JP2007223231A - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サテライト滴の発生を防止し得る液体吐出ヘッド及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様による液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する吐出口としてのノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室に容積変化を生じさせる変位発生手段と、前記圧力室と連通して該圧力室に液を供給する供給流路と、を含んで構成される吐出ユニットの共振周波数f[kHz]と液体吐出速度v[m/s]が、f>31×v+80の関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に係り、特に圧電素子の駆動により圧力室に容積変化を生じさせて液滴を吐出させる方式のインクジェット式記録ヘッド等に好適な液体吐出ヘッドの構成及びこれを用いる画像形成装置に関する。
圧電素子を利用するインクジェット式記録ヘッドでは、圧力室のヘルムホルツ共振周波数を考慮して圧電素子の駆動を制御することが必要である。例えば、特許文献1では、ノズル開口のイナータンスMnと、インク供給口のイナータンスMsが0.5<Mn/(Mn+Ms)であるインクジェット式記録ヘッドを用いることにより、球形に近いインク滴を発生させる旨を開示している。また、同文献1では、圧力発生室(圧力室)にインクを吸引させるための圧電振動子の収縮時間及びノズル開口からインク滴を吐出させるための圧電素子の伸長時間を1/f(ただし、fはヘルムホルツ共振周波数)として、メニスカスの残留振動を可及的に小さくして高速駆動を実現することを提案している。
特開平8−290571号公報
しかしながら、特許文献1では、イナータンス比とそれに付随してのヘルムホルツ共振周波数にしか注目しておらず、液滴を吐出させる際の吐出速度に関しては記載されていない。一般的に、吐出させる力が大きい場合には、それに付随して吐出液滴(メイン滴)の吐出速度が上昇するとともに、サテライト滴が多数発生する。
このサテライトは画質悪化の要因となるため、多数のサテライト滴の発生は画質の観点から望ましくない。特許文献1では、サテライト滴の発生について考慮されておらず、多数のサテライト滴発生によって画質が悪化する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、サテライト滴の発生を防止し得る液体吐出ヘッド及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る液体吐出ヘッドは、液滴を吐出する吐出口としてのノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室に容積変化を生じさせる変位発生手段と、前記圧力室と連通して該圧力室に液を供給する供給流路と、を含んで構成される吐出ユニットの共振周波数f[kHz]と液体吐出速度v[m/s]が、f>31×v+80の関係を満たすことを特徴とする。
本発明に係る液体吐出ヘッドにおける吐出素子の単位(1チャンネル分の吐出ユニット)は、ノズルと、該ノズルに連通する圧力室と、該圧力室に容積変化を生じさせる変位発生手段と、当該圧力室に液を供給する供給流路と、を含んだ系として把握できる。この吐出ユニットでは、供給流路を介して圧力室に液が充填され、変位発生手段を駆動することによって圧力室に容積変化が生じ、その圧力変動によりノズルから液滴が吐出させる。
特に、本発明では、吐出時のサテライト滴の発生を防止するという観点から、吐出ユニットの共振周波数f[kHz]と液体吐出速度v[m/s]の関係に着目し、サテライト滴が発生しない条件として、f>31×v+80の関係を規定する。かかる条件を満たすことサテライト滴の無い(メイン滴のみの)吐出を行うことが可能となる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様であり、前記共振周波数fは、250kHz以上であることを特徴とする。
吐出ユニットの具体的な設計態様にもよるが、共振周波数を250kHz以上とすると、吐出量(メイン滴の体積)が2pl(ピコリットル)以下で、且つ吐出速度が概ね5.5m/sとなるため、インクジェットプリンタにおける高画質の画像形成を実現する上で有益である。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成する画像形成装置を提供する。すなわち、請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドを有し、前記ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
請求項3に係る画像形成装置の一態様としてのインクジェット記録装置は、ドットを形成するためのインク液滴を吐出する吐出口としてのノズルと、該ノズルに連通する圧力室に容積変化を生じさせる圧電アクユエータ(変位発生手段)と、圧力室へのインク供給路(供給流路)を含む液滴吐出素子(吐出ユニット)を高密度に多数配置した液体吐出ヘッド(記録ヘッド)が用いられる。また、入力画像から生成されたインク吐出用データ(ドット画像データ)に基づいて各ノズルに対応する圧電アクチュエータの駆動を制御して各ノズルの吐出タイミングや吐出量を制御する吐出制御手段を備え、ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成する。
