された巻線部と、前記ケースの前記作動室に回転可能に設けられたロータと、前記ステータを覆う樹脂モールド部とを具備しており、
    前記ケースは、前記ロータの軸長方向に沿った方向において前記ステータに係合する第1係合部と、前記ロータの周方向に沿った方向において前記樹脂モールド部と係合する第2係合部とを備えていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1において、前記第1係合部は前記ケースの内周壁面からに径内方向に向けて突出するように設けられており、前記第2係合部は前記第1係合部に設けられていることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2において、前記ステータは、前記ロータの回りを包囲するリング状または筒形状のステータ本体と、前記ステータ本体において前記ロータに向けて径内方向に突出すると共に前記巻線部が巻回される複数個のティース部と、隣設する前記ティース部間に形成されていると共に前記巻線部が配置されるスロットル溝とを備えており、
    前記樹脂モールド部は、各前記ティース部のうち少なくとも前記径内方向の先端部を被覆するティース先端モールド部を備えていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項3において、前記樹脂モールド部は、各前記ティース部のうち少なくとも前記径内方向の先端部のうち前記ロータに対面する内面を被覆している内面被覆モールド部を備えていることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、前記ケースは、冷媒が流れる冷媒室を有しており、前記樹脂モールド部は、前記ケースの壁部を介して前記冷媒室に対向する位置に形成されている対向モールド部を備えていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1〜5のうちの一項において、前記樹脂モールド部は、樹脂基材と、前記樹脂基材に配合された伝熱フィラーとを含むことを特徴とする回転電機。
  7. カソード流体が供給されるカソードとアノード流体が供給されるアノードとをもつ燃料電池と、前記カソード流体および前記アノード流体のうちの一方を前記燃料電池に供給する流体供給装置とを具備する燃料電池システムにおいて、
    前記流体供給装置は、請求項1〜6のうちの一項に係る回転電機を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
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