JP2006038712A - 電流センサ - Google Patents

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Akemi Shiokawa
明実 塩川
Yasuo Ichimura
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Abstract

【課題】取付作業が容易で、出力電圧を大きくできる小型の電流センサを提供する。
【解決手段】測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイル1と、空芯コイル1の両端間に発生する電圧を積分することによって電流値を求める電流検出部とを具備し、空芯コイル1は、絶縁材料により形成された略矩形の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向において可撓性を有する基板10と、曲げ方向における基板10の一端部付近から他端部付近まで基板10の周りを略同じピッチで螺旋状に周回するように形成された導電性薄膜11と、導電性薄膜11の両端部11a,11bにそれぞれ電気的に接続された出力線12,12と、基板10を曲げ方向において撓ませて、曲げ方向における基板10の両端面を接合させて円筒状にした状態を保持する保持手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は空芯コイルを用いた電流センサに関するものである。
近年、一般の家庭や事業所などで省電力化の要求が高まっており、例えば家庭や事業所に設置される分電盤においても、主幹ブレーカだけではなく分岐ブレーカに流れる電流を測定して、各々の分岐回路で使用される電力量を把握したいというニーズがある。
電流の測定方法としては主に変流器(CT)が使用されているが、変流器は鉄心を用いているので重く、その容積が大きくなって広い取付スペースを必要とするという問題があった。また磁気飽和によって所定電流以上では出力が飽和してしまうため、ダイナミックレンジが狭く、被測定電流の測定範囲に応じて変流器を複数種類取り揃える必要があった。
そこで、このような問題点を解決するために磁気飽和のない空芯コイルを用いた電流センサが従来より提供されている(例えば特許文献1参照)。図10は空芯コイルの外観斜視図であり、中心に電線30を通す丸孔41が形成された円盤状の絶縁基板40の両面に導電パターン42を形成し、内周面が金属めっきされたスルーホールを介して絶縁基板40の両面にある導電パターン42を導通することによってコイルを形成してある。
空芯コイルは鉄心がないので軽量で、磁気飽和がないため非常にダイナミックレンジが広いという特徴を有している。そして、コイルの中心に通した電線30に流れる電流が変化すると、電磁誘導によってコイルの両端に電圧が誘起される。ここで、真空の透磁率をμ、空芯コイルの単位長さ当たりの巻数をN、空芯コイルの断面積をS、被測定電流をIとすると、空芯コイルの出力電圧Vは以下の(式1)で表される。この出力電圧Vは測定対象の電線30に流れる電流を微分したものであるから、この出力電圧Vを積分すれば測定対象の電流値が得られるのである。
Figure 2006038712
特開2003−50254号公報
上述の空芯コイルの出力電圧Vは上述の(式1)のように表され、この出力電圧Vには真空の透磁率μが計数として乗算されるため、分電盤内の分岐ブレーカに流れる一般的な負荷電流(数A程度)を検出する場合、出力電圧Vは非常に小さい電圧となる。
ここで、出力電圧Vを大きくするためには、空芯コイルの単位長さ当たりの巻数Nや断面積Sを大きくすれば良く、このためには導電パターン42のピッチを狭くして、巻数Nを増やすことが考えられるが、導電パターン5のピッチの狭小化には限界があるため、絶縁基板40の半径r2を大きくしてコイルの断面積Sを大きくすることが考えられる。しかしながら、分電盤の内部において複数並設された分岐ブレーカに流れる電流をそれぞれ検出する場合は、隣接する分岐ブレーカに接続された電線の間隔が狭いため、コイルの半径r2を大きくすると、コイルの取り付けがやり難くなり、狭い場所での使用には不向きであった。
