JP2007215052A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像読取装置において、スミアの補正を行う必要がないようにするか、あるいは、行うにしてもその処理負担を可及的に軽減できるようにする。
【解決手段】読取対象物を照明するための照明光を出射する光源LSと、受光素子をライン状に並べて配列した受光部及び前記受光素子夫々からの転送動作によって受け取った電荷を転送出力する電荷転送部を有する光センサPSとが設けられた画像読取装置において、前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送した時点から次ぎに前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送する時点までの基準期間内において、前記基準期間の始端側、又は、前記基準期間の終端側に前記照明光の照射を停止させる照明停止期間を設定すると共に、前記照明停止期間の長さを、前記電荷転送部において前記受光部から受け取った電荷の転送出力を完了させるのに必要な時間に略一致する長さ又はそれ以上の長さに設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、読取対象物を照明するための照明光を出射する光源と、その光源を制御する光源制御装置と、受光素子をライン状に並べて配列した受光部及び前記受光素子夫々からの転送動作によって受け取った電荷を転送出力する電荷転送部を有する光センサとが設けられた画像読取装置に関する。
かかる画像読取装置は、下記特許文献1にも記載のようなCCD光センサによって読取対象物の画像を読取検出する装置である。
CCD光センサでは、受光素子への入射光によって生成された電荷を電荷転送部に転送した後、電荷転送部での転送動作によって各受光素子の検出信号を取り出す際に、例えば受光素子に強い光が入射して発生した電荷が電荷転送部にあふれ出したり、あるいは、電荷転送部に形成した遮光膜を透過して電荷を発生させたりする等して、受光素子から正規の転送タイミングで受け取った電荷以外の不正な電荷が電荷転送部に混入してしまうことによって、異常な画像データが生成されてしまういわゆるスミアという現象が発生する場合がある。
従来、このスミア現象による撮像画質の劣化を抑制するため、下記特許文献2に記載のように、遮光された受光素子から読出したデータを平均して補正用データを求め、通常の有効画素(光学像が結像される画素)の画像データからその補正用データを減算する補正処理を実行することが考えられている。
特開2003−163788号公報 特開2000−350032号公報
しかしながら、上記従来構成では、スミアの補正のための処理負担が大きく、装置構成の複雑化等を招いていた。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スミアの補正を行う必要がないようにするか、あるいは、行うにしてもその処理負担を可及的に軽減できるようにする点にある。
本出願の第1の発明は、読取対象物を照明するための照明光を出射する光源と、その光源を制御する光源制御装置と、受光素子をライン状に並べて配列した受光部及び前記受光素子夫々からの転送動作によって受け取った電荷を転送出力する電荷転送部を有する光センサとが設けられた画像読取装置において、前記光源制御装置は、前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送した時点から次ぎに前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送する時点までの基準期間内において、前記基準期間の始端側、又は、前記基準期間の終端側に前記照明光の照射を停止させる照明停止期間を設定すると共に、前記照明停止期間の長さを、前記電荷転送部において前記受光部から受け取った電荷の転送出力を完了させるのに必要な時間に略一致する長さ又はそれ以上の長さに設定するように構成され、前記電荷転送部では、少なくとも前記照明停止期間において電荷の転送動作を継続するように構成されている。
一般的な電荷転送部の動作を考えると、電荷転送部では、受光素子から電荷を受け取った後、少なくとも転送方向の最も上流側(転送始端側)で受光素子から受け取った電荷の出力が完了するまで転送動作を継続する必要がある。
従って、その最も上流側で受光素子から受け取った電荷に後続する形で、受光素子から電荷を受け取らない状態での転送動作が行われている。
この電荷を受け取らない状態での転送動作中においても照明光は照射されているので、受光素子から正規に受け取る電荷は存在しないものの、その照明光によって電荷転送部に電荷が蓄積されてしまう。
次ぎに受光素子から電荷転送部へ正規に電荷を転送するタイミングでは、上記のように既にスミアを発生させる不正な電荷が存在している状態のところへ受光素子に蓄積された電荷を送り込むことになる。
この後、更に、受光素子から正規の電荷転送で受け取った電荷を出力のために転送している間にも照明光が照射されているので、その転送の間にもスミアを発生させる不正な電荷が電荷転送部に混入してしまうことになる。
すなわち、電荷転送部に蓄積されるスミアを発生させる不正な電荷としては、受光素子から電荷転送部へ正規に電荷の転送動作を行う際に、既に転送先の電荷転送部に蓄積されている電荷と、受光素子から電荷転送部へ正規に電荷を転送した後、その電荷の電荷転送部における転送過程で新たに蓄積される電荷とがある。
そこで、受光素子から電荷転送部へ電荷を転送(電荷のあふれ出しではない正規の転送)した時点から次ぎに受光素子から電荷転送部へ電荷を転送する時点までの基準期間内において、前記基準期間の始端側、又は、前記基準期間の終端側に照明光の照射を停止する照明停止期間を設定し、電荷転送部においてこの照明停止期間に受光素子1ライン分に対応する分の転送出力を完了してしまうのである。
前記照明停止期間を前記基準期間の始端側に設定すれば、その基準期間の始端で受光部から正規に受け取った電荷を転送出力している途中で、スミアを発生させる不正な電荷が蓄積されてしまうのを回避できる。
