JP2007224437A - 凹凸パターン付き有毛布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】有毛布帛の毛羽繊維を熱溶融して毛羽層に柄際の鮮鋭な凹凸パターンを描出すると共に、毛羽繊維の熱溶融物が凹部において強固に融着して脱落せず、その毛羽繊維の熱溶融物によって凹部の耐摩耗性が高められるようにする。
【解決手段】熱溶融性を有する単繊維繊度11dtex以下の浮出繊維25による厚み2mm以下の毛羽層24によって基布23の表面が被覆されている有毛布帛の表面に、浮出繊維の熱溶融を妨げる防融剤を印捺してレーザー光線を照射し、防融剤の印捺部分の浮出繊維を熱溶融させることなく、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維を熱溶融させて毛羽層に窪んだ凹部27を形成し、その浮出繊維の溶融塊を凹部の谷底の基布に密着させ、その溶融塊によって凹部の谷底の表面に、凸部33と凸部33の間隔Lが1000μm未満であり、凹凸差Dが凸部間の間隔Lよりも少ない微細な凹凸を形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、主として椅子張地や壁張地等の内装材に使用される凹凸パターン付き有毛布帛に関するものである。
基布の表面が毛羽繊維で被覆されたニードルパンチングフエルト、起毛布帛、パイル布帛等の有毛布帛の表面毛羽層に凹凸パターンを描出する方法として、周面に棘様の細かい突起の突き出た所謂フオーク型ニードルによって基布にニードルパンチングを部分的に施し、その基布を構成する繊維の一部を表面に突き出させるニードルパンチング法(例えば、特許文献1参照)、有毛布帛の毛羽繊維を部分的に刈り取るシヤリング法(例えば、特許文献2参照)、基布の表面を部分的に起毛する起毛法(例えば、特許文献3参照)、有毛布帛の表面毛羽層に抜蝕剤を印捺する抜蝕捺染法(例えば、特許文献4参照)、基布にパイルを部分的に植設するタフティング法(例えば、特許文献5参照)、パイル織機やパイル編機によって基布を織編成する過程において部分的にパイルを形成するパイル織編法(例えば、特許文献6参照)、周面に凹凸のある加熱エンボスロールに有毛布帛を通す加熱エンボス法(例えば、特許文献7参照)、パイル面にレーザー光線を部分的に照射するレーザー照射法(例えば、特許文献8参照)等が知られている。
特公昭55−26221公報(特開昭50−101648) 特許第2627699号特許公報(特開平5−239763) 特公平04−78745公報(特開平02−293468) 特公昭61−53478公報(特開昭59−168196) 特公平04−64253公報(特開平01−227715) 実公昭61−26388公報(実開昭60−071680) 特公平03−61779公報(特開昭63−085135) 特公昭63−025108報(特開昭58−174676)
ニードルパンチング法では、基布がニードルの刺し込み易い嵩高な布帛や繊維ウエブに限定され、ニードルパンチングが施されることなく凹部となって露出する部分では繊維が十分に絡合していないので、耐久性、特に耐摩耗性に優れた凹凸パターン付きニードルパンチングフエルトは得られない。
シヤリング法では、毛羽繊維が刈り込まれて出来る凹部と刈り込まれずに残る凸部との境界での凹凸段差がなだらかになり、柄際の鮮鋭なパターンを描出することは出来ない。そして、表面毛羽層の薄い有毛布帛では、シヤリングカッターによって基布までも切創される危険がある。これらのことは、起毛法による場合も同様である。
抜蝕捺染法は、基布と毛羽層の繊維が同質の有毛布帛に適用することは出来ず、仮に、基布を抜蝕剤に侵されない不抜性繊維によって構成するとしても、毛羽層から続いて基布を構成している繊維までも抜蝕除去されるので、凹部に露出する基布が脆弱になると共に、基布の抜蝕された凹部と抜蝕されない凸部との間に繊維密度の疎密差が生じ、凹部において基布が摩耗し易く、強度的に安定した凹凸パターン付き有毛布帛は得られない。
タフティング法では、ニードルを選択的に基布に差し込むことの出来るニードルコントロールタフテッド機のニードルゲージは2.54mm(1/10吋)が最小であり、パイル密度が緻密でパイル長が7mm以下のニードルコントロールタフテッドパイル布帛を得ることは出来ない。そして、基布もニードルの差し込み易い目粗な布帛に限定されるので、基布の露出した凹部とパイルの植設された凸部がデザイン的に調和のとれた凹凸パターン付き有毛布帛は得られない。そして抜蝕捺染法による場合と同様に、凸部ではパイルの根元(バックステッチ)が介在している分だけ凹部に比して基布の繊維密度が緻密になり、又、凹部ではパイルに被覆されていないので凸部に比して基布が摩耗し易く、強度的に安定し、デザイン的に内装材に適した凹凸パターン付き有毛布帛は得られない。
パイル織編法では、凸部を構成しているパイル糸がパイルを形成せずに凹部の基布に織り編み込まれているので、凹部の基布と凸部の基布との間に繊維密度の疎密差がなく、パイルに被覆されていないとしても織編組織によって凹部に露出する基布のデザインを変えることが出来るので、強度的に安定しデザイン的に内装材に適した凹凸パターン付き有毛布帛が得られるものの、その生産効率が低く、凹部と凸部とでパイル糸を織り編み分けるためのジヤカードその他の特殊な柄出装置を必要とするので、無地パイル布帛用として汎用されている一般のパイル織編機によっては凹凸パターン付き有毛布帛は得られない。
