JP2007223358A - 舶用推進プラントおよびこれを備えた船舶ならびに舶用推進プラントの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービン10と、高圧タービン10からの排気蒸気を加熱する再熱器15と、再熱器15によって加熱された蒸気によって回転させられる中圧タービン11及び低圧タービン12と、各タービン10,11,12の回転動力によって駆動させられるプロペラ7と、各タービン10,11,12の回転動力をプロペラ7に伝達する減速機5及び主軸20と、主軸20に接続され、各タービン10,11,12の回転動力を用いて発電する主軸発電機22とを備えた舶用推進プラント1において、高圧タービン10の排気蒸気から抽気した蒸気によって駆動される補助用の蒸気タービン発電機24a,24bが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
このような蒸気タービン発電機を持つ蒸気プラントの欠点を解消するために、主軸発電機と蒸気タービン発電機との併用が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、本発明にかかる舶用推進プラントは、ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、該高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、該再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、該駆動伝達手段に接続され、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を用いて発電する主軸発電機と、を備えた舶用推進プラントにおいて、前記高圧タービンの排気蒸気から抽気した蒸気によって駆動される補助用蒸気タービン発電機が設けられていることを特徴とする。
また、補助用蒸気タービン発電機は、高圧タービンの排気蒸気の抽気によって駆動されるので、高圧タービンを介さずにボイラからの蒸気を直接用いる場合に比べて、エネルギーを有効に利用することができる。また、ボイラからの蒸気の温度に比べて、高圧タービンの排気蒸気は低温とされるので、補助用蒸気タービン発電機の低負荷における連続運転を可能とすると共に、タービン排気側の構成材料等を高温仕様にする必要がない。これに対して、ボイラからの蒸気を直接使用すれば、タービンの排気温度が異常に上昇する事となりケーシングの歪等を発生させて、ローター振動を誘発するおそれがある。
航海中は主軸発電機によって発電を行い、その不足電力を補うものとして補助用蒸気タービン発電機を用いることとしたので、蒸気タービン発電機のみによって発電する場合に比べて、効率の悪い蒸気タービン発電機の分担する発電量を小さく抑えることができ、結果的にはプラント効率を向上できる。また、ボイラからの蒸気に比べて、圧力の低い抽気蒸気で補助用蒸気タービン発電機を運転することにより、高圧で部分負荷運転をする時の様な絞り運転が回避できるため、タービンの高効率点での運転が実現できる。また、抽気を行うことでプラント効率も向上できる。
なお、低圧側タービンは、1段に限らず、中圧タービン及び低圧タービンとした2段としてもよい。
このように不足した出力を補うことができるので、高圧タービン及び低圧側タービンを備えた主機である蒸気タービンの定格出力を不測の事態に備えて過大に設定する必要が無くなり、通常運航時には最も効率の高いポイントで運転できる。
また、補助用蒸気タービン発電機は、高圧タービンの排気蒸気の抽気によって駆動されるので、高圧タービンを介さずにボイラからの蒸気を直接用いる場合に比べて、エネルギーを有効に利用することができる。また、ボイラからの蒸気の温度に比べて、高圧タービンの排気蒸気は低温とされるので、補助用蒸気タービン発電機の低負荷における連続運転を可能とすると共に、タービン排気側の構成材料等を高温仕様にする必要がない。これに対して、ボイラからの蒸気を直接使用すれば、タービンの排気温度が異常に上昇する事となりケーシングの歪等を発生させて、ローター振動を誘発するおそれがある。
航海中は主軸発電機によって発電を行い、その不足電力を補うものとして補助用蒸気タービン発電機を用いることとしたので、蒸気タービン発電機のみによって発電する場合に比べて、効率の悪い蒸気タービン発電機の分担する発電量を小さく抑えることができ、結果的にはプラント効率を向上できる。また、ボイラからの蒸気に比べて、圧力の低い抽気蒸気で補助用蒸気タービン発電機を運転することにより、高圧で部分負荷運転をする時の様な絞り運転が回避できるため、タービンの高効率点での運転が実現できる。また、抽気を行うことでプラント効率も向上できる。
