JP2007226931A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期電気特性と湿熱保存性に優れた光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】レーザー光照射側から順に、中間層と、記録層とを少なくとも含む光情報記録媒体であって、前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴とする光情報記録媒体である。2層以上からなる中間層のうちの少なくとも1層が水蒸気を遮断する水蒸気遮断層として有し、該水蒸気遮断層の水蒸気透過性が1.0g・mm/cm2/d以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高密度記録が可能な光情報記録媒体及びその製造方法に関する。
従来から、文字情報、画像情報、音声情報等を大量に記録・再生するための、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プリグルーブ)のトラックピッチがCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、或いは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
また、最近は、デジタルハイビジョン放送の開始により、画像データ量の一層の増加が見こまれており、それに伴い、光情報記録媒体にも、高容量、高データ転送速度が求められるようになってきた。デジタルハイビジョン放送を家庭で録画しようとした場合、前述のDVD±Rでは既に容量が不足すると言われており、次世代DVDの開発も行われている。その一例として、このDVD±Rとほぼ同じ構成を有する追記型HD DVDが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
このHD DVDと呼ばれる光情報記録媒体は、基本的な構成としては、基板上に、記録層と、反射層と、接着層と、ダミー基板とからなる構成が挙げられる。そして、記録層の保存性向上を目的として、基板と記録層との間に中間層が設けられる。
一方、HD DVDとは別に、次世代の光ディスクとして提案されている追記型のブルーレイディスク媒体は、例えば、基板上に、反射層、記録層、透明シート(カバー層)がこの順に積層された構成となっている。前記透明シートは、例えば、粘着剤を介して貼り合わされる。この粘着剤による記録層への影響を防ぐことや記録層の保存性向上を目的として、通常は、記録層と透明シートとの間に中間層が設けられる。この中間層により、粘着剤の記録層への影響を遮断することができる。
「日経エレクトロニクス10月13日号」日経BP社,2003年10月13日発行,p126−134
しかしながら、前記HD DVDにおいて、従来の中間層は単層構成であり、初期電気特性と湿熱保存や耐光性など、必ずしも両立しうるものではなかった。また、ブルーレイディスクの中間層も単層構成であり、同様の問題があった。
また、中間層の材料としては、例えば、金属酸化物などの無機物が使用され、通常はスパッタ法により該無機物を成膜することで形成される。ところが、このスパッタ法による成膜が長時間に及ぶと基板に熱が蓄積し、基板が変形することがあった。
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、初期電気特性と湿熱保存性に優れた光情報記録媒体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、基板の変形を防止することができる光情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、
レーザー光照射側から順に、中間層と、記録層とを少なくとも含む光情報記録媒体であって、前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴とする光情報記録媒体である。
本発明の光情報記録媒体は、具体的態様によると、トラックピッチが100〜600nmであり、かつ溝深さが20〜200nmであるプリグルーブを有する第1の基板上に、少なくとも、中間層と、記録層と、反射層と、をこの順に有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板とを接着層を介して貼り合わせてなる光情報記録媒体であって、前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴とする光情報記録媒体である。
また、本発明の光情報記録媒体は、別の具体的態様によると、トラックピッチが250〜400nmであり、かつ溝深さが10〜150nmであるプリグルーブを有する基板上に、少なくとも、記録層と、中間層と、カバー層とを有する光情報記録媒体であって、前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴とする光情報記録媒体である。
前記2層以上からなる中間層のうちの少なくとも1層が水蒸気を遮断する水蒸気遮断層として有し、該水蒸気遮断層の水蒸気透過性が1.0g・mm/cm2/d以下であることが好ましい。
また、前記2層以上からなる中間層のうち前記水蒸気遮断層以外に、基板の変形を防止する変形防止層を有し、該変形防止層が、ZnO−Ga23、Ta25、及びTa25−SiO2のうちのいずれかから構成されていることが好ましい。
この場合、前記変形防止層の水蒸気透過性が、前記水蒸気遮断層の水蒸気透過性よりも大きいことが好ましい。また、前記変形防止層の層厚を10〜40nmとし、前記水蒸気遮断層の層厚を5〜40nmとすることが好ましい。
