JP6172493B2 - モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法 - Google Patents

モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6172493B2
JP6172493B2 JP2012253259A JP2012253259A JP6172493B2 JP 6172493 B2 JP6172493 B2 JP 6172493B2 JP 2012253259 A JP2012253259 A JP 2012253259A JP 2012253259 A JP2012253259 A JP 2012253259A JP 6172493 B2 JP6172493 B2 JP 6172493B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil bobbin
protection member
rotor
coil
bobbin protection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012253259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014103743A (ja
Inventor
近藤 充
充 近藤
敬暁 及能
敬暁 及能
和義 久我
和義 久我
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems Ltd
Priority to JP2012253259A priority Critical patent/JP6172493B2/ja
Publication of JP2014103743A publication Critical patent/JP2014103743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6172493B2 publication Critical patent/JP6172493B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、回転子の着磁工程において、固定子側のコイルボビンを破損から保護するようにしたモータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法に関するものである。
電動モータは、モータケースの内部に固定された固定子(ステータ)と、この固定子の内側で、固定子に対して回転自在に軸支された回転子(ロータ)とを備えて構成されている。近年主流の電動モータは、特許文献1に開示されているように、回転子を取り囲む固定子の複数のティース部(鉄心)にコイルボビン(絶縁部材)を嵌め込み、このコイルボビンを介してティース部の周囲に巻線を施して複数のコイルを形成する、いわゆる集中巻きと呼ばれる方式が採用されている。コイルボビンは、磁力の影響を受けないように樹脂成形品となっている。
一方、回転子は、回転軸に対して一体回転するように設けられたヨーク部の内部に永久磁石が埋設された構造であり、上記永久磁石は無着磁の状態で固定子の中に組み込まれた後で着磁される。したがって、回転子の永久磁石は当初は磁力が無く、回転子が固定子の複数のコイル間に挿入されてコイルに大電流が流されることによって初めて着磁される。固定子に大電流が流されるのはこの着磁工程時だけである。
特許第3679305号公報
前記の着磁工程時には、固定子のコイルに、電動モータの通常作動時を上回る大電流が流されるため、各コイルに強大な磁界が発生し、隣接するコイル同士の磁力により、各コイルの巻線が変形し、これによって樹脂製のコイルボビンが破損してしまう虞があった。具体的には、コイルボビンには、回転軸の軸方向視で、外周側に位置する外側鍔部と、内周側に位置して巻線の脱落を防止する内側鍔部と、これらを連結して巻線が施される胴部とから構成されているが、着磁工程時の強磁界により、内側鍔部が内周側(回転軸側)に強く引かれて折損してしまう傾向があった。
上記の破損を防止するために、コイルボビンの内側鍔部およびその周辺の肉厚を大きくして強度を高めることが考えられるが、コイルボビンは樹脂成型品であるため、その肉厚が所定厚以上になると空孔が発生し、却って強度が低下する懸念がある。また、内側鍔部の肉厚増大に伴って固定子の直径や長さが大きくなり、電動モータの小型化を妨げてしまう。さらに、内側鍔部に強度が必要とされるのは着磁工程時のみであり、完成後の作動時には必要ないため、そのためだけに高額な費用を掛けてコイルボビンの金型を改修するのは少なからず無駄である。
