JP2008202697A - 保持器付きころ - Google Patents

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【課題】ころが脱落する恐れを大きく低減した保持器付きころを提供する。
【解決手段】保持器付きころ21に備えられる保持器11は、一対のリング部12a、12bと、一対のリング部12a、12bを連結し、ころを収容するポケット13を形成するように軸方向に延びる複数の柱部14と、一対のリング部12a、12bから径方向に延びる一対の環状の鍔部と、鍔部から軸方向内方側に延びる内方側突出部18a、18bとを有する。内方側突出部18a、18bは、ポケット13に収容されたころの内径側への脱落を防止するころ脱落防止部19を含む。各柱部14は、ポケット13に収容されたころの内径側への脱落を防止する中央ころ止め部15を含む。ここで、ころ脱落防止部19の周方向の間隔Lは、中央ころ止め部15の周方向の間隔Lよりも短い。
【選択図】図1

Description

この発明は、保持器付きころに関し、特に、保持器に設けられたポケットにころが組込まれた保持器付きころに関するものである。
自動車のトランスミッションのアイドラーや、オートバイのエンジンのコンロッド(コネクティングロッド)の大端部には、保持器付きころが使用される場合がある。保持器付きころとは、外輪や内輪を含まないタイプの転がり軸受で、ころおよびころを保持する保持器から構成される。保持器付きころに含まれる保持器には、例えば、ころの安定した保持や生産性の向上等、品質向上や低コスト化が要求される。
ここで、転がり軸受に含まれる保持器のうち、その断面が略M字状であるM型保持器に関する技術が、特開2000−274439号公報(特許文献1)や特開2000−257638号公報(特許文献2)に開示されている。特許文献1に開示のM型保持器の製造方法について、簡単に説明する。まず、略M字状の基本断面形状となるよう帯状鋼材をプレス加工し、ポケット孔を開口した後、所定の周長さとなるように切断する。その後、リング状に折曲げて両端部を溶接する。このようにして、特許文献1に開示のM型保持器が製造される。また、特許文献2によると、M型保持器は、金型内部に非圧縮性流体を用いて保持器素材にバルジ加工を行い、その断面が略M字状となるよう外形形状を形成し、製造される。
特開2000−274439号公報(図2等) 特開2000−257638号公報(図1等)
特許文献1および特許文献2に代表される従来のM型保持器のうち、各ポケット間に位置する柱部の側壁面には、ころ止め部が設けられている。このころ止め部により、ポケットに収容されたころが脱落する恐れを低減している。
図11および図12は、従来におけるM型保持器を示す図である。図11は、従来におけるM型の保持器のポケット部分を、外径側から見た図である。図12は、図11に示す保持器を、図11で示すXII−XII断面で切断した場合の断面図である。また、図13および図14は、図11および図12に示すM型の保持器を備えた従来における保持器付きころを示す図である。図13は、従来における保持器付きころの斜視図である。図14は、図13に示す保持器付きころの一部を示す断面図であり、図12に対応する部分である。
図11〜図14を参照して、従来における保持器付きころの構成について、簡単に説明する。保持器付きころ111は、複数のころ112と、複数のころ112を保持する保持器101とを備える。保持器101は、一対のリング部102a、102bと、一対のリング部102a、102bを連結し、ころ112を収容するポケット103を形成するように軸方向に延びる複数の柱部104と、一対のリング部102a、102bから内径側に延びる一対の環状の鍔部107a、107bとを含む。柱部104の軸方向の中央部は、内径側に折曲げられている。保持器101の断面は、図12に示す通り、略M字状である。
各ポケット103間に位置する柱部104の側壁面には、ころ止め部が設けられている。柱部104の軸方向の中央部には、内径側へのころの脱落を防止するころ止め部105が設けられている。また、柱部104の軸方向の両端部には、外径側へのころの脱落を防止するころ止め部106が設けられている。このようなころ止め部105、106により、ポケット103に収容されたころ112が脱落する恐れを低減している。
