JP2007224616A - 便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】デザイン上の優位性が低減しないように意匠性を高くすることができる便器を提供する。
【解決手段】汚物を受けるボウル部1を含む2つ以上の合成樹脂部材を接合して形成される便器に関する。少なくとも前記ボウル部1を、着色されたコア層50とこのコア層50を被覆するクリアーなスキン層51とで形成する。スキン層51をコア層50よりも高い硬度で形成する。透明なスキン層51を透してコア層50を視認することができ、着色によりコア層50にデザインを施すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水洗便器などとして利用される合成樹脂製の便器に関するものである。
従来より、図10に示すように、陶磁器製のボウル部1と、ボウル部1を内側に収納する合成樹脂製のスカート部2と、ボウル部1及びスカート部2の上端部に配置される合成樹脂製のリム部3の3つの分割体を備え、ボウル部1をスカート部2内に収納配置し、その上端縁部にリム部3を装着した水洗便器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような便器にあっては、ボウル部1が陶磁器製であって複雑な形状とすることが難しい。また、ボウル部1が寸法精度の低い陶磁器製であるためにボウル部1とスカート部2やリム部3とを密接して接着することが難しい。さらに、ボウル部1の上端とリム部3を接続する箇所や、スカート部2の上端とリム部3を接続する箇所の付近にボウル部内面洗浄用の水が流れる洗浄水流路を形成した場合には、この部分から水漏れする恐れがある。
そこで、ボウル部1とスカート部2及びリム部3の全てを合成樹脂部材で形成することが提案されているが、この場合では、ボウル部1が合成樹脂製となるために、陶器製のものに比べて表面の光沢感や深み感が低くなってデザイン上の優位性が低減する恐れがあった。
特開平10−37279号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、デザイン上の優位性が低減しないように意匠性を高くすることができる便器を提供することを目的とするものである。
本発明の便器は、汚物を受けるボウル部1を含む2つ以上の合成樹脂部材を接合して形成される便器において、少なくとも前記ボウル部1を、着色されたコア層50とこのコア層50を被覆するクリアーなスキン層51とで形成し、スキン層51をコア層50よりも高い硬度で形成して成ることを特徴とするものである。
本発明にあっては、スキン層51をアクリル材料で形成することができる。
また、本発明にあっては、前記ボウル部の他の合成樹脂部材と接合する部分にはコア層を設けていないことが好ましい。
本発明では、透明なスキン層51を透してコア層50を視認することができ、着色によりコア層50にデザインを施すことにより、合成樹脂部材であってもデザイン上の優位性が低減しないように意匠性を高くすることができるものである。しかも、コア層50を高い硬度のスキン層51で被覆するために、コア層50のみでボウル部1を形成するよりも硬度を高くすることができ、耐傷付き性などの表面性能を向上させることができるものである。
また、スキン層51をアクリル材料で形成することで、他の合成樹脂材料に比べて光沢感や深み感を高くすることができるものである。
また、前記ボウル部1の他の合成樹脂部材と接合する部分にはコア層50を設けないようにすることにより、ボウル部1を他の合成樹脂部材と接合する際にボウル部1を透して接合状態等を確認することができ、接合作業を容易に行うことができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の便器は水洗便器などとして利用することができるものであり、ボウル部1と、ボウル部1を覆うスカート部2と、ボウル部1の上端部に配されるリム部3を備え、リム部3でボウル部1の上端開口縁部1aの内側に洗浄水流路16を形成し、該洗浄水流路16の下部に洗浄水流路16とボウル部1内を連通する洗浄水流出口23を形成したもので、図1や図2に示すように上記ボウル部1とスカート部2及びリム部3の夫々を独立した合成樹脂製の分割体とし、これら3つの合成樹脂製の分割体を溶着等により接着一体化して形成されるものである。従って、簡易便器と異なりアンダーカット部品の形成が容易となる。
