JP2007076326A - 気泡検出方法及び液体吐出装置並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混入した気泡の体積を正確に把握し得る気泡検出方法を提供するとともに、気泡混入時にメンテナンスを行うことなく、吐出を継続することができる液体吐出装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明による気泡検出方法は、液体が充填された圧力室内の圧力を検出する圧力検出工程(ステップS14)と、前記圧力検出工程で得られる検出信号から、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定工程(ステップS16)と、前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定工程(ステップS18)と、を含む。
【選択図】 図15
【解決手段】本発明による気泡検出方法は、液体が充填された圧力室内の圧力を検出する圧力検出工程(ステップS14)と、前記圧力検出工程で得られる検出信号から、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定工程(ステップS16)と、前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定工程(ステップS18)と、を含む。
【選択図】 図15
Description
本発明は気泡検出方法及び液体吐出装置並びに画像形成装置に係り、特に、インクジェット方式の液体吐出系内に存在する気泡の体積を評価するのに好適な気泡検出方法及びその気泡検出機能を備える液体吐出装置並びに画像形成装置に関する。
圧力室内に充填された液体に圧力を加えることによりノズル(吐出口)から液滴を吐出させるインクジェットシステムにおいて、圧力室内の圧力変化を圧力センサによって検出し、吐出の状態を把握する方法が提案されている(特許文献1)。また、この圧力検出によって圧力室の共振周波数を把握し、吐出不良の原因が気泡であるかどうかを判断することも可能とされている。
例えば、共振周波数を測定するための測定手段と、基準となる共振周波数の情報を保持するための手段を具備し、測定した共振周波数を所定の基準値と比較することによって、圧力室内での気泡発生の状況を判定することができる。なお、ここでいう「共振周波数」は圧力室内の液体の共振周波数である。そして、気泡混入が検出された場合には、ノズル吸引などのメンテナンス動作により気泡を排除することが行われている。
特許文献1では、圧電素子により圧力室を加圧することにより吐出を行うインクジェットヘッドにおいて、圧力室の圧力を検出する手段を持ち、検出用のパルス波形を印加することにより、圧力室の固有周期や減衰を検出している。温度やインク物性、気泡混入等によって、圧力室のこれら特性が変化するため、これら特性を検出することで、特性に適した駆動波形に変更し、吐出を行う技術が開示されている。
特開平7−132592号公報
従来の一般的な方法では、気泡の混入が検出された際に、メンテナンスなどにより気泡を排除する処理が行われているが、気泡を排除するためにメンテナンスモードに入る必要があり、気泡混入した状態のままインクの吐出を継続して行うことができない。つまり、気泡混入時にメンテナンス動作を実施せずにインク吐出を継続することが困難であり、かかる問題に対する解決策が提示されていない。
この点、特許文献1においては、気泡の混入が圧力波の特性に影響を及ぼす旨の記載はあるものの(特許文献1の段落〔0014〕)、具体的な対処方法については何ら開示されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、混入した気泡の体積(量)を正確に把握し得る気泡検出方法を提供するとともに、気泡混入時にメンテナンスを行うことなく、吐出を継続することができる液体吐出装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る気泡検出方法は、液体が充填された圧力室内の圧力を検出する圧力検出工程と、前記圧力検出工程で得られる検出信号から、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定工程と、前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定工程と、を含むことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、流路内に存在する気泡の体積と、その該当体積の気泡存在時における圧力室の共振周期との相関を予め把握しておき、圧力検出工程で得られる検出信号から圧力変動の共振周期(固有振動周期)を検知することで、共振周期と気泡体積の相関関係から、気泡の体積を推定(判定)する。なお、ここでいう「圧力室の共振周期」とは、圧力室に液体を充填した状態での液体の振動(圧力変動)についての周期を意味している。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の気泡検出方法の一態様であり、前記気泡が存在しない場合における標準の前記共振周期をTsとするとき、前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも長い場合には、第1の体積よりも小さい気泡が混入しているものと判定される一方、前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも短い場合には、前記第1の体積よりも大きい第2の体積を超える大きさの気泡が混入しているものと判定され、前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも長い周期と短い周期との混在となる場合には、前記第1の体積から前記第2の体積の間の大きさを持つ気泡が混入しているものと判定されることを特徴とする。
気泡の体積増加と共振周期の変動の関係を考察すると、比較的小さい気泡の場合は、標準の共振周期Tsと比較して共振周期が長くなり、比較的大きい気泡の場合は共振周期が短くなる傾向が認められる。また、中程度の大きさの気泡の場合は長い周期と短い周期が混在する様子が認められる。このような相関に基づき、請求項2の態様では、気泡の混入状態を3段階に評価する方法を提供する。すなわち、第1の体積よりも小さい気泡(相対的に小さい気泡)が存在している状態、第2の体積よりも大きい気泡(相対的に大きい気泡)が存在している状態、第1の体積から第2の体積の間の気泡(中程度の大きさの気泡)が存在している状態の3段階に評価できる。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成する液体吐出装置を提供する。すなわち、請求項3に係る液体吐出装置は、液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルに連通し該ノズルから吐出させる液体が充填される圧力室と、前記圧力室の少なくとも一部を変形させて該圧力室内の液体に圧力変化を与えるアクチュエータと、前記圧力室内の液体の圧力変化に応じた検出信号を出力する圧力検出手段と、前記圧力検出手段から得られる検出信号に基づいて、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定手段と、前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定手段と、前記共振周期特定手段で特定した共振周期に応じて、前記アクチュエータの駆動波形を変更する駆動波形制御手段と、を備えたことを特徴とする。
気泡の混入によって共振周期が変動した際に、その共振周期に適した周期の駆動波形をアクチュエータに印加することにより、ノズル吸引等のメンテナンスを実行することなく、吐出駆動を継続することが可能になる。また、気泡の影響で圧力波の振幅が低下していることが考えられるため、駆動電圧を上げるなどして、アクチュエータの発生圧力を高める態様もあり得る。
