JP2013188132A - 電気モータ - Google Patents

Abstract

【課題】放熱性が向上した固定子を有する電気モータを提供すること
【解決手段】電気モータは、固定子、軸及び回転子を有する。固定子は、環状ヨーク部と、ヨーク部から内方に延びる複数の固定子歯と、固定子歯の上に巻かれた固定子巻線と、熱伝導性プラスチック材料で作製された成形部材とを有する。成形部材は、ヨーク部の外壁上に配置された複数のフィンと、隣接した固定子歯の間の空間に配置された被覆部と、ヨーク部の軸方向外側端面にそれぞれ配置され被覆部及びフィンに接続された２つの接続部とを有する。被覆部は、ヨーク部の内壁及び固定子巻線を覆い、接続部を介してフィンに接続する。固定子巻線によって発生した熱は、被覆部及び接続部を介してフィンに伝達され、そこで放散される。
【選択図】図１

Description

本発明は、一般に、電気モータに関し、特定的には、良好な放熱性をもつオーバーモールド固定子を有するモータに関する。

内部回転子型モータの固定子は、典型的には、環状ヨーク部と、ヨーク部から延びる複数の固定子歯と、固定子歯の上に巻かれた固定子巻線とを含む。放熱性を高めるため、複数の軸方向突出部が、ヨーク部の外面上に形成されて、空気にさらされる固定子の表面積を増やす。しかし、突出部は、通常、小さい軸方向の長さしか有さない。放熱性をさらに向上させ、実質的に同じ費用を維持する既存の解決策は、固定子壁の外側に金属フィンを取り付けることを必要とする。しかしながら、電化製品の電力は増大し続けるので、放熱のための既存の解決策は、要件を満たさない。

従って、放熱性が向上した固定子を有する電気モータに対する必要がある。

従って、本発明は、その一態様において、固定子と、軸と、固定子内に受けられた回転子とを含む電気モータであって、固定子は、環状ヨーク部と、ヨーク部から内方に延びる複数の固定子歯と、固定子歯の上に巻かれた固定子巻線と、熱伝導性プラスチック材料で作製された成形部材とを含み、成形部材は、ヨーク部の外壁上に配置された複数のフィンと、隣接した固定子歯の間の空間に配置され固定子巻線を覆う被覆部と、ヨーク部の２つの軸方向端面にそれぞれ配置され被覆部及びフィンに接続された２つの接続部とを含む、電気モータを提供する。

各接続部はリング形状であり、対応する端面を完全に覆うことが好ましい。
複数の軸方向に延びる凹部が、ヨーク部の半径方向外壁に形成され、各フィンは、ヨーク部の半径方向外壁に軸方向に配置され、各フィンの半径方向内側部は、凹部の対応する１つに受けられることが好ましい。
各フィンは、モータの軸方向に延び、２つの接続部の少なくとも１つを越えて延びることが好ましい。
溝が、２つの接続部の軸方向外面に形成されることが好ましい。
成形部材は、単一部品構造、モノリシック構造、射出成形構造として一体的に形成されることが好ましい。

インペラが、軸に固定されて固定子の一端に配置され、フィンは、対応する接続部を通り過ぎて延び、インペラを放射状に取り囲むことが好ましい。
端部キャップは、固定子に固定され、インペラは、１つの接続部と端部キャップとの間に配置されることが好ましい。
２つの端部キャップは、固定子に固定され、軸は、２つの端部キャップによって支持された軸受内にジャーナル軸受されることが好ましい。
各歯は、回転子に面し円弧形状である半径方向内面を有し、内面及び被覆部は、回転子を収容する空間を定める円筒状表面を形成することが好ましい。

第２の態様によると、本発明は、環状ヨーク部と、ヨーク部から内方に延びる複数の固定子歯と、固定子歯の上に巻かれた固定子巻線と、電気絶縁性熱伝導性プラスチック材料で作製された射出成形部材とを含む電気モータのための固定子であって、成形部材は、ヨーク部の外壁上に配置された複数のフィンと、隣接した固定子歯の間の空間に配置され固定子巻線を覆う被覆部と、ヨーク部のそれぞれの軸方向外側端面に配置され被覆部及びフィンに接続された２つの接続部とを含む、固定子を提供する。