又、前記照明停止期間を前記基準期間の終端側に設定すれば、その時点で電荷転送部に蓄積されている電荷(スミアを発生させる不正な電荷)を照明光を照射しない状態で払い出してしまうことで、その基準期間の1つ後の基準期間の始端で、電荷転送部に電荷が存在せずクリアな状態で受光素子から転送されてくる電荷を受入れることができる。
又、本出願の第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記光センサによる読取作用位置と前記読取対象物とが前記主走査方向に略直交する副走査方向で相対移動している状態で、前記光センサの検出信号に基づいて前記読取対象物の画像を読取るように構成され、前記光源は、照明色が可視光領域に属する照明光と赤外光の照明光とを、前記基準期間毎に交互に出射するように構成され、前記光源制御装置は、照明色が可視光領域に属する照明光を照射する前記基準期間においては、前記照明停止期間を前記基準期間の終端側にのみ設定し、且つ、赤外光の照明光を照射する前記基準期間においては、前記照明停止期間を前記基準期間の始端側にのみ設定するように構成されている。
読取対称物の画像の読取においては、特に、読取対象物が写真フィルム等の光透過原稿の場合、読取対象物に付着した塵埃や傷の位置を検出して本来の読取画像(前記複数の照明色で検出した画像)を補正するために、上記の可視光領域の照明光の他に、赤外光を照射して画像検出する場合がある。
この赤外光の照射タイミングとしては、可視光領域の照明色についての照射と重複して行おうとすると、可視光領域の照明色の成分を検出する光センサに赤外光の影響が混入しないように、赤外カットフィルタを設置する等の対策が必要となってしまう。
このため、光センサによる読取作用位置と読取対象物とが副走査方向で相対移動している状態で画像を検出する形式においては、赤外光の照射タイミングと可視光領域の照明色の照明光の照射タイミングとが重複しないように分離することが考えられている。
この照射タイミングの分離の仕方としては、前記基準期間毎に可視光領域の照明光と赤外光の照明光とを交互に照射する。
このような照明光の照射態様をとる場合にもスミアの発生が問題となるが、この場合、スミアの原因となる不正な電荷の発生を厳密に排除する観点では、照明光として赤外光を照射する前記基準期間及び可視光領域の照明光を照射する前記基準期間の双方において、夫々の基準期間の始端側及び終端側の両方に前記照明停止期間を設定し、それらの照明停止期間に挟まれる期間に赤外光あるいは可視光領域の照明光を照射して受光素子に電荷を蓄積させる、という取扱いになる。
しかしながら、このような取扱いでは、前記基準期間内における照明光の照射時間が短くなり、読取対象物の画像を良質な画像として読取るのに十分な積算光量を確保できない場合もある。
ところで、赤外光による読取り画像は傷や塵埃の存在位置の特定が主目的であり、極めて高画質の読取り画像を要求される可視光領域の照明光による読取り画像に比べると、それほど画像の微妙な濃度変化の忠実な再現を要求されるものではない。
そのような観点から、照明色が可視光領域に属する照明光を照射する基準期間においては、照明停止期間を基準期間の終端側にのみ設定して、その可視光領域の照明光によって受光素子に蓄積した電荷を電荷転送部へ転送するときには、電荷転送部にスミアの原因となる不正な電荷が存在しないように排出しておくと共に、可視光領域の照明光を照射する基準期間の始端側では、その時に電荷転送部を転送出力されている赤外光の照明下での検出電荷にはスミアの原因となる電荷の蓄積を許容する。
更に、赤外光の照明光を照射する基準期間においては、照明停止期間を基準期間の始端側にのみ設定して、その時に電荷転送部を転送出力されている可視光領域の照明光による検出電荷にはスミアの原因となる不正な電荷が混入しないようにすると共に、赤外光の照明光を照射する基準期間の終端側では、後に赤外光による検出電荷に混入することになる電荷が電荷転送部に蓄積されるのを許容する。
又、本出願の第3の発明は、上記第2の発明の構成に加えて、前記光源は、照明色が可視光領域に属する照明光として複数の照明色の照明光を独立して照射するように構成され、前記光源制御装置は、前記複数の照明色の照明光の光強度と照射タイミングとを各照明色毎に別個に制御するように構成されると共に、前記複数の照明色を同時に照射する前記基準期間において、照明光の照射時間を前記照明色間で異ならせ、且つ、前記基準期間の始端からの積算光量が、前記基準期間全体での積算光量の1/2となる設定基準タイミングを、前記複数の照明色間で略一致させる状態で制御し、赤外光の照明光を照射する前記基準期間において、前記基準期間の始端からの赤外光の積算光量が、前記基準期間全体での赤外光の積算光量の1/2となるタイミングと、前記設定基準タイミングとの間隔を一定に保持させる状態で制御するように構成されている。
すなわち、光センサへの光の到達効率や光センサ自体の感度等を含めた実効的な検出感度が色成分毎に異なる場合が多いことから、照明色毎に照射時間を異ならせて積算光量を変化させて調整する。
このような光源管理を行う場合において、前記設定基準タイミングが複数の照明側間で異なってしまうと、実質的に照明色間でわずかに位置ずれした状態で画像を検出してしまうので、そのような位置ずれが発生しないように、前記設定基準タイミングを照明色間で略一致させる。
更に、その設定基準タイミングと、赤外光を照射する基準期間において積算光量が全体の積算光量の1/2に達するタイミングとの時間間隔を一定に保持させることで、赤外光の照明光下で検出する画像と可視光領域の照明光下で検出する画像の位置関係が一定に固定され、両画像の位置関係の関連付けを容易に行えるようにできる。