なお、請求項2で述べた気泡体積の3段階の評価と請求項3の構成を組み合わせる場合、第1の体積よりも小さい気泡が存在していると判定された場合、又は第2の体積よりも大きい気泡が存在していると判定された場合に、駆動波形を修正して吐出を継続し、第1の体積から第2の体積の間の気泡(中程度の大きさの気泡)が存在していると判定された場合には、吐出を停止してメンテナンス動作を行うなどの制御を行う態様もあり得る。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の液体吐出装置の一態様であり、前記駆動波形は、pull−push波形であり、前記駆動波形制御手段は、pull−pushの時間間隔が前記共振周期の1/2となる駆動波形を生成するように制御を行うことを特徴とする。
アクチュエータを駆動するために印加される駆動信号として様々な波形(駆動波形)が考えられるが、例えば、pull−push(引き−押し)波形を用いる態様がある。この場合、圧力室を拡大させる引き(pull)のタイミングと、圧力室を縮小させる押し(push)のタイミングの時間間隔が、共振周期特定手段で特定される共振周期の1/2となる波形を生成することにより、気泡混入時においても効率的に吐出を行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4記載の液体吐装置の一態様であり、前記気泡体積判定手段で特定された混入気泡の体積に応じて、前記液体の吐出量を制御する吐出制御手段を備えたことを特徴とする。
気泡が存在していることが検出された場合(すなわち、標準の共振周期と比べて、共振周期が変化していることが検出された場合)に、標準の吐出量よりも多くの吐出を行うことにより、流路内部の液の流れを促進し、清新な液に気泡を溶解させることができる。このように、気泡を溶解させることにより、吐出不良の発生を予防することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の液体吐出装置の一態様であり、前記吐出制御手段は、前記気泡体積判定手段で判定した混入気泡の体積に応じて、予備吐出の回数を制御することを特徴とする。
例えば、比較的小さい気泡の場合は予備吐出の回数を少なく設定し、大きい気泡の場合は、予備吐出の回数を多く設定する。このように気泡体積の大小に応じて予備吐出の回数を増減調整する手段(予備吐出制御手段)を備えることによって、予備吐出の液量を適正化することができ、液体消費量の低減を図ることができる。
請求項7に係る発明は、前記目的を達成する画像形成装置を提供する。すなわち、請求項7に係る画像形成装置は、請求項3乃至6の何れか1項記載の液体吐出装置を有し、前記ノズルから吐出したインク液によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
かかる画像形成装置によれば、例えば、画像入力手段を介して入力された画像データ(印字データ)に基づいて色変換やハーフトーニング処理が行われ、インク色に応じた吐出データが生成される。この吐出データに基づいて、液体吐出ヘッドの各ノズルに対応するアクチュエータの駆動が制御され、ノズルからインク滴が吐出される。高解像度の画像出力を実現するためには、インク液を吐出するノズル(吐出口)と、該ノズルに対応した圧力室及びアクチュエータとを含んで構成される液滴吐出素子(インク室ユニット)を高密度に多数配置した液体吐出ヘッドを用いる態様が好ましい。
かかる印字用の液体吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数の吐出口(ノズル)を配列させたノズル列を有するフルライン型のヘッドを用いることができる。この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する比較的短尺の吐出ヘッドモジュールを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を構成する態様がある。
フルライン型のヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。
「記録媒体」は、液体吐出ヘッドの吐出口から吐出されるインクの付着を受ける媒体(印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と液体吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対してヘッドを移動させる態様、或いは、ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。なお、インクジェット方式の印字ヘッドを用いてカラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別に印字ヘッドを配置してもよいし、1つの印字ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
本発明に係る気泡検出方法によれば、気泡の体積と共振周期の変動の相関関係についての知見に基づき、圧力変動の検出信号より特定される共振周期から気泡の体積を正確に判定することができる。
また、本発明に係る液体吐出装置によれば、圧力の検出に基づいて特定される共振周期を考慮して、適応的に適正な駆動波形を生成することができるため、気泡の混入時においても、ノズル吸引等のメンテナンス動作を行うことなく、吐出を継続することが可能になる。
本発明の他の態様に係る液体吐出装置によれは、圧力の検出に基づいて特定される共振周期から判定される気泡の体積に応じて吐出量を制御することで、気泡の溶解を促進しつつ、液の消費量の削減を図ることができる。
また、本発明に係る画像形成装置によれば、メンテナンス動作の頻度が下がり、プリント生産性が向上する。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出装置に用いられる圧力センサ付き液体吐出ヘッドの概略構成を示す断面図である。図示の液体吐出ヘッド10において、符号12はノズル、14は圧力室、16はインク供給口、18は圧力室14に供給するインクを貯留する共通液室、20は圧電素子、22は振動板、24は圧力センサである。
同図では、1つのノズル12に対応したインク室ユニット(1チャンネル分の液滴吐出素子)を示したが、プリントヘッド(「印字ヘッド」、或いは「記録ヘッド」ともいう)においては、複数のインク室ユニットが1次元(列状)又は2次元(面状)に配列された構造となる。
図示のとおり、本実施形態の液体吐出ヘッド10は、ノズルプレート26、圧力室形成部材28、振動板22、中間板30、及び共通液室形成部材32を積層接合した構造から成る。
ノズルプレート26には、インク吐出口に相当する複数のノズル12の穴が形成されている。また、吐出安定性並びに吐出面(ノズル面12A)のクリーニング性を向上させる等の観点から、ノズル面12Aには撥液層(不図示)が設けられている。ノズル面12Aに撥液性を付与する方法(撥液処理方法)は、特に限定されず、例えば、フッ素系の撥液材を塗布する方法や、フッ素系高分子粒子(PTFE)等の撥液材を真空中で蒸着し表面に薄層を形成する方法等がある。
圧力室形成部材28は、圧力室14の空間と、該圧力室14からノズル12へと繋がる連通路(ノズル流路)34と、インク供給側の共通液室18から圧力室14にインクを導く個別供給路36の一部とを形成する流路形成部材である。
圧力室形成部材28は、1枚のプレート部材に所定の流路形状部(開口や溝など)を形成した単一のプレート部材で構成されてもよいし、所定の流路形状部を形作るための開口や溝(凹部)を形成した複数枚のプレート部材を積層接合した積層体で構成されてもよい。
この圧力室形成部材28の振動板22との対向面に圧力センサ24が設けられている。圧力センサ24は、圧力室14内の圧力に応じた電気信号を出力する素子(圧力検出手段)であり、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)など樹脂センサが好適に用いられる。
振動板22は、圧力室14の一部の面(図1において天面)を構成する部材であるとともに、ステンレス鋼(SUS)などの導電性材料から成り、複数の圧電素子20の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。
