JP2007225406A - 交流電流検出用コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】円形状に構成された巻き進みコイルと戻しコイルよりなる交流電流検出用コイルにおいて、コイル近傍に配置された電線の不要な外部磁界の検出を抑えて、測定精度を向上する。
【解決手段】交流電流検出用コイル1は、絶縁性基板2の開口3の周囲の表裏両面に形成された複数の放射状ライン7と、この放射状ライン7を接続する接続部8とをスルーホール9により表裏で連続接続したトロイダルコイル4を備え、このトロイダルコイル4を進みコイル5と戻しコイル6とに形成して直列接続する。さらに、外周側及び内周側のスルーホール9a、9bをそれぞれ迂回すると共に、表裏で重なる重なり部La、Lbをそれぞれ有する接続部8aと接続部8bとを周方向に表裏で交互に繰り返し表裏対称に形成する。これにより、各コイル5、6間でのコイルパターンの偏りを無くし、検出される外部磁界を相殺して電流測定精度を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用分電盤の分岐回路等に流れる電流を測定する電流センサとして機能する、絶縁性基板上に形成された交流電流検出用コイルに関する。
一般に、送変電機器や家庭用分電盤等に通電される交流電流量を被接触で測定するための電流センサとして、貫通型の電流センサが多く用いられている。このような貫通型の電流センサに用いられる交流電流検出用コイルの従来例を図10、図11に示す(特許文献1参照)。これらの図において、交流電流検出用コイル100は、円形の基板開口部101を有する両面積層基板102(以下、プリント基板という)と、この基板開口部101の周囲に配置されたコイル本体103とを備える空芯コイルである。プリント基板102の材質は、ガラス入りエポキシ樹脂である。トロイダルコイル103は、基板開口部101を中心として放射状にプリントされた導電膜の導体部を備え、この導体部はプリント基板102の厚み方向すなわちコイル本体103の軸方向に貫通する接続部を介して直列に結合することにより、プリント基板102にトロイダルコイルを形成している。接続部は、プリント基板102の貫通孔の内面に形成された導電膜のスルーホールである。プリント基板102に巻かれているコイルは、2方向に一定ピッチで巻き回され、時計回り(矢印204の向き)のトロイダルコイルからなる巻き進みコイル105(以下、進みコイルという)と反時計回り(矢印106の向き)のトロイダルコイルからなる戻しコイル107(以下、戻しコイルという)とからなり、進みコイル105の終端と戻しコイル107の始端を接続することにより、両コイル105、107は、直列接続されている。図11において、進みコイル105は、プリント基板102の表面に形成された導体部が太実線で、裏面に形成された導体部を太破線で示し、戻しコイル107は、プリント基板102の表面に形成されている導体部を二重実線で示し、裏面に形成された導体部を二重破線で示している。プリント基板102の表面及び裏面では、両コイル105、107の各導体部が交互に一定ピッチで配列されている。進みコイル105は、表面及び裏面で、長さの異なる導体部が交互に一定ピッチで配列され、戻しコイル107も、同様に表面及び裏面で長さの異なる導体部が交互に一定ピッチで配列されている。また、進みコイル105では、各導体部が基板開口部101から離れた側で各導体部のピッチ間が接続部(スルーホール)により接続され、戻しコイル107では、各導体部が基板開口部101の近い側で各導体部のピッチ間が接続部により接続されている。
また、上記交流電流検出用コイル100を用いた電流測定では、基板開口部101に被測定導体が通され、この被測定導体に流れる電流による磁束が両コイル105、107のプリント基板102の矢印104又は矢印106の方向から視たときの導体部によって囲まれる断面領域を通ることにより発生する誘導電流を検出する。一方、トロイダルコイル本体103の軸方向に視たとき、両コイル105、107の導体部によって囲まれる領域の正面面積内には、被測定導体からの検出されるべき磁界(測定磁界という)以外に、被測定導体以外の電線から発生された磁界(外部磁界という)の磁束も通っていることがある。この外部磁界は、本来の電流測定にとって不要なものである。しかしながら、円形で形成される両コイル105、107は、それら自体が等価的に一つの大きなコイルと見なされるので、それらの正面面積内に、不要な外部磁界が通過すると、この外部磁界による電流も同時に検出される。この外部磁界による検出電流は測定誤差となるため、できるだけ影響が小さいことが望ましい。そして、この測定誤差を抑制するには、外部磁界に対して巻き方向が互いに逆方向である両コイル105、107の各正面面積を同等にして、不要検出電流を相殺する必要がある。
しかしながら、上記従来の電流センサは、両コイル105、107を軸方向に視たとき、進みコイル105の正面面積は、戻しコイル107の正面面積よりも大きく、それぞれの正面面積が異なっている。従って、両コイル105、107で外部磁界による誘導電流の検出量が異なり、完全に相殺されないので、測定誤差を抑制することが困難となっていた。