ボウル部1とスカート部2及びリム部3は射出成形や圧縮成形等により成形した肉厚t=3〜7mmの合成樹脂成形品からなる。
ボウル部1は型抜き方向を上下方向とする椀状部4の下部に後方に向けて排水筒部5を一体に突出して形成している。図3に示すように椀状部4の周壁の上端よりもやや下側に位置する箇所には下側よりも上側の径を段階的に大きくした段差部6を周方向に亘って形成している。
スカート部2は型抜き方向を上下方向とするもので、図1や図2に示すように上側程徐々に開口径が大きくなる抜き勾配をつけている。ボウル部1の前外側を囲むためのスカート部2の前半部2aの上端部は、これよりも後方に位置する後半部2bよりも上方に突出している。スカート部2の前半部2aの上端面は前側程下方に位置するように徐々に傾斜した傾斜面としてあり、また後半部2bの上端面は水平面としている。
スカート部2にはボウル部1を下方から支持する支持部として複数の補強リブ9と保持片10を設けている。補強リブ9はスカート部2の前半部2aの周壁の内面に周方向に適宜間隔を介して複数設けている。この補強リブ9はスカート部2の外面にヒケが出ることを防止するために、角300〜400mm程度の投影面積に収まる便器において肉厚2mm以下で且つスカート部2の周方向に6〜10本設けることが好ましい。なお補強リブ9は図2に示すようにスカート部2の下端から上端部にまで至るように設けても良いし、図4(b)に示すようにスカート部2の上部にのみ部分的に設けても良い。
また、保持片10はスカート部2の前半部2aの周壁の下端から内方に向けて突出した底面部12上に立設している。保持片10の上面には排水筒部5を受ける湾曲受面10aを形成している。尚、スカート部2の周壁によって覆われ且つボウル部1の下方に位置して外部に露出しないようになっている底面部12にはヒケが発生しても構わないので、保持片10は補強リブ9のように肉厚を制限する必要がなく、このため上記と同条件下で幅2mm以上としても良い。
リム部3は着座の際の荷重を受ける上面部分を剛性高く形成する必要があり、リム部3の断面形状を断面コ字状にして従来から見られる便器の形状を形成している。また、リム部3は型抜き方向を上下方向とするもので、図1や図2に示すように後半部3bの前端に形成した立上壁部13の上部に前半部3aの後端を一体に接続して形成されている。
リム部3の前半部3aには、平面視円環状で断面において外側方に向けて開口する略コ字状のコ字状部15を形成してあり、この環状のコ字状部15をボウル部1の上端開口縁部1a内に嵌め込むことで、コ字状部15とボウル部1の上端開口縁部1aで囲まれた断面ロ字状の洗浄水流路16をボウル部1の上端開口縁部1aの内側に全周に亘って形成できるようになっている。なおコ字状部15内の空所の成形は例えば図5に示すように矢印方向(左右方向)にスライドする2つのサイドコア7でリム部3を左右両側から挟むことで形成されるものである。
上記洗浄水流路16は接続管を介して水源に連通するものであり、接続管は立上壁部13に形成した管挿通孔等に通して設けられている。また、図3等に示すようにコ字状部15の縦片部20の下端から水平に突出した下横片部22の内側端部(即ち洗浄水流路16の下部)には下横片部22に形成した孔からなる洗浄水流出口23を周方向に複数並設しており、これら洗浄水流出口23を介して洗浄水流路16はボウル部1内に連通している。これにより、水源から接続管、洗浄水流路16、洗浄水流出口23を順に介してボウル部1内に水を供給してボウル部1内面に付着した汚物を洗浄できるようになっている。
上記コ字状部15の縦片部20は抜き勾配をつけるために上方程外側に位置するように傾斜している。また、縦片部20の上端から水平に突出した上横片部24の外側端部は下横片部22よりも更に外側に突出して下側被突き合わせ部25となっている。