一方、本発明の光情報記録媒体の製造方法は、前記本発明の光情報記録媒体の製造方法であって、前記水蒸気遮断層及び/又は変形防止層の形成に際し、形成しようとする各層の層厚よりも薄い層を複数回重層して形成し各層の厚みとすることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
この場合、前記複数回に分けた重層形成のうちの各回の層形成においては基板が変形する温度未満の温度を保持し、各回の層形成終了後においては冷却することが好ましい。
本発明によれば、初期電気特性と湿熱保存性に優れた光情報記録媒体を提供することができる。
また、本発明によれば、基板の変形を防止することができる光情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の光情報記録媒体は、レーザー光照射側から順に、中間層と、記録層とを少なくとも含む光情報記録媒体であって、前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴としている。
以下、まず、本発明の光情報記録媒体の各構成要素、及びその構成要素を通じて本発明の光情報記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の光情報記録媒体の層構成としては、第1の基板上に、中間層と、記録層と、反射層と、保護層とを順次有し、接着層を介して、保護層と第2の基板とを貼り合わせる構成、いわゆる「HD DVD」の構成や、基板上に、少なくとも、記録層、中間層、カバー層を有する構成、いわゆる「ブルーレイディスク」に好適に適用することができる。そして、いずれの場合でも、中間層が異なる材料で構成された2層以上からなる。このように、中間層を2層以上から構成し、それぞれの層に役割を分担させることで、単層では達成し得なかった初期電気特性の向上や保存性の向上などを両立することができる。以下に、まず、中間層についての詳細を説明する。
[中間層]
中間層は、記録層のレーザー光照射側に設けられる層であり、HD DVDの場合は基板と記録層との間に設けられ、ブルーレイディスクの場合は記録層とカバー層との間に設けられる。
−水蒸気遮断層−
2層以上からなる中間層の少なくとも1層は、水蒸気遮断層の水蒸気透過性が1.0g・mm/cm2/d以下である水蒸気遮断層として設けることが好ましい。この水蒸気遮断層により、外部からの水蒸気が記録層に到達するのを防止することができる。水蒸気遮断層の水蒸気透過性は、1.0g・mm/cm2/d以下であることがより好ましく、0.5g・mm/cm2/d以下であることがさらに好ましい。
ここで、前記水蒸気透過性について説明する。本発明において、水蒸気透過性は、以下のようにして測定して得られる数値である。すなわち、
まず、厚さ100μmのポリカーボネートフイルム上に被測定物質を定法により真空スパッター法で製膜し、厚さ約20nmの薄膜を得る。このサンプルをJIS K7129B(モコン法)に準拠して室温で測定する。
水蒸気遮断層の材料としては、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23、NbO2が好ましい。中でも405nmの波長で光学的に異方性を有さず、かつ透明であるものとして、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
以上の水蒸気遮断層の層厚としては、5〜40nmとすることが好ましく、10〜30nmとすることがより好ましく、20〜30nmとすることがさらに好ましい。
−変形防止層−
変形防止層は、基板、ひいては光情報記録媒体の変形を防止するために設けられる層である。当該変形防止層の存在により、基板上に形成されたグルーブ構造が有機・無機積層ハイブリッド構造となり、レーザー記録時における基板の変形を防止することができる。
変形防止層の材料としては、水蒸気透過性は問わないが高温時の力学変形がしにくい無機酸化物、無機窒化物材料が好ましく、かつ、405nmの波長で光学的に異方性を有さず、かつ透明であるものが望ましい。中でも、ZnO−Ga23、Ta25、及びTa25−SiO2のうちのいずれかから構成されることが好ましい。
以上の変形防止層の層厚としては、10〜40nmとすることが好ましく、10〜30nmとすることがより好ましく、20〜30nmとすることがさらに好ましい。
本発明において、中間層における、水蒸気遮断層と変形防止層との形成順序は特に限定はないが、記録層側から、変形防止層、水蒸気遮断層の順とすることが好ましい。
以上の中間層における各層における材料はそれぞれ述べたが、すべての層において比抵抗値が0.1Ωcm以下の導電性材料であることが好ましい。中間層のすべての層の材料が、このような導電性の材料であると、DCスパッタにより層を形成することができ、タクトタイムを向上させることができる。
以上のように、本発明において、中間層は材料が異なる2層以上の構成であり、製造効率の観点からは既述のような2層構成とすることが好ましく、必要に応じて別の機能を有する層を設けてもよい。
本発明における中間層全体の厚さは、記録ピット形成時の熱の拡散を制御するという観点から、15〜80nmの範囲であることが好ましく、10〜40nmの範囲であることがより好ましく、20〜30nmの範囲であることが更に好ましい。
以下に、本発明の光情報記録媒体の層構成における中間層以外の各層について説明する。まず、HD DVDの層構成について説明する。HD DVDの層構成は、既述のように、第1の基板/中間層/記録層/反射層/保護層/接着層/第2の基板の構成であり、一部(基板、中間層、及び記録層を除く)を省略しても、別の異なる層を追加してもかまわない。
