JP5240131B2 - 電動機の冷却構造 - Google Patents

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この発明は、電動機の冷却構造に関し、特にコイルエンドの熱を外部に放出することにより電動機を冷却する電動機の冷却構造に関するものである。
電動機は産業機械や車両の動力源として広く利用されているが、特に、車両の駆動力源として用いられる場合、その電動機には小型・高出力化あるいは高効率化が要求される。また電動機を運転する際には、電気抵抗や磁界等の作用により不可避的に発熱を伴うので、電動機の最大出力は電動機の温度上昇によって制限される場合が多い。そのため、電動機の高出力化あるいは高効率化を図るためには、電動機の温度上昇を抑制するための冷却性能も向上させる必要がある。
そのような電動機の冷却性能を向上させるための冷却構造の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたモータの冷却構造は、モータから発生する熱を逃がす冷却効率を向上させることを目的として、コイルエンドとモータケースとの間に、コイルエンドの熱を奪うためのコイルエンドカバーを設けたモータを冷却する冷却構造であって、コイルエンドカバーとコイルエンドとの間、またはコイルエンドカバーとモータケースとの間に、冷却液体が浸透する微小隙間および冷却液体が流通する液体通路が形成されるように構成されている。また、この特許文献1には、コイルエンドカバーを、熱伝導率が所定値以上に高い絶縁部材で構成することにより、コイルエンドとモータケースとを確実に絶縁することが記載されている。
なお、特許文献2には、ステータコイルの放熱性を向上させることを目的として、コイルの外周部に設けた絶縁性樹脂層および銅製のコイルエンドカバーとハウジングとの間に、銅製で波形断面を有する伝熱スペーサを接続することにより、運転時にステータコイルで発生した熱のコイルエンドカバーからの放熱性を改善するように構成したモータに関する発明が記載されている。
また、特許文献3には、ステータコイルからハウジングへの伝熱冷却性能を向上させることを目的として、ステータコイルのコイルエンドに装着された金属環体の外面をハウジングの内面に密着させ、金属環体の内面とコイルエンドの表面との間に電気絶縁部材として粘着テープおよび充填部材を設置するより、コイルエンドと金属環体との間の絶縁性を確保しつつ、金属環体からの放熱性を高めるように構成した回転電機に関する発明が記載されている。
また、特許文献4には、部品点数および組み付け工数の削減を図ることを目的とした電動モータに関する発明が記載されている。そしてこの特許文献4には、モータ本体部から取り出された複数本のリード線を有する外部接続用端子を覆う端子カバーが、防水性および電気的絶縁性を有するゴムで形成されていることが記載されている。
そして、特許文献5には、樹脂封止工程を必要とせずに、コイルとステータとの間の絶縁距離および沿面距離を十分に確保することを目的としたステッピングモータに関する発明が記載されている。そしてこの特許文献5には、極歯を櫛歯上に配置した一対のステータヨークと、その一対のステータヨークの間に設けられたボビン本体に巻き付けられたコイルと、絶縁性の耐圧カバーとからなり、ボビン本体のコイルを囲まない開口部に、ステータヨークとコイルとの間の沿面放電を抑制するように、外蓋耐圧カバーと中蓋耐圧カバーとからなる耐圧カバーを2重に被せた構成が記載されている。
特開2009−118667号公報 特開平10−290543号公報 特開平6−70508号公報 特開2005−318742号公報 特開2005−318788号公報
前述のように電動機は、その運転時に不可避的に熱が発生するが、特にコイルエンドが主な発熱部位となっている。そのコイルエンド部分には、モータケースに対して電気的絶縁が必要な端子台や中性点が設けられているので、例えば上記の特許文献1に記載されたモータの冷却構造のように、コイルエンドを冷却するためのコイルエンドカバーを設ける場合、そのコイルエンドカバーには、コイルエンドの熱をモータケースに効率良く伝達して外部に放熱させるための熱伝導性と、端子台や中性点とモータケースとの間の電気的絶縁を確保するための電気絶縁性が要求される。