また、上記電流測定では、測定感度を上げるには、両コイル105、107の測定に寄与する測定磁界からの誘導電圧を多くする必要があり、両コイル105、107において、基板に直交する面で断面したとき導体部によって囲まれる断面領域の各断面面積を同等にし、均一に誘導電圧を発生させることが望ましい。しかしながら、両コイル105、107の断面面積は巻き回ピッチ毎に異なっており、従って、測定感度が劣化するという問題があった。
さらに、この両コイル105、107間において、断面面積が異なると、この断面面積を通過する外部磁界の磁束量が異なるので、両コイル間で検出される外部磁界の検出量に差を生じ、相殺される外部磁界量が少なくなり、測定誤差をさらに増大する。特に、この断面面積の違いによる外部磁界の検出の差は、電流センサと検出不要な外部磁界を発生する電線との距離が近いほど大きく現れる。すなわち、検出不要な外部磁界を発生する電線が検出コイルの近くにあると、遠くにある場合に比べて、斜め成分の磁束が相対的に多くなることから、進みコイルと戻しコイルの断面面積の違いにより、外部磁界の検出に差が生じて、不要磁界の相殺作用が低下することになる。
このように、検出用コイル100では、たとえ進みコイル及び戻しコイルの正面面積が等しい場合でも、それらのコイルの断面面積が異なると、検出不要の外部磁界を発生する電線の近傍においては、相殺される外部磁界の量が低下し、測定誤差が増大する。従って、外部磁界の影響を厳密に削減するためには、進みコイル及び戻しコイルの各正面面積が略同じであると共に、コイルの断面方向の断面面積も略同じであることが必要となる。
なお、交流電流検出用コイルとして、絶縁性基板に基板開口の周囲にコイル本体を配置し、導電膜でコイル状に形成された巻き進みコイルと巻き戻しコイルを有し、これらを直列に接続した空芯コイルが知られている(特許文献2参照)。しかしながら、この空芯コイルでは、コイルの軸方向から視たとき、巻き進みコイルは、鋸歯状の模様を形成し、巻き戻しコイルは三角状の形状をしており、両コイルで形状が異なっている。このため、両コイルが囲む面積が同じでないので、両コイルで通過する外部磁界の磁束量に差が出ることになり、前記同様に外部磁界の影響を十分排除することができないという問題があった。
特開平06−176947号公報 特開2004−87619号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、進みコイルと戻しコイルの表裏両面におけるコイルパターンの偏りを無くした対称なコイル構造とすることにより、コイル近傍に配置された電線からの検出不要な外部磁界を進みコイル及び戻しコイル間で精度よく相殺して、測定誤差の少ない、測定感度の良い交流電流検出用コイルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、絶縁性基板に設けられた開口の周囲の表裏両面に放射状に形成された複数の放射状ラインと、これら表面側と裏面側との放射状ライン間を該ラインの端部側でスルーホールを介して電気的に接続する渡し接続部とを有するトロイダルコイルを備え、このトロイダルコイルを前記基板の表裏に巻き進み方向(このコイルを進みコイルという)と巻き戻し方向(このコイルを戻しコイルという)とに互いに形成した交流電流検出用コイルにおいて、前記渡し接続部は、前記進みコイルと戻しコイルの各々の進み方向において、基板の厚み方向で視たとき少なくとも一部が重なり、周方向に基板の表裏に交互に繰り返し配設されたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の交流電流検出用コイルにおいて、前記渡し接続部は、前記進みコイルと戻しコイルの内の一方のコイルの放射状ラインの外周側端部を、そこに設けたスルーホールを介して反対側の面の隣のコイルの端部に接続するラインと、前記進みコイルと戻しコイルの内の他方のコイルの放射状ラインの外周側端部を、放射方向に延長した位置に設けたスルーホールを介して反対側の面の隣のコイルの端部に接続するラインと、を含むものである。
請求項3の発明は、絶縁性基板に設けられた開口の周囲の表裏両面に放射状に形成された複数の放射状ラインと、これら表面側と裏面側との放射状ライン間を該ラインの端部側でスルーホールを介して電気的に接続する渡し接続部とを有するトロイダルコイルを備え、このトロイダルコイルを前記基板の表裏に巻き進み方向(このコイルを進みコイルという)と巻き戻し方向(このコイルを戻しコイルという)とに互いに形成した交流電流検出用コイルにおいて、前記進みコイル及び戻しコイルの各々における前記渡し接続部が磁気シールドされているものである。
請求項1の発明によれば、進みコイルと戻しコイルにおける渡し接続部での表面側と裏面側の偏りが無くなり、放射状ラインと渡し接続部を含め略完全表裏対称にできるので、進みコイル及び戻しコイルにおける正面方向、断面方向からの外部磁界の通過量が略等しくなり、両コイル間における外部磁界の相殺精度が向上する。これにより、コイル近傍に配置された電線からの検出不要な外部磁界による影響が少なくなり、電流測定精度を高めることができる。また、スルーホールを増やすことなく表裏対称接続ができるので、部品製造コストをアップすることがない。
