JP4715419B2 - 電流検出用コイル - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサに用いられる電流検出用コイルに関するものである。
近年の省電力ニーズにより、分電盤内でも主幹ブレーカだけでなく各々の分岐ブレーカに流れる電流を計測するニーズが高まっている。
一方現状の電流検出手段としては、主に変流器(CT)が用いられているが、鉄心を用いるため重く、変流器自体の容積が大きくてそのための配置スペースを必要とするという問題がある。またダイナミックレンジが狭い(所定電流以上で出力が飽和)ので被測定電流範囲に応じて個別にCTを取り揃える必要があった。
そのような問題を解決するための手段としてロゴスキーコイル型電流センサがあり、この電流センサは、空芯コイルからなるロゴスキーコイルを備えたもので、変流器のように鉄心の飽和がなく大電流まで検出できる特長がある。
このロゴスキーコイルは空芯のトーラス状の巻き線で、終端がコイルの中心を通して戻る構造であって、コイルを突き抜ける電流が変化すると電磁誘導によりコイルの両端に電圧が誘起される。
ロゴスキーコイルの出力電圧Vは、測定対象となる電線に流れる被計測電流を微分したものであり、以下の式で表される。この出力電圧を積分すれば電流波形が得られる。
ここで、Iは被計測電流、Sはロゴスキーコイルのコイルの断面積、μoは真空の透磁率、Nはロゴスキーコイルの単位長さ当たりの巻き数である。
Figure 0004715419
ロゴスキーコイルは、空芯コイル(鉄心なし)のため軽量であり、しかも鉄心による飽和がないので、非常にダイナミックレンジが広い。
この式で得られる出力電圧Vは、μ(=4π×10−7)が係数として乗算されるため例えば分電盤内の分岐ブレーカに流れる一般的な負荷電流(数A)を検出しようとする場合、非常に小さい出力電圧となる。またロゴスキーコイルを電流検出用コイルとして形成する場合、空芯であるためコアとして磁性体を有する電流センサと比べ、外部磁界の影響を受け易い。この外部磁界の影響は、ロゴスキーコイルが理想的であればその影響はない。
理想的とは、巻き間隔(ピッチ)が均一であること、コイルに生ずる1ターンコイルの影響を完全に無くすことである。この1ターンコイルの影響とは、コイルに対し被計測電線を貫通させる方向から貫く、外部電流等による磁束によりコイル出力端に発生する誘導起電力であり、本来不要な出力である。
従来の一般的なロゴスキーコイルでは、進みコイル内部の略中心位置に1本の戻しコイルを配置し、進みコイルと戻しコイルを直列で接続することで、本来不要な各コイルに生ずる誘導起電力を理想的に相殺して誘起起電力によるコイル出力をない状態にする。また、コイル出力電圧を大きくするには、コイル断面積や、コイルの単位長さ当たりの巻き数を多くしている。
一方上記の問題を解決するコイル構造として、一枚のプリント基板を用いて形成した進みコイルと、その鏡像対称にある別の一枚のプリント基板を用いて戻しコイルを形成し、両プリント基板を重ねた上で両コイルを直列接続することで外部磁界影響を防止する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2000−228323公報(公報第1頁の(解決手段)の欄及び図1)
上述の特許文献1に開示されているプリント基板を用いた方式では、コイル断面に平行な方向に一定の厚みがあるため、プリント基板の厚みの影響が無視できない基板の合わさ面付近に外部磁界を発生する外部電流源が位置する場合、完全には外部磁界を防止できないという課題があった。また各プリント基板の表裏のパターン接続を1ターン毎にスルーホールで行うために、スルーホールの範囲にランドが必要であり、微細(狭)ピッチ化の妨げになるという課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、外部磁界の影響を防止でき、精度(S/N)を向上させた電流センサを構成することが可能な電流検出用コイルを提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、可撓性絶縁基板の両面に夫々、該可撓性絶縁基板の両端方向に対して直交する方向が長手で、基準となる基板面に対して凹状若しくは凸状の複数の変形部を前記可撓性絶縁基板の両端方向に所定間隔をあけて並行形成し、線路パターンを蛇行させて蛇行折り返し部位間の線路方向を前記変形部の長手方向と同方向とするとともに、該方向の線路パターンを交互に前記変形部上と、前記変形部間の基板面上とに通過配置したコイルを前記可撓性絶縁基板の両面に夫々設け、前記可撓性絶縁基板の一面に設けたコイルを進みコイルとして該進みコイルの終端に他面に設けたコイルの始端を電気的に接続して該コイルを戻しコイルとしていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、進みコイルだけの場合に比べて戻しコイルの分も加わってコイル出力電圧を倍増させることができ、また可撓性絶縁基板を円筒状に巻いて電流センサとして使用する場合に進みコイルの1ターンコイルと戻しコイルの1ターンコイルの各面積及び空間的な位置がほぼ等しくなり、そのため近傍の外部磁界によって鎖交する磁束量による両コイルの誘導起電力がほぼ等しくなって相殺され、結果外部磁界の影響を防止することができ、結果S/Nが向上した高精度の電流センサを構成することが可能となる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記可撓性絶縁基板の変形部が設けられている位置に対応する反対側面は基準となる基板面であることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、変形部と、該変形部の位置に対して反対側面との間の板厚寸法を一定とすることができ、可撓性絶縁基板の板厚が薄い場合にも、安定的に製造でき、可撓性絶縁基板の割れや変形の可能性を低減できる。