したがって、上記の特許文献1に記載されたモータの冷却構造では、コイルエンドカバーとコイルエンドまたはモータケースとの間に、冷却液体が浸透する微小隙間および冷却液体が流通する液体通路が形成されるとともに、そのコイルエンドカバーが、所定の熱伝導率を有する絶縁部材で構成されている。その結果、上記の特許文献1に記載されたモータの冷却構造によれば、モータケースとコイルエンドとの間の電気絶縁性を確保しつつ、冷却液体によるコイルエンドの冷却効果を得ることができる。
しかしながら、上記のようなコイルエンドカバーを構成する絶縁部材は、具体的には、例えば所定の熱伝導率を有する樹脂等を材料とした部材が想定されるが、一般的に樹脂は、良好な電気絶縁性を有しているものの、その熱伝導率は鉄やアルミニウムあるいは銅などの金属の熱伝導率の概ね1000分の1〜100分の1程度でしかなく、金属と比較して熱伝導性では劣っている。そのため、コイルエンドカバーを樹脂製の絶縁部材で構成した場合には、そのコイルエンドカバーを介してコイルエンドの熱をより効率良く外部へ放出するための十分な熱伝導性を確保することができず、コイルエンドを冷却するための十分な冷却性能を得ることができなかった。このように、コイルエンドの冷却のために装着するコイルエンドカバーの熱伝導性と電気絶縁性とを両立させて、電動機の冷却性能を向上させるためには、未だ改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、コイルエンドとモータケースとの間における必要な電気絶縁性を確保しつつ、それらの間の熱伝導性を改善して電動機の冷却性能を向上させることができる電動機の冷却構造を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ケーシング内に収容されて固定されかつコイルが形成されたステータと、そのステータに対して相対回転自在に前記ケーシングに支持されたロータと、前記ステータの前記ロータの回転軸線方向における両端部で前記コイルが突出しているコイルエンド部に装着されて該コイルエンド部との間および前記ケーシングの内壁との間で冷却液体を介在させるコイルエンドカバーとを備えた電動機の冷却構造において、前記コイルエンド部は、前記ケーシングに対して電気的絶縁が不要な絶縁不要部位と、前記ケーシングに対して電気的絶縁が必要な絶縁必要部位とに区分されていて、前記コイルエンドカバーは、前記コイルエンド部に装着された場合に前記絶縁不要部位に対向する部分が熱伝導性が良好な金属材料により形成されかつ前記絶縁必要部位に対向する面に電気絶縁性が良好な電気絶縁材料からなる電気絶縁面が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電気絶縁面が、前記絶縁必要部位の電気的絶縁が必要な空間距離と沿面距離とに基づいて形成されていることを特徴とするものである。
そして、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記コイルエンドカバーが、前記コイルエンド部に装着された場合に前記ロータに近接する部分に磁気絶縁性が良好な磁気絶縁部材からなる磁気絶縁面が更に形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、コイルエンド部の熱を外部に放出するためにそのコイルエンド部とケーシングの内壁との間に冷却液体を介在させるためのコイルエンドカバーを設置する場合に、コイルエンド部では絶縁不要部位と絶縁必要部位とが区分されていて、コイルエンドカバーには、絶縁必要部位と対向する部分のみに電気絶縁面が形成されることにより、コイルエンド部の絶縁必要部位とコイルエンドカバーとの間、およびコイルエンド部の絶縁必要部位とケーシングとの間の電気的絶縁が確立される。そして、コイルエンドカバーにおける絶縁不要部位と対向する部分、すなわちコイルエンドカバーにおけるコイルエンド部を電気的絶縁する必要がない部分は、良熱伝導性の金属材料によって形成される。そのため、電気絶縁面によって絶縁必要部位の電気絶縁性を確保しつつ、コイルエンド部で発生する熱をケーシング外部へ伝達させる際の熱伝導性を高めて、電動機の冷却性能を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、コイルエンドカバーに電気絶縁面を形成する場合、絶縁必要部位の電気的絶縁が必要な空間距離と沿面距離とに基づいて、その電気絶縁面を形成する範囲が設定される。すなわち、絶縁必要部位を電気的に絶縁することが必要な空間距離の範囲と沿面距離の範囲との両方を含むようにコイルエンドカバーの電気絶縁面が形成される。そのため、コイルエンドカバーの電気絶縁面を必要十分かつ必要最低限の範囲で形成することができる。その結果、コイルエンドカバーの電気絶縁面を除く他の部分を熱伝導性が良い金属材料で形成することができ、コイルエンドカバーを介してコイルエンド部で発生した熱をケーシング外部へ伝達させる際の熱伝導性を可及的に高めることができる。