本発明においては、中間層の形成は、前記水蒸気遮断層及び/又は変形防止層の形成の際に、形成しようとする各層の層厚よりも薄い層を複数回重層して形成し各層の厚みとする。そして、複数回に分けた重層形成のうちの各回の層形成においては基板が変形する温度未満の温度を保持し、各回の層形成終了後においては冷却することが好ましい。
具体的には、例えば、スパッタ装置を用いて30nmの変形防止層を形成する場合、1回当たり10nmの層形成を3回行い、あるいは、1回当たり5nmの層形成を6回行い、重層形成することにより30nmの変形防止層を形成することができる。そして、各回の層形成において、基板が変形する温度(例えば、50℃)未満の温度に保持し、各回の層形成終了後に冷却する。
ここで、「冷却」とは、送風装置や冷却装置などを用いて積極的に冷却する場合のみならず、スパッタ装置から取り出し、室温下に晒す場合などをも含む。すなわち、端的には、冷却は温度を下げることを意味する。
以上の工程について換言すると、各回の層形成において、基板が変形する温度に到達する前にスパッタ装置から中間層形成中の基板を取り出すなどして、温度を下げて、一定の温度以下に温度が下がってから次回の層形成をする。
以上のようにして中間層の各層を形成することにより、1回で層形成する場合とは異なり、基板に熱が蓄積することがなく、基板の変形を防止することができる。
中間層の各層の層形成に際し、何回に分けて層形成をするか、あるいは各回の層厚をどれだけにするかは、層厚をどれだけにすると基板変形温度に到達するかによって異なるから、各回の層厚が、基板変形温度に到達するときの層厚以下となるように設定し、その層厚に基づいて回数を決定することが好ましい。具体的には、トータル30nmの層を形成する場合において、基板変形温度に到達するときの層厚が20nmであるとするとき、例えば、15nmの層形成を2回、10nmを3回行うことにより基板の変形を抑えながら層形成を行うことができる。
なお、基板が変形する温度は、事前に測定しておき、各回の層形成においてその温度に到達しないようにする。
冷却時における低下温度は特に限定はないが、温度低下が小さいと、次の回の層形成ですぐに温度が上昇して基板が変形する温度に到達し再度冷却する必要が生じることから、できる限り低下させることが好ましい。具体的には、25〜30℃である。
なお、本発明においては、複数回のうちの各回の層形成における層厚は同じとしても、異ならせてもよい。
[第1の基板]
本発明の光情報記録媒体の第1の基板は、従来の光ディスクの基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。
基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
第1の基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。0.5〜1.4mm
本発明においては、第1の基板に形成されるプリグルーブは、高密度の記録を達成するために、トラックピッチが0.1〜0.6μmであり、かつ、溝深さが20〜200nmであることを必須とする。トラックピッチは0.33〜0.50μmの範囲であることがより好ましい。また、溝深さは、50〜150nmの範囲とすることが好ましく、70〜100nmの範囲とすることがより好ましい。
更に、第1の基板に形成されるプリグルーブの溝幅(半値幅)は、100〜300nmの範囲であることが好ましく、120〜250nmの範囲であることがより好ましい。
加えて、プリグルーブの溝傾斜角度は、20〜80°の範囲であることが好ましく、30〜70°の範囲であることがより好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面(プリグルーブが形成された面側)には、平面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤などの表面改質剤などを挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
[記録層]
記録層は、記録及び再生に使用されるレーザー光を吸収し得る色素を含有する層であって、デジタル情報などの符号情報(コード化情報)が記録される。
記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素が好適に用いられる。
更に、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシアニン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物等の有機化合物も好適に用いられる。これらの化合物の中では、シアニン化合物、アミノブタジエン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、フタロシアニン化合物が特に好ましい。
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
記録層を溶剤塗布により形成する方法としては、まず、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥する方法がある。
塗布液中の記録物質(上記の色素、化合物)の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロバノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブナラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
