JP2007218374A - ころ軸受およびころ軸受の保持器 - Google Patents

ころ軸受およびころ軸受の保持器 Download PDF

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Abstract

【課題】ころを安定して案内することができるころ軸受を提供する。
【解決手段】柱部22の側壁面30は、径方向内側に位置し、ポケット23を形成するように打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面28と、径方向外側に位置し、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面29とを有する。ここで、柱部22を内径側に折り曲げる角度は、30°以下である。
【選択図】図1

Description

この発明は、ころ軸受およびころ軸受の保持器に関し、特に、2サイクルエンジンのコンロッド等に使用されるシェル型針状ころ軸受およびこのようなシェル型針状ころ軸受に含まれる保持器に関する。
シェル型針状ころ軸受は、軸受投影面積が小さいにもかかわらず、高荷重の負荷を受けることができ、かつ、高剛性であるため、排気量の小さい2サイクルエンジンのコンロッド等に使用されている。ここで、シェル型針状ころ軸受は、鋼板を絞り加工等してプレス成型されたシェル型外輪と、針状ころと、シェル型外輪の内径面に沿うように配置される保持器とを含む。保持器には、針状ころを保持するためのポケットが設けられ、各ポケットの間に位置する柱部で、各針状ころの間隔を保持する。
ここで、上記したシェル型針状ころ軸受に含まれる保持器の製造方法について、簡単に説明する。まず、保持器の材料となる帯鋼を、ころを保持することができる大きさのポケット穴を開口するようポケット抜きする。その後、帯鋼の断面形状が略V字状となるようにプレス加工する。プレス加工後、保持器の円周長さとなるようバンド状に切断し、切断された帯鋼を円筒状に折り曲げ、折り曲げられた帯鋼の端面同士を溶接等により接合し、熱処理工程を行い、保持器を製造する。
上記した製造工程において、帯鋼の断面形状が略V字状となるプレス加工を行うと、板厚を抑えて保持器の軽量化を図りながら、柱部の径方向の断面高さを大きく確保することができるため、次のような効果が生じる。図9は、プレス加工を行った後に、切断された帯鋼を円筒状に折り曲げる前後の径方向の断面図である。保持器104が円筒状に折り曲げられる前(図9(A))の柱部106の内径面112側の間隔は、保持器104が円筒状に折り曲げられた後(図9(B))に小さくなるため、ポケットに保持された針状ころ103が内径面112側に抜け落ちることを防止することができる。この場合、さらに、柱部106の外径面111側に、ころ抜け防止部を設けることにより、針状ころ103が外径面111側に抜け出るのを防止するようにしてもよい。また、断面高さを調整することにより、保持器104の案内を、回転軸、外輪、転動体のいずれの部材でも選択することができる。さらに、板厚を抑えて安価に製造することができるため、経済的優位性が高いものとなる。
図10は、針状ころ103が保持された保持器104が、外輪102および軸101に組み込まれた状態を示す図である。図10を参照して、断面形状が略V字状となるプレス加工を行うことにより、針状ころ103を案内するのに最も挙動が安定する位置であるPCD(Pitch Circle Diameter)105付近で、針状ころ103を案内することもできる。
なお、上記した工程により製造された保持器と同様の形状を有する針状ころ軸受の保持器が、特開2005−98368号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2005−98368号公報(段落番号0040、図2)
上記したポケット抜き工程では、打ち抜き刃を有するポンチ等で、保持器の材料に対し、ポケット形状に刃先を押し当てて打ち抜くことにより行う。この場合、打ち抜かれたポケットの側壁面、すなわち、各ポケットの間に位置する柱部の側壁面には、せん断面および破断面が発生することになる。せん断面とは、ポンチ等の打ち抜き刃の刃先によって打ち抜かれて切断される平滑な面である。また、破断面とは、ポンチ等の打ち抜き刃によって打ち抜くときに、刃先によって押し込まれた材料で引きちぎられるように切断される粗い面である。
ここで、ポケット抜き工程において、円筒状に折り曲げられたときに、内径面となる側からポケットを打ち抜くと、柱部の側壁面の外径面となる側に、破断面が位置し、内径面となる側に、せん断面が位置することになる。