振動板22の圧力室14側と反対側(図1において上側)の表面には、各圧力室14に対応する位置に、圧電体38が設けられており、該圧電体38の上面(共通電極を兼ねる振動板22に接する面と反対側の面)に個別電極39が形成されている。この個別電極39と、これに対向する共通電極(ここでは振動板22が兼ねる)と、これら電極間に挟まれるように介在する圧電体38とで圧電素子(「アクチュエータ」に相当)20が構成される。圧電体38には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電材料が好適に用いられる。
中間板30は、圧電素子20の変位空間を確保しつつ、圧電素子20の上部を覆うスペーサとして機能し、圧電素子20を共通液室18から保護する(インクとの接触を防ぐ)役割を果たす。すなわち、中間板30には、圧電素子20に対応する凹部30Aが形成されており、この凹部30Aと振動板22の間に圧電素子20が収容され、圧電素子20周辺部に所定の空間が確保される。
圧電素子20を駆動するための駆動用配線の形態は特に限定されないが、例えば、共通液室18の隔壁部(共通液室18の空間を形成する柱部等)に駆動用の電気配線が貫通する構成でもよいし、中間板30に電気配線(内部配線)をパターニングして、中間板30面と平行な水平配線としてもよい。
本実施形態における中間板30は、共通液室18の一部の面を構成する部材(図1において共通液室18の底面を構成する床壁部材)となる。共通液室18から各圧力室14に対してインクを供給するために、各圧力室14の位置に対応させて中間板30を貫通するインク流路40が形成され、振動板22には供給絞り(最狭窄部)に相当するインク供給口16が形成されている。インク流路40は、振動板22の面に対して略垂直に形成されており、該インク流路40、インク供給口16及び個別供給路36を介して共通液室18と圧力室14とが連通する。
なお、中間板30の表面で共通液室18内のインクに接液する部分には、耐液性の観点から、例えば、樹脂等で構成される絶縁保護膜(不図示)が形成される。
上記した中間板30の上面に(振動板22側と反対の面に)共通液室形成部材32が接合される。共通液室形成部材32は、インクを蓄える共通液室18の空間を形成する凹部を備えた流路形成部材(壁部材)である。
共通液室形成部材32は、1枚のプレート部材に所定の流路形状部(開口や溝など)を形成した単一のプレート部材で構成されてもよいし、所定の流路形状部を形作るための開口や溝(凹部)を形成した複数枚のプレート部材を積層接合した積層体で構成されてもよい。
また、図示されていないが、共通液室形成部材32には、共通液室18内にインクを導き入れるための供給系接続口が形成されており、この供給系接続口に所要の管路を介してインクタンクが接続される。
上述の構成において、個別電極39と共通電極(振動板22で兼用)と間に駆動電圧を印加することによって圧電素子20が変形して圧力室14の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル12からインクが吐出される。インク吐出後、圧電素子20の変位が元に戻る際に、共通液室18からインク供給口16を通って新しいインクが圧力室14に再充填される。
このように、共通液室18を振動板22の上側(圧力室14と反対側)に配置し、振動板面に対して略垂直に貫通するインク流路40を通じて下方の各圧力室14へインクを供給する構造のため、供給側の流路抵抗を小さくでき、インクのリフィル性を向上させることができる。
図2(a)は、圧電素子に印加される駆動波形の一例を示す波形図である。ここでは、標準状態から圧力室を縮小させる(加圧する)ように圧電素子を駆動するためのステップ状のプッシュ(push)波形が示されている。なお、横軸は時間、縦軸は電圧を表す。
図2(a)に示したpush波形の圧電素子駆動によって生じる圧力の変動を図2(b)に示す。この圧力変動は、図1で説明した圧力センサ24のセンサ出力として検出される。
図2(b)中、実線[1]で示した波形が標準の(気泡混入のない正常時の)圧力変動である。この標準時における圧力変動の共振周期をTsとした場合、圧力室等に気泡が入り込むと同図の点線[2]や一点鎖線[3]のように圧力の変動が変化する。
すなわち、点線[2]は、比較的小さい気泡が入ったときの変化であり、この場合の共振周期Ts'は、標準時の共振周期Tsよりも大きくなる(Ts'>Ts )。その一方、一点鎖線[3]は、比較的大きい気泡が入ったときの変化であり、この場合の共振周期Ts” は、標準時の共振周期Ts よりも小さくなる(Ts”<Ts )。
このような共振周期変動の原因を図3の分布型の集中定数モデルを用いて説明することができる。図3は、圧力室を2次元的に3×3に分割した分布型の集中定数モデルの等価回路図である。図3において、図1で説明した構成要素と対応する要素に同一の符号を付してある。また、図3において符号44で示したコンデンサ成分は混入した気泡に相当するものである。なお、図示の簡略化のため、図3中、抵抗の成分は記載を省略している。
図3のモデルを用いた理論計算によって、図4乃至図7のグラフが得られる。図4は、気泡サイズと圧力波形の相関を解析した解析結果である。横軸は時間、縦軸は圧力(センサ出力の電圧値)を表している。ここでいう「気泡サイズ」とは、注目するインク室ユニットの流路内に存在する気泡の総量(総体積)を1球体に換算したときの直径として表現したものである。すなわち、本例では「気泡の体積」を表す指標として「気泡サイズ」を用いる。
気泡が無いとき(気泡サイズ=φ0μm)の圧力波形は、図4中で太い実線[φ0]で示した。気泡サイズφ5μm、φ7μm、φ10μmのときの各圧力波形 [φ5],[φ7], [φ10]は、気泡無しの実線[φ0]に対して、気泡サイズの増大とともに共振周期が大きくなっている。
これに対して、更に大きな気泡が混入した場合、すなわち、気泡サイズがφ15,φ20,φ50等のときの各圧力波形[φ15],[φ20], [φ50]を見ると、気泡無しの実線[φ0]と比較して共振周期が短くなっており、共振周波数が数倍高い周波数にシフトしている。これは、気泡サイズφ10μm前後で共振モードがシフトするためと考えられる。
図5は、気泡サイズと圧力振幅、周波数の関係を表した周波数特性のグラフであり、横軸(対数目盛り)は周波数、縦軸はゲインを表している。
図5において、太い実線[φ0]は、気泡が無い(気泡サイズ=φ0μm)の波形である。気泡無しの実線波形 [φ0]は、横軸の周波数200kHz付近に一次共振のピークがある。
これに対し、気泡が混入すると、一次共振点が図5の左側(低周波数側)にシフトしていく。気泡無し(標準時)の波形 [φ0]を基準にして、気泡サイズがφ5μmの波形[φ5]と、φ7μmの波形[φ7]とを見比べると、気泡無しの標準波形[φ0]に対して、気泡サイズの増加に伴い、圧力波形[φ5],[φ7]の一次共振点が図5の左側にシフトするとともに、一次共振ゲインも次第に低下する。
その一方、二次共振は、気泡の混入によって、気泡サイズの増加に伴いゲインが次第に増加していく様子が認められる。
このような現象が起こるために、図5のグラフが示すように、小さい気泡から次第に気泡サイズが大きくなるにつれて、初めのうちは共振周波数が徐々に低下し、ある境を超えて大きな気泡になったときには、高い周波数の二次共振が支配的になって、共振周波数が上がる。
図6は、気泡サイズと共振周波数の関係を示すグラフであり、横軸は気泡サイズ(対数目盛り)、縦軸は共振周波数を表す。一次共振モードに注目すると、φ10μm程度までの比較的小さな気泡の場合は、共振周波数は概ね一定であり、気泡サイズがφ11μmを超えると共振周波数が次第に低下していく。
一方、二次共振モードに注目すると、φ20μm程度までの範囲では、共振周波数はわずかに減少していき、数十μm以上の気泡サイズでは共振周波数が略一定となる。
図7は、気泡サイズと圧力振幅(ゲイン)の関係を示すグラフであり、横軸は気泡サイズ(対数目盛り)、縦軸はゲインを表す。
図示のとおり、一次共振のゲインは、気泡サイズφ10μmを超えると、著しく減少し始める。また、二次共振のゲインは、φ5μmを超えたあたりから増加し始め、φ11μm付近で一次共振のゲインを追い抜く。
