JP2005027456A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機のコイル端部の製造過程において、部品点数を減らすとともに、高い剛性を確保できるようにする。
【解決手段】鋼板を積層してなる固定子鉄心1の両端部より伸び出した上口固定子コイル2と下口固定子コイル3とそれらを電気的に結合しているシリース接続部8で形成されたコイル端部構造において、複数のレジンリング5を配し、レジンリング5とコイル2,3をレジンを含浸させたガラステープ4で縛り結合し、更にレジンリング5やガラステープ4の数を削減するため、シリース接続部8にミクスチャーを流し込み一体硬化させて、コイル端部全体の剛性を確保する。
【選択図】 図1
【解決手段】鋼板を積層してなる固定子鉄心1の両端部より伸び出した上口固定子コイル2と下口固定子コイル3とそれらを電気的に結合しているシリース接続部8で形成されたコイル端部構造において、複数のレジンリング5を配し、レジンリング5とコイル2,3をレジンを含浸させたガラステープ4で縛り結合し、更にレジンリング5やガラステープ4の数を削減するため、シリース接続部8にミクスチャーを流し込み一体硬化させて、コイル端部全体の剛性を確保する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
この発明は、回転電機の固定子コイル端部における支持構造に関するものであり、特に鋼板を積層してなる固定子鉄心の両端部より伸び出した上下固定子コイルで形成されているコイル端部を支持する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転電機における固定子コイル端部の支持構造においては、固定子鉄心に巻回された上口固定子コイル、及び下口固定子コイルによりコイル端部が形成されており、コイル端部支持部材及びガラス紐で上記固定子コイルとレジンリングを締結している。
又、シリース接続部によって、上口固定子コイルと下口固定子コイルとを電気的に結合している。
更に、固定子鉄心押え板及び回転電機固定子鉄心を固定しているフレームの内壁が配置され、絶縁詰物が周方向に隣接するコイルを固定し、レジン含浸マットがレジンリングと固定子コイル間の隙間を埋めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の回転電機固定子コイル端部の支持構造において、回転電機を稼動させると、上下固定子コイルを流れる電機子電流により発生する磁界、および回転子コイルを流れる界磁電流により発生する磁界の影響により、コイル端部の上口下口固定子コイル、および固定子鉄心には電磁力が作用し、コイル端部には振動が発生するため、コイル端部は十分な剛性を有し、更には危険周波数域を外した固有振動数を持つように構成する必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−89936号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転電機固定子コイル端部の支持構造は以上のように構成されていたので、固定子コイル、及びこれら固定子コイルとガラス紐等で締結されたレジンリング、更には隣接コイル間に組込まれる絶縁詰物が、コイルエンドの主な構成部材となり、部品点数が多くなってしまうという問題点があった。
【0006】
又上記構成により、コイル端部の剛性がほぼ決定されることとなるが、これらの構成は絶縁材や銅素線による複合積層構造となるため、ガラス紐による縛りや、絶縁詰物により構成されたコイル端部の剛性の確定は設計段階で困難となり、そのため製造工程におけるバラツキも大きく、安定した品質を確保することが困難であるという問題点もあった。
【0007】
ガラス紐による縛りを定量的に管理することは困難であり、又、絶縁詰物が構成部品として介在するため、コイル端部の固有振動数の推定は困難であり、コイル端部の固有振動数が回転電機稼動時の危険周波数域内に入るか否かの判定は製作完了後に行なうことになり、コストが増加するという問題点もあった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回転電機のコイル端部の製造過程において、レジンリングや絶縁詰物等の部品点数を減らすとともに、かつ回転電機稼動時におけるコイル端部の固有振動数が、危険周波数域内に入らぬように、高い剛性を容易に確保できる構造を得ることを目的とする。
【0009】
又、回転電機のコイル端部の製造過程において、ガラス紐による縛りや、絶縁詰物を廃止することにより、技能や経験に依存せず、定量管理が可能で、安定した品質のコイル端部が得られ、更にはコストを低減することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る回転電機は、固定子鉄心の両端部より伸び出した上口固定子コイル及び下口固定子コイルと、これら上口固定子コイル及び下口固定子コイルを結合するシリース接続部とからコイル端部が形成されたものであり、シリース接続部に混合物を流し込み一体硬化させたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図2は同じく平面図である。