加熱エンボス法では、押圧されることなく凸部として残されるべき部分の毛羽繊維や基布までも熱変形するので、加熱エンボスロールの温度が低く抑えられ、凹部における毛羽繊維を十分に押圧セットすることは出来ず、凹部と凸部との段差によって構成されるパターンの柄際を鮮鋭に描出することは困難である。
レーザー照射法では、レーザー光線を部分的に照射するための照射箇所選択装置を必要とし、レーザー光線に加熱されて生じる溶融物を溶解除去するための後処理を必要とするので、簡便且つ効率的に実施することは出来ない。
そこで本発明は、表面毛羽層が2mm以下の有毛布帛に柄際の鮮鋭なパターンを描出し、凹部の基布と凸部の基布との間に繊維密度の疎密差がなく、毛羽繊維に被覆されずに露出する凹部の基布の耐摩耗性を高め、強度的に安定し、デザイン的に内装材に適した凹凸パターン付き有毛布帛をレーザー照射法により簡便且つ効率的に得ることを目的とする。
即ち、本発明は、レーザー照射法において、有毛布帛の毛羽層の厚みを2mm以下にし、その毛羽繊維の単繊維繊度を11dtex以下にするときは、毛羽繊維が熱溶融し始めるや否や大きな溶融塊を形成することなく基布に強固に融着し、手触りのよい微細な凹凸による地模様が形成され、その微細な溶融塊によって基布が保護されるので、その溶融塊を溶解除去する後処理が不要になるとの知見を得て完成された。
又、本発明は、レーザー照射法において、有毛布帛の毛羽層に部分的に水を付着させておくときは、その水の付着の毛羽繊維がレーザー光線に加熱されて溶融塊を形成せず、水の付着の有無によって毛羽層に凹凸パターンが描出され、毛羽層に部分的にレーザー光線を照射するための照射箇所選択装置を必要とせず、凹凸パターン付き有毛布帛を得ることが出来るとの知見を得て完成された。
従って、本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の製法は、(1) 有毛布帛の毛羽層24にレーザー光線を照射し、毛羽層24を構成している浮出繊維25をレーザー光線によって熱溶融させて凹部27を形成し、毛羽層24に凹凸パターンを描出する凹凸パターン付き有毛布帛の製法において、
(2) 毛羽層24を構成する浮出繊維25を、熱溶融性繊維とし、その単繊維繊度11dtex以下にし、毛羽層24の厚みを2mm以下とし、
(3) 浮出繊維25の熱溶融を妨げる防融剤を毛羽層24の表面に印捺してレーザー光線を照射し、
(4) 防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維25を熱溶融させて毛羽層24に窪んだ凹部27を形成し、
(5) その凹部27の谷底において浮出繊維25の溶融塊31を有毛布帛の基布23に密着させ、
(6) その凹部27の谷底の表面に、その溶融塊31によって、凸部33と凸部33の間隔Lが1000μm未満であり、凹凸差Dが凸部33と凸部33の間隔Lよりも少なく、毛羽層24の凹凸パターンよりも微細な凹凸を形成することを第1の特徴とする。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の製法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(1) レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線11を揺動回転駆動される第一鏡面13において反射し、その反射されたレーザー光線19を、揺動回転駆動され、その回転中心軸18の長さ方向が第一鏡面13の回転中心軸16の長さ方向と90度異なる第二鏡面14において再び反射して有毛布帛表面15に照射し、
(2) それら第一鏡面13と第二鏡面14を揺動して鏡面(13・14)でのレーザー光線の反射角度(α・β)を変えて有毛布帛表面15の所要箇所へのレーザー光線の照射位置21を合わせ、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維25を熱溶融させて毛羽層24に部分的に凹部27を形成する点にある。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の製法の第3の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(1) レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線11を揺動回転駆動される第一鏡面13において反射し、その反射されたレーザー光線19を有毛布帛表面15に走査させ、
(2) レーザー光線発振装置から発射されるレーザー光線11の光量を加減してレーザー光線11を部分的に有毛布帛の毛羽層24にレーザー光線を照射し、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維25を熱溶融させて毛羽層24に部分的に凹部27を形成する点にある。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛は、(a) 基布23を構成している繊維26の一部25が浮き出て基布の表面を覆う毛羽層24を形成している有毛布帛において、
(b) その毛羽層24を形成している浮出繊維25が単繊維繊度11dtex以下の熱溶融性合成繊維であり、
(c) その毛羽層24の厚みが2mm以下であり、
