JPS6229487B2 - - Google Patents
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- JPS6229487B2 JPS6229487B2 JP8169577A JP8169577A JPS6229487B2 JP S6229487 B2 JPS6229487 B2 JP S6229487B2 JP 8169577 A JP8169577 A JP 8169577A JP 8169577 A JP8169577 A JP 8169577A JP S6229487 B2 JPS6229487 B2 JP S6229487B2
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- Japan
- Prior art keywords
- suj
- less
- temperature
- bearing
- quenching
- Prior art date
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- Expired
Links
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Landscapes
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
本発明は、熱処理された転がり軸受用鋼部品即
ち、転がり軸受用転動体或いは軌道輪に関する。
特にこの転がり軸受用鋼部品は、軸受鋼の内焼入
性の良好なSUJ−3及びSUJ−3にMoを添加し
たSUJ−3の改良鋼種であるSUJ−5を素材とし
ており、寸法的には、転動体であれば約30mm以下
の中物小物、軌道輪であれば半径方向厚みが約25
mm以下の比較的薄物を対象とし、その使用寿命の
向上を意図するものである。 一般に、転がり軸受の転動体或いは軌道輪に
は、特別なものは除いで通常表1に示す如き高炭
素クロム軸受鋼が使用されている。
ち、転がり軸受用転動体或いは軌道輪に関する。
特にこの転がり軸受用鋼部品は、軸受鋼の内焼入
性の良好なSUJ−3及びSUJ−3にMoを添加し
たSUJ−3の改良鋼種であるSUJ−5を素材とし
ており、寸法的には、転動体であれば約30mm以下
の中物小物、軌道輪であれば半径方向厚みが約25
mm以下の比較的薄物を対象とし、その使用寿命の
向上を意図するものである。 一般に、転がり軸受の転動体或いは軌道輪に
は、特別なものは除いで通常表1に示す如き高炭
素クロム軸受鋼が使用されている。
【表】
表1においてSUJ−2は焼入性が低く、SUJ−
3はSUJ−2よりも焼入性が良好である。SUJ−
5はSUJ−3にMoを加えたSUJ−3系の改良鋼
種でSUJ−3以上の焼入性を有している。軸受鋼
にはSUJ−1〜5があり、SUJ−1は焼入性が最
も低く、SUJ−4はSUJ−2にMoを添加したSUJ
−2系の改良鋼種でSUJ−2とSUJ−3の中間の
焼入性を示す。 ところで、従来の各軸受鋼種の使用状況は、平
均肉厚約30mm以上の比較的厚物即ち大型軸受に対
してSUJ−3或いはSUJ−5が用いられ、平均肉
厚30mm以下の比較的薄物即ち中型軸受及び小型軸
受に対しては焼割れ防止の観点から焼入性の低い
SUJ−2或いはSUJ−4が用いられている。その
上、焼入性の低いSUJ−2の場合であつても、薄
物の場合には、更に焼入性を低めるために必要に
応じて焼入温度を下げる等の処置が講じられてい
る。 本発明は、上記従来技術の上にたつて、比較的
に薄物の軸受用部品からなる軸受に、SUJ−3或
いは同系列のSUJ−5の如き焼入性が良い材料を
用いて、焼割れを防ぎつつ使用寿命の向上を果た
す特定の熱処理条件を施した長寿命の軸受製品を
提供せんとするものである。 以下本発明の構成を実施例について説明する。 本発明は、比較的薄物の中型軸受及び小型軸受