図において、鋼板を積層して構成された固定子鉄心1に巻回された上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3により、コイル端部が形成されている。
レジンを含浸させたガラス紐4により、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3、更にはレジンリング5を締結することで、コイル端部の円環方向の剛性を確保している。
【0012】
レジン含浸マット6はレジンリング5と上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3の間の隙間を埋める。
又、絶縁詰物7は周方向に隣接する上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3を固定するものである。
上口固定子コイル2と下口固定子コイル3とを電気的に結合しているシリース接続部8においては、例えばエポキシ樹脂とガラス繊維からなるミクスチャー(混合物)を流し込み一体硬化させている。
このように、シリース接続部8を円周方向に一体化することで、コイル端部全体の剛性を向上させることができる。
また、レジンリング5の本数を削減できるとともに、シリース接続部8の部分振動を抑制することもできる。
【0013】
以上のように本実施形態によれば、回転電機のコイル端部の製造過程において、レジンリング5や絶縁詰物7等の部品点数を減らし、かつ回転電機稼動時にコイル端部の固有振動数が危険周波数域内に入らぬように、高い剛性を容易に確保できる。
また、コイル端部の製造過程において、経験や技能に依存せず、簡易に製造でき、定量管理が可能となり、安定した品質を有するコイル端部を製造できる。
【0014】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
上記実施の形態1では、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5との間の隙間をなくす為に、レジン含浸マット6を圧縮して挿入していたが、レジンを直接使用する作業は、作業性並びに作業環境性に問題がある。
また、レジン含浸マット6を使用すること自体、部品点数の増加の一因となっていた。
【0015】
そこで本実施形態においては、図3に示すように、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5との間にレジン圧入チューブ9を挟み、レジン圧入チューブ9を仮組立てした後に一気にレジンを圧入するようにしたものである。
このようにレジン圧入チューブ9の膨張により、レジンリング5と上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3との隙間をなくし、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5の間の密着性を向上させることが可能となる。
また、直接レジンに触れる作業が減り、作業性の向上を図ることができる。
【0016】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図5は図4のA−A線断面図である。
上記実施形態1,2では、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間にレジンリング5を組込んだ例を示したが、本実施形態では、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間に、レジンリング5の代わりにレジン圧入チューブ9のみを通して、事前にガラス紐4で縛った後に、レジンをレジン圧入チューブ9に圧入するようにしたものである。
【0017】
これにより、ガラス紐4に張力を与え、コイル導体に巻かれた絶縁物等のクリープによる緩みを防止できる。
また、隣接コイル間10にレジン圧入チューブ9が入り込むことにより楔効果が生じ、絶縁詰物7を省略し、若しくは個数を減らすことが出来る。
絶縁詰物7は、レジンを含浸させたマットに包んで挿入される為、絶縁詰物7を省略することは、レジンを扱う作業を省くことになり、作業性の改善にもつながる。
【0018】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図7は図6のB−B線断面図である。
本実施形態においては、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間にレジン圧入チューブ9を通すとともに、別のレジン圧入チューブ11を図7に示すように、コイル間を蛇行するように巻くものである。
そして、レジン圧入チューブ9の径は約50〜70mmφで構成するとともに、レジン圧入チューブ11の径は約10mmφ程度に構成する。
【0019】
以上のように構成することにより、レジン圧入後には上口固定子コイル2と下口固定子コイル3の固定、並びに隣接コイル間の固定を同時にかつ確実に行なうことができる。
又、実施の形態3の場合に比べ、レジン圧入チューブ9,11とコイルとの接触面積が増えるため、周方向に隣接するコイル間の固定を確実に行なうことができる。
【0020】
実施の形態5.
