JP2009255644A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加締加工による移動量を最適化し、軸受自体の剛性・強度を確保すると共に、所望の軸力と加締部強度を確保した車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪4の小径段部4bに内輪5が圧入され、小端面5bをハブ輪4の段付部7に突き当てた状態で小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部8により内輪5が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、ハブ輪4の外周に、車輪取付フランジ6の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって連続した硬化層12が形成されると共に、段付部7の硬化層範囲が、内輪5の小端面5bとの接触範囲Wよりも広く、かつその有効硬化層深さHが1.0〜3.5mmの範囲に設定されているので、加締加工時の内輪5の移動量が安定すると共に、高周波焼入れの工数が嵩むことなく、角部にクラックや焼割れが発生するのを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、ハブ輪の揺動加締によって内輪が固定されたセルフリテイン構造において、加締加工による内輪の移動を最適化し、軸力と加締強度を確保して軸受の剛性・強度アップを図った車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両の車輪用軸受装置には、駆動輪用のものと従動輪用のものとがある。特に、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、低コスト化は言うまでもなく、燃費向上のための軽量・コンパクト化が進んでいる。その従来構造の代表的な一例として、図4に示すような従動輪用の車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と称され、内方部材51と外方部材60、および両部材51、60間に転動自在に収容された複列のボール56、56とを備えている。内方部材51は、ハブ輪52と、このハブ輪52に圧入された内輪53とからなる。
ハブ輪52は、一端部に車輪取付フランジ54を一体に有し、この車輪取付フランジ54の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト55が植設されている。また、ハブ輪52の外周には一方の内側転走面52aと、この内側転走面52aから段付部61を介して軸方向に延びる軸状の小径段部52bが形成されている。そして、外周に他方の内側転走面53aが形成された内輪53がこの小径段部52bに圧入されている。
内輪53の小端面53cをハブ輪52の段付部61に突き当てた状態で、小径段部52bの端部を径方向外方に塑性変形させて加締部52cが形成されている。すなわち、この加締部52cとハブ輪52の段付部61とで内輪53を挟持し、ハブ輪52に対して内輪53が固定されている。そして、加締部52cは内輪53の大端面53bに沿って密着した状態で塑性変形して形成され、内輪53を押え付けて所望の軸力を確保することができる。
外方部材60は、外周に車体取付フランジ60bを一体に有し、内周に複列の外側転走面60a、60aが形成されている。そして、それぞれの転走面60a、52aと60a、53a間に複列のボール56、56が収容され、保持器57、57によりこれら複列のボール56、56が転動自在に保持されている。また、外方部材60の端部にはシール58、59が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ハブ輪52はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、内側転走面52aをはじめ、シール58が摺接するシールランド部、および小径段部52bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている(クロスハッチングにより図示)。なお、加締部52cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。一方、内輪53はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
また、外方部材60は、前記ハブ輪52と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、複列の外側転走面60a、60aに高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ここで、内輪53の内径dに対する突当部(小端面53c)厚さeの内輪寸法比率αが、0.05〜0.20の範囲に設定されている。これにより、所望の軸力と加締部52cの強度を得ることができると共に、押型の早期摩耗や割れ等を防止することができる。
特開2006−52817号公報
然しながら、こうした従来の車輪用軸受装置のように、内輪53の内径dに対する突当部厚さeの内輪寸法比率αを0.05〜0.20の範囲に規定しても、内輪53の小端面53cが突き当てられるハブ輪52の段付部61の焼入れ状態が悪いと、加締加工時にこの段付部61が塑性変形し、内輪53の移動量にバラツキが生じる恐れがある。ここで、硬化層深さを深く設定することも考えられるが、これでは、高周波焼入れの工数が嵩んでコストアップするだけでなく、冷却速度が速い角部にクラックや焼割れが発生する恐れがあって好ましくない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、加締加工による移動量を最適化し、軸受自体の剛性・強度を確保すると共に、所望の軸力と加締部強度を確保した車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周に車体に取り付けられる車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から段付部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記内輪の小端面を前記ハブ輪の段付部に突き当てた状態で前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪の外周に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記内側転走面を介して前記小径段部に亙って高周波焼入れによって連続した硬化層が形成されると共に、前記段付部の硬化層の有効硬化層深さが1.0〜3.5mmの範囲に設定されている。
