JP2007218304A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハブ輪に加締固定される内輪の変形を抑制すると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】揺動加締により内輪3を固定した車輪用軸受装置において、小径段部2bの加締前の端部が中空状の円筒部12として形成され、この外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝13が形成され、インナー側の円弧面13aの曲率半径Riが、内輪3の面取り部3cの曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面13bの曲率半径Roよりも小さく、r1≦Ri≦Roに設定されると共に、環状溝13が、内輪3における内側転走面3aの大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部3cにかかり、大端面3bから0〜3mm越えた範囲に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、ハブ輪に加締固定される内輪の耐久性向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両の車輪用軸受装置には、駆動輪用のものと従動輪用のものとがある。特に、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、低コスト化は言うまでもなく、燃費向上のための軽量・コンパクト化が進んでいる。その従来構造の代表的な一例として、図4に示すような従動輪用の車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置は第3世代と称され、内方部材51と外方部材60、および両部材51、60間に転動自在に収容された複列のボール55、55を備えている。内方部材51は、ハブ輪52と、このハブ輪52に所定のシメシロを介して圧入された内輪53とからなる。
ハブ輪52は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、外周に内側転走面52aと、この内側転走面52aから軸方向に延びる小径段部52bが形成されている。そして、外周に内側転走面53aが形成された内輪53が小径段部52bに圧入され、さらに、小径段部52bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部52cにより、ハブ輪52に対して内輪53が軸方向に固定されている。
外方部材60は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ60bを一体に有し、内周に複列の外側転走面60a、60aが形成されている。そして、それぞれの転走面60a、52aと60a、53a間に複列のボール55、55が収容され、保持器56、56によりこれら複列のボール55、55が転動自在に保持されている。また、外方部材60の端部にはシール57、58が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここで、加締前におけるハブ輪52の小径段部52bは、図5に示すように、中空状の円筒部70として形成されている。この円筒部70は所定の軸方向深さd1を有し、円筒部70の先端部肉厚D2が、根元部の肉厚D1よりも大きくなるよう先端に向って漸増する形状に形成されている。これにより、加締加工の初期にポンチ等の加締治具によって押し広げられる肉量が多くなるため、ハブ輪52の円筒部70を塑性変形させる軸方向寸法が短くて済むと共に、加締治具形状に早期に充足し易く、内輪53を強固に固定することができる。
また、内輪53の内径端部に、曲率半径r1が1〜2.5mmの円弧形状からなる面取り部53bが形成されると共に、円筒部70の外周面に深さnが0.5mm程度、曲率半径r2が5〜10mm程度の環状溝71が、内輪53の面取り部53bにかかるように形成されている。これにより、ハブ輪52の円筒部70を加締めても、内輪53の変形を最小限に抑えることができると共に、加締加工時の亀裂等の損傷を防止することができる。
特開2002−139060号公報
このような従来の車輪用軸受装置では、ハブ輪52において、加締前の小径段部52bの円筒部70が先端に向って漸増する形状に形成されると共に、円筒部70の外周面に環状溝71、所謂アンダーカットが、内輪53の面取り部53bにかかるように形成されているので、加締加工による内輪53の変形を最小限に抑えることができ、その外径に発生するフープ応力を抑制することができる特徴を備えている。然しながら、このフープ応力は内輪押込み量(加締量)と相関関係があり、この内輪押込み量が大きくなるとフープ応力が増加する傾向にある。したがって、内輪割れ等に繋がる過大フープ応力、例えば、250MPa以上のフープ応力の発生を防止するためには、内輪押込み量を小さくする必要があるが、単にこの内輪押込み量を小さくするだけでは内輪53の固定力を確保することができないため、フープ応力を抑えると共に、適切な内輪押込み量が得られる手法等が求められていた。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、ハブ輪に加締固定される内輪の変形を抑制すると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく設定されると共に、当該環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から所定の寸法cだけ越えた範囲に形成されている。
このように、ハブ輪の小径段部に内輪が圧入され、小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により、ハブ輪に対して内輪を軸方向に固定した第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置において、小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく設定されると共に、当該環状溝が、内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から所定の寸法cだけ越えた範囲に形成されているので、加締加工時に円筒部が変形し易くなり、加締加工による内輪の変形を抑制することができると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記c寸法が0〜3mmの範囲に設定されていれば、揺動加締によって内輪に発生するフープ応力を抑制すると共に、所定の内