JP2007227559A - カバーレイ及びフレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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朝也 横山
Haruo Miyazawa
春夫 宮澤
Seiji Sakaguchi
征治 坂口
Hiroto Watanabe
裕人 渡邉
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Abstract

【課題】カバーレイキュア工程の仮貼り後の気泡残りを少なく抑えるカバーレイ、及び、フレキシブルプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】保護フィルム層2の面に接着層3を形成し、接着層3をベースフィルム10の導電パターン面に接着することによってベースフィルム10の導電パターン面を被覆するカバーレイ1において、接着層3の表面は、凹凸面3aに形成されている。接着層3の凹凸面3aは、凹凸面4aのある離型フィルム4からの転写によって形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板の導電パターン面を被覆するカバーレイ、およびこれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線板の表面は、導電パターン部の絶縁性の確保、導電パターン部の保護等の理由からカバーレイによって被覆される(例えば、特許文献1参照)。従来のカバーレイとしては、図4に示すような構成のものが一般的である。
図4に示すように、カバーレイ50は、例えばポリイミド材から形成された保護フィルム層51と、この保護フィルム層51の一面に設けられ、熱硬化性接着剤から形成された接着層52とからなる。この接着層52の表面には、カバーレイ50の被覆前の取扱い性等を考慮して離型フィルム53が貼られている。
フレキシブルプリント配線板の製造工程にあって、図5に示すように、ベースフィルム55に所定の導電パターン部56が形成された回路形成基板57に対し、この回路形成基板57の導電パターン面にカバーレイ50を被覆するカバーレイキュア工程が行われる。
カバーレイキュア工程では、回路形成基板57の端子部分に対応するカバーレイ50の箇所に開口部50aを形成し、離型フィルム53を引き剥がす前処理を行う。
次に、回路形成基板57の導電パターン面に、その端子部分に開口部50aを位置合わせしつつ接着層52を内面としてカバーレイ50を貼り合わせる。そして、カバーレイ50と回路形成基板57とに熱ラミネート処理による仮貼り工程を行う。熱ラミネート処理には、カバーレイ50が貼り付けられた回路形成基板57を真空チャンバー内に入れる方式と、カバーレイ50が貼り付けられた回路形成基板57を一対の熱ロール間に通す方式とがある。仮貼り工程は、カバーレイ50が回路形成基板57の導電パターン面に対して位置ずれしたり、剥がれたりしないようにすると共に、カバーレイ50と回路形成基板57の導電パターン面との間に大きな気泡が残らないようにするために行う。
仮貼り工程後に、熱を作用させつつカバーレイ50と回路形成基板57の間を圧接する熱プレス工程を行い、これでカバーレイキュア工程が終了する。
特開2005−205745号公報
しかしながら、上述した仮貼り工程にあってカバーレイ50を回路形成基板57の導電パターン面に貼り合わせると、接着層52の表面が導電パターン部56の表面にほぼ面接触するため、隣接する導電パターン部56の隙間上面を接着層52によって完全に塞ぐ。導電パターン部56の隙間が完全に塞がれると、図5に示すように、熱ラミネート処理によって十分に脱泡できずに大きな気泡58が残りやすい。大きな気泡58が残ると、後の熱プレス工程でも十分に脱泡することができず、残った気泡が以降の熱処理工程でカバーレイ50の膨れや剥がれの原因になるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、カバーレイキュア工程の仮貼り後の気泡残りを少なく抑えることができるカバーレイ、およびフレキシブルプリント基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、保護フィルムの一方の面に接着層が設けられ、接着層の表面に凹凸が形成されていることを要旨とする。接着層の凹凸は、凹凸面のある転写部材からの転写によって形成されたものである。この転写部材としては、接着層の表面に貼り付ける離型フィルムを用いることができる。