請求項2の発明によれば、表裏の渡し接続部を全て基板の外周側に形成できるので、渡し接続部の長さを短くでき、製造コストを低減することができる。
請求項3の発明によれば、渡し接続部を磁界が通過しなくなり、渡し接続部において誘起電圧が発生しないので、基板表裏の渡し接続部のパターン配線が製造ばらつきにより非対称となっても、測定不要な近傍電流磁界の影響を低減することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る交流電流検出用コイルについて、図1乃至図4を参照して説明する。図1、図2において、本実施形態の交流電流検出用コイル1(以下、検出用コイルと記す)は、コイルの非磁性体コアとなる円盤状の絶縁性基板2と、絶縁性基板2の中心に形成された略円形の開口3と、絶縁性基板2の外周と開口3の間に形成されたトロイダルコイル4を備える。トロイダルコイル4は、巻き進み方向の巻き進みコイル5(以下、進みコイルという)と巻き戻し方向の巻き戻しコイル6(以下、戻しコイルという)とを有し、それらが同じ絶縁性基板2上に二重形成され、直列に連続接続されている。これらの進みコイル5及び戻しコイル6は、絶縁性基板2の表裏両面に開口3から放射状に形成された複数の放射状ライン7と、これら表面側と裏面側との放射状ライン7間を各ラインの端部側でスルーホール9を介して電気的に接続する渡し接続部8(以下、接続部という)と、表裏の放射状ライン7と接続部8とを電気的に連続接続するスルーホール9と、により形成される。また、接続部8と放射状ライン7の接続において、スルーホール9を介さず、同一平面状で接続する場合は、スルーホール9(9a)の位置に接続ランド12を設けている。また、これらの放射状ライン7及び接続部8は、図1乃至図4において、絶縁性基板2の表面側において実線で示され、裏面側において破線で示されている。なお、絶縁性基板2の形状は、円形とは限らず用途に応じて矩形等、任意の形状にできる。
放射状ライン7は、開口3の中心10を略中心として放射状に一定ピッチで絶縁性基板2上に配列されている。放射状ライン7及び接続部8を構成する導体部は、絶縁性基板2に銅箔で形成され、この銅箔は、例えばガラス入りエポキシ樹脂から成る両面プリント基板をエッチング加工することにより形成することができる。
接続部8は、表裏両面において、隣接する放射状ライン7を避けるように引き回し形成される。この接続部8は、放射状ライン7の外周側の端部(ここでは、スルーホール9a又はスルーホール9aと同じ円周上にある接続ランド12)から円周方向に延設され、外周側でコの字型に引き回し形成される外周側の接続部8aと、外周側の端部(スルーホール9a又は接続ランド12)から内周側の端部であるスルーホール9bを迂回して、再度、外周側の端部(スルーホール9a又は接続ランド12)に接続する内周側の接続部8bとを有する。そして、この接続部8a、8bは、進みコイル5と戻しコイル6の各々の進み方向において、基板の厚み方向で視たとき少なくとも一部が重なり、周方向の基板に表裏に交互に繰り返し配設されている。
巻き進みコイル5は、内周側のスルーホール9bで接続される表裏の放射状ライン7で一巻きのコイルを形成し、このコイルを表面側の接続部8a又は裏面側の接続部8bとスルーホール9とで電気的に接続することにより連続したコイルを形成する。同様に、巻き戻しコイル6は、内周側のスルーホール9bで接続される表裏の放射状ライン7で一巻きのコイルを形成し、このコイルを裏面側の接続部8a又は表面側の接続部8bとスルーホール9とで電気的に接続することにより連続したコイルを形成する。そして、この巻き進み及び巻き戻しの両コイル5、6の一巻きのコイルのピッチは等しく形成されている。また、接続部8は、表裏で同じ形状で形成され、両コイル5、6の接続部8と放射状ライン7によるコイルの全体パターンは、絶縁性基板2の表裏で同一形状として形成されている。
この構成により、トロイダルコイル4のコイルを形成する導体部(導体膜)は、絶縁性基板2の開口3の中心10の中心軸に関してほぼ対称に形成される。また、この検出用コイル1を用いた電流測定では、開口3に電流が流れる被測定導体が通され、この電流による磁界(測定磁界と呼ぶ)の磁束が両コイル5、6の断面領域を通ることにより発生する誘導電流を検出する。
次に、図2を参照して、進みコイル5と戻しコイル6との接続の詳細を説明する。進みコイル5は、コイル引出端子11xから繋がる表面側の接続ランド12からスタートし、表面側の最初の放射状ライン71a、内周側のスルーホール9bから裏面側の放射状ライン71b、スルーホール9aに接続されて1コイルが形成され、さらに、スルーホール9aから表面側のコの字型の接続部8aを経て、この接続部8aの他端の外周側の接続ランド12から、次のコイルとなる表面側の放射状ライン72aに接続される。放射状ライン72aは、内周側のスルーホール9b、裏側の放射状ライン72bに接続されて1コイルを形成し、さらに裏面側の接続ランド12を経由して裏面側の接続部8bに接続され、巻き進み方向に巻き進んでいく。そして、以下同様にして、繰り返し、時計方向に約一周して巻き進み、表面側の放射状ライン73aから内周側のスルーホール9bを介して最後の表面側の放射状ライン73bで終了する。
