JP4149096B2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットを有しない円筒状の固定子鉄心内に円筒状の固定子巻線が収容されてなる回転電機の固定子に係わり、特に、固定子の放熱性向上に有効な技術、及び固定子巻線の端部を応力集中による破壊から保護するのに有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、固定子の放熱性向上に有効な技術として、特開昭53−54705号に開示された回転電機の固定子が知られている。
この固定子は、ケーシング(ヨーク)と固定子巻線(コイル)との間に熱伝導部材が挿入された構成を有しており、固定子鉄心と固定子巻線間だけでなく、ケーシングと固定子巻線間をも完全に密着させることにより、放熱性を大幅に向上させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この固定子はいわゆるスロット(溝部)を有する固定子であり、ケーシングと固定子巻線との間に熱伝導部材が挿入されてはいるものの、固定子巻線と固定子鉄心との間には熱伝導部材が挿入されていないことから、固定子の周方向に沿って温度分布がバラつく構成となっている。
従って、作動時に熱歪みが生じると、熱伝導部材を介して密着状態にあるケーシングと固定子巻線とが分離し、放熱性の低下を来すおそれがある。
【0004】
他方、従来のスロットレス固定子において、スロットを有しない円筒状の固定子鉄心内に円筒状の固定子巻線が収容されてなる場合には、固定子鉄心と固定子巻線間の絶縁を確保する為、絶縁紙(例えば、デュポン社製のノーメックスシート等)を固定子鉄心と固定子巻線間に挿入することがある。
ところが、このような絶縁紙は、絶縁性は十分なものの、熱伝導性及び可撓性が不足しており、固定子鉄心及び固定子巻線との密着性を確保することが出来ない為、界面に空気層を挟んでしまう事となり、放熱を阻害する要因となっていた。
また、スロットレス固定子は、一般に、スロットを有しない固定子鉄心に固定子巻線を内挿した後、固定子巻線にマンドレルを内挿し、これらを一体にしたままの状態で樹脂を含浸硬化させることにより成形される。
ところが、加熱硬化時にマンドレルが熱膨張すると、固定子巻線の端部が固定子鉄心のエッジ部(外周面と端面との交差稜線部)に押し付けられ、エッジ部に押圧された部分に応力が集中するため、固定子巻線が破壊されて絶縁層がなくなり、ショートする場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、固定子の放熱性を向上させること、及び固定子巻線の端部を応力集中による破壊から保護することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、本発明に係る回転電機の固定子は、スロットを有しない円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心の内部に収容される円筒状の固定子巻線と、前記固定子鉄心と前記固定子巻線との間に挿入される放熱シートと、を備え、前記固定子巻線は、径方向外方に押し広がろうとするように、径方向内方に圧縮された状態で前記固定子鉄心内に組み込まれ、前記放熱シートは、押圧により変形可能な可撓性を有する絶縁材料からなり、弾性変形により前記固定子鉄心の内周面および前記固定子巻線の外周面に密着した状態で配置され、前記固定子鉄心の端部と前記固定子巻線の端部との間には、さらに保護シートが挿入されていることを特徴としている。
【0007】
この構成では、スロットを有しない固定子鉄心と固定子巻線との間に、放熱シートを挿入しているから、作動時における固定子周方向に沿う温度分布のバラつきが抑制され、固定子鉄心と固定子巻線との密着状態がより確実に保持されると共に、固定子巻線で発生した熱が放熱シートを介して効果的に伝達され、放熱性が向上する。
【0008】
この構成において、放熱シートが良熱伝導性の充填剤を含有している場合には、強度や絶縁性の低下を来すことなく、放熱性を向上させることが可能となる。