なお、低圧側タービンは、1段に限らず、中圧タービン及び低圧タービンとした2段としてもよい。
このように不足した出力を補うことができるので、高圧タービン及び低圧側タービンを備えた主機である蒸気タービンの定格出力を過大に設定する必要が無くなる。
高圧タービンの排気蒸気からの抽気蒸気によって駆動される補助用蒸気タービン発電機を設けることとしたので、船速が低下した場合であっても船内に十分な電力を供給することができる。
また、高圧タービンの排気蒸気の抽気によって駆動される補助用蒸気タービン発電機を採用したので、蒸気エネルギーを有効に利用することができる。
図1には、本発明の一実施形態にかかる舶用推進プラントの概略が示されている。
舶用推進プラント1は、例えばLNGC等の船舶の推進用に用いられる。この舶用推進プラントは、主機とされる蒸気タービン3と、減速機(駆動伝達手段)5と、プロペラ(推進器)7とを主として備えている。
高圧タービン10には、別途設けられたメインボイラ(図示せず)からの主蒸気(Main Steam)が供給され、これにより高圧タービン10が回転駆動される。
再熱器15は、高圧タービン10と中圧タービン11との間に配置され、高圧タービン10から排気された蒸気を加熱する。再熱器15にて加熱された蒸気は、中圧タービン11へと供給される。
中圧タービン11には、再熱器15にて加熱された再熱蒸気が供給され、これにより中圧タービン11は回転駆動される。中圧タービン11と高圧タービン10とは共通の第1軸17に設けられている。中圧タービン11の機能としては、低圧タービン12の一部と考えてよいが、配置上の制限と減速機に伝える負荷分担を平等にする目的で低圧タービン12側ではなく、高圧タービン10と同軸上に配備してある。
低圧タービン12には、中圧タービン11から排気された蒸気が供給され、これにより低圧タービン12が回転駆動される。低圧タービン12から排気された蒸気は、メインコンデンサ(M/C)へと送られ、凝縮させられる。
後進タービン13は、船舶が後進する際に用いられ、図示しないが、メインボイラからの蒸気が直接供給されるようになっている。後進タービン13と低圧タービン12とは共通の第2軸18に設けられている。
また、主軸発電機22は、電動機としても動作するようになっている。すなわち、後述する蒸気タービン発電機24a,24bから供給された電力により、電動機として主軸20を回転駆動できるようになっている。
また、メインボイラ(図示せず)から供給される主蒸気が、止め弁27を介して各蒸気タービン発電機24a,24bへと供給されるようになっている。この止め弁27は、通常時は閉とされており、主機である蒸気タービン3が低負荷となり、抽気圧力が補助用蒸気タービンを駆動できる圧力下限より低下したときに開けられ、主蒸気をメインボイラから各蒸気タービン発電機24a,24bへと直接蒸気を供給するようになっている。
船舶の通常航行時には、メインボイラから供給される主蒸気によって蒸気タービン3が駆動され、この駆動力が減速機5を介して主軸20そしてプロペラ7へと伝達される。これにより、プロペラ7が回転することによって推進力が得られ、船舶が進行する。
この際に、主軸発電機22は主軸20から得られた回転動力によって発電し、船内へと電力を供給する。
一方、各蒸気タービン発電機24a,24bには、所定量の抽気蒸気が供給されており、最低負荷でアイドリング状態として回転しており、航海中の主たる発電機である主軸発電機22のバックアップとして備えている。
本実施形態では、蒸気タービン3が再熱3圧式とされているので、再熱器を有しない従来の2圧式の蒸気タービンに比べて高温高圧の主蒸気を用いることができ、高い熱効率にて運転される。
高圧タービン10の排気蒸気からの抽気蒸気によって駆動される蒸気タービン発電機24a,24bを設けることとしたので、船速が低下して主軸発電機22による発電が十分にできない場合であっても、船内に十分な電力を供給することができる。
また、蒸気タービン発電機24a,24bは、高圧タービン10の排気蒸気の抽気によって駆動されるので、高圧タービンを介さずにメインボイラからの主蒸気を止め弁27経由で直接用いる場合に比べて、エネルギーを有効に利用することができる。また、メインボイラからの蒸気の温度に比べて、高圧タービン10の排気蒸気は低温とされるので、補助用蒸気タービン発電機24a,24bの低負荷における連続運転を可能とすると共に、タービン排気側の構成材料等を高温仕様にする必要がない。