その後、同ライン73bに連続する繋ぎの折り返し用ライン74(接続ポイント)を経て、戻しコイル6が始まる。戻しコイル6は、折り返し用ライン74が接続された放射状ライン75aから内周側のスルーホール9bを経て、裏面の放射状ライン75bに接続され、さらに、スルーホール9aから表面の接続部8bに接続され、以下同様にして、繰り返し、反時計方向に約一周して巻き進み、表面側の放射状ライン76aから内周側のスルーホール9bを介して裏面側の放射状ライン76bに接続し、裏面側の接続ランド12から裏面側の接続部8aとスルーホール9aを経て、表面側の放射状ライン77aに到達し、内周側のスルーホール9bを経て、最後の裏面側の放射状ライン77bから外周側のスルーホール9aを介して表側のコイル引出端子11yに接続されて終了する。そして、両コイル5、6からの検出電流は、コイル引出端子11x、11yから出力される。
このように、進みコイル5と戻しコイル6は、各コイルの一巻きのピッチが等しく形成されると共に、誘導起電力が電気的に同じ向きになるように巻き進み方向と巻き戻し方向に巻回されている。これにより、両コイル5、6は、これらのコイル断面を通過する磁束に対しては、同一方向の誘導電流を検出し、絶縁性基板2の垂直方向からの外部磁界に対しては、互いに逆方向の誘導電流を検出する。すなわち、検出用コイル1では、トロイダルコイル4全体において、被測定導体からの測定磁界に対する検出電流は、両コイル5、6に発生する各誘導電流の和となり、全コイルの巻き数に比例した誘導電流が得られ、検出不要な外部磁界に対しては、両コイル5、6で検出される誘導電流の差が測定され、相殺される。
次に、進みコイル5と戻しコイル6におけるそれぞれの接続部8(8a、8b)の詳細について図3を参照して説明する。進みコイル5と戻しコイル6は、表裏の放射状ライン7及び接続部8(8a、8b)と外周側のスルーホール9a、内周側のスルーホール9b及び接続ランド12によって形成される。スルーホール9a、9bは、開口3の中心10を中心とする同心円周上にあり、それらの各半径R2,R1の大きさは、R2>R1の順になっている。また、接続ランド12は、スルーホール9aと同じ円周上にある。接続部8は、外周側のスルーホール9aを迂回する接続部8aと、内周側のスルーホール9bを迂回する接続部8bを有し、接続部8a及び接続部8bには、表裏にそれぞれ同形パターンの接続部8a−1、8a−2及び接続部8b−1、8b−2が設けられている。
この接続部8a(8a−1、8a−2)は、略コの字の矩形をしており、進みコイル5又は戻しコイル6において、互いに接続される2つの放射状ライン7の外周側の端部(9a又は接続ランド12)から、それぞれ放射状に延長された同じ長さの2つの延長ラインL2と、スルーホール9aの位置する円周と同心円上で半径R2より大きい半径R3の円周の一部の円弧ラインL1とから形成され、この円弧ラインL1は、表裏において正面視で互いに重なる重なり部Laを有している。これにより、接続部8a(8a−1、8a−2)の接続ラインの長さを短くして、かつ表裏での接続ラインパターンの偏りを無くし互いに対称に形成できる。
接続部8b(8b−1、8b−2)は、互いに接続される2つの放射状ライン7をそれらの間にある内周側のスルーホール9bを迂回して接続する。このため、それら放射状ライン7の外周側の端部(スルーホール9a、又は接続ランド12)に接続され、それら放射状ライン7と同じ放射状を成して並行する接続ラインL3と、スルーホール9bよりさらに内周側に中心10の同心円の円弧ラインL4を有し、略2等辺台形型の接続ラインを形成する。この2つの接続ラインL3は、接続する2つの放射状ライン7と迂回するスルーホール9bからの表裏の2つの放射状ライン7とにおける互いに隣接する放射状ライン7間の中間に配設される。これら2つの接続ラインL3の各一端は、放射状からスルーホール9aの円周上に向けて略直角に曲げられて接続する各放射状ライン7の外周側の端部(9a又は接続ランド12)に接続され、他端は円弧ラインL4の両端にそれぞれ接続される。これにより、スルーホール9bを迂回して放射状ライン7を接続することができる。ここで、表裏の接続部8b−1と接続部8b−2の各接続ラインL3は、正面視で互いに重なる重なり部Lbを有する。この重なり部Lbにより、接続部8b−1と接続部8b−2の接続ラインパターンを最短にして、かつ表裏での接続ラインパターンの偏りを無くし互いに対称に形成できる。
この接続部8を用いたコイル接続では、図3に示すように、進みコイル5において、裏面側の放射状ライン7aは、スルーホール9aを介して表面側の略コの字の接続部8a−1に接続される。この接続部8a−1は、表面側の接続ランド12を経て表面側の放射状ライン7bに接続される。この放射状ライン7bは、スルーホール9bを介して裏面側の放射状ライン7c、裏面側の接続ランド12から裏面側の接続部8b−2に接続される。この裏面側の接続部8b−2では、裏面側の接続ランド12から隣接するスルーホール9aとの中間地点から略直角に曲がり、正面視で隣接する裏面側の放射状ライン7c、7iのライン間の中間を通るラインL3と、スルーホール9bを迂回する内周側円弧ラインL4と、さらに次の隣接する表面側の放射状ライン7j、7dのライン間の中間を通るラインL3を経てスルーホール9aに接続される。さらに、スルーホール9aから放射状ライン7d、スルーホール9bを経て放射状ライン7eに接続される。これら放射状ライン7b、スルーホール9b及び放射状ライン7cとにより1コイルが形成され、放射状ライン7d、スルーホール9b及び放射状ライン7eとにより1コイルが同様に形成される。以降、この放射状ライン7eから進み方向への接続は、放射状ライン7a〜7dまでの接続と同じ接続パターンが繰り返される。