上記コ字状部15の前側縁部よりも後方部分の両側部においては、図3(b)に示すように縦片部20を上横片部24よりも更に上方に延出して延出部27を形成し、該延出部27の上端から外側方に向けて上面構成横片部28を突出している。上面構成横片部28は上横片部24と略同じ厚みを有するもので、前述のスカート部2の前半部2aの上端面に対応するよう後方程徐々に上方に位置するように傾斜し、その前端がコ字状部15の前側縁部に設けた上横片部24aの後端に連続している。即ち、上横片部24aは後端でこれよりも後方に位置する水平な上横片部24bと、傾斜した上面構成横片部28とに二股に分岐した形状となっていて、この上横片部24aと上面構成横片部28とでリム部3の前半部3aの上面を形成している。また、図3(b)に示すように上面構成横片部28の外側端部は上横片部24よりも更に外側に突出して上側被突き合わせ部29となっている。尚、上面構成横片部28の後端及びコ字状部15の後側縁部の中央部に設けた上横片部24の後端は立上壁部13に接続してあり、またコ字状部15の後側縁部の左右両側に設けた上横片部24の後端は上面構成横片部28の後端部に接続してある。
上記3つの分割体であるボウル部1とスカート部2及びリム部3を接着一体化するには、図2や図3に示す溶着箇所A1、A2、B1〜B3を溶着して行い、気密性を保持できるようにする。即ち、ボウル部1とリム部3にあっては、ボウル部1の上端開口縁部1aの上面とリム部3の上横片部24の下側被突き合わせ部25の下面(溶着箇所A1)、ボウル部1の段差部6の上面とリム部3の下横片部22の外側端部の下面(溶着箇所A2)、の夫々を溶着する。ここで溶着箇所A1、A2は、環状のコ字状部15の全周に亘って溶着するもので、これにより環状の洗浄水流路16は溶着箇所A1、A2において全周に亘って水密される。
また、スカート部2とリム部3にあっては、スカート部2の後半部2bの上端面とリム部3の後半部3bの下端面(溶着箇所B1、図1参照)、スカート部2の前側壁部の上端面とリム部3の上横片部24a(コ字状部の前側縁部に設けた上横片部24)の下側被突き合わせ部25の下面(溶着箇所B2、図3(c)参照)、スカート部2の前半部2aの周壁の上端面(前記前側壁部は除く)とリム部3の上面構成横片部28の上側被突き合わせ部29の下面(溶着箇所B3、図3(b)参照)の夫々を溶着する。
このように本発明では陶器製の分割体を含む便器と比較して、寸法精度の優れた合成樹脂製の分割体であるボウル部1とスカート部2及びリム部3を接着一体化して合成樹脂製の分割体のみからなる便器を形成しているので、ボウル部1とスカート部2及びリム部3をぴったりと強固に接着することができ、また、この場合特に、洗浄水流路16を形成するリム部3とボウル部1の溶着箇所A1、A2、洗浄水流路16近傍のスカート部2とリム部3の溶着箇所B2、B3をぴったりと溶着できるので便器からの水漏れを防止できる。更には便器を複数の分割体を接着一体化して形成することで、アンダーカット部を少なくすることができ、これにより、従来の簡易便器のような合成樹脂製で一体物の便器にあっては形成することができなかった平面視環状又はU字状の洗浄水流路16(本実施形態では環状)を形成することを可能としている。
ここで上記溶着箇所A1(即ちボウル部1の上端開口縁部1aの上面とリム部3の上横片部24の下側被突き合わせ部25の下面)は例えば図6や図7に示すように溶着することができる。
図6(a)ではボウル部1の上端開口縁部1aの上面中央から上方に向けて凸状の溶着代31を一体に突出し、リム部3の下側被突き合わせ部25の下面から下方に向けて凸状の溶着代32を一体に突出している。またボウル部1の上端開口縁部1aの内面及び上面でなす角部及び外面及び上面でなす角部を共に面取りして逃がし傾斜面33を形成している。そして溶着代31、32を加熱溶解し、この後、図6(b)に示すように溶着代31、32を溶解した溶解樹脂35(接着材料14)を介して上端開口縁部1aの上面を下側被突き合わせ部25の下面に突き合わせ、矢印の方向に圧縮することでこの部分が溶着される。なお図6(a)のd1〜d3の寸法及び角度θ1は夫々、d1=1〜2mm、d2=0.5〜2mm、θ1=5〜45°、d3=1〜2mmである。
図7(a)ではボウル部1の上端開口縁部1aの上面中央から上方に向けて凸状の溶着代31を一体に突出し、上端開口縁部1aの内面及び上面でなす角部を面取りして逃がし傾斜面33を形成している。またリム部3の下側被突き合わせ部25の最も外側に位置する部分の下面をこれよりも内側の部分の下面よりも一段上方に位置させて段部39を形成すると共に、段部39の側面を上方に行く程外側に位置するように傾斜した逃がし傾斜面33としている。そして溶着代31を加熱溶解し、この後、図7(b)に示すように溶着代31を溶解した溶解樹脂35(接着材料14)を介して上端開口縁部1aの上面を下側被突き合わせ部25の下面に突き合わせ、矢印の方向に圧縮することで溶着される。なお図7(a)のd4の寸法、角度θ2は夫々、d4=1〜2mm、θ2=5〜45°である。