請求項3の発明では、撓性絶縁基板の片面に、該可撓性絶縁基板の両端方向に対して直交する方向が長手で、基準となる基板面に対して凹状若しくは凸状に変形させた複数の変形部を前記可撓性絶縁基板の両端方向に所定間隔をあけて並行形成し、前記可撓性絶縁基板の片面には、線路パターンを蛇行させて蛇行折り返し部位間の線路方向を前記変形部の長手方向と同方向とするとともに、該方向の線路パターンを交互に前記変形部上と、前記変形部間の基板面上とに通過配置した進みコイル及び戻しコイルを夫々設け、前記進みコイルの終端に前記戻しコイルの始端を電気的に接続し、且つ前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとの少なくとも一部が絶縁的に重ねられていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、進みコイルだけの場合に比べて戻しコイルの分も加わってコイル出力電圧を倍増させることができ、また可撓性絶縁基板を円筒状に巻いて電流センサとして使用する場合に進みコイルの1ターンコイルと戻しコイルの1ターンコイルの夫々の面積及び空間的な位置が極めて等しくなり、そのため近傍の外部磁界によって鎖交する磁束量による両コイルの誘導起電力が相殺され、結果外部磁界の影響を防止することができ、結果S/Nが向上した高精度の電流センサを構成することが可能となる上に、進みコイルと戻しコイルが可撓性絶縁基板の同一面にあって、両コイルの線路パターンの少なくとも一部重ねることで、パターンを基板面積に対して有効に配置することができ、また変形部を有する面とは反対側の平坦な基板面を別の用途に使用することが可能となる。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記変形部の短手方向と同方向の一方のコイルの線路パターンと、前記変形部の長手方向と同方向の他方のコイルの線路パターンとが交差していることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、進みコイルと戻しコイルの重なる部位の絶縁を図る部位を交差点付近のみとすることができるので、絶縁材が少なくて済む。
請求項5の発明では、請求項3の発明において、前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとが、前記変形部の短手方向と同方向の部位で重ねられていることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、可撓性絶縁基板を円筒状にしたときの戻しコイルによる1ターンコイルと進みコイルによる1ターンコイルの空間的な位置のずれが零となるため、外部磁界の影響防止の効果を最も大きくすることができる。
請求項6の発明では、請求項3の発明において、前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとが、前記変形部の長手方向と同方向の部位で重ねられていることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、変形部の短手方向の長さを短くすることができることと、変形部と隣り合う変形部間の基板面の幅も小さくできるため、コイルピッチを小さくすることが可能となり、そのため単位長さあたりの各コイルの巻数を増やしてコイル出力を増加させることができ、結果S/Nを更に向上させることができる。
請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記進みコイル、前記戻しコイルの対が複数対設けられ、これら対の進みコイルと戻しコイルとを順次直列に接続して、先頭の進みコイルの始端と、最後尾の戻しコイルの終端とでコイル出力端を構成していることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、コイル出力は、進みコイルだけの場合と比べ、4倍以上の偶数倍に大きくとれるので、電流センサのS/Nが向上し、また両面に変形部を有し、厚みが比較的大きい可撓性絶縁基板を用いる場合にあって、進みコイルによる1ターンコイル円の面積と戻しコイルによる1ターンコイル円の面積に差異が生じて外部磁界の影響防止ができない場合でも、外部磁界の影響を無視できるレベルに低減することが可能である。
本発明は、進み用の線路パターンと戻し用の線路パターンにより構成される1ターンコイルにおいて、外部磁界による誘導起電力を相殺して外部磁界の影響を防止することができ、結果精度(S/N)を向上させた高精度な電流センサを構成することができるという効果がある。