また、戻しコイル5においても同様に、表面側の放射状ライン7fからスタートすると、スルーホール9aを介して裏面側の接続部8a−2に接続される。この接続部8a―2は前記の接続部8a―1と同形状の略コの字の矩形をしており、この接続部8a―2により、放射状ライン7fは、裏面側の接続ランド12を経て裏面側の放射状ライン7gに接続される。この放射状ライン7gは、スルーホール9bを介して表面側の放射状ライン7hに接続され、表面側の接続ランド12を経て表面側の接続部8b−1に接続される。この表面側の接続部8b−1は、前記裏面側の接続部8b−2と同形を成している。これにより前記と同様に、接続部8b−1により、放射状ライン7hは、表面側の接続ランド12から周方向に隣接する接続ランド12との中間点まで伸延し、そこから隣接する放射状ライン7(7h、7b)のライン間の中間を通る一方の接続ラインL3と、スルーホール9bを迂回する内周側円弧ラインL4と、さらに次の隣接する放射状ライン7c、7iのライン間の中間を通る他方の接続ラインL3によりスルーホール9aに接続される。さらに、この接続部8b−1からスルーホール9a、裏面側の放射状ライン7i、スルーホール9bを経て表面側の放射状ライン7jに接続される。これにより、放射状ライン7g、スルーホール9b及び放射状ライン7hとにより1コイルが形成され、放射状ライン7i、スルーホール9b及び放射状ライン7jとにより1コイルが同じ形状で形成される。そして、以降、この放射状ライン7jからの接続は、放射状ライン7f〜7iまでの接続と同じ接続パターンが繰り返される。また、上記において、戻しコイル6における表面側の接続部8b―1の放射状ライン7c、7i間の接続ラインL3と、前記進みコイル5の裏面側の接続部8b―2放射状ライン7c、7i間の裏面側の接続ラインL3は、それらの各放射状部分における重なり部Lbにおいて、正面視で重なるように形成されている。
このように、進みコイル5の接続部8a―1、8b−2と、戻しコイル6の接続部8a―2、8b−1とは、それぞれ表裏で同形を成し、図3に示すように、接続部8a―1と接続部8a―2とは、正面視で表裏のそれぞれの円弧ラインL1が重なり部Laで互いに重なり、接続部8b―1と接続部8b―2とは、正面視で表裏のそれぞれの接続ラインL3が重なり部Lbで互いに重なるように形成される。これにより、表裏の接続部8a(8a―1、8a―2)と接続部8b(8b−1,8b−2)の接続ラインパターンを短くして、かつ対称形に形成することができる。
また、このような構成により形成された進みコイル5と戻しコイル6の基板の正面視からのそれぞれの1コイルの面積S1、S2を、図4を参照して説明する。進みコイル5と戻しコイル6に設けた接続部8a、8bは、各コイルにおける電流を検出する1コイル間を接続するためのものであり、電流を検出する基板2に垂直なコイル断面を形成するコイルには関係しない。従って、電流を検出するコイルを形成する部分のみを視た場合の正面視におけるコイルの正面面積は、内周側のスルーホール9bに接続される隣接する放射状ライン7とこの隣接する放射状ライン7の他の端部(外周側のスルーホール9a又は接続ランド12)を結ぶ線で形成される略三角形で決まる。従って、図4の斜線で示した進みコイル5の正面面積S1と、網線で示した戻しコイル6の正面面積S2とが等しくなる。また、この略三角形の面積S1、S2はスルーホール9a、9b及び接続ランド12を最短距離で結ばれて形成され、それら面積を極めて小さくできる。また、進みコイル5と戻しコイル6のそれぞれの面積S1、S2のパターンは互いに重ならないので、それらを通過する磁界を互いに妨げないため精度良く検出できる。従って、進みコイル5と戻しコイル6間でコイルの正面面積を等しくして測定不要な外部磁界を相殺精度を向上できると共に、正面面積S1,S2が小さいため外部磁界の検出そのものを小さくできるので、さらに外部磁界の影響を低減でき、より正確な電流測定が可能となる。
上述のように、本実施形態の検出用コイル1によれば、放射状ラインが絶縁性基板の表裏で同一形状であると共に、表裏の接続部8aと接続部8bにおいて、少なくとも正面視で表裏で重なる重なり部La、Lbを設けたことにより、表裏でのパターンの偏りを無くし、接続部8の長さを短くして、パターンの対称性を保つことができる。これにより、放射状ライン7及び接続部8を含めたコイルパターン全体での表裏におけるコイルパターンの進みコイル5と戻しコイル6における偏りを殆ど無くすことにより、放射状ライン7と接続部8を含めて進みコイル5と戻しコイル6を同一形状にできる。さらに、進みコイル5、戻しコイル6間において、それぞれの正面方向から視たコイルの正面面積S1、S2及び基板2に垂直な断面方向から視たコイルの断面面積を略等しくできるので、両コイル間において、正面方向及び断面方向からの外部磁界の通過量を略等しくできる。従って、両コイル間における外部磁界の相殺精度を向上し、外部磁界の影響を少なくして電流測定誤差を低減でき、電流測定精度を高めることができる。特に、コイル近傍に配置された電線が発する外部磁界に対して、より測定精度を高めることができる。