図4〜図6に示したとおり、気泡無し又は混入している気泡のサイズが比較的小さいとき(φ0〜φ11μm程度)は、一次共振モードが支配的であり、気泡サイズの増加に伴い、振幅(ゲイン)と周波数が減少する。一方、二次共振モードでは、気泡サイズの増加に伴い、振幅(ゲイン)が増加し、周波数は減少する。図7のとおり、一次共振と二次共振とでゲインの大小関係が逆転するのは、気泡サイズφ11μm付近である。これ以上の気泡サイズ領域では、二次共振モードの周波数が支配的になる。
上記のような気泡サイズと共振周期変動の相関から、圧力室の共振周波数(ヘルムホルツ共振)の変動を計測することで、気泡サイズを推定することができる。
〔気泡検出の利用例1〕
共振周期は、存在する気泡のサイズ(体積)によって、以下の3パターンに大別できる。すなわち、(a)圧力室共振周期が標準の周期よりも長くなる場合(φ10μm未満の比較的小さい気泡の場合)、(b)圧力室共振周期が標準の周期よりも短くなる場合(φ15μm以上の比較的大きい気泡の場合)、(c)標準よりも短い周期と長い周期が混在する場合(φ10μm以上φ15μm未満の場合)の3パターンに大別できる。
共振周期は、存在する気泡のサイズ(体積)によって、以下の3パターンに大別できる。すなわち、(a)圧力室共振周期が標準の周期よりも長くなる場合(φ10μm未満の比較的小さい気泡の場合)、(b)圧力室共振周期が標準の周期よりも短くなる場合(φ15μm以上の比較的大きい気泡の場合)、(c)標準よりも短い周期と長い周期が混在する場合(φ10μm以上φ15μm未満の場合)の3パターンに大別できる。
したがって、上記の傾向(相関)を基に、気泡存在時の共振周期変動を計測し、これに適した周期の駆動波形を圧電素子20に印加することにより、ノズル吸引等のメンテナンス動作を行わずに、駆動波形の修正で吐出を行うことが可能となる。
例えば、駆動波形として、図8に示すような、プル(pull)−プッシュ(push)波形を想定する。pull−push波形50は、圧力室を静定状態から膨張させるように振動板を変位させるべくアクチュエータ(本例において図1に示した圧電素子20)を変形させる引き(pull)駆動波形要素51と、この引き駆動波形要素51によって膨張した圧力室の膨張状態を保持する引き保持波形要素52と、前記膨張状態から圧力室を収縮させるように振動板を変位させるべくアクチュエータを変形させる押し(push) 駆動波形要素53とから構成される。
かかるpull−push波形において、pullの開始時(引き始め)からpushの開始時(押し始め)までの時間間隔Tpztに注目すると、気泡無しの標準時は、pull−pushの時間間隔Tpztが共振周期Tsの1/2に設定される。これに対し、図2で説明したように、比較的小さな気泡(図4〜図6で説明したφ10μm以下の気泡)が混入して共振周期がTs'(>Ts)となっている場合は、図8の一点鎖線で示すように、標準時よりもpull−pushの時間間隔Tpztを長くし、好ましくは、共振周期Ts'の1/2に設定する。
また、図2で説明したように、比較的大きな気泡(図4〜図6で説明したφ15μm以上の気泡)が混入して共振周期がTs”となっている場合は、図8の点線で示したように、標準時よりもpull−pushの時間間隔Tpztを短くし、好ましくは、共振周期Ts”の1/2とする。
このように、気泡混入による共振周期の変動に合わせて、駆動波形の周期(ここでは、pull−pushの時間間隔Tpzt)を共振周期の1/2とするように駆動波形を修正することで、吐出が可能となる。
なお、中程度の気泡(図4〜図6で説明したφ10〜φ15μmの気泡)が存在する場合は、適する圧力室共振周期が見出しにくいため、吐出を行わないものとし、吐出を停止し、メンテナンスを実施する態様が考えられる。
また、気泡の存在によって吐出圧力が低下していることが考えられるため、上記の駆動波形の周期の変更に代えて、又はこれと併せて、駆動電圧を上げるなどして、アクチュエータによる発生圧力を上がる態様も可能である。
上述した実施形態によれば、気泡による吐出不良が発生した際にも、メンテナンスを実施することなく吐出を継続させることができる。
〔気泡検出の利用例2〕
上述したように圧力センサ24の検出信号から圧力室の共振周期が変動していることが検出された際に、標準時(気泡無し時)の予定吐出量よりも、多くの吐出を行うことにより、圧力室内部をフレッシュなインクが通過するようにして、気泡を溶解させる。例えば、予備吐出の回数を増加させたり、通常吐出(印字のための吐出)を増加させたりすることで、圧力室内部にフレッシュなインクを導入する。
上述したように圧力センサ24の検出信号から圧力室の共振周期が変動していることが検出された際に、標準時(気泡無し時)の予定吐出量よりも、多くの吐出を行うことにより、圧力室内部をフレッシュなインクが通過するようにして、気泡を溶解させる。例えば、予備吐出の回数を増加させたり、通常吐出(印字のための吐出)を増加させたりすることで、圧力室内部にフレッシュなインクを導入する。
こうして、完全な不吐出に陥る前に、気泡を溶解させることで、不吐出を予防できる。これにより、メンテナンス頻度が下がり、スループットが向上する。
具体的な制御例として、共振周期の変動量を計測することによって、気泡サイズを推定し、その気泡サイズの推定結果に基づいて、予備吐出の回数をコントロールする態様がある。
既に説明したとおり、共振周期の変動量から気泡サイズを3段階に評価できる。すなわち、(a)圧力室共振周期が標準の周期よりも長くなる場合は、φ10μm未満の比較的小さい気泡と判定でき、 (b)圧力室共振周期が標準の周期よりも短くなる場合は、φ15μm以上の比較的大きい気泡と判定でき、(c)標準よりも短い周期と長い周期が混在する場合は、φ10μm以上φ15μm未満の中程度の気泡と判定できる。
この3段階の気泡サイズ判定に基づき、小さい気泡混入の場合は、予備吐出の回数を少なく設定でき、大きい気泡混入の場合は、小さい気泡のときよりも多くの予備吐出を行うように設定にできる。こうすることで、気泡が消失するまでの時間を予測することができる。
このような態様によれば、予備吐出の液量を最適化することができ、インク消費量の低減を図ることができる。
〔インクジェット記録装置への適用例〕
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」という。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
図9は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」という。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yとして、図1で説明した液体吐出ヘッド10が用いられる。
図9に示したインク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図9では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図9のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)を成すように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図9に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方に不図示のモータの動力が伝達されることにより、ベルト133は図9上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図9の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図9に示した印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像から、ノズルの目詰まりや着弾位置ずれなどの吐出不良をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部124の後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図9には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