かかる印字用の液体吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルを配列させたフルライン型のヘッドを用いることができる。フルライン型のヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って延在するように配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。
インクジェット方式の液体吐出ヘッド(印字ヘッド)を用いてカラー画像を形成する場合は、複数色のインクの色別にヘッドを配置してもよいし、1つのヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
「記録媒体」は、液体吐出ヘッドのノズルから吐出される液の付着を受ける媒体であり、画像形成装置においては、記録紙等の媒体がこれに相当する。すなわち、「記録媒体」は、印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るものであり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と液体吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対してヘッドを移動させる態様、或いは、ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
また、本発明は、上記のフルライン型のヘッドに限らず、シャトルスキャン方式など、記録媒体のページ幅に満たない長さの記録ヘッドを複数回走査させて記録を行う方式についても適用可能である。
本発明によれば、サテライト滴の発生しない吐出が可能となる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔サテライト滴が発生しない条件の導出〕
本発明の実施形態では、吐出時のサテライト滴の発生を抑制する観点から、液滴の吐出速度をある値以下に抑える必要があることに着目し、サテライト無しの吐出を実現する条件をシミュレーションによって導き出した。
すなわち、吐出ユニットにおけるノズル部分にかかる圧力変動を境界条件とするシミュレーションを行い、サテライトが発生しない条件を求めた。ノズル部分に与える圧力変化は図1に示すような波形とし、数式では以下のようなものになる。
[式1] P=−cos(2πft)×step〔(2.5/f)−t〕
この圧力変動を図2に示すようなCFD(数値流体力学)のモデルのノズル部分、つまり図2における矢印(→)部分に代入して、シミュレーションの結果をコンピュータの画面(ディスプレイ)上で観察した。なお、ここでの圧力変化の周波数とは、図1のグラフでの圧力変動の周波数を表す。
〔シミュレーション結果の評価方法〕
シミュレーションの結果を観察し、ノズルの先端(開口部)から空気部分に吐出された液滴の個数を計測することで、サテライト滴の有無を把握する。図2の例では、ノズル10から空気部分に向かってメイン滴12とサテライト滴14とが吐出された様子が示されている。液滴の体積に関しては、シミュレーションを実施した際にノズル部分から空気部分に出た質量を計算し、その質量を液体の密度(1000kg/m)で割った値として算出した。
サテライト滴の数は、「(シミュレーション結果で観察された液滴数)−1」で算出した。すなわち、観察された総液滴数からメイン滴(1滴)を減算した数をサテライト滴数とした。
図3は、サテライト滴が発生しない吐出速度と共振周波数の関係を示すグラフである。すなわち、図3は、上記シミュレーションの結果を示す画面上でサテライト滴が発生しているか否かを判断し、サテライト滴が発生せずにメイン滴のみが吐出する最小の吐出速度(サテライト滴が発生しない限界値)の条件をグラフ化したものである。
図3の横軸は吐出速度(単位:メートル/秒)を表し、縦軸は共振周波数(単位:kHz)を表す。なお、ここでいう共振周波数とは、液体と、アクチュエータと、圧力室の剛性とを含んだ、吐出ユニット(記録素子単位)の共振周波数を意味している。共振周波数は、ヘッド設計で決まり、特許文献1にも記載されているとおり、圧力室のインクの圧縮性に起因するコンプライアンスをCi、また圧力室を形成している部材(振動板、流路形成板、ノズルプレート等)の材料自体による剛性コンプライアンスをCv、ノズル開口のイナータンスをMn、インク供給口のイナータンスをMsとすると、圧力室のヘルムホルツ周波数fは、
[式2] f=1/2π×√{(Mn+Ms)/(Ci+Cv)(Mn×Ms)}
により表すことができる。
また、コンプライアンスCiは、圧力室の体積をV、インクの密度をρ、インク中での音速をcとすると、Ci=V/ρcにより表すことができ、圧力室の剛性コンプライアンスCvは、圧力室に単位圧力を印加したときの圧力室の静的な変形率に一致する。
図3のグラフ中に◆印で明示した3点の条件は、図4の表に示すとおりである。すなわち、共振周波数200kHzのときにサテライトが発生しない吐出速度の限界(下限値)は、3.8m/sであり、この値よりも吐出速度が大きくなるとサテライトが発生してしまう。
また、共振周波数250kHzのときにサテライトが発生しない吐出速度の限界(下限値)は、5.5m/sであり、共振周波数300kHzのときにサテライトが発生しない吐出速度の限界(下限値)は、7m/sである。
これら3点から求まる直線gの近似式は、
[式3] y=31.209x+80.429
と表すことができる。
なお、この近似結果の評価を示す決定係数Rは、R=0.9987であり、良好な近似結果と言える。
[式3]における係数値「31.209」、「80.429」の小数点以下の端数を四捨五入で処理すると、[式3]は、
[式4] y=31x+80
と表される。端数処理により近似精度は低下するものの、この[式4]を直線gの式として取り扱っても実質的な問題はない。
図3のグラフによれば、近似直線gよりも上側の領域は、サテライトが発生しない条件であり、近似直線gよりも下側の領域はサテライトが発生する条件である。すなわち、近似直線gよりも上側の領域に属する吐出条件で吐出させることにより、サテライトの発生を防止できる。