また、以上の構成において、放熱シートが押圧により変形可能な可撓性を有するゴム系材料からなる場合には、その一方の面を固定子巻線の凹凸に倣って密着させると共に、他方の面を固定子鉄心に密着させることができるから、絶縁性を確保しつつ、放熱性が更に向上させることが可能となる。
【0009】
以上のような物性を有する放熱シートは、マトリックス樹脂と熱伝導性充填剤を配合する事により得られるものであり、具体的にいえば、上記マトリックス樹脂としては、天然ゴム、あるいは、ブタジエンゴム,ニトロルゴム,ブチルゴム,シリコンゴム,フッ素ゴム,アクリルゴム等の合成ゴム等を用いる事が出来る。
また、上記熱伝導性充填剤としては、窒化ボロン,窒化アルミニウム,アルミナ等を用いる事が出来る。
特に、放熱シートにシリコンゴムシートを用いた場合には、その弾性変形により、一方の面は固定子巻線の凹凸に倣って密着し、他方の面は固定子鉄心に密着するから、放熱性がより一層向上することとなる。さらに、固定子巻線が熱を発生し、高温になっても、耐熱性に優れる点、及びハロゲン等を含まない為、有毒ガスが発生しない等の点からもシリコンゴムシートは好適である。
また、熱伝導性充填剤としては、高熱伝導率を有し、かつ、電気絶縁性,化学的安定性,充填性に優れる窒化ボロンが、電気絶縁用途,放熱充填剤としても広く用いられており、好適である。
そのような構成をとるシリコン放熱シートは、トランジスタ放熱用途等で市販されており、例えば、信越化学製の放熱シリコンゴムシート(TC−BGタイプ)、デンカ製の放熱シート(BFGタイプ)等の使用が可能である。
【0010】
さらにまた、上記いずれかの構成において、前記固定子鉄心の端部と前記固定子巻線の端部との間に、さらに保護シートを挿入した場合には、固定子巻線の端部が保護シートによって補強されるから、固定子の部に応力集中が生じても、固定子巻線を破壊から有効に保護することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、スロットレス固定子1を備えた回転電機3が示されており、この回転電機3は、例えば数kW〜数十kWとされ、数万回転以上の回転数で使用される高速回転電気機械に用いて好適なものである。
【0012】
回転電機3は、ケーシング5により外形が形成されており、該ケーシング5の中心軸線上に回転子7が軸受(図示略)を介して回転自在に配置されている。
ケーシング5には、油圧回路4の一部をなすオイル通路6が形成されている。
このオイル通路6には、供給源8から潤滑オイルが供給され、この潤滑オイルにより軸受の潤滑、及びスロットレス固定子1の冷却が同時に行われる。
このとき、スロットレス固定子1の冷却は、図1の矢印で示すように、内周から外周の順に行われる。
【0013】
回転子7には、界磁発生手段としての永久磁石が組み込まれている。
永久磁石は、回転子7の表面において径方向に磁束を発生するp極(pは2以上の偶数)の磁極を形成するように構成されている。
この永久磁石としては、Sm-Co,Nd-Fe-B焼結磁石等の希土類磁石が好適である。
【0014】
回転子7の周りには、空隙11およびインナーチューブ(図示略)を介して、スロットレス固定子1が配置されている。
このインナーチューブは、スロットレス固定子1の内周側を流通する潤滑オイル(図1中の矢印)を遮蔽するものであり、例えば、ジルコニアセラミックスからなる。
【0015】
スロットレス固定子1は、固定子巻線15を固定するための溝部(スロット)が形成されていないものである。
また、スロットレス固定子1は、回転子7側に位置する固定子巻線15と、ケーシング5側に位置する固定子鉄心17とから構成され、自然状態にて固定子鉄心17の内径よりも大きな外径を有する固定子巻線15が弾性的に縮径された状態で固定子鉄心17内に配置されてなる。
【0016】
固定子鉄心17は、内周面が溝部(スロット)の形成されていない円筒面とされた中空円筒形状をなし、その外周とケーシング5の内周との間に潤滑オイル(図1中の矢印)を流通させるオイル通路6が形成されるように、両端部においてケーシング5に固定されている。
また、固定子鉄心17は、図7に示すように、周方向に等分割された2つの分割コア13を組み合わせてなるが、リング状の電磁鋼板を板厚方向に多数枚積層することにより構成してもよい。