図10はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図11はその要部拡大図である。図10に示すように、このヘッド150は、インク吐出口であるノズル12と、ノズル12に対応する圧力室14を含んで構成される複数のインク室ユニット(1ノズルに対応した記録素子単位となる液滴吐出素子)153をマトリクス状に2次元配列させた構造を有している。これにより、記録媒体(記録紙116)の送り方向(矢印S方向;副走査方向)と略直交する方向(矢印M方向;主走査方向)に記録媒体(記録紙116)の全幅Wm に対応する長さ以上のノズル列が構成されている。
図示のマトリクス配列について、説明の便宜上、図10の横方向を行方向(主走査方向)、図10の縦方向(副走査方向)を列方向とする。
各ノズル12に対応して設けられている圧力室14は、その平面形状が概略正方形となっており、頂点付近の隅部の1箇所にノズル12への流出口(図1で説明したノズル流路34への連通口)が設けられる。なお、供給インクの流入口(図1で説明した個別供給路36との連通口)は図10に示されていないが、圧力室14の他の頂点付近の隅部、好ましくは、ノズル12との対角線上の隅部に設けられる。
圧力室14の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
ヘッド150の内部構造は図1で説明したとおりであり、複数の圧力室14がそれぞれインク供給口16を介して共通液室18(図10中不図示、図1参照)と連通している。本例の共通液室18は、ヘッド150内の全ての圧力室14に対してインクを供給するように、圧力室14が形成された全領域にわたって形成される1つの大きな空間となっているが、このように1つの空間として形成されるものに限定されず、いくつかの領域に分かれて複数に形成されていてもよいし、インクの流れを規制し得る所定の流路構造を有していてもよい。
また、図1で説明した圧力センサ24は、圧力室14毎に独立したセンサを設ける構成となっているが、本発明の実施に際しては、複数の圧力室をグループ化し、グループ単位で1つの(共通の)センサを設ける構成でもよい。その場合、グループ内(センサ単位)の複数の圧力室について時分割で検出を行うことで各圧力室の応答を把握できる。
図11に示すように、本例のヘッド150は、複数のインク室ユニット153を、主走査方向方向(行方向)と、該行方向に対して直交しない斜めの列方向(図11の略縦方向)とに沿って一定の配列パターンでマトリクス状に(斜めの格子状に)配置させた構造によって、高密度ノズル配列ヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向(行方向)に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル12が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
図示の2次元配列を別の観点で表現すると、主走査方向(行方向)に並ぶノズル12のノズル列内のノズル間隔NLmは一定であるとし(各行の主走査方向ノズル間隔は全て同じNLmとし)、各行のノズル12-ij は主走査方向に沿って互いのノズル位置を行間で異ならせながら千鳥状に配置される。すなわち、ノズル面(吐出面)内における2次元ノズル配列の主走査方向ノズル列のノズル行数(副走査方向のノズル数)をn(図11の場合、n=6)、記録媒体上で主走査方向に沿って並ぶドットを打滴するノズルの実質的な主走査方向ノズル間ピッチをPとすると、NLm=n×P の関係を満たす。また、副走査方向(ノズル配列の列方向)について各行の行間隔(副走査方向のノズル間距離)Ls は一定である。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図11に示すようなマトリクス状に配置されたノズル12を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル12-11 、12-12 、12-13 、12-14 、12-15 、12-16 を1つのブロックとし(他にはノズル12-21 、…、12-26 を1つのブロック、ノズル12-31 、…、12-36 を1つのブロック、…として)、記録媒体の搬送速度に応じてノズル12-11 、12-12 、…、12-16 を順次駆動することで記録媒体の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録媒体の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本例のヘッド150によれば、高密度のノズル配置を実現できるとともに、リフィル性の向上を達成でき、比較的高粘度のインク(例えば、20cp〜50cp程度)であっても、十分なインク供給量を確保することができる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本例では、行方向に沿ってノズル12が並ぶノズル列を列方向に6列並べた構成を示すが、本発明の実施に際して、ノズル列の数(行数)nは特に限定されない。
なお、フルライン型のヘッドを構成する形態は、図10のように1ヘッドで記録媒体の送り方向と略直交する方向に記録媒体の全幅Wmに対応する長さにわたるノズル列を構成する形態に限定されない。例えば、図10の構成に代えて、図12に示すように、複数のノズル12が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール150’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
〔インク供給系の構成〕
図13はインクジェット記録装置110におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク160はヘッド150にインクを供給する基タンクであり、図9で説明したインク貯蔵/装填部114に設置される。すなわち、図13のインクタンク160は、図9のインク貯蔵/装填部114と等価のものである。インクタンク160の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図13はインクジェット記録装置110におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク160はヘッド150にインクを供給する基タンクであり、図9で説明したインク貯蔵/装填部114に設置される。すなわち、図13のインクタンク160は、図9のインク貯蔵/装填部114と等価のものである。インクタンク160の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図13に示したように、インクタンク160とヘッド150の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ162が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下とすることが好ましい。図13には示さないが、ヘッド150の近傍又はヘッド150と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置110には、ノズル12の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ164と、ノズル面150Aの清掃手段としてのクリーニングブレード166とが設けられている。これらキャップ164及びクリーニングブレード166を含むメンテナンスユニット(回復手段)は、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド150下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ164は、図示せぬ昇降機構によってヘッド150に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ164を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド150に密着させることにより、ノズル面150Aをキャップ164で覆う。
