JP2007224200A - プラスチゾルインキ、ならびにそれによって印刷の施された繊維製品及び皮革製品 - Google Patents

プラスチゾルインキ、ならびにそれによって印刷の施された繊維製品及び皮革製品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、基材に対する優れた付着性を有し、基材の伸びや湾曲等に十分追随可能なレベルの柔軟性を長期間にわたり維持でき、かつ顔料分散性に優れたプラスチゾルインキを提供することである。
【解決手段】本発明は、3〜6個の水酸基を有するポリオール(a1)の各水酸基にアルキレンオキサイドが付加したポリオール(a2)と、モノカルボン酸(a3)とを縮合反応させて得られるエステル化合物(A)、アクリル樹脂(B)、及び顔料(C)を含有してなることを特徴とするプラスチゾルインキに関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣服等をはじめとする様々な繊維製品や皮革製品等への印刷に使用することが可能なプラスチゾルインキ、ならびにそれによって印刷の施された繊維製品及び皮革製品に関する。
近年、優れたデザインの施された衣類等の繊維製品や皮革製品等が消費者から求められているなかで、繊維や皮革等に鮮やかな色彩を施すための印刷方法や印刷インキの開発が、従来より進められている。
繊維や皮革等の表面に文字や図柄等のデザインを印刷する方法の一つとしては、例えばプラスチゾルと顔料とを含む、いわゆるプラスチゾルインキを、スクリーン印刷法によって印刷する方法が知られている。プラスチゾルインキは、一般に繊維等の表面へ厚塗りすることが可能であるため、繊維等に立体感のあるデザインを施すことが可能である等のメリットを有している。
前記プラスチゾルインキに使用可能なプラスチゾルとしては、従来より塩化ビニル系プラスチゾルが使用されている。しかし、昨今の環境負荷低減の観点から、塩化ビニル系プラスチゾルに代わる非ハロゲン樹脂系のプラスチゾルの開発が産業界から求められている。
前記塩化ビニル系プラスチゾルに代わる非ハロゲン樹脂系のプラスチゾルとしては、アクリル樹脂系のプラスチゾルが知られている。例えばコアシェル構造を有する特定のアクリル系樹脂微粒子と、特定のフタル酸エステル系可塑剤と特定の平均粒子径を有する無機充填材とを含有してなり、前記無機充填材100gあたりの前記フタル酸エステル系可塑剤最大吸収量が25〜35gであるアクリル系プラスチゾルが、可塑剤のブリードアウトや経時の粘度上昇を殆ど引き起こさず、かつスクリーン印刷法を適用した場合の、糸引き現象の抑制と、塗工速度の大幅な向上を図ることができることが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記アクリル系プラスチゾルと顔料とを含むプラスチゾルインキは、繊維等の基材に十分に付着しにくい場合があるという問題を有していた。
また、前記アクリル系プラスチゾルは、顔料の分散性の点で実用上十分といえるものとはいいがたいため、前記アクリル系プラスチゾルと顔料と含むプラスチゾルインキによって印刷された図柄等には、色むら等が発生し外観を損なう場合があるという問題があった。
また、前記フタル酸エステル系可塑剤は、高温多湿環境下において前記アクリル系プラスチゾル中からブリードしやすい。即ち、前記アクリル系プラスチゾル及び顔料を含むプラスチゾルインキによって印刷された図柄等は、該可塑剤のブリードにより経時的に柔軟性等を失い、繊維等の基材の伸びや湾曲に追随することができず、その結果、ひび割れや基材からの脱落を引き起こす場合があった。
また、前記フタル酸エステル系可塑剤は、近年、環境ホルモンの疑いがもたれている。したがって、産業界からは、各種改質効果を発現可能で、かつ非フタル酸系の可塑剤の開発が求められている。
以上のように、繊維や皮革等をはじめとする様々な基材に対する優れた付着性を有し、繊維等の基材の伸びや湾曲等に対して追随可能なレベルの優れた柔軟性を長期間にわたり維持することができ、かつ顔料分散性にも優れた、非ハロゲン系樹脂と非フタル酸系可塑剤とを含むプラスチゾルインキは、未だ見出されていないのが現状である。
特開2003−026892号公報
本発明が解決しようとする課題は、基材に対する優れた付着性を有し、基材の伸びや湾曲等に十分追随可能なレベルの柔軟性を長期間にわたり維持でき、かつ顔料分散性に優れたプラスチゾルインキを提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記したプラスチゾルインキによって印刷の施された繊維製品及び皮革製品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために各種検討を進めるなかで、従来から玩具・手袋用途で使用されているアクリル樹脂粒子、及び可塑剤としてポリオールのアルキレンオキサイド付加物とモノカルボン酸とを反応させて得られるエステル化合物を含むアクリルゾル組成物が、塩化ビニル系プラスチゾルの代替品として使用可能ではないかと考え、検討を進めたところ、プラスチゾルインキに好適に使用できることを見出した。