【0017】
固定子巻線15は、固定子鉄心17の内径よりも大きな外径を有する中空円筒形状とされており、該固定子鉄心17の内周面が該固定子巻線15の外周面と対向するように、絶縁層19を介して固定されている。
すなわち、固定子巻線15は、その径方向内方に圧縮された状態で固定子鉄心17内に組み込まれ、法線方向(径方向外方)に押し広がろうとする弾発力により固定子鉄心17の内周に機械的に固定されている。
【0018】
絶縁層19は、固定子巻線15の全周及び全長を覆うように配置された放熱シートと、固定子巻線15の両端部においてのみ放熱シート上に重ねて全周を覆うように配置された保護シートとからなる積層構造となっている。
放熱シートは、ガラスクロスあるいはポリエステルメッシュクロス等により補強され、押圧により変形可能な可撓性を有するゴム系材料からなり、かつ、良熱伝導性の充填剤を含有している。
【0019】
つまり、ガラスクロスあるいはポリエステルメッシュクロス等で補強されているため、引裂き強さに優れ、固定子鉄心17の内周面と固定子巻線15の外周面間に挿入された状態で、固定子巻線15が法線方向(径方向外方)に押し広がろうとする力を受けた場合においても、破れ等を生じ、絶縁性を阻害するという不具合を生じることがない。
また、押圧により変形可能な可撓性を有するゴム系材料からなる為、固定子鉄心17の内周面と固定子巻線15の外周面に密着させる事が可能となる。
よって、密着性の確保と共に、良熱伝導性の充填剤を含有している事によるゴム系材料等の熱伝導率向上効果により、絶縁性を確保しつつ、放熱性を向上させる事が可能となる。
【0020】
このような物性を有する放熱シートとしては、シリコンゴムに良熱伝導性の窒化ボロン粉末を分散させたシリコンゴムシートが好適である。
その理由は、シリコンゴムシートは弾性を有するため、一方の面は固定子巻線15の凹凸に倣って密着し、他方の面は固定子鉄心17に密着するからである。保護シートは、機械的特性に優れ、絶縁性,耐熱性,ワニス耐性を備える事が必要であり、例えば、デュポン社製のノーメックスシートタイプ410等が好適である。
【0021】
次に、図2〜図12を用いて、本発明に係るスロットレス固定子1の製造方法の一実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態では、放熱シートとして熱伝導率が3.8W/m・kに設定されたシリコンゴムシート19aを用い、保護シートとしてノーメックスシート19bを用いた場合について説明する。
【0022】
先ず、略菱形状のコイルセグメント23a,23b,23cを複数組み合わせることにより、中空円筒形状の固定子巻線15を成形する。
コイルセグメント23a,23b,23cは、導体からなる複数の細線が束ねられた束線25を略菱形状に一周回巻回して一ターンを形成し、前記ターンを前記菱形状の一の対角線方向A1に隣り合うように順次ずらせて連続して複数ターン巻回し配置することにより形成する(図2参照)。
そして、複数のコイルセグメント23a,23b,23cを前記対角線方向A1に順次ずらせかつ重ね合わせて帯状体27を形成した後、該帯状体27を中空円筒状に巻くことにより、中空円筒状の固定子巻線15とする(図3参照)。
【0023】
次に、この固定子巻線15を、BN粒子18を混ぜたアルコール溶液16中に浸漬し、BN粒子18を固定子巻線15の表面から内部にまで充填させる(図4参照)。
その後、固定子巻線15をアルコール溶液16中から引き上げて自然乾燥することにより、揮発性のアルコールを蒸発させる。
【0024】
次いで、固定子巻線15の外周に、シリコンゴムシート19aを全周かつ全長にわたって巻き付ける(図5参照)。
次に、シリコンゴムシート19aを巻き付けた固定子巻線15の外周両端部に、ノーメックスシート19bを重ねて巻き付ける(図6参照)。
しかる後、シリコンゴムシート19a及びノーメックスシート19bが巻き付けられた固定子巻線15を固定子鉄心17内に組み付ける(図7参照)。
【0025】