上記第1の発明によれば、受光素子から受け取った電荷を電荷転送部において転送出力中に照明光の照射を停止して不正な電荷の蓄積を防止するか、あるいは、受光部から電荷転送部へ電荷を転送する前に、照明光の照射を停止した状態で空転送を行うことによって、それまでに蓄積されていた不正な電荷を排除しておくことで、スミアを発生させる電荷の混入を可及的に抑制し、スミアの補正を行う必要がないようにするか、あるいは、行うにしてもその処理負担を可及的に軽減できるものとなった。
又、上記第2の発明によれば、スミアが発生してもそれほど大きな影響を受けにくい赤外光についての検出画像を生成する電荷の取扱いについては、スミアの原因となる不正な電荷の混入を許容し、且つ、高品質な検出画像を求められる可視光領域の照明光下での検出画像を生成する電荷の取扱いについては、スミアの原因となる不正な電荷の混入を徹底的に排除することで、スミアの補正を行う必要がないようにするか、あるいは、行うにしてもその処理負担を可及的に軽減できるものとしながら、照明光の照射時間として長い時間を確保できる。
又、上記第3の発明によれば、照射時間の異なる複数の照明色の照明光を利用して可視光領域の照明光下での画像を検出するときに、それらの照明色間で微妙な画像の位置ずれが発生するのを防止でき、更に、赤外光の照明光下での検出画像と可視光領域の照明光下での検出画像の位置関係が固定されるので、赤外光の照明光下での検出画像から傷又は塵埃の存在位置を特定して、可視光領域の照明光下での検出画像において傷又は塵埃による画像劣化を修正するという作業を可及的に行い易くすることができる。
以下、本発明の画像読取装置を写真プリントシステムに備えた場合の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
写真プリントシステムDPは、図1に示すように、現像処理済みの写真フィルム1(以下、単に「フィルム1」と称する)の駒画像を読取るための画像読取装置FSと、画像読取装置FSの読取りデータに基づいて写真プリントを作製する露光・現像装置EPとから構成されている。
〔画像読取装置FSの概略構成〕
画像読取装置FSには、図1に概略的に示すように、読取対象物であるフィルム1を照明するための照明光を出射する光源LSであるLED光源装置10と、LED光源装置10を制御する光源制御装置12と、フィルム1の駒画像を光電変換する光センサPSであるCCDラインセンサユニット13と、フィルム1の画像をCCDラインセンサユニット13上に結像させるためのレンズ14と、光路を90度屈曲させるためのミラー15と、CCDラインセンサユニット13の出力信号を増幅及びA/D変換等する信号処理回路16と、所定の読取り用位置(CCDラインセンサユニット13による読取作用位置)を経由してフィルム1を搬送するフィルムキャリア17とが備えられている。尚、LED光源装置10とフィルムキャリア17におけるフィルム搬送位置との間には、光拡散ボックス18が備えられている。
画像読取装置FSは、光源LSから出射される照明光を画像読取対象物であるフィルム1に照射しながら、CCDラインセンサユニット13による読取作用位置とフィルム1とを相対移動(具体的には、フィルム1をフィルムキャリア17にて搬送移動)させる状態で、フィルム1の透過光の像をCCDラインセンサユニット13にて照明光の各照明色の色成分に分解して検出することで、フィルム1の駒画像をカラー画像として読取る。
本実施の形態のCCDラインセンサユニット13は、図3に模式的に示すように、赤色検出用のCCDラインセンサ20R,緑色検出用のCCDラインセンサ20G及び青色検出用のCCDラインセンサ20Bを設定間隔をおいて一体に集積化したものであり、各CCDラインセンサ20R,20G,20Bは、夫々、約5000個の受光素子21をライン状に並べて配列した受光部LRと、その受光素子21の並びに沿って配置されて受光素子21夫々からの転送動作によって受け取った電荷を受光素子21の並び方向に転送出力する電荷転送部CTと、受光部LRと電荷転送部CTとの間に配置されて受光部LRから電荷転送部CTへの電荷転送動作を制御するシフトゲートSGとを主要部として構成されている。CCDラインセンサユニット13の電荷転送部CTやシフトゲートSGを駆動するクロック信号等は、信号処理回路16から供給される。
各CCDラインセンサ20R,20G,20Bの受光面には、夫々、カラーフィルタが形成されて、フィルム1の駒画像を色分解して検出するように構成されている。
尚、上記カラーフィルタは、それの性質上、赤外光の透過率が高く、それを利用して、上記の3つのCCDラインセンサ20R,20G,20Bのうちの一つを赤外光の透過画像の検出に兼用している。本実施の形態では、CCDラインセンサ20Gを赤外光の透過画像の検出にも兼用している。
各CCDラインセンサ20R,20G,20Bにおける受光素子21の配列方向(主走査方向)はフィルム1の搬送方向(副走査方向)と略直交しており、LED光源装置10の照射光で照明されたフィルム1の駒画像が、フィルム1の駒画像の幅が受光素子21の並び範囲内に収まる倍率で、レンズ14にてCCDラインセンサユニット13の受光面上に結像される。すなわち、フィルム1の透過光の像がCCDラインセンサユニット13にて検出される。
〔LED光源装置10の構成〕
LED光源装置10は、図2に示すように、ほぼ閉空間を構成する筐体30内に、発光ダイオードのチップ31を多数配列した金属製の2つのチップ支持基板32と、2つのチップ支持基板32を支持する略L字状のヒートシンク33と、2つのチップ支持基板32の夫々に対応して備えられる2つの第1レンズ34と、波長選択性反射ミラー35と、2つのチップ支持基板32に対して共通に備えられる第2レンズ36と、筐体30の一側に配置される吸気ファンユニット37と、筐体30における吸気ファンユニット37と反対側に配置される排気ファンユニット38とが備えられ、更に、ヒートシンク33におけるチップ支持基板32取付け位置付近に発光ダイオードの動作温度を安定させるためのヒータ39が埋め込まれている。