即ち、本発明は、3〜6個の水酸基を有するポリオール(a1)の各水酸基にアルキレンオキサイドが付加したポリオール(a2)と、モノカルボン酸(a3)とを縮合反応させて得られるエステル化合物(A)、アクリル樹脂(B)、及び顔料(C)を含有してなることを特徴とするプラスチゾルインキに関するものである。
また、本発明は、前記プラスチゾルインキによって印刷の施された繊維製品及び皮革製品に関するものである。
本発明のプラスチゾルインキは、繊維や皮革等の基材に対する付着性に優れ、かつ付着し硬化した後は、基材の伸び等にも追随可能なレベルの柔軟性等を長期間にわたって保持することが可能で、かつ色むらなく発色性にも優れることから、衣類等をはじめとする繊維及び皮革への印刷に適用することが可能である。
本発明は、3〜6個の水酸基を有するポリオール(a1)の各水酸基にアルキレンオキサイドが付加したポリオール(a2)と、モノカルボン酸(a3)とを縮合反応させて得られるエステル化合物(A)、アクリル樹脂(B)、顔料(C)、及び必要に応じてその他の各種成分を含有してなることを特徴とするプラスチゾルインキに関するものである。
はじめに、本発明のプラスチゾルインキに使用するエステル化合物(A)について説明する。
本発明で使用するエステル化合物(A)は、3〜6個の水酸基を有するポリオール(a1)の各水酸基にアルキレンオキサイドが付加したポリオール(a2)と、モノカルボン酸(a3)とが縮合反応したものである。
前記エステル化合物(A)を製造する際に使用可能なポリオール(a1)としては、1分子中に3〜6個の水酸基を有するものを使用することができる。前記ポリオール(a1)としては、比較的低分子量の80〜250の範囲の分子量を有するポリオールを使用することが、プラスチゾルの粘度を低下させるうえで、また柔軟性に優れた硬化物を形成するうえで好ましい。
前記ポリオール(a1)としては、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等を、単独で使用または2種以上を併用して使用することができ、なかでも3〜8個の炭素原子を有するもので、80〜250の範囲の分子量を有するものを使用することが好ましく、特にグリセリン、トリメチロールプロパンを使用することが好ましい。
前記ポリオール(a1)が有する各水酸基に付加するアルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイドを単独で使用または2種以上を併用して使用することができ、なかでもエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを使用することが好ましい。
前記アルキレンオキサイドは、前記ポリオール(a1)の1モルに対して3〜20モル付加していることが好ましく、より好ましくは6〜12モルである。アルキレンオキサイドが前記範囲で付加したポリオールとモノカルボン酸(a3)とを反応して得られるエステル化合物と、後述するアクリル樹脂(B)と、顔料(C)とを含むプラスチゾルインキは、低粘度であり、粘度安定性、顔料分散性に優れ、前記エステル化合物のブリードを引き起こしにくく、かつ良好な柔軟性を有する硬化物を形成可能である。
また、前記ポリオール(a2)としては、前記アルキレンオキサイドの付加量の異なるポリオールを、本発明の効果を阻害しない範囲で複数組み合わせ使用してもよい。
前記ポリオール(a2)は、アルカリ触媒や酸触媒の存在下、前記ポリオール(a1)と前記アルキレンオキサイドとを、60〜180℃で0〜0.7MPaの圧力下で付加重合させることによって製造することができる。
前記ポリオール(a2)は、前記ポリオール(a1)が有する水酸基それぞれに、前記アルキレンオキサイドが付加したものであるから、前記ポリオール(a2)が有する水酸基はいずれも、前記アルキレンオキサイド由来の水酸基である。
また、後述するモノカルボン酸(a3)と反応するポリオールとしては、前記ポリオール(a2)以外の、その他のポリオールを、本発明の効果を阻害しない範囲で併用することができる。かかるその他のポリオールとしては、例えば、前記ポリオール(a1)が有する3〜6個の水酸基の一部に前記アルキレンオキサイドが付加したポリオールを使用することができる。
また、前記エステル化合物(A)の製造に使用するモノカルボン酸(a3)としては、芳香族モノカルボン酸及び脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸、アニス酸、t−ブチル安息香酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、クミン酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、フロ酸、アニス酸等を単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。脂肪族モノカルボン酸としては直鎖状でも分岐状でもよく、さらに不飽和二重結合等を有していてもよく、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸(オクチル酸)、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸等を単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。