加えて、昨今では回転子に用いられる永久磁石の原料となる希土類元素(レアアース)の価格が高騰しているため、希土類元素の使用量を抑えながら、着磁工程時における電流値を高めて同等の着磁性が得られるようにしている。このため、着磁工程時における磁界がより強まる傾向にあり、コイルボビンの内側鍔部が破損する可能性が高まっている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、コイルボビンの形状を変更することなく、簡素な形状により、回転子の着磁工程時におけるコイルボビンの破損を防止できるモータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係るモータ固定子のコイルボビン保護部材は、ティース部に樹脂成形されたコイルボビンが装着され、該コイルボビンを介して前記ティース部の周囲に巻線が施されてコイルが形成された固定子の内部に回転子を組み込んだ状態で、前記コイルに電動モータの通常作動時を上回る電流を流して前記回転子を着磁させる際に、前記コイルボビンに装着し、前記回転子の着磁後に前記コイルボビンから取り外す前記コイルボビンの保護部材であって、前記コイルボビンに形成されて前記コイルの内周側を保持する内側鍔部に径方向内側から当接し、該内側鍔部が径方向内側に傾倒することを防止する形状であることを特徴とする。
このコイルボビン保護部材をコイルボビンに装着することにより、コイルボビンに形成されている内側鍔部にコイルボビン保護部材が径方向内側から当接し、これにより内側鍔部が径方向内側に傾倒できなくなる。
このため、固定子の内部に回転子を組み込んだ状態で、固定子のコイルに電動モータの通常作動時を上回る電流を流して回転子を着磁させる着磁工程時に、隣接するコイル同士の磁力による影響で内側鍔部が径方向内側に強く引っ張られても、内側鍔部が径方向内側には傾倒せず、これにより、コイルボビンの形状を変更することなく、内側鍔部の破損(折損)を防止することができる。なお、コイルボビン保護部材は着磁工程後に固定子(コイルボビン)から取り外すことができるため、電動モータの作動には差し支えない。
上記の構成において、前記コイルボビン保護部材を、前記コイルボビンに形成されて前記コイルの外周側を保持する外側鍔部の外周面と、前記内側鍔部の内周面とを、それぞれ前記外側鍔部の外周側と前記内側鍔部の内周側とから挟むことによって前記内側鍔部が径方向内側に傾倒することを防止する形状に形成してもよい。
上記構成によれば、外側鍔部の強度を利用して内側鍔部の傾倒を防止することができるため、コイルボビン保護部材の形状を簡素化することができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材に、前記回転子を挿通可能な貫通穴を設けてもよい。これにより、固定子およびコイルボビンにコイルボビン保護部材を装着した状態で回転子を固定子に出し入れすることができるため、回転子がコイルボビン保護部材に干渉することを防止し、回転子の着磁工程を容易にすることができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材を、前記コイルボビンとの嵌合時に、前記内側鍔部を、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧する押圧力を付与するように寸法設定するのが好ましい。
上記のコイルボビン保護部材をコイルボビンに装着すると、各内側鍔部が、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧されるため、回転子の着磁工程時に内側鍔部が径方向内側に強く引っ張られても、内側鍔部が径方向内側に傾倒して破損することをより効果的に防止することができる。
しかも、コイルボビン保護部材と内側鍔部との間が摩擦係合するため、コイルボビン保護部材をコイルボビン側に保持させる保持形状を特に設けなくてもよく、コイルボビン保護部材の形状を簡素にすることができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材に、複数の前記内側鍔部の先端が差し込まれる環状の嵌合溝を形成してもよい。これにより、環状嵌合部に差し込まれる全ての内側鍔部が径方向外側に傾倒することが防止されて折損を防止される。そして、コイルボビン保護部材を簡素な形状に形成することができる。
また、上記のように環状に形成したコイルボビン保護部材に、周方向に沿って1つ以上の分割部を設けてもよい。こうすれば、環状のコイルボビン保護部材の中心に回転子の回転軸が挿通されていても、コイルボビン保護部材をコイルボビンに対して容易に着脱することができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材を、径方向に対向する前記内側鍔部の間に突っ張るように介装される形状に形成してもよい。この場合は、非常に簡素な形状により、対向する内側鍔部同士が径方向内側に傾倒することを防止することができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材は、可撓性材料で形成されていることが好ましい。これにより、コイルボビン保護部材をコイルボビンに装着する際に、コイルボビン保護部材とコイルボビンとの間の摩擦を大きくして保持力を高めるとともに、コイルボビン保護部材の着脱性を向上させることができる。