レジン圧入チューブ9,11の素材として、適度にレジンが滲み出すことができるメッシュを持った素材で構成することもできる。
例えば、ガラス繊維で編まれた布製のチューブを使用することで、レジン圧入時にチューブ表面から内圧を喪失しない程度にチューブの表面より滲み出たレジンにより、上口固定子コイル2、下口固定子コイル3及びレジン圧入チューブ9,11を接着することができる。
このように接着させることにより、コイル端部の剛性を向上させることができる。
【0021】
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6による回転電機固定子コイルの支持構造を示す側面図、図9は同じく平面図である。
上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3において、固定子鉄心1とシリース接続部8の間の一部にミクスチャー12を流し込み一体硬化させるものである。
これにより、レジン圧入チューブを取付けることなく、容易にレジンリングを省略することができる。
但し、コイル端部の軸方向における剛性を確保するために、周方向に隣接するコイル間に挿入される絶縁詰物7は必要である。
尚、図8,図9においては、ミクスチャー12は一箇所のみ設けた場合を示したが、複数箇所設けてもよい。
【0022】
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図11は同じく平面図である。
ミクスチャーで一体化されたシリース接続部8と固定子1側のミクスチャー12との間に絶縁物により作られた橋渡し部材13を取付けるようにしたものである。
これにより、上記実施の形態6で省略できなかった隣接コイル間の絶縁詰物を省略することができ、シリース接続部8と固定子1側のミクスチャー12が連結され、コイルエンドの軸方向の剛性を確保することができる。
【0023】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る回転電機によれば、固定子鉄心の両端部より伸び出した上口固定子コイル及び下口固定子コイルと、これら上口固定子コイル及び下口固定子コイルを結合するシリース接続部とからコイル端部が形成されており、シリース接続部に混合物を流し込み一体硬化させたので、コイル端部の剛性を向上させることができるとともに、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態3による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】この発明の実施の形態4による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】この発明の実施の形態6による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図9】この発明の実施の形態6による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図11】この発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心、2 上口固定子コイル、3 下口固定子コイル、5 レジンリング、8 シリース接続部、9,11 レジン圧入チューブ、13 橋渡し部材。
【発明の属する利用分野】
この発明は、回転電機の固定子コイル端部における支持構造に関するものであり、特に鋼板を積層してなる固定子鉄心の両端部より伸び出した上下固定子コイルで形成されているコイル端部を支持する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転電機における固定子コイル端部の支持構造においては、固定子鉄心に巻回された上口固定子コイル、及び下口固定子コイルによりコイル端部が形成されており、コイル端部支持部材及びガラス紐で上記固定子コイルとレジンリングを締結している。
又、シリース接続部によって、上口固定子コイルと下口固定子コイルとを電気的に結合している。
更に、固定子鉄心押え板及び回転電機固定子鉄心を固定しているフレームの内壁が配置され、絶縁詰物が周方向に隣接するコイルを固定し、レジン含浸マットがレジンリングと固定子コイル間の隙間を埋めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の回転電機固定子コイル端部の支持構造において、回転電機を稼動させると、上下固定子コイルを流れる電機子電流により発生する磁界、および回転子コイルを流れる界磁電流により発生する磁界の影響により、コイル端部の上口下口固定子コイル、および固定子鉄心には電磁力が作用し、コイル端部には振動が発生するため、コイル端部は十分な剛性を有し、更には危険周波数域を外した固有振動数を持つように構成する必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−89936号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転電機固定子コイル端部の支持構造は以上のように構成されていたので、固定子コイル、及びこれら固定子コイルとガラス紐等で締結されたレジンリング、更には隣接コイル間に組込まれる絶縁詰物が、コイルエンドの主な構成部材となり、部品点数が多くなってしまうという問題点があった。
【0006】
又上記構成により、コイル端部の剛性がほぼ決定されることとなるが、これらの構成は絶縁材や銅素線による複合積層構造となるため、ガラス紐による縛りや、絶縁詰物により構成されたコイル端部の剛性の確定は設計段階で困難となり、そのため製造工程におけるバラツキも大きく、安定した品質を確保することが困難であるという問題点もあった。
【0007】
ガラス紐による縛りを定量的に管理することは困難であり、又、絶縁詰物が構成部品として介在するため、コイル端部の固有振動数の推定は困難であり、コイル端部の固有振動数が回転電機稼動時の危険周波数域内に入るか否かの判定は製作完了後に行なうことになり、コストが増加するという問題点もあった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、回転電機のコイル端部の製造過程において、レジンリングや絶縁詰物等の部品点数を減らすとともに、かつ回転電機稼動時におけるコイル端部の固有振動数が、危険周波数域内に入らぬように、高い剛性を容易に確保できる構造を得ることを目的とする。