そして、請求項3の発明によれば、コイルエンドカバーのロータと近接する部分に磁気絶縁面が形成される。ステータのコイルエンド部にコイルエンドカバーを設置する際に、コイルエンドカバーのロータと近接する部分を、例えば鉄などの透磁率が高い材料により形成した場合は、ロータからの漏れ磁束の影響を受けてコイルエンドカバーが発熱してしまう。そこでこの請求項3の発明によれば、上記のように磁気絶縁面が形成されることにより、ロータからの漏れ磁束の影響を排除して、コイルエンドカバーの発熱を防止することができる。
この発明に係る電動機の冷却構造の構成を説明するための断面図である。 図1に示す電動機の冷却構造で、特にコイルエンドカバーの構成を説明するための模式図である。 図1に示す電動機の冷却構造で、特にコイルエンド部の絶縁必要部位を説明するための模式図である。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明で対象とする電動機(モータ)Mの構成を図1に示す。このモータMは、電気エネルギにより動力を発生する装置であり、例えば車両の駆動力源として駆動輪の駆動トルクを発生させる動力発生装置である。図1において、モータMは、ケーシング1内に収容されるとともにそのケーシング1に固定されるロータ2と、ケーシング1内に収容されるとともにステータに対して相対回転自在にケーシング1に支持されるステータ3とを備えている。
具体的には、ケーシング1は、モータケース1aとモータケースカバー1bとから構成されていて、それらモータケース1aおよびモータケースカバー1bは、例えばアルミニウム合金などの金属材料から形成されている。モータケース1aには、ロータ2およびステータ3を収容可能な内部空間が形成されていて、その内部空間にロータ2およびステータ3が収容された状態で、外側(図1における左側)から円盤状のモータケースカバー1bが、例えばボルト締結により固定されている。
ロータ2は、モータケース1aおよびモータケースカバー1bに軸受4,5により回転自在に支持された回転軸6の外周部分に、その回転軸6と一体に固定されている。そして、これらロータ2および回転軸6は、後述のステータ3の内周部分に収容されて配置されている。したがって、ロータ2は、ステータ3に対して相対回転自在に軸受4,5によりケーシング1に支持されている。
ステータ3は、内周部分にロータ2を収容可能な円筒状に形成されており、その内周面とロータ2の外周面とが径方向で所定の距離だけ離間するように配置されて、モータケース1aに固定されている。さらに、ステータ3には、そのステータ3と一体に周方向に複数配置されたステータコア(図示せず)に導線が巻き付けられたコイル7が形成されている。コイル7は、例えばエナメル被覆線により形成されていて、樹脂等によりモールドもしくはコーティングされてステータコアに固定されている。
ステータ3のコイル7の軸方向端部で、言い換えると、ステータ3のロータ2の回転軸線方向(図1における左右方向)における両端部でコイル7が突出している部分7a,7b、すなわちコイルエンド部7a,7bには、コイルエンドカバー8,9が装着されている。これらコイルエンドカバー8,9は、ステータ3の周方向に配置されたすべてのコイル7のコイルエンド部7a,7bを覆うように環状に形成されている。
これらコイルエンドカバー8,9は、モータケースカバー1bがモータケース1aに固定された後に、それぞれ、コイルエンド部7aとモータケースカバー1bとの間、およびコイルエンド部7bとモータケース1aとの間に設置される部材であるが、それらのコイルエンド部7a,7bやモータケース1aあるいはモータケースカバー1bに対して固定はされておらず、コイルエンド部7aとモータケースカバー1bとの間、およびコイルエンド部7bとモータケース1aとの間で挟み付けられて支持されている。