また分電盤などで使用する電流センサでは、既に配線された電線に対して後から設置できることが好ましいが、従来の空芯コイルは絶縁基板40の中心の丸孔41に測定対象の電線30を通しているため、分岐ブレーカから電線30を一旦外して、丸孔41内に通さなければならず、取り付け作業が困難という問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、取付作業が容易で、出力電圧を大きくできる小型の電流センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイルと、空芯コイルの両端間に発生する電圧を積分することによって電流の電流値を検出する電流検出部とを具備し、空芯コイルは、絶縁材料により形成された略矩形の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向において可撓性を有する基板と、曲げ方向における基板の一端部付近から他端部付近にかけて基板の周りを略同じピッチで複数回周回するように設けられた巻状導体と、巻状導体の両端にそれぞれ電気的に接続された出力線と、基板を曲げ方向において撓ませて、曲げ方向における基板の両端面を接合させて円筒状とした状態を保持する保持手段とを備えて成ることを特徴とする。
請求項2の発明は、測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイルと、空芯コイルの両端間に発生する電圧を積分することによって電流の電流値を検出する電流検出部とを具備し、空芯コイルは、絶縁材料により形成された略矩形の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向において可撓性を有する基板と、曲げ方向における基板の一端部付近から他端部付近にかけて基板の周りを略同じピッチで複数回周回するように設けられた巻状導体と、巻状導体の両端にそれぞれ電気的に接続された出力線と、基板を曲げ方向において撓ませて、巻状導体の両端部の位置が基板の厚み方向において略一致するように曲げ方向における基板の両端部を重ね合わせて円筒状とした状態を保持する保持手段とを備えて成ることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、巻状導体は、基板の曲げ方向に沿う4つの面にそれぞれ形成され、互いに電気的に接続されて1つの連続した電路を構成する導電性薄膜からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、巻状導体が、曲げ方向における基板の一端側から他端側へ向かって右ねじ方向又は左ねじ方向の何れかの方向で進行するように略一定のピッチで形成された導電性薄膜からなる進みコイルと、当該進みコイルの他端側の端部から一端側へ向かって進みコイルと逆ねじの方向で進行するように進みコイルと略同じピッチで形成された導電性薄膜からなる戻しコイルとで構成され、進みコイルと戻しコイルが交差する部位に両コイル間を絶縁する絶縁性薄膜を形成し、曲げ方向に沿う基板の両側面において、進みコイルおよび戻しコイルがそれぞれ略同じピッチで、交互に形成されたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、曲げ方向に沿う基板の両側面において、進みコイル又は戻しコイルの内の一方を、隣接する他方のコイルの略中間に形成したことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、進みコイルと戻しコイルが交差する部位以外は、進みコイルと戻しコイルが互いに略平行するように形成されたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1又は2の発明において、曲げ方向に対して略垂直な基板の断面の形状を楕円形状に形成し、巻状導体が基板に巻回された絶縁被覆導電線からなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、曲げ方向と略直交する方向の基板の長さ寸法を大きくとることによって、厚み方向の寸法(すなわち基板を円筒状とした時の外径寸法)を大きくすることなく、コイルの断面積を大きくして、出力電圧を大きくとることができる。しかも曲げ方向において基板を撓ませて、筒が完全に閉じていない状態で筒の内側に導線を入れた後、保持手段によって基板の両端面を接合させて円筒状とした状態を保持することによって、空芯コイルが導線に取り付けられるので、既に配線済の電線に対しても容易に取り付けることができ、取付作業が容易で、出力電圧を大きくできる小型の電流センサを提供できるという効果がある。
請求項2の発明によれば、曲げ方向と略直交する方向の基板の長さ寸法を大きくとることによって、厚み方向の寸法(すなわち基板を円筒状とした時の外径寸法)を大きくすることなく、コイルの断面積を大きくして、出力電圧を大きくとることができる。しかも曲げ方向において基板を撓ませて、筒が完全に閉じていない状態で筒の内側に導線を入れた後、保持手段によって基板の両端部を重ね合わせて円筒状とした状態を保持することによって、空芯コイルが導線に取り付けられるので、既に配線済の電線に対しても容易に取り付けることができ、取付作業が容易で、出力電圧を大きくできる小型の電流センサを提供できるという効果がある。さらに、基板を円筒状に形成する際に、巻状導体の両端部の位置が基板の厚み方向において略一致するように基板の両端部を重ね合わせているので、基板を円筒状に曲げた時に巻状導体の無い部分を無くすことで外部磁界の影響や、導線の位置による出力電圧の変動を無くすことができる。