また、上記の構成において、前記コイルボビン保護部材は、非磁性材料で形成されていることが好ましい。これにより、コイルボビン保護部材をコイルボビンに装着した状態で回転子の着磁が行われる際に、コイルボビン保護部材によって磁界が乱されることがないため、回転子の着磁性が低下することを防止できる。
また、本発明に係るモータ回転子の着磁方法は、上記のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材を前記コイルボビンに装着した状態で、前記固定子のコイルに電動モータの通常作動時を上回る電流を流し、前記固定子の内部に組み込まれた前記回転子を着磁させ、前記回転子の着磁後に前記コイルボビンから取り外すことを特徴とする。
このようにコイルボビン保護部材を固定子のコイルボビンに装着すれば、コイルボビンの内側鍔部にコイルボビン保護部材が径方向内側から当接し、内側鍔部が径方向内側に傾倒することが防止される。このため、回転子の着磁工程中に、隣接するコイル同士の磁力による影響で内側鍔部が径方向内側に強く引っ張られても、内側鍔部の径方向内側への傾倒と破損を防止できる。したがって、コイルボビンの形状を変更することなく、内側鍔部の破損を防止することができる。
以上のように、本発明に係るモータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法によれば、コイルボビンの形状を変更することなく、簡素な形状により、回転子の着磁工程時におけるコイルボビンの破損(内側鍔部の折損)を有効に防止することができる。
巻線が施されてコイルが形成されたコイルボビンの縦断面図であり、図2のI-I線に沿う縦断面図である。 図1のII矢視による平面図である。 本発明の第1実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の縦断面図であり、図4のIII-III線に沿う縦断面図である。 図3のIV矢視による平面図である。 図3のV部を拡大した縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の縦断面図であり、図7のVI-VI線に沿う縦断面図である。 図6のVII矢視による平面図である。 本発明の第3実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の縦断面図であり、図9のVIII-VIII線に沿う縦断面図である。 図8のIX矢視による平面図である。 本発明の第4実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の縦断面図であり、図11のX-X線に沿う縦断面図である。 図10のXI矢視による平面図である。 本発明の第5実施形態を示すコイルボビン保護部材の縦断面図であり、図13のXII-XII線に沿う縦断面図である。 図12のXIII矢視による平面図である。 本発明の第6実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の平面図である。 本発明の第7実施形態を示すコイルボビンおよびコイルボビン保護部材の平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るコイルボビン保護部材を適用可能なコイルボビンの一例を示す縦断面図であり、図2は図1のII矢視による平面図である。なお、図1は図2のI-I線に沿う縦断面図である。
コイルボビン1は、略円筒形状の部品であり、外周側に位置する外側鍔部2と、内周側に位置する複数の(ここでは図の簡略化のため4個としている)内側鍔部3と、外側鍔部2と内側鍔部3との間を連結する胴部4とが射出成形等により一体に樹脂成形されている。なお、図1と図2は大幅に簡略化した図であり、実際には図示しないモータ固定子に装着するために必要な所定の形状(段、穴、凸部、凹部、切欠等)が形成されている。
複数の胴部4は角パイプ状であり、その内側に、図示しないモータ固定子の複数のティース部(鉄心)がそれぞれ挿入される。外側鍔部2と内側鍔部3と胴部4は上記のように一体に樹脂成形されるが、全体の形状としては分割線Pを境に軸方向に2分割される構造であり、固定子のティース部に対して軸方向両端から被着される。
固定子のティース部に装着されたコイルボビン1の胴部4には巻線5が施されてコイル6が形成される。外側鍔部2はコイル6(巻線5)の径方向外側を保持し、内側鍔部3はコイル6の径方向内側を保持する。こうして、固定子のティース部の周囲にコイルボビン1の胴部4を介してコイル6が形成される。