輪固定力を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記内輪における加締部側の内径端部の面取り部が所定の曲率半径r1からなる円弧面を有し、この曲率半径r1よりも、前記環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径Riが大きく、r1≦Riとなるように設定されていれば、加締加工による亀裂等の損傷を防止すると共に、内輪の変形を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記小径段部に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、この硬化層が前記環状溝におけるアウター側の円弧面の起点で止められていれば、ハブ輪の耐フレッティング性を高めて強度・耐久性の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記円筒部における前記内輪の加締部側の大端面からの深さが前記環状溝の幅よりも小さく、0〜5mmの範囲に設定されていれば、ハブ輪の強度・剛性を確保しつつ、所定の内輪固定力を得ることができると共に、加締加工によって生じる内輪のフープ応力を250MPa以下に抑えることができ、内輪の割れ等の損傷を防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく設定されると共に、当該環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から所定の寸法cだけ越えた範囲に形成されているので、加締加工時に円筒部が変形し易くなり、加締加工による内輪の変形を抑制することができると共に、ハブ輪の強度・耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置において、前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riが、前記内輪における面取り部の曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく、r1≦Ri≦Roに設定されると共に、当該環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から0〜3mmのだけ越えた範囲に形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、加締前のハブ輪および内輪を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と称され、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)6、6を備えている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に所定のシメシロを介して圧入された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト5が植設されている。また、ハブ輪2の外周には一方(アウター側)の内側転走面2aが直接形成され、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。そして、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成された内輪3がこの小径段部2bに圧入され、さらに、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cにより、ハブ輪2に対して内輪3が軸方向へ抜けるのを防止している。
ハブ輪2は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、アウター側の内側転走面2aをはじめ、シール8が摺接するシールランド部、および小径段部2bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層11が形成されている。なお、加締部2cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。一方、内輪3は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。これにより、シールランド部の耐摩耗性が向上するだけでなくハブ輪2の強度も向上すると共に、内輪3の嵌合面におけるフレッティング摩耗が抑制されて耐久性が向上する。また、加締部2cの加工性を向上させ、塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周には複列の外側転走面10a、10aが形成されている。この外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。また、外方部材10の端部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここでは、ハブ輪2の外周に直接内側転走面2aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受装置を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこうした構造に限定されず、例えば、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪を圧入した、第1世代あるいは第2世代構造であっても良い。なお、転動体6、6をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体6に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ここで、図2に示すように、内輪3における加締部2c側の大端面3bの内径端部に曲率半径r1がR1.0〜2.5からなる面取り部3cが形成されている。この面取り部3cの曲率半径r1を1.0mmよりも小さく設定すると、車両の運転中に曲げモーメント荷重が装置に負荷された時、加締部2cの根元部分に応力集中が起こり、微小クラック等の損傷が発生する恐れがある。逆に、曲率半径r1が2.5mmを超えると、円筒部12を塑性変形する際、内輪3を径方向外方に押し広げることになり、内輪3の外径に過大なフープ応力が発生して好ましくない。なお、加締部2cは図中二点鎖線にて示す。
一方、ハブ輪2における加締前の小径段部2bの端部は中空状の円筒部12として形成され、この円筒部12の底面12aは、内輪3の大端面3bから所定の寸法(深さ)aになるように形成されている。また、円筒部12の外周面には深さbからなる環状溝13が形成されている。そして、この環状溝13の両側にそれぞれ曲率半径Ri、Roからなる円弧面13a、13bが形成されている。