クリーニングブレード166は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド150のノズル面150A(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板表面にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード166をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取る。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ164(インク受けとして兼用)に向かって予備吐出が行われる。
ヘッド150は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧電素子20(アクチュエータ)が動作してもノズル12からインクを吐出できなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧電素子20の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧電素子20を動作させ、粘度上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面150Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード166等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル12内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
その一方で、ノズル12や圧力室14、供給流路内等に許容量以上の気泡が混入したり、ノズル12内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド150のノズル面150Aに吸引手段たるキャップ164を当接させて、吸引ポンプ167で圧力室14内のインク(気泡が混入したインク又は増粘インク)を吸引する。かかる吸引動作によって吸引除去されたインクは回収タンク168へ送られる。回収タンク168に集められたインクは、再利用してもよいし、再利用不能な場合は廃棄してもよい。
上記の吸引動作は、圧力室14内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きいため、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、上記の吸引動作は、ヘッド150へのインク初期装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われる。
〔制御系の説明〕
図14は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184、及び圧力検出用の検出回路185等を備えている。
図14は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184、及び圧力検出用の検出回路185等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信する画像入力手段として機能するインターフェース部(画像入力部)である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子から成るメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174及びROM175の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
また、システムコントローラ172は、圧力センサ24からの検出信号を処理して共振周期や振幅等のデータを生成する演算処理を行う共振周期演算部172Aと、測定された共振周期の情報から気泡サイズを特定する気泡サイズ特定部172Bと、特定された気泡サイズに応じてインク吐出用の駆動波形の制御を行う駆動波形制御部172Cと、特定された気泡サイズに応じて予備吐出回数を決定する予備吐出回数決定部172Dとを含んで構成される。なお、共振周期演算部172A、気泡サイズ特定部172B、駆動波形制御部172C及び予備吐出回数決定部172D等の各処理機能はASICやソフトウエア又はこれらの適宜の組合せによって実現可能である。
検出回路185は、圧力センサ24に生じる電気信号を検出するための手段であり、圧力センサ24からの電気信号は、検出回路185を介して電圧信号(「検出信号」に相当)として出力される。この検出信号は、共振周期演算部172Aに送られ、電圧の振幅や波形の周期が求められる。
気泡サイズ特定部172Bは、予め知得されている共振周期と気泡サイズの相関情報に基づいて、気泡サイズを判定する処理を行う。気泡サイズ特定部172Bにおいて共振周期から気泡サイズを求める方法、並びに、特定した気泡サイズから駆動波形制御部172Cにて適正な駆動波形を選択する方法、或いは、特定した気泡サイズから予備吐出回数決定部172Dにて適正な予備吐出回数を求める方法については、所定のアルゴリズムによる演算式(相関を示す関数など)を用いてもよいし、ルックアップテーブルなどを用いてもよい。
ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(例えば、共振周期の演算アルゴリズムや、共振周期と気泡サイズの相関データ、駆動波形の設定テーブル、気泡サイズと予備吐出回数の対応を規定したルックアップテーブル)などが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいが、各種のデータを必要に応じて更新する場合は、EEPROMのような書換可能な記憶手段を用いることが好ましい。
画像メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従って搬送系のモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従って後乾燥部等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データ(多値の入力画像のデータ) から打滴制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理手段として機能するとともに、生成したインク吐出データをヘッドドライバ184に供給してヘッド150の吐出駆動を制御する吐出制御手段として機能する。
すなわち、プリント制御部180は、駆動波形生成部180Aと、インク吐出データ生成部180Bとを含んで構成される。これら各機能ブロック(180A,180B)は、ASICやソフトウエア又はこれらの適宜の組合せによって実現可能である。
駆動波形生成部180Aは、駆動波形制御部172Cの指令に従い、ヘッド150の各ノズル12に対応した圧電素子20(図1参照)を駆動するための駆動信号波形を生成する手段である。該駆動波形生成部180Aにて生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ184に供給される。なお、駆動波形生成部180Aから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
インク吐出データ生成部180Bは、入力画像のデータからインク色別の吐出データを生成する信号処理手段であり、濃度変換処理(UCR処理や色変換を含む)及び必要な場合には画素数変換処理、濃度補正処理、並びに、多値の濃度データから2値(又は多値)の打滴配置データ(ドットデータ)に変換するハーフトーニング処理(中間階調処理)等を行う信号処理手段である。
インク吐出データ生成部180Bにて生成されたインク吐出データはヘッドドライバ184に与えられ、ヘッド150のインク吐出動作が制御される。