請求項3の発明によれば、基板の表面に導電性薄膜をパターニングすることによって巻状導体を形成しているので、導線を巻回する場合に比べて巻状導体を高精度に形成することができ、また基板の両面に形成した導電パターンをスルーホールを介して電気的に接続する場合に比べてスルーホールが要らないので、微小なピッチで巻状導体を形成することができる。
請求項4の発明によれば、巻状導体を構成する進みコイルと戻しコイルを略同じ形状に形成できるので、外部磁界の影響によって発生する測定誤差を低減することができる。
請求項5の発明によれば、導電性薄膜の幅およびピッチを小さくした場合に薄膜形成時の位置ずれによって隣接した進みコイルおよび戻しコイルが短絡してしまうのを防止でき、コイル製造時の歩留まりが向上するという効果がある。
請求項6の発明によれば、進みコイルと戻しコイルの交差する部位以外は進みコイルと戻しコイルを互いに略平行に形成しているので、導電性薄膜の幅やピッチを小さくしたとしても、進みコイルと戻しコイルの重なる部分が大きくなるのを防止でき、両コイル間を絶縁する絶縁性薄膜を小さくでき、絶縁性薄膜の材料が少なくて済むという効果がある。
ところで、巻状導体が絶縁被膜導電線からなる場合に、断面形状が矩形状に形成された基板に絶縁被覆導電線を巻付けた場合、基板の角では絶縁被覆導電線が基板に対して押し付けられているが、基板の平らな面では絶縁被覆導電線が基板の表面から浮いてしまい、絶縁被覆導電線を基板に押し付ける力が働かないため、絶縁被覆導電線の位置がずれやすくなるが、請求項7の発明によれば、断面形状が楕円形状に形成された基板に絶縁被覆導電線を巻付けており、絶縁被覆導電線を基板に対して常に押し付ける力が働くため、絶縁被覆導電線を巻付けた後に絶縁被覆導電線の位置をずれにくくできる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図5に基づいて説明する。図2は本実施形態の電流センサの全体構成を示しており、この電流センサは、測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイル1と、空芯コイル1の両端間に発生する電圧を積分することによって導線に流れる電流の電流値を検出する電流検出部2とを具備する。
電流検出部2は、空芯コイル1の両端間に発生する電圧を積分して増幅する積分・増幅回路21と、積分・増幅回路21の出力をA/D変換するA/D変換回路22と、A/D変換回路22の出力から上述の式1を用いて電流値を演算により求めるCPU23と、積分・増幅回路21、A/D変換回路22およびCPU23に動作電源を供給する電源回路24とで構成される。空芯コイル1の両端間に発生する電圧の波形は測定対象の導線に流れる電流の波形を微分した波形となり、その電圧値は非常に小さいので、積分・増幅回路21が空芯コイル1の出力電圧を積分して増幅することによって、測定対象の電流値に比例した電圧が得られる。そして積分・増幅回路21の出力電圧はA/D変換回路22によってデジタル値に変換されてCPU23に入力されており、CPU23が上記の式1を用いて演算することによって測定対象の電流値やその最大値、実効値などを求めることができる。
空芯コイル1は、図1に示すように絶縁材料により形成された略矩形(例えば長方形)の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向(図1中の左右方向)おいて可撓性を有する基板10と、曲げ方向における基板10の一端部付近から他端部付近まで基板10の周りを略同じピッチで螺旋状に複数回周回するように設けられた導電性薄膜11(巻状導体)と、導電性薄膜11の両端部11a,11bにそれぞれ電気的に接続された出力線12とを備える。そして、基板10の曲げ方向における両端部にはそれぞれ保持手段としての引掛爪(図示せず)が形成されており、曲げ方向におけるて基板10の一端側を図1(b)に矢印で示す方向に撓ませて、曲げ方向における基板の両端面を接合させた状態で引掛爪同士を引掛係止させることによって、この接合状態が保持されるようになっている。
基板10は、例えばゴムや塩化ビニルなどの可撓性を有する絶縁材料により形成されており、曲げ方向に沿う4つの面に導電性薄膜11が形成されるので、これら4つの面でできる角を落として、丸みを持たせてある。