上記した保持器付きころ111は、予めころ止め部105、106が設けられた保持器101のポケット103に、ころ112を順次組込んで製造される。具体的には、例えば、ポケット103の両側に位置する柱部104を弾性変形させ、ころ止め部105またはころ止め部106を通過させるようにして、ころ112をポケット103に組込んで、製造される。
この場合、ころ112や保持器101を損傷させることなく、ころ112をポケット103に適切に組込むためには、ポケット103の周方向の寸法を適切にする必要がある。すなわち、ポケット103の周方向の寸法が短すぎると、ころ112のポケット103への組込み時において、柱部104を塑性変形させてしまったり、ころ112を損傷させてしまう恐れがある。一方、ポケット103の周方向の寸法を長くすると、ころ112の組込み時における問題は解消する。しかし、ころ112の組込み後において、例えば、保持器付きころ111を運搬する際にころ112に何らかの外力が加わると、ころ112が容易にポケット103から脱落してしまうことになる。
ころ112がポケット103から脱落した状態で保持器付きころ111をコンロッドの大端部等の実機に使用した場合、早期にころ112が剥離してしまい、コンロッド等の機能を大幅に低下させる恐れがある。
この発明の目的は、ころが脱落する恐れを大きく低減した保持器付きころを提供することである。
この発明に係る保持器付きころは、複数のころと、ころを保持する略円筒状の保持器とを備える。保持器は、一対のリング部と、一対のリング部を連結し、ころを収容するポケットを形成するように軸方向に延びる複数の柱部と、一対のリング部から径方向に延びる一対の環状の鍔部と、各鍔部から軸方向内方側に延びる内方側突出部とを有する。各内方側突出部は、ポケットに収容されたころの径方向一方側への脱落を防止するころ脱落防止部を含む。各柱部は、中央部にポケットに収容されたころの径方向一方側への脱落を防止する中央ころ止め部を含む。ここで、ころ脱落防止部の周方向の間隔は、中央ころ止め部の周方向の間隔よりも短い。
このように構成することにより、ポケットの周方向の寸法に関わらず、ころ脱落防止部を設けることができる。また、ころ脱落防止部の周方向の間隔は、中央ころ止め部の周方向の間隔よりも短いため、ポケットに収容されたころに何らかの外力が加わり、ころが中央ころ止め部を乗り越えて径方向一方側に脱落しようとしても、ころ脱落防止部にころが引っ掛かるようにすることができる。したがって、ころの径方向一方側へのころの脱落を確実に防止することができ、ポケットに収容されたころが脱落する恐れを大きく低減することができる。
好ましくは、鍔部と内方側突出部との一対の境界のうち、一方の境界の位置から他方の境界の位置までの軸方向の長さは、ポケットの軸方向の長さよりも長い。こうすることにより、ポケットに収容されたころが軸方向に移動したとしても、まず、ころの端面がポケットの軸方向の壁面に当接することになる。したがって、ころの軸方向の移動時において、内方側突出部およびころ脱落防止部が破損する恐れを低減することができる。
さらに好ましくは、内方側突出部は、鍔部の径方向端部から延びる。このような形状の内方側突出部は、例えば、折曲げ加工によって容易に形成することができる。したがって、安価に製造することができる。
さらに好ましくは、柱部は、保持器の回転軸線と平行であって回転軸線を含む平面で切断した断面形状において、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部と、一対の延出部の軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部と、該一対の傾斜部に繋がり中央ころ止め部が形成された中央部とを含む。このような形状とすることにより、より確実にころの脱落を防止することができる。
この発明によれば、ポケットの周方向の寸法に関わらず、ころ脱落防止部を設けることができる。また、ころ脱落防止部の周方向の間隔は、中央ころ止め部の周方向の間隔よりも短いため、ポケットに収容されたころに何らかの外力が加わり、ころが中央ころ止め部を乗り越えて径方向一方側に脱落しようとしても、ころ脱落防止部にころが引っ掛かるようにすることができる。したがって、ころの径方向一方側へのころの脱落を確実に防止することができ、ポケットに収容されたころが脱落する恐れを大きく低減することができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る保持器付きころのうち、保持器付きころに備えられる保持器のポケット部分を、外径側から見た図である。図2は、図1に示す保持器付きころを、図1中のII−II断面で切断した場合の断面図である。図3は、図2に示す保持器付きころを、図2中の矢印IIIで示す方向から見た図である。図4は、図2に示す保持器付きころを、図2中のIV−IV断面で切断した場合の断面図である。なお、理解の容易の観点から、図2において、ポケットに収容されるころを二点鎖線で、ころの中心軸線を一点鎖線で示している。また、図1および図3において、ころを図示していない。