図14に示したように、プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図14において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ174に記憶される。
インクジェット記録装置110では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ174に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180のインク吐出データ生成部180Bにてインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。ここで、プリント制御部180における画像処理フローを説明する。入力画像のデータ形態は、特に限定されないが、例えば、24bitのRGBデータとする。この入力画像に対して、ルックアップテーブルによる濃度変換処理を行い、プリンタの持つインク色に対応した濃度データD(i,j)に変換する。なお、(i,j)は画素の位置を表し、各画素について濃度データが割り当てられる。
本例では、入力画像の解像度とプリンタの解像度(ノズル解像度)は一致しているものとする。なお、両者が一致しない場合は、プリンタ解像度に合わせて、入力画像について画素数変換の処理が行われる。
濃度変換処理は一般的な処理であり、下色除去(UCR: Undercolor Removal)処理、或いはライトインク(同色系の淡インク)を使用するシステムの場合におけるライトインクへの分配処理などが含まれる。
例えば、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の3色インクの構成の場合には、CMYの濃度データD(i,j)に変換される。或いはまた、上記3色に加えてK(黒),LC(ライトシアン),LM(ライトマゼンタ)などの他のインクを含むシステムの場合は、そのインク色を含む濃度データD(i,j)に変換される。なお、この段階で必要に応じて濃度データの補正が行われる。
こうして得られた濃度データD(i,j)からハーフトーニング処理を行うことによって、ドットのオン/オフ信号(2値データ)、または、ドットサイズ変調を含む場合はサイズの種類(ドットサイズの選択)を含んだ多値データに変換される。ハーフトーニングの手法は特に限定されず、誤差拡散法やディザ法など周知の2値(多値)化手法を用いることができる。
このようにして得られた2値(多値)のドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。この色別ドットデータは、ヘッド150のノズルからインクを吐出するためのCMYK打滴配置データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
ヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられるインク吐出データ及び駆動波形の信号に基づき、印字内容に応じてヘッド150の各ノズル12に対応する圧電素子20を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
こうして、ヘッドドライバ184から出力された駆動信号がヘッド150に加えられることによって、該当するノズル12からインクが吐出される。記録紙116の搬送速度に同期してヘッド150からのインク吐出を制御することにより、記録紙116上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部180における所要の信号処理を経て生成されたインク吐出データ及び駆動信号波形に基づき、ヘッドドライバ184を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
印字検出部124は、図4で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録紙116に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴の着弾位置ばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント
なお、この印字検出部124に代えて、又はこれと組み合わせて他の吐出検出手段を設けてもよい。
なお、この印字検出部124に代えて、又はこれと組み合わせて他の吐出検出手段を設けてもよい。
他の吐出検出手段としては、例えば、ヘッド150内に設けた圧力センサ24を活用できる。インク吐出時或いは圧力検出用の圧電素子駆動時などに、この圧力センサ24から得られる検出信号から吐出異常を判定できる(内部検出方法)。或いは、レーザ発光素子などの光源と受光素子から成る光学検出系を用い、ノズル12から吐出された液滴にレーザ光等の光を照射し、その透過光量(受光量)によって飛翔液滴を検出する態様(外部検出方法)などがあり得る。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部124或いは他の吐出検出手段から得られる情報に基づいてヘッド150に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
本例の場合、システムコントローラ172内の共振周期演算部172Aが「共振周期特定手段」に相当し、気泡サイズ特定部172Bが「気泡体積判定手段」に相当する。また、システムコントローラ172内の駆動波形制御部172Cが「駆動波形制御手段」に相当し、システムコントローラ172とプリント制御部180の組合せが「吐出制御手段」に相当している。
図15は、本実施形態によるインクジェット記録装置110の制御例を示すフローチャートである。図示のフローチャートは、既述した〔気泡検出の利用例1〕に対応する制御例である。
印字検出部124(図9,図13参照)によって吐出不良が検出された場合、或いは、ヘッド150内の圧力センサ24又はヘッド外部の他の吐出検出手段によって、吐出不良の発生が検知された場合など、ヘッド内部の流路(圧力室14若しくはノズル12、個別供給路36等)に気泡が存在していると推定される際に、図15のフローチャートがスタートする。
まず、圧電素子20に対して圧力検出用の駆動信号の印加を行い(ステップS12)、この圧電素子駆動によって生じる圧力変化を圧力センサ24で検出する(ステップS14)。例えば、図2(a)で説明したステップ状の駆動信号を圧電素子20に印加して、圧力センサ24から得られる検出信号から電圧の振幅、波形の周期を求め、共振周期を特定する演算が行われる(ステップS16)。
次いで、特定された共振周期から気泡サイズを特定する処理が行われる(ステップS18)。インクジェット記録装置110内には、共振周期と気泡サイズとの対応関係を規定したルックアップテーブルを格納した情報記憶手段(内部メモリ又は外部メモリ)を備えており、このルックアップテーブルを参照して気泡サイズが特定される。
次いで、ステップS18で取得した気泡サイズの情報を基に、メンテナンス無しで吐出可能な状況であるか否かの判断が行われる(ステップS20)。例えば、比較的小さい気泡(φ10μm未満)、比較的大きい気泡(φ15μm超)、中程度の気泡(φ10〜φ15μm)の3段階で気泡サイズが判定され、中程度の気泡(φ10〜φ15μm)の場合は、吐出不能と判定される。
その一方、比較的小さい気泡(φ10μm未満)、又は比較的大きい気泡(φ15μm超)の場合は、吐出可能と判定される。なお、ある許容値を超える大きい気泡の場合は、圧電素子20の発生圧力を吸収してしまうため吐出不能となるが、本実施形態で問題にしている気泡サイズは、その許容値よりも小さい範囲である。
ステップS20の判定において、吐出不能と判断された場合(NO判定時)は、ステップS22に進み、ノズル吸引等のメンテナンス動作を実施する。
その一方、ステップS20で吐出可能と判断された場合(YES判定時)は、ステップS24に進み、気泡が存在する系の共振周期に適した吐出用の駆動波形に設定する。具体的には、例えば、図8で説明したように、共振周期に適した周期の駆動波形に修正したり、吐出圧力を確保すべく駆動電圧(駆動信号の振幅)を変更する。このように、共振周期に合わせて適切な駆動波形を設定し、その駆動波形の駆動信号を圧電素子20に印加して印字(プリント)を実施する。こうすることで、メンテナンス動作を行うことなく、インク吐出を継続させることができるため、プリント生産性が向上する。