電動モータの図示しない回転子は、周知の通り、回転軸に対して一体回転するように設けられたヨーク部の内部に永久磁石が埋設された構造であり、上記永久磁石は無着磁の状態で固定子の中に組み込まれ、その後、回転子が固定子(コイルボビン1)に形成された複数のコイル6の間に挿入され、コイル6に電流が流されることによって着磁される。この着磁工程時にコイル6に流される電流は、電動モータの通常作動時を上回る大電流であるため、各コイル6に強大な磁界が発生し、隣接するコイル6同士の磁力により、各コイル6の巻線5が変形し、これによってコイルボビン1の内側鍔部3が径方向内側に傾倒して破損してしまう虞があった。
このため、本発明では、回転子の着磁工程時に、図3〜図15に示す、着脱可能に形成されたコイルボビン保護部材をコイルボビン1に装着することによって内側鍔部3の破損を防止するようにした。以下、コイルボビン保護部材の7つの実施形態を個別に説明する。
〔第1実施形態〕
図3は本発明の第1実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Aの縦断面図であり、図4は図3のIV矢視による平面図である。なお、図3は図4のIII-III線に沿う縦断面図である。
コイルボビン保護部材8Aは、例えばコイルボビン1の両端開口部を閉塞するキャップ状に形成されており、軟質樹脂等の可撓性材料によって一体に樹脂形成されている。しかし、樹脂材料および可撓性材料には限定されず、他の材質であってもよい。また、材質は非磁性材料であることが望ましく、樹脂以外の材料を用いるならば、アルミニウム系、オーステナイト系、ステンレス系、チタニウム系の金属等が考えられる。また、所定の強度が得られれば木材や厚紙、陶器類(セラミック等)等で形成することも考えられる。
コイルボビン保護部材8Aは、円形に形成された天板部11と、この天板部11の内面且つ径方向最外周部に形成された外周フランジ12と、この外周フランジ12よりも径方向内周側に同心状に形成された内周フランジ13とを備えて成形されている。外周フランジ12はコイルボビン1の外側鍔部2に径方向外側から当接し、内周フランジ13はコイルボビン1の内側鍔部3に径方向内側から当接する。この外周フランジ12と内周フランジ13とにより、外側鍔部2の外周面と内側鍔部3の内周面とが、それぞれ外周側からと内周側から挟まれる形となる。このため、内側鍔部3が径方向内側に傾倒することが防止される。
また、コイルボビン保護部材8Aは、内側鍔部3との嵌合時に、内側鍔部3を、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧する押圧力を付与するように寸法設定されている。例えば、コイルボビン保護部材8Aが軟質樹脂等の可撓性材料で形成されている場合に、図5に図3のV部を拡大して示すように、外周フランジ12の内周面と内周フランジ13の外周面との間の内寸S1を、コイルボビン1の外側鍔部2の外周面と内側鍔部3の内周面との間の外寸S2に対して少々圧入気味の嵌合となるように設定する。ここで、外周フランジ12の内周面と内周フランジ13の外周面の少なくとも一方を浅い角度(1〜3°程度)のテーパー面とするのが好ましい。
こうすれば、コイルボビン保護部材8Aをコイルボビン1に装着した時に、コイルボビン保護部材8Aの外周フランジ12と内周フランジ13とによって、コイルボビン1の外側鍔部2と内側鍔部3とが面圧力を伴って挟まれるようになり、内側鍔部3が径方向内側に傾倒することがより効果的に防止される。
本発明に係るモータ回転子の着磁方法は、上記のように構成されたコイルボビン保護部材8Aをコイルボビン1に装着した状態で、電動モータの回転子を固定子に挿入し、コイル6に大電流を流して回転子の着磁工程を実施する。この時、隣接するコイル6同士の強大な磁力により、各コイル6の巻線5が変形し、コイルボビン1の内側鍔部3を径方向内側に傾倒させようとする力が加わるが、内側鍔部3にコイルボビン保護部材8Aの内周フランジ13が径方向内側から当接しているため、内側鍔部3が径方向内側に傾倒することがない。
こうして、コイルボビン1の形状を変更することなく、内側鍔部3の破損を防止することができる。なお、コイルボビン保護部材8Aは着磁工程後に固定子(コイルボビン1)から取り外すことができるため、電動モータの作動には差し支えない。また、このコイルボビン保護部材8Aは、コイルボビン1(固定子)の両端開口部を閉塞するキャップ状に形成されているため、固定子を次工程に搬送する時にコイルボビン保護部材8Aを取り付けた状態で搬送すれば、固定子の防塵、防水部材として活用することができる。