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
本実施形態は、図1、図2(a),(b)に示すように可撓性絶縁基板1の両面には、基板面を基準面として凹ませ、且つ長手方向を可撓性絶縁基板1の短手方向となるように形成した同形状の複数の変形部2a、2bを夫々一定間隔をあけて並行形成し、一面側の各変形部2aの位置を他面側の変形部2b,2b間に位置させ、一面側の変形部2aの位置と他面側の変形部2bの位置を平面視で重ならないように配置としている。そして図1において上面となる一面側には進みコイル3の線路パターン3aを、下面となる他面側には戻しコイル4の線路パターン4aを銅箔等の導電性金属箔で形成している。
線路パターン3aは矩形波状に蛇行し、変形部2aの長手方向と同方向となる長手の線路部位を交互に変形部2aの底部上と、変形部2aに並行隣接する平坦な基板面上に通過配置されることで進みコイル3を構成し、線路パターン4aも同様に矩形波状に蛇行し、変形部2bの長手方向と同方向の長手の線路部位を交互に変形部2bの底部上と、変形部2bに並行隣接する平坦な基板面上に通過配置されることで戻しコイル4を構成している。
そして進みコイル3の線路パターン3aの終端3bと、戻しコイル4の線路パターン44aの始端4bとは可撓性絶縁基板1の両面間に貫通させたスルーホール5を利用して電気的に接続され、進みコイル3の線路パターン3aの始端3cと戻しコイル4の線路パターン4aの終端4cとでコイル出力端を構成する。
而して上述のように構成された電流検出用コイルは、可撓性絶縁基板1をその可撓性を利用して図3(a),(b)のように円筒状に巻き、その中心透孔に被計測用電線6を貫通させることで円筒状電流センサ(ロゴスキーコイル)7を構成する。尚、円筒状にしたときに可撓性絶縁基板1の一の面と他の面のどちらを内側面としなっても良いが図示例では、進みコイル3を内側に、戻しコイル4を外側にしてある。
而して被計測用電線6に流れる電流の微分に比例したコイル出力電圧が、進みコイル3の線路パターン3aの始端3cと戻しコイル4の線路パターン4aの終端4cで構成されるコイル出力端から取り出せることになる。ここで変形部2a,2bの谷深さ(凸状の場合には山の高さ)×長手方向の長さ、つまり1つのコイル断面積にコイル出力電圧が比例するので、微細(狭)ピッチにできる本構造であれば、谷深さ(又は山の高さ)を0.1mm程度とし長手方向の長さを19.8mm程度に抑えても必要な出力電圧を得られる。例えば、ピッチを0.06mm、コイル断面(長方形とみなせす)を0.1mm×19.8mm、コイル巻き数を696とした場合、円筒状電流センサ7の出力電圧(振幅)は12.93[μV/A]と計算上得られる。
次に外部磁界の影響を防止する本実施形態の機能について説明する。
まず電流検出用コイルを上述のように例えば内側に進みコイル3、外側に戻しコイル4がくるように可撓性絶縁基板1を巻いたときには、円筒の軸方向からみた進みコイル3は等価的に円筒内周に沿って進み1ターンコイルを形成しているとみなせ、また同様に戻しコイル3も等価的に円筒外周に沿って戻し1ターンコイルを形成しているとみなせる。そして夫々の1ターンコイルに対して、被計測電流による磁界とは無関係の外部電流による外部磁界の磁束が鎖交した場合、夫々誘導起電力が発生する。
ここで進み1ターンコイルで生じる誘導起電力Viの大きさと、戻し1ターンコイルで生じる誘導起電力Vbの大きさが等しいという条件があれば、電流検出用コイル全体としては進みコイル3と戻しコイル4は直列接続であるから、ViとVbが相殺し、外部磁界によるコイル出力電圧は理想的に零となる。
本実施形態における可撓性絶縁基板1の板厚を0.3mm程度のごく薄くした場合、円筒状に巻いたときの電流検出用コイルの内径と外径はほぼ同一とみなせるから、進み1ターンコイルで形成される円の面積と戻し1ターンコイルで形成されるの円の面積とはほぼ同一とみなせ、またこの二つの1ターンコイルの円が同心円であることから中心軸の位置も等しい。従って進み1ターンコイルの円と戻し1ターンコイルの円において、面積及び空間的な位置が等しい(形状の一致度が高い)ので鎖交する外部磁束量が等しくなり、それぞれで生ずる誘導起電力VfとVbの大きさが等しく、上述の外部磁界によるコイル出力電圧が零となるという上述の条件が成り立つことになる。
而して、本実施形態の電流検出用コイルは、可撓性絶縁基板1の板厚を0.3mm程度とすることで、進み1ターンコイルと、戻し1ターンコイルとの距離を最大0.3mmとすることができ、例えば分電盤等の配線の電流を計測する電流センサと使用した場合、周辺に配線される電線(住宅やビル等に使用される電線)で最も細い電線(IV電線)の直径が1.6mmであったとしても、この直径の大きさに対して上述の0.3mmは十分無視できる距離となり、そのため外部磁界の影響が大幅に改善され、外部磁界によるコイル出力電圧をほぼ零とすることができる。すなわち、外部磁界源(外部通電電線)がロゴスキーコイル型電流センサ7の任意の位置に配されても、外部磁界の影響を受けない。また、進みコイル3と戻しコイル4とを設けることで電流検出用コイルの出力電圧が進みコイルだけの場合に比べて2倍となりS/Nが向上する。