つまり、サテライトの発生しない条件は、共振周期をf[kHz]、吐出速度をv[m/s]としたときに、
[式5]f>31×v+80
の関係を満たすことである。
特に、共振周波数を250kHz以上とすると、吐出速度が5.5m/s、かつ吐出量が2pl(ピコリットル)以下となり得るため、インクジェットプリンタにおける高画質の画像形成を実現することができる。
このような条件を満たす吐出ユニットの設計例を図5及び図6の表に示す。図5は、液体吐出ヘッドの1つのノズルに対応した吐出ユニット20(1チャンネル分の液滴吐出素子)の構造例を模式化した斜視図である。符号22は圧力室、24はノズル、26は供給口(「供給流路」に相当)、28はアクチュエータ(「変位発生手段」に相当)である。図5に示す吐出ユニット20が1次元又は2次元に複数配列されることで多ノズルの液体吐出ヘッドが形成される。なお、供給口26は不図示の共通流路(共通液室)に接続される。
図5に示した吐出ユニット20における圧力室22の長さをLc、幅をWc、高さをHc、ノズル24の直径をφNz、長さをLnz、供給口の長さをLs、幅をWs、高さをHsとするとき、それぞれの寸法例とアクチュエータ28の条件例を図6の表に示した。
図5及び図6に示した吐出ユニット20は、[式5]の条件を満たす一例にすぎず、吐出ユニットの形態としては、図5に例示した構造の他にも多様な形態が可能である。すなわち、圧力室の形状、大きさ、圧力室に対するノズルの形成位置、圧力室に対する供給口の形成位置、ノズルの流路形状、供給口の流路形状、アクチュエータの形状、圧力室に対するアクチュエータの配置位置など、上記規定の条件を満たす範囲で多様な設計が可能である。
〔インクジェット記録装置への適用例〕
次に、上記[式5]の条件を満たすように構成された吐出ユニットを備えた液体吐出ヘッド10を用いた画像形成装置の例について説明する。
図7は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」という。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yとして、上記[式4]の条件を満たすように構成された吐出ユニットを備えた液体吐出ヘッドが用いられる。
図7に示したインク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図7では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図7のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)を成すように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図7に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方に不図示のモータの動力が伝達されることにより、ベルト133は図7上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図7の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図8参照)。
ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図7に示した印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像から、ノズルの目詰まりや着弾位置ずれなどの吐出不良をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部124の後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図7には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
図9(a)はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図9(b)はその要部拡大図である。また、図9(c)はヘッド150の他の構造例を示す平面透視図、図10は1つのノズル151に対応した吐出ユニット153(記録素子単位となる液滴吐出素子)の立体的構成を示す断面図(図9(a)中の10A−10A線に沿う断面図)である。
これらの図面に示したように、本例のヘッド150は、インク吐出口としてのノズル151と、ノズル151に連通する圧力室152と、圧力室152にインクを供給するための供給口154と、圧力室152の容積を変化させる変位発生手段としてのアクチュエータ(図8中不図示、図10において符号158として記載)とを含んで構成される複数の吐出ユニット153をマトリクス状に2次元配列させた構造を有している。
これにより、記録紙116の送り方向と略直交する方向に記録紙116の全幅に対応する長さにわたるノズル列が構成され、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
なお、フルライン型のヘッドを構成する形態は、図9(a)のように1ヘッドで記録媒体の送り方向と略直交する方向に記録媒体の全幅に対応する長さにわたるノズル列を構成する形態に限定されない。例えば、図9(a)の構成に代えて、図9(c)に示すように、複数のノズル151が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール150’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており、頂点付近の隅部の1箇所にノズル151が設けられる。なお、インクの供給口は、圧力室152の他の頂点付近の隅部、好ましくは、ノズル151との対角線上の隅部に設けられる。