図1〜図4を参照して、保持器付きころ21は、複数のころ22と、複数のころ22を保持する略円筒状の保持器11とを備える。複数のころ22は、保持器11に設けられた複数のポケット13内に収容されている。保持器付きころ21は、その内径側に回転軸(図示せず)が配置され、回転軸を支持する。
保持器11は、一対のリング部12a、12bと、一対のリング部12a、12bを連結し、ころ22を収容するポケット13を形成するように軸方向に延びる複数の柱部14と、一対のリング部12a、12bから径方向、具体的には、内径側に延びる一対の環状の鍔部17a、17bと、一対の鍔部17a、17bから軸方向内方側に延びる一対の内方側突出部18a、18bとを有する。内方側突出部18a、18bは、一対の鍔部17a、17bの径方向端部、具体的には、内径側端部から延びている。
柱部14は、図2中の三点鎖線で示す保持器11の回転軸線23と平行であって回転軸線23を含む平面で切断した断面形状において、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部24a、24bと、一対の延出部24a、24bの軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部25a、25bと、該一対の傾斜部25a、25bを繋ぐ中央部25cとを含む(図2参照)。柱部14は、鍔部17a、17bの外径側端部に連続的に繋がり、一対の傾斜部25a、25bの各々が一対の延出部24a、24bの軸方向内方端から内径方向かつ軸方向内方側に傾斜して延び、中央部25cを含む形状である。
各ポケット13間には柱部14が位置する。各柱部14は、その端部領域、ここでは、一対の延出部24a、24bにポケット13に収容されたころ22の外径側への脱落を防止する端部ころ止め部16を含む。また、各柱部14は、中央部25cにポケット13に収容されたころ22の内径側への脱落を防止する中央ころ止め部15を含む。中央ころ止め部15および端部ころ止め部16は、柱部14の側壁面に設けられている。
中央ころ止め部15の周方向の間隔は、ポケット13の周方向の寸法よりも若干短く構成されている。これは、柱部14を弾性変形させ、中央ころ止め部15を通過させて、ポケット13内にころ22を組込むことを可能とするためである。したがって、ポケット13に収容されたころ22に何らかの外力が加わった場合、ころ22が中央ころ止め部15を乗り越えて、ポケット13の内径側から脱落する恐れがある。すなわち、中央ころ止め部15だけでは、ころ止めの機能として不十分な場合がある。
ここで、内方側突出部18a、18bは、ポケット13に収容されたころ22の内径側への脱落を防止するころ脱落防止部19を含む。すなわち、ころ脱落防止部19は、中央ころ止め部15と同じ方向へのころ22の脱落を防止する。この場合、内方側突出部18a、18bの全体が、ころ脱落防止部19となる。ころ脱落防止部19は、中央ころ止め部15よりも内径側に設けられている。また、ころ脱落防止部19は、中央ころ止め部15の軸方向外方側に設けられている。ころ脱落防止部19の周方向の間隔は、中央ころ止め部15の周方向の間隔よりも短く構成されている。具体的には、ころ脱落防止部19の周方向の間隔をLとし、中央ころ止め部15の周方向の間隔をLとすると、L<Lとする。
このように構成することにより、ポケット13の周方向の寸法に関わらず、ころ脱落防止部19を設けることができる。また、ころ脱落防止部19の周方向の間隔は、中央ころ止め部15の周方向の間隔よりも短いため、ポケット13に収容されたころ22に何らかの外力が加わり、ころ22が中央ころ止め部15を乗り越えて径方向一方側に脱落しようとしても、ころ脱落防止部19にころが引っ掛かるようにすることができる。したがって、ころ22の内径側へのころ22の脱落を確実に防止することができ、ポケット13に収容されたころ22が脱落する恐れを大きく低減することができる。この場合、内径側へのころ22の脱落を防止する中央ころ止め部15および中央ころ止め部15の軸方向外方側に設けられたころ脱落防止部19によって、内径側へのころ22の脱落の恐れを大きく低減することができる。