2つのチップ支持基板32は、夫々異なる発光色の発光ダイオードチップを搭載しており、上方側のチップ支持基板32aは青色光を出射する発光ダイオードチップと緑色光を出射する発光ダイオードチップとを搭載し、下方側のチップ支持基板32bは赤色光を出射する発光ダイオードチップと赤外光を出射する発光ダイオードチップとを搭載している。従って、波長選択性反射ミラー35は、赤色及び赤外の光を反射し、それよりも短波長側の光を透過するように構成されている。
LED光源装置10を制御する光源制御装置12は、信号処理回路16からの制御信号によって、赤外光,青色光,緑色光及び赤色光を出射する発光ダイオードのチップ31を照明色毎に独立して点灯制御しており、照明色が可視光領域に属する青色,緑色及び赤色の複数の照明色の照明光を独立して照射すると共に、それらの可視光領域の照明色に加えて、赤外光の照明光を独立して照射するように構成されている。
〔光源制御装置12によるLED光源装置10の制御態様〕
次ぎに、光源制御装置12によるLED光源装置10の制御動作を、図4のタイミングチャートによって説明する。
光源制御装置12は、LED光源装置10の発光ダイオードのチップ31に対して、青色,緑色,赤色及び赤外光の夫々のチップ31について、各照明色毎に独立して点灯駆動するように構成されている。
図4の最上段から4段目までの「青色点灯パルス」,「緑色点灯パルス」,「赤色点灯パルス」及び「赤外光点灯パルス」として示す信号は、上段側から順に、青色光,緑色光,赤色光及び赤外光の各発光ダイオードのチップ31を発光駆動させるための点灯指示パルス信号を示しており、各照明色の照明光の照射タイミングが各照明色毎に別個に制御されることを示している。
光源制御装置12に内蔵されている発光ダイオードの各チップ31の駆動回路は、各チップ31に供給する駆動電流を設定することで、青色,緑色及び赤色の各照明色の照明光の光強度を各照明色毎に別個に制御しており、更に、赤外光の照明光の光強度も別個に制御している。
発光ダイオードの各チップ31の駆動回路は、前記点灯パルス信号が立ち上がっている期間の間、予め設定されている一定電流を各チップ31に供給して、各照明色(赤外光を含む)の照明光の光強度が一定となるようにしている。
従って、図4の最上段から4段目までのパルス波形は、LED光源装置10から照射される青色,緑色,赤色及び赤外光の各照明色の成分についての光強度の時間変化を示す波形と相似関係となっている。このため、説明の便宜上、図4の最上段から4段目までの信号波形を光強度の時間変化と見なして説明する場合がある。
図4の5段目の「S/H」で示す信号波形と、図4の最下段の「電荷転送」として示す信号波形は、信号処理回路16からCCDラインセンサユニット13へ出力される制御信号であるが、光源制御装置12による照射タイミングと同期しており、動作のタイミングの比較のために併記している。
このうち、「S/H」で示す信号波形は、各受光素子21に蓄積された電荷を電荷転送部CTへ転送動作させるためのパルス信号で、このパルス信号の立ち下がりで各受光素子21の蓄積電荷が一斉に電荷転送部CTへ転送される。つまり、このパルス信号の立ち下がりから次のパルス信号の立ち下がりまでの1周期「Tc」の期間内にCCDラインセンサ20R,20G,20Bの受光面に照射された光によって発生した電荷が受光素子21に蓄積される。以下において、説明の便宜上、「S/H」で示す信号波形におけるパルス信号の立ち下がりから次ぎのパルス信号の立ち下がりまでの期間、換言すると、受光部LRから電荷転送部CTへ電荷を転送した時点から次ぎに受光部LRから電荷転送部CTへ電荷を転送する時点までの期間を「基準期間」と称する。
図4の最下段の「電荷転送」として示す信号波形は、電荷転送部CTにおいて受光素子21の並び方向に沿って電荷を転送させるためのクロック信号を概略的に示している。
光源制御装置12は、「S/H」で示す信号波形を信号処理回路16から受け取って、上記の点灯パルス信号の出力タイミングを設定している。
図4に示すように、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」,「赤色光点灯パルス」及び「赤外光点灯パルス」は夫々、「Wb」,「Wg」,「Wr」及び「Wir」で示すパルス幅を有するパルスを一定周期で出力しているが、このようにパルス幅(すなわち照射時間)を照明色間で異ならせているのは、CCDラインセンサユニット13(光センサPS)へのフィルム1の透過光の到達効率やCCDラインセンサユニット13自体の各照明色に対する感度等を含めた実効的な検出感度が各照明色毎に異なるのを、各照明色を担当する発光ダイオードのチップ31から出射する照明光の光強度のみならず、各照明色の照射時間によっても調整しているためである。
これらの点灯パルス信号は、周期「Tc」の一定周期で出力される最下段の「S/H」のパルス信号と同期して生成されるのであるが、これらのうち、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」及び「赤色光点灯パルス」については、同一の期間「Tc」内で出力されるのに対して、「赤外光点灯パルス」だけは隣の期間「Tc」で出力されている。
すなわち、照明色が可視光領域に属する照明光と赤外光の照明光とを、前記基準期間毎に交互に出射するように構成されている。
これは、赤外光による画像の検出のために可視光での画像の検出のための光センサPS(本実施の形態では、緑色光検出用のCCDラインセンサ20G)を兼用しているためで、可視光による画像と赤外光による画像とを区別して検出できるようにするためである。
従って、副走査方向では、前記基準期間の2個分の期間(2×Tc)で画像の1画素分を検出することになる。
換言すると、可視光の照射のための期間「Tc」と赤外光の照射のための期間「Tc」とを足し合わせた2×Tcの期間が1画素分の読取期間となる。
同一の期間「Tc」内で出力される「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」及び「赤色光点灯パルス」は上記の1画素分の読取期間内で単一の光パルスを形成するのであるが、その単一の光パルスの時間中心(直線Cvで示す)が青色,緑色及び赤色の照明色間で略一致させてある。