尚本実施形態では変形部2a,2bを凹状としたが、図4(a)に示すように凸状に形成しても良く、或いは図4(b)に示すよう一方を凹状、他方を凸状にしても良い。また側方からみた断面形状を台形としているが、図4(c)に示すように底部を弧状の曲面としても良い。尚図4(b)では凸状の変形部を2a、凹状の変形部を2bとしているが逆であっても勿論良い。
また長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2a、2bを設ければ、中心孔に被測定用電線を貫挿するだけで、ロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができる。
(実施形態2)
本実施形態の電流検出用コイルは、図5(a)、(b)に示すように可撓性絶縁基板1の一面と他面とに形成した変形部2a,2bの長手方向と同方向の進みコイル3及び戻しコイル4の線路パターンの長手の線路部位を基板面に対して垂直方向において同じ位置に配置して夫々の部位の対向距離が一定となるようした点に特徴がある。ここで可撓性絶縁基板1の一面側の変形部2aと他面側の変形部2bとは1個の変形部の幅分だけずれるように配置している。尚図5(b)の線路パターン3a,4a上に記した○内の黒点及び×は電流極性を示す。また実施形態1の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
而して本実施形態の電流検出用コイルも、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができるのである。また実施形態1の場合と同様に進みコイル3と戻しコイル4とを有することで、外部磁界の影響を殆ど受けることがなく、また進みコイル3、戻しコイル4とを直列に接続することでコイル出力電圧を進みコイルだけの場合に比べて2倍とすることができ、S/Nを向上させることができる。更に可撓性絶縁基板1の板厚が例えば0.3mm程度と薄い場合にあっても、変形部2a又は2bと、反対側面の平坦な基板面との厚さが例えば0.2mmと一定とすることができ、そのため金型で変形部2a、2bを有する可撓性絶縁基板1を成形する場合、金型精度によって安定的に製造が行え、また可撓性絶縁基板1の割れや変形をも低減することができる。
尚本実施形態でも変形部2a,2bの形状を図4(a)〜(c)で示す何れかの形状としても良く、また長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2a、2bを設けた構成としても良い。
(実施形態3)
実施形態1,2は可撓性絶縁基板1の両面に変形部2a、2bを設けているが、本実施形態は図6に示すように一面のみに凹状の変形部2を可撓性絶縁基板1の長手方向に一定間隔をあけて複数並設するとともに、進みコイル3の線路パターン3aと戻しコイル4の線路パターン4aとを夫々矩形波状に蛇行形成し、折り返し部位間の長手の線路部位を変形部2と変形部2,2間の平坦な基板面上を交互に通過するように配置したもので、進みコイル3、戻しコイル4の長手線路部位は通過する変形部2内或いは基板面では互いに重ならないように並行し、長手線路部位の両端の折り返し部位の一方側では線路パターン4aの短手線路部位と線路パターン3aの長手線路部位の端部とが絶縁膜8を介して交差して重ならし、また折り返し部位の他方側では線路パターン3aの短手線路部位と線路パターン4aの長手線路部位の端部とが絶縁膜8を介して交差して重ならしている点に特徴がある。尚進みコイル3の終端3bと戻しコイル4の始端4bとは電気的に接続され、変形部2及び基板面で並行する線路パターン3a,4bの長手線路部位に流れる電流が逆方向となるようになっている。また進みコイル3の線路パターン3aの始端3cと戻しコイル4の線路パターン4aの終端4cとは近傍に配置され、コイル出力端を構成している。
尚図面では進みコイル3の線路パターン3aを一点鎖線で示し、実線で示している戻しコイル4の線路パターン4aとの識別性を高めているが、上述した通り実際には戻しコイル4とともに同一面側に配置されている。
而して本実施形態の電流検出用コイルを、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができ、実施形態1,2と同様に外部磁界の影響を殆ど受けず、また進みコイル3と、戻しコイル4とで進みコイルのみの場合の2倍のコイル出力電圧が得られる。
特に本実施形態では、可撓性絶縁基板1の板厚が厚くなっても、進み1ターンコイルの直径と戻し1ターンコイルの直径の差は線路パターン3a、4aを形成する銅箔の厚み程度(一般に数μm〜十数μm)となるため、ほぼ同一の面積とみなせ、空間的な位置ずれが殆どない点と合わさって両コイル3、4の外部磁界による誘導起電力がほぼ零となるように相殺され、可撓性絶縁基板1の厚さに関係なく、外部磁界の影響を無視できることになる。これは、戻しコイル4による1ターンコイルと進みコイル3による各1ターンコイルの形状と空間的な位置の一致度が実施形態1,2に比べ更に向上した結果である。
また本実施形態では、可撓性絶縁基板1の変形部2を有しない平坦な基板面を別の用途に使用することが可能となる。
更に本実施形態では進みコイル3と戻しコイル4とが重なる部分は、絶縁膜8を塗布する必要があるが、一部を交差させて重ねているため交差点付近のみ絶縁膜材を塗布すれば良く、そのため塗布エリアが少なく、絶縁膜材の材料費が安く済む。