また、各柱部14は、その端部領域にポケット13に収容されたころ22の外径側への脱落を防止する端部ころ止め部16を含むため、外径側へのころ22の脱落を防止することができる。したがって、ころ脱落防止部19および端部ころ止め部16により、さらに確実にポケット13に収容されたころ22の径方向への脱落を防止することができる。
さらに、内方側突出部18a、18bは、鍔部17a、17bの内径側端部から延びた形状であるため、例えば、後述する折曲げ加工によって容易に形成することができる。したがって、安価に製造することができる。
さらに、上記した断面において、柱部14は、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部24a、24bと、一対の延出部24a、24bの軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部25a、25bと、該一対の傾斜部25a、25bを繋ぐ中央部25cとを含むため、ポケット13の径方向の長さを長くすることができ、より確実にころ22の脱落を防止することができる。
なお、鍔部17a、17bと内方側突出部18a、18bとの一対の境界のうち、一方の境界の位置から他方の境界の位置までの軸方向の長さは、ポケットの軸方向の長さよりも長くすることが好ましい。具体的には、鍔部17aと内方側突出部18aの境界の位置から鍔部17bと内方側突出部18bの境界の位置までの軸方向の長さをLとし、ポケット13の軸方向の長さをLとすると、L>Lとする。こうすることにより、ポケット13に収容されたころ22が軸方向に移動したとしても、まず、ころ22の端面がポケット13の軸方向の壁面に当接することになる。したがって、ころ22の軸方向の移動時における内方側突出部18a、18bおよびころ脱落防止部19が破損する恐れを低減することができる。
次に、上記した保持器付きころ21の製造方法について説明する。図5は、保持器付きころ21の製造方法のうち、代表的な工程を示すフローチャートである。また、図6(A)〜(D)は、保持器付きころ21に備えられる保持器11の素材となる鋼板を、中間体である円筒状部材にするまでの代表的な工程を示す概略断面図である。なお、図6(A)は、深絞り工程、図6(B)は、穴開け工程、図6(C)は、バーリング工程、図6(D)は、トリミング工程を示す。
図5および図6を参照して、まず、保持器11の使用材料、すなわち、素材となる鋼板26を準備する。鋼板26は、硬度や加工性等、保持器11に要求される特性、熱処理方法等により、種々の鋼板26が選択される。
次に、プレス加工により、鋼板26の深絞り加工を行い、鋼板26をカップ状に加工する(図5(A)、図6(A))。次に、カップ状の底部27の穴開けを行う(図5(B)、図6(B))。その後、バーリング加工により、鍔部28aが存在する穴開けした側の側部29を軸方向に真直ぐな形状にする(図5(C)、図6(C))。次に、トリミング加工により、鍔部28bが存在する側の側部29を軸方向に真直ぐな形状にする(図5(D)、図6(D))。このようにして、側部29が軸方向に真直ぐな形状の円筒状部材31を形成する。このように、円筒状部材31を製造することにより、板厚、すなわち、側部29の厚みをほぼ均一とした円筒状部材31を、容易に製造することができる。
次に、ポケット形状に開口するように円筒状部材31を打抜いてポケットを形成し(図5(E))、円筒状部材31を、その断面がM字状となるように折曲げる(図5(F))。具体的には、上記した断面において、柱部が、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部と、一対の延出部の軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部と、該一対の傾斜部を繋ぐ中央部とを含むように折曲げる。このとき、ポケット間に位置する柱部の側壁面のうち、軸方向の中央部および両端部に、中央ころ止め部および端部ころ止め部が形成される。
ここで、M字状に折曲げる際には、内径側に延びる部分を軸方向内方側に折曲げて、内方側突出部を形成することが可能となるように、M字状に折曲げる。
次に、内径側に延びる部分を所定の形状に打抜いて内径側に延びる突出部を形成する(図5(G))。この場合、略矩形の櫛歯状等、突出部を折曲げて形成されるころ脱落防止部の周方向の間隔が、中央ころ止め部の周方向の間隔よりも短くなるような形状となるように打抜く。