上述のように各点灯パルス信号で点灯駆動される発光ダイオードのチップ31の出射光の光強度は一定としてあるので、直線Cvで規定される設定基準タイミングの前後で、光強度の時間変化が対称となっている。
これはまた、可視光領域の複数の照明色の照明光を同時に照射する前記基準期間において、前記基準期間の始端からの積算光量が、前記基準期間全体での積算光量の1/2となる設定基準タイミング(直線Cvで示すタイミング)を、青色,緑色及び赤色の複数の照明色間で略一致させていることになっている。
この直線Cvで示す時間中心の位置は、前記基準期間の始端から時間「Tv」だけ経過した時間に設定している。
この時間「Tv」は、積算光量の調整のために上記の「Wb」,「Wg」及び「Wr」を設定変更した場合でも原則として不変としてある。
図4では、Tv=Tc/3と設定して、照射時間が最も長い「Wr」が、Wr=2×Tvとなる場合を示している。
従って、光源制御装置12は、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」及び「赤色光点灯パルス」夫々のパルスの立ち上がりタイミングを、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がりから、夫々「Tc/3−Wb/2」,「Tc/3−Wg/2」及び「Tc/3−Wr/2」だけ経過した時点に設定し、その立ち上がりタイミングから、夫々「Wb」,「Wg」及び「Wr」だけ経過した時点でパルスを立ち下げるように設定している。
一方、「赤外光点灯パルス」については、それによって形成される赤外光の単一の光パルスの時間中心(直線Cirで示す)が、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がり(前記基準期間の始端)から、「Tir」だけ経過した時点に設定している。
この時間「Tir」も、積算光量の調整のために「Wir」を設定変更した場合でも原則として不変としてある。図4では、Tv=2×Tc/3と設定している。
従って、光源制御装置12は、「赤外光点灯パルス」の立ち上がりタイミングを、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がりから、「2×Tc/3−Wir/2」だけ経過した時点に設定し、その立ち上がりタイミングから「Wir」だけ経過した時点でパルスを立ち下げるように設定している。
これは、すなわち、赤外光の照明光を照射する前記基準期間において、前記基準期間の始端からの赤外光の積算光量が、前記基準期間全体での赤外光の積算光量の1/2となるタイミング(直線Cirで示す)と、前記設定基準タイミング(直線Cvで示す)との間隔を一定に保持しており、赤外光の画像と可視光(青色光,緑色光及び赤色光)の画像との副走査方向でのずれ量「D」は、D=2×Tc/3で、1/3画素分ずれていることになる。
以上の青色光,緑色光,赤色光及び赤外光の各照明光の照射タイミングを、画像上の位置として模式的に図5に示す。
図5において、太線の実線Aで区分けして示す各升目は画像の1画素(より厳密には、副走査方向では、1画素分の読取期間「2×Tc」に相当)を示しており、青色光の照射時間を破線の枠Pで、緑色光の照射時間を1点鎖線の枠Qで、赤色光の照射時間を2点鎖線の枠Rで、赤外光の照射時間を細線の枠Sで夫々示す。
各画素の検出信号は、1画素分の読取期間全体で光センサPSの受光素子21が受光する積算光量に相当しており、各画素の検出信号は各照明色の照明光の照射時間帯の部分の画像によって代表されていることになる。
更に、より直感的には、各画素の検出信号は各照明色の照明光の照射時間帯の中央部分の画像として把握できる。
図5において、各照明色の照射時間帯の中央部分の位置を、白丸(青色光),白三角(緑色光),×(赤色光)及び白四角(赤外光)として示しているが、これらの位置関係から、可視光領域の照明色については、同一の画素の検出信号として厳密に同じ位置の画像を検出することになる。
一方、可視光領域の照明色での検出画像と赤外光での検出画像とを対比すると、両者は副走査方向で位置ずれしているが、その位置ずれ量は、上記のように「1/3画素」に固定されているので、両画像の位置関係は極めて容易に特定することができる。
上記のような照明光の照射タイミングの制御において、図4及び図5からわかるように、照明色が可視光領域に属する照明光を照射する前記基準期間においては、前記基準期間の終端側に照明光の照射を停止する照明停止期間を設定し、赤外光の照明光を照射する前記基準期間においては、前記基準期間の始端側に照明光の照射を停止する照明停止期間を設定している。これらの照明停止期間を、図4中において「Pni」として概略的に示している。
この照明停止期間「Pni」の長さは、電荷転送部CTにおいて受光部LRから受け取った電荷の転送出力を完了させるのに必要な時間に略一致する長さか、あるいは、それに若干の余裕を持たせて、それ以上の長さに設定している。
信号処理回路16は、図4に示すように、少なくともこの照明停止期間「Pni」では、電荷転送部CTでの電荷の転送動作を継続するように転送クロックを出力している。
尚、基準期間の始端側で出力している転送クロックは、受光部LRから正規の転送動作で受け取った電荷を転送出力するためのものであり、これも必須の転送クロックである。
基準期間の始端側に照明停止期間「Pni」を停止した赤外光の照明光を照射する基準期間では、その照明停止期間の間に、1つ前の基準期間で可視光領域の照明光の照明下で受光素子21に蓄積した電荷を転送出力しているが、その転送出力が完了するまでは赤外光の照明光が照射されないことになり、電荷の転送中にスミアを発生させる不正な電荷が電荷転送部CTに混入するのを回避できる。
又、基準期間の終端側に照明停止期間「Pni」を停止した可視光領域の照明色の照明光を照射する基準期間では、その照明停止期間の間に、電荷転送部CTで空転送をして、その時までに可視光領域の照明色の照明光によって電荷転送部CTに蓄積されていたスミアを発生させる不正な電荷を完全に排出することになる。これによって、1つ後の基準期間の始端で受光部LRから電荷転送部CTへ電荷を転送動作するときに、不正な電荷が蓄積されていないきれいな状態の電荷転送部CTへ検出した電荷を送り込むことができる。