の場合、焼割れ防止の観点から従来はタブー視さ
れて用いられていなかつたSUJ−3或いはSUJ−
5の材料を用い、更には従来の焼入方法と逆行す
るSUJ−3或いはSUJ−5の通常の焼入温度790
〜830℃より高い焼入温度850〜880℃で焼入し、
かつ、その冷却条件を300〜150℃の温度範囲のみ
0.2cm-1以下の冷却能で熱処理を行うことにより
大巾な使用寿命の増加を果たしたことを特徴とす
るものである。本発明によつて熱処理される転が
り軸受用鋼部品は、転動体の場合は約30mm径以
下、軌道輪の場合は半径方向厚み約25mm以下とす
る。即ち、その理由は、転動体の場合、従来は25
mm径以下がSUJ−2使用の範囲とされていたの
が、近年鋼の改良が進み、約30〜35mm径のもので
もSUJ−2が適用出来ることが明らかにされてい
ることによる。尚、「鋼の熱処理」日本鉄鋼協会
編、丸善、昭和44年発行の第424頁の表8・2鋼
種とベアリングの使用区分によればSUJ−2とし
て径35〜40mm以下の球に適用できると紹介されて
いる。他方、軌道輪を約25mm以下の肉厚としたの
は、現実の対象製品が全て約25mm以下であること
と軌道輪の場合は肉厚が厚くなるとその径が大き
くなるため、例えば肉厚30mm以上の場合はSUJ−
3を使用するからである。 一方、従来のSUJ−2の使用に代えてSUJ−3
或いはSUJ−5を使用するのは、残留オーステナ
イト量を増加させるこが寿命増加に寄与し、この
残留オーステナイト組織の安定化に寄与する
Mn、Siの含有量がSUJ−2に比べ、SUJ−3或
いはSUJ−5の方が多く、しかも、SUJ−2では
焼入温度の如何にかかわらず、残留オーステナイ
ト量を安定して25%以上にすることができないた
めである。 また、ころのきれつ敏感値がS≦3ならば、使
用中にころ割れなどの短寿命が発生しないことが
立証されており、寿命を増加させるには、きれつ
敏感値Sを3以下にする必要がある。このきれつ
敏感値を小さくするには、焼入温度を低くし、か
つ、焼入冷却過程でのマルテンサイト変態温度付
近(300〜150℃)での冷却能を低くするのが良い
のであるが、前述したように、残留オーステナイ
ト量を増加させるには、焼入温度を高くする必要
があるという相反条件があり、SUJ−3或いは
SUJ−5の通常の焼入れ温度790〜830℃の範囲で
焼入を行うと、残留オーステナイト量の増加が不
確実であり、而して、焼入温度を900℃とした場
合では、残留オーステナイト量を確実に増加させ
得るが、きれつ敏感値が高くなり、マルテンサイ
ト変態温度付近での冷却能を0.01cm-1と低くして
みても、きれつ敏感値が3以下にならない。とこ
ろが、焼入温度を850〜880℃の範囲にすると、残
留オーステナイト量を25%以上に増加させること
が確実に得られると共に、マルテンサイト変態温
度付近での冷却能をH=0.2cm-1以下にすると、
きれつ敏感値を3以下にすることができ、寿命を
大幅に増加させ得る。 そこで、本軸受の焼入冷却は焼入温度850〜880
℃、冷却温度範囲300〜150℃を冷却能H=0.2cm
-1以下で行う。即ち、油、ソルト、水溶性冷却剤
等により焼入を行い、冷却途上(300〜150℃)、
冷却能H<0.2(cm-1)には次のように制御する。 油焼入の場合は油温を出来るだけ高く上げ
(120〜150℃)弱撹拌冷却を行う。ソルト焼入の
場合は230〜280℃ソルト中に浸漬冷却し、引上げ
後空冷する。次に、水溶性冷却剤を用いた場合は
液温20〜30℃水溶性冷却剤で弱撹拌し引上げ温度
を上げて行う。 以下、本発明品の緒特性を調査例により詳細に
説明する。 (1) 転動疲労寿命 SUJ−2VP材、SUJ−3VP材(真空脱ガス
材)を使用して焼入加熱温度、冷却材の冷却能
を変えた場合の12φ円筒転動疲労試験の結果を
表2に、実際の軸受で軸受型番が6206、6306を