図7は、この状態における円筒状部材31の一部を示す断面図であり、図1に対応する部分である。図8は、図7に示す円筒状部材31を、図7中の矢印VIIIで示す方向から見た図である。図7および図8を参照して、円筒状部材31は、一対のリング部32a、32bと、一対のリング部32a、32bを連結し、ころ22を収容するポケット33を形成するように軸方向に延びる複数の柱部34と、一対のリング部32a、32bから内径側に延びる一対の環状の鍔部37a、37bとを有する。
柱部34には、中央ころ止め部35および端部ころ止め部36が設けられている。また、内径側に延びる突出部38は、鍔部37a、37bが略矩形の櫛歯状となるように打抜かれて、形成されている。この場合、突出部38の周方向の位置が、柱部34の周方向の位置となり、突出部38の周方向の間隔が、中央ころ止め部35の周方向の間隔よりも短くなるような形状に打抜かれている。
その後、熱処理工程において、円筒状部材31に浸炭焼入等の熱処理を行う(図5(H))。なお、突出部38については、後の工程において折曲げる必要があるため、高周波焼戻し等の焼戻し処理を行う。
次に、ポケット33にころ22を収容する(図5(I))。この場合、柱部34を弾性変形させ、中央ころ止め部35を通過するようにして、内径側からころ22をポケット33に組込み、収容する。
次に、内径側に延びる突出部38を、軸方向内方側、すなわち、ポケット33側に折曲げて内方側突出部を設け、ころ脱落防止部を形成する(図5(J))。この場合、上記した突出部形成工程において、図8に示すように略矩形の櫛歯状に突出部38が打抜かれており、突出部38が周方向に拘束されていないため、容易に各突出部38を折曲げることができる。このようにして、上記した構成の保持器付きころを製造する。
なお、上記の実施の形態においては、中央ころ止め部の内径側にころ脱落防止部が設けられた保持器について説明したが、これに限らず、中央ころ止め部の外径側にころ脱落防止部が設けられた保持器についても適用される。図9は、この場合における保持器付きころの一部を示す断面図であり、図2に対応する部分である。
図9を参照して、保持器付きころ51は、複数のころ52と、保持器41とを備える。保持器41は、一対のリング部42a、42bと、一対のリング部42a、42bを連結し、ころ52を収容するポケット43を形成するように軸方向に延びる複数の柱部44と、一対のリング部42a、42bから外径側に延びる一対の環状の鍔部47a、47bと、一対の鍔部47a、47bから軸方向内方側に延びる一対の内方側突出部48a、48bとを有する。内方側突出部48a、48bは、一対の鍔部47a、47bの外径側端部から延びている。
図9に示す断面において、柱部44は、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部と、一対の延出部の軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部と、該一対の傾斜部を繋ぐ中央部とを含む。柱部44は、鍔部47a、47bの内径側端部に連続的に繋がり、一対の傾斜部の各々が一対の延出部の軸方向内方端から外径方向かつ軸方向内方側に傾斜して延び、中央部を含む形状である。
各柱部44は、その端部領域、ここでは、一対の延出部にポケット43に収容されたころ52の内径側への脱落を防止する端部ころ止め部46を含む。また、各柱部44は、中央部にポケット43に収容されたころ22の外径側への脱落を防止する中央ころ止め部45を含む。なお、この場合、柱部44を弾性変形させ、中央ころ止め部45を通過するようにして、外径側からころ52をポケット43に組込んで、収容している。
ここで、内方側突出部48a、48bは、ポケット43に収容されたころ52の外径側への脱落を防止するころ脱落防止部49を含む。ころ脱落防止部49は、中央ころ止め部45よりも外径側に設けられている。また、ころ脱落防止部49は、中央ころ止め部45の軸方向外方側に設けられている。ころ脱落防止部49の周方向の間隔は、中央ころ止め部45の周方向の間隔よりも短く構成されている。
このように構成することにより、上記と同様、ポケット43の周方向の寸法に関わらず、ころ脱落防止部49を設けることができる。また、ころ脱落防止部49の周方向の間隔は、中央ころ止め部45の周方向の間隔よりも短いため、ポケット43に収容されたころ52に何らかの外力が加わり、ころ52が中央ころ止め部45を乗り越えて外径側に脱落しようとしても、ころ脱落防止部49にころ52が引っ掛かるようにすることができる。したがって、ころ52の外径側へのころ52の脱落を確実に防止することができ、ポケット43に収容されたころ52が脱落する恐れを大きく低減することができる。この場合、外径側へのころ52の脱落を防止する中央ころ止め部45および中央ころ止め部45の軸方向外方側に設けられたころ脱落防止部49によって、外径側へのころ52の脱落の恐れを大きく低減することができる。