これに対して、赤外光の照明光を照射する基準期間の終端側では照明停止期間「Pni」を設定していないため、1つ後の基準期間の始端で受光部LRから電荷転送部CTに電荷を転送する際に、不正な電荷が存在する状態の電荷転送部CTへ電荷を送り込むことになってしまうが、このときの受光部LRから電荷転送部CTへの転送動作の対象となっているのは、赤外光の照明下での検出電荷であり、不正な電荷が多少混入してもそれほど問題となならない。
更に、可視光領域の照明色の照明光を照射する基準期間の始端側でも照明停止期間「Pni」を設定していないので、そのときに電荷転送部CTを転送出力中の電荷に不正な電荷が混入してしまうが、このとき転送している電荷は赤外光の照明下での検出電荷であるので、スミアを発生させる不正な電荷が多少混入してもそれほど問題とはならない。
尚、赤外光の照明光を照射する基準期間の終端側で照明停止期間「Pni」を設定しないにも拘わらず電荷転送部CTで空転送を行っているが、これは、主には、各基準期間で転送クロックの出力制御を共通化するためにであるが、空転送を実行することで多少なりとも不正な電荷を排出しておくという効果もある。その意味で、基準期間の略全体で転送クロックを出力して転送動作を継続するように構成しても良い。
以上のようにして照明光の照射タイミングの制御を行う場合において、「Tc」,「Wb」,「Wg」,「Wr」及び「Wir」の数値例としては、例えば、夫々3000μS,1000μS,1400μS,2000μS及び1600μS程度となる。
〔露光・現像装置EPの全体構成〕
露光・現像装置EPは、図1に示すように、画像読取装置FSとは別体で構成されており、筐体内部には、印画紙2に露光画像を形成する露光ヘッド41と、露光形成する画像の画像データに基づいて露光ヘッド41を制御する露光制御装置42と、露光ヘッド41にて露光された印画紙2を現像処理する現像処理装置43と、印画紙マガジン3から引き出された印画紙2を現像処理装置43へ搬送する印画紙搬送系PTとが設けられ、筐体外部には、現像処理装置43にて現像された印画紙2をオーダ毎に一時的に保存するためのソータ(図示を省略)へ搬送する排出コンベア44が設けられ、更に、これら各部を制御する主制御装置45が筐体内に設けられている。
主制御装置45には、プリント画像をシミュレートして表示するためのモニタ45aと、操作者がそのモニタ45aに表示されたシミュレート画像を観察して露光条件の補正量を指示入力するための操作卓45bと、光磁気ドライブ装置やCD−Rドライブ装置等の外部入出力装置45cとが接続されている。
印画紙搬送系PTは、各種の搬送形式にて構成される複数の搬送ローラ46等が備えられ、印画紙搬送系PTの搬送経路の途中には、印画紙マガジン3から引き出された長尺の印画紙2を設定プリントサイズに切断するカッタ47と、印画紙2の搬送列を振り分けるための振り分け装置48とが備えられている。
〔露光・現像装置EPの全体動作〕
次に、露光・現像装置EPの全体動作について概略的に説明する。
上述のようにLED光源装置10における照明光の照射タイミング等が設定された状態で画像読取装置FSにてフィルム1の駒画像が読み取られて、その画像データが主制御装置45に入力される。
赤外光の照明光の照射下で検出された画像は、フィルム1の撮影画像の影響は受けず、フィルム1上の傷や塵埃によって光線が散乱されることで形成される画像であり、主制御装置45では、入力されてきた画像データに対して、赤外光での画像データによって塵埃あるいは傷の存在位置を特定し、その情報に基づいて可視光での画像データを補正する。
更に、仕上がりプリントをシミュレートしたシミュレート画像を演算処理により求めてモニタ45aに表示する。
操作者は、モニタ45aに表示されたシミュレート画像を観察して、適宜露光条件の補正入力を操作卓45bから行う。
主制御装置45は、操作卓45bから補正入力があると、その指示に基づいて露光条件を補正演算して露光用の画像データを生成し、その画像データを露光制御装置42へ送る。
露光制御装置42は、印画紙2の搬送駆動と連動して、受け取った露光用の画像データに基づいて露光ヘッド41を駆動し、前記露光位置を搬送される印画紙2に対して潜像として画像を露光形成する。
露光ヘッド41にて露光処理された印画紙2は、現像処理装置43にて現像処理及び乾燥処理された後、排出コンベア44上に排出される。
<第2実施形態>
次ぎに本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、光源制御装置12による照明光の照射タイミングの制御のみが異なり、その他の構成要素は上記第1実施形態と共通である。
従って、光源制御装置12によるLED光源装置10の制御態様についてのみ説明する。
〔光源制御装置12によるLED光源装置10の制御態様〕
第2実施形態における光源制御装置12によるLED光源装置10の制御動作を、図6のタイミングチャートによって説明する。
光源制御装置12は、LED光源装置10の発光ダイオードのチップ31に対して、青色,緑色,赤色及び赤外光の夫々のチップ31について、各照明色毎に独立して点灯駆動するように構成されている。
図6の最上段から4段目までの「青色点灯パルス」,「緑色点灯パルス」,「赤色点灯パルス」及び「赤外光点灯パルス」として示す信号の意味は、上記第1実施形態におけるものと同様である。
照明光の光強度の設定態様についても上記第1実施形態と同様であり、光源制御装置12に内蔵されている発光ダイオードの各チップ31の駆動回路は、各チップ31に供給する駆動電流を設定することで、青色,緑色及び赤色の各照明色の照明光の光強度を各照明色毎に別個に制御しており、更に、赤外光の照明光の光強度も別個に制御している。
