JP2007217360A - 免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法、免疫活性増強材料及び免疫活性増強器具 - Google Patents

免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法、免疫活性増強材料及び免疫活性増強器具 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞または細胞由来成分、または血液や血液由来成分から高い免疫活性増強作用を有する細胞や細胞由来成分などを製造する方法、前記製造法により得られた免疫活性増強作用を有する細胞または細胞由来成分、並びに免疫増強材料、免疫活性増強器具を提供する。
【解決手段】細胞または細胞由来成分と、免疫活性増強材料とを接触させることを特徴とし、前記免疫活性増強材料は、免疫活性誘導物質と、免疫活性誘導物質における免疫活性誘導作用を増強させる免疫活性誘導増強作用を有しかつ水に不溶性の誘導増強物質とを含む、免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法、及び該製造方法により得られた免疫活性増強材料並びに免疫活性増強器具に関する。
免疫活性を増強して癌や感染症などの免疫疾患を治療するさまざまな方法が試みられている。免疫賦活薬として、結核菌製剤であるBCG(Bacillus Calmette Guerin)や溶連菌製剤であるOK−432(ピシバニール)、レンチナン、シゾフィラン、クレスチンなどが知られている。
また、免疫に関与するサイトカインであるインターロイキン2やインターフェロン類なども免疫活性を増強させる作用が期待され、一部の疾患の治療に用いられている。
一方、細胞などを体外で処理することによる細胞の腫瘍細胞傷害活性を高める方法やサイトカインを誘導する方法も知られている。(特許文献1、特許文献2)
特開昭61−277628号公報 特開2003−201251号公報
上記免疫賦活薬による治療では、体内に投与しても十分な免疫活性増強作用が発揮されず、期待される治療効果が得られないなどの課題があり、また効果を高めようと投与量を増加させると重篤な副作用が発現されるなどの問題点があった。
精製または遺伝子組換えにより製造されたサイトカインによる癌の治療なども期待されたが、体内で作用する濃度を考えると非常に過剰量のサイトカインを投与するにも関わらず期待された免疫活性増強作用は得られていない。
また、細胞などを体外に取り出し、体外で細胞の抗腫瘍性活性を増強させようとする細胞療法方法では、細胞の培養や活性化処理に非常に手間がかかり、また培養中の異物や微生物などが混入する可能性も大きく、安全で有効な治療が行い得ないなどの問題がある。また、使用している刺激剤や培地成分などの完全な除去が難しいなど、体内に安全に細胞や細胞由来成分を投与できないという問題もあった。
このように、体内において、あるいは体外の血液や細胞の由来成分において、免疫活性を増強させる方法が知られているが、安全に、かつ簡便に、高い免疫活性増強作用を発揮する方法や高い免疫活性増強作用を有する血液や細胞の由来成分を得る方法などが望まれている。
体外に取り出した細胞を、生理活性物質が固定化された不溶性担体と接触させて細胞を刺激して腫瘍細胞傷害活性を有する細胞を得る方法などが知られている。
これらは上記のように体内に投与すると副作用を発現する生理活性物質を不溶性の担体に固定化することで、体外で細胞などに作用させることを目的としている。これらの担体は生理活性物質が反応溶液や培地中、あるいは細胞に混入しないための用途に用いられているに過ぎない。また、LPSなどを固定化する不溶性担体においても腫瘍細胞傷害活性を誘導する作用に担体は何ら積極的な関与をしない。実際にこれらの細胞や血液と接触するような医用材料では生体適合性材料が用いられており、これらの材料は白血球などの細胞と反応しない性質が求められてきた。
一方、体外でサイトカイン誘導物質のサイトカイン誘導作用を増強させる材料や用具の開示がなされている(特許文献2)。これらは血液などとサイトカイン誘導物質とサイトカイン誘導増強作用を有する不溶性材料から構成され、インターフェロンγなどのサイトカインを誘導増強させることができる。しかしながら、サイトカインを誘導増強させる方法などが開示されているが、これらの誘導されたサイトカインが従来の精製あるいは遺伝子組み換えにより得られたサイトカインと比較してどのような作用を示すのかは一切開示されていない。また、このような誘導増強されたサイトカインがどのような生物活性を発揮するのか示されてはいない。
また、材料に特異的な官能基を付与したり、表面粗さを付与することによって血液からサイトカインを誘導する材料などが知られている。しかしながら腫瘍壊死因子(TNF−α)などの限定されたサイトカインを誘導することが開示されているこれらの材料では、誘導されたサイトカインを含む血液などの組成物の生理活性や作用については何も開示されていない。
このように、細胞や血液から免疫活性増強作用を引き出すための、簡便で安全な方法は知られていない。
本発明の目的は、細胞または細胞由来成分、または血液や血液由来成分から高い免疫活性増強作用を有する細胞や細胞由来成分などを製造する方法、前記製造法により得られた免疫活性増強作用を有する細胞または細胞由来成分、並びに免疫活性増強材料、免疫活性増強器具を提供することにある。
本発明の免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法は、細胞または細胞由来成分と、免疫活性増強材料とを接触させることを特徴とし、前記免疫活性増強材料は、免疫活性誘導物質と、免疫活性誘導物質における免疫活性誘導作用を増強させる免疫活性誘導増強作用を有しかつ水に不溶性の誘導増強物質とを含むことを特徴とする。
本発明により得られる免疫活性増強された細胞または細胞由来成分は、それを新たに白血球などのような免疫細胞に作用させることにより白血球などの免疫細胞の免疫活性を著しく増強させる作用を有する。このように、本発明で製造される細胞または細胞由来成分は、白血球などの免疫細胞などの免疫細胞の免疫活性を増強する作用を示すことが特徴である。
本発明は、免疫活性誘導物質の免疫活性誘導作用を増強させる免疫活性誘導増強作用を有する、水に不溶性の誘導増強物質を用いる免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法に関するものである。
なお、本発明においては、免疫活性増強材料と接触されることにより、免疫活性増強された細胞または細胞由来成分が得られるが、この場合、細胞または細胞由来成分を独立に取り出す必要は必ずしもなく、例えば、細胞または細胞由来成分を含む血液、血漿、血漿成分、血清、血清成分、生体由来成分または緩衝液などの液体成分などを免疫活性増強材料と接触させることにより得られた血液、血漿、血漿成分、血清、血清成分、生体由来成分または緩衝液などの液体成分なども、本発明の実施態様として含まれるものである。
また、本発明他の態様としては、血液、血漿、血漿成分、血清、血清成分、生体由来成分または緩衝液などの液体成分などと、免疫活性増強材料とを接触させることを特徴とし、上記免疫活性増強材料が、免疫活性誘導物質と、免疫活性誘導物質における免疫活性誘導作用を増強させる免疫活性誘導作用を有し、かつ水に不溶性の免疫活性誘導物質とを含むことを特徴とする、血液、血漿、血漿成分、血清、血清成分、生体由来成分または緩衝液などの液体成分などの製造方法が挙げられる。
免疫活性誘導物質としては特に限定はされないが、菌体および/または菌体由来成分から成ることが好ましい。