この組み付け作業は、先ず、2つの分割コア13を内周面が互いに向かい合うように、上下方向に一定の隙間をおいて対向配置しておき、次に、棒状の治具Mを用いて固定子巻線15を下側に配置された分割コア13の内周面に載置し、該分割コア13と上側に配置された分割コア13とを相対接近させて、分割コア13を円筒状に組み立てて行う。
【0026】
すると、固定子巻線15がその径方向内方に圧縮された状態で固定子鉄心17内に組み込まれる。
このとき、固定子巻線15はバネとして機能し、固定子鉄心17内で法線方向(径方向外方)に押し広がろうとするため、その際の弾発力により固定子巻線15は固定子鉄心17の内周に機械的に固定される。
【0027】
また、シリコンゴムシート19aは、それ自体弾性を有するから、前記弾発力がより強まって固定子巻線15が固定子鉄心17内により安定して固定される。
さらに、シリコンゴムシート19aは、その弾性変形により、一方の面は固定子巻線15の外周凹凸に倣って密着し、他方の面は固定子鉄心17の内周に密着するから、作動時における放熱性は各段に向上することとなる。
【0028】
しかる後、これら固定子鉄心17と固定子巻線15とを一体にしたままの状態でワニス含浸槽31に浸漬する(図8参照)。その後、全体を図示しない真空容器内に入れ、真空含浸を行う。
このとき、固定子巻線15の外周面及び固定子鉄心17の内周面は、シリコンゴムシート19aと密着している為、ワニスはほとんど含浸されない。
そして、ワニスを固定子巻線15内に含浸した後、これら固定子鉄心17と固定子巻線15とを一体にしたままの状態でワニス含浸槽31から引き上げる。
【0029】
しかる後、固定子巻線15の内周にフッ素樹脂製のマンドレル33を挿入し(図9参照)、これら固定子鉄心17,固定子巻線15,及びマンドレル33を一体にしたままの状態で全体を加熱することにより、ワニスを加熱硬化させる(図10参照)。
【0030】
この加熱硬化時、マンドレル33は熱膨張して拡径するから、マンドレル33の外周は固定子巻線15の内周に接触して該固定子巻線15を固定子鉄心17側にさらに押圧する。
このとき、固定子巻線15の端部と固定子鉄心17の端部との間には放熱シート19aとノーメックスシート19bが二重に挿入されているから、固定子巻線15の端部は補強され、外圧による破壊から有効に保護される(図11参照)。
【0031】
従って、マンドレル33の拡径時に、固定子巻線15の端部が固定子鉄心17のエッジ部に押圧されて応力集中が生じたとしても、固定子巻線15が破壊されて絶縁層19がなくなることによる固定子巻線15のショートは回避される。
そして、ワニス硬化後にマンドレル33を抜き去れば、スロットレス固定子1が完成する(図12参照)。
【0032】
なお、上記実施の形態では、放熱シートと保護シートとは別体であるが、一体であってもよく、かかる場合には、放熱シートの端部を折り返して、この折り返し部を保護シートとする。
具体的に説明すると、固定子巻線15の全長よりも幅広のシリコンゴムシート19aを固定子巻線15に巻き付け、該固定子巻線15の両端からはみ出したシリコンゴムシート19aの余長部をその内面が外面となるように折り返すことにより、シリコンゴムシート19aが固定子巻線15の両端部において二重に折り重なるように構成する。
【0033】
また、上記実施の形態では、円筒状の固定子巻線15を、略菱形状をなす複数のコイルセグメント23a,23b,23cを組み合わせることにより形成しているが、他の方法により形成しても構わないことはもとよりである。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下の効果を奏する。
(a)請求項1の発明によれば、スロットを有しない固定子鉄心と固定子巻線との間に放熱シートを挿入することにより、作動時における固定子周方向に沿う温度分布のバラつきを抑制し、固定子鉄心と固定子巻線との密着状態がより確実に保持されるようにしており、しかも、固定子巻線で発生した熱が放熱シートを介して効果的に伝達されるから、放熱性が各段に向上する。
【0035】
(b)請求項2の発明によれば、放熱シートは、良熱伝導性の充填剤を含有しているため、強度や絶縁性の低下を来すことなく、放熱性を向上させることができる。