(d) 毛羽層が部分的に熱溶融して窪んだ凹部27となっており、その凹部27と毛羽層に熱溶融することなく残された凸部28との凹凸差によるパターン29が毛羽層24に描出されており、
(e) その凹部27の谷底において、浮出繊維25が熱溶融して溶融塊31を形成して基布23に密着しており、
(f) 凹部27の谷底の表面において、その溶融塊31が、基布の糸条繊維30が形成している基布の組織構造に沿った微細な凹凸を形成しており、
(g) その微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33の間隔Lが1000μm未満であり、微細な凹部32と凸部33との凹凸差Dが微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33の間隔Lよりも少なく、その微細な凸部33の表面に毛羽層24の凹凸パターンよりも更に微細な凹凸が形成されていることを第1の特徴とする。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(h) 浮出繊維25の単繊維繊度が3dtex以下であり、
(i) 浮出繊維25の構成する毛羽層(凸部)24の嵩密度が0.05〜0.15g/cm3 である点にある。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、(j) 有毛布帛が、基布23を起毛して毛羽層24を形成した起毛布帛である点にある。
毛羽層24の表面にレーザー光線を部分的に照射するときは、その照射箇所の浮出繊維25が熱溶融して窪んだ凹部27を形成し、レーザー光線の照射されない箇所(28)との間に凹凸差が生じ、それによって凹凸パターンが毛羽層24の表面に描出され、浮出繊維25が熱溶融して生じた溶融塊31は、その窪んだ凹部27の谷底の表面に固着することになる。
しかし、毛羽層24の表面に防融剤を印捺するときは、部分的ではなく、毛羽層の全面にレーザー光線を照射しても、その印捺箇所では防融剤の印捺塗膜にレーザー光線が遮断されるので、その印捺箇所の浮出繊維25が熱溶融することなく残存して凸部28を形成することになり、防融剤の印捺されない非印捺箇所の浮出繊維25だけが加熱されて玉状溶融塊31を形成し、凹部27が形成されることになる。
従って、レーザー光線の照射の際に、凹部27を形成すべき箇所と凸部28を形成すべき箇所とに毛羽層24の表面を選別する照射箇所選択装置を必要としない。
それ故、本発明によると、レーザー光線を使用する凹凸パターン付き有毛布帛の製法を簡便に実施することが出来る。
そして、本発明では、浮出繊維を加熱する手段としてレーザー光線を使用するので、残存して凸部28を形成すべき箇所の浮出繊維25までも加熱されることがなく、凹部27と凸部28との柄際が鮮鋭な凹凸パターンが描出される。
本発明では、レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線11を第一鏡面13において反射し、その反射されたレーザー光線19を第二鏡面14において再び反射して毛羽層24の表面に照射することとし、それら第一鏡面13と第二鏡面14を揺動して鏡面(13・14)でのレーザー光線の反射角度(α・β)を変えて布帛表面の所要箇所へのレーザー光線の照射位置21を合わせる。
このため、有毛布帛を経緯何れか一方向に間欠的に移動しつつ、その静止状態において第一鏡面13を揺動して反射角度αを変え、又は、第二鏡面14を揺動して反射角度βを変えて、レーザー光線(20)を有毛布帛の経緯何れか一方に一直線状に走査させて、防融剤を印捺した毛羽層24の全面にレーザー光線11を照射することも出来るし、又、防融剤を印捺しない場合でも凹部27を形成する毛羽層24の一部に部分的にレーザー光線11を照射することも出来る。
第一鏡面13の反射角度αと第二鏡面14の反射角度βの双方を変えるときは、移動させずに固定された状態にある有毛布帛の毛羽層24の全面に、或いは、部分的に毛羽層24にレーザー光線を照射することも出来るし、又、有毛布帛が連続移動中であっても、その有毛布帛の移動速度に第一鏡面13と第二鏡面14の何れか一方の回転速度(α・β)を合わせることによって、有毛布帛を間欠的に移動させる場合と同様に、有毛布帛の全面或いは部分的にレーザー光線11を照射することが出来る。
このため、本発明によると、防融剤の印捺された毛羽層24の表面に部分的にレーザー光線11を照射することによって、防融剤の印捺パターンとレーザー光線の部分的照射パターンが複合した凹凸複合パターンを描出することが出来る。
その場合、レーザー光線の照射位置21を合わせるために発振装置や鏡面の位置を移動させないので、布帛表面の所要箇所に所要熱量のレーザー光線を正確に照射し、柄ズレを起こすことなく、所要の位置にレーザー光線によってパターンを正確に描出することが出来る。
第一鏡面13や第二鏡面14を揺動して毛羽層24に一直線状にレーザー光線を照射するときは、そのレーザー光線20の走査線に沿って浮出繊維の溶融塊31が点線のように一直線状に並んで発生し、基布23が織編組織構造を成すものでは、溶融塊31が、織目や編目に沿って並び、その織目や編目の一部を成すが如き観を呈し、基布23が不織布であっても溶融塊31が織目や編目の如き観を呈し、浮出繊維の溶融物との印象を与えず、柄出装置付きパイル織編機によって織編成されたかの如く美しい凹凸パターン付き有毛布帛が得られる。パターン29は、模様や図形に限らず、記号や文字であってもよい(図6)。
レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線11を揺動回転駆動される第一鏡面13において反射し、その反射されたレーザー光線19を有毛布帛表面15に走査させ、そのレーザー光線発振装置から発射されるレーザー光線11の光量を加減してレーザー光線11を部分的に有毛布帛の毛羽層24にレーザー光線を照射し、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維25を熱溶融させて毛羽層24に部分的に凹部27を形成するときは、防融剤の印捺パターンとレーザー光線の部分的照射パターンが複合した凹凸複合パターンを描出することが出来る。
ところで、モケットやカーペット等の内装材として汎用されている通常の有毛布帛の毛羽層の繊維嵩密度は概して0.1g/cm3 前後である。例えば、ウイルトンカーペットやタフテッドカーペット等の敷物に使用されるパイル層(毛羽層)厚み(パイル長)10mmのパイル布帛の毛羽層の目付けは1000g/m2 前後であり、椅子張地に使用されるパイル層厚みが4mmのモケットの毛羽層の目付けは400g/m2 前後である。
その在来のパイル布帛のパイル繊維(浮出繊維)の比量を1と仮定し、又、パイル層の繊維嵩密度を0.1g/cm3 と仮定し、そのパイル層を形成しているパイル繊維を熱溶融させてフイルムを形成しようとするとき、目付け1000g/m2 のパイル層のパイル繊維が形成するフイルムの厚みは1000μm(1mm)、目付け400g/m2 のパイル層のパイル繊維が形成するフイルムの厚みは400μm(0.4mm)となる。
このことからして明らかなように、本発明において「毛羽層24の厚みが2mm以下」とは、その毛羽層24を熱溶融させて形成し得るフイルムの厚みが200μm以下になることを意味する。
しかし、実際に毛羽層24を熱溶融させても、その浮出繊維25の溶融物はフイルム状にはならず、その溶融物に作用する表面張力によって浮出繊維25が玉状溶融塊31を形成し、その玉状溶融塊31の形成過程において浮出繊維25が熱収縮し、溶融物が浮出繊維25の根元(基布23)へと移動する。
本発明では、毛羽層24の厚みが2mm以下と薄いことからして、浮出繊維25が熱溶融し始めるや否や、その隣合う多数の浮出繊維の溶融物が触れ合って大きな玉状溶融塊を形成する暇もなく、浮出繊維25が熱収縮して引き寄せられるように基布23に密着し、凹部の谷底に細かく盛り上がった微細な凸部33を形成する。
本発明において、浮出繊維25の単繊維繊度を11dtex以下とするのは、単繊維繊度が細ければ、浮出繊維が熱溶融し易く、その形成する玉状溶融塊31も微細になって根元へと引き寄せられ易くなり、玉状溶融塊31が凹部27の谷底の表面に基布の組織構造に沿った微細な凹凸を形成し易くなり、その微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33の間隔Lを1000μm未満にすることが出来、それらの微細な凹部32と凸部33との凹凸差Dが微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33の間隔Lよりも少なく、その微細な凸部33の表面が玉状曲面となり、その表面に微細な凹部32や凸部33よりも更に微細な凹凸が発生し易くなる。
そのためには、毛羽層24の厚みを薄くし、溶融状態にある浮出繊維の溶融物が触れ合って肥大化する暇もなく瞬時に基布23へと移動して強固に融着するようにすると共に、浮出繊維25の単繊維繊度を5dtex以下、更には3dtex以下にし、浮出繊維の溶融物が微細な凸部33を形成すると共に、その微細な凸部33の表面に更に微細な凹凸が形成されるようにする。
その溶融部分では、浮出繊維25が玉状溶融塊31を形成して嵩を縮め、その玉状溶融塊31が、基布の組織構造に沿って途切れ途切れになった溶融樹脂層、つまり、微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33が1000μm未満で概して300μm乃至700μm前後の間隔Lで続き、その微細な凹部32との凹凸差Dが極僅かでなだらかに隆起した微細な玉状曲面の凸部33を形成するので、その微細な凹凸(32・33)に象られて浮き出るるように、凹部27の谷底面に基布23の組織構造の輪郭に沿った地模様が露顕することになる。
厚みが200μm以下のフイルムの樹脂量に相当する毛羽層24の形成する玉状溶融塊31は、加熱されて厚み200μm以下のフイルムに出来る溶融孔や溶融物を見て分るように格別大きいものではなく、それが丸味を帯びた微細な玉状曲面の凸部33を形成するので、凹部27の谷底は、ザラつきがあって程よい刺激感を与える梨地調の外観を呈する。
そして微細な凸部33は、なだらかな玉状曲面を成して摩擦抵抗が少なく、而も基布23の内部に続く繊維26の一部であって基布内部に深く根を下しているので脱落することはなく、途切れ途切れに続く溶融塊31の溶融樹脂層に妨げられて凹部27に露顕する基布23が直接擦られることがなく、又、毛羽層24に凹部27が生じるとしても、その凹部27は基布23の変形を伴って形成されるものではなく、基布自体23は凹部27の形成される前の状態を維持するので、基布23の形状安定性や引張強度等の物性強度が低下することなく、却って、途切れ途切れに続く溶融塊31に保護されて凹部27での有毛布帛の耐摩耗性が向上する。