上記図6及び図7のいずれの例にあっても、溶着した際には、下側被突き合わせ部25と上端開口縁部1aの上面における下側被突き合わせ部25に突き合わされる部分との間に溶解樹脂35が充填される。またこの場合、各逃がし傾斜面33と上横片部24の下面との間に形成された空所42にも溶解樹脂35がはみ出して充填される。従って溶解樹脂35が硬化した後は、上横片部24の下面と上端開口縁部1aの上面との間には、下側被突き合わせ部25の下面と同面に近接対向する上端開口縁部1aの上面との間に介在する薄肉部分43と、薄肉部分43に連続すると共に薄肉部分43よりも厚みのある両側の厚肉部分44とで構成された溶解樹脂35が介在することとなり、しかして上端開口縁部1aの上面と下側突き合わせ部25の下面が確実に水密された状態で溶着されることとなる。また溶解樹脂35の薄肉部分43及び厚肉部分44の外側方には覆い部としてスカート部2の周壁の上端部(図3(b)、(c)参照)や立上壁部13(図3(a)参照)が位置し、これら覆い部で溶解樹脂35の薄肉部分43及び厚肉部分44が外側から覆われている。従って、溶解樹脂35の薄肉部分43及び厚肉部分44が外部に露出することがなくて溶解樹脂35により便器の外観が損なわれることがない。また特に図7に示すコ字状部15の上横片部24の下面にはアンダーカット部となる図11の凸状の溶着代32を設けていないため、リム部3の成形が容易になる。上記のように溶着代31、32を設けることにより、広い範囲で溶着することができるが、この時、溶着下死点(溶着の下側の限界点)の制御は溶着部分の平面部とするものである。
また溶着箇所A2(即ちボウル部1の段差部6の上面とリム部3の下横片部22の外側端部の下面)は図8に示すように溶着される。
図8(a)ではリム部3の下横片部22の外側端部からなる載置部48の下面から下方に向けて凸状の溶着代49を一体に突出し、段差部6の上面の前記溶着代49よりもやや内側に控えた箇所に凹状の逃がし凹所57を形成している。また段差部6の内縁角部を面取りして逃がし傾斜面58を形成している。そして溶着代49を加熱溶解し、この後、図8(b)に示すように溶着代49を溶解してなる接着材料14としての溶解樹脂52を介して段差部6上に載置部48を載置し、矢印方向に圧縮することで、段差部6の上面と下横片部22の下面が溶着される。このように溶着した際には、載置部48と段差部6の載置部48が載置される部分との間に溶解した溶解樹脂52が充填される。またこの場合、逃がし凹所57内と、逃がし傾斜面58及び下横片部22の下面との間に形成された空所53に、溶解樹脂52がはみ出して充填される。従って、溶解樹脂52が硬化した後は、段差部6の上面と載置部48の下面との間にある溶解樹脂52は、載置部48の下面と同面に近接対向するボウル部1の段差部6の上面との間に介在する薄肉部分54と、逃がし凹所57内や空所53に充填されて前記薄肉部分54に連続すると共に薄肉部分54よりも厚みのある厚肉部分55とで構成されることとなり、しかして段差部6の上面と載置部48の下面が確実に水密された状態で溶着されることとなる。なお、図8(a)のd5〜8の寸法は、夫々、d5=1〜2mm、d6=0.5〜2mm、d7=1〜2mm、d8=0〜2mmである。
上記の便器において、図9に示すように、ボウル部1はコア層50とその両側に設けられるスキン層51からなる三層構造の合成樹脂部材で形成されている。尚、59はゲートであり、成形後に切除される。コア層50は着色された合成樹脂の硬化物で層状に形成されている。このコア層50を形成する合成樹脂としては、ポリカーボネート(PC)などを例示することができ、また、この合成樹脂を着色する着色剤としては既知の合成樹脂用の顔料や染料等を例示することができる。スキン層51はクリアー(透明)な合成樹脂の硬化物で層状に形成されている。スキン層51として、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのアクリル材料(アクリル樹脂)などを用いることができる。このようにスキン層51に着色剤(色添加剤)を配合しないことにより、ボウル部1の表面硬度(材料硬度)等の材料特性が着色剤により低減するのを防止することができ、便器のボウル部1として必要な耐摩耗性、つまり洗浄時に使用するブラシに対する耐摩耗性を向上させることができるものである。本発明において、各スキン層51の厚みはボウル部1の厚みの30〜40%で、ボウル部1の厚みからスキン層51を除いた残りがコア層50の厚みとなる。従って、各スキン層51とコア層50の厚みは同程度となる。