また、本発明の第2の特徴は、ベースフィルムの導電パターン部を設けた回路形成基板を用意する工程と、保護フィルム層の一方の面に接着層が設けられ、前記接着層の表面に凹凸が形成されたカバーレイを用意する工程と、前記回路形成基板の導電パターン面に、前記接着層の前記表面側を貼り合わせて真空引きしながら熱ラミネートを行って仮貼する工程と、前記仮貼り工程後に、前記カバーレイを前記回路形成基板に接合するように熱プレスを行う熱プレス工程と、を備えることを要旨とする。ここで、凹凸形成工程は、凹凸面のある転写部材からの転写によって形成することが好ましく、転写部材としては、カバーレイの接着層の表面に貼り付ける離型フィルムを用いることができる。
本発明によれば、仮貼り工程にあってカバーレイを回路形成基板の導電パターン面に貼り合わせると、接着層の表面が導電パターン部の表面にほぼ点接触することから、接着層が隣接する導電パターン部の隙間上面を完全に塞がないため、熱ラミネート処理によって十分に脱泡され、大きな気泡も残らない。従って、カバーレイキュア工程の仮貼り後の気泡残りが発生することを抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るカバーレイおよびフレキシブルプリント配線板の製造方法を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施の形態を示している。図1(a)はカバーレイ1の断面図、図1(b)は離型フィルム4を貼る前のカバーレイ1の断面図、図2はカバーレイ1を回路形成基板12の導電パターン面に載置した状態の断面図、図3(a)は熱ラミネート処理の一例であるバッチ式真空ラミネート方式を示す図、図3(b)は熱ラミネート処理の他の一例であるローララミネート方式を示す図である。
図1(a)に示すように、カバーレイ1は、ポリイミド材から形成された保護フィルム層2と、この保護フィルム層2の一面に設けられ、エポキシ、アクリル等の熱硬化性接着材から形成された接着層3とからなる。この接着層3の表面は、数マイクロメータの凹凸を有する凹凸面3aに形成されている。
接着層3の凹凸面3aは、転写部材である離型フィルム4によって転写されている。つまり、カバーレイ1は、仮貼り工程に使用される前は取扱い性等を考慮して接着層3の表面に離型フィルム4が貼られている。この離型フィルム4の一面は、図1(b)に示すように、凹凸面4aに形成されている。この凹凸面4aの転写によってカバーレイ1の接着層3の表面に凹凸面3aが形成される。
次に、フレキシブルプリント配線板の製造工程をカバーレイキュア工程を中心に説明する。図2に示すように、ベースフィルム10に所定の導電パターン部11が形成された回路形成基板12が形成されたものを用意する。この回路形成基板12の導電パターン面(導電パターン部11側の面)にカバーレイ1を被覆するカバーレイキュア工程が行われる。
カバーレイキュア工程では、回路形成基板12の端子部分に対応するカバーレイ1の箇所に開口部1aを形成し、離型フィルム4をカバーレイ1の接着層3から引き剥がす前処理を行う。離型フィルム4を接着層3から引き剥がすと、カバーレイ1の接着層3の表面には転写によって凹凸面3aが形成されている(図1(a)参照)。
次に、回路形成基板12の導電パターン面に、その端子部分に開口部1aを位置合わせしつつ接着層3を内面としてカバーレイ1を載置する。載置したカバーレイ1と回路形成基板12間に熱ラミネート処理による仮貼り工程を行う。
熱ラミネート処理には、図3(a)に示すように、カバーレイ1が載置された回路形成基板12を真空チャンバー20内に所定時間入れるバッチ式真空ラミネート方式と、図3(b)に示すように、カバーレイ1が載置された回路形成基板12を一対の熱ロール21,21間に通すローララミネート方式とがある。
このいずれかの方式によって仮貼り工程を行い、その後、熱を作用させつつカバーレイ1と回路形成基板12の間を圧接する熱プレス工程を行う。これでカバーレイキュア工程が終了する。
以上、カバーレイ1及びこれを用いた製造方法において、その仮貼り工程にあってカバーレイ1を回路形成基板12の導電パターン面に載置すると、図2に示すように、接着層3の表面が導電パターン部11の表面にほぼ点接触することから、接着層3が隣接する導電パターン部11の隙間13を完全に塞がないため、熱ラミネート処理によって十分に脱泡され、大きな気泡も残らない。従って、カバーレイキュア工程の仮貼り後の気泡残りを少なく抑えることができる。
以下、本発明の効果を実験で確認した結果を記載する。
〈実施例〉
カバーレイは、転写部材としてスクリーン版用のステンレスメッシュ(線径40マイクロメータ)を用い、その凹凸の転写によって接着層に凹凸面を形成した。熱ラミネート処理は、バッチ式真空ラミネート方式を用い、仮貼り後の気泡数を確認した。評価パターンは、100マイクロメータ幅線で構成された格子状のものを用い、格子内に残される気泡の数をカウントした。加熱温度150℃、真空/加圧時間=60s/60sにて7個/2000格子であった。
〈比較例〉