前述したように、モータMの最大出力や効率を向上させるためには、モータMの温度上昇を抑制する冷却性能を向上させる必要がある。このモータMの冷却性能を向上させるには、モータMの主な発熱部位であるコイルエンド部7a,7bの発熱を抑制するのことが効果的である。そのため、この発明のモータMでは、コイルエンドカバー8,9に、それぞれ、コイルエンド部7a,7bを冷却するための冷却液体を導くための流路8a,8b,9aが形成されている。
具体的には、各流路8a,8b,9aは、コイルエンドカバー8,9の表面、すなわちコイルエンドカバー8のコイルエンド部7aに対向する面およびモータケースカバー1bに対向する面ならびにコイルエンドカバー9のコイルエンド部7bに対向する面にそれぞれ形成された溝と、コイルエンド部7aの外表面およびモータケースカバー1bの内壁面ならびにコイルエンド部7bの外表面とでそれぞれ囲まれた空間により構成されている。それら流路8a,8b,9aは、例えば図2に示すように、環状のステータ3の周方向に並んだすべてのコイル7のコイルエンド部7a,7bに沿うように、環状に形成されている。
そして、各流路8a,8b,9aには、冷却液体を流通させるためのポンプや流路等を備えた流通系統(図示せず)が連通されていて、各流路8a,8b,9aにそれぞれ冷却液体が供給され、各流路8a,8b,9a内を冷却液体が流通するようになっている。なお、冷却液体としては、例えば、車両のエンジンオイルや自動変速機のATF(オートマティック・トランスミッション・フルード)などのオイルを用いることができる。
また、前述したようにコイルエンドカバー8,9は、コイルエンド部7aとモータケースカバー1bとの間、あるいはコイルエンド部7bとモータケース1aとの間で挟み付けられて支持されている。このため、コイルエンドカバー8とモータケースカバー1bとの間、およびコイルエンドカバー8とコイルエンド部7aとの間、ならびに、コイルエンドカバー9とモータケース1aとの間、およびコイルエンドカバー9とコイルエンド部7bとの間には、それぞれ、微小隙間P,Q,Rが形成される。
したがって、それら微小隙間P,Q,Rには、上記の各流路8a,8b,9aがそれぞれ連通されることになるので、各流路8a,8b,9aに冷却液体としてオイルが供給されると、そのオイルが微小隙間P,Q,Rへ漏れ出して、微小隙間P,Q,Rにオイルが介在させられることになる。なお、微小隙間P,Q,Rの間隔を、それら微小隙間P,Q,Rに液体が進入した際に毛細管現象が生ずる程度の大きさに設定しておくことにより、各流路8a,8b,9aから漏れ出したオイルを効果的に微小隙間P,Q,R全域へ充填させることができる。
このように、コイルエンドカバー8,9とコイルエンド部7a,7bおよびケーシング1との間に形成された各流路8a,8b,9aに、冷却用のオイルを流通させることにより、微小隙間P,Q,Rにオイルが充填される。すなわち、コイルエンド7a,7bとコイルエンドカバー8,9との間、およびコイルエンドカバー8とケーシング1との間に介在していた空気が追い出されてオイルが介在させられることになる。その結果、コイルエンド部7a,7bで生じた熱を、各流路8a,8b,9aを流通するオイルを媒体として外部へ放出させることができ、コイルエンド部7a,7bの冷却性能を向上させることができる。また、微小隙間P,Q,R内で、断熱効果が高い空気に取って代わり冷却用のオイルが介在することによって、コイルエンド部7a,7bとコイルエンドカバー8,9との間、およびコイルエンドカバー8とケーシング1との間の熱伝導性が改善され、コイルエンド部7a,7bの冷却性能を一層向上させることができる。
その一方で、コイルエンド部7a,7bには、例えば図1,図3に示すように、電位が常時0となっている中性点10や、コイル7に通電する導線をコイル7に接続するための端子台11が設けられており、それら中性点10や端子台11をケーシング1などの外部に対して電気的に絶縁する必要がある。したがって、それら中性点10や端子台11などの絶縁必要部位と接触もしくは近接する部位は、電気絶縁性が良好な電気絶縁材料で形成する、あるいは電気絶縁材料からなる電気絶縁部材で被覆するなどの対策を講じる必要がある。