前記モノカルボン酸(a3)としては、6〜22個の炭素原子数を有する脂肪族モノカルボン酸を使用することが好ましく、8〜18個の炭素原子数を有する脂肪族モノカルボン酸を使用することがより好ましい。前記範囲の炭素原子数を有するモノカルボン酸を用いて得られるエステル化合物は、後述するアクリル樹脂(B)との相溶性に優れ、ブリードを引き起こしにくい。
前記エステル化合物(A)は、前記ポリオール(a2)と前記モノカルボン酸(a3)を周知慣用の方法でエステル化反応することによって製造することができる。
得られたエステル化合物(A)は、20以下の水酸基価を有し、かつ1.0以下の酸価を有することが好ましく、10以下の水酸基価を有し、かつ0.5以下の酸価を有することがより好ましい。前記範囲の水酸基価と酸価とを有するエステル化合物は、高温高湿下でも加水分解をうけにくく安定であり、後述するアクリル樹脂(B)との相溶性が良いためブリードを引き起こしにくく、かつ該エステル化合物(A)とアクリル樹脂(B)とを含むプラスチゾルは、粘度安定性に優れ、良好な柔軟性を有する成形物を形成することができる。
前記エステル化合物(A)は、250〜3000の範囲の数平均分子量を有していることが好ましく、400〜1500の範囲の数平均分子量を有していることがより好ましい。前記範囲の数平均分子量を有するエステル化合物は、後述するアクリル樹脂(B)との相溶性が良いためブリードを引き起こしにくい。また、前記エステル化合物とアクリル樹脂(B)と顔料(C)とを含むプラスチゾルインキは、低粘度で、かつ粘度安定性に優れ、印刷される図柄等のデザインに良好な柔軟性を付与することができる。
なお、上記の数平均分子量とは、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として使用し、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)により測定した値である。
本発明で使用するアクリル樹脂(B)としては、各種アクリル系単量体の重合体を使用することができる。
かかるアクリル系単量体としては、例えばメチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを使用することができる。
前記アクリル樹脂(B)は、前記アクリル系単量体のほかに、必要に応じてそれらと共重合可能なその他の成分由来の構造単位を有していてもよい。
前記その他の成分としては、例えば酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン等の芳香族ビニル、アクリロニトリル等のシアン化ビニルを使用することができる。
前記アクリル樹脂(B)は、例えばシード乳化重合法やソープフリー重合等により粒子を調製し、それを噴霧乾燥法等によって固形分を回収することにより製造することが可能である。前記アクリル樹脂(B)を製造する際には、必要に応じてホモジナイザー等の強力な分散力を有する分散器を使用してもよい。前記アクリル樹脂(B)としては、コア/シェル構造等の多層構造を有する粒子状のものを使用することが好ましい。
前記アクリル樹脂(B)は、30万以上の重量平均分子量を有するものが好ましく、50万〜300万の重量平均分子量を有するものがより好ましい。前記範囲の重量平均分子量を有するアクリル樹脂は、前記エステル化合物(A)との相溶性に優れ、プラスチゾルの粘度安定性を向上でき、かつ熱溶融性及び印刷された図柄等の表面平滑性や塗膜強度を向上できることから好ましい。なお、上記の重量平均分子量とは、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として使用し、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)により測定した値である。
前記アクリル樹脂(B)としては、平均粒子径が1mm以下である微粒子状のものを使用することが好ましく、0.1〜5μmの範囲の一次粒子が凝集してできた10〜100μmのものを使用することがより好ましい。前記範囲の平均粒子径を有するアクリル樹脂は、前記エステル化合物(A)を均一に分散し易く、得られるプラスチゾルの粘度を低くでき、かつ熱溶融性及び印刷された図柄等の表面平滑性を向上できることから好ましい。なお、前記「平均粒子径」は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(株式会社堀場製作所製)を用いて、水を分散媒として測定した。
本発明で使用する顔料(C)としては、従来公知の有機顔料、無機顔料を使用することができ、単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。顔料(C)としては、例えばフタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、アントラキノン系、ジケトピロロピロール系、ベンズイミダゾロン系、ジオキサジン系、インジゴ・チオインジゴ系、ペリノン・ペリレン系、イソインドリノン系、アゾメチンアゾ系等の有機顔料や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄系、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、金属複合酸化物系の無機顔料、カーボンブラック系等を使用することができる。