(c)請求項3の発明によれば、放熱シートに、押圧により変形可能な可撓性を有するゴム系材料からなるシートを用いることにより、その一方の面を固定子巻線の凹凸に倣って密着させると共に、他方の面を固定子鉄心に密着させることができるから、絶縁性を確保しつつ、放熱性を更に向上させることができる。
(d)請求項4の発明によれば、放熱シートにガラスクロスあるいはポリエステルメッシュクロス等の補強材により補強されたゴムシートを用いることにより、固定子鉄心と固定子巻線を組み付ける時に、固定子巻線が法線方向に押し広がろうとする力を生じても、破れ等を生じ、絶縁性を阻害するという不具合を生じることがない。
【0036】
(e)さらにまた、固定子鉄心の端部と固定子巻線の端部との間に、さらに保護シートを挿入することにより、固定子巻線の端部を補強しているから、かかる端部に応力集中が生じても、固定子巻線を破壊から有効に保護することができ、良好な絶縁性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る固定子の一実施の形態を含む回転電機の縦断面図である。
【図2】 複数のコイルセグメントから帯状体を形成している状態を示す斜視図である。
【図3】 複数のコイルセグメントからなる帯状体を円筒状に巻いて形成した固定子巻線を示す斜視図である。
【図4】 BN粒子を混ぜたアルコール溶液中に固定子巻線を浸漬した状態を示す図である。
【図5】 固定子巻線にシリコンゴムシートを巻き付けている状態を示す斜視図である。
【図6】 シリコンゴムシートを巻き付けた固定子巻線の外周両端部に更にノーメックスシートを巻き付けた状態を示す斜視図である。
【図7】 分割構成とされた固定子鉄心内に固定子巻線を組み込む状態を示す斜視図である。
【図8】 固定子鉄心と固定子巻線とを一体にしたままの状態でワニス槽に浸漬した状態を示す図である。
【図9】 固定子鉄心に内挿されたコイルの内周に、マンドレルを挿入する状態を示す図である。
【図10】 固定子鉄心,コイル,及びマンドレルを一体にしたままの状態で、ワニスを加熱硬化している状態を示す図である。
【図11】 図10の要部拡大図である。
【図12】 ワニス硬化後にマンドレルを抜き去った状態を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットレス固定子(固定子)
3 回転電機
15 固定子巻線
17 固定子鉄心
19a シリコンゴムシート(放熱シート)
19b ノーメックスシート(保護シート)

Claims (4)

  1. スロットを有しない円筒状の固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心の内部に収容される円筒状の固定子巻線と、
    前記固定子鉄心と前記固定子巻線との間に挿入される放熱シートと、を備え
    前記固定子巻線は、径方向外方に押し広がろうとするように、径方向内方に圧縮された状態で前記固定子鉄心内に組み込まれ、
    前記放熱シートは、押圧により変形可能な可撓性を有する絶縁材料からなり、弾性変形により前記固定子鉄心の内周面および前記固定子巻線の外周面に密着した状態で配置され
    前記固定子鉄心の端部と前記固定子巻線の端部との間には、さらに保護シートが挿入されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記放熱シートは、良熱伝導性の充填剤を含有していることを特徴とする請求項1記載の回転電機の固定子。
  3. 前記放熱シートは、押圧により変形可能な可撓性を有するゴム系材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機の固定子。
  4. 前記放熱シートは、ガラスクロスあるいはポリエステルメッシュクロス等の補強材により補強されたゴムシートであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転電機の固定子。
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