記録層の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
なお、記録層は単層でも重層でもよい。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
[反射層]
情報の再生時における反射率の向上の目的で、記録層に隣接して反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属或いはそれらの合金である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板若しくは記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
[接着層]
接着層は、上記反射層と、第2の基板とを貼り合わせるために形成される。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、中でも、ディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。
また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。
[第2の基板]
第2の基板には、プリグルーブが形成されていない点以外は、第1の基板と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。
また、第2の基板にも第1の基板と同様のプリグルーブが形成され、また、貼り合わせ面に、記録層が形成されていてもよい。更に、第2の基板と記録層との間に中間層が設けられてもよいし、記録層の基板とは反対の面に反射層が設けられてもよい。なお、第2の基板側に設けられる、中間層、記録層、及び反射層も、上述の各層と同様である。このように、第2の基板側に記録層が形成されている積層体と、上述のように、第1の基板上に、中間層、記録層、及び反射層がこの順に形成されている積層体と、を両基板を外側にして接着層により貼り合せることにより、両面で情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体を得ることができる。
[保護層]
本発明の光情報記録媒体では、記録層を物理的及び化学的に保護する目的で、該記録層に隣接して保護層が設けられることある。なお、第2の基板側にも記録層が形成されている場合にも、当該記録層に隣接して保護層を設けてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。或いは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
次に、ブルーレイディスクの層構成について説明する。ブルーレイディスクの層構成は、既述のように、基板/記録層/中間層/粘着剤層/カバー層の構成であり、別の異なる層を追加してもかまわない。以下に、各層について説明する。
<基板>
基板としては、既述のHD DVDの第1の基板で説明した材料と同様の材料を使用することができる。基板の厚さは、0.5〜1.4mmとすることが好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成される。プレグルーブのトラックピッチは、250〜400nmである。また、プレグルーブの深さ(溝深さ)は、10〜150nmの範囲であり、好ましくは15〜100nmであり、さらに好ましくは20〜80nmであり、最も好ましくは20〜60nmである。
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
<反射層>
反射層は、既述のHD DVDの反射層で説明した材料と同様の材料を使用することができ、同様の手法で形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
以上の反射層は、以下の記録層の反射率が十分大きい場合には必ずしも必要ではなく、その場合記録層が反射層の役割を果たす。
<記録層>
記録層は、既述のHD DVDと同様の色素を使用し、同様の手法で形成することができる。記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜400nmの範囲にあり、より好ましくは50〜300nmの範囲にある。
ブルーレイディスクにおいては、既述の中間層上に、後述するカバーシートが、以下に示す粘着剤層又は接着剤層を介して貼り合わせられる。なお、カバーシートと粘着剤層又は接着剤層とでカバー層となす。
<粘着剤層>
粘着剤層は、後述する光透過層を接着するために形成される層であり、従来公知のものを広く使用することができる。粘着剤としては、アクリル系粘着剤や、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)等のゴム系粘着剤を適宜選択して用いることができる。当該粘着剤は、光透過層の貼り合わせ面に予め塗布されていることが好ましい。粘着剤層の層厚は1〜50μm、特に好ましくは2〜45μmの範囲てある。
<接着剤層>
接着剤層は、粘着剤層と同様に、後述する光透過層を接着するために形成される層である。接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂、2液硬化型接着剤など挙げられ、中でも、光硬化性樹脂が好ましく、ディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」、「SD−661」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜50μmの範囲が好ましく、5〜45μmの範囲がより好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