本発明のプラスチゾルインキは、前記エステル化合物(A)と前記アクリル樹脂(B)と顔料(C)とを、混合、撹拌することによって、前記エステル化合物(A)中に、前記アクリル樹脂(B)、及び顔料(C)を分散させることにより製造することができる。
本発明のプラスチゾルインキを製造する際には、例えば遊星式攪拌機、ニーダー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、擂潰機等を使用してもよい。
本発明のプラスチゾルインキは、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対して、前記エステル化合物(A)を30〜300質量部含むことが好ましく、50〜200質量部の範囲で含むことがより好ましい。前記エステル化合物(A)が前記範囲であるプラスチゾルインキは、低粘度で、貯蔵安定性に優れ、エステル化合物(A)のブリードを引き起こしにくい。
また、本発明のプラスチゾルインキは、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対して、前記顔料(C)を0.01〜10質量部含むことが好ましく、0.1〜1質量部の範囲で含むことがより好ましい。前記範囲の顔料(C)を含むプラスチゾルインキは、顔料分散性に優れる。
本発明のプラスチゾルインキは、前記したもの以外のその他の各種成分を必要に応じて含んでいてもよい。
前記その他の成分としては、例えば前記アクリル樹脂(B)以外のその他の極性ポリマーを使用することができる。前記極性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエステル系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、AS樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテート、セルロース系プラスチック等を使用することができる。
また、前記その他の成分としては、例えば公知の可塑剤、無機充填材、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、希釈剤、発泡剤等の公知慣用の添加剤を使用することができる。
前記可塑剤としては、例えばフタル酸エステル系、燐酸エステル系、アジピン酸エステル系、セバチン酸エステル系、トリメリット酸エステル系、ピロメリット酸エステル系、エポキシ化エステル系、ポリエステル系の可塑剤を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
前記無機充填剤としては、例えば二酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムなどを使用することができる。前記充填剤は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対して、10〜200質量部の範囲で使用することが好ましい。
上記分散剤としては、アニオン性、カチオン性、両イオン性及びノニオン性界面活性剤等を使用することができる。前記分散剤の配合量は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系酸化防止剤、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネートなどのチオエーテル系酸化防止剤、トリスノニルフェノールフォスファイトなどの燐系酸化防止剤などを使用することができる。前記酸化防止剤は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対し、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサリシレートなどのサリシレート系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン化合物などを使用することができる。前記紫外線吸収剤は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記希釈剤としては、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートや、n−パラフィン、ミネラルターペン、ミネラルスピリット等を使用することができる。前記希釈剤は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対し、1〜50質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドに代表される有機発泡剤、重曹に代表される無機発泡剤などを使用することができる。前記発泡剤の配合量は、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対し、0.1〜30質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記した各種添加剤は、前記エステル化合物(A)と前記アクリル樹脂(B)と顔料(C)とを混合、撹拌し分散させる際に併せて混合、攪拌することで、アクリルゾルインキ中に分散させることができる。