従来技術と比較すると、本発明は、以下の利点を有する。
（１）熱伝導性プラスチック材料で作製された被覆部は、ヨーク部の内壁及び固定子巻線を覆い、接続部を介してフィンに接続する。従って、固定子巻線によって発生した熱は、被覆部、２つの接続部及びフィンを介して放散されるので、熱放散は強化される。
（２）従来技術の金属フィンを電気絶縁性のプラスチック材料で作製された成形部材によって置き換えることにより、モータの重量が減少し、製造費用が低減する。
（３）固定子は、塵及び腐食に対する脆弱性が減少して、より信頼できる。

ここで、添付図面の図を参照して、単なる例示として本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、１つより多い図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ参照番号で表記される。図内に示される構成部品及び構造部の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。図を以下に列挙する。

本発明の好ましい実施形態によるモータの図である。 図１のモータの分解図である。 下から見た図１のモータの部分的分解図である。 図１のモータの一部である固定子の断面図である。 図４の固定子の横断面図である。

本発明の例示的な実施形態によるモータ１０は、固定子１１、回転子２０、軸２２及び２つの端部キャップ３０を含む。各端部キャップ３０は、その中央部に軸孔３２を有する。回転子２０は、固定子１１に受けられる。２つの端部キャップ３０は、回転子２０の回転子軸２２が２つの軸孔３２を貫通し、端部キャップによって保持された軸受にジャーナル軸受された状態で、固定子１１のそれぞれの軸方向端部に固定される。

図４及び図５により明確に示されるように、固定子１１は、環状ヨーク部１２と、ヨーク部１２から内方に延びる複数の固定子歯１４と、固定子歯１４の周囲に巻かれた複数の固定子巻線１６と、電気絶縁性熱伝導性プラスチック材料で作製された成形部材４０とを含む。複数の軸方向凹部１３が、ヨーク部１２の外壁に形成される。回転子２０に面する各固定子歯１４の表面は、円弧形状である。成形部材４０は、複数のフィン４２、被覆部４４、及び２つの接続部４６を含む。フィン４２は、帯板形状である。フィン４２は、フィン４２の半径方向内側部が凹部１３に受けられてヨーク部１２との接触表面積を増加させ、かつフィン４２の半径方向外側部がヨーク部１２の外側に露出して熱放散を容易にするような方法で、ヨーク部１２の外壁上に配置される。被覆部４４は、隣接した固定子歯１４の間の空間に配置され、ヨーク部１２の内壁、固定子歯１４の側壁、及び固定子巻線１６を覆う。回転子２０に面する固定子歯１４の表面１５は、被覆部４４によって覆われない。被覆部４４の半径方向内面４５及び固定子歯１４の表面１５は、滑らかに接続され、回転子２０を収容する空間を定める円筒状表面を形成する。２つの接続部４６は、モータの軸と同軸である固定子の軸に対して直角である固定子ヨーク部１２の２つの軸方向端面にそれぞれ設けられる。接続部４６の半径方向外面は、フィン４２と接続する。互いに向き合う接続部４６の表面は、被覆部４４に接続される。固定子巻線１６の端止部１７は、成形部材４０を貫通し、ヨーク部１２の外壁の外側まで延びる。

本実施形態において、フィン４２、被覆部４４及び接続部４６は、単一部品構造、モノリシック構造、一体成形構造として一体的に形成され、固定子鉄心及び固定子巻線と接合される。しかしら、本発明はこの構造に限定されないことを理解されたい。

本実施形態において、接続部４６は、実質的にリング形状であり、ヨーク部１２の端面全体及び歯１４を覆って熱放散を容易にする。しかし、本発明はこの構造に限定されないことを理解されたい。

前述の方法において、固定子巻線１６によって発生した熱は、固定子歯１４を介してヨーク部１２及びフィン４２に伝達されて、次いで放散される。熱は、被覆部４４を介して接続部４６及びフィン４２にも伝達されて、放散される。さらに、熱の一部は、被覆部４４の半径方向内面４５を介して放散させることができる。従って、成形部材４０は、固定子１１の熱放散能力を著しく向上させる。

ヨーク部１２がいずれの凹部１３を有さなくても、熱は、ヨーク部とフィンとの間の直接接触によって、ヨーク部からフィンに伝達できることを理解されたい。この場合、フィン４２は、凹部の助けなしにヨーク部１２の外壁に取り付けられる。

図３に示すように、各フィン４２の軸方向の長さは、２つの接続部４６間の距離より大きいことが好ましい。つまり、フィンは、片方又は両方の接続部を越えて延びることができる。各フィン４２の２つの端部は、２つの端部キャップ３０の軸方向外側端部とそれぞれ位置合わせされることが好ましい。この構成において、熱放散能力は、モータ１０の軸方向の長さを増加させずに、さらに強化される。