図11は、この場合の保持器104の径方向の断面図であり、図12は、この場合の保持器104の軸方向の断面図である。図12において、点線で示された部分は、保持器104のポケットに保持された針状ころ103を示しており、一点鎖線は、PCD105を示す。図11および図12を参照して、内径面112側となる図中の矢印Xの方向からポケット抜きを行うと、側壁面110の内径面112側には、せん断面108が位置し、側壁面110の外径面111側には、破断面109が位置する。ここで、保持器104は略V字状にプレス加工されているため、PCD105付近においては、側壁面110の軸方向の中央部113に破断面109が位置し、側壁面110の軸方向の両端部114にせん断面108が位置することになる。
上記したように、破断面109は、材料で引きちぎられるように切断される面であるため、ころ案内とすると、PCD105付近では、針状ころ103は、側壁面110の両端部114側において、せん断面108と接触することになる。
ここで、ポケット抜き工程を行った後にV型フォーム成形を行うと、柱部の側壁面110には、周方向の肉厚の盛り上がりが発生する。この肉厚の盛り上がりは、せん断面108の平滑性を阻害するおそれがあるため、この部分でころを案内すると、ころの案内が不安定となる。
この発明の目的は、ころを安定して案内することができるころ軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、ころのスキューを低減することができるころ軸受の保持器を提供することである。
この発明に係るころ軸受は、両端面側に面取り部を有する複数のころと、ころを保持する保持器とを備える。保持器は、一対の環状部と、ころを収容するポケットを形成するように一対の環状部を連結し、その中央部が両端部よりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられた柱部とを含む。柱部の側壁面は、径方向内側に位置し、ポケットを形成するように打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面と、径方向外側に位置し、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面とを有する。ここで、柱部を内径側に折り曲げる角度は、30°以下である。
ポケット抜き工程を行った後にV型フォーム成形を行うと、柱部の側壁面には、周方向の肉厚の盛り上がりが発生する。この肉厚の盛り上がりは、せん断面の平滑性を阻害するおそれがあるため、この部分でころを案内すると、ころの案内が不安定となる。ここで、柱部を内径側に折り曲げる角度を30°以下とすることにより、V型フォーム成形時において、せん断面に生ずる肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができるため、安定してころを案内することができる。
好ましくは、軸方向の位置が柱部の折り曲げられた部分において、ころがせん断面と接触する接触部の内径面からの径方向の長さは、柱部の径方向の長さの1/4以上である。上記したように、V型フォーム成形時において、柱部の側壁面には、肉厚の盛り上がりが生ずる。この肉厚の盛り上がりは、軸方向の位置が柱部の端部側の折り曲げられた部分において、内径面側の折曲げ部が最も大きく、径方向外側に向かって小さくなる。ここで、柱部の内径面からの接触部の径方向の長さを、柱部の径方向の長さの1/4以上とすることにより、径方向内側に発生する肉厚の盛り上がりの影響を受けずに、ころとせん断面とを接触させることができる。そうすると、安定してころを案内することができる。
この発明の他の局面においては、ころ軸受の保持器は、両端面側に面取り部を有する複数のころを保持する。また、ころ軸受の保持器は、一対の環状部と、ころを収容するポケットを形成するように一対の環状部を連結し、その中央部が両端部よりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられた柱部とを含む。柱部の側壁面は、径方向内側に位置し、ポケットを形成するように打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面と、径方向外側に位置し、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面とを有する。ここで、柱部を内径側に折り曲げる角度は、30°以下である。
