JP2007218322A - 転がり軸受 - Google Patents

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Akira Sugiyama
彰 杉山
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Abstract

【課題】転動疲労寿命を十分に延長でき、かつ、低騒音性を満足する転がり軸受を提供することである。
【解決手段】転動疲労に対してより厳しい負荷条件となる内輪1は、SUJ3の素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れし、160〜190℃の温度範囲に焼戻しして、表層部が硬くて高靭性の金属組織のものとし、転動疲労に対して内輪1よりも緩い負荷条件となる外輪2は、同じ素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻しし、内輪1よりは表面硬度と靭性が少し低い金属組織のものとすることにより、研削加工が非常に難しい外輪2の内径面の軌道面2aにおける加工精度の低下を防止して、転動疲労寿命を十分に延長でき、かつ、低騒音性を満足する転がり軸受を提供できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に関し、特に、小型モータのロータ軸を支持するモータ用軸受に好適な転がり軸受に関する。
自動車用補機、IT機器、各種精密機器等に用いられる小型モータは、これらの機器のコンパクト化に伴って益々小型化しており、これらの小型モータのロータ軸を支持するモータ用転がり軸受もダウンサイジングが要求されている。また、これらの用途の小型モータは、騒音を嫌う環境で使用されるので、そのモータ用転がり軸受にも低騒音性が要求される。
このようなモータ用転がり軸受は、小さな軸受寸法の割には高い負荷を受けるので、軸受をダウンサイジングするほど、内外輪と転動体との転動接触圧力が高くなり、内外輪の軌道面に転動疲労によるフレーキング等の表面損傷が発生しやすくなって、軸受寿命が短くなる。
転がり軸受の転動疲労寿命を延長する手段としては、少なくとも内輪と外輪の素材を、質量比にして、C:0.8〜1.2%、Si:0.4〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%およびCr:0.2〜1.2%の合金元素を含有する合金鋼、または、これらのほかにMo:0.3%以下を添加した合金鋼で形成し、これらの素材を、浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れし、160〜190℃の温度範囲に焼戻しして、表層部の残留オーステナイト量を25〜50%とする手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたものでは、焼入れ時の冷却条件を、300℃から150℃までの温度範囲における冷却能Hを0.2cm−1以下に制御して、マルテンサイト変態過程での焼入れに伴う亀裂敏感性を低減することも推奨している。
なお、前記合金鋼の組成について、C:0.8〜1.2%としたのは、基本的に焼入れ焼戻しにより表層部を硬化するため、Si:0.4〜1.0%としたのは、表層部の残留オーステナイト量を25%以上に高めるため、Mn:0.8〜1.5%としたのは、焼入れ性を確保して芯部まで焼入れすることと、焼入れ焼戻し過程での残留オーステナイトを安定化して表層部の残留オーステナイト量を高めるため、Cr:0.2〜1.2%としたのは、微細な炭化物を形成するためであり、このような成分組成の範囲に入る合金鋼としては、高炭素クロム軸受鋼SUJ3がある。また、Mo:0.3%以下の添加は、さらに焼入れ性を改善するためであり、この成分組成の範囲に入る合金鋼としては、高炭素クロム軸受鋼SUJ5がある。
特開平7−190072号公報
特許文献1に記載された転がり軸受は、上述したモータ用軸受に適用しても転動疲労寿命を延長することができるが、前記浸炭窒化処理後に830〜870℃から焼入れし、160〜190℃の温度範囲に焼戻しした合金鋼は、表層部が硬くてねばり強い高靭性の金属組織となるので、研削抵抗が大きくなって研削加工が難しくなる。
特に、内径面に軌道面を加工する必要がある外輪は、研削工具の腕部が長くなるとともに、腕部に屈曲部が設けられるので研削加工がさらに難しくなり、軌道面の加工精度が低下する問題がある。このため、軸受回転に伴う音響が大きくなり、低騒音性が要求されるモータ用軸受には使用できない問題がある。
そこで、本発明の課題は、転動疲労寿命を十分に延長でき、かつ、低騒音性を満足する転がり軸受を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を配列し、少なくとも前記内輪と外輪の素材を、質量比にして、C:0.8〜1.2%、Si:0.4〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%およびCr:0.2〜1.2%の合金元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金鋼、または、これらの合金元素のほかにMo:0.3%以下を添加した合金鋼で形成した転がり軸受において、前記内輪を、前記素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れして、160〜190℃の温度範囲に焼戻ししたものとし、前記外輪を、前記素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻ししたものとした構成を採用した。