この基板10は少なくとも上記の曲げ方向において可撓性を有していれば良く、基板10の内部にその主平面(基板10の面積が最大の面、つまり図1(a)の正面)に並行し、且つ、曲げ方向と直交する方向に延びる複数本の硬線(図示せず)を曲げ方向の一端側から他端側まで等間隔に埋設することによって、基板10の曲がり方に方向性を持たせても良い。
また基板10の大きさは、曲げ方向の両端部を接合して円筒状にしたときに、測定対象の電線を中心に通すことが可能な大きさに形成すれば良い。例えば測定対象の電線として直径が2mmの単線の電線を想定すると、基板10を曲げて円筒状としたときにその内径が20mm程度であれば良く、その場合は基板10の幅方向(曲げ方向)の寸法L1が約63mmとなる。また曲げ方向に対して略垂直な断面の断面積(コイルの断面積)Sは空芯コイルの出力電圧Vに関係するため、測定条件に合わせて厚みtおよび高さHは適宜設定すればよく、曲げ方向と略直交する方向の基板10の長さ寸法(高さH)を大きくとることによって、厚みt(すなわち基板を円筒状とした時の外径寸法)を大きくすることなく、コイルの断面積Sを大きくして、小型でありながら出力電圧を大きくとることができる。また基板10の厚みtは基板10の材料にもよるが、所望の可撓性が得られるように1mm程度の厚みとするのが好ましい。
また導電性薄膜11の幅およびピッチは、空芯コイル1の出力特性を考慮すると、その出力電圧Vを大きくするために、導電性薄膜11の幅を細くしてピッチを細かくすることにより、巻数Nを増やすことが望ましい。例えば導電性薄膜11を形成する部位の幅L2が50mmの場合、ピッチが0.4mmであれば、1mあたりの巻数Nは2500ターン/mとなる。なお基板10の表面に導電性薄膜11を形成しただけでは、導電性薄膜11が剥き出しとなっているので、その表面を絶縁性の被膜(図示せず)で被覆することが好ましく、基板10の表面を被膜で覆うことによって機械的強度や絶縁性を確保することができる。
なお導電性薄膜11は、基板10の表面に一般的な印刷技術を用いて形成されているので、導線を基板10に巻付ける場合に比べて巻状導体(導電性薄膜11)を高精度に形成でき、導電性薄膜11のピッチのばらつきを小さくできるという利点がある。また基板10の両面に形成した導電パターンをスルーホールを介して電気的に接続する場合に比べてスルーホールが要らないので、微小なピッチで巻状導体を形成することができる。
次に図3(a)(b)を参照して上述の空芯コイル1を測定対象の電線30に取り付ける手順を説明する。同図(a)に示すように先ず基板10を上記の曲げ方向において撓ませ、曲げ方向の両端部が電線30を通すことができる程度に開いた状態で、両端部の間の隙間を通して筒状に曲げた基板10の内側に電線30を入れる。その後、同図(b)に示すように曲げ方向の両端部を接合し、両端部の引掛爪を互いに引掛係止させることによって、基板10が円筒状に曲げられた状態を保持して、電線30に取り付けられる。従来の空芯コイルは基板40に貫設した丸孔41に測定対象の電線30を挿入しているので、配線済の電線30に取り付ける際には一旦電線30を外して丸孔41に通した後、電線30を配線し直す必要があるが、本実施形態では平板状の基板10を撓ませて円筒状に形成する際に、筒が完全に閉じていない状態で筒の内側に電線30を入れ、その後筒を閉じて電線30に取り付けているので、既に配線されている電線30にも後から容易に取り付けることができる。
図4は本実施形態の電流センサを分電盤50に設置した状態を示しており、電流センサにより主幹ブレーカ51に接続された電線30aに流れる電流や、分岐ブレーカ52に接続された電線30bに流れる電流をそれぞれ測定している。測定対象の複数本の電線30a,30bにはそれぞれ上述の空芯コイル1が1個ずつ取り付けられている。一方、分電盤の下部には本体ケース20が設置され、この本体ケース20の内部には各空芯コイル1から出力線12を介して入力される電圧から電流値を計測する複数の電流検出部2が内蔵されている。本実施形態の空芯コイル1は、円筒状に形成したときの外径寸法r1が従来の空芯コイルに比べて小さくできるので、空芯コイル1の取付スペースが小さくて済み、複数並設された分岐ブレーカ52に接続されている電線30bに取り付ける場合でも、隣接する分岐ブレーカ52に接続されている電線30bの邪魔になることはない。なお図中の25は主幹ブレーカ51の二次側の電圧から電源回路24に動作電源を供給するための給電線である。