スキン層51を形成する合成樹脂としてアクリル材料を用いると、透明度が高く、表面硬度などの諸性能も高いボウル部1を形成することができ、しかも、光沢や映り込みによる深み感を高めることができるものである。また、スキン層51にアクリル材料を用いることにより、ボウル部1の表面の鉛筆硬度(JIS K 5400の鉛筆引っ掻き試験)はコア層50よりも高くて4Hから5Hに向上し、透明度ではJIS K 7105による全光線透過率90%以上とすることができる。また、コア層50をスキン層51のアクリル材料よりも高粘度材料のポリカーボネートで形成することにより、スキン層51の厚みを薄くて均一にしやすくなるものである。
このようなコア層50とスキン層51からなる合成樹脂部材は例えばサンドイッチ成形で形成することができる。尚、ボウル部1以外のスカート部2やリム部3を形成する合成樹脂部材は、成形材料としては比較的強度のあるアクリル樹脂や、補強材入りABS(アクリルブタジエンスチレン共重合樹脂)、PBT(ポリブタジエンテレフタレート)等が用いられる。また、本発明では、各分割体は比較的大型であるため、アニール処理を施すことが好ましい。また、表面品質を向上させるためにハードコート材をコーティングしても良い。
上記の実施の形態ではボウル部1の上端開口縁部1aは他の合成樹脂部材と接合する部分であるが、この上端開口縁部1aにはコア層50を設けずに、スキン層51を形成する合成樹脂の硬化物のみでボウル部1の上端開口縁部1aを形成するのが好ましい。この場合、図4(a)のように、ボウル部1の上端開口縁部1aとリム部3とを溶着する際に、上端開口縁部1aを透して溶着箇所1Aを容易に目視検査可能であり、また、洗浄水流路16が確実に気密性を保持しているか、あるいは洗浄水が確実に所望の流れをしているかを、上端開口縁部1aを透して容易に検査可能である。従って、製造時に溶着状態の検査を容易に行うことができ、気密性が確実に維持され、洗浄水機能が満足するボウル部1及びリム部3のみにスカート部2を溶着することができ、商品の歩留まりを向上させることができる。尚、図4(b)に示すように、スカート部2の装着時にはボウル部1の上端開口縁部1aが覆い隠されて洗浄水流路16を見えないようにすることができる。
尚、上記ではボウル部1のみをコア層50とスキン層51からなる合成樹脂部材で形成したが、これに限らず、スカート部2やリム部3についてもボウル部1と同様に、コア層50とスキン層51からなる合成樹脂部材で形成することができる。
本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。 同上の概略の分解斜視図である。 (a)は図1のA部の拡大断面図、(b)は図1のB−Bの拡大断面図、(c)は図1のC部の拡大断面図である。 (a)(b)は同上の一部を示す拡大した断面図である。 同上のリム部の成形を示す概略の平面図である。 同上の溶着箇所A1における溶着例を示すもので、(a)は溶着前の断面図、(b)は溶着後の断面図である。 同上の溶着箇所A1における他の溶着例を示すもので、(a)は溶着前の断面図、(b)は溶着後の断面図である。 同上の溶着箇所A2における溶着例を示すもので、(a)は溶着前の断面図、(b)は溶着後の断面図である。 同上の成形後のボウル部を示す断面図である。 従来例を示す概略の斜視図である。
符号の説明
1 ボウル部
50 コア層
51 スキン層

Claims (3)

  1. 汚物を受けるボウル部を含む2つ以上の合成樹脂部材を接合して形成される便器において、少なくとも前記ボウル部を、着色されたコア層とこのコア層を被覆するクリアーなスキン層とで形成し、スキン層をコア層よりも高い硬度で形成して成ることを特徴とする便器。
  2. スキン層をアクリル材料で形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の便器。
  3. 前記ボウル部の他の合成樹脂部材と接合する部分にはコア層を設けていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の便器。

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