また、航海中は主軸発電機22によって発電を行い、その不足電力を補うものとして補助用蒸気タービン発電機24a,24bを用いることとしたので、蒸気タービン発電機のみによって発電する場合に比べて、効率の悪い補助用蒸気タービン発電機24a,24bの分担する発電量を小さく抑えることができ、結果的にはプラント効率を向上できる。また、ボイラからの蒸気に比べて、圧力の低い抽気蒸気で補助用蒸気タービン発電機24a,24bを運転することにより、高圧で部分負荷運転をする時の様な絞り運転が回避できる為、タービンの高効率点での運転が実現できる。又、抽気を行うことでプラント効率も向上できる。
また、再熱器15が何らかの故障により作動しなくなった場合のように、主機である蒸気タービン3の最大出力が低下した場合には、蒸気タービン発電機24a,24bまたは別途設けられたディーゼル発電機によって得られた電力を用いて、主軸発電機22を電動機として駆動することとした。電動機として用いられた主軸発電機22によって主軸20に伝わる動力に加勢させ、不足した推進力を補うことができる。このように不足した出力を補うことができるので、主機である蒸気タービン3の定格出力を過大に設定する必要が無くなる。
3 蒸気タービン
5 減速機
7 プロペラ(推進器)
10 高圧タービン
11 中圧タービン(低圧側タービン)
12 低圧タービン(低圧側タービン)
15 再熱器
22 主軸発電機
24a,24b 蒸気タービン発電機(補助用蒸気タービン発電機)
Claims (6)
- ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
該高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
該再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、
該駆動伝達手段に接続され、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を用いて発電する主軸発電機と、
を備えた舶用推進プラントにおいて、
前記高圧タービンの排気蒸気から抽気した蒸気によって駆動される補助用蒸気タービン発電機が設けられていることを特徴とする舶用推進プラント。 - 前記主軸発電機は、前記補助用蒸気タービン発電機の電力によって、電動機として駆動されることを特徴とする請求項1記載の舶用推進プラント。
- 前記駆動伝達手段は、減速機と、該減速機と前記推進器とを連結する主軸と、を備え、
前記主軸発電機は、前記主軸に対して直列に、または、前記減速機に接続されるとともに前記主軸に対して並列に、設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の舶用推進プラント。 - 請求項1から3のいずれかに記載された舶用推進プラントを備えていることを特徴とする船舶。
- ボイラからの蒸気によって回転させられる高圧タービンと、
該高圧タービンからの排気蒸気を加熱する再熱器と、
該再熱器によって加熱された蒸気によって回転させられる低圧側タービンと、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力によって駆動させられる推進器と、
前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を前記推進器に伝達する駆動伝達手段と、
該駆動伝達手段に接続され、前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンの回転動力を用いて発電する主軸発電機と、
を備えた舶用推進プラントの制御方法において、
前記高圧タービンの排気蒸気から抽気した蒸気によって駆動される補助用蒸気タービン発電機を備え、
前記主軸発電機の発電量が低下した場合に、前記補助用蒸気タービン発電機によって発電量が補われることを特徴とする舶用推進プラントの制御方法。 - 前記高圧タービンおよび前記低圧側タービンによって得られる出力が低下した場合に、前記補助用蒸気タービン発電機の電力によって、前記主軸発電機を電動機として動作させ、前記推進器を駆動させることを特徴とする請求項5記載の舶用推進プラントの制御方法。
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