また、本実施形態の検出用コイル1においては、トロイダルコイル4の導体部を、前述の開口3の中心を通る中心軸の周りにほぼ対称に、かつ均一に形成することができるので、進みコイル5と戻しコイル6の接続部8を含めた円周方向の断面を同形状で面積を等しくでき、連続するコイル内を磁束がスムーズに流れる。これにより、均一に誘導電流を発生させることができ、測定感度が向上する。また、開口3を有する一枚の両面プリント基板にエッチングパターンとスルーホールを形成することにより、小型で簡単に製作することができ、製造コストも低減する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る交流電流検出用コイルについて、図5、図6及び図7を参照して説明する。本実施形態の検出用コイル1は、前記実施形態と基本的に同様の構成を成し、接続部8を外周側のみに設けた点で前記実施形態と異なる。すなわち、接続部8は、進みコイル5と戻しコイル6を外周側で接続する前記接続部8aと、この接続部8aよりさらに外周側に形成された接続部8cとを有する。接続部8は、進みコイル5と戻しコイル6の内の一方のコイルの放射状ライン7の外周側端部(スルーホール9a又は接続ランド12)を、そこの外周側のスルーホール9aを介して反対側の面の隣のコイルの端部(スルーホール9a又は接続ランド12)に接続するライン(L5、L6)と、進みコイル5と戻しコイル6の内の他方のコイルの放射状ライン7の外周側端部を、放射方向の延長した位置に設けたスルーホール9cを介して反対側の面の隣のコイルの端部に接続するライン(L5,L6)とを含んでいる。図5、図6及び図7において、各放射状ライン7及び接続部8は、絶縁性基板2の表面側において実線で示され、裏面側において破線で示されている。
本実施形態の交流電流検出用コイル1(以下、検出用コイルと記す)は、前記実施形態と同様に、コイルの非磁性体コアとなる円盤状の絶縁性基板2と、絶縁性基板2の中心に形成された略円形の開口3と、絶縁性基板2の外周と開口3の間に形成されたトロイダルコイル4とを備える。そして、進みコイル5及び戻しコイル6は、絶縁性基板2の表裏両面に開口3から放射状に形成された複数の放射状ライン7と、これら表面側と裏面側との放射状ライン7間を各ラインの端部側でスルーホール9を介して電気的に接続する渡し接続部8(以下、接続部という)と、表裏の放射状ライン7と接続部8とを電気的に連続接続するスルーホール9とにより形成される。接続部8は、前記と同じ外周側の接続部8aを有し、内周側の接続部8bの代わりに、外周側の接続部8aよりさらに外周側に形成される接続部8cを備える。スルーホール9は、前記の外周側と内周側のスルーホール9a、9bに加え、スルーホール9aよりさらに外周側に接続部8cを表裏で接続するためのスルーホール9cを備えている。また、接続部8(8a、8c)と放射状ライン7の接続において、スルーホール9を介さず、同一平面状で接続する場合に経由するためのスルーホール9と同形状の接続ランド12を、スルーホール9(9a)に対応する位置に設けている。
次に、図6を参照して、進みコイル5と戻しコイル6との接続の詳細を説明する。進みコイル5は、コイル引出端子11xから繋がるの表面側の接続ランド12からスタートし、表面側の最初の放射状ライン71a、内周側のスルーホール9bから裏面側の放射状ライン71b、スルーホール9aに接続されて1コイルが形成される。さらに、スルーホール9aから表面側のコの字型の接続部8aを経て、接続部8aの他端の接続ランド12から、次のコイルとなる表面側の放射状ライン72aに接続される。放射状ライン72aは、内周側のスルーホール9b、裏面側の放射状ライン72bに接続されて1コイルを形成し、さらに裏面側の接続ランド12を経由して裏面側の接続部8cに接続され、巻き進み方向に巻き進んでいく。そして、以下同様にして、繰り返し、時計方向に約一周して巻き進み、表面側の放射状ライン73aから内周側のスルーホール9bを介して最後の表面側の放射状ライン73bで終了する。
その後、同ライン73bに連続する繋ぎの裏面側の折り返し用ライン74(接続ポイント)を経て、戻しコイル6が始まる。戻しコイル6は、折り返し用ライン74が接続された放射状ライン75aは内周側のスルーホール9bを経て、裏面の放射状ライン75bに接続され、さらに、スルーホール9aから表面の接続部8bに接続される。そして、以下同様にして、繰り返し、反時計方向に約一周して巻き進み、表面側の放射状ライン76aから内周側のスルーホール9bを介して裏面側の放射状ライン76bに接続する。次いで、裏面側の接続ランド12から裏面側の接続部8aとスルーホール9aを経て、表面側の放射状ライン77aに到達し、内周側のスルーホール9bを経て、最後の裏面側の放射状ライン77bから外周側のスルーホール9aを介して表側のコイル引出端子11yに接続されて終了する。そして、両コイル5、6からの検出電流は、コイル引出端子11x、11yから出力される。