発光ダイオードの各チップ31の駆動回路は、前記点灯パルス信号が立ち上がっている期間の間、予め設定されている一定電流を各チップ31に供給して、各照明色(赤外光を含む)の照明光の光強度が一定となるようにしている。
従って、図6の最上段から4段目までのパルス波形は、LED光源装置10から照射される青色,緑色,赤色及び赤外光の各照明色の成分についての光強度の時間変化を示す波形と相似関係となっている。このため、説明の便宜上、図6の最上段から4段目までの信号波形を光強度の時間変化と見なして説明する場合がある。
図6の5段目の「S/H」で示す信号波形と、図6の最下段の「電荷転送」として示す信号波形も上記第1実施形態における図4のものと同様であり、「基準期間」等の用語も上記第1実施形態と同様の定義で使用する。
「Tc」や「Pni」その他の符号の意味も上記第1実施形態と同様である。
本第2実施形態においても、光源制御装置12は、「S/H」で示す信号波形を信号処理回路16から受け取って、上記の点灯パルス信号の出力タイミングを設定している。
図6に示すように、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」,「赤色光点灯パルス」及び「赤外光点灯パルス」は夫々、「Wb」,「Wg」,「Wr」及び「Wir」で示すパルス幅を有する単一パルスを一定周期で出力している点も上記第1実施形態と同様であるが、本第2実施形態はこれらの点灯パルス信号の出力タイミングのみが上記第1実施形態と異なる。
出力タイミングが異なるといっても、パルス幅(すなわち照射時間)を照明色間で異ならせていることや、照明色が可視光領域に属する照明光と赤外光の照明光とを、前記基準期間毎に交互に出射するように構成されている点、更には、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」及び「赤色光点灯パルス」で生成される単一の光パルスの時間中心(直線Cvで示す)が青色,緑色及び赤色の照明色間で略一致させてあるのも上記第1実施形態と同様である。
上記の直線Cvで示す時間中心の位置は、上記第1実施形態と同様に、前記基準期間の始端から時間「Tv」だけ経過した時間に設定して、この時間「Tv」は、積算光量の調整のために上記の「Wb」,「Wg」及び「Wr」を設定変更した場合でも原則として不変としてあるが、本第2実施形態では、Tv=Tc/2と設定している。
従って、光源制御装置12は、「青色光点灯パルス」,「緑色光点灯パルス」及び「赤色光点灯パルス」夫々のパルスの立ち上がりタイミングを、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がりから、夫々「Tc/2−Wb/2」,「Tc/2−Wg/2」及び「Tc/2−Wr/2」だけ経過した時点に設定し、その立ち上がりタイミングから、夫々「Wb」,「Wg」及び「Wr」だけ経過した時点でパルスを立ち下げるように設定している。
一方、「赤外光点灯パルス」についても、上記第1実施形態と同様に、それによって形成される赤外光の単一の光パルスの時間中心(直線Cirで示す)が、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がり(前記基準期間の始端)から、「Tir」だけ経過した時点に設定している。
この時間「Tir」も、積算光量の調整のために「Wir」を設定変更した場合でも原則として不変としているが、上記第1実施形態と異なり、Tv=Tc/2と設定している。
従って、光源制御装置12は、「赤外光点灯パルス」の立ち上がりタイミングを、「S/H」で示すパルス信号の立ち下がりから、「Tc/2−Wir/2」だけ経過した時点に設定し、その立ち上がりタイミングから「Wir」だけ経過した時点でパルスを立ち下げるように設定している。
すなわち、赤外光の照明光を照射する前記基準期間において、前記基準期間の始端からの赤外光の積算光量が、前記基準期間全体での赤外光の積算光量の1/2となるタイミング(直線Cirで示す)と、前記設定基準タイミング(直線Cvで示す)との間隔を一定に保持しているのは上記第1実施形態と同様であるが、本第2実施形態では、赤外光の画像と可視光(青色光,緑色光及び赤色光)の画像との副走査方向でのずれ量「D」は、D=Tcで、0.5画素分ずれていることになる。
以上の青色光,緑色光,赤色光及び赤外光の各照明光の照射タイミングを、画像上の位置として模式的に図7に示す。
図7における、各符号の意味は上記第1実施形態と共通である。
図7においても、各照明色の照射時間帯の中央部分の位置を、白丸(青色光),白三角(緑色光),×(赤色光)及び白四角(赤外光)として示しているが、これらの位置関係から、可視光領域の照明色については、同一の画素の検出信号として厳密に同じ位置の画像を検出することになる。
一方、可視光領域の照明色での検出画像と赤外光での検出画像とを対比すると、両者は副走査方向で位置ずれしているが、その位置ずれ量は、上記のように「0.5画素」に固定されているので、両画像の位置関係は極めて容易に特定することができる。
本第2実施形態が上記第1実施形態と最も異なる点は、上記のような照明光の照射タイミングの制御において、図6及び図7からわかるように、照明色が可視光領域に属する照明光を照射する前記基準期間と赤外光の照明光を照射する前記基準期間との双方において、前記基準期間の始端側と前記基準期間の終端側の両方に照明光の照射を停止する照明停止期間「Pni」を設定している。
この照明停止期間「Pni」の長さは、上記第1実施形態と同じく、電荷転送部CTにおいて受光部LRから受け取った電荷の転送出力を完了させるのに必要な時間に略一致する長さか、あるいは、それに若干の余裕を持たせて、それ以上の長さに設定している。
本第2実施形態においても、信号処理回路16は、図6に示すように、少なくともこの照明停止期間「Pni」では、電荷転送部CTでの電荷の転送動作を継続するように転送クロックを出力している。
尚、基準期間の始端側で出力している転送クロックは、受光部LRから正規の転送動作で受け取った電荷を転送出力するためのものであり、これも必須の転送クロックである。