接着層を形成する材料の他の例を挙げる。該材料は、放射線照射により硬化可能な樹脂であって、分子中に2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であり、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などがあげられる。好ましくは2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
2官能の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレートなどに代表される脂肪族ジオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものを用いることができる。
また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレートや公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレートも用いることができる。
さらに、公知のポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよい。
また、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジメタアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートなどの環状構造を有するものも用いることができる。
前記放射線としては、電子線および紫外線を使用することができる。紫外線を使用する場合には以下の化合物に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤として芳香族ケトンが使用される。芳香族ケトンは、特に限定されないが、紫外線照射光源として通常使用される水銀灯の輝線スペクトルを生ずる、254,313,865nmの波長において吸光係数の比較的大なるものが好ましい。その代表例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、Michler'sケトンなどがあり、種々の芳香族ケトンが使用できる。また、紫外線硬化型接着剤としてあらかじめ光開始剤を添加したものが市販しており、それを使用してもかまわない。紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は20〜200W/cmのランプを用い速度0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
電子線加速器としてはスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が100〜1000kV、好ましくは150〜300kVであり、吸収線量として0.5〜20Mrad、好ましくは1〜10Mradである。加速電圧が10kV以下の場合は、エネルギーの透過量が不足し1000kVを超えると重合に使われるエネルギー効率が低下しコスト的に好ましくない。
ディスクの反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うのが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好ましい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい。
<カバーシート>
カバーシートを形成する材質としては、透明な材質であれば特に限定されないが、材質としては、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、アクリル系ポリマーであることが好ましい。また、23℃50%RHでの吸湿率が5%以下の材質であることが好ましい。更に、カバーシートは、表面粗さが5nm以下であることが好ましく、複屈折率が10nm以下であることが好ましい。
なお、「透明」とは、記録再生するレーザー光に対して、該光を透過する(透過率:80%以上)ほどに透明であることを意味する。
カバーシートの厚みは、好ましくは0.01〜0.2mmの範囲であり、より好ましくは0.03〜0.1mmの範囲であり、さらに好ましくは0.05〜0.095mmの範囲である。
上記粘着剤層を用いてカバーシートを、中間層上に貼り付ける方法としては、カバーシート上に粘着剤を塗布し、溶剤を乾燥させた後、該粘着剤を介して中間層上にカバーシートを載せてローラーにより圧力をかけてカバーシートを貼り合わせる方法が挙げられる。
粘着剤の塗布温度としては、粘度制御のため、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、25〜37℃の範囲であることがさらに好ましい。塗布後、好ましくは50〜300℃、より好ましくは80〜200℃、更に好ましくは100〜150℃で乾燥させる。また、カバーシートを貼り合わせる時の温度としては、0〜100℃の範囲であることが好ましく、15〜50℃の範囲であることがより好ましい。