このようにして、進みコイル5と戻しコイル6は、前記第1の実施形態と同様に、各コイルの一巻きのピッチが等しく形成されると共に、誘導起電力が電気的に同じ向きになるように巻き進み方向と巻き戻し方向に巻回され、同様の作用効果が得られる。
次に、進みコイル5と戻しコイル6におけるそれぞれの接続部8(8a、8c)の詳細について図7を参照して説明する。進みコイル5と戻しコイル6は、表裏の放射状ライン7及び接続部8(8a、8c)と外周側のスルーホール9a、内周側のスルーホール9b、スルーホール9aより外周側のスルーホール9c及び接続ランド12によって形成される。スルーホール9cは、開口3の中心10に同心の円周上で、かつスルーホール9a及び前記接続部8aの円弧ラインL1の円周よりさらに外周側にあり、接続ランド12は、スルーホール9aと同円周上にある。
接続部8は、前記と同様の外周側のスルーホール9aを迂回する接続部8aと、接続部8aよりさらに離れた外周側でスルーホール9aを迂回する接続部8cを有し、接続部8a及び接続部8cには、表裏にそれぞれ同形パターンの接続部8a−1、8a−2及び接続部8c−1、8c−2が設けられている。ここで、接続部8において、接続部8a−1、8a−2を有する接続部8aは、前記実施形態と同じ接続部8であるので詳細な説明は省略する。
接続部8c(8c−1、8c−2)は、隣接する放射状ライン7を接続する接続部8aと接触しないように、接続部8aよりさらに外周側に迂回して接続するようにしたものである。この接続部8cは、互いに接続される一方のコイルの放射状ライン7の外周側端部(スルーホール9a又は接続ランド12)から放射状に延長された延長ラインL6と、この延長ラインL6に一端が接続され前記円弧ラインL1より外周側に形成された円弧ラインL5と、この円弧ラインL5の他端に接続され他方のコイルの放射状ライン7の外周側端部に接続する他方の延長ラインL6と、放射状ライン7の延長線上で円弧ラインL5の一端に設けたスルーホール9cと、を備え、表裏同形のパターンを有する接続部8c−1と接続部8c−2を形成している。
この接続部8を用いたコイル構成を図7を参照して説明する。進みコイル5において、裏面側の放射状ライン7aから、接続部8a―1、表面側の放射状ライン7b、裏面側の放射状ライン7cまでの接続は、前記第1の実施形態と同様であり、次の放射状ライン7cは、裏面側の接続部8c−2に接続される。この接続部8c−2では、放射状ライン7cは裏面側の接続ランド12からの放射状の延長ラインL6により円弧ラインL5の一端に接続され、さらに円弧ラインL5の他端に設けられたスルーホール9cから、表面側の放射状ライン7dからの他方の延長ラインL6に接続されて放射状ライン7dに接続される。以降、放射状ライン7a〜7dまでの接続と同じ接続パターンが繰り返される。
また、戻しコイル5においても同様に、表面側の放射状ライン7fから、接続部8a−2、放射状ライン7g、表面側の放射状ライン7hまでの接続は、前記第1の実施形態と同様であり、次の放射状ライン7hは、表面側の接続部8c−1に接続される。接続部8c−1では、接続部8a―1の円弧ラインL1と接触しないようにスルーホール9aを介して裏面の延長ラインL6からスルーホール9cに接続される。そして、スルーホール9cから表面側のの円弧ラインL5の一端に接続され、円弧ラインL5の他端からもう一方の延長ラインL6を経て、スルーホール9aを介して裏面の放射状ライン7iに接続される。そして、以降、放射状ライン7f〜7iまでの接続と同じ接続パターンが繰り返される。
このようにして、進みコイル5の接続部8a―1、8c−2と、戻しコイル6の接続部8a―2、8c−1とは、それぞれ同形を成し、図7に示すように、正面視で円弧ラインL1,L5の一部の円弧ライン(重なり部La、Lc)が重なるように形成されるので、表裏の接続部8aと接続部8cの接続ラインパターンを短くでき、かつ表裏同形に形成することができる。
上述のように、本実施形態の検出用コイル1によれば、表裏の接続部8aと接続部8cにおいて、少なくとも表裏で重なる重なり部La、Lcを設けて対称に形成したことにより、接続部8(8a、8c)の長さを短くできると共に、表裏における接続部8のパターンの偏りを無くし、接続部8のパターンの対称性を高めることができる。これにより、前記第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、接続部8(8a、8c)を外周側にのみ設けたことにより内周側に接続部8を含む前記第1の実施形態に比べ、接続部8の接続ラインパターンの長さを短くでき、製造コストを低減することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る交流電流検出用コイルについて、図8、図9(a)、(b)を参照して説明する。本実施形態の検出用コイル1は、前記第1、第2の各実施形態と基本的に構成は同じであり、進みコイル5と戻しコイル6の接続部8を磁気シールドした点で異なっている。