また、菌体および/または菌体由来成分としては、抗酸菌および/または抗酸菌由来成分が特に好ましい。抗酸菌としては、結核菌、とくにウシ型結核菌弱毒株であるBCG(Bacillus Calmette Guerin)が特に好ましく、BCGの細胞壁成分であるBCG−CWSや核酸成分であるCpGモチーフやポリI:C、ポリA:Uなど、脂質多である糖リポアラビノマンナン、構成成分であるMuramyl dipeptideなども特に好ましい。ヒト型結核菌由来成分であるPPD(結核菌精製物),SSM(Specific Substrate of Maruyama)なども用いることができる。
菌体由来成分としては、溶連菌および/または溶連菌由来成分も特に好ましく、ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥品の溶連菌製剤であるOK−432やOK−432由来成分であるリポタイコ酸も特に好ましい。
また、免疫活性誘導物質としては、担子菌および/または担子菌由来成分(担子菌とは菌界に属するものでいわゆるキノコとして知られている生物を含むグループである)が好ましい。
また、免疫活性誘導物質としては、レンチナン、シゾフィラン、クレスチンなども好ましい。
また、上記免疫活性誘導物質としては、例えば、放線菌及び放線菌由来成分や菌体由来成分のNocardia−CWSやLevamisole、DNCB、Azimexon、Tilorone、Bestatin等の化学物質も挙げられる。
水に不溶性の誘導増強物質としては特に限定されないが、上記誘導増強物質としては水に不溶性であればよく、例えば、金属、有機物又は無機物等により構成され、好ましくは有機物材料、より好ましくは高分子材料からなる。
上記金属としては、例えば、金若しくは金合金、銀若しくは銀合金、チタン若しくはチタン合金、又は、ステンレス等が挙げられる。上記無機物としては、例えば、ガラス又はガラスの誘導体、シリカ系組成物、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、活性炭等が挙げられる。
上記有機物材料又は高分子材料としては、例えば、セルロース系、アガロース系、デキストラン系、ポリスチレン系、アクリルエステル系、ポリエチレンテレフタレート系、ナイロン系、ポリビニルアルコール系、ポリスルホン系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポリエチレン系、ポリウレタン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系等の材料が挙げられる。
上記ポリスチレン系の材料としては、例えば、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体等が挙げられ、アクリルエステル系の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
上記高分子材料としては、なかでも、ポリスチレン系、アクリルエステル系、ナイロン系、ポリエステル系、セルロース系、ポリビニルアルコール系高分子材料からなるものが好ましい。
また上記誘導増強物質としては活性炭から成る材料が好ましい。
上記高分子材料は無極性であり、かつ、疎水性であってもよく、この場合、ポリスチレン系高分子材料等を用いることができる。また、これらの高分子材料には、必要に応じて、表面修飾や表面コーティング等により、表面に極性や親水性を付与することもできる。
上記誘導増強物質の形状としては特に限定されず、例えば、繊維状、不織布状、スポンジ状、粒子状、膜状、中空糸状等の公知の形状を用いることができる。上記誘導増強物質の大きさとしては、粒子状では好ましい下限は50μm、好ましい上限は10mmであり、より好ましくは、2mmであり、繊維状では繊維径が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。上記誘導増強物質が繊維状である場合は不織布からなることが好ましく、繊維径は3μm以下であることが好ましい。
上記誘導増強物質は、白血球を吸着する材料からなることが好ましく、白血球を吸着する材料としては、例えば、ポリスチレン系、アクリルエステル系、ポリエステル系、ナイロン系、ポリビニルアルコール系または酢酸セルロース等のセルロース系材料からなる高分子材料やガラス系の材料等や活性炭から成る材料が挙げられる。
また上記誘導増強物質としては、巨大網目構造を有する多孔性材料からなるものが好ましい。特に巨大網目構造からなる細孔を有する多孔性高分子材料であることが好ましい。
上記多孔性材料は、細孔分布が2〜2000Åであることが好ましい。この細孔分布は通常に使用されている細孔の測定方法を用いて算出することができ、市販の多孔性材料において品質表示されているものと同様の方法で算出することができる。(三菱化学社ダイヤイオン、ロームアンドハース・ジャパン社アンバーライトなどの資料による。)
上記巨大網目構造を有する多孔性材料の細孔分布としては、下限が2Å、上限が2000Åであることが好ましい。また、細孔分布としては、下限が20Å、上限が800Åであることが特に好ましい。細孔分布としては細孔容積の5〜95%を占める細孔径で示されても良い。
また、上記多孔性高分子材料の表面積としては、400m/g以上であることが好ましく、細孔容積としては、0.5mL/gであることが好ましい。
上記多孔性高分子材料を大別すると標準的なゲル構造をもつゲル型と、巨大網目構造(Macro reticular structure)をもつMR型とに分けられる。また、単にスチレンとジビニルベンゼンのような架橋剤を用いて重合して得られた多孔性樹脂等は透明に近く、ゲル構造を呈するのでゲル型多孔性樹脂と呼ばれる。一方、特殊な重合法によると物理的に多孔性の樹脂等を製造することができ、このような樹脂はMR型又はポーラス型多孔性樹脂と呼ばれる。更に、懸濁重合の際において水に不溶でモノマーだけを溶かすことのできる特殊な有機溶剤を使用することにより、粒子の内部奥にまで大きな孔(マクロポア)をもったMR型又はポーラス型の粒子を作製することができる。
粒子状の多孔性高分子材料としては、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂、合成吸着剤の他、キレート樹脂等からなるものが挙げられる。これらの多孔性粒子は公知の方法によって得ることができ、例えば、原料モノマーをゼラチン等の適当な懸濁安定剤を用いて水中で懸濁重合することにより球状の重合体として製造される。上記原料モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル等のエチレン性二重結合を有する化合物が用いられ、これにジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート等の多官能性モノマーである架橋剤を加え、多孔化剤の存在下過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチルニトリル等の重合開始剤を用いて架橋重合体を得る。上記多孔性粒子のうち市販されているものとしては、例えば、三菱化学社製ダイヤイオン、ロームアンドハース社製アンバーライト等、ダウケミカル製ダウエックス等が挙げられる。
例えば、架橋結合をもった球状樹脂はスチレンとジビニルベンゼン(架橋剤)のモノマーを水に懸濁し、重合して作ることができるが、この時にモノマーを溶解するような適当な溶媒を加えると、重合の過程で相分離が誘発されて、その結果、下記の細孔分布測定法によって測定できる範囲の多孔度を有する高分子材料が作製される。