すなわち、それら中性点10や端子台11などの絶縁必要部位と接触もしくは近接することになるコイルエンドカバー8,9は、電気絶縁材料で形成する、もしくは表面を電気絶縁部材で被覆する必要がある。この場合、電気絶縁材料としては、樹脂やゴムなどが一般的に電気絶縁性が良好であるが、例えばコイルエンドカバー8,9を樹脂を材料として形成することによって、もしくは樹脂を材料とした部材を表面に被覆することによって、中性点10や端子台11の電気絶縁性を確保することができる。その反面、樹脂やゴムなどの電気絶縁部材は、例えば金属製の部材と比較すると熱伝導率が悪く、そのため、例えばコイルエンドカバー8,9を樹脂を材料として形成することによって、コイルエンド部7a,7bの熱をコイルエンドカバー8,9を介して外部に放出する際の熱伝導性が低下してしまう。
そこで、この発明に係るモータMの冷却構造では、コイルエンド部7a,7bを、ケーシング1に対して電気的絶縁が不要な絶縁不要部位と、ケーシング1に対して電気的絶縁が必要な絶縁必要部位とに区分するとともに、コイルエンドカバー8,9がコイルエンド部7a,7bに装着される際にコイルエンド部7a,7bの絶縁不要部位に対向する部分を、熱伝導性が良好な金属材料により形成し、コイルエンド部7a,7bの絶縁必要部位に対向する部分を、電気絶縁性が良好な電気絶縁材料により形成することにより、コイルエンドカバー8,9の電気絶縁性と熱伝導性とを両立させて、冷却構造の冷却性能を向上させることができるように構成されている。
具体的には、図3に示すように、コイルエンド部7a,7bに設けられている中性点10および端子台11に対して電気的絶縁が必要な空間距離と沿面距離とが考慮されて、絶縁必要部位Sが設定されている。コイルエンド部7a,7bにおいて絶縁必要部位Sが設定されることにより、コイルエンド部7a,7bにおけるその絶縁必要部位Sを除いた他の部分が、絶縁不要部位Tとして設定される。
そして、図2の(a)に示すように、コイルエンドカバー8,9をコイルエンド部7a,7bに装着する際にコイルエンドカバー8,9の絶縁必要部位Sに対向する面に、電気絶縁面Uが形成されている。言い換えると、絶縁必要部位Sを電気的に絶縁することが必要な空間距離の範囲と沿面距離の範囲との両方を含むように、コイルエンドカバー8,9に電気絶縁面Uが形成されている。
この電気絶縁面Uは、要は、コイルエンドカバー8,9の絶縁必要部位Sに対向する部分の空間距離と沿面距離とを考慮した範囲内の面が電気的に絶縁されていればよいので、コイルエンドカバー8,9の周方向におけるそのコイルエンドカバー8,9の周方向における電気絶縁面Uを含む部分のみが、例えば樹脂などの電気絶縁性が良好な電気絶縁材料で形成されればよい。あるいは、コイルエンドカバー8,9の表面における電気絶縁面Uの範囲のみに、例えば樹脂を塗布したりアルミナ等のセラミックスを溶射したりすることにより、電気絶縁材料による絶縁層として電気絶縁面Uが形成されてもよい。
なお、図1に示すように、例えばコイルエンドカバー9の内周側(図1の例では左側)に中性点10がある場合は、その中性点10を電気的に絶縁することが必要な沿面距離の範囲、すなわち電気絶縁面Uは、コイルエンドカバー9の内周側から外周側(図1の例では右側)の面まで周りこんで設定される場合もある。
一方、コイルエンドカバー8,9をコイルエンド部7a,7bに装着した際に、コイルエンドカバー8,9の絶縁必要部位Sに対向する部分、すなわちコイルエンドカバー8,9において上記の電気絶縁面Uが形成された部分を除いた他の部分は、アルミニウム合金などの熱伝導性が良好な金属材料により形成されている。すなわち、この発明のモータMにおけるコイルエンドカバー8,9は、中性点10や端子台11などの絶縁必要部位Sに対する電気的絶縁が必要な範囲が、電気絶縁面Uにより必要最小限に設定され、コイルエンド部7の絶縁不要部位Tに対応して熱伝導性が良好な金属材料により形成される部分が、可及的に広範囲に設定される。そのため、コイルエンド部7a,7bで発生した熱を、コイルエンドカバー8,9を介して可及的に効率良く外部へ放出させることができる。