図8、図9(a)に示すように、本実施形態の検出用コイル1は、接続部8をシールドする磁気シールド部20を有する。この磁気シールド部20は、磁気シールドする金属箔21と接続部8と絶縁するための絶縁性部材22より形成される。磁気シール面S3は、外周側のスルーホール9aの位置する円周Φ1と、この円周Φ1と同心円の外周側の接続部8aを含む円周Φ2との間の斜線の施したドーナツ状の部分である。この磁気シールド部20は、図9(b)に示すように、絶縁性基板2の両面の外周側の接続部8(8a)を誘電体膜等の絶縁性部材22で絶縁し、その上から金属箔21でシールド面S3を覆っている。これにより、接続部8aを磁界が通過しないことにより、接続部8aを通過する測定不要な外部磁界をコイルで検出しなくなり、電流検出の測定精度を向上することができる。また、接続部8aにおいて誘起電圧が発生しないので、基板表裏の接続部8aのパターン配線が製造ばらつきによりそのパターン形状が非対称であっても、接続部8aの形状に関係なく測定不要な近傍電流磁界の影響を低減することができる。なお、本実施形態では、外周側の接続部8aを磁気シールドする場合について述べたが、内周側の接続部8(8b)についても内周側のスルーホール9bと開口3との間を磁気シールドすることにより、さらに外部磁界の影響を軽減することができる。
上述した各種実施形態に係る検出用コイル1によれば、接続部8を進みコイル5と戻しコイル6で接続部8に重なり部Laと、重なり部Lb又はLcを設け、かつ対称に形成することにより、表裏における接続部8において、接続ラインパターンの長さを短くし、かつパターンの偏りを極めて少なく抑えることができる。これにより、進みコイル5と戻しコイル6の正面面積及び断面面積を共に略等しくでき、また、正面面積自体の面積を小さくできることにより、検出用コイル1の近傍の電線からの検出不要な外部磁界の影響をも低減することができ、検出誤差の少ない、検出感度の高い電流検出コイルが得られる。これにより、小型、高性能で、かつ量産し易く低コストの電流センサを実現することができる。なお、上述した各種実施形態では、プリント基板を用いてコイルを形成したが、プリント基板でなくてもコイルを形成するものであれば何でもよい。
本発明の第1の実施形態に係る交流電流検出用コイルの平面図。 図1のA部の拡大図。 図1のB部のを拡大図。 (a)は上記検出用コイルの進みコイルと戻しコイルの形成する面積を示す図、(b)は(a)のC部の拡大図。 本発明の第2の実施形態に係る交流電流検出用コイルの平面図。 図5のD部の拡大図。 図5のE部のを拡大図。 本発明の第3の実施形態に係る交流電流検出用コイルの平面図。 (a)は図8のF部の拡大図、(b)は(a)のG−G線断面図。 従来の交流電流検出用コイルの正面図。 上記検出用コイルの部分拡大図。
符号の説明
1 検出用コイル(交流電流検出用コイル)
2 絶縁性基板
3 開口
4 トロイダルコイル
5 進みコイル
6 戻しコイル
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i 放射状ライン
8、8a、8b 接続部
9、9b、9c スルーホール
9a、12 外周側端部
20 磁気シールド部
71〜77 放射状ライン

Claims (3)

  1. 絶縁性基板に設けられた開口の周囲の表裏両面に放射状に形成された複数の放射状ラインと、これら表面側と裏面側との放射状ライン間を該ラインの端部側でスルーホールを介して電気的に接続する渡し接続部とを有するトロイダルコイルを備え、このトロイダルコイルを前記基板の表裏に巻き進み方向(このコイルを進みコイルという)と巻き戻し方向(このコイルを戻しコイルという)とに互いに形成した交流電流検出用コイルにおいて、
    前記渡し接続部は、前記進みコイルと戻しコイルの各々の進み方向において、基板の厚み方向で視たとき少なくとも一部が重なり、周方向に基板の表裏に交互に繰り返し配設されたことを特徴とする電流検出用コイル。
  2. 前記渡し接続部は、前記進みコイルと戻しコイルの内の一方のコイルの放射状ラインの外周側端部を、そこに設けたスルーホールを介して反対側の面の隣のコイルの端部に接続するラインと、前記進みコイルと戻しコイルの内の他方のコイルの放射状ラインの外周側端部を、放射方向に延長した位置に設けたスルーホールを介して反対側の面の隣のコイルの端部に接続するラインと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の交流電流検出用コイル。
  3. 絶縁性基板に設けられた開口の周囲の表裏両面に放射状に形成された複数の放射状ラインと、これら表面側と裏面側との放射状ライン間を該ラインの端部側でスルーホールを介して電気的に接続する渡し接続部とを有するトロイダルコイルを備え、このトロイダルコイルを前記基板の表裏に巻き進み方向(このコイルを進みコイルという)と巻き戻し方向(このコイルを戻しコイルという)とに互いに形成した交流電流検出用コイルにおいて、
    前記進みコイル及び戻しコイルの各々における前記渡し接続部が磁気シールドされていることを特徴とする交流電流検出用コイル。
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