細孔分布は従来より用いられている一般的な試験方法にて測定することができる。このような試験方法としては、例えば、水銀圧入法とガス吸着法そしてバブルポイント法等が挙げられる。水銀圧入法では、一般的に水銀圧入式ポロシメーターといわれている測定装置が用いられる。この原理は試料を真空処理できる容器に入れ、微細な孔に入っている水分や様々なガスを取り除く前処理をした後に、試料を水銀で覆うようにする。そして、水銀全体に圧力をかけていくと、水銀は逃げ場がなくなり、試料の表面にあいている微細な孔に入り出すことにある。圧力を上げれば上げるだけ、水銀は小さな孔に入っていくので、(つまり圧力と孔の大きさは反比例しているので)かけた圧力と水銀の変化量を調べると、孔の大きさ(横軸)と孔の容積(縦軸)の関係のグラフ(細孔分布曲線)を得ることができる。
また、ガス吸着法では、一般的には窒素・ヘリウム・クリプトンなどのガスを用いて、先のポロシメーター同様、試料を真空装置で脱気させた後一定圧または一定量のガスを試料容器に加えると、ガスの分子は試料の表面に吸着していく。水銀圧入法の場合は、大きな孔から水銀が入っていくが、ガス吸着法の場合は、小さな孔にガスが吸着されていくことから始まる。数十回に分けて試料にガスを加えていくと、吸着の飽和をそれぞれに繰り返し、それ以上与えても全く吸着しない状態になる。そして、比較的小さな細孔までの細孔分布を計ることができる。
バブルポイント法は一般的には貫通した孔の細孔分布を計る方法で、フィルター・不織布などに適している。フロンで濡らした試料を固定し、窒素ガスを加圧していくと、ある圧力で大きな孔に着いていたフロン液が飛ばされ泡となって飛んでいく。すると、突然ガスはその孔から上に流れ出す。さらガスを多く試料に当てると再び1回目より高い圧力で、もう少し小さい孔よりフロン液が泡となって飛びそこからガスが流れ出す。この時のガスの圧力と流れたガスの量を計るとポロシメーターと同様の細孔分布測定ができる。
上記誘導増強物質の表面にRa値が0.1μm以上の粗さを付与することにより、著しく免疫活性の誘導が増強される。また、この表面粗さの増強作用は、白血球の大きさが10〜20μmであることを考えると、白血球に比べて上記Ra値が非常に小さいため、単なる接触表面積の増大によるものでないと考えられる。
ここで、上記Ra値とはJIS B0601−1982における中心線平均粗さである。
上記誘導増強物質の表面粗さとして、凸凹平均間隔Sm値は、以下のようにして定義される値である。
まず、図1に示す粗さ曲線Aの中心線Bに対して、それぞれ、一定の高さ及び深さの位置に上側カウントレベルC及び下側カウントレベルDを引く。次に、下側のカウントレベルDと粗さ曲線Aとが交差する2点間において、上側カウントレベルと粗さ曲線とが交差する点が一回以上存在するときに、一つの山として「山」を定義する。そして、凹凸平均間隔Sm値は、図2に示すように、基準長さLの間にある山の間隔をSmiとしたときに、下記の式(1)で定義される値である。
Figure 2007217360
すなわち、凹凸平均間隔Sm値とは、基準長さLの間にある山同士の間隔の平均値を示す。このようにして、凹凸の平均間隔Sm値により、凸凹の面方向の条件が定義される。
上記誘導増強物質は、表面粗さを付与された材料からなることが好ましく、その中心線平均粗さRa値は、下限が0.1μm、上限が10μmであることが好ましい。
上記誘導増強物質の表面粗さは材料の多孔性等に由来するものであっても良い。上記表面粗さ付与材料に用いられる多孔性高分子材料としては、例えば、ポリスチレン系、アクリルエステル系、ポリエステル系、ナイロン系、セルロース系等の材料が挙げられる。また活性炭から成る材料も用いることができる。
上記誘導増強物質の表面粗さは誘導増強物質の繊維形状に由来するものであっても良く、その場合、上記誘導増強物質としては、繊維状材料又は不織布状材料からなるものが好ましい。上記繊維状材料又は不織布状材料としては、例えば、ポリスチレン系、アクリルエステル系、ポリエステル系、ナイロン系、セルロース系、活性炭等の高分子材料からなるものが挙げられる。また、上記表面粗さは適度な粒子径を有する微粒子の不溶性材料への固定化などによっても付与することができる。
また、上記免疫活性誘導物質を上記誘導増強物質に固定化して用いることもできる。上記免疫活性誘導物質を誘導増強物質の表面に固定化する方法としては特に限定されず、例えば、物理吸着、共有結合、イオン結合等の公知の方法を用いることができる。また、共有結合等により上記免疫活性誘導物質を誘導増強物質の表面に固定化する場合には、必要に応じて、免疫活性誘導物質と誘導増強物質との結合部に任意の長さをもつスペーサーを導入することが好ましい。
上記免疫活性誘導物質が菌体等である場合は、必要に応じて、固定化する前に菌体の洗浄操作や破砕操作、成分分画操作等のさまざまな前処理を施してもよい。また、上記免疫活性誘導物質が生菌等である場合は、より安全性を高めるために、必要に応じて、固定化する前、固定化と同時、固定化の後のいずれの時点でも、加熱処理・薬品処理・放射線処理・ガス滅菌処理等のさまざまな方法により死菌化させてもよい。上記加熱処理としては、例えば、オートクレーブ処理が挙げられ、上記薬品処理としては、例えば、グルタルアルデヒド処理、ホルマリン処理、又は、エタノール処理が挙げられ、上記放射線処理としては、例えば、γ線処理が挙げられ、上記ガス滅菌処理としては、例えば、エチレンオキサイドガス処理等が挙げられる。
上記免疫活性誘導物質としては、蛋白質変性剤で変性されているものが好適に用いられる。上記蛋白質変性剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、ホルマリン、エタノール等の各種溶剤や界面活性剤等が挙げられる。また、加熱処理等も蛋白質変作用を発揮するので、水溶液中での加熱処理等も上記蛋白質変性剤に含まれる。なかでも、ホルマリンにより変性された免疫活性誘導物質がより好ましい。
また、BCGのような微生物からなる免疫活性誘導物質を誘導増強物質に固定化する場合には、菌体表面外壁成分のアミノ酸や糖成分等を介して、誘導増強物質のカルボキシル基、アミノ基及び/又はエポキシ基等の官能基に結合させることができる。このとき、必要に応じてさまざまな鎖長や構造のスペーサーを導入することもできる。
BCGのような微生物の菌体外層が脂質等により覆われている場合には、必要に応じて脂質を洗浄除去した後、結合することもできる。また、固定化法としては、物理吸着法が好ましい。免疫活性誘導物質を物理吸着法によって誘導増強物質に固定化することもできる。特に疎水性表面を有する誘導増強物質にBCGのような免疫活性誘導物質を物理吸着作用によって固定化することができる。また、免疫活性誘導物質が微生物やその成分からなる場合等は、その表面が電荷を帯びている場合にも、その対極電荷を表面に有する誘導増強物質に物理吸着作用によって固定化することができる。
上記免疫活性増強材料の使用割合としては特に限定されないが、粒子状の材料として用いる場合には、細胞または細胞由来成分の浮遊溶液や懸濁溶液などの容積に対する材料のかさ体積量として、下限は0.02%、上限は80%程度であり、好ましい下限は0.1%、好ましい上限は50%程度である。
上記免疫活性誘導物質の使用割合としては特に限定されないが、例えば、BCGである場合は、細胞または細胞由来成分の浮遊溶液や懸濁溶液などに添加される濃度として、乾燥重量で下限は0.0001mg/mL、上限は10mg/mLであることが好ましい。また、上記免疫活性物質がOK−432である場合は、細胞または細胞由来成分の浮遊溶液や懸濁溶液などに添加される濃度として、下限は0.00001KE/mL、上限は10KE/mLであることが好ましい。
本発明の免疫活性増強器具は、誘導増強物質に固定化された免疫活性誘導物質と、それを収容する容器とからなることが好ましい。これにより、容器内にて、上記の誘導増強物質に固定化された免疫活性誘導物質が、細胞または細胞由来成分などに接触される。この場合、接触温度を下限は15℃、上限は42℃の範囲とすることが好ましく、それによって、免疫活性増強作用を有する細胞または細胞由来成分をより効果的に製造することができる。