尚変形部2の形状を図4(a)に示す凸状としても良く、また図4(c)に示すような形状としても良い。更に長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2を設けた構成としても良い。
(実施形態4)
本実施形態は、図7に示すように進みコイル3の線路パターン3a及び戻しコイル4の線路パターン3cの折り返し部位である短手線路部位を絶縁膜8を介して重さねて両コイル3,4の空間的な位置ずれを零としている点で実施形態3と相違しており、両線路パターン3a、3bは同形状で可撓性絶縁基板1の長手方向にずらして配置形成されている。その他の構成は実施形態3と同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
尚図面では進みコイル3の線路パターン3aを一点鎖線で示し、実線で示している戻しコイル4の線路パターン4aとの識別性を高めているが、上述した通り実際には戻しコイル4とともに同一面側に配置されている。
而して本実施形態の電流検出用コイルを、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができ、実施形態3と同様に外部磁界の影響を殆ど受けず、また進みコイル3と、戻しコイル4とで進みコイルのみの場合の2倍のコイル出力電圧が得られる。
特に本実施形態では、可撓性絶縁基板1の板厚が厚くなっても、進み1ターンコイルのと戻し1ターンコイルとの空間的な位置の差を零とみなせるため、ほぼ同一面積と合わさって外部磁界の影響を実施形態3に比して一層無視できることになる。
更にまた実施形態3と同様に可撓性絶縁基板1の変形部2を有しない平坦な基板面を別の用途に使用することが可能となる。
尚変形部2の形状を図4(a)に示す凸状としても良く、また図4(c)に示すような形状としても良い。更に長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2を設けた構成としても良い。
(実施形態5)
本実施形態は、図8に示すように変形部2の長手方向と同方向の進みコイル3の線路パターン3aの長手線路部と戻しコイル4の線路パターン4aの長手線路部位とをほぼ全部に亘るように絶縁膜8を介して重ね、長手線路部位を重ねない実施形態3、4に場合に比べて、変形部2の短手方向の幅寸法と、並行隣接する変形部2、2間の基板面の幅寸法とを短くして、コイルピッチを小さくしている。
而して本実施形態の電流検出用コイルを、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができ、実施形態3と同様に外部磁界の影響を殆ど受けず、進みコイル3と、戻しコイル4とで進みコイルのみの場合の2倍のコイル出力電圧が得られる。
特に本実施形態では、コイルピッチを小さくして、単位長さあたりの各コイル3,4の巻数を増やすことができ、そのためコイル出力電圧を増やすことができ、S/Nを更に向上させることができる。
更にまた実施形態3と同様に可撓性絶縁基板1の変形部2を有しない平坦な基板面を別の用途に使用することが可能となる。
尚変形部2の形状を図4(a)に示す凸状としても良く、また図4(c)に示すような形状としても良い。更に長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2を設けた構成としても良い。
(実施形態6)
実施形態1〜5は何れも一対の進みコイル3と戻しコイル4とを設けたものであるが、本実施形態は、図9に示すように可撓性絶縁基板1の一面に凹状の変形部2を実施形態4と同様に設け、この変形部2を設けた面に第一の進みコイル31と第一の戻しコイル41の対と、第二の進みコイル32と第二の戻しコイル42とを設けた点に特徴があり、両進みコイル31,32の線路パターン31a,32aを絶縁膜(図示せず)を介して重ね、同様に両戻しコイル41,42の線路パターン4a、4bを絶縁膜(図示せず)を介して重ね、更に折り返し部位の短手線路部位にあっては、戻しコイル41、42の線路パターン41a,42aと、進みコイル31,32の線路パターン31a、32aとの一部を絶縁膜(図示せず)を介して重ね、進みコイル31の線路パターン31aの終端31bと、戻しコイル41の線路パターン41aの始端41bとを電気的に接続し、更に戻しコイル41の線路パターン41aの終端41cと進みコイル32の線路パターン32aの始端32bとを電気的に接続し、進みコイル32の線路パターン32aの終端32cと戻しコイル42の線路パターン42aの始端42bとを電気的に接続し、進みコイル31の線路パターン31aの始端31cと、戻しコイル42の線路パターン42aの終端42cとでコイル出力端を構成している点で実施形態4と相違している。つまり進みコイル31,戻しコイル41,進みコイル32,戻しコイル42の直列回路によりコイル出力で電圧を得る要にした点に特徴がある。尚図9では線路パターン31aを実線で、32aを破線で、更に線路パターン41aを一点鎖線で、42aを二点鎖線で示して識別しているが実際には一定幅の導電性金属箔によるパターンからなる。
而して本実施形態の電流検出用コイルを、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができ、実施形態4と同様に外部磁界の影響を殆ど受けず、二対の進みコイル31,32と、戻しコイル41、42とで進みコイルのみの場合のほぼ4倍のコイル出力電圧が得られ、S/Nの向上が図れる。勿論戻しコイルと進みコイルの対数を増加させれば偶数倍のコイル出力電圧が得られ、更なるS/Nの向上が図れる。