使用した転動疲労寿命試験の結果を表3に示
す。
3はSUJ−2よりも焼入性が良好である。SUJ−
5はSUJ−3にMoを加えたSUJ−3系の改良鋼
種でSUJ−3以上の焼入性を有している。軸受鋼
にはSUJ−1〜5があり、SUJ−1は焼入性が最
も低く、SUJ−4はSUJ−2にMoを添加したSUJ
−2系の改良鋼種でSUJ−2とSUJ−3の中間の
焼入性を示す。 ところで、従来の各軸受鋼種の使用状況は、平
均肉厚約30mm以上の比較的厚物即ち大型軸受に対
してSUJ−3或いはSUJ−5が用いられ、平均肉
厚30mm以下の比較的薄物即ち中型軸受及び小型軸
受に対しては焼割れ防止の観点から焼入性の低い
SUJ−2或いはSUJ−4が用いられている。その
上、焼入性の低いSUJ−2の場合であつても、薄
物の場合には、更に焼入性を低めるために必要に
応じて焼入温度を下げる等の処置が講じられてい
る。 本発明は、上記従来技術の上にたつて、比較的
に薄物の軸受用部品からなる軸受に、SUJ−3或
いは同系列のSUJ−5の如き焼入性が良い材料を
用いて、焼割れを防ぎつつ使用寿命の向上を果た
す特定の熱処理条件を施した長寿命の軸受製品を
提供せんとするものである。 以下本発明の構成を実施例について説明する。 本発明は、比較的薄物の中型軸受及び小型軸受
の場合、焼割れ防止の観点から従来はタブー視さ
れて用いられていなかつたSUJ−3或いはSUJ−
5の材料を用い、更には従来の焼入方法と逆行す
るSUJ−3或いはSUJ−5の通常の焼入温度790
〜830℃より高い焼入温度850〜880℃で焼入し、
かつ、その冷却条件を300〜150℃の温度範囲のみ
0.2cm-1以下の冷却能で熱処理を行うことにより
大巾な使用寿命の増加を果たしたことを特徴とす
るものである。本発明によつて熱処理される転が
り軸受用鋼部品は、転動体の場合は約30mm径以
下、軌道輪の場合は半径方向厚み約25mm以下とす
る。即ち、その理由は、転動体の場合、従来は25
mm径以下がSUJ−2使用の範囲とされていたの
が、近年鋼の改良が進み、約30〜35mm径のもので
もSUJ−2が適用出来ることが明らかにされてい
ることによる。尚、「鋼の熱処理」日本鉄鋼協会
編、丸善、昭和44年発行の第424頁の表8・2鋼
種とベアリングの使用区分によればSUJ−2とし
て径35〜40mm以下の球に適用できると紹介されて
いる。他方、軌道輪を約25mm以下の肉厚としたの
は、現実の対象製品が全て約25mm以下であること
と軌道輪の場合は肉厚が厚くなるとその径が大き
くなるため、例えば肉厚30mm以上の場合はSUJ−
3を使用するからである。 一方、従来のSUJ−2の使用に代えてSUJ−3
或いはSUJ−5を使用するのは、残留オーステナ
イト量を増加させるこが寿命増加に寄与し、この
残留オーステナイト組織の安定化に寄与する
Mn、Siの含有量がSUJ−2に比べ、SUJ−3或
いはSUJ−5の方が多く、しかも、SUJ−2では
焼入温度の如何にかかわらず、残留オーステナイ
ト量を安定して25%以上にすることができないた
めである。 また、ころのきれつ敏感値がS≦3ならば、使
用中にころ割れなどの短寿命が発生しないことが
立証されており、寿命を増加させるには、きれつ
敏感値Sを3以下にする必要がある。このきれつ
敏感値を小さくするには、焼入温度を低くし、か
つ、焼入冷却過程でのマルテンサイト変態温度付
近(300〜150℃)での冷却能を低くするのが良い
のであるが、前述したように、残留オーステナイ
ト量を増加させるには、焼入温度を高くする必要
があるという相反条件があり、SUJ−3或いは
SUJ−5の通常の焼入れ温度790〜830℃の範囲で
焼入を行うと、残留オーステナイト量の増加が不
確実であり、而して、焼入温度を900℃とした場
合では、残留オーステナイト量を確実に増加させ
得るが、きれつ敏感値が高くなり、マルテンサイ