上記容器の構造としては特に限定されないが、図3に模式的に示すように、細胞または細胞由来成分等の導入部1と、免疫活性誘導物質と接触した細胞または細胞由来成分4等を容器外に導く導出部2とが備えられている容器3が好ましい。上記容器としては、血液バッグ状の容器等がより好ましい。
また、上記容器としては、体外循環システム等に用いられるカラム状の容器も用いることができる。しかしながら、上記容器としてこれらの体外循環システム等を用いた場合には、上記誘導増強物質に固定化された免疫活性誘導物質が、容器内にて細胞または細胞由来成分等と接触する時間が限定される。
本発明の製造方法においては、上記免疫活性増強材料と接触させた細胞または細胞由来成分等を容器外に導く場合に、免疫活性増強材料または免疫活性誘導物質が容器外に導出した細胞または細胞由来成分等に混入しないように流出防止機構が備えられていることがより好ましい。
図3に模式的に示すように、流出防止機構5としては、上記免疫活性増強材料が容器3内部に固定化されていることであっても良く、また、例えば、流出防止用の分離膜や分離フィルター等が設けられていても良い。
ひとつの実施態様としては、例えば、導入部と導出部とを有する血液バッグに、粒子状、繊維状、不織布状等の免疫活性増強材料を充填し、ここに例えば血液などの細胞または細胞由来成分などを導入する。その後、所定温度で所定時間インキュベートをし、その後に細胞や細胞由来成分、または血液や血液成分等を導出部から取り出し、免疫増強作用を有する細胞、細胞由来成分、血液、または血液成分などの組成物を得ることができる。これらの免疫活性増強器具の容量としては下限は10mL、上限は1000mLであることが好ましく、より好ましい下限は50mL、より好ましい上限は400mLである。
本発明の細胞または細胞由来成分は、骨髄系細胞、血液幹細胞などに限らず、白血球の株化細胞や表皮細胞、繊維芽細胞、肝細胞、骨芽細胞、胚性幹細胞等の組織から採取した細胞や培養細胞、株化細胞等の様々な細胞やその細胞由来成分、細胞培養液や血液、血液由来成分、白血球、単球(マクロファージ)、樹状細胞、リンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、NKT細胞、好中球、好塩基球、好酸球、血小板、血漿、血漿成分、血清、血清成分などを用いることができる。また、好ましくは、血液、希釈血液、血液からの血液由来成分、白血球、単球(マクロファージ)、樹状細胞、リンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、NKT細胞、好中球、好塩基球、好酸球、血小板、血漿、血漿成分、血清、血清成分などの成分を用いることができる。
本発明の免疫活性とは、細胞性免疫活性、サイトカイン誘導活性、自然免疫活性であることが好ましい。
免疫活性にはリンパ球の中のT細胞を中心とする細胞性免疫があり、癌に対する免疫反応に大きく関与している。本発明の免疫活性ではこの細胞性免疫活性であることが好ましい。
細胞性免疫活性は、特にTヘルパー1型活性であることが好ましい。免疫調節には2種類のヘルパーT細胞(Th1型・Th2型)が関与しており、このTヘルパー1型活性を高めることが好ましい。
細胞免疫活性は、特にナチュラルキラー(NK)活性であることが好ましい。ナチュラルキラー活性とは抗原非特異的に標的細胞を傷害できる活性である。NK細胞はリンパ球のT細胞やB細胞とは異なり、抗原非特異的に標的細胞を傷害できる。また、ナチュラルキラー活性を示す細胞としてはNKT細胞もあり、これらの細胞を活性化させることが好ましい。
細胞免疫活性は、特に細胞傷害性Tリンパ球活性であることが好ましい。
細胞免疫活性は、特にサイトカイン誘導活性であることが好ましい。これらのサイトカインは細胞性免疫に関与するサイトカインであればいずれでも、または複数でも良い。好ましくは、インターロイキン1、インターロイキン2、インターロイキン12、インターロイキン18、腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターフェロンα/β/γなどが挙げられる。
また、上記サイトカイン誘導活性ではインターフェロンγ(IFN−γ)誘導活性であることがより好ましい。
免疫活性は自然免疫活性であることが好ましい。また自然免疫活性ではマクロファージ活性であることが特に好ましい。
本発明の実施例と比較例によれば、本発明により得られた血液から分離された血液成分である血漿などは高い免疫増強作用を示した。本発明では、たとえ細胞または細胞由来成分である血漿中のIFN−γ含有量が小さく、そのためIFN−γの培養前の含有量が小さい血漿であっても、非常に高い免疫増強作用を示すことができる。特許文献2の先行技術においては、菌体を固定化した高分子材料などにより血液からサイトカインを誘導する方法や用具が開示されているが、このようにサイトカインを誘導することを見出したとしても、それらがどのような生理活性作用を発揮するかは何も述べられていない。ましてや血液成分が免疫増強活性を有するかどうかについては何も開示されていない。
また、サイトカインを直接作用させるサイトカイン療法と同じように細胞または細胞由来成分である血漿にIFN−γを直接加えた場合にも本発明で示しているような免疫活性増強作用は何ら見られなかった。本発明によって得られる高い免疫活性増強作用を有する細胞または細胞由来成分は単にサイトカインを含有するからといって考えられるものではない。
本発明により、非常に簡便に、また閉鎖系の容器などにより、安全で作用の高い免疫活性増強された細胞または細胞由来成分を製造することができる。また高い免疫活性増強作用を有する細胞や細胞由来成分を簡単に、効率的に、また安全なものを得ることができる。
(実施例)
各実施例及び比較例において記載されている中心線平均粗さRa値及びでこぼこ平均間隔Sm値は、表面粗さ測定装置(小坂研究所製、商品名;サーフコーダSE−30D)により測定、または走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック社性、商品名;1ML21W)により観察した表面画像を画像解析システム(三谷商事社製、商品名;SUPER ASPECT)にて処理して測定した。
(実施例1)
材料1(オルガノ社製、商品名:アンバーライトXAD4、多孔性ポリスチレン粒子、MR型、細孔分布2〜150Å、表面積700m/g以上、細孔容積0.5mL/g以上、平均細孔径約120Å)を精製水(大塚製薬社製)にてデカンテーションにより洗浄し、しかる後メタノール(和光純薬社製、HPLC用)にてデカンテーションすることにより洗浄した。次に、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)にて材料1をデカンテーションにより洗浄した。
洗浄済み材料1のかさ体積100μLを滅菌済みチューブ(エッペンドルフ社製、1.5mL用)に入れ、そこに健常人Aから得たヘパリン加血液を1.4mL添加した。この血液にBCG(日本ビーシージー製造社)生理食塩水懸濁液を最終濃度が0.1(mg/mL)になるように添加し、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて24時間インキュベートした。インキュベート後の血液を4℃で1500g(トミー精工社製、微量高速遠心機MRX−150)で15分間遠心し、しかる後血漿を採取し、再び3000gで15分間遠心して血小板を含有しない血漿を得た。−70℃で該血漿を凍結保存した。次に、保存された血漿を、融解し、1500gで5分間遠心後に0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した血漿を得た。