またその作用効果は実施形態4と同様となるので説明は省略する。
尚変形部2の形状を図4(a)に示す凸状としても良く、また図4(c)に示すような形状としても良い。更に長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2を設けた構成としても良い。
(実施形態7)
実施形態6は可撓性絶縁基板1の一面に変形部2と、進みコイル31,32、戻しコイル41,42を設けた構成であったが、本実施形態は実施形態2と同様に可撓性絶縁基板1の両面に変形部2a、2bを設けたものに、2対の進みコイルと戻しコイルとを設けたもので、図10(a)、(b)に示すように一方の対の進みコイル31の線路パターン31aと、戻しコイル41の線路パターン41aを実施形態2と同様に形成配置し、更に絶縁膜8を介して他方の対の進みコイル32の線路パターン32aを戻しコイル41の線路パターン41aに絶縁膜8を介して重なるように形成配置し、また他方の対の戻しコイル42の線路パターン42aを進みコイル31の線路パターン31aに絶縁膜8を介して重なるように形成配置し、進みコイル31の線路パターン31aの終端31bと、戻しコイル41の線路パターン41aの始端41bとをスルーホール5aを介して電気的に接続し、戻しコイル41の線路パターン41aの終端41cと、進みコイル32の線路パターン32aの始端32bとを電気的二接続し、更に進みコイル32の線路パターン32aの終端32cと、戻しコイル42の線路パターン42aの始端42bとをスルーホール5bを介して電気的に接続し、進みコイル31の線路パターン31aの始端31cと、第二の線路パターン42aの終端42cとでコイル出力端を構成している点に特徴ある。
而して本実施形態の電流検出用コイルを、実施形態1と同様に可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻くことでロゴスキーコイル型の電流センサを構成することができ、実施形態4と同様に外部磁界の影響を殆ど受けず、また二対の進みコイル31,32と、戻しコイル41、42とで進みコイルのみの場合のほぼ4倍のコイル出力電圧が得られ、S/Nの向上が図れる。勿論戻しコイルと進みコイルの対数を増加させれば偶数倍のコイル出力電圧が得られ、更なるS/Nの向上が図れる。
尚図10(a)では線路パターン31aを実線で、32aを破線で、更に線路パターン41aを一点鎖線で、42aを二点鎖線で示して識別しているが実際には一定幅の導電性金属箔によるパターンからなる。また図10(b)の線路パターン3a,4aの断面内に記した○内の黒点及び×は電流極性を示す。
特に本実施形態の電流検出用コイルでは、進みコイル31による1ターンコイルに対する外部磁界の影響と戻しコイル42の1ターンコイルに対する外部磁界の影響が相殺され、また戻しコイル41による1ターンコイルに対する外部磁界の影響と進みコイル32による1ターンコイルに対する外部磁界の影響が相殺されるため、それぞれの相殺において、形状・空間的な一致度の違いは線路パターンの厚み程度の差しかなく、外部磁界の影響はほぼ零とみなせ、可撓性絶縁基板1の厚みに制限を受けることなく外部磁界の影響を無くす効果がある。
尚本実施形態の変形部2a,2bの形状を図4(a)乃至(c)の何れの形状としても良い。更に長方形の可撓性絶縁基板1の代わりに環状(円環状)の絶縁基板を用いて円周方向に可変部2a,2bを設けた構成としても良い。
(実施形態8)
上述の実施形態1〜7の電流検出用コイルは、長方形状の可撓性絶縁基板に変形部を設け、この変形部を通過するように進みコイル及び戻しコイルの線路パターンを形成配置したもので、可撓性絶縁基板1の可撓性を利用して円筒状に巻いてロゴスキーコイル型の電流センサ7を構成するようになっているが、本実施形態の電流検出用コイルは、図11に示すように円環状に形成した絶縁基板10を用い、その中心孔10aの中心に被測定用電線6を貫挿させるだけで、ロゴスキーコイル型の電流センサ7を構成することができるようにしたものであり、絶縁基板10に対しては可撓性の有無を問わないようになっている。
つまり本実施形態は、絶縁基板10の中心孔10aの中心から等間隔で延ばした各放射線上に位置する絶縁基板10の一面に放射線方向が長手となる凹状で且つ平面視での形状が長方形の変形部2を形成し、これら変形部2を形成した絶縁基板10の一面上に各変形部2上を長手方向に順次通過させるように進みコイル3の線路パターン3aを蛇行形成してある。そして絶縁基板10の変形部2を設けていない平坦な面には進みコイル3の線路パターン3aの投影位置に重なるように投影形状と同形状となる戻し用の線路パターン4aを蛇行形成するとともに、進みコイル3の線路パターン3aの終端3bと戻し用の線路パターン4aの始端4bとを絶縁基板10に設けたスルーホール5を介して電気的に接続し、進みコイル3の線路パターン3aの始端3cと戻し用の線路パターン4aの終端4cとでコイル出力端を構成している。ここで戻し用線路パターン4aは変形部を通過しないため戻しコイルを成さない。