ト変態温度付近での冷却能を0.01cm-1と低くして
みても、きれつ敏感値が3以下にならない。とこ
ろが、焼入温度を850〜880℃の範囲にすると、残
留オーステナイト量を25%以上に増加させること
が確実に得られると共に、マルテンサイト変態温
度付近での冷却能をH=0.2cm-1以下にすると、
きれつ敏感値を3以下にすることができ、寿命を
大幅に増加させ得る。 そこで、本軸受の焼入冷却は焼入温度850〜880
℃、冷却温度範囲300〜150℃を冷却能H=0.2cm
-1以下で行う。即ち、油、ソルト、水溶性冷却剤
等により焼入を行い、冷却途上(300〜150℃)、
冷却能H<0.2(cm-1)には次のように制御する。 油焼入の場合は油温を出来るだけ高く上げ
(120〜150℃)弱撹拌冷却を行う。ソルト焼入の
場合は230〜280℃ソルト中に浸漬冷却し、引上げ
後空冷する。次に、水溶性冷却剤を用いた場合は
液温20〜30℃水溶性冷却剤で弱撹拌し引上げ温度
を上げて行う。 以下、本発明品の緒特性を調査例により詳細に
説明する。 (1) 転動疲労寿命 SUJ−2VP材、SUJ−3VP材(真空脱ガス
材)を使用して焼入加熱温度、冷却材の冷却能
を変えた場合の12φ円筒転動疲労試験の結果を
表2に、実際の軸受で軸受型番が6206、6306を
使用した転動疲労寿命試験の結果を表3に示
す。
【表】
【表】
12φ円筒転動疲労寿命試験ではSUJ−2VPの場
合表2に示すように冷却材の冷却能Hを通常の
0.3(cm-1)より0.01(cm-1)に下げることにより
転動寿命は増大する傾向にあるが不確実であ
る。一方、SUJ−3VPの場合、焼入温度820℃
の場合は冷却材の冷却能を小さくすることによ
る寿命増加は不安定である。しかし、焼入温度
850℃の場合にはSUJ−2VP材通常熱処理品の
約7.0倍の寿命増加が確実に得られている。ま
た表3に示すように軸受型番6206、6306を使用
した転動疲労寿命試験によつても本発明品は通
常熱処理品の約9.0〜12.0倍の寿命増加を示し
ている。なお、表2および表3の冷却能は300
℃から150℃までの温度範囲における冷却能を
示す。この寿命増加の理由としては焼入温度上
昇による残留オーステナイト量増加と冷却剤の
冷却能を小さくしたことによるきれつ敏感性の
減少が考えられる。残留オーステナイト量を安
定して25%以上にするには残留オーステナイト
組織の安定化に寄与するMn、Siの含有量の少
ないSUJ−2では焼入温度の如何にかかわらず
不可能であり、SUJ−3またはSUJ−5の使用
が必須である。 (2) 圧壊値、割れ疲労強度 焼入温度を上昇させることにより圧壊値、割
れ疲労強度の低下が考えられるが、表4に示す
ように本発明品の圧壊値はSUJ−2VP通常熱処
理品の水準であり、割れ疲労強度はSUJ−2VP
通常熱処理品よりすぐれているのであつて、悪
影響はない。
合表2に示すように冷却材の冷却能Hを通常の
0.3(cm-1)より0.01(cm-1)に下げることにより
転動寿命は増大する傾向にあるが不確実であ
る。一方、SUJ−3VPの場合、焼入温度820℃
の場合は冷却材の冷却能を小さくすることによ
る寿命増加は不安定である。しかし、焼入温度
850℃の場合にはSUJ−2VP材通常熱処理品の
約7.0倍の寿命増加が確実に得られている。ま
た表3に示すように軸受型番6206、6306を使用
した転動疲労寿命試験によつても本発明品は通
常熱処理品の約9.0〜12.0倍の寿命増加を示し
ている。なお、表2および表3の冷却能は300
℃から150℃までの温度範囲における冷却能を
示す。この寿命増加の理由としては焼入温度上
昇による残留オーステナイト量増加と冷却剤の
冷却能を小さくしたことによるきれつ敏感性の
減少が考えられる。残留オーステナイト量を安
定して25%以上にするには残留オーステナイト
組織の安定化に寄与するMn、Siの含有量の少