また、このコイルボビン保護部材8Aは、その外周フランジ12と内周フランジ13とが、それぞれコイルボビン1の外側鍔部2の外周面と、内側鍔部3の内周側とに当接し、これらを外周側と内周側とから挟むことによって内側鍔部3が径方向内側に傾倒することを防止する形状であるため、外側鍔部2の強度を利用して内側鍔部3の傾倒を防止することができ、これによってコイルボビン保護部材8Aの形状を簡素化することができる。
さらに、このコイルボビン保護部材8Aは、コイルボビン1との嵌合時に、コイルボビン1の内側鍔部3を、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧する押圧力を付与するように、外周フランジ12の内周面と内周フランジ13の外周面との間の内寸S1が寸法設定されている。このため、このコイルボビン保護部材8Aが装着されたコイルボビン1および回転子の着磁工程時に、磁力によって内側鍔部3が径方向内側に強く引っ張られても、内側鍔部3が径方向内側に傾倒して破損することをより効果的に防止することができる。
しかも、上記の寸法設定(S1,S2の関係)により、コイルボビン1の各内側鍔部3が、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧されるため、回転子の着磁工程時に内側鍔部3が径方向内側に強く引っ張られても、内側鍔部3が径方向内側に傾倒して破損することをより効果的に防止することができる。
また、コイルボビン保護部材8Aを軟質樹脂等の可撓性材量で形成することにより、上記の各効果をより顕著に発揮させることができ、しかも、これによってコイルボビン保護部材8Aをコイルボビン1に装着する際に、コイルボビン保護部材8Aとコイルボビン1との間の摩擦を大きくして保持力を高め、脱落を防止するとともに、コイルボビン保護部材8Aの着脱性を向上させることができる。このため、コイルボビン保護部材8Aをコイルボビン1側に保持させる保持形状を別段設けなくてもよく、コイルボビン保護部材8Aの形状を簡素に保ちつつ、その脱落を防止することができる。
また、コイルボビン保護部材8Aを非磁性材料で形成することにより、このコイルボビン保護部材8Aをコイルボビン1に装着した状態で回転子の着磁が行われる際に、コイルボビン保護部材8Aによって磁界が乱されることがない。このため、回転子の着磁性が低下することを防止できる。
〔第2実施形態〕
図6は本発明の第2実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Bの縦断面図であり、図7は図6のVII矢視による平面図である。なお、図6は図7のVI-VI線に沿う縦断面図である。
ここに示すコイルボビン保護部材8Bは、図3、図4に示す第1実施形態のコイルボビン保護部材8Aの天板部11に貫通穴15が設けられている。それ以外の構成はコイルボビン保護部材8Aと同一であるため、各部に同一符号を付して説明を省略する。
この貫通穴15の内径は、内周フランジ13の内径と同一であり、図示しない回転子の回転軸およびヨーク部の全体が通過できる大きさである。このような貫通穴15を設けることにより、固定子およびコイルボビン1にコイルボビン保護部材8Bを装着した状態で回転子を固定子に出し入れすることができる。このため、回転子がコイルボビン保護部材8Bに干渉することを防止し、回転子の着磁工程を容易にすることができる。
〔第3実施形態〕
図8は本発明の第3実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Cの縦断面図であり、図9は図8のIX矢視による平面図である。なお、図8は図9のVIII-VIII線に沿う縦断面図である。
ここに示すコイルボビン保護部材8Cは、図6、図7に示す第2実施形態のコイルボビン保護部材8Bから、コイルボビン1の4つの内側鍔部3に対応する部分のみを残して他を削除した4つのクリップ状に形成されている。即ち、コイルボビン1の外側鍔部2の外周面に径方向外側から当接する外周段部17と、コイルボビン1の内側鍔部3の内周面に当接する内周段部18と、これら外周段部17と内周段部18との間を接続する接続板19とを備えて、平面視(図9参照)で略矩形の形状に形成されている。
外周段部17と内周段部18との内寸は、第1実施形態のコイルボビン保護部材8Aと同様に、コイルボビン1の外側鍔部2の外周面と内側鍔部3の内周面との間の外寸に対して軽く圧入気味となるように、きつめに設定されており、コイルボビン保護部材8Cをコイルボビン1に装着した時に、コイルボビン保護部材8Cの外周段部と内周段部とによって、コイルボビン1の外側鍔部2と内側鍔部3とが面圧力を伴って挟まれるようになっている。
これらのコイルボビン保護部材8Cをコイルボビン1に装着することにより、コイルボビン1の外側鍔部2の外周面と、内側鍔部3の内周面とがコイルボビン保護部材8Cによって径方向に挟み込まれるため、内側鍔部3が径方向内側に傾倒することが防止され、回転子の着磁工程時における内側鍔部3の折損が防止される。このコイルボビン保護部材8Cは小形であるため、成形型費や材料費を安くできる利点がある。