而して本実施形態の電流検出用コイルは、絶縁基板10の中心孔10aに被測定用電線6を貫挿するだけで、円板状のロゴスキーコイル型の電流センサを構成することになる。
そして被測定用電線6の貫挿方向からみた進みコイル3の線路パターン3aによる1ターンコイルと戻し用の線路パターン4aによる1ターンコイルとは同一形状で、同一の面積となる。一方空間位置は絶縁基板10の板厚の影響があるものの、変形部を用いて形成した戻しコイルではないため板厚の影響が低減される。従ってこれら1ターンコイルによって外部磁界の影響をほぼ相殺して外部磁界の影響を防止することができる。また絶縁基板10の平坦な面に戻し用の線路パターン4aを形成するため、戻しコイルにするための変形部を設ける工程がなく、そのため絶縁基板10の製造が容易で、コストの低減が図れる。また絶縁基板10を円筒状に巻くことなく、電流センサを構成することができるため、絶縁基板10の可撓性の有無も問われない。
尚絶縁基板10の一面側の変形部2によるコイルを戻しコイルとし、平坦な他面側に設ける線路パターンを進み用パターンとしても良い。
また変形部2の形状を図4(a)に示すような凸状としても良く、また図4(c)のような形状としても良い。
(実施形態9)
上述の実施形態8は二つの線路パターン3a,4aを同一形状とすることで同一面積化を図っているが、変形部2を通過してコイルを構成する線路パターンが囲繞する領域の形状は外周部が歯状になって隙間があるため、その面積は中心から外周までの距離を半径とする円の面積より小さい。従って線路パターンを円周上に配置形成してその線路パターンで囲繞される円形領域の面積が、コイルを構成する線路パターンが囲繞する領域の面積と同一となるように半径を設定すれば、同形状にする必要がなくなる。
そこで本実施形態では、図12に示すように絶縁基板10の一面側に設けた変形部2を通過させることで進みコイル3を構成する線路パターン3aで囲繞される領域の中心である中心孔10aの中心からの半径を上述の同一面積となる半径とした絶縁基板10の他面側の円周上に戻し用の線路パターン4aを配置形成した点で実施形態8と相違する。尚線路パターン3aの終端3bと、線路パターン4aの始端4bとは基板面に設けたランド9で半田付けされることで電気的に接続される。
而して本実施形態の電流検出用コイルも、絶縁基板10の中心孔10aに被測定用電線6を貫挿することで、円板状のロゴスキーコイル型の電流センサを構成することになる。
また被測定用電線6の貫挿方向からみた進みコイル3の線路パターン3aによる1ターンコイルと戻し用の線路パターン4aによる1ターンコイルとは同一の面積となるため、絶縁基板10の板厚の影響があるものの、これら1ターンコイルによって外部磁界の影響をほぼ相殺して外部磁界の影響を防止することができる。また絶縁基板10の平坦な面に戻し用の線路パターン4aを形成するため、戻しコイルにするための変形部を設ける工程がなく、絶縁基板10の製造が容易で、しかも線路パターン4aの形状も製造上容易なパターン形状であるため、コストの低減が一層図れる。
尚絶縁基板10の一面側の変形部2によるコイルを戻しコイルとし、平坦な他面側に設ける線路パターンを進み用パターンとしても良い。
また変形部2の形状を図4(a)に示すような凸状としても良く、また図4(c)のような形状としても良い。
(実施形態10)
上述の実施形態8,9では、絶縁基板10に形成する変形部2の平面視での形状を長方形としているが、本実施形態では、平面視での形状が図13(a)に示すように外周に近い辺が内周に近い辺よりも長い略扇形状とした凹状の変形部2を設け、その凹部位の深さを図13(b)に示すように内周から外周に向けて深くして側方向からみた断面形状を略台形としてコイルの断面積を増加させた点に特徴がある。尚図13(c)は変形部2の幅方向の断面を示す。尚変形部2以外の構成は、実施形態8〜10の何れでも良いが、例として進みコイル3の線路パターン3aを設けた例を示す。
ここで絶縁基板10を成形により製造する場合、変形部2の深さ寸法と変形部2の幅寸法がほぼ比例関係(例えば1:1)にしかできないという製造上の前提があり、実施形態8〜10のように平面視での形状が長方形の変形部2を設けた場合、その変形部2を側方からみた断面形状も長方形となる。これに対して本実施形態は、先の前提に立って、絶縁基板10の基板面を垂直な方向からみた変形部2の形状を、幅寸法が外周に近い辺に近づくほど大きくできる略扇形状とすることで、変形部2の深さを外周に近い程深くし、変形部2の側方からみた断面形状を断面形状としたのである。従って本実施形態では平面視での形状が略扇形状とした変形部2を設けることで、円環状の絶縁基板10の面積を有効に利用しながらコイルの側方からみた断面積を長方形よりも広くしているのである。
而して本実施形態では、コイルの断面積を広くすることで、コイル出力電圧を大きくすることができ、実施形態8〜10に比べてS/Nを向上させることができる。
また、本実施形態の変形部2の平面視での形状が、外周に近い辺付近が内周に近い辺付近よりも広がりがある略扇形状であるので、変形部2の長手方向と同方向となる長手線路部位のピッチの許容できる誤差を大きくすることができ、製造が容易となる。
尚本実施形態の変形部2の形状を図14(d),(e)に示すように両側、両端の内面に曲線を持たせたも良い。
(実施形態11)