すなわち、円周方向で凹曲面となる外輪の軌道面は、円周方向で凸曲面となる内輪の軌道面よりも、転動体との弾性接触圧力が低くなることを考慮して、転動疲労に対してより厳しい負荷条件となる内輪は、素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れし、160〜190℃の温度範囲に焼戻しして、前述したように、表層部が硬くて高靭性の金属組織のものとし、転動疲労に対して内輪よりも緩い負荷条件となる外輪は、同じ素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻しし、内輪よりは表面硬度と靭性が少し低い金属組織のものとすることにより、研削加工が非常に難しい外輪の内径面の軌道面での加工精度の低下を防止して、転動疲労寿命を十分に延長でき、かつ、低騒音性を満足する転がり軸受を提供できるようにした。
なお、前記外輪の金属組織は、内輪のように浸炭窒化処理なしでも、焼入れ温度を850〜880℃と内輪の場合よりも高くすることにより、表層部の硬さの不足分を補うとともに、残留オーステナイト量も内輪の場合とほぼ同等の25%以上とすることができる。
上述した転がり軸受は、モータのロータ軸を支持するモータ用軸受に好適である。
本発明の転がり軸受は、転動疲労に対してより厳しい負荷条件となる内輪は、前記素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れし、160〜190℃の温度範囲に焼戻しして、表層部が硬くて高靭性の金属組織のものとし、転動疲労に対して内輪よりも緩い負荷条件となる外輪は、同じ素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻しし、内輪よりは表面硬度と靭性が少し低い金属組織のものとしたので、研削加工が非常に難しい外輪の内径面の軌道面での加工精度の低下を防止して、転動疲労寿命を十分に延長でき、かつ、低騒音性を満足する転がり軸受を提供することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この転がり軸受は小型モータのロータ軸を支持する深溝玉軸受であり、図1に示すように、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に、転動体としての複数のボール3が保持器4に保持されて配列されている。
前記内輪1、外輪2およびボール3は、いずれも素材を高炭素クロム軸受鋼SUJ3(C:0.95〜1.1%、Si:0.4〜0.7%、Mn:0.9〜1.15%、Cr:0.9〜1.2%)とし、内輪1とボール3は、この素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れして、160〜190℃の温度範囲に焼戻され、外輪2は、この素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻されている。
実施例として、上述したように、素材をいずれもSUJ3として、内輪とボールは、素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れして、160〜190℃の温度範囲に焼戻しし、外輪は、素材をそのまま850〜880℃から焼入れした深溝玉軸受を用意した。比較例として、外輪も、内輪やボールと同様に、SUJ3の素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れして、160〜190℃の温度範囲に焼戻した深溝玉軸受を用意した。これらの実施例と比較例の深溝玉軸受について、外輪の軌道面の真円度測定と、音響測定試験とを行なった。軸受寸法は、いずれも外径72mm、内径30mm、幅19mmである。
図2は、外輪の軌道面の真円度測定結果を示す。比較例の真円度が2.1μmであるのに対して、実施例の真円度は1.2μmであり、真円度が大幅に改善されていることが分かる。
前記音響測定試験は、試験軸受を回転試験機に取り付けて、アキシアル荷重を負荷しながら回転させ、試験軸受から100mmの位置にセットした集音マイクで音響値を測定する方法で行なった。試験条件は以下の通りである。なお、実施例と比較例の試験軸受のサンプル数は10個ずつとした。
・アキシアル荷重:39.2N
・回転速度 :1800rpm
Figure 2007218322
表1に、音響測定試験結果を示す。比較例の音響値の平均が59dBであるのに対して、実施例の音響値の平均は55dBと約10%低減されており、低騒音性が優れていることが分かる。
上述した実施形態では、転がり軸受を深溝玉軸受としたが、本発明に係る転がり軸受は、ころ軸受等の他のタイプの転がり軸受にも適用することができる。
転がり軸受の実施形態を示す縦断面図 実施例と比較例の真円度測定結果を示すグラフ
符号の説明
1 内輪
2 外輪
1a、2a 軌道面
3 ボール
4 保持器

Claims (2)

  1. 内輪と外輪の軌道面間に複数の転動体を配列し、少なくとも前記内輪と外輪の素材を、質量比にして、C:0.8〜1.2%、Si:0.4〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%およびCr:0.2〜1.2%の合金元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金鋼、または、これらの合金元素のほかにMo:0.3%以下を添加した合金鋼で形成した転がり軸受において、前記内輪を、前記素材を浸炭窒化処理した後、830〜870℃から焼入れして、160〜190℃の温度範囲に焼戻ししたものとし、前記外輪を、前記素材をそのまま850〜880℃から焼入れして焼戻ししたものとしたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記転がり軸受が、モータのロータ軸を支持するモータ用軸受である請求項1に記載の転がり軸受。
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