同一の健常人から採血した末梢血液から単核球を採取し、5%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/ウェルになるように96ウェル細胞培養プレートに単核球を添加した。ここに先の血漿を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫活性増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表1に示した。
(比較例1)
何ら処理されていない血漿を用意し、該血漿を実施例1の培養試験と同様にして培養試験に供し、評価した。結果を下記の表1に示す。
(比較例2)
健常人Aから得たヘパリン添加血液を実施例1と同様にしてインキュベートし、濾過された血漿を用いたことを除いては、実施例1と同様にして評価した。すなわち、上記材料1と接触させていないことを除いては、実施例1と同様にして用意された血漿を用いた。
(比較例3)
菌体が固定されていないXAD4粒子を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、血漿を用意し、評価した。
(比較例4)
実施例1において、滅菌済チューブに洗浄済み材料1を投入しなかったことを除いては、実施例1と同様にして血漿を用意し、評価した。
Figure 2007217360
(実施例2)
材料1(オルガノ社製、商品名:アンバーライトXAD4、多孔性ポリスチレン粒子、MR型、細孔分布2〜150Å、表面積700m/g以上、細孔容積0.5mL/g以上、平均細孔径約120Å)を精製水(大塚製薬社製)にてデカンテーションにより洗浄し、しかる後メタノール(和光純薬社製、HPLC用)にてデカンテーションすることにより洗浄した。次に、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)にて材料1をデカンテーションにより洗浄した。
洗浄済み材料1のかさ体積1mLを滅菌済みチューブ(エッペンドルフ社製、2.0mL用)に入れ、そこにBCG(日本ビーシージー製造社)の2%ホルマリン含有生理食塩水懸濁液(10mg/mL)1mLを添加し、37℃にて20時間混和し、BCGを材料1の粒子表面に物理吸着させた。混和後、生理食塩水にて充分洗浄し、再び生理食塩水に懸濁した。このようにして得られた材料1のかさ体積800μLを5mL用塩化ビニル製バッグに収納させた。ここに健常人から採血したヘパリン加血液(A・B)を5.0mL添加した。
次に、バッグを転倒混和して血液を撹拌し、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて6時間恒温槽中でインキュベートした。インキュベート後の血液を4℃で1500g(トミー精工社製、微量高速遠心機MRX−150)で15分間遠心し、しかる後血漿を採取し、再び3000gで15分間遠心して血小板を含有しない血漿を得た。−70℃で該血漿を凍結保存した。次に、保存された血漿を、融解し、1500gで5分間遠心後に0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した血漿を得た。
同一の健常人から採血した末梢血液から単核球を採取し、5%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/ウェルになるように96ウェル細胞培養プレートに単核球を添加した。ここに先の血漿を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫活性増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例2と同様にして、但し、血液処理時間を37℃及び6時間のインキュベーションから37℃及び18時間のインキュベーションに変更したことを除いては、実施例2と同様にして血漿を用意し、評価した。
(実施例4)
実施例2と同様にして、但し、血液処理時間を37℃及び6時間のインキュベーションから37℃及び24時間のインキュベーションに変更したことを除いては、実施例2と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例5)
実施例2において用意したヘパリン添加血液(A・B)から何も処理せずに血漿を分離し、このようにして分離された血漿を用い、実施例2と同様にして評価した。
(比較例6)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用い、処理時間を6時間としたことを除いては、実施例2と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例7)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用い、処理時間を18時間としたことを除いては、実施例3と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例8)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用い、処理時間を24時間としたことを除いては、実施例4と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例9)
組み換えIFN−γ製剤(塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採取した正常血漿に8(JRU/mL)濃度になるように添加して得られた血漿を用い、比較例5と同様にして評価した。
(比較例10)
組み換えIFN−γ製剤(塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採取した正常血漿に16(JRU/mL)濃度になるように添加して得られた血漿を用い、比較例5と同様にして評価した。
(比較例11)
組み換えIFN−γ製剤(塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採取した正常血漿に32(JRU/mL)濃度になるように添加して得られた血漿を用い、比較例5と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例5)
ヘパリン添加血液(A・B)をヘパリン添加血液(C・D)に変更したことを除いては、実施例2と同様にして血漿を用意し、評価した。
(実施例6)
血液に対する処理時間を18時間に変更したことを除いては、実施例5と同様にして血漿を用意し、評価した。
(実施例7)
血液に対する処理時間を24時間に変更したことを除いては、実施例5と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例12)
健常人から得られたヘパリン添加血液に何も処理せずに用意した血漿を用いたことを除いては、実施例5と同様にして評価した。
(比較例13)
菌体が固定化されていないことを除いては、実施例5と同様にして評価した。
(比較例14)
菌体が固定化されていないことを除いては、実施例6と同様にして評価した。
(比較例15)
菌体が固定化されていないことを除いては、実施例7と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例16)
組み換えIFN−γ製剤、塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採血した正常血漿に50(JRU/mL)濃度となるように添加して得られた血漿を用い、比較例12と同様にして評価した。
(比較例17)
組み換えIFN−γ製剤、塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採血した正常血漿に500(JRU/mL)濃度となるように添加して得られた血漿を用い、比較例12と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例8)