モータ１０は、軸２２に固定されたインペラ２４を含むことが好ましい。インペラ２４は、２つの端部キャップ３０の１つと、固定子１１の端面を覆う２つの接続部４６の１つとの間に配置され、接続部を越えて延びるフィン４２の区画によって取り囲まれる。従って、モータが動作していると、インペラ２４は、フィン４２上に空気の流れを生成し、熱を放散させる。

２つの接続部の軸方向外側端面は、接続部４６と空気との間の接触面積を大きくするための複数の溝４８を有することが好ましい。溝４８は、周方向、半径方向又は他の方向に延びることができる。

本発明は、１つ又はそれ以上の好ましい実施形態を参照して説明されるが、当業者であれば、種々の変更が可能であることを認識するであろう。従って、本発明の範囲は、後に続く特許請求の範囲を参照することにより決定されるべきである。

本出願の説明及び特許請求の範囲において、動詞「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」、「含む（ｉｎｃｌｕｄｅ）」、「包含する（ｃｏｎｔａｉｎ）」及び「有する（ｈａｖｅ）」並びにそれらの変形は、包括的な意味で用いられ、記載された項目の存在を指定するが、付加的な項目の存在を排除するものではない。

１０：モータ
１１：固定子
１２：環状ヨーク部
１３：凹部
１４：固定子歯
１５：固定子歯の表面
１６：固定子巻線
１７：固定子巻線の端止部
２０：回転子
２２：軸
２４：インペラ
３０：端部キャップ
３２：軸孔
４０：成形部材
４２：フィン
４４：被覆部
４５：被覆部の半径方向内面
４６：接続部
４８：溝

Claims (10)

1. 固定子、軸、及び前記固定子内に受けられる回転子を含む電気モータであって、前記固定子は、
   環状ヨーク部と、
   前記ヨーク部から内方に延びる複数の固定子歯と、
   前記固定子歯上に巻かれた固定子巻線と、
   前記ヨーク部の外壁上に配置された複数のフィンと、
   隣接した前記固定子歯の間の空間内に配置され、前記固定子巻線を覆う被覆部と、
   前記ヨーク部の２つの軸方向端面にそれぞれ配置され、前記被覆部及び前記フィンに接続された２つの接続部と、
   を含む、熱伝導性プラスチック材料で作製された成形部材と、
   を含むことを特徴とするモータ。
2. 前記接続部の各々はリング形状であり、前記対応する端面を完全に覆うことを特徴とする、請求項１に記載のモータ。
3. 複数の軸方向に延びる凹部が、前記ヨーク部の半径方向外壁上に形成され、
   前記フィンの各々は、前記ヨーク部の前記半径方向外壁上に軸方向に配置され、前記フィンの各々の半径方向内側部は、対応する前記凹部内に受けられることを特徴とする、請求項１〜請求項２のいずれかに記載のモータ。
4. 前記フィンの各々は、前記モータの軸方向に延び、かつ、前記２つの接続部の少なくとも１つを超えて延びることを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれかに記載のモータ。
5. 複数の溝が、前記２つの接続部の軸方向外面内に形成されることを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれかに記載のモータ。
6. 前記成形部材は、単一部品構造、モノリシック構造、射出成形構造として一体的に形成されることを特徴とする、請求項１〜請求項５のいずれかに記載のモータ。
7. 前記軸に固定され、前記固定子の一端に配置されたインペラをさらに含み、
   前記フィンは、前記対応する接続部を通り過ぎて延び、前記インペラを半径方向に囲むことを特徴とする、請求項１〜請求項６のいずれかに記載のモータ。
8. 前記固定子に固定された端部キャップをさらに含み、前記インペラは、前記１つの接続部と前記端部キャップとの間に配置されることを特徴とする、請求項７に記載のモータ。
9. 前記固定子に固定された２つの端部キャップをさらに含み、
   前記軸は、前記２つの端部キャップにより支持された軸受内に軸支されることを特徴とする、請求項１〜請求項７のいずれかに記載のモータ。
10. 前記歯の各々は、前記回転子に面し、円弧形である半径方向内面を有し、前記内面及び前記被覆部は、前記回転子を収容する空間を定める円柱面を形成することを特徴とする、請求項１〜請求項９のいずれかに記載のモータ。

Images