上記した構成の保持器付きころは、例えば、オートバイのエンジンのコンロッドの大端部や自動車のトランスミッションのアイドラーに有効に利用される。図10は、コンロッドの大端部に、上記した保持器付きころを使用した2輪用エンジンの縦断面図である。図10を参照して、2輪用エンジン61は、回転運動を出力するクランク軸64と、混合気の燃焼により直線往復運動を行うピストン66と、クランク軸64とピストン66とを連結し、直線往復運動を回転運動に変換するコンロッド65とを有する。クランク軸64は、回転中心軸71を中心に回転し、バランスウェイト72によって回転のバランスをとっている。
コンロッド65は、直線状棒体の下方に大端部74を、上方に小端部75を設けたものからなる。クランク軸64は、コンロッド65の大端部74に、ピストン66とコンロッド65を連結するピストンピン73は、コンロッド65の小端部75に、それぞれ保持器付きころ67を介して回転自在に支持されている。
ガソリンと潤滑油とを混合した混合気は、吸気孔68からクランク室63へ送り込まれてから、ピストン66の上下動作に応じてシリンダ62の上方の燃焼室70へ導かれ燃焼される。燃焼された排気ガスは排気孔69から排出される。
上記したコンロッド65の大端部74に設けられた係合穴に取り付けられ、回転軸としてのクランク軸64を支持する保持器付きころ67には、上記した構成の保持器付きころ67が使用される。ここで、回転軸としてのクランク軸64の支持構造は、コンロッド65と、クランク軸64とを含み、クランク軸64は、コンロッド65の大端部74に設けられた係合穴に取り付けられた保持器付きころ67によって支持される。
このような保持器付きころ67を備える回転軸の支持構造は、ころがポケットから脱落する恐れを低減することができるため、早期にころが剥離する恐れを低減することができる。したがって、このような回転軸の支持構造は、機能の大幅な低下を防止することができる。
なお、上記の実施の形態においては、保持器の中間体となる円筒状部材を鋼板から深絞り等することにより得ることにしたが、これに限らず、パイプ材等を切り出した円筒状部材や、鋼板を切り出して円筒状に折曲げ、端部同士を溶接した円筒状部材、削り出しによる円筒状部材を中間体としてもよい。さらには、プレス加工が可能な材料を用いた、いかなる保持器にも適用される。
また、ポケット形成工程は、トランスファプレスにより行ってもよい。こうすることにより、トランスファプレスにより、ポケット形成工程と他の工程とを一貫して行うことができる。したがって、安価に製造することができる。
なお、上記の実施の形態においては、ポケットを形成した後に円筒状部材に突出部を形成することにしたが、これに限らず、予め略矩形の櫛歯状の突出部を有する円筒状部材を中間体として用いてもよい。
また、上記の実施の形態においては、熱処理を施し、ころを収容した後にころ脱落防止部を形成する構成としたが、これに限らず、熱処理の前にころを収容してころ脱落防止部を形成し、その後、ころおよび保持器に対して熱処理を行ってもよい。こうすることにより、突出部の焼戻し工程を省略することができるため、さらに安価に保持器付きころを製造することができる。
なお、上記の実施の形態においては、保持器付きころは、上記した断面形状において、その断面が略M字状の保持器を備えることとしたが、これに限らず、例えば、その断面が略V字状の保持器や、その他の断面形状の保持器についても適用される。
また、上記の実施の形態においては、径方向に延びる突出部を軸方向内方側に折曲げてころ脱落防止部を形成することにしたが、これに限らず、軸方向内方側に延びる部材を新たに取付け、これによりころ脱落防止部を形成することにしてもよい。さらに、内方側突出部は鍔部の径方向端部から延びる形状としたが、これに限らず、鍔部の径方向の中間部分から延びる形状としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、ころ脱落防止部は、内方側突出部の全体となる構成としたが、これに限らず、ころ脱落防止部は、内方側突出部の一部に設ける構成としてもよい。