このように、内輪の小端面をハブ輪の段付部に突き当てた状態で小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により内輪がハブ輪に対して軸方向に固定された第3世代構造の車輪用軸受装置において、ハブ輪の外周に、車輪取付フランジのインナー側の基部から内側転走面を介して小径段部に亙って高周波焼入れによって連続した硬化層が形成されると共に、段付部の硬化層の有効硬化層深さが1.0〜3.5mmの範囲に設定されているので、加締加工時における内輪の移動量が安定し、軸受自体の剛性・強度を確保すると共に、高周波焼入れの工数が嵩むことなく、角部にクラックや焼割れが発生するのを防止することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記段付部の硬化層範囲が、前記内輪の小端面との接触範囲よりも広く設定されていれば、段付部の塑性変形を防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記内輪の内径に対する前記小端面の厚さとの比率が0.05〜0.20の範囲に設定されていれば、加締加工による内輪移動量を最適化し、必要軸力と加締部強度を確保して軸受の剛性・強度アップを図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、当該ハブ輪の内側転走面における硬化層の有効硬化層深さが3.5mmに設定されていれば、所望の転動疲労寿命を満足させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記加締部が鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部とされていれば、加締加工が容易にできると共に、加締加工時に微小クラックが発生するのを防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外周に車体に取り付けられる車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から段付部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記内輪の小端面を前記ハブ輪の段付部に突き当てた状態で前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪の外周に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記内側転走面を介して前記小径段部に亙って高周波焼入れによって連続した硬化層が形成されると共に、前記段付部の硬化層の有効硬化層深さが1.0〜3.5mmの範囲に設定されているので、加締加工時における内輪の移動量が安定し、軸受自体の剛性・強度を確保すると共に、高周波焼入れの工数が嵩むことなく、角部にクラックや焼割れが発生するのを防止することができる。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から段付部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記内輪の小端面を前記ハブ輪の段付部に突き当てた状態で前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪の外周に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記内側転走面を介して前記小径段部に亙って高周波焼入れによって連続した硬化層が形成されると共に、前記段付部の硬化層範囲が、前記内輪の小端面との接触範囲よりも広く設定され、かつその有効硬化層深さが1.0〜3.5mmの範囲に設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、加締加工時における内輪の移動量とハブ輪の段付部の硬化層深さとの関係を示すグラフである。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代構造をなし、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト6aが植設されている。また、ハブ輪4の外周には一方(アウター側)の円弧状の内側転走面4aと、この内側転走面4aから段付部7を介して軸方向に延びる軸状の小径段部4bが形成されている。
内輪5は、外周に他方(インナー側)の円弧状の内側転走面5aが形成され、その小端面(正面側端面)5bをハブ輪4の段付部7に突き当てた状態で小径段部4bに圧入されている。そして、ハブ輪4の小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部8によって所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。
外方部材2は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に前記内方部材1の内側転走面4a、5aに対向する円弧状の複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。そして、それぞれの転走面2a、4aと2a、5a間に複列の転動体3、3が収容され、保持器9、9によりこれら複列の転動体3、3が転動自在に保持されている。また、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール10、11が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、ここでは、転動体3をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、アウター側の内側転走面4aをはじめ、アウター側のシール10のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に連続した所定の硬化層12が形成されている。なお、加締部8は、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部とされている。これにより、加締加工が容易にできると共に、加締加工時に微小クラックが発生するのを防止することができる。
一方、内輪5および転動体3は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。また、外方部材2は、前記ハブ輪4と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
本実施形態では、加締加工時における内輪5の移動量を規制するため、図2に拡大して示すように、内輪5の内径dに対する小端面5b(突当部)の厚さeとの比率α(以下、内輪寸法比率という)が、α=0.05〜0.20の範囲に設定されている。これにより、加締加工による内輪移動量を最適化し、必要軸力と加締部強度を確保して軸受の剛性・強度アップを図ることができる。
内輪寸法比率αが0.20以下に設定されていれば、所望の軸力と加締部8の強度を確保するだけでなく、加締不良率の低減や治工具等の寿命延長が可能となる。なお、前記内輪寸法比率αが0.05以下の場合は、内輪5の小端面5bの厚さeが薄くなり、内輪5の小端面5bにおける平坦面の面積が減少して面圧過大となる恐れがある。