環状溝13の深さbは0.5〜1.0mm、インナー側の円弧面13aの曲率半径Riは、内輪3の面取り部3cの曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面13bの曲率半径Roよりも小さく設定され(r1≦Ri≦Ro)、RiがR1〜10の範囲に設定されている。円筒部12の外周面に環状溝13を形成することにより、加締加工時に円筒部12が変形し易くなり、内輪3の変形を抑えることができる。ただし、環状溝13の深さbが0.5mmよりも小さいとその効果が薄れ、また、深さbが1.0mmを超えると、加締部2cの強度不足が懸念される。
また、環状溝13は、内輪3における内側転走面3aの大径端に対応する位置よりもインナー側から内輪3の面取り部3cにかかり、大端面3bから所定の寸法cだけ越えた範囲に形成されている。この環状溝13の幅は、大きくなるほどフープ応力が低下するが、余り大きくなると内輪押込み量が不足して所定の内輪固定力が得られないだけでなく、ハブ輪2の強度・剛性の低下に繋がり好ましくない。
本実施形態では、ハブ輪2の外周に形成される硬化層11は、この環状溝13におけるアウター側の円弧面13bの起点で止められている。これにより、小径段部2bにおける円筒部12の加工性を向上させ、塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
本出願人が実施した加締試験では、円筒部12における底部12aの内輪3の大端面3bからの深さaが0〜5mmの範囲では、aが大きくなるほど内輪3の外径に発生するフープ応力が低下する。ところが、a<5mmでは、その効果が小さく、顕著な応力低下が見られないことが判った。一方、aが大きくなると内輪押込み量が不足して所定の内輪固定力が得られないだけでなく、ハブ輪2の強度・剛性の低下に繋がり好ましくない。
さらに、図3の加締試験結果に示すように、環状溝13における内輪3の大端面3bからの寸法cが0以下では、内輪3の外径に発生するフープ応力が250MPa以上と大きくなるのに対し、cが0以上になるとフープ応力が低減する。本図はc=2mmの場合を示しているが、内輪3に発生するフープ応力と内輪固定力の面からc=0〜3mmの範囲が好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪の小径段部に内輪を圧入し、小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部によって内輪を固定した第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の加締前のハブ輪および内輪を示す要部拡大図である。 内輪押込み量と内輪のフープ応力の加締試験結果を示すグラフである。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図4の加締前のハブ輪と内輪を示す要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・小径段部
2c・・・・・・・・加締部
3・・・・・・・・・内輪
3b・・・・・・・・大端面
3c・・・・・・・・面取り部
4・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・保持器
8、9・・・・・・・シール
10・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・車体取付フランジ
11・・・・・・・・硬化層
12・・・・・・・・円筒部
12a・・・・・・・底面
13・・・・・・・・環状溝
13a、13b・・・円弧面
51・・・・・・・・内方部材
52・・・・・・・・ハブ輪
52a、53a・・・内側転走面
52b・・・・・・・小径段部
52c・・・・・・・加締部
53・・・・・・・・内輪
54・・・・・・・・車輪取付フランジ
55・・・・・・・・ボール
56・・・・・・・・保持器
57、58・・・・・シール
60・・・・・・・・外方部材
60a・・・・・・・外側転走面
60b・・・・・・・車体取付フランジ
70・・・・・・・・円筒部
71・・・・・・・・環状溝
a・・・・・・・・・円筒部の底面と内輪の端面の寸法
b、n・・・・・・・環状溝の深さ
c・・・・・・・・・環状溝の内輪の大端面からの寸法
d1・・・・・・・・円筒部の軸方向深さ
D1・・・・・・・・円筒部の根元部の肉厚
D2・・・・・・・・円筒部の先端部の肉厚
r1・・・・・・・・内輪の面取り部の曲率半径
r2・・・・・・・・環状溝の円弧面の曲率半径
Ri・・・・・・・・環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径
Ro・・・・・・・・環状溝におけるアウター側の円弧面の曲率半径

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
    前記小径段部の加締前の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく設定されると共に、当該環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から所定の寸法cだけ越えた範囲に形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記c寸法が0〜3mmの範囲に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内輪における加締部側の内径端部の面取り部が所定の曲率半径r1からなる円弧面を有し、この曲率半径r1よりも、前記環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径Riが大きく、r1≦Riとなるように設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記小径段部に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、この硬化層が前記環状溝におけるアウター側の円弧面の起点で止められている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記円筒部における前記内輪の加締部側の大端面からの深さが前記環状溝の幅よりも小さく、0〜5mmの範囲に設定されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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