圧力室152の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図10に示したように、各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路155を介して各圧力室152に分配供給される。
圧力室152の一部の面(図10において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)156には個別電極157を備えたアクチュエータ158が接合されている。個別電極157と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ158が変形して圧力室152の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル151からインクが吐出される。なお、アクチュエータ158には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ158の変位が元に戻る際に、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に充填される。
入力画像から生成さるドット配置データに応じて各ノズル151に対応したアクチュエータ158の駆動を制御することにより、ノズル151からインク滴を吐出させることができる。
上述した構造を有する吐出ユニット153を図11に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンでマトリクス状に(斜めの格子状に)に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿って吐出ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図11に示すようなマトリクス状に配置されたノズル151を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル151-11 、151-12 、151-13 、151-14 、151-15 、151-16 を1つのブロックとし(他にはノズル151-21 、…、151-26 を1つのブロック、ノズル151-31 、…、151-36 を1つのブロック、…として)、記録紙116の搬送速度に応じてノズル151-11 、151-12 、…、151-16 を順次駆動することで記録紙116の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙116の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
図7で説明したように、記録媒体たる記録紙116を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル151のインク吐出タイミングを制御することによって、記録紙116上に所望の画像を記録することができる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本例では、行方向に沿ってノズル151が並ぶノズル列を列方向に6列並べた構成を示すが、本発明の実施に際して、ノズル列の数(行数)nは特に限定されない。
図12はインクジェット記録装置110のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。
画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示にしたがってモータ188を駆動するドライバである。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示にしたがって後乾燥部142等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データ(多値の入力画像のデータ) から打滴制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を備えた吐出データ生成部180Aを有し、生成した吐出データ(ドットデータ)をヘッドドライバ184に供給する吐出駆動制御手段として機能する。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図12において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ174に記憶される。
インクジェット記録装置110では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ174に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180の吐出データ生成部180Aにおいてディザ法や誤差拡散法などを用いたハーフトーン化処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。この色別ドットデータは、ヘッド150のノズルからインクを吐出するためのCMYK打滴データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
また、プリント制御部180は、ヘッド150のアクチュエータ(図10の符号158)を駆動するための駆動信号波形を生成する駆動波形生成部180Bを備えており、駆動波形生成部180Bにて生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ184に供給される。なお、駆動波形生成部180Bから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
ヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられる吐出データ(すなわち、画像バッファメモリ182に記憶されたドットデータ、或いは、CMYK打滴データ、若しくは印字されるインク吐出データ)及び駆動波形の信号に基づき、印字内容に応じてヘッド150の各ノズル151に対応するアクチュエータ158を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
こうして、ヘッドドライバ184から出力された駆動信号がヘッド150に加えられることによって、該当するノズル151からインクが吐出される。記録紙116の搬送速度に同期してヘッド150からのインク吐出を制御することにより、記録紙116上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部180における所要の信号処理を経て生成されたドットデータ及び駆動信号波形に基づき、ヘッドドライバ184を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
印字検出部124は、図7で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録紙116に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部180に提供する。なお、この印字検出部124に代えて、又はこれと組み合わせて他の吐出検出手段(吐出異常検出手段に相当)を設けてもよい。
他の吐出検出手段としては、例えば、ヘッド150の各圧力室152内又はその近傍に圧力センサを設け、インク吐出時或いは圧力測定用のアクチュエータ駆動時などに、この圧力センサから得られる検出信号から吐出異常を検出する態様(内部検出方法)、或いは、レーザ発光素子などの光源と受光素子から成る光学検出系を用い、ノズルから吐出された液滴にレーザ光等の光を照射し、その透過光量(受光量)によって飛翔液滴を検出する態様(外部検出方法)などがあり得る。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部124或いは図示しない他の吐出検出手段から得られる情報に基づいてヘッド150に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
上記の実施形態では、フルライン型のヘッドを用いたインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、シャトルスキャン方式のように、記録媒体(記録紙116その他の印字媒体)の幅寸法に満たない長さのヘッドを用いて、複数回走査して画像形成する場合にも本発明は適用可能である。
〔他の実施形態〕
図13は、本発明に係る画像形成装置の他の実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。図13中、図7に示した構成の要素と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13に示したインクジェット記録装置210は、各色のヘッド112C、112M、112Y、112Kから中間転写ドラム232に向けてインクを吐出することによって中間転写ドラム232の表面上に画像(転写画像)を形成し、この中間転写ドラム232から記録紙116にインクを転写することで、記録紙116上に画像を記録するものである。
本例のインクジェット記録装置210では、紫外線の照射によって硬化する作用を有する紫外線硬化型インク(UVインク)が用いられる。紫外線硬化型インクは、硬化開始剤と、重合性化合物と色材(染料または顔料)を含んだ液体である。なお、本発明の実施に際して、使用可能なインクは本例の紫外線硬化型インクに限定されない。
図13中、符号234は加圧ローラ(転写ローラ)、236はクリーナ、242は半硬化用光源、244は本硬化用光源である。
中間転写ドラム232は、記録紙116の最大幅(搬送方向と直交する方向の幅)を超える長さの円筒形状を有する中間転写体であり、その回転軸が記録紙116の搬送方向と直交する方向に一致するように配置される。図13に示したように、中間転写ドラム232の周囲には、該ドラムの回転方向(図13において反時計回り方向)に沿って、上流側からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の順に、各色インクに対応したヘッド112C、112M、112Y、112Kが配置されている。
各ヘッド112C、112M、112Y、112Kは、記録紙116の最大幅(搬送方向と直交する方向の幅)に対応する長さのノズル列を有するフルライン型のヘッドであり、記録紙116の幅方向、すなわち中間転写ドラム232の回転軸方向(図13の紙面垂直方向)にノズル配列の方向が一致するように配置される。
また、中間転写ドラム232の回転方向下流側に、半硬化用光源242が配置されている。半硬化用光源242は、中間転写ドラム232の表面状に付着されたインクが完全に硬化せず、高粘度の液状となり中間転写ドラム232の表面上で液の移動が発生しない程度の半硬化状態となるようにインクを高粘度化(中間転写ドラム232上に仮固定)させるための光エネルギー(ここでは紫外線)を付与する手段(半硬化手段)である。
加圧ローラ234は、中間転写ドラム232と対向する位置に配置されており、この加圧ローラ234と中間転写ドラム232によって記録紙116を挟み、中間転写ドラム232を記録紙116の搬送速度と一致する周速で図13の反時計回り方向に回転させながら、記録紙116を所定の圧力で中間転写ドラム232に押圧接触させることにより、中間転写ドラム232から記録紙116にインクが転写される。