本発明のプラスチゾルインキは、各種基材への印刷に使用することができる。
前記基材としては、例えば繊維、皮革、ガラス、プラスチック、金属等を使用することができる。
前記繊維としては、例えば綿、絹等の天然繊維や、ポリエステル等の合成繊維を使用することができる。また、前記皮革としては、例えば天然皮革のほかに、人工皮革、合成皮革等を使用することができる。
前記した繊維や皮革等の基材の表面に、本発明のプラスチゾルインキを用いて印刷を施す方法としては、例えばスクリーン印刷法がある。
スクリーン印刷法は、具体的には、絹、ナイロン、及び金属製の網等からなる版材上に載置した本発明のプラスチゾルインキを、一般にスキージと呼ばれるゴム板等で擦り込むことにより、該プラスチゾルインキを版材が有する細かい織り目を通して、前記基材上に付着させる方法である。
印刷後、前記プラスチゾルインキは、130℃〜150℃で30〜120秒程加熱乾燥することにより硬化し、基材上に所望の図柄等を固着することができる。
本発明のプラスチゾルインキは、例えばTシャツ、ハンドバッグ、袋物類などの人が身につける装身具等をはじめとする各種繊維製品や皮革製品等への印刷に使用することができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
[エステル化合物の合成例]
温度計、撹拌機、及びデカンターを装備した2リットルの4つ口フラスコに、グリセリン(a1−1)が有する水酸基にエチレンオキサイド(「EO」と省略。)が付加した化合物(略称「a2−1」、EOの付加量:9モル)を主成分とするポリオール1モル、オクチル酸(a3−1)3.75モル、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.0018モル仕込み、窒素気流下で撹拌しながら加熱し、240℃の反応液温度で反応させた後、未反応のオクチル酸を減圧留去してエステル化合物(A−1)を得た。
<実施例1>
[プラスチゾルインキ]
前記エステル化合物(A−1)を100質量部と、重量平均分子量(Mw)が80万であって平均粒子径が1μmである、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルとの重合割合が4:6(質量比)であるアクリル樹脂(B−1)100質量部と、酸化チタン1質量部とを遊星式攪拌機により室温で5分間攪拌脱泡することによって均一なプラスチゾルインキを調製した。
<実施例2>
前記化合物(a2−1)を主成分とするポリオールの代わりに、グリセリンが有する水酸基にEOが付加した化合物(略称「a2−2」、EOの付加量:12モル)を主成分とするポリオールを使用する以外は、実施例1と同様の方法でエステル化合物(A−2)を得、実施例1と同様の方法でプラスチゾルインキを調製した。
<実施例3>
前記化合物(a2−1)を主成分とするポリオールの代わりに、トリメチロールプロパンが有する水酸基にEOが付加した化合物(略称「a2−3」、EOの付加量:9モル)を主成分とするポリオールを使用する以外は、実施例1と同様の方法でエステル化合物(A−3)を得、実施例1と同様の方法で、プラスチゾルインキを調製した。
<実施例4>
前記化合物(a2−1)を主成分とするポリオールの代わりに、トリメチロールプロパンが有する水酸基にプロピレンオキサイド(「PO」と省略。)が付加した化合物(略称「a2−4」、POの付加量:12モル)を主成分とするポリオールを使用する以外は、実施例1と同様の方法でエステル化合物(A−4)を得、実施例1と同様の方法で、プラスチゾルインキを調製した。
<比較例1>
前記化合物(a2−1)を主成分とするポリオールの代わりに、ネオペンチルグリコールが有する水酸基にEOが付加した化合物(略称「a2−5」、EOの付加量:9モル)を主成分とするポリオールを使用する以外は、実施例1と同様の方法でエステル化合物(A−5)を得、実施例1と同様の方法で、プラスチゾルインキを調製した。
<比較例2>
前記化合物(a2−1)を主成分とするポリオールの代わりに、ネオペンチルグリコールが有する水酸基にPOが付加した化合物(略称「a2−6」、POの付加量:12モル)を主成分とするポリオールを使用する以外は実施例1と同様の方法でエステル化合物(A−6)を得、実施例1と同様の方法で、プラスチゾルインキを調製した。
<比較例3〜4>
エステル化合物(A−1)の代わりに、ジオクチルマレート(DOM)、またはジオクチルフタレート(DOP)を使用する以外は、実施例1と同様の方法により、プラスチゾルインキを調製した。
[粘度安定性の試験方法]
プラスチゾルインキを液温25℃の恒温水槽中に2時間放置した後、BM型回転式粘度計用いて初期粘度を測定した。測定後、該プラスチゾルインキを40℃の恒温室で7日間保管し、その後再び液温25℃の恒温水槽中に2時間放置した。放置後のプラスチゾルインキの粘度をBM型回転式粘度計を用いて測定し、初期粘度と放置後の粘度と下式に基づき、粘度上昇倍率を求めた。なお、粘度上昇倍率の値が1に近い程、プラスチゾルインキは、粘度安定性に優れていることを意味する。粘度上昇倍率は、一般に2以下であることが実用上好ましい。