【0009】
又、回転電機のコイル端部の製造過程において、ガラス紐による縛りや、絶縁詰物を廃止することにより、技能や経験に依存せず、定量管理が可能で、安定した品質のコイル端部が得られ、更にはコストを低減することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る回転電機は、固定子鉄心の両端部より伸び出した上口固定子コイル及び下口固定子コイルと、これら上口固定子コイル及び下口固定子コイルを結合するシリース接続部とからコイル端部が形成されたものであり、シリース接続部に混合物を流し込み一体硬化させたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図2は同じく平面図である。
図において、鋼板を積層して構成された固定子鉄心1に巻回された上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3により、コイル端部が形成されている。
レジンを含浸させたガラス紐4により、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3、更にはレジンリング5を締結することで、コイル端部の円環方向の剛性を確保している。
【0012】
レジン含浸マット6はレジンリング5と上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3の間の隙間を埋める。
又、絶縁詰物7は周方向に隣接する上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3を固定するものである。
上口固定子コイル2と下口固定子コイル3とを電気的に結合しているシリース接続部8においては、例えばエポキシ樹脂とガラス繊維からなるミクスチャー(混合物)を流し込み一体硬化させている。
このように、シリース接続部8を円周方向に一体化することで、コイル端部全体の剛性を向上させることができる。
また、レジンリング5の本数を削減できるとともに、シリース接続部8の部分振動を抑制することもできる。
【0013】
以上のように本実施形態によれば、回転電機のコイル端部の製造過程において、レジンリング5や絶縁詰物7等の部品点数を減らし、かつ回転電機稼動時にコイル端部の固有振動数が危険周波数域内に入らぬように、高い剛性を容易に確保できる。
また、コイル端部の製造過程において、経験や技能に依存せず、簡易に製造でき、定量管理が可能となり、安定した品質を有するコイル端部を製造できる。
【0014】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
上記実施の形態1では、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5との間の隙間をなくす為に、レジン含浸マット6を圧縮して挿入していたが、レジンを直接使用する作業は、作業性並びに作業環境性に問題がある。
また、レジン含浸マット6を使用すること自体、部品点数の増加の一因となっていた。
【0015】
そこで本実施形態においては、図3に示すように、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5との間にレジン圧入チューブ9を挟み、レジン圧入チューブ9を仮組立てした後に一気にレジンを圧入するようにしたものである。
このようにレジン圧入チューブ9の膨張により、レジンリング5と上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3との隙間をなくし、上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3とレジンリング5の間の密着性を向上させることが可能となる。
また、直接レジンに触れる作業が減り、作業性の向上を図ることができる。
【0016】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図5は図4のA−A線断面図である。
上記実施形態1,2では、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間にレジンリング5を組込んだ例を示したが、本実施形態では、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間に、レジンリング5の代わりにレジン圧入チューブ9のみを通して、事前にガラス紐4で縛った後に、レジンをレジン圧入チューブ9に圧入するようにしたものである。
【0017】
これにより、ガラス紐4に張力を与え、コイル導体に巻かれた絶縁物等のクリープによる緩みを防止できる。
また、隣接コイル間10にレジン圧入チューブ9が入り込むことにより楔効果が生じ、絶縁詰物7を省略し、若しくは個数を減らすことが出来る。
絶縁詰物7は、レジンを含浸させたマットに包んで挿入される為、絶縁詰物7を省略することは、レジンを扱う作業を省くことになり、作業性の改善にもつながる。
【0018】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図7は図6のB−B線断面図である。
本実施形態においては、上口固定子コイル2と下口固定子コイル3との間にレジン圧入チューブ9を通すとともに、別のレジン圧入チューブ11を図7に示すように、コイル間を蛇行するように巻くものである。
そして、レジン圧入チューブ9の径は約50〜70mmφで構成するとともに、レジン圧入チューブ11の径は約10mmφ程度に構成する。
【0019】
以上のように構成することにより、レジン圧入後には上口固定子コイル2と下口固定子コイル3の固定、並びに隣接コイル間の固定を同時にかつ確実に行なうことができる。
又、実施の形態3の場合に比べ、レジン圧入チューブ9,11とコイルとの接触面積が増えるため、周方向に隣接するコイル間の固定を確実に行なうことができる。
【0020】
実施の形態5.