〔第4実施形態〕
図10は本発明の第4実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Dの縦断面図であり、図11は図10のXI矢視による平面図である。なお、図10は図11のX-X線に沿う縦断面図である。
ここに示すコイルボビン保護部材8Dは、コイルボビン1の内側鍔部3の先端が差し込まれる溝状の環状嵌合部21(嵌合溝)を有する環状に形成されている。即ち、コイルボビン保護部材8Dは、内側鍔部3の直径よりも少し大きい円板状に形成されており、その外周部が厚肉部22とされ、この厚肉部22に囲まれて薄肉部23が形成されている。そして、厚肉部22の一面側に、環状且つ溝状に環状嵌合部21が形成されている。環状嵌合部21の溝幅は、内側鍔部3の先端が圧入気味に嵌合されるように設定されている。
このように構成されたコイルボビン保護部材8Dをコイルボビン1に装着すると、各内側鍔部3の両端部がそれぞれコイルボビン保護部材8Dの環状嵌合部21に差し込まれ、全ての内側鍔部3が径方向外側に傾倒することが防止される。このため、回転子の着磁工程時における内側鍔部3の折損を防止することができる。このコイルボビン保護部材8Dは、小形で簡素な形状に形成できるため、低コストに形成することができる。
〔第5実施形態〕
図12は本発明の第5実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Eの縦断面図であり、図13は図12のXIII矢視による平面図である。なお、図12は図13のXII-XII線に沿う縦断面図である。
ここに示すコイルボビン保護部材8Eは、図10、図11に示す第4実施形態のコイルボビン保護部材8Dの薄肉部21の代わりに貫通穴25が設けられている。それ以外の構成はコイルボビン保護部材8Dと同一である。
この貫通穴25の内径は、図示しない回転子の回転軸およびヨーク部の全体が通過できる大きさである。このような貫通穴25を設けることにより、固定子およびコイルボビン1にコイルボビン保護部材8Eを装着した状態で回転子を固定子に出し入れすることができる。このため、回転子がコイルボビン保護部材8Eに干渉することを防止し、回転子の着磁工程を容易にすることができる。
〔第6実施形態〕
図14は本発明の第6実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Fの平面図である。このコイルボビン保護部材8Fは、図12および図13に示す第5実施形態のコイルボビン保護部材8Eに2個所の分割部27を設けたものであり、この分割部27以外の構成はコイルボビン保護部材8Eと同一である。
分割部27を設けることにより、環状のコイルボビン保護部材8Fの中心に回転子の回転軸が挿通されていても、コイルボビン保護部材8Fをコイルボビン1に対して容易に着脱することができる。なお、コイルボビン保護部材8Fが可撓性材料で形成されているのであれば、分割部27を1箇所のみに設けてもよい。この場合は、コイルボビン保護部材8Fを変形させることによって分割部27の幅を開いて、固定子の回転軸を通すことができる。
〔第7実施形態〕
図15は本発明の第7実施形態を示すコイルボビン1およびコイルボビン保護部材8Gの平面図である。このコイルボビン保護部材8Gは、径方向に対向する内側鍔部3の間に突っ張るように介装される形状に形成されている。この実施形態では、2枚の板状に形成されたこのコイルボビン保護部材8Gが十字架状に設置され、その各々が、対向する一対の内側鍔部3の間に架設されている。各コイルボビン保護部材8Gの先端部は内側鍔部3の湾曲に一致する曲率の曲線となっている。なお、2つのコイルボビン保護部材8Gは一体であってもよい。
このように形成されたコイルボビン保護部材8Gは、回転子の着磁工程時に互いに径方向内側に傾倒しようとする2つの内側鍔部3の間を突っ張るように介装されるため、非常に簡素な形状により、対向する内側鍔部3同士が径方向内側に傾倒することを食い止めることができる。また、形状が簡素であるため、製造性が良く、コイルボビン1への着脱性にも優れる。さらに、取り外したコイルボビン保護部材8Gの保管も容易である。
以上説明したように、上記各実施形態に例示されるコイルボビン保護部材8A〜8Gおよびこれらを用いたモータ回転子の着磁方法によれば、コイルボビン1の形状を変更することなく、簡素な形状により、回転子の着磁工程時におけるコイルボビン1の破損を防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。例えば、上記各実施形態の構成を組み合わせる等してもよい。
1 コイルボビン
2 外側鍔部
3 内側鍔部
4 胴部
5 巻線
6 コイル
8A,8B,8C,8D,8E,8F,8G コイルボビン保護部材。