7日間放置後の粘度上昇倍率= 7日間放置後の粘度 ÷ 初期粘度
[顔料分散性の試験方法]
プラスチゾルインキを、ガラス基板上へ加熱固化後の厚さが10μmとなるようにスピンコートし、130℃で10分間加熱した。得られた薄膜の表面を顕微鏡を用いて酸化チタンの凝集状態を目視で観察し以下の基準に従い評価した。
○:酸化チタンが均一に分散していた。
△:薄膜表面の一部に酸化チタンの凝集が見られた。
×:薄膜表面全体にわたり酸化チタンの凝集が見られた。
[相溶性の試験方法]
プラスチゾルインキを、縦15cm、横20cm、厚さ1mmの金型に流し込み、130℃のオーブンで30分間加熱し、ゲル化させることによって評価用シートを作製した。評価用シートを作成した直後のシート表面と、該試験用シートを恒温恒湿室(温度50℃、相対湿度95%)内に14日間放置した後のシート表面とを目視で観察し、エステル化合物のブリードの程度を以下の基準に従い評価した。
○:ブリードしていなかった。
△:僅かにブリードしていた。
×:著しくブリードしていた。
[柔軟性の試験方法]
プラスチゾルインキを、縦15cm、横20cm、厚さ1mmの金型に流し込み、130℃のオーブンで30分間加熱し、ゲル化させることによって作製した評価用シートを、ダンベル2号の形状に切り出し、室温で引張試験を実施し(JIS−K7113)伸び率を測定した。伸び率は、一般に300%以上であることが実用上好ましい。
[繊維への付着性試験方法]
プラスチゾルインキを、綿100%の生地上及び合成皮革のウレタン樹脂からなる表皮上に、それぞれ横5cm×縦5cm×暑さ1mmの大きさに流延し、130℃で30分間の条件で焼き付け硬化させた。プラスチゾルインキの固着した生地及び合成皮革を、それぞれ垂直に固定し、プラスチゾルインキからなる硬化物の上部端に500gの重りをつけ、10秒間放置した。放置後の、硬化物の生地や合成皮革からの剥離等の有無を目視で観察した。
○:剥離なし。
△:剥離しないものの、硬化物の一部が破断した。
×:剥離あり。
Figure 2007224200


















































Figure 2007224200











Figure 2007224200


Claims (12)

  1. 3〜6個の水酸基を有するポリオール(a1)の各水酸基にアルキレンオキサイドが付加したポリオール(a2)と、モノカルボン酸(a3)とを縮合反応させて得られるエステル化合物(A)、アクリル樹脂(B)、及び顔料(C)を含有してなることを特徴とするプラスチゾルインキ。
  2. 前記ポリオール(a1)が、3〜8個の炭素原子を有するものである、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  3. 前記ポリオール(a1)が、80〜250の範囲の分子量を有するものである、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  4. 前記ポリオール(a2)が、前記ポリオール(a1)1モルに前記アルキレンオキサイドが3〜20モル付加したものである、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  5. 前記アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドである、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  6. 前記モノカルボン酸(a3)が、6〜22個の炭素原子を有するものである、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  7. 前記モノカルボン酸(a3)が、脂肪族モノカルボン酸である、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  8. 前記エステル化合物(A)が、20以下の水酸基価を有し、かつ1.0以下の酸価を有する、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  9. 前記エステル化合物(A)が、前記アクリル樹脂(B)100質量部に対して、30〜300質量部の範囲で含まれる、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  10. 更に無機充填材を含有してなる、請求項1に記載のプラスチゾルインキ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のプラスチゾルインキによって印刷の施された繊維製品。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のプラスチゾルインキによって印刷の施された皮革製品。

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