こうして、記録紙116に画像が記録されると、当該記録紙116は、さらに下流へと搬送される。中間転写ドラム232の後段には、記録紙116上に転写記録された画像を定着させる本硬化を行うための本硬化用光源244(本硬化手段)が配置されている。この本硬化用光源244から記録紙116上に紫外線を照射することにより、記録紙116上のインクを後段のハンドリングにおいて画質劣化を起こさない程度に硬化定着させる。
なお、ここでいう「ハンドリング」とは、[1] 本硬化用光源の下流側搬送工程におけるローラや搬送ガイド等と画像面との擦れ、[2] プリント集積部におけるプリント同士の擦れ、[3] 仕上がったプリントを実際に取り扱うときに種々の物体による擦れ、などを意味し、「本硬化」とは、上記ハンドリングを行っても画像劣化しない程度に硬化液滴が硬化しているレベルを意味する。したがって、「本硬化」とは必ずしも硬化反応が完全に完了していることを要求するものではない。
上述のように、中間転写ドラム232から記録紙116に画像が転写されると中間転写ドラム232の画像形成領域はクリーナ236によって清掃される。クリーナ236は、中間転写ドラム232の表面の汚れ(転写後に残留するインクや異物等)を除去する清掃手段である。クリーナ236は、中間転写ドラム232の表面に接触しながら残インクを拭き取るブレードや、洗浄水を含んだ吸水性のある吸引ローラ、ドラム表面上の液滴やゴミ等の異物を吸引除去する吸引除去ローラ、あるいはこれらの適宜の組合せ等によって構成される。
図13のように、中間転写ドラム232を用いて、転写により記録紙に画像を記録する方式は、ヘッド112C、112M、112Y、112Kのノズル面と中間転写ドラム232との距離(スローディスタンス)が安定しており、記録紙116に対して直接インクを吐出して、記録紙116上に画像を記録する方式(例えば、図10の例)に比べて、記録紙116の搬送時のバタツキ(上下変動)などを考慮する必要もなく、スローディスタンスを短く設計することができる。
また、[式5]の条件を満たす本発明の実施形態に係るヘッドは、吐出速度が遅いことから、ノズル部から伸びる液柱は短くなる傾向にある。すなわち、吐出時にノズル開口から押し出された液柱からメイン滴が分離するまでの距離が短く、スローディスタンスの短縮に一層好都合である。
したがって、中間転写方式の利用と相まって、スローディスタンスの短い装置構成を実現でき、これにより、着弾精度を確保することができるという利点がある。
なお、図13では、中間転写媒体の一例として円筒(円柱)型のドラム状部材(中間転写ローラ232)を用いたが、中間転写媒体の形態はこれに限定されず、ドラム状部材に代えて、無端状のベルト状部材を用いる態様も可能である。
また、本発明の適用範囲は上述のインクジェット記録装置110,210の例に限定されない。例えば、印画紙に非接触で現像液等を塗布する液体吐出ヘッドを備えた写真画像形成装置についても本発明の液体吐出ヘッドを適用できる。更に、本発明の適用範囲は画像形成装置に限定されず、液体吐出ヘッドを用いて各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
CFD(数値流体力学)のモデルのノズル部分に与えられる圧力変動の波形例を示す波形図 サテライト滴が発生している様子を示すシミュレーション結果の例を示す図 サテライト滴が発生しない吐出速度と共振周波数の関係を示すグラフ 図3中に示した測定点の条件を示す図表 吐出ユニットの構成例を示す模式図 図5に示す吐出ユニットの設計条件の一例を示す図表 本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図 図13に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 図9(a)の要部拡大図 フルライン型ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図9(a)中の10A−10A線に沿う断面図 図9(a)に示したヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明に係る画像形成装置の他の実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図
符号の説明
10…ノズル、12…メイン滴、14…サテライト滴、20…吐出ユニット、22…圧力室、24…ノズル、26…供給口、28…アクチュエータ、110…インクジェット記録装置、112…印字部、112K,112C,112M,112Y…ヘッド、114…インク貯蔵/装填部、116…記録紙、122…ベルト搬送部、124…印字検出部、150…ヘッド、151…ノズル、152…圧力室、153…吐出ユニット、154…供給口、158…アクチュエータ、172…システムコントローラ、210…インクジェット記録装置、232…中間転写ドラム、234…加圧ローラ、236…クリーナ、242…半硬化用光源、244…本硬化用光源

Claims (3)

  1. 液滴を吐出する吐出口としてのノズルと、
    前記ノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室に容積変化を生じさせる変位発生手段と、
    前記圧力室と連通して該圧力室に液を供給する供給流路と、を含んで構成される吐出ユニットの共振周波数f[kHz]と液体吐出速度v[m/s]が、
    f>31×v+80
    の関係を満たすことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記共振周波数fは、250kHz以上であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドを有し、前記ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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