ないSUJ−2では焼入温度の如何にかかわらず
不可能であり、SUJ−3またはSUJ−5の使用
が必須である。 (2) 圧壊値、割れ疲労強度 焼入温度を上昇させることにより圧壊値、割
れ疲労強度の低下が考えられるが、表4に示す
ように本発明品の圧壊値はSUJ−2VP通常熱処
理品の水準であり、割れ疲労強度はSUJ−2VP
通常熱処理品よりすぐれているのであつて、悪
影響はない。
【表】
(3) 寸法経年変化
本発明品は残留オーステナイト量が多いから
寸法経年変化が心配されるが、表5に示したよ
うにSUJ−2VP通常熱処理品の水準以下であ
る。
寸法経年変化が心配されるが、表5に示したよ
うにSUJ−2VP通常熱処理品の水準以下であ
る。
【表】
また、20μのしめしろを与えたはめ合い応力下
でも本発明品の経年変化量は小さい。この理由
としてはSUJ−3はSUJ−2に比べて焼戻の第
2段階が高温側にずれていることがあげられ
る。 (4) きれつ敏感性 本発明をなすに際し、熱処理の最適条件を求
めるために、35φ×35コロ試片(SUJ−3)
を用いて特殊な方法できれつ敏感性を測定し
た。その結果を図に示す。焼入加熱温度が高い
程、きれつ敏感性が大きくなる傾向にあり、こ
のきれつ敏感性が大きくなると寿命が短くなる
もので、焼入加熱温度が900℃では300〜150℃
の温度範囲における冷却剤の冷却能がH=0.01
(cm-1)でも図面に示すようにきれつ敏感性は悪
い(S>3)。したがつて、焼入加熱温度は880
℃以下が望ましい。一方、300〜150℃の温度範
囲の冷却能Hが小さい程、きれつ敏感性は小さ
くなり、焼入加熱温度850〜880℃の場合はきれ
つ敏感性を3以下にするためにはこの温度範囲
の冷却能Hを0.2(cm-1)以下にする必要があ
る。 本発明は上述のように約30mm径以下で、軸受鋼
の内SUJ−3或いはSUJ−5を素材とし、且つ焼
入温度を850〜880℃、その冷却条件を300〜150℃
の温度範囲のみ、H=0.2cm-1以下の冷却能とし
た熱処理された転がり軸受用転動体及び半径方向
厚みが約25mm以下で、軸受鋼の内SUJ−3或いは
SUJ−5を素材とし、且つ焼入温度を850〜880
℃、その冷却条件を300〜150℃の温度範囲のみ、
H=0.2cm-1以下の冷却能とした熱処理された転
がり軸受用軌道輪に係る。即ち、いわゆる薄肉品
に、従来使用していた軸受鋼SUJ−2にかえて、
軸受鋼SUJ−3あるいはSUJ−5を使用し、従来
の焼入思想と逆行する焼入温度を850〜880℃に上
昇させ、冷却過程中の300〜150℃の温度範囲の冷
却剤の冷却能をH<0.2(cm-1)にして熱処理を行
うことにより大巾な寿命増加を可能にしたもので
実用上の効果は多大である。
でも本発明品の経年変化量は小さい。この理由
としてはSUJ−3はSUJ−2に比べて焼戻の第
2段階が高温側にずれていることがあげられ
る。 (4) きれつ敏感性 本発明をなすに際し、熱処理の最適条件を求
めるために、35φ×35コロ試片(SUJ−3)
を用いて特殊な方法できれつ敏感性を測定し
た。その結果を図に示す。焼入加熱温度が高い
程、きれつ敏感性が大きくなる傾向にあり、こ
のきれつ敏感性が大きくなると寿命が短くなる
もので、焼入加熱温度が900℃では300〜150℃
の温度範囲における冷却剤の冷却能がH=0.01
(cm-1)でも図面に示すようにきれつ敏感性は悪
い(S>3)。したがつて、焼入加熱温度は880
℃以下が望ましい。一方、300〜150℃の温度範
囲の冷却能Hが小さい程、きれつ敏感性は小さ
くなり、焼入加熱温度850〜880℃の場合はきれ
つ敏感性を3以下にするためにはこの温度範囲
の冷却能Hを0.2(cm-1)以下にする必要があ
る。 本発明は上述のように約30mm径以下で、軸受鋼
の内SUJ−3或いはSUJ−5を素材とし、且つ焼
入温度を850〜880℃、その冷却条件を300〜150℃