このようなころ軸受の保持器は、せん断面に生ずる肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができるため、ころのスキューを抑制することができる。
この発明によれば、V型フォーム成形時において、せん断面に生ずる肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができるため、安定してころを案内することができる。
また、このようなころ軸受の保持器は、せん断面に生ずる肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができるため、ころのスキューを抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係るころ軸受をシェル型針状ころ軸受として使用し、コンロッドに取り付けられた状態を示す断面図である。図2を参照して、シェル型針状ころ軸受11は、シェル型外輪12と、シェル型外輪12の内径面に沿うように配置される複数の針状ころ13と、針状ころ13を保持する保持器14とを有する。シェル型針状ころ軸受11は、コンロッド15の小端部17に圧入されている。また、コンロッド15の大端部18には、シェル型針状ころ軸受11と同じ構成のシェル型針状ころ軸受16が圧入されている。なお、針状ころ13の外径は、0.5〜2.3mmのものが用いられる。
ここで、シェル型針状ころ軸受11を構成する部材のうち、保持器14の製造方法の一例について説明する。図3は、この発明の一実施形態に係るシェル型針状ころ軸受11に含まれる保持器14の代表的な製造工程を示すフローチャートである。また、図4は、図3に示された工程のうち、代表的な製造工程を示す図である。
図3および図4を参照して、まず、保持器14の材料となる鋼板を、帯鋼の状態(図3(A))から、針状ころ13を保持するポケットを形成するためのポケット抜き工程(図3(B)、図4(A))を行う。鋼板は、板厚が0.5〜1.2mmのものを用いる。ポケット抜き工程は、ダイスおよび打ち抜き刃を有するポンチで、帯鋼に対し、ポケット形状に刃先を押し当てて打ち抜くことにより行う。ここで、ポンチの打ち抜く方向であるが、後の曲げ工程で円筒状に折り曲げたときに、内径面となる側から打ち抜きを行う。こうすることにより、最終的に製造された保持器について、内径面となる側の柱部の側壁面はせん断面となり、外径面となる側の柱部の側壁面は破断面となる。
なお、ポケット抜き工程において、側壁面には、せん断面と破断面が形成されるが、せん断面の径方向の長さは、径方向の全体の長さに対して、0.4〜0.6の割合とすることが好ましい。ポケット抜き工程において、ポンチとダイスのクリアランスを小さくすれば、せん断面の割合を多くすることができる。しかし、こうすると、ポケット抜き工程において、多量のバリが発生し、後の工程においてバリ除去を行わなければならず、コストアップの要因となってしまう。したがって、上記した割合内において、せん断面と破断面を形成するよう、ポケット抜きを行う。
次に、ポケットが打ち抜かれた帯鋼を、軸方向の断面形状が略V字状となるように成型するプレス工程(図3(C)、図4(B))を行う。ここで、略V字状とは、ポケットが打ち抜かれた帯鋼の中央部と両端部とが円筒状に折り曲げられたときに、径方向に段差が設けられるように押し曲げることをいう。これは、後に外径面となる側から内径面となる側に向かって、プレスで押圧することによって行う。したがって、プレス工程によって、柱部の中央部は、柱部の端部よりも径方向内側に凹んだ形状となる。
その後、保持器14の円周長さとなるように、帯鋼を切断する切断工程(図4(C))を行う。次に、切断された帯鋼を、シェル型外輪12の内径面に沿うような円筒状に折り曲げる曲げ工程(図3(D)、図4(D))を行い、その後、両端面を溶接等により接合する接合工程(図3(E)、図4(E))を行った後、軟窒化処理や浸炭焼入処理等の熱処理工程(図4(F))を行って、保持器14が製造される。
なお、このようにして製造された保持器14のポケットに、両端面側に面取り部を有する複数の針状ころ13を組み込み、針状ころ13が組み込まれた保持器14をシェル型外輪12に取り付け、シェル型針状ころ軸受11が製造される。
ここで、V型フォーム成形において、柱部22は、その中央部25が両端部24a、24bよりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられるが、柱部22を内径側に折り曲げる角度は、30°以下とする。