12 外周フランジ
13 内周フランジ
15,25 貫通穴
21 環状嵌合部(嵌合溝)
27 分割部
S1 外周フランジの内周面と内周フランジの外周面との間の内寸
S2 外側鍔部の外周面と内側鍔部の内周面との間の外寸

Claims (10)

  1. ティース部に樹脂成形されたコイルボビンが装着され、該コイルボビンを介して前記ティース部の周囲に巻線が施されてコイルが形成された固定子の内部に回転子を組み込んだ状態で、前記コイルに電動モータの通常作動時を上回る電流を流して前記回転子を着磁させる際に、前記コイルボビンに装着し、前記回転子の着磁後に前記コイルボビンから取り外す前記コイルボビンの保護部材であって、
    前記コイルボビンに形成されて前記コイルの内周側を保持する内側鍔部に径方向内側から当接し、該内側鍔部が径方向内側に傾倒することを防止する形状であることを特徴とするモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  2. 前記コイルボビンに形成されて前記コイルの外周側を保持する外側鍔部の外周面と、前記内側鍔部の内周面とを、それぞれ前記外側鍔部の外周側と前記内側鍔部の内周側とから挟むことによって前記内側鍔部が径方向内側に傾倒することを防止する形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  3. 前記回転子を挿通可能な貫通穴を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  4. 前記コイルボビンとの嵌合時に、前記内側鍔部を、その弾性変形範囲内で径方向外側に押圧する押圧力を付与するように寸法設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  5. 複数の前記内側鍔部の先端が差し込まれる環状の嵌合溝を有することを特徴とする請求項1に記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  6. 周方向に沿って1つ以上の分割部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  7. 径方向に対向する前記内側鍔部の間に突っ張るように介装される形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  8. 可撓性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  9. 非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のモータ固定子のコイルボビン保護部材を前記コイルボビンに装着した状態で、前記固定子のコイルに電動モータの通常作動時を上回る電流を流し、前記固定子の内部に組み込まれた前記回転子を着磁させ、前記回転子の着磁後に前記コイルボビンから取り外すことを特徴とするモータ回転子の着磁方法。
JP2012253259A 2012-11-19 2012-11-19 モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法 Active JP6172493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012253259A JP6172493B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012253259A JP6172493B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014103743A JP2014103743A (ja) 2014-06-05
JP6172493B2 true JP6172493B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=51025811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012253259A Active JP6172493B2 (ja) 2012-11-19 2012-11-19 モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6172493B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015180145A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電動モータの着磁方法
JP6439096B2 (ja) * 2014-12-18 2018-12-19 多摩川精機株式会社 レゾルバステータ構造