材料2(エアウォター・ベルパール社製、商品名:ベルファインBG、フェノール樹脂系円柱状造粒活性炭、比表面積1350〜1800m/g、ピーク細孔径約8Å、径1000〜4000μm)を50mLチューブにかさ体積で25mL入れ、そこにポリヒドロキシエチルメタクリレート(平均分子量30万、SIGMA社製)を2%(v/v)溶解させた95%エタノール溶液(ナカライテスク社製)25mLを入れ、30分浸漬後、ステンレス製のかごに移し、余分なエタノールを除去した後、80℃で20時間乾燥させて、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)が表面にコーティングされた材料2を作製した。その後、この材料2をかさ体積で1mLと、5KE/mLのOK−432(中外製薬社製、商品名:ピシバニール)懸濁生理食塩水1mLとを混合し、37℃にて20時間、回転混和させてOK−432を材料2の粒子表面に物理吸着させた。この後、この粒子を生理食塩水にて充分洗浄し、再び生理食塩水に懸濁した。このようにして得られた材料2のかさ体積400μLを5mL用塩化ビニル製バッグに収納させた。ここに健常人から採血したヘパリン加血液(E)を5.0mL添加した。
次に、バッグを転倒混和して血液を撹拌し、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて6時間恒温槽中でインキュベートした。インキュベート後の血液を4℃で1500g(トミー精工社製、微量高速遠心機MRX−150)で15分間遠心し、しかる後血漿を採取し、再び3000gで15分間遠心して血小板を含有しない血漿を得た。−70℃で該血漿を凍結保存した。次に、保存された血漿を、融解し、1500gで5分間遠心後に0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した血漿を得た。
同一の健常人から採血した末梢血液から単核球を採取し、5%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/ウェルになるように96ウェル細胞培養プレートに単核球を添加した。ここに先の血漿を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫活性増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表4に示した。
(実施例9)
実施例8と同様に血液を18時間処理して得られた血漿を用いたことを除いては、実施例8と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例18)
実施例8で用意したヘパリン添加血液(E)から何ら処理を施さずに分離した血漿を用い、実施例8と同様にして評価した。
(比較例19)
OK−432が固定化されていないベルファインBG粒子を用いたことを除いては、実施例8と同様にして血漿を用意し評価した。
(比較例20)
OK−432が固定化されていないベルファインBG粒子を用いたことを除いては、実施例9と同様にして血漿を用意し、評価した。
(比較例21)
組み換えIFN−γ製剤(製剤塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採取した正常血漿に4(JRU/mL)濃度となるように添加した以外は、比較例18と同様にして評価した。
(比較例22)
組み換えIFN−γ製剤(製剤塩野義製薬社製、商品名:イムノマックス−γ)を健常人から採取した正常血漿に8(JRU/mL)濃度となるように添加した以外は、比較例18と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例10)
実施例3と同様にして得られたAからの18時間処理の血漿を同様にして同一の健常人から得られた単核球に添加し培養した。免疫活性増強作用を評価するため細胞性免疫活性増強作用としてTヘルパー1型活性増強作用を以下のように算出した。ELISAキットにて単核球培養上清のIFN−γ誘導量(JIMRO社製キット使用)とIL−4誘導量(R&D Systems社製)を測定し、培養後前後のその比率を算出した。結果を表5に示した。
(比較例23)
何ら処理されていない血漿を用いたことを除いては実施例10と同様にして評価した。
(比較例24)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用いたことを除いては、実施例10と同様にして血漿を用意し評価した。
Figure 2007217360
(実施例11)
実施例3と同様にして得られたAからの18時間処理の血漿を同様にして同一の健常人から血液に10%(v/v)となるように添加し、5mL血液バッグにて培養した。バッグを転倒混和して血液を撹拌し、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて24時間恒温槽中でインキュベートした。この血液の免疫活性増強作用を評価するため細胞性免疫活性増強作用としてナチュラルキラー活性を測定した。
(比較例25)
何ら処理されていない血漿を用いたことを除いては、実施例11と同様にして評価した。
(比較例26)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用いたことを除いては、実施例11と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例12)
実施例3と同様にして得られたAからの18時間処理の血漿を同様にして同一の健常人から得られた単核球に添加し培養した。この単核球を24時間37℃にて培養後、リンパ球を回収し、免疫活性増強作用を評価するため細胞性免疫活性増強作用として細胞傷害性Tリンパ球活性を測定した。マイトジェンとしてコンカナバリンAを用いてヒトCML細胞株K562細胞を標的細胞として標的細胞傷害反応で評価した。
(比較例27)
何ら処理されていない血漿を用いたことを除いては、実施例12と同様にして評価した。
(比較例28)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用いたことを除いては、実施例12と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例13)
実施例2と同様にして得られたAからの18時間処理の血漿を同様にして同一の健常人から得られた単核球に添加し培養した。この単核球を24時間37℃にて培養後、付着細胞を回収し、免疫活性増強作用を評価するため自然免疫活性増強作用としてマクロファージ活性増強作用を評価するためフローサイトメーターにて細胞内TNF−αの量を測定した。マクロファージの同定にはCD14の発現で解析した。結果を表8に示した。
(比較例29)
何ら処理されていない血漿を用いたことを除いては、実施例13と同様にして評価した。
(比較例30)
菌体が固定化されていないXAD4粒子を用いたことを除いては、実施例13と同様にして評価した。
Figure 2007217360
(実施例14〜17)
材料3:CAフィルム(アートプラス社製、酢酸セルロースフィルム、商品名:アセチフィルムVR−R)を用い、フィルム表面をメチルアルコールで24時間、ソックスレー抽出を行って可塑剤を抽出し、フィルムを取り出した後、15時間風乾後、さらに80℃で5時間乾燥した。その後、ストルアス社(デンマーク)製自動研磨機(商品名:プラノボールペデマックス)に、220、500及び1200メッシュのサンドペーパーを取り付けたものを用いて、上記CAフィルムを研磨し、両側の表面に表面粗さを持つ研磨済みCAフィルムを作製した。このフィルムをメチルアルコールで洗浄後、2.5mm×2.5mmの大きさに細片化し、かさ体積で約200μLとなるようにはかり取った。これらの細片を注射用生理食塩水で洗浄後、1.5mL用滅菌済みチューブに充填した。