従って、本発明によると、凹部27に生じる浮出繊維25の溶融物を溶解除去するための後仕上処理が不要となる。
本発明では、毛羽層24の厚みが2mm以下と薄いことからして、浮出繊維25が溶融し嵩を縮めて形成する凹部27と浮出繊維25が熱溶融することなく残存して形成する凸部28と段差が1mm前後と少なくなり、凹部27と凸部28によって描出される凹凸パターンの柄際において、凸部28の浮出繊維25が凹部27に倒れ込んで柄際が不鮮明になることがない。
そして、浮出繊維25と溶融塊31とでは光沢が異なり、加えて、溶融塊31では浮出繊維25に含まれていた染料や顔料等の着色成分が凝縮されて濃色になる。
かくして、凹部27と凸部28との段差が少なく、凹部27に溶融塊31によって梨地調の組織構造の地模様をプリントしたかの如く、柄際が先鋭な凹凸パターンが毛羽層24に描出されることになる。
有毛布帛としては、フエルト、起毛布帛、シェニール織物、モケット、別珍、コール天等の織パイル布帛、トリコットやダブルラッシェル等の編パイル布帛が適用される。
シェニール織物と織パイル布帛と編パイル布帛は、パイル糸(シェニール織物ではパイルの突き出たシェニール糸)と地糸で構成され、毛羽層24はパイル糸によって構成され、パイル糸の一部は地糸と一緒になって基布23を構成するが、地糸は毛羽層24を構成せず、パイルの根元は地糸に囲まれて基布23に係止されている。
このため、シェニール織物と織パイル布帛と編パイル布帛では、毛羽層24を構成しているパイル(浮出繊維25)が溶融塊31を形成するとき、浮出繊維25の溶融物は、各パイル毎に纏まった溶融塊31を形成し、地糸に囲まれて点在し易く、従って、その点在する溶融塊31と溶融塊31の間に基布23を構成している地糸が露出し易くなる。
しかし、基布23を起毛して毛羽層24を形成した起毛布帛では、基布23の表面に露出している糸条の一部の繊維が掻き出されて浮出繊維25となるので、溶融する浮出繊維がパイルのように纏まった溶融塊を形成し難く、その形成する溶融塊は、パイル布帛のパイルの形成する溶融塊に比して微細なものとなり、又、基布23の表面に露出している全ての糸条が固着し、凹部27の谷底の表面に緻密な細かく分かれた凹凸皮膜を形成することになる。
このため、有毛布帛として起毛布帛を使用するときは、凹部27の谷底において凸部33を構成している溶融塊31が微細で掻き取られ難く、耐摩耗性に優れ、その微細な凸部33と凸部33の間隔Lが500μm未満で肌触りのよい凹凸パターン付き有毛布帛を得ることが出来る。
織パイル布帛と編パイル布帛の表面層は「毛羽層」とは称されず「パイル層」と称され、その表面層を形成している繊維は「浮出繊維」とは称されず「パイル繊維」或いは「パイル」と称されている。
本発明において、織パイル布帛や編パイル布帛のパイル層を「毛羽層」と称し、又、「パイル繊維」を「浮出繊維」と称するのは、本発明の有毛布帛に含まれるフエルトや起毛布帛、シェニール織物の表面を構成している繊維糸条がパイルとは称されず、フエルトや起毛布帛では「毛羽」或いは「立毛」と称され、シェニール織物では「花糸」と称されているので、織パイル布帛や編パイル布帛の表面層であるパイル層と、フエルトや起毛布帛、シェニール織物の表面層である毛羽や立毛を総称するためである。
しかし、起毛布帛やシェニール織物が外観上モケットやコール天等のパイル布帛に近似しており、それらが時として「パイル布帛」と称されることもあり、又、それらの表面を構成している繊維糸条も「パイル」と称されることもあるので、本発明に言う「毛羽層」を「パイル層」と言い換えることが出来、又、本発明に言う「浮出繊維」を「パイル」と言い換えることも出来る。
モケットやコール天等のパイル布帛や起毛布帛、シェニール織物では、毛羽層24を構成している浮出繊維25は、基布内部に連続し、基布23の一部(26)を構成している。しかし、一種の有毛布帛である静電植毛布帛は、フロックと称される繊維片を接着剤の塗膜を介して基布に接着して構成され、その繊維片(フロック)は、基布を構成するものではない。
本発明において「基布を構成している繊維の一部が毛羽層を形成している」とは、静電植毛布帛のように毛羽層の浮出繊維と、その浮出繊維を係止している基布の繊維が、連続しておらず、接着剤の塗膜を境に分離状態にある有毛布帛は、本発明の対象外となることを意味する。
本発明において「基布の組織構造」とは、フエルトでは、毛羽層の浮出繊維から続くフエルト内部の繊維26・30の絡み合った不織布様の絡合構造(図1)、編物を基布として起毛して成る有毛布帛では、基布である編物を構成している編糸のニードルループ(26)やシンカーループ(30)、挿入糸の構成する編目(図2)、織物を基布として起毛して成る有毛布帛では、基布である織物を構成している経糸(30)や緯糸(26)が交絡している織目(図3)、パイル織物やパイル編物では、パイル(25)を係止している基布を構成している地糸(30)やパイル糸(26)が交絡している織目や編目を意味する(図4)。
浮出繊維25の単繊維繊度は5dtex以下、好ましくは2dtex以下にするとよい。熱溶融性合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維等が使用される。