上述の実施形態8〜10では、絶縁基板10に形成する変形部2の平面視での形状を長方形としているが、このような変形部2を設けた場合、絶縁基板10の外周に近づくほど変形部2、変形部2間の基板面部分が増えることになる。
そこで本実施形態では、この基板面部分を有効利用するために、図14に示すように変形部2を、変形部2と隣り合う変形部2との間に長手方向の長さが短い追加の変形部2’を形成配置して絶縁基板10の基板面の面積を有効に活用した点に特徴があり、変形部2、2’を通過するように線路パターン(図示例では進みコイル3の線路パターン3aとしているが、戻しコイルの線路パターンでも良い)を形成配置してコイルと成せば、コイル出力電圧を、追加の変形部2’がない場合よりも大きくとれ、S/Nを向上させることができる。
本実施形態の変形部2’を設ける構成は実施形態8〜10の何れにおいても可能であるので、進みコイル3に対応した戻し用線路パターン(或いは戻しコイルに対応した進み用線路パターン)の図示は省略する。
尚本実施形態の変形部2の形状を図4(a)に示すような凸状としても良く、また図4(c)のような形状としても良い。
実施形態1の一部省略せる拡大斜視図である。 実施形態1の断面を示し、(a)は図1のA−A線の一部省略せる拡大断面図、(b)は図1のB−B線の一部省略せる拡大断面図である。 実施形態1を用いた電流センサを示し、(a)は斜視図、(b)は上面図である。 (a)〜(c)は実施形態1の変形部の他の例を夫々示す一部省略せる断面図である。 (a)は実施形態2の一部省略せる平面図、(b)は(a)におけるX−X断面図である。 実施形態3の一部省略せる平面図である。 実施形態4の一部省略せる平面図である。 実施形態5の一部省略せる平面図である。 実施形態6の一部省略せる平面図である。 (a)は実施形態7の一部省略せる平面図、(b)は(a)におけるX−X断面図である。 実施形態8の平面図である。 実施形態9の平面図である。 実施形態10を示し、(a)は一部省略している平面図、(b)は(a)のx−x断面図、(c)は(a)のy−y断面図、(d)は変形部の別の例のx−x断面図、(e)は変形部の別の例のy−y断面図である、 実施形態11の一部省略している平面図である。
符号の説明
1 可撓性絶縁基板
2a,2b 変形部
3 進みコイル
3a 線路パターン
3b 終端
3c 始端
4 戻しコイル
4a 線路パターン
4b 始端
4c 終端
5 スルーホール

Claims (7)

  1. 可撓性絶縁基板の両面に夫々、該可撓性絶縁基板の両端方向に対して直交する方向が長手で、基準となる基板面に対して凹状若しくは凸状に変形させた複数の変形部を前記可撓性絶縁基板の両端方向に所定間隔をあけて並行形成し、
    線路パターンを蛇行させて蛇行折り返し部位間の線路方向を前記変形部の長手方向と同方向とするとともに、該方向の線路パターンを交互に前記変形部上と、前記変形部間の基板面上とに通過配置したコイルを前記可撓性絶縁基板の両面に夫々設け、
    前記可撓性絶縁基板の一面に設けたコイルを進みコイルとして該進みコイルの終端に他面に設けたコイルの始端を電気的に接続して該コイルを戻しコイルとしていることを特徴とする電流検出用コイル。
  2. 前記可撓性絶縁基板の変形部が設けられている位置に対応する反対側面は基準となる基板面であることを特徴とする請求項1記載の電流検出用コイル。
  3. 可撓性絶縁基板の片面に、該可撓性絶縁基板の両端方向に対して直交する方向が長手で、基準となる基板面に対して凹状若しくは凸状に変形させた複数の変形部を前記可撓性絶縁基板の両端方向に所定間隔をあけて並行形成し、
    前記可撓性絶縁基板の片面には、線路パターンを蛇行させて蛇行折り返し部位間の線路方向を前記変形部の長手方向と同方向とするとともに、該方向の線路パターンを交互に前記変形部上と、前記変形部間の基板面上とに通過配置した進みコイル及び戻しコイルを夫々設け、前記進みコイルの終端に前記戻しコイルの始端を電気的に接続し、且つ前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとの少なくとも一部が絶縁的に重ねられていることを特徴とする電流検出用コイル。
  4. 前記変形部の短手方向と同方向の一方のコイルの線路パターンと、前記変形部の長手方向と同方向の他方のコイルの線路パターンとが交差していることを特徴とする請求項3記載の電流検出用コイル。
  5. 前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとが、前記変形部の短手方向と同方向の部位で重ねられていることを特徴とする請求項3記載の電流検出用コイル。
  6. 前記進みコイルの線路パターンと前記戻しコイルの線路パターンとが、前記変形部の長手方向と同方向の部位で重ねられていることを特徴とする請求項3記載の電流検出用コイル。
  7. 前記進みコイル、前記戻しコイルの対が複数対設けられ、これら対の進みコイルと戻しコイルとを順次直列に接続して、先頭の進みコイルの始端と、最後尾の戻しコイルの終端とでコイル出力端を構成していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか記載の電流検出用コイル
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