図1は、柱部22を折り曲げる角度を30°とした保持器14の断面図の一部である。一点鎖線は、PCDを示す。図1を参照して、保持器14は、一対の環状部21a、21bと、針状ころ13を収容するポケットを形成するように一対の環状部21a、21bを連結し、その中央部25が両端部24a、24bよりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられた柱部22とを含む。したがって、柱部22の中央部25は、柱部22の両端部24a、24bよりも内径面26側に位置することになる。
上述したポケット抜き工程において、内径面26側からポンチの打ち抜き刃を押し当てて打ち抜いているため、柱部22の側壁面30において、内径面26側にはせん断面28が位置し、外径面27側には破断面29が位置している。したがって、PCD31上においては、柱部22の中央部25には、外径面27側の破断面29が位置し、柱部22の両端部24a、24bには、内径面26側のせん断面28が位置することになる。
柱部22の中央部25に位置する破断面29は、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられた形状をしているため、PCD31付近においては、針状ころ13は、柱部22の両端部24a、24bに位置する平滑なせん断面28と接触することになる。
V型フォーム成形を行うと、折り曲げによる肉厚の盛り上がりが、側壁面30に発生する。この肉厚の盛り上がりは、折り曲げにより柱部22が偏肉し、余肉が盛り上がることにより生じるものであり、せん断面28の平滑性を阻害するおそれがある。したがって、この部分でころを案内すると、ころの案内が不安定となる。また、この盛り上がり量を調整することは極めて困難であり、折り曲げる角度が大きいほど、大きくなる。
ここで、柱部22を折り曲げる角度を小さくして、30°以下とすることにより、せん断面28に生ずる肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができ、針状ころ13を、安定して案内することができる。
この場合、柱部22を折り曲げる角度として、図1中に示す柱部22の端部24aの内径面26を延ばした仮想線39aと、中央部25と端部24aとの間に形成される傾斜部37の内径面26を延ばした仮想線39bとのなす角度αを、30°以下とすることにより、柱部22の折り曲げる角度を規定することにしてもよい。
図5は、図1で示す保持器14、すなわち、柱部22を折り曲げる角度を30°とした保持器14の柱部22の側壁面30のうち、軸方向において折曲げ部38a、38bが位置する部分の径方向の母線形状曲線43aを、図1中の矢印Eの方向に測定した図である。図6は、柱部22の折り曲げる角度を45°とした場合における従来の保持器14の柱部22の側壁面30のうち、図5に対応する部分の径方向の母線形状曲線43bを示す図である。図5および図6中、母線形状曲線43a、43bの左端側には、外径面27側の折曲げ部38aが位置し、母線形状曲線43a、43bの右端側には、内径面26側の折曲げ部38bが位置する。また、図5および図6中において、側壁面30のうち、せん断面28および破断面29に対応する部分を示している。
まず、図6を参照して、柱部22を折り曲げる角度を45°とすると、側壁面30の全体について、肉厚の盛り上がりの影響を受けてしまうことになる。そうすると、針状ころ13とせん断面28とが接触しても、針状ころ13を安定して案内することができない。
一方、図5を参照して、柱部22を折り曲げる角度を30°とすると、側壁面30の盛り上がりの影響は、内径面26側の一部、具体的には、折曲げ部38b側から径方向の全体の長さのおよそ20%の位置までに収まる。したがって、肉厚の盛り上がりの影響を受けない部分を確保することができる。そうすると、せん断面28のこの部分と、針状ころ13とが接触させて、針状ころ13を安定して案内することができる。
また、針状ころ13とせん断面28とが接触する接触部36の径方向の位置については、軸方向の位置が柱部22の一方の端部24a側の折り曲げられた部分、すなわち、折曲げ部38a、38bにおいて、柱部22の内径面26からの接触部36の径方向の長さFは、柱部22の径方向の長さGの1/4以上とすることが好ましい。この肉厚の盛り上がりは、軸方向の位置においては、柱部22の端部24a、24b側の折り曲げられた部分が最も大きい。さらに、その部分において、内径面26側の折曲げ部38bが最も大きく、径方向外側に向かって小さくなっていく。