また、使用する粘着剤に対し、離型性をもった離型フィルム上に粘着剤を塗布して溶剤を乾燥した後、カバーシートを貼り合わせ、さらに、離型フィルムを剥離してカバーシート上に粘着剤を設けた後に、バリア層上に貼り合わせることにより、カバーシートを貼付することもできる。特に、粘着剤に含有する溶剤がカバーシートを溶かす場合には、この方法が望ましい。
離型フィルム上に粘着剤層が設けられたカバーシートを使用する場合には、基材として用いられるフィルムは粘着剤に含まれる溶剤に不溶であれば、特に制限されるものでなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等のプラスチックフィルムや、クラフト紙、上質紙、クレコート紙、和紙等の紙、レーヨン、ポリエステル等の不織布、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維よりなる織布、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔が用いられるが、フィルム上に離型剤層を連続的に薄く均一に塗布する点からは、プラスチックフィルムが好ましい。
また、使用される離型剤としては、シリコーン系離型剤や長鎖アルキル系離型剤等の従来から使用されている各種離型剤を適宜選択して用いることができる。
<表面コート層>
本発明の光情報記録媒体においては、前記カバー層上に表面コート層を設けてもよい。表面コート層は、前述のように、カバー層上に設けられることにより、カバー層の剥離を防止する機能を有する。表面コート層の材料としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などの光硬化性樹脂、湿度硬化性樹脂などが挙げられる。中でも、硬化収縮率が15%以下(好ましくは12%以下)で、硬度が鉛筆硬度でH以上(好ましくは2H以上)で、記録波長領域のレーザー光に対する透過率が70%以上(好ましくは75%以上)である材料であることが好ましい。
表面コート層は、例えば、紫外線硬化樹脂を用いる場合、基板の内周部に紫外線硬化樹脂を塗布し、該基板を高速で回転させて外周側に延展させた後、紫外線を照射させて形成することができる。
表面コート層の層厚としては、0.1〜50μmとすることが好ましく、0.5〜40μmとすることがより好ましく、1〜30μmとすることがさらに好ましい。
[記録方法]
本発明の光情報記録媒体への情報(デジタル情報)の記録方法について説明する。
本発明の光情報記録媒体への情報の記録には、少なくとも、レーザー光を射出するレーザーピックアップと、光情報記録媒体を回転させる回転機構と、を有する記録装置を用いる。まず、回転機構を用いて、未記録の光情報記録媒体を所定の記録線速度にて回転させながら、レーザーピックアップからレーザー光を照射する。この照射光により、記録層中の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性が変わることにより情報が記録される。
なお、記録された情報の再生は、回転させた状態の光情報記録媒体の記録層に向けてレーザーピックアップからレーザー光を照射して行う。
レーザー光の記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザー光のパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲が更に好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
レーザー光のパワーとしては、記録線速度によって異なるが、記録線速度が6.61m/sの場合、1〜100mWの範囲が好ましく、3〜50mWの範囲がより好ましく、5〜20mWの範囲が更に好ましい。また、記録線速度が2倍になった場合には、レーザー光のパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましい。
本発明においては、記録及び再生の光源として、350〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーを用いることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
スパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:0.4μm、溝深さ:90nm、溝幅(半値幅):30nm)を有する厚さ0.6mm、直径120mm、内径(中心孔径)15mmのポリカーボネート樹脂基板(帝人化成(株)製、商品名:パンライトAD5503)を、射出成形にて作製した。
得られた基板のプリグルーブ上に、水蒸気遮断層として、RFスパッタリングによりSiO2(水蒸気透過係数=1.0 gmm/cm2/d)を2秒間成膜し一旦取り出した後更に2秒間成膜しこれをさらに2回繰り返し、計4回成膜処理し厚み10nmで形成した。
次いで、同様にして、変形防止層として、ZnO−Ga23(水蒸気透過係数=2.1gmm/cm2/d)を厚み10nmで形成し、膜厚20nmの中間層を形成した。なお、基板が変形する温度は80℃であり、各回の成膜での温度は60℃に達した。
そして、中間層上に、下記構造のフタロシアニン化合物2.0gを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解して塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により塗布し、記録層を形成した。
次に、記録層上に、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの反射層(Ag:98.1質量部、Pd:0.91質量部、Cu:1.0質量部)を形成した。