赤外光及び可視光領域の何れの照明光においても、基準期間の始端側と終端側の両方に照明停止期間「Pni」を設定しているので、基準期間の始端で受け取った電荷を電荷転送部CTで転送している時にスミアを発生させる不正な電荷が電荷転送部CTに混入することはなく、又、電荷転送部CTに蓄積されていたスミアを発生させる不正な電荷を基準期間の終端側で空転送して完全に排出することになる。
これによって、可視光領域の照明色の照明光下での検出画像のみならず、赤外光の照明光下での検出画像においてもスミアを排除することができる。
以上のようにして照明光の照射タイミングの制御を行う場合において、「Tc」,「Wb」,「Wg」,「Wr」及び「Wir」の数値例としては、例えば、夫々3000μS,500μS,700μS,1000μS及び800μS程度となり、本第2実施形態は、光源LSの光強度が大である場合に特に好適である。
<その他の実施形態>
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記第1実施形態及び第2実施形態では、青色,緑色及び赤色の可視光による照明と、赤外光による照明とを交互に繰り返す場合を例示しているが、赤外光による照明を行わずに、可視光の照明のみによって読取対象物の画像を読取る場合にも本発明を適用できる。
(2)上記第1実施形態及び第2実施形態では、副走査方向で読取対象物と光センサPSの読取作用位置を相対移動させるために、読取対象物であるフィルム1を搬送駆動する場合を例示しているが、例えばフラットベッドスキャナのように、読取対象物は静止状態として前記読取作用位置を移動操作する構成としても良い。
(3)上記第1実施形態及び第2実施形態では、複数の照明色の照明光を生成するために青色,緑色及び赤色の発光ダイオードのチップ31を備える場合を例示しているが、各種の単色光を放射する素子を使用できる他、白色光をカラーフィルタで複数の色成分に分解した後、各色成分について個別に出射タイミングを制御するように構成しても良い。
(4)上記第1実施形態及び第2実施形態では、同時(同一の期間「Tc」)に照射する複数の照明光が全て可視光である場合を例示しているが、複数の照明色として白色光と赤外光とを同時に照射するような場合にも本発明を適用できる。
(5)上記第1実施形態及び第2実施形態では、光センサPSをCCDラインセンサを備えて構成する場合を例示しているが、CCDイメージセンサにて光センサPSを構成する場合にも本発明を適用できる。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態にかかる写真プリントシステムの概略構成図 本発明の第1実施形態及び第2実施形態にかかる光源の概略構成図 本発明の第1実施形態及び第2実施形態にかかる光センサの概略構成図 本発明の第1実施形態にかかる照明光の照射タイミングを説明する図 本発明の第1実施形態にかかる照明光の照射タイミングと画像の読取りとの関係を説明する図 本発明の第2実施形態にかかる照明光の照射タイミングを説明する図 本発明の第2実施形態にかかる照明光の照射タイミングと画像の読取りとの関係を説明する図
符号の説明
12 光源制御装置
21 受光素子
CT 電荷転送部
LR 受光部
LS 光源
PS 光センサ

Claims (3)

  1. 読取対象物を照明するための照明光を出射する光源と、その光源を制御する光源制御装置と、受光素子をライン状に並べて配列した受光部及び前記受光素子夫々からの転送動作によって受け取った電荷を転送出力する電荷転送部を有する光センサとが設けられた画像読取装置であって、
    前記光源制御装置は、前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送した時点から次ぎに前記受光部から前記電荷転送部へ電荷を転送する時点までの基準期間内において、前記基準期間の始端側、又は、前記基準期間の終端側に前記照明光の照射を停止させる照明停止期間を設定すると共に、前記照明停止期間の長さを、前記電荷転送部において前記受光部から受け取った電荷の転送出力を完了させるのに必要な時間に略一致する長さ又はそれ以上の長さに設定するように構成され、
    前記電荷転送部では、少なくとも前記照明停止期間において電荷の転送動作を継続するように構成されている画像読取装置。
  2. 前記光センサによる読取作用位置と前記読取対象物とが前記主走査方向に略直交する副走査方向で相対移動している状態で、前記光センサの検出信号に基づいて前記読取対象物の画像を読取るように構成され、
    前記光源は、照明色が可視光領域に属する照明光と赤外光の照明光とを、前記基準期間毎に交互に出射するように構成され、
    前記光源制御装置は、照明色が可視光領域に属する照明光を照射する前記基準期間においては、前記照明停止期間を前記基準期間の終端側にのみ設定し、且つ、赤外光の照明光を照射する前記基準期間においては、前記照明停止期間を前記基準期間の始端側にのみ設定するように構成されている請求項1記載の画像読取装置。
  3. 前記光源は、照明色が可視光領域に属する照明光として複数の照明色の照明光を独立して照射するように構成され、
    前記光源制御装置は、前記複数の照明色の照明光の光強度と照射タイミングとを各照明色毎に別個に制御するように構成されると共に、
    前記複数の照明色を同時に照射する前記基準期間において、照明光の照射時間を前記照明色間で異ならせ、且つ、前記基準期間の始端からの積算光量が、前記基準期間全体での積算光量の1/2となる設定基準タイミングを、前記複数の照明色間で略一致させる状態で制御し、
    赤外光の照明光を照射する前記基準期間において、前記基準期間の始端からの赤外光の積算光量が、前記基準期間全体での赤外光の積算光量の1/2となるタイミングと、前記設定基準タイミングとの間隔を一定に保持させる状態で制御するように構成されている請求項2記載の画像読取装置。
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