なお本実施形態において、図5(a)〜(c)に示すように、基板10の主表面の略中央に曲げ方向における一端側から他端側まで戻し線用薄膜13を形成し、この戻し線用薄膜13を絶縁性薄膜14で覆った後に、戻し線用薄膜13の一方の端部13aから他方の端部13bの近傍まで上述と同様の導電性薄膜11を形成して、導電性薄膜11の一方の端部11aと戻し線用薄膜13の一端部13aとを電気的に接続し、導電性薄膜11の他方の端部11bとその近傍に形成された戻し線用薄膜13の他端部13bとにそれぞれ出力線12を電気的に接続するようにしても良く、基板10の一方の端部だけから出力線12が引き出されるので、基板10を撓ませる際に出力線12が邪魔にならず、作業がやりやすいという利点がある。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図6(a)〜(d)を参照して説明する。尚、基板10を筒状に曲げた状態で基板10の両端部の一部を重ね合わせる点以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
上述の実施形態1では基板10の曲げ方向における両端面を接合させて円筒状に形成してあるが、本実施形態では基板10を曲げ方向において撓ませて、導電性薄膜11の両端部11a,11bの位置が基板10の厚み方向において略一致するように曲げ方向における基板10の両端部を重ね合わせて円筒状とした状態で、両端部に設けた引掛爪(図示せず)を互いに引掛係止させて円筒状に形成された状態を保持している。
このように本実施形態では基板10を円筒状に形成した状態で、図6(c)(d)に示すように曲げ方向の一端側の導電性薄膜11の端部11aと、他端側の端部11bの位置が基板10の厚み方向において略一致しているから、導電性薄膜11が形成されていない部位を無くすことができ、実施形態1のように両端部11a,11bの間が開いている場合に比べて、外部磁界の影響による出力の変動や、測定対象の電線の位置によって出力が変動するのを抑制できる。尚、図6(d)中の15は基板10の曲げ方向に方向性を与えるために基板10の内部に埋設された硬線である。また図6(c)では図示を簡単にするため導電性薄膜11を省略して図示してある。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図7(a)(b)を参照して説明する。尚、導電性薄膜11以外の構成は実施形態1又は2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態の空芯コイル1では、基板10の表面に形成した巻状導体を、曲げ方向における基板10の一端側(図中左側)から他端側(右側)へ向かって、右ねじ方向又は左ねじ方向の何れかの方向(本実施形態では例えば左ねじの方向)で進行するように略一定のピッチで形成された導電性薄膜11からなる進みコイル16と、この進みコイル16の他端側の端部(右端部)から基板10の一端側(左側)へ向かって、進みコイル16と逆ねじの方向(例えば右ねじの方向)で進行するように進みコイル16と略同じピッチで進みコイル16の上側に重ねて形成された導電性薄膜11からなる戻しコイル17とで構成されており、導電性薄膜11の両端部、すなわち進みコイル16の左端部(始端)および戻しコイル17の左端部(終端)にそれぞれ出力線を電気的に接続してある。そして曲げ方向に沿う基板10の両側面(図7(a)中の上下の側面)において、進みコイル16と戻しコイル17とがそれぞれ略同じピッチで交互に形成されている。また進みコイル16と戻しコイル17とは基板10の主平面で交差しており、両コイル16,17が交差する部位には両コイル間を絶縁する絶縁性薄膜18が進みコイル16と戻しコイル17との間に形成されている。
以上のように形成された基板10を実施形態1又は2で説明したように曲げ方向に撓ませて円筒状とし、両端部に設けた引掛爪を互いに引掛係止させることでコイルが形成され、このコイルの中心に測定対象の導線を通すことで、導線に流れる電流の電流値を測定することができる。
ここで、両コイル16,17と絶縁性薄膜18とは印刷技術を用いて形成され、先ず基板10の表面に進みコイル16を構成する導電性薄膜11を印刷して、基板10の主表面において両コイル16,17が交差する部位に絶縁性薄膜18を印刷した後、戻しコイル17を構成する導電性薄膜11を印刷してあり、基板10の主表面(正面および背面)には3回の印刷工程が必要である。印刷面は曲げ方向に沿う基板10の4つの面であり、各々の面に印刷した導電性薄膜11が基板10の角で重なるように位置合わせをして各面に導電性薄膜11を形成してあり、各面の導電性薄膜11によって連続した1つの電路が形成される。なお一般的な印刷技術であるスクリーン印刷で導電性薄膜11を印刷する場合、インクに導電性の物質を混在させることで、導電性薄膜11を印刷により形成することができ、例えば0.2mmピッチで導電性薄膜11を印刷することが可能である。また印刷技術を用いて導電性薄膜11を形成する場合は、基板10にコイル導線を巻付けて空芯コイルを形成する場合に比べて導電性薄膜11のピッチのばらつきを小さくできるという利点がある。