図16は、本実施形態によるインクジェット記録装置110の他の制御例を示すフローチャートである。図示のフローチャートは、既述した〔気泡検出の利用例2〕に対応する制御例である。図16のフローチャートにおいて、図15で説明した例と同一又は類似の工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図16では、ステップS24に続いて、ステップS26〜S28の処理が付加されている。すなわち、ステップS24における駆動波形の変更により、気泡存在状態のままインク吐出が可能となることを利用して、予備吐出を行うことができる。
このとき、ステップS26において、気泡サイズに応じた予備吐出回数を設定する。インクジェット記録装置110内には、気泡サイズと予備吐出回数の対応関係を規定したルックアップテーブルを格納した情報記憶手段(内部メモリ又は外部メモリ)を備えており、このルックアップテーブルを参照して予備吐出回数が決定される。
次いで、ステップS28に進み、上記のステップS26で設定された回数の予備吐出を実行する(ステップS28)。
図15及び図16で説明したフローチャートの実行タイミングは、上記の吐出不良検出時に限定されず、印字(プリント)の前後のタイミング、連続プリントのインターバル期間、画像(ページ)間の印字休止タイミング、累積稼働時間の管理に基づく所定のタイミング、或いは、オペレーターによる随時の指定タイミングなど、多様な場合があり得る。
また、図15及び図16では、通常のインク吐出の動作(実技画像の印字動作)とは別に、圧力検出用の圧電素子駆動を行って圧力変化の検出を行う例を述べたが、実技画像の印字中に圧力センサ24からの検出信号(例えば、印字動作中の圧電素子駆動の応答)を取得する態様も可能である。
〔変形例1〕
図17及び図18は、圧力センサ付き液体吐出ヘッドの他の構成例を示す要部断面図である。これらの図面中、図1に示した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図示の簡略化のため、図17及び図18では、図1で説明した中間板30や共通液室18の記載を省略している。
図17及び図18は、圧力センサ付き液体吐出ヘッドの他の構成例を示す要部断面図である。これらの図面中、図1に示した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図示の簡略化のため、図17及び図18では、図1で説明した中間板30や共通液室18の記載を省略している。
図1で説明した液体吐出ヘッド10においては、圧力室形成部材28の振動板22との対向面に圧力センサ24を配置した例を述べたが、本発明の実施に際して、圧力センサ24の配置場所やヘッド構造は、特に限定されず、多様な形態があり得る。例えば、図17に示すように、振動板22の圧力室14側の面に圧力センサ24を配置する態様も可能であるし、図18のように、圧力室14の内壁の全面に圧力センサ24を配置する態様も可能である。
〔変形例2〕
上記の実施形態では、フルライン型のヘッドを用いたインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、シャトルスキャン方式のように、記録媒体(記録紙116その他の印字媒体)の幅寸法に満たない長さのヘッドを用いて、複数回走査して画像形成する場合にも本発明は適用可能である。
上記の実施形態では、フルライン型のヘッドを用いたインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、シャトルスキャン方式のように、記録媒体(記録紙116その他の印字媒体)の幅寸法に満たない長さのヘッドを用いて、複数回走査して画像形成する場合にも本発明は適用可能である。
また、上述の説明では、インクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、印画紙に非接触で現像液等を塗布する液体吐出ヘッドを備えた写真画像形成装置についても本発明の液体吐出装置を適用できる。更に、本発明の適用範囲は画像形成装置に限定されず、液体吐出ヘッドを用いて各種の液体を被吐出媒体に向けて噴射する装置(塗装装置、塗布装置、配線描画装置など)について本発明を適用することができる。
10…液体吐出ヘッド、12…ノズル、14…圧力室、16…インク供給口、18…共通液室、20…圧電素子、22…振動板、24…圧力センサ、110…インクジェット記録装置、112…印字部、112K,112M,112C,112Y…ヘッド、116…記録紙、124…印字検出部、150…ヘッド、172…システムコントローラ、172A…共振周期演算部、172B…気泡サイズ特定部、172C…駆動波形制御部、172D…予備吐出回数決定部、180…プリント制御部、180A…駆動波形生成部、185…検出回路
Claims (7)
- 液体が充填された圧力室内の圧力を検出する圧力検出工程と、
前記圧力検出工程で得られる検出信号から、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定工程と、
前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定工程と、
を含むことを特徴とする気泡検出方法。 - 前記気泡が存在しない場合における標準の前記共振周期をTsとするとき、
前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも長い場合には、第1の体積よりも小さい気泡が混入しているものと判定される一方、前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも短い場合には、前記第1の体積よりも大きい第2の体積を超える大きさの気泡が混入しているものと判定され、前記共振周期特定工程で特定された共振周期が、前記標準の共振周期Tsよりも長い周期と短い周期との混在となる場合には、前記第1の体積から前記第2の体積の間の大きさを持つ気泡が混入しているものと判定されることを特徴とする請求項1記載の気泡検出方法。 - 液体を吐出するためのノズルと、
前記ノズルに連通し該ノズルから吐出させる液体が充填される圧力室と、
前記圧力室の少なくとも一部を変形させて該圧力室内の液体に圧力変化を与えるアクチュエータと、
前記圧力室内の液体の圧力変化に応じた検出信号を出力する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段から得られる検出信号に基づいて、前記液体を含む前記圧力室の共振周期を特定する共振周期特定手段と、
前記圧力室を含む流路内に存在する気泡の体積と前記共振周期との相関から、混入気泡の体積を判定する気泡体積判定手段と、
前記共振周期特定手段で特定した共振周期に応じて、前記アクチュエータの駆動波形を変更する駆動波形制御手段と、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記駆動波形は、pull−push波形であり、
前記駆動波形制御手段は、pull−pushの時間間隔が前記共振周期の1/2となる駆動波形を生成するように制御を行うことを特徴とする請求項3記載の液体吐出装置。 - 前記気泡体積判定手段で特定された混入気泡の体積に応じて、前記液体の吐出量を制御する吐出制御手段を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の液体吐出装置。
- 前記吐出制御手段は、前記気泡体積判定手段で特定された混入気泡の体積に応じて、予備吐出の回数を制御することを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
- 請求項3乃至6の何れか1項記載の液体吐出装置を有し、前記ノズルから吐出したインク液によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070118 |