毛羽層24(凸部28)の繊維密度(嵩密度)が高(緻密)過ぎると、隣合う浮出繊維の溶融物が触れ合って大きい溶融塊を形成し、その溶融物によって鏝塗りしたかの如く凹部27の谷底が塗り潰されて基布23の組織構造が露顕せず、谷底に溶融物が固まって有毛布帛の風合いが損なわれる。
そのような不都合を回避するためには、毛羽層24の繊維密度は、0.15g/cm3 以下にするとよい。
毛羽層24の繊維密度の下限は、凸部28において浮出繊維25の間から基布23が露顕しない程度に適宜設定されるが、毛羽層24の耐摩耗性の点では0.05g/cm3 以上にするとよい。
従って、本発明では、これらの点を考慮し、浮出繊維25の構成する毛羽層(凸部)24の嵩密度を0.05〜0.15g/cm3 としているが、好ましくは0.08〜0.12g/cm3 と0.1g/cm3 前後にすることが望ましい。
毛羽層24に印捺する防融剤は、水と親水性物質、例えば、ポリリン酸アンモニウム、スルフアミン酸アンモニウム、スルフアミン酸グアニジン等の難燃性物質、、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチールセルロースナトリウム塩(CMC)等の水溶性樹脂、界面活性剤を含むラテックスその他の樹脂エマルジョン、ベントナイト、カオリン、クレー等の粘土質鉱物との混合組成物が使用される。
水に配合される親水性物質の純分配合量は0.1重量%以下でよく、防融剤は水だけであってもよい。
水溶性樹脂を主材とする捺染糊は、防融剤として使用することが出来る。
毛羽層への防融剤の印捺は、グラビアロール、ロータリー捺染スクリーン、フラット捺染スクリーン、インクジェットノズル等の捺染装置によるほか、手描きによることも出来る。
溶融塊31を細かくし、凹部27の谷底における凹部32と凸部33を細かくするためには、防融剤の印捺部分を含む毛羽層全体に、水やアルコール等の防融液体を付与するとよい。
そのためには、防融剤の印捺に先立って、有毛布帛を防融液体に浸漬し、防融剤の印捺部分を含む毛羽層全体に防融液体を付与してもよいし、又、防融剤を印捺した後に、防融剤の印捺部分を含む毛羽層全体に防融液体を付与してもよい。
防融剤を印捺した後に、毛羽層全体に防融液体を付与するためには、防融液体を毛羽層の全面にスプレー等によって付与してもよいし、又、有毛布帛の裏面(基布23)に防融液体を付与し、裏面から防融液体を毛羽層全体に滲み出させることも出来る。
防融剤を印捺した後に毛羽層全体に防融液体を付与する場合、防融剤の印捺形際からの滲み出しを回避するために、レーザー光線を遮る印捺塗膜を形成することの出来るアラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースソーダー塩(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム、多糖類、澱粉等の水溶性樹脂、天然ラテックス、エマルジョン樹脂等の水分散性樹脂、ベントナイト、カオリン、クレー等の水分散性を有する粘土質鉱物等の造膜性物質を主体として防融剤を調製し、防融剤の印捺塗膜を乾燥または半乾きにして流動性を抑えてから防融液体を付与し、乾燥または半乾きにした防融剤の印捺塗膜を再び湿潤させてからレーザー光線を照射する。又、防融剤の防融液体による印捺形際からの滲み出しを回避するためには、ワックス系撥水剤、シリコーン樹脂系撥水剤、弗素樹脂系撥水剤等の撥水剤を防融剤に配合しておくとよい。
未印捺部分を残すことなく数種類の防融剤を印捺し、防融剤の印捺塗膜によって毛羽層41の全面を被覆することも出来る。
その場合には、防融液体は適用されず、代わりに数種類の防融剤の少なくとも1種類の防融剤を、水、脂肪酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤、メタノール、エタノール、イソブチレンアルコール、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオグリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ロート油等の水溶性有機溶剤等の液体を主材として調製し、その防融剤を防融液体に代用する。
液体を主材として調製された防融剤や防融液体を使用する場合、それらの防融剤の主材となる液体や防融液体が浮出繊維の表面に薄い皮膜を形成することになり、それらの防融剤の主材である液体がレーザー光線を受けて熱溶融する浮出繊維の溶融物に触れて揮発(蒸発)するとき、気化熱を奪って溶融物の肥大化を妨げ、又、液体は、繊維ポリマーとは異質の物質なので隣合う浮出繊維の溶融物と溶融物の間に剥離剤の如く介在し、それらの溶融物同士が触れ合って肥大化するのを妨げる。
このため、レーザー光線が照射箇所では浮出繊維が熱溶融しても細かく分かれた溶融塊を形成し、肌身を刺激する程度に大きい溶融塊の発生は抑えられ、溶融塊31が細かく、、その形成する凹部32や凸部33も細かくなる。
図5は、レーザー光線発振装置を図示し、レーザー光線11は、レーザー発振装置から発射され、焦点補正レンズ12を通って第一鏡面13へと直進し、第一鏡面13と第二鏡面14で反射して布帛表面15に照射される。第一鏡面13の回転中心16は、第一鏡面13の表面に設定され、その第一鏡面の回転中心線上(16)にレーザー光線11が照射される。従って、第一鏡面13が揺動回転しても、第一鏡面上での照射位置17が変わることはない。第二鏡面の回転中心18は、第二鏡面14の表面であり、且つ、第一鏡面13でのレーザー光線の反射光19が照射される位置に設定されている。