健常人から採血し、ヘパリン15IU/mL含有静脈血を得た。血液に0.1mg/mLの濃度となるように、BCG(日本ビーシージー製造社製)を添加し、血液約1.3mLを前記充填チューブに添加し、次に、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて24時間恒温槽中でインキュベートした。インキュベート後の血液を4℃で1500g(トミー精工社製、微量高速遠心機MRX−150)で15分間遠心し、しかる後血漿を採取し、再び3000gで15分間遠心して血小板を含有しない血漿を得た。−70℃で該血漿を凍結保存した。次に、保存された血漿を、融解し、1500gで5分間遠心後に0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した血漿を得た。
同一の健常人から採血した末梢血液から単核球を採取し、5%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/ウェルになるように96ウェル細胞培養プレートに単核球を添加した。ここに先の血漿を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫活性増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表9に示した。
また実施例14〜17で使用した各CAフィルムのみを用いて上記と同様に血液と接触させ、血漿を採取して同様の方法にて免疫活性増強作用を評価したところ、培養前後の単核球培養上清中のIFN−γはいずれも検出限界以下(4pg/mL以下)であった。
(比較例31)
材料3を添加しなかったことを除いては、実施例14と同様にして血漿を得て、同様にして単核球からのIFN−γ誘導量を評価した。結果を下記の表9に示す。
Figure 2007217360
(実施例18〜23)
材料4:PETフィルム(ユニチカ社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名:エンブレットS−75)を用い、フィルム表面をメチルアルコールで洗浄した。しかる後、ストルアス社(デンマーク)製自動研磨機(商品名:プラノボールペデマックス)に、220、500,1200、2400,及び4000メッシュのサンドペーパーを取り付けたものを用いて、PETフィルムを研磨し、両側の表面に表面粗さを持つ研磨ずみPETフィルムを作製した。このフィルムをメチルアルコールで洗浄後、2.5mm×2.5mmの大きさに細片化し、かさ体積で約200μLとなるようにはかり取った。これらの細片を注射用生理食塩水で洗浄後、1.5mL用滅菌済みチューブに充填した。健常人から採血し、ヘパリン15IU/mL含有静脈血を得た。血液に0.1mg/mLの濃度となるように、BCG(日本ビーシージー製造社製)を添加し、血液約1.3mLを前記充填チューブに添加し、実施例14と同様にして血漿を得た。単核球を用いて実施例14と同様にして、免疫活性増強作用を評価するためELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表10に示した。
また実施例18〜23で使用した各PETフィルムのみを用いて上記と同様に血液と接触させ、血漿を採取して同様の方法にて免疫活性増強作用を評価したところ、培養前後の単核球培養上清中のIFN−γはいずれも検出限界以下(4pg/mL以下)であった。
(比較例32)
材料4を添加しないで、実施例18と同様にして血漿を得て、同様にして単核球からのIFN−γ誘導量を評価した。結果を表10に示す。
Figure 2007217360
(実施例24〜28)
材料5:ポリスチレンフィルム(三菱モンサント社製、商品名:サントクリア)を用い、フィルム表面を精製水で洗浄した。しかる後、ストルアス社(デンマーク)製自動研磨機(商品名:プラノボールペデマックス)に、220、500,1200、及び2400メッシュのサンドペーパーを取り付けたものを用いて、ポリスチレンフィルムを研磨し、両側の表面に表面粗さを持つ研磨ずみポリスチレンフィルムを作製した。このフィルムを精製水で洗浄後、2.5mm×2.5mmの大きさに細片化し、かさ体積で約200μLとなるようにはかり取った。これらの細片を注射用生理食塩水で洗浄後、1.5mL用滅菌済みチューブに充填した。実施例14と同様に健常人から採血し、ヘパリン15IU/mL含有静脈血を得た。血液に0.1mg/mLの濃度となるように、BCG(日本ビーシージー製造社製)を添加し、血液約1.3mLを前記充填チューブに添加し、実施例14と同様にして血漿を得た。単核球を用いて実施例14と同様にして、免疫活性増強作用を評価するためELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表11に示した。
また実施例24〜28で使用した各ポリスチレンフィルムのみを用いて上記と同様に血液と接触させ、血漿を採取して同様の方法にて免疫活性増強作用を評価したところ、培養前後の単核球培養上清中のIFN−γはいずれも検出限界以下(4pg/mL以下)であった。
(比較例33)
材料5を添加しないで、実施例24と同様にして血漿を得て、実施例24と同様にして単核球からのIFN−γ誘導量を評価した。結果を表11に示す。
Figure 2007217360
(実施例29)
材料6;ナイロン66ペレット(宇部興産社製、商品名;ウベ66 2020B)を射出成形し、直径2.5mmの球状ビーズを作製した。ポットミル(東洋エンジニアリング社製、商品名;5l−セラミックポットミルBP−5)に、上記ビーズ200ml及び同容量の研磨材;WHITE ABRAX(WA)#34(日本研磨材工業社製)を投入し、さらにセラミックポットミル用ボール(東洋エンジニアリング社製、商品名;BB−13)数個を投入し、ボール研磨機(日陶科学社製ポットミル、商品名;AN−3S)により5時間研磨した。
上記のようにして、Ra値9.1μm及びSm値123.5μmのビーズを得た。このビーズをメタノールで3回洗浄して、注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で5回洗浄した。その後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用チューブ(eppendorf 社)に充填した。充填量はビーズ70個とした。
実施例14と同様にして採血した血液に0.1mg/mLの濃度となるように、BCG(日本ビーシージー製造社製)を添加し、血液約1.3mLを前記充填チューブに添加し、次に、ロータリーミキサー(TAITEC社製)に取り付け、6rpmで転倒混和させつつ、37℃にて24時間恒温槽中でインキュベートした。インキュベート後の血液を4℃で1500g(トミー精工社製、微量高速遠心機MRX−150)で15分間遠心し、しかる後血漿を採取し、再び3000gで15分間遠心して血小板を含有しない血漿を得た。−70℃で該血漿を凍結保存した。次に、保存された血漿を、融解し、1500gで5分間遠心後に0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した血漿を得た。
実施例14と同様に、同一の健常人から採血した末梢血液から単核球を採取し、5%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/ウェルになるように96ウェル細胞培養プレートに単核球を添加した。ここに先の血漿を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表12に示した。
また実施例29で使用した研磨ビーズのみを用いて上記と同様に血液と接触させ、血漿を採取して同様の方法にて免疫活性増強作用を評価したところ、培養前後の単核球培養上清中のIFN−γはいずれも検出限界以下(4pg/mL以下)であった。