WO2018043364A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 巻線固定構造体、及び電動機

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3749389B2 (ja) * 1999-02-02 2006-02-22 東芝キヤリア株式会社 圧縮機用電動機の着磁方法
JP2003047188A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Aichi Elec Co 電動機の固定子
JP2007068298A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Sanyo Electric Co Ltd 絶縁性巻線保護具およびそれを用いた着磁方法
JP5025167B2 (ja) * 2006-05-30 2012-09-12 アイチエレック株式会社 電動機
KR20080023456A (ko) * 2006-09-11 2008-03-14 삼성광주전자 주식회사 압축기 모터의 마그네트 착자방법
JP4677026B2 (ja) * 2008-12-02 2011-04-27 日本電産サーボ株式会社 ハイブリッド型2相永久磁石回転電機
JP2010213543A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Toyota Motor Corp 回転電機のステータおよび回転電機
JP5240131B2 (ja) * 2009-09-02 2013-07-17 トヨタ自動車株式会社 電動機の冷却構造
JP5423533B2 (ja) * 2010-03-31 2014-02-19 株式会社富士通ゼネラル モールドモータ
JP2015180145A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社 電動モータの着磁方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014103743A (ja) 2014-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6273499B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機およびその製造方法
US20120200186A1 (en) Rotor for electric rotating machine
WO2015093074A1 (ja) モータ
US8680732B2 (en) Rotary electric machine
JP2003339141A5 (ja)
JP6071275B2 (ja) 永久磁石モータおよび永久磁石モータの製造方法
US20190097504A1 (en) Permanent magnet rotor, method for the production thereof using a magnetizing fixture
JP2003047212A (ja) 配向装置及び着磁装置
JP2013198303A (ja) 永久磁石式回転機の回転子構造
JP6172493B2 (ja) モータ固定子のコイルボビン保護部材およびこれを用いたモータ回転子の着磁方法
US20160111927A1 (en) Rotor
CA2867248A1 (en) Radial magnetic bearing and method of manufacture
MY136315A (en) Motor
JP2009247041A (ja) 回転機
JP2010011626A (ja) 電気モータ用回転子
KR100570461B1 (ko) 회전자
JP5852418B2 (ja) ロータ及びモータ
JP6192400B2 (ja) 永久磁石電動機およびその着磁方法
JP6101716B2 (ja) 永久磁石式同期モータ
JP5929147B2 (ja) 回転電機のロータ構造
JP3983693B2 (ja) ロータ及びブラシレスモータ
JP2008017645A (ja) 永久磁石埋込型電動機
US20180219440A1 (en) Outer rotor type motor
JP2006314196A (ja) 永久磁石埋込型電動機
KR102155890B1 (ko) 축 방향 스포크 타입 전동기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170523

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6172493

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350