さらに、この発明に係るモータMの冷却構造では、例えば図2の(b)に示すように、コイルエンドカバー8,9をコイルエンド部7a,7bに装着した際に、ロータ2に近接もしくは対向する部分に、磁気絶縁性が良好な磁気絶縁部材からなる磁気絶縁面Vが形成されている。前述したように、ロータ2の周囲には漏れ磁束が存在しているので、そのロータ2の近傍に、例えば鉄などの透磁率が高い材料により形成された部材が配置されると、その高透磁率の部材はロータ2の漏れ磁束の影響を受けて発熱してしまう。したがって、上記のようにコイルエンドカバー8,9に磁気絶縁面Vが形成されることにより、ロータ2からの漏れ磁束の影響を排除して、コイルエンドカバー8,9の発熱を防止することができる。
以上のように、この発明に係るモータMの冷却構造によれば、コイルエンド部7a,7bで発生する熱を外部に放出するために、そのコイルエンド部7a,7bとケーシング1の内壁との間に冷却用のオイル等を介在させるためのコイルエンドカバー8,9を設置する場合に、コイルエンド部7a,7bでは、絶縁不要部位Tと絶縁必要部位Sとが区分されて、コイルエンドカバー8,9には、絶縁必要部位Sと対向する部分のみに電気絶縁面Uが形成される。そのため、コイルエンド部7a,7bの絶縁必要部位Sとコイルエンドカバー8,9との間、およびコイルエンド部7a,7bの絶縁必要部位Sとケーシング1との間を確実に電気的に絶縁することができる。
そして、コイルエンドカバー8,9における絶縁不要部位Tと対向する部分、すなわちコイルエンドカバー8,9におけるコイルエンド部7a,7bを電気的に絶縁する必要がない部分は、熱伝導性が良好な金属材料によって形成される。そのため、電気絶縁面Uによって絶縁必要部位Sの電気絶縁性を確実に確保しつつ、コイルエンド部7a,7bで発生する熱をケーシング1の外部へ伝達させる際の熱伝導性を高め、その結果、モータMの冷却性能を向上させることができる。
なお、上述した具体例では、この発明に係るモータMの冷却構造として、コイルエンド部7a,7bとケーシング1の内壁との間に冷却用のオイル等を介在させるためのコイルエンドカバー8,9を設置する構成を示しているが、例えば、コイルエンドカバー8,9を用いずに、コイルエンド部7a,7bを直接ケーシング1に接触させて、コイルエンド部7a,7bで発生した熱をケーシング1に伝達させて外部に放出させることにより、コイルエンド部7a,7bを冷却する構成に対しても、この発明に係るモータMの冷却構造を適用することができる。すなわち、その場合は、ケーシング1の、コイルエンド部7a,7bの絶縁必要部位Sに対向する部分のみに、上記のようにして設定される電気絶縁面Uを形成することにより、上述した具体例と同様の作用・効果を得ることができる。
1…ケーシング、 1a…モータケース、 1b…モータケースカバー、 2…ロータ、 3…ステータ、 6…回転軸、 7…コイル、 7a,7b…コイルエンド部、 8,9…コイルエンドカバー、 S…絶縁必要部位、 T…絶縁不要部位、 U…電気絶縁面、 V…磁気絶縁面、 M…モータ(電動機)。

Claims (3)

  1. ケーシング内に収容されて固定されかつコイルが形成されたステータと、そのステータに対して相対回転自在に前記ケーシングに支持されたロータと、前記ステータの前記ロータの回転軸線方向における両端部で前記コイルが突出しているコイルエンド部に装着されて該コイルエンド部との間および前記ケーシングの内壁との間で冷却液体を介在させるコイルエンドカバーとを備えた電動機の冷却構造において、
    前記コイルエンド部は、前記ケーシングに対して電気的絶縁が不要な絶縁不要部位と、前記ケーシングに対して電気的絶縁が必要な絶縁必要部位とに区分されていて、
    前記コイルエンドカバーは、前記コイルエンド部に装着された場合に前記絶縁不要部位に対向する部分が熱伝導性が良好な金属材料により形成されかつ前記絶縁必要部位に対向する面に電気絶縁性が良好な電気絶縁材料からなる電気絶縁面が形成されている
    ことを特徴とする電動機の冷却構造。
  2. 前記電気絶縁面は、前記絶縁必要部位の電気的絶縁が必要な空間距離と沿面距離とに基づいて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機の冷却構造。
  3. 前記コイルエンドカバーは、前記コイルエンド部に装着された場合に前記ロータに近接する部分に磁気絶縁性が良好な磁気絶縁部材からなる磁気絶縁面が更に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の冷却構造。
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