なお本実施形態では、進みコイル16のピッチと戻しコイル17のピッチを略同じピッチとし、巻き方向を逆向きとすることで、両コイル16,17を略同じ形状に形成しているので、外部磁界の影響による測定誤差を低減できるという利点がある。
また本実施形態では、曲げ方向に沿う基板10の両側面(上下の側面)において、進みコイル16を隣接する戻しコイル17の略中間に形成するとともに、戻しコイル17も隣接する進みコイル16の略中間に形成しているので、導電性薄膜11の幅およびピッチを小さくした場合に薄膜形成時の位置ずれによって隣接した進みコイル16および戻しコイル17が短絡してしまうのを防止でき、コイル製造時の歩留まりが向上する。
また本実施形態において、図8(a)(b)に示すように、基板10の主平面の中央部付近で進みコイル16と戻しコイル17とを交差させ、両コイル16,17が交差する部位以外では両コイル16,17が互いに略平行するように形成しても良く、導電性薄膜11の幅を細くしてピッチを狭くした場合でも、両コイル16,17の交差する部位の面積が小さくなるから、絶縁性薄膜18’の大きさを小さくできる。したがって、絶縁性薄膜18’の材料が少なくて済み、コストダウンを図ることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図9(a)〜(c)を参照して説明する。上述の各実施形態では基板10の表面に形成した導電性薄膜11で巻状導体を構成しているのに対して、本実施形態では巻状導体を絶縁被覆導電線19で構成し、曲げ方向と略直交する断面の形状が楕円形状に形成された基板10に、曲げ方向の一端側から他端側まで絶縁被覆導電線19を巻付け、絶縁被覆導電線19の両端部19a,19bにそれぞれ出力線12を電気的に接続した後、基板10を曲げ方向において撓ませ、曲げ方向の両端部を接合させて円筒状に形成することで空芯コイル1を構成している。尚、基板10および絶縁被覆導電線19以外の電流センサの構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、曲げ方向に対して略垂直な基板10の断面の形状が矩形状に形成されている場合、基板10の角では絶縁被覆導電線19が基板10に対して押し付けられているが、基板10の平らな面では絶縁被覆導電線19が基板10の表面から浮いてしまい、絶縁被覆導電線19を基板10に押し付ける力が働かないため、絶縁被覆導電線19の位置がずれやすくなるが、本実施形態では曲げ方向に対して略垂直な断面の形状を楕円形状に形成してあるので、絶縁被覆導電線19を基板10に対して常に押し付ける力が働くため、絶縁被覆導電線19を巻付けた後に絶縁被覆導電線19の位置をずれにくくできる。また基板10の断面形状を楕円形状としているので、基板10の厚み寸法tの最大値(すなわち楕円の短径)を大きくとることで、断面形状が矩形の場合に比べて断面積Sを大きくして、空芯コイル1の出力を大きくできるという利点もある。
また本実施形態においても、実施形態2で説明したように絶縁被覆導電線19の両端部19a,19bの位置が厚み方向において略一致するように、曲げ方向における基板10の両端部を重ね合わせて円筒状とした状態で、両端部に設けた引掛爪(図示せず)を互いに引掛係止させて円筒状に形成された状態を保持するようにしても良く、絶縁被覆導電線19の両端部19a,19bの位置が厚み方向において略一致しているから、外部磁界の影響による出力の変動や、測定対象の電線の位置によって出力が変動するのを抑制できる。
実施形態1の電流センサに用いる空芯コイルを示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側断面図、(d)は円筒状に曲げた状態の外観斜視図、(e)は円筒状に曲げた状態の上面図である。 同上の全体構成を示すブロック図である。 (a)(b)は同上に用いる空芯コイルの取付方法を示す説明図である。 同上を分電盤の内部に設置した状態の説明図である。 同上に用いる空芯コイルの他の構成を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は円筒状に曲げた状態の外観斜視図である。 実施形態2の電流センサに用いる空芯コイルを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は円筒状に曲げた状態の外観斜視図、(d)は円筒状に曲げた状態の一部破断せる上面図である。 実施形態3の電流センサに用いる空芯コイルを示し、(a)は正面図、(b)は上面図である。 同上に用いる空芯コイルの他の構成を示し、(a)は正面図、(b)は上面図である。 実施形態4の電流センサに用いる空芯コイルを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は円筒状に曲げた状態の外観斜視図である。 従来の空芯コイルの外観斜視図である。