Figure 2007226931
次いで、反射層上に、紫外線硬化性樹脂を滴下、塗布し、その上に、第2の基板を載せた後、UVを照射することで、紫外線硬化性樹脂を硬化させた。
これにより、実施例1における光情報記録媒体を得た。
なお、第2の基板は、プリグルーブを有していない以外は、第1の基板と同素材、同形状である。
[実施例2]
実施例1において、水蒸気遮断層を、NbO(水蒸気透過係数=0.4gmm/cm2/d)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光情報記録媒体を作製した。
[実施例3]
実施例1において、水蒸気遮断層を、SiO2(水蒸気透過係数=1.0 gmm/cm2/d)に変更したこと、及び変形防止層をTaO5−SiO2(水蒸気透過性=5.7gmm/cm2/d)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光情報記録媒体を作製した。
[実施例4]
実施例1において、水蒸気遮断層を、ITO(水蒸気透過係数=0.1gmm/cm2/d)に変更したこと、及び変形防止層をTaO5−SiO2(水蒸気透過性=5.7gmm/cm2/d)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4の光情報記録媒体を作製した。
[比較例1]
実施例1において、中間層として、ZnO−Ga23(水蒸気透過係数=2.1gmm/cm2/d)を用い20nmの単層構成としたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光情報記録媒体を作製した。
[比較例2]
中間層の形成に際し、水蒸気遮断層の形成及び変形防止層の形成のいずれも、途中でスパッタリング装置から取り出すことなく1回の成膜で形成したこと以外は実施例1と同様にして光情報記録媒体を作製した。
<評価>
得られた実施例1〜4及び比較例1の光情報記録媒体に対し、以下のようにして、電気特性(PRSNR)を、初期と湿熱保存後とで測定し評価を行った。結果を表1に示す。また、基板の変形の有無を確認するため、R−tilt(ラジアルチルト)と、T−tilt(タンジェンシャルチルト)を測定した。
〔電気特性の測定〕
記録特性の評価は、403nmレーザ、NA0.65ピックアップを搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、あるトラックに、クロック周波数66MHz、線速6.61m/sにて、信号長とベース長の異なる信号をランダムに記録・再生し、PRSNR(Partial response Signal-to-Noise Ratio)を測定した。また、記録はグルーブに行い、記録パワー9.0mW、再生パワー0.5mWであった。
なお、湿熱保存は、60℃―90%RH下に200時間保存することで行い、試料のPRSNR値を比較した。
[R−tilt、T−tiltの測定]
アーガス(ト゛クターシュワフ゛製)を用いて、半径方向のチルト角(R−tilt)と、円周方向の歪み(T−tilt)を測定した。
Figure 2007226931
表1の結果から、実施例1〜4の光情報記録媒体は、比較例1の光情報記録媒体に比べ、湿熱保存後の電気特性が良好であり、初期特性と湿熱保存性とにおいて優れていることが分かる。
また、中間層の形成において、各層の成膜を連続して1回で行った比較例2では、R−tiltとT−tiltの測定結果から基板の変形が認められた。これは、中間層形成時に基板に蓄積した熱による変形と推察される。

Claims (7)

  1. レーザー光照射側から順に、中間層と、記録層とを少なくとも含む光情報記録媒体であって、
    前記中間層が、異なる材料で構成された2層以上からなることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記2層以上からなる中間層のうちの少なくとも1層が水蒸気を遮断する水蒸気遮断層として有し、該水蒸気遮断層の水蒸気透過性が1.0g・mm/cm2/d以下であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記2層以上からなる中間層のうち前記水蒸気遮断層以外に、基板の変形を防止する変形防止層を有し、該変形防止層が、ZnO−Ga23、Ta25、及びTa25−SiO2のうちのいずれかから構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記変形防止層の水蒸気透過性が、前記水蒸気遮断層の水蒸気透過性よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記変形防止層の層厚が10〜40nmであり、前記水蒸気遮断層の層厚が5〜40nmであることを特徴とする請求項3または4に記載の光情報記録媒体。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記水蒸気遮断層及び/又は変形防止層の形成に際し、形成しようとする各層の層厚よりも薄い層を複数回重層して形成し各層の厚みとすることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記複数回に分けた重層形成のうちの各回の層形成においては基板が変形する温度未満の温度を保持し、各回の層形成終了後においては冷却することを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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