ここで、内輪5の小端面5bが突き当てられるハブ輪4の段付部7の焼入れ状態が悪いと、加締加工時にこの段付部7が塑性変形し、内輪5の移動量にバラツキが生じる恐れがある。したがって、本出願人は、ハブ輪4の段付部7における硬化層12の状態に着目し、加締加工時における内輪5の移動量とハブ輪4の段付部7における硬化層の有効硬化層深さとの関係をFEM解析(有限要素法による解析)により求めた。その結果を図3に示す。このグラフから明らかなように、この段付部7の硬化層12範囲が、図2に示す内輪5の小端面5bとの接触範囲Wよりも広く、かつ、段付部7の硬化層12の有効硬化層深さHが1mm以上あれば内輪5の移動量が安定することが判った。
一方、この種の車輪用軸受装置では、通常、車両旋回時に0.8G(加速度)相当の荷重にも耐えられるようにハブ輪4が設計されているが、この場合、内側転走面4aには転動体3との接触により、0.4mm程度の深さに最大せん断応力が発生する。したがって、所望の転動疲労寿命を満足させるには、少なくともこの最大せん断応力の5倍程度の硬化層12が必要になるため、有効硬化層深さは最小2mmとなる。また、この最小深さに加えて高周波焼入れによる硬化層12のバラツキを考慮し、ここでは、有効硬化層深さは3.5mmに設定されている。
以上のことを鑑み、本実施形態では、ハブ輪4の内側転走面4aにおける硬化層12の有効硬化層深さが3.5mmに設定されると共に、段付部7の硬化層12の有効硬化層深さHが1.0〜3.5mmに設定されている。これにより、加締加工時における内輪5の移動量が安定すると共に、高周波焼入れの工数が嵩むことなく、角部にクラックや焼割れが発生するのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪の外周に直接内側転走面と小径段部が形成され、この小径段部に内輪が圧入されると共に、小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部によって内輪が軸方向に固定された第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 加締加工時における内輪の移動量とハブ輪の段付部の硬化層深さとの関係を示すグラフである。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・・・外方部材
2a・・・・・・・・・・・・・外側転走面
2b・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
3・・・・・・・・・・・・・・転動体
4・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・・・・・・内側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・小径段部
5・・・・・・・・・・・・・・内輪
5b・・・・・・・・・・・・・小端面
6・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の基部
7・・・・・・・・・・・・・・段付部
8・・・・・・・・・・・・・・加締部
9・・・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
11・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
12・・・・・・・・・・・・・硬化層
51・・・・・・・・・・・・・内方部材
52・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
52a、53a・・・・・・・・内側転走面
52b・・・・・・・・・・・・小径段部
52c・・・・・・・・・・・・加締部
53・・・・・・・・・・・・・内輪
53b・・・・・・・・・・・・大端面
53c・・・・・・・・・・・・小端面
54・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
56・・・・・・・・・・・・・ボール
57・・・・・・・・・・・・・保持器
58、59・・・・・・・・・・シール
60・・・・・・・・・・・・・外方部材
60a・・・・・・・・・・・・外側転走面
60b・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
61・・・・・・・・・・・・・段付部
d・・・・・・・・・・・・・・内輪の内径
e・・・・・・・・・・・・・・内輪の小端面の厚さ
H・・・・・・・・・・・・・・段付部の有効硬化層深さ
W・・・・・・・・・・・・・・段付部と内輪の小端面との接触範囲
α・・・・・・・・・・・・・・内輪寸法比率

Claims (5)

  1. 外周に車体に取り付けられる車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から段付部を介して軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、
    前記両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    前記内輪の小端面を前記ハブ輪の段付部に突き当てた状態で前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
    前記ハブ輪の外周に、前記車輪取付フランジのインナー側の基部から前記内側転走面を介して前記小径段部に亙って高周波焼入れによって連続した硬化層が形成されると共に、前記段付部の硬化層の有効硬化層深さが1.0〜3.5mmの範囲に設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記段付部の硬化層範囲が、前記内輪の小端面との接触範囲よりも広く設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内輪の内径に対する前記小端面の厚さとの比率が0.05〜0.20の範囲に設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、当該ハブ輪の内側転走面における硬化層の有効硬化層深さが3.5mmに設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記加締部が鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部とされている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
JP2008104723A 2008-04-14 2008-04-14 車輪用軸受装置 Pending JP2009255644A (ja)

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