符号の説明
1 空芯コイル
10 基板
11 導電性薄膜
11a,11b 端部
12 出力線

Claims (7)

  1. 測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイルと、空芯コイルの両端間に発生する電圧を積分することによって前記電流の電流値を検出する電流検出部とを具備し、前記空芯コイルは、絶縁材料により形成された略矩形の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向において可撓性を有する基板と、前記曲げ方向における前記基板の一端部付近から他端部付近にかけて前記基板の周りを略同じピッチで複数回周回するように設けられた巻状導体と、前記巻状導体の両端にそれぞれ電気的に接続された出力線と、前記基板を前記曲げ方向において撓ませて、前記曲げ方向における前記基板の両端面を接合させて円筒状とした状態を保持する保持手段とを備えて成ることを特徴とする電流センサ。
  2. 測定対象の電流が流れる導線が中心に通される空芯コイルと、空芯コイルの両端間に発生する電圧を積分することによって前記電流の電流値を検出する電流検出部とを具備し、前記空芯コイルは、絶縁材料により形成された略矩形の板状であって、対向する2つの側面に沿う曲げ方向において可撓性を有する基板と、前記曲げ方向における前記基板の一端部付近から他端部付近にかけて前記基板の周りを略同じピッチで複数回周回するように設けられた巻状導体と、前記巻状導体の両端にそれぞれ電気的に接続された出力線と、前記基板を前記曲げ方向において撓ませて、前記巻状導体の両端部の位置が前記基板の厚み方向において略一致するように前記曲げ方向における前記基板の両端部を重ね合わせて円筒状とした状態を保持する保持手段とを備えて成ることを特徴とする電流センサ。
  3. 前記巻状導体は、前記基板の前記曲げ方向に沿う4つの面にそれぞれ形成され、互いに電気的に接続されて1つの連続した電路を構成する導電性薄膜からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電流センサ。
  4. 前記巻状導体が、前記曲げ方向における前記基板の一端側から他端側へ向かって右ねじ方向又は左ねじ方向の何れかの方向で進行するように略一定のピッチで形成された導電性薄膜からなる進みコイルと、当該進みコイルの前記他端側の端部から前記一端側へ向かって前記進みコイルと逆ねじの方向で進行するように前記進みコイルと略同じピッチで形成された導電性薄膜からなる戻しコイルとで構成され、前記進みコイルと前記戻しコイルが交差する部位に両コイル間を絶縁する絶縁性薄膜を形成し、前記曲げ方向に沿う前記基板の両側面において、前記進みコイルおよび前記戻しコイルがそれぞれ略同じピッチで、交互に形成されたことを特徴とする請求項3記載の電流センサ。
  5. 前記曲げ方向に沿う前記基板の両側面において、前記進みコイル又は前記戻しコイルの内の一方を、隣接する他方のコイルの略中間に形成したことを特徴とする請求項4記載の電流コイル。
  6. 前記進みコイルと前記戻しコイルが交差する部位以外は、前記進みコイルと前記戻しコイルが互いに略平行するように形成されたことを特徴とする請求項4又は5記載の電流センサ。
  7. 前記曲げ方向に対して略垂直な前記基板の断面の形状を楕円形状に形成し、前記巻状導体が前記基板に巻回された絶縁被覆導電線からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電流センサ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008268084A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Denso Corp 着脱型配電系短絡障害検出装置
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JP2020067401A (ja) * 2018-10-25 2020-04-30 新電元工業株式会社 電流検出器及びパワーモジュール

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