Figure 2007217360
(実施例30)
材料7(オルガノ社製、商品名:アンバーライトXAD16HP、ポリスチレン多孔性粒子、MR型、細孔分布2〜300Å、表面積800m/g以上、細孔容積0.58〜0.65mL/g、平均細孔径約150Å)に変更したことを除いては実施例1と同様にして血漿を得て、実施例1と同様にして単核球からのIFN−γ誘導量を測定した。結果を表13に示す。
(比較例34)
BCGを血液に添加しなかったことを除いては、実施例30と同様にしてIFN−γ誘導量を測定した。結果を表13に示す。
(実施例31)
材料を材料8(オルガノ社製、商品名:アンバーライトXAD2000、ポリスチレン多孔性粒子、MR型、細孔分布2〜80Å、表面積約620m/g、細孔容積約0.7mL/g、平均細孔径約40〜50Å)に変更したことを除いては実施例30と同様にした。結果を表13に示す。
(比較例35)
BCGを血液に添加しなかったことを除いては、実施例31と同様にしてIFN−γ誘導量を測定した。結果を表13に示す。
(実施例32)
材料を材料9(オルガノ社製、商品名:アンバーライトXAD7HP、アクリル酸系多孔性粒子、MR型、細孔分布2〜2000Å、表面積400m/g以上、細孔容積0.5mL/g以上、平均細孔径約400〜500Å)に変更したことを除いては実施例30と同様にした。結果を表13に示す。
(比較例36)
BCGを血液に添加しなかったことを除いては、実施例32と同様にしてIFN−γ誘導量を測定した。結果を表13に示す。
(比較例37)
材料として何も用いずBCGのみを血液に添加したことを除いては、実施例30と同様にした。結果を表13に示す。
Figure 2007217360
(実施例33)
健常人血液から実施例1に記載の方法で単核球を採取し、2%ウシ胎児血清含有RPMI培地に懸濁した。1×10個/mLの細胞数に調製し、500μLを24ウェル細胞培養プレートに添加した。ここにあらかじめ実施例2と同様に作製した誘導増強材料をかさ体積で100μL添加しておき、5%二酸化炭素下37℃で24時間培養した。この培養上清を3000gで15分間遠心して上清を−70℃で凍結保存した。次に、保存された上清を、融解し0.22μmフィルター(日本ミリポア社製)にてろ過した上清を得た。
実施例2と同様に、同一健常人から得た単核球に、先の上清を最終濃度が10%になるように添加した。5%二酸化炭素下で37℃にて72時間培養し、細胞の培養上清を採取した。免疫増強作用を評価するため、ELISAキット(JIMRO社製)にて上清のIFN−γ誘導量を測定した。また、培養前の血漿を添加した細胞懸濁液中のIFN−γ濃度を培養前の値とした。結果を表14に示した。
Figure 2007217360
表面粗さを説明するための模式図であり、でこぼこの「山」を説明するための図。 表面粗さにおけるでこぼこ平均間隔Sm値を説明するための図。 本発明の免疫活性増強器具の一例を示す模式図。
符号の説明
1…導入部
2…導出部
3…容器
4…血液
5…流出防止機構

Claims (22)

  1. 細胞または細胞由来成分と、免疫活性増強材料とを接触させることを特徴とし、前記免疫活性増強材料は、免疫活性誘導物質と、免疫活性誘導物質における免疫活性誘導作用を増強させる免疫活性誘導増強作用を有しかつ水に不溶性の誘導増強物質とを含むことを特徴とする、免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法。
  2. 前記細胞または細胞由来成分が、血液細胞または血液由来成分である、請求項1に記載の免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法。
  3. 前記免疫活性誘導物質が、細胞性免疫活性増強を誘導させる物質である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  4. 前記細胞性免疫活性増強がTヘルパー1型活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  5. 前記細胞性免疫活性増強がナチュラルキラー活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  6. 前記細胞性免疫活性増強が細胞傷害性Tリンパ球活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  7. 前記免疫活性増強がサイトカイン誘導活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  8. 前記サイトカイン誘導活性増強がインターフェロンγ誘導活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  9. 前記免疫活性増強が自然免疫活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  10. 前記自然免疫活性増強がマクロファージ活性増強である、請求項1または2に記載の細胞または細胞由来成分の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法により得られた細胞または細胞由来成分。
  12. 請求項1〜10に記載の免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法に用いられる免疫活性増強材料であって、免疫活性誘導物質と、前記免疫活性誘導物質の免疫活性誘導作用を増強する水に不溶性の誘導増強物質とを含む、免疫活性増強材料。
  13. 前記水に不溶性の誘導増強物質が巨大網目構造を有する多孔性材料である請求項12に記載の免疫活性増強材料。
  14. 前記巨大網目構造を有する多孔性材料が、細孔分布が2〜2000Åであることを特徴とする請求項12または13に記載の免疫活性増強材料。
  15. 前記水に不溶性の誘導増強物質が中心線平均粗さ0.1〜10μmである表面粗さを有することを特徴とする請求項12〜14に記載の免疫活性増強材料。
  16. 前記水に不溶性の誘導増強物質が高分子材料から成る請求項12〜15のいずれか1項に記載の免疫活性増強材料。
  17. 前記高分子材料は、ポリスチレン系高分子材料、アクリルエステル系高分子材料、ポリエチレンテレフタレート系高分子材料、ナイロン系高分子材料、セルロース系高分子材料の少なくとも1種の高分子材料から成ることを特徴とする請求項16に記載の免疫活性増強材料。
  18. 前記水に不溶性の誘導増強物質が活性炭から成る材料であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の免疫活性増強材料。
  19. 免疫活性誘導物質は、菌体及び/または菌体由来成分であることを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載の免疫活性増強材料。
  20. 免疫活性誘導物質は、抗酸菌及び/または抗酸菌由来成分であることを特徴とする請求項19に記載の免疫活性増強材料。
  21. 免疫活性誘導物質は、溶連菌及び/または溶連菌由来成分であることを特徴とする請求項19に記載の免疫活性増強材料。
  22. 請求項1〜10に記載の免疫活性増強された細胞または細胞由来成分の製造方法に用いられる免疫活性増強器具であって、免疫活性誘導物質と、前記免疫活性誘導物質の免疫活性誘導作用を増強する作用を有し、水に不溶性の誘導増強物質とを含む免疫活性増強材料と、該免疫活性増強材料を収納してなる容器とを備えることを特徴とする免疫活性増強器具。
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