ここで、内径面26側から20%以上の位置においては、せん断面28は、肉厚の盛り上がりの影響をほとんど受けていない。したがって、針状ころ13とせん断面28との接触部36の内径面26からの径方向の長さFを、柱部22の径方向の長さGの少なくとも25%以上、すなわち、柱部22の径方向の長さGの1/4以上の位置とすることにより、肉厚の盛り上がりの影響を受けていないせん断面28と、針状ころ13とを接触させることができ、針状ころ13を、安定して案内することができる。
ここで、実施例として、図5で示した柱部22の折り曲げる角度を30°とした保持器14を含むシェル型針状ころ軸受、比較例として、図6で示した柱部22の折り曲げる角度を45°とした従来の保持器14を含むシェル型針状ころ軸受について、各シェル型針状ころ軸受をコンロッドに使用して、耐焼付き性を確認する試験を実施した。試験条件は、以下の通りである。また、本試験結果を、表1に示す。
混合比 :ガソリン/潤滑オイル=50/1
運転パターン :フルスロットル
運転時間 :2時間又は焼き付くまで
Figure 2007218374
表1は、上記した試験の結果を示す表である。表1を参照して、比較例においては、シェル型針状ころ軸受10個中、8個に対して焼付きが発生した。一方、実施例においては、シェル型針状ころ軸受10個中、焼付きは発生しなかった。したがって、柱部22を折り曲げる角度を30°以下とすることにより、焼付きを防止することができる。
このようなシェル型針状ころ軸受を、たとえば、2サイクルエンジンに組み込んで運転した場合、針状ころが安定して案内されているため、針状ころのスキューが抑制される。そうすると、シェル型針状ころ軸受の横走りがなくなり、シェル型外輪の幅面とエンジンの相手部品との接触が抑えられ、焼付きを防止することができる。
なお、図7に示すように、たとえば、図中の点線で示す針状ころ13の長さの方が、ポケット23の軸方向の長さよりも極端に短いと、針状ころ13が、ポケット23の軸方向の一方の幅面34b側に、針状ころ13の一方の端面35bを当接するように片寄った場合、針状ころ13の他方の端面35a側において、針状ころ13の他方の端面35a側に設けられた面取り部32と、せん断面28のみが接触することになる。面取り部32はR形状であるため、他方の端面35a側の接触部36において針状ころ13を案内すると、針状ころ13の挙動が不安定となる。そうすると、針状ころ13のスキュー等を生じさせ、軸受のスラスト方向への横走りを招き、引いては、焼付きを生じさせるおそれがある。
したがって、針状ころ13の長さをAとし、ポケット23の軸方向の長さをBとし、針状ころ13の一方の端面35a側の面取り部32の軸方向の長さをCとし、針状ころ13の他方の端面35bをポケット23の軸方向の一方の幅面34bに当接させた場合に、針状ころ13の一方の端面35a側において、ポケット23の軸方向の他方の幅面34aからせん断面28と針状ころ13との接触する接触部36までの軸方向の長さをDとすると、D>(B−A)+Cの関係を有するよう、上記寸法関係を構成することが好ましい。
図8は、この場合の保持器14の軸方向の断面図の一部である。図8を参照して、保持器14の柱部22は、V型フォーム成形されており、柱部22のうち、軸方向の中央部25が、軸方向の両端部24a、24bよりも径方向内側に配置されている。柱部22の側壁面30のうち、内径面26側には、せん断面28が位置し、外径面27側には、破断面29が位置する。PCD31上において、側壁面30は、針状ころ13と、柱部22の両端部24a、24bに位置する平滑なせん断面28と接触することになる。
ここで、上記した寸法関係を有するよう構成することにより、針状ころ13が、ポケット23の軸方向の一方の幅面34b側に、針状ころ13の他方の端面35bを当接するように片寄った場合でも、針状ころ13の一方の端面35a側において、針状ころ13の面取り部32以外の部分、すなわち、針状ころ13のストレート部33と、柱部22の側壁面30のうちの平滑なせん断面28とが接触する部分を確保することができる。また、針状ころ13が、ポケット23の軸方向の一方の幅面34a側に、一方の端面35aを当接するように片寄った場合も同様に、針状ころ13のストレート部33と、せん断面28との接触する部分を確保することができる。そうすると、針状ころ13の両端面35a、35b側において、針状ころ13のストレート部33と側壁面30のせん断面28とを、常に接触させることができる。したがって、針状ころ13を安定して案内することができる。