また、上記した構成の保持器付きころに内輪や外輪等の軌道輪を備えた転がり軸受についても適用される。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る保持器付きころは、自動車のトランスミッションのアイドラーやオートバイのエンジンのコンロッドの大端部に有効に利用される。
この発明の一実施形態に係る保持器付きころのうち、保持器のポケット部分を外径側から見た図である。 この発明の一実施形態に係る保持器付きころの一部を示す断面図である。 図2に示す保持器付きころを、図2中の矢印IIIで示す方向から見た図である。 図2に示す保持器付きころを、図2中のIV−IV断面で切断した場合の断面図である。 この発明の一実施形態に係る保持器付きころの製造方法のうち、代表的な製造工程を示すフローチャートである。 鋼板から円筒状部材を形成する工程を示す概略断面図であり、(A)深絞り工程、(B)穴開け工程、(C)バーリング工程、(D)トリミング工程を示す。 M字状に折曲げた状態の円筒状部材の一部を示す断面図である。 図7に示す円筒状部材を、図7中の矢印VIIIで示す方向から見た図である。 ころ脱落防止部が中央ころ止め部の外径側に設けられた保持器付きころの一部を示す断面図である。 コンロッドの大端部に保持器付きころを使用した2輪用エンジンの縦断面図である。 従来におけるM型保持器の一部を外径側から見た図である。 図11に示す保持器を図11中のXII−XII断面で切断した場合の断面図である。 従来における保持器付きころを示す斜視図である。 図13に示す保持器付きころの一部を示す断面図である。
符号の説明
11,41 保持器、12a,12b,32a,32b,42a,42b リング部、13,33,43 ポケット、14,34,44 柱部、15,35,45 中央ころ止め部、16,36,46 端部ころ止め部、17a,17b,28a,28b,37a,37b,47a,47b 鍔部、18a,18b,48a,48b 内方側突出部、19,49 ころ脱落防止部、21,51,67 保持器付きころ、22,52 ころ、23 回転軸線、24a,24b 延出部、25a,25b 傾斜部、25c 中央部、26 鋼板、27 底部、29 側部、31 円筒状部材、38 突出部、61 2輪用エンジン、62 シリンダ、63 クランク室、64 クランク軸、65 コンロッド、66 ピストン、68 吸気孔、69 排気孔、70 燃焼室、71 回転中心軸、72 バランスウェイト、73 ピストンピン、74 大端部、75 小端部。

Claims (4)

  1. 複数のころと、前記ころを保持する略円筒状の保持器とを備える保持器付きころであって、
    前記保持器は、一対のリング部と、一対の前記リング部を連結し、前記ころを収容するポケットを形成するように軸方向に延びる複数の柱部と、一対の前記リング部から径方向に延びる一対の環状の鍔部と、前記各鍔部から軸方向内方側に延びる内方側突出部とを有し、
    前記各内方側突出部は、前記ポケットに収容された前記ころの径方向一方側への脱落を防止するころ脱落防止部を含み、
    前記各柱部は、中央部に前記ポケットに収容された前記ころの径方向一方側への脱落を防止する中央ころ止め部を含み、
    前記ころ脱落防止部の周方向の間隔は、前記中央ころ止め部の周方向の間隔よりも短い、保持器付きころ。
  2. 前記鍔部と前記内方側突出部との一対の境界のうち、一方の前記境界の位置から他方の前記境界の位置までの軸方向の長さは、前記ポケットの軸方向の長さよりも長い、請求項1に記載の保持器付きころ。
  3. 前記内方側突出部は、前記鍔部の径方向端部から延びる、請求項1または2に記載の保持器付きころ。
  4. 前記柱部は、前記保持器の回転軸線と平行であって前記回転軸線を含む平面で切断した断面形状において、軸方向外方側から内方側へ延びる一対の延出部と、前記一対の延出部の軸方向内方端から径方向に傾斜して延びる一対の傾斜部と、該一対の傾斜部に繋がり前記中央ころ止め部が形成された中央部とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の保持器付きころ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106090018A (zh) * 2016-06-25 2016-11-09 瓦房店爱国轴承研究院有限公司 多重锁量大型尼龙保持架

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