カバーレイは、その接着層の面に凹凸がないものである。熱ラミネート処理は、バッチ式真空ラミネート方式を用い、仮貼り後の気泡数を確認した。評価パターンは、100マイクロメータ幅線で構成された格子状のものを用い、格子内に残される気泡の数をカウントした。加熱温度150℃、真空/加圧時間=60s/60sにて31個/2000格子であった。
この実験結果から判るように、本発明のカバーレイ1によれば、仮貼り後の気泡数が少なく抑えられることが確認された。
本実施の形態では、接着層3の凹凸面3aは、凹凸面4aのある転写部材(離型フィルム4)からの転写によって形成されたので、カバーレイ1に転写部材(離型フィルム4)を貼り付け、それを引き剥がすだけで接着層3の表面に凹凸面3aを形成できる。従って、凹凸面3aの形成を容易に行うことができる。
本実施の形態では、転写部材は、凹凸面4aのある離型フィルム4である。離型フィルム4は、カバーレイキュア工程前の接着層3に貼ってあり、カバーレイキュア工程の際に引き剥がすものであるため、接着層3の表面に凹凸面3aを形成するために特別の処理を別途行う必要がない。なお、転写部材は、離型フィルム4以外のものであっても良く、例えば前記実験で使用したようなステンレスメッシュであっても良い。
また、熱ラミネート処理において、ローララミネート方式を採用した場合、熱ローラ21,21により皺の発生や位置ずれが発生し易い。バッチ式真空ラミネート方式を採用した場合、このような不具合が発生しないため有効である。しかし、従来例のカバーレイを使用した場合、バッチ式真空ラミネート方式では、フレキシブルプリント配線板の大きさや表面の凹凸の分布、回路面積などの違いによってカバーレイとベースフィルム間で部分的にカバーレイ下の空気を引き易い箇所とそうでない箇所ができる。そのため、実際には回路設計ごとに真空ラミネートの条件設定を変える必要があった。また、良好な条件を見いだせても部分的に気泡が残される場所がどうしてもできてしまうという問題があった。しかし、本発明のカバーレイ1を使用すれば、カバーレイ1下の空気を全般的に引き易くなるため、真空ラミネートの設定条件を回路設計毎に変える必要性があまりなく、良好な条件さえ見いだせばほぼ確実に気泡の発生を抑えることができる。
なお、上記実施の形態では、保護フィルム層2の材料は、ポリイミド材であるが、PET、アラミド材等であっても良い。
(a)は本発明の一実施形態にかかるカバーレイ(離型フィルムを引き剥がした後)の断面図、(b)は離型フィルムを貼る前のカバーレイの断面図である。 カバーレイを回路形成基板の導電パターン面に載置した状態の断面図である。 (a)は熱ラミネート処理の一例であるバッチ式真空ラミネート方式を示す図、(b)は熱ラミネート処理の他の一例であるローララミネート方式を示す図である。 従来例のカバーレイの断面図である。 従来例のカバーレイを用いて仮貼り工程し、気泡の残った状態を示す断面図である。
符号の説明
1 カバーレイ
2 保護フィルム層
3 接着層
3a 凹凸面
4 離型フィルム(転写部材)
4a 凹凸面
10 ベースフィルム
1 導電パターン部

Claims (6)

  1. 保護フィルムの一方の面に接着層が設けられ、前記接着層の表面に凹凸が形成されていることを特徴とするカバーレイ。
  2. 前記凹凸は、凹凸面のある転写部材からの転写によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載されたカバーレイ。
  3. 前記転写部材は、前記接着層の表面に貼り付ける離型フィルムであることを特徴とする請求項2に記載されたカバーレイ。
  4. ベースフィルムの導電パターン部を設けた回路形成基板を用意する工程と、
    保護フィルム層の一方の面に接着層が設けられ、前記接着層の表面に凹凸が形成されたカバーレイを用意する工程と、
    前記回路形成基板の導電パターン面に、前記接着層の前記表面側を貼り合わせて真空引きしながら熱ラミネートを行って仮貼する工程と、
    前記仮貼り工程後に、前記カバーレイを前記回路形成基板に接合するように熱プレスを行う熱プレス工程と、
    を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  5. 前記凹凸は、凹凸面のある転写部材からの転写によって形成することを特徴とする請求項4に記載されたフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  6. 前記転写部材は、前記カバーレイの前記接着層の前記表面に貼り付ける離型フィルムであり、
    前記離型フィルムを前記カバーレイから引き剥がして前記仮貼り工程を行うことを特徴とする請求項5に記載されたフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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