第一鏡面の回転中心軸16と第二鏡面の回転中心軸18とは、90度方向を異にするので、レーザー光線の第一鏡面での反射角度が、第一鏡面の揺動回転角度αに応じて変化しても、その第一鏡面でのレーザー光線の反射光19a・19b・19c・19dは常に、第二鏡面の回転中心軸線上18において再反射され、その再反射光20a・20b・20c・20dの布帛表面15での照射位置21a・21b・21cは、第一鏡面の揺動回転角度αの変化に伴って第二鏡面の回転中心軸18に平行する直線Xの上で移動する。
一方、第二鏡面14が揺動回転するとき、第二鏡面での再反射光20a・20a’・20b’は、その回転角度βに応じて方向を変え、布帛表面15での照射位置21a・21a’・21b’は、第一鏡面の回転中心軸16に平行な直線Yの上で移動する。
このため、第一鏡面13と第二鏡面14を揺動回転駆動すると、それらの回転角度(α・β)に応じて、布帛表面15でのレーザー光線の照射位置21を自由に移動することが出来る。このように布帛表面での照射位置21が移動すると、焦点補正レンズ12から照射位置21に到るレーザー光線11の経路の全長が変化する。22は、第一鏡面13の回転角度αの変位量Δαと第二鏡面14の回転角度βの変位量Δβによって、その変化する焦点補正レンズ12から照射位置21(21a・21a’・21b’・21b・21c………)に到るレーザー光線11の経路の全長を算出する距離演算素子であり、その距離演算素子22からの算出情報を受けて焦点補正レンズ12が作動し、レーザー光線の焦点が布帛表面の所要の照射位置21に合わされる。
4枚筬のトリコット経編機において、84dtex/72Fのポリエステルマルチフィラメント加工糸を第1パイル糸としてフロント筬Lfに通し、56dtex/24Fのポリエステルマルチフィラメント糸を第2パイル糸として第1ミドル筬Lm1に通し、56dtex/24Fのポリエステルマルチフィラメント糸を第1地糸として第2ミドル筬Lm2に通し、56dtex/24Fのポリエステルマルチフィラメント糸を第2地糸としてバック筬Lbに通し、フロント筬Lfを1−0/4−5/1−0/4−5………と操作し、第1ミドル筬Lm1を1−0/4−5/1−0/4−5………と操作し、第2ミドル筬Lm2を1−0/1−2/1−0/1−2………と操作し、バック筬Lbを2−3/1−0/2−3/1−0と操作し、ウェール方向の編密度28目/25.4mm(inch)、コース方向の編密度74目/25.4mm(inch)のトリコット経編パイル布帛を編成し、起毛工程に通して第1パイル糸Pfと第2パイル糸Pmで構成されたシンカーループを起毛し、起毛面にシャリングを施して厚み1.745mmの毛羽層を形成し、染色工程に通して目付け484g/m2 、毛羽層の繊維密度0.11g/cm3 のトリコット経編パイル布帛に仕上げた。
次いで、水溶性樹脂(日華化学株式会社製ニッカガムC−60)65重量部と、分散染料(共進産業株式会社製Disperse Blue SSL−5)1重量部と、水道水34重量部とから成る色素配合防融剤を調製し、100メッシュのフラット捺染スクリーンと8φのステンレススキージを用い、色素配合防融剤をトリコット経編パイル布帛の毛羽層表面に印捺する。
次いで、捺染スクリーンのパターンとは別にデジタル画像によって0.5mm間隔で平行に並ぶ直線で描出される照射パターンを用意し、CO2レーザー照射装置(coherent社製G−100、出力条件5〜80W、ビーム径0.5mm、ビームスポット移動速度80〜500mm/秒、発振周波数1kHz、焦点距離760mm)から発射されて直進するレーザー光線を第一鏡面において反射し、その反射されたレーザー光線を第二鏡面において再び反射し、第一鏡面と第二鏡面を揺動して布帛表面にレーザー光線を、色素配合糊剤の印捺されたトリコット経編パイル布帛の毛羽層表面に照射し、パターンに従って浮出繊維が熱溶融した凹部を毛羽層表面に形成し、還元洗浄後、ピンテンターに通して乾燥させ、捺染スクリーンのパターンに同期して凸部と凹部が色分けられ、捺染スクリーンのパターンと照射パターンが重なり合った凹凸パターン付きトリコット経編パイル布帛を得た。
この凹凸パターン付きトリコット経編パイル布帛では、その凹部27の谷底の表面において、溶融塊31が地糸やパイル糸30の構成する組織構造に沿って微細な凹凸を形成し、微細な凹部32と凹部32並びに凸部33と凸部33の間隔Lが500μm未満で概して100〜300μmで細かく、凹部27と凸部28との凹凸差Dも300μm前後で手触りがよく、恰も溶融塊31によって梨地調地模様をプリントしたかの如く、柄際が先鋭な凹凸パターンが描出された。
本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の断面図である。 本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の断面図である。 本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の断面図である。 本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の断面図である。 本発明に係るレーザー光線発振装置の要部透視斜視図である。 本発明に係る凹凸パターン付き有毛布帛の斜視図であり、一部を円が囲んで拡大して図示している。
符号の説明