なお、上記の実施の形態においては、シェル型針状ころ軸受について説明したが、これに限らず、ソリッド型針状ころ軸受であってもよい。また、ころとして、針状ころを使用したが、これに限らず、棒状ころ、円筒ころ等、他のころでも適用することができる。さらには、シェル型針状ころ軸受は、シェル型外輪を含むこととしたが、これに限らず、シェル型外輪を含まない保持器付きころ軸受についても、適用可能である。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るころ軸受およびころ軸受の保持器は、ころを安定して案内することができるため、ころのスキューを抑制し、耐焼付き性を向上させた2サイクルエンジンのコンロッド等に使用されるころ軸受およびこのようなころ軸受に使用される保持器に有効に利用できる。
柱部を折り曲げる角度を30°とした保持器の軸方向の断面図の一部である。 この発明の一実施形態に係るシェル型針状ころ軸受をコンロッドに取り付けた状態を示す断面図である。 この発明の一実施形態に係るシェル型針状ころ軸受に含まれる保持器の製造工程を示すフローチャートである。 保持器の製造工程のうち、代表的な工程を示す概略図であり、帯鋼の状態(A)、ポケット抜き工程(B)、プレス工程(C)、曲げ工程(D)、溶接工程(E)を示す。 図1に示す保持器の柱部のうち、側壁面の径方向の母線形状曲線を示す図である。 柱部を折り曲げる角度を45°とした保持器の柱部のうち、側壁面の径方向の母線形状曲線を示す図である。 ポケットの一方の幅面側にころの一方の端面が当接した場合の従来における保持器の軸方向の断面図の一部である。 この発明の一実施形態に係るシェル型針状ころ軸受に含まれる保持器の軸方向の断面図の一部である。 保持器の材料である帯鋼を円筒状に折り曲げる前(A)および折り曲げた後(B)の状態を示す径方向の断面図である。 略V字状にプレス加工を行った保持器のポケットに、針状ころを保持した状態を示した図である。 内径面側にせん断面、外径面側に破断面が位置された従来の保持器の径方向の断面図の一部である。 内径面側にせん断面、外径面側に破断面が位置された従来の保持器の軸方向の断面図の一部である。
符号の説明
11,16 シェル型針状ころ軸受、12 シェル型外輪、13 針状ころ、14 保持器、15 コンロッド、17 小端部、18 大端部、21a,21b 環状部、22 柱部、23 ポケット、24a,24b 端部、25 中央部、26 内径面、27 外径面、28 せん断面、29 破断面、30 側壁面、31 PCD、32 面取り部、33 ストレート部、34a,34b 幅面、35a,35b 端面、36 接触部、37 傾斜部、38a,38b 折曲げ部、39a,39b 仮想線、43a,43b 母線形状曲線。

Claims (3)

  1. 両端面側に面取り部を有する複数のころと、
    前記ころを保持する保持器とを備えるころ軸受であって、
    前記保持器は、一対の環状部と、前記ころを収容するポケットを形成するように前記一対の環状部を連結し、その中央部が両端部よりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられた柱部とを含み、
    前記柱部の側壁面は、径方向内側に位置し、前記ポケットを形成するように打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面と、径方向外側に位置し、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面とを有し、
    前記柱部を内径側に折り曲げる角度は、30°以下である、ころ軸受。
  2. 軸方向の位置が前記柱部の折り曲げられた部分において、前記ころが前記せん断面と接触する接触部の内径面からの径方向の長さは、前記柱部の径方向の長さの1/4以上である、請求項1に記載のころ軸受。
  3. 両端面側に面取り部を有する複数のころを保持するころ軸受の保持器であって、
    前記保持器は、一対の環状部と、前記ころを収容するポケットを形成するように前記一対の環状部を連結し、その中央部が両端部よりも径方向内側に凹んで略V字状となるように折り曲げられた柱部とを含み、
    前記柱部の側壁面は、径方向内側に位置し、前記ポケットを形成するように打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面と、径方向外側に位置し、打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面とを有し、
    前記柱部を内径側に折り曲げる角度は、30°以下である、ころ軸受の保持器。
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