レジン圧入チューブ9,11の素材として、適度にレジンが滲み出すことができるメッシュを持った素材で構成することもできる。
例えば、ガラス繊維で編まれた布製のチューブを使用することで、レジン圧入時にチューブ表面から内圧を喪失しない程度にチューブの表面より滲み出たレジンにより、上口固定子コイル2、下口固定子コイル3及びレジン圧入チューブ9,11を接着することができる。
このように接着させることにより、コイル端部の剛性を向上させることができる。
【0021】
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6による回転電機固定子コイルの支持構造を示す側面図、図9は同じく平面図である。
上口固定子コイル2及び下口固定子コイル3において、固定子鉄心1とシリース接続部8の間の一部にミクスチャー12を流し込み一体硬化させるものである。
これにより、レジン圧入チューブを取付けることなく、容易にレジンリングを省略することができる。
但し、コイル端部の軸方向における剛性を確保するために、周方向に隣接するコイル間に挿入される絶縁詰物7は必要である。
尚、図8,図9においては、ミクスチャー12は一箇所のみ設けた場合を示したが、複数箇所設けてもよい。
【0022】
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図、図11は同じく平面図である。
ミクスチャーで一体化されたシリース接続部8と固定子1側のミクスチャー12との間に絶縁物により作られた橋渡し部材13を取付けるようにしたものである。
これにより、上記実施の形態6で省略できなかった隣接コイル間の絶縁詰物を省略することができ、シリース接続部8と固定子1側のミクスチャー12が連結され、コイルエンドの軸方向の剛性を確保することができる。
【0023】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る回転電機によれば、固定子鉄心の両端部より伸び出した上口固定子コイル及び下口固定子コイルと、これら上口固定子コイル及び下口固定子コイルを結合するシリース接続部とからコイル端部が形成されており、シリース接続部に混合物を流し込み一体硬化させたので、コイル端部の剛性を向上させることができるとともに、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態2による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態3による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】この発明の実施の形態4による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】この発明の実施の形態6による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図9】この発明の実施の形態6による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す側面図である。
【図11】この発明の実施の形態7による回転電機固定子コイル端部の支持構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 固定子鉄心、2 上口固定子コイル、3 下口固定子コイル、5 レジンリング、8 シリース接続部、9,11 レジン圧入チューブ、13 橋渡し部材。
Claims (7)
- 固定子鉄心の両端部より伸び出した上口固定子コイル及び下口固定子コイルと、これら上口固定子コイル及び下口固定子コイルを結合するシリース接続部とからコイル端部が形成されている回転電機において、上記シリース接続部に混合物を流し込み一体硬化させたことを特徴とする回転電機。
- 上記上口固定子コイル及び下口固定子コイルの周囲にレジンリングを設け、このレジンリングと上記コイルとの間にレジン圧入チューブを挿入したことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
- 上記上口固定子コイルと下口固定子コイルの間には上記レジン圧入チューブのみを挿入したことを特徴とする請求項2記載の回転電機。
- 上記上口固定子コイル及び下口固定子コイル間を蛇行するようにレジン圧入チューブを巻いたことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
- レジンが滲み出すことのできる素材で上記レジン圧入チューブを構成したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
- 上記固定子鉄心とシリース接続部との間に混合物を流し込み一体硬化させた部分を設けたことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
- 上記一体硬化させた部分とシリース接続部との間に絶縁物により作製された橋渡し部材を取付けたことを特徴とする請求項6記載の回転電機。
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JP2003191768A JP2005027456A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 回転電機 |
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JP2003191768A JP2005027456A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 回転電機 |
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JP2005027456A true JP2005027456A (ja) | 2005-01-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003191768A Pending JP2005027456A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 回転電機 |
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JP (1) | JP2005027456A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007110771A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の固定子 |
JP2007228658A (ja) * | 2006-02-21 | 2007-09-06 | Toshiba Corp | 回転電機および回転電機の固定子コイル固定方法 |
JP2008301620A (ja) * | 2007-05-31 | 2008-12-11 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の補強方法及び補強構造 |
JP2009177943A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の固定子 |
JP2011024330A (ja) * | 2009-07-15 | 2011-02-03 | Hitachi Ltd | 回転電機 |
-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003191768A patent/JP2005027456A/ja active Pending
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JP2007110771A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機の固定子 |
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