の温度範囲のみ、H=0.2cm-1以下の冷却能とし
た熱処理された転がり軸受用転動体及び半径方向
厚みが約25mm以下で、軸受鋼の内SUJ−3或いは
SUJ−5を素材とし、且つ焼入温度を850〜880
℃、その冷却条件を300〜150℃の温度範囲のみ、
H=0.2cm-1以下の冷却能とした熱処理された転
がり軸受用軌道輪に係る。即ち、いわゆる薄肉品
に、従来使用していた軸受鋼SUJ−2にかえて、
軸受鋼SUJ−3あるいはSUJ−5を使用し、従来
の焼入思想と逆行する焼入温度を850〜880℃に上
昇させ、冷却過程中の300〜150℃の温度範囲の冷
却剤の冷却能をH<0.2(cm-1)にして熱処理を行
うことにより大巾な寿命増加を可能にしたもので
実用上の効果は多大である。
図面は本発明に係るコロ試片の冷却能ときれつ
敏感値との関係を示すグラフである。
敏感値との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 約30mm径以下で、軸受鋼の内SUJ−3或いは
SUJ−5を素材とし、且つ焼入温度を850〜880
℃、その冷却条件を300〜150℃の温度範囲のみ、
H=0.2cm-1以下の冷却能とした熱処理された転
がり軸受用転動体。 2 半径方向厚みが約25mm以下で、軸受鋼の内
SUJ−3或いはSUJ−5を素材とし、且つ焼入温
度を850〜880℃、その冷却条件を300〜150℃の温
度範囲のみ、H=0.2cm-1以下の冷却能とした熱
処理された転がり軸受用軌道輪。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169577A JPS5416324A (en) | 1977-07-07 | 1977-07-07 | Heatttreated steel parts for rolling bearing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169577A JPS5416324A (en) | 1977-07-07 | 1977-07-07 | Heatttreated steel parts for rolling bearing |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5416324A JPS5416324A (en) | 1979-02-06 |
JPS6229487B2 true JPS6229487B2 (ja) | 1987-06-26 |
Family
ID=13753496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8169577A Granted JPS5416324A (en) | 1977-07-07 | 1977-07-07 | Heatttreated steel parts for rolling bearing |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5416324A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007218322A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
-
1977
- 1977-07-07 JP JP8169577A patent/JPS5416324A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007218322A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5416324A (en) | 1979-02-06 |
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