11:レーザー光線
12:焦点補正レンズ
13:第一鏡面
14:第二鏡面
15:布帛表面
16:回転中心
17:照射位置
18:回転中心
19:反射光
20:再反射光
21:照射位置
22:距離演算素子
23:基布
24:毛羽層
25:浮出繊維
26:基布の一部を構成している繊維
27:凹部
28:凸部
29:パターン
30:基布を構成している繊維
31:溶融塊
32:微細な凹部
33:微細な凸部
D:凹凸差
L:間隔
α・β:反射角度

Claims (6)

  1. (1) 有毛布帛の毛羽層(24)にレーザー光線を照射し、毛羽層(24)を構成している浮出繊維(25)をレーザー光線によって熱溶融させて凹部(27)を形成し、毛羽層(24)に凹凸パターンを描出する凹凸パターン付き有毛布帛の製法において、
    (2) 毛羽層(24)を構成する浮出繊維(25)を熱溶融性繊維とし、その単繊維繊度を11dtex以下にし、毛羽層(24)の厚みを2mm以下とし、
    (3) 浮出繊維(25)の熱溶融を妨げる防融剤を毛羽層(24)の表面に印捺してレーザー光線を照射し、
    (4) 防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維(25)を熱溶融させて毛羽層(24)に窪んだ凹部(27)を形成し、
    (5) その凹部(27)の谷底において浮出繊維(25)の溶融塊(31)を有毛布帛の基布(23)に密着させ、
    (6) その凹部(27)の谷底の表面に、その溶融塊(31)によって、凸部(33)と凸部(33)の間隔(L)が1000μm未満であり、凹凸差(D)が凸部(33)と凸部(33)の間隔(L)よりも少なく、毛羽層(24)の凹凸パターンよりも微細な凹凸を形成することを特徴とする凹凸パターン付き有毛布帛の製法。
  2. (1) レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線(11)を揺動回転駆動される第一鏡面(13)において反射し、その反射されたレーザー光線(19)を、揺動回転駆動され、その回転中心軸(18)の長さ方向が第一鏡面(13)の回転中心軸(16)の長さ方向と90度異なる第二鏡面(14)において再び反射して有毛布帛表面(15)に照射すること、
    (2) それら第一鏡面(13)と第二鏡面(14)を揺動して鏡面(13・14)でのレーザー光線の反射角度(α・β)を変えて有毛布帛表面(15)の所要箇所へのレーザー光線の照射位置(21)を合わせ、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維(25)を熱溶融させて毛羽層(24)に部分的に凹部(27)を形成することを特徴とする前掲請求項1に記載の凹凸パターン付き有毛布帛の製法。
  3. (1) レーザー光線発振装置から発射されて直進するレーザー光線(11)を揺動回転駆動される第一鏡面(13)において反射し、その反射されたレーザー光線(19)を有毛布帛表面(15)に走査させること、
    (2) レーザー光線発振装置から発射されるレーザー光線(11)の光量を加減してレーザー光線(11)を部分的に有毛布帛の毛羽層(24)にレーザー光線を照射し、防融剤の印捺されていない非印捺部分の浮出繊維(25)を熱溶融させて毛羽層(24)に部分的に凹部(27)を形成することを特徴とする前掲請求項1に記載の凹凸パターン付き有毛布帛の製法。
  4. (a) 基布(23)を構成している繊維(26)の一部(25)が浮き出て基布の表面を覆う毛羽層(24)を形成している有毛布帛において、
    (b) その毛羽層(24)を形成している浮出繊維(25)が単繊維繊度11dtex以下の熱溶融性合成繊維であり、
    (c) その毛羽層(24)の厚みが2mm以下であり、
    (d) 毛羽層が部分的に熱溶融して窪んだ凹部(27)となっており、その凹部(27)と毛羽層に熱溶融することなく残された凸部(28)との凹凸差によるパターン(29)が毛羽層(24)に描出されており、
    (e) その凹部(27)の谷底において、浮出繊維(25)が熱溶融して溶融塊(31)を形成して基布(23)に密着しており、
    (f) 凹部(27)の谷底の表面において、その溶融塊(31)が、基布の糸条繊維(30)が形成している基布の組織構造に沿った微細な凹凸を形成しており、
    (g) その微細な凹部(32)と凹部(32)並びに凸部(33)と凸部(33)の間隔(L)が1000μm未満であり、微細な凹部(32)と凸部(33)との凹凸差(D)が微細な凹部(32)と凹部(32)並びに凸部(33)と凸部(33)の間隔(L)よりも少なく、その微細な凸部(33)の表面に毛羽層(24)の凹凸パターンよりも更に微細な凹凸が形成されていることを特徴とする凹凸パターン付き有毛布帛。
  5. (h) 浮出繊維(25)の単繊維繊度が3dtex以下であり、
    (i) 浮出繊維(25)の構成する毛羽層(凸部24)の嵩密度が0.05〜0.15g/cm3 であることを特徴とする前掲請求項4に記載の凹凸パターン付き有毛布帛。
  6. (j) 有毛布帛が、基布(23)を起毛して毛羽層(24)を形成した起毛布帛であることを特徴とする前掲請求項4と5の何れかに記載の凹凸パターン付き有毛布帛。
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