JP2007213705A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】美観や印刷能力の低下を招くことなく、インク受理層の傷付きを回避し得る情報記録媒体を提供する。
【解決手段】情報記録媒体用基材(基材11、機能層12および保護層13の積層体と基材15とが接着層14によって接着されると共に基材15の表面に白色下地層16が形成された積層体)における情報記録面の裏面側(白色下地層16の表面)に空隙型のインク受理層17が形成され、インク受理層17は、モース硬度が1以上4以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第1の粒子と、モース硬度が6以上10以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第2の粒子とを含んで構成されると共に、第1の粒子100重量部に対して、15重量部以上100重量部以下の範囲内で第2の粒子を含んで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報記録面の裏面側(レーベル面)に対する例えばインクジェット式プリンタによる図柄等の印刷が可能にインク受理層が形成された情報記録媒体に関するものである。
CD−R、CD−RW、DVD−RおよびDVD−RW等の記録型光ディスクの普及に伴い、光ディスクに記録した記録データの内容等を表す文字や図柄をレーベル面に印刷可能に構成された各種の光ディスクが提案されている。この場合、この種の光ディスクに対する図柄等の印刷時には、インクジェット式のプリンタを使用するのが一般化している。したがって、この種の光ディスクでは、図柄等の印刷に際してプリンタから射出されるインクを吸着(吸収)するためのインク受理層をレーベル面(図柄等を印刷すべき面)に設ける必要がある。例えば、特開2005−279319号公報に開示されている光ディスク(情報記録媒体)には、プリンタから射出されたインクを吸収するための多孔質型のインク受理層がディスク基板(基材)の一面に形成されている。この光ディスクでは、ベーマイト等の顔料と、ポリビニルアルコール等のバインダーとを混合した塗布液を基材の一面に塗布した後に乾燥させることで上記のインク受理層が形成されている。
特開2005−279319号公報(第5−17頁)
ところが、従来の光ディスクには、以下の問題点がある。すなわち、従来の光ディスクでは、ベーマイトを含んだ塗布液を塗布して乾燥させることでインク受理層が形成されている。この場合、ベーマイトの硬度が低いため(柔らかいため)、このベーマイトを顔料として用いてインク受理層を形成した従来の光ディスクでは、手に持って搬送する際にレーベル面(インク受理層)に爪などが当接することでインク受理層が傷付いてしまう。また、数あるプリンタのなかには、印刷対象体(この例では、光ディスク)に対して送り機構を強い力で押し付けて印刷位置に移動させるタイプのものが存在し、このようなプリンタによって光ディスクのレーベル面に図柄等を印刷する際には、送り機構によってインク受理層が傷付けられるおそれがある。したがって、ベーマイトを含んで形成されたインク受理層を有する従来の光ディスクには、レーベル面に対する図柄等の印刷時にプリンタの送り機構との接触跡(擦れた跡)がレーベル面(インク受理層)に形成されて図柄等の美観が著しく損なわれるという問題点がある。また、図柄等の印刷後においてもインク受理層が容易に傷付いてしまうため、印刷された図柄等を美しい状態に維持するのが困難であるという問題点もある。
この場合、ベーマイトに代えて、その硬度が高い顔料(硬い顔料)を使用することで、傷付き難いインク受理層を形成することが可能となる。しかし、その硬度が過剰に高い顔料を採用したときには、形成されたインク受理層の表面がザラついて光反射率が低下するため、光ディスクの美観が損なわれるという問題が生じる。また、インク受理層の表面がザラつくことにより、各種の図柄を例えば写真画質のような高詳細な画質で印刷する能力が低下するという問題点もある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、美観や印刷能力の低下を招くことなく、インク受理層の傷付きを回避し得る情報記録媒体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る情報記録媒体は、情報記録媒体用基材における情報記録面の裏面側に空隙型のインク受理層が形成され、前記インク受理層は、モース硬度が1以上4以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第1の粒子と、モース硬度が6以上10以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第2の粒子とを含んで構成されると共に、前記第1の粒子100重量部に対して、15重量部以上100重量部以下の範囲内で前記第2の粒子を含んで構成されている。なお、本発明における情報記録面とは、例えば光記録媒体や光磁気記録媒体では、記録データの記録再生を行うためのピックアップと対向する面、すなわち、記録再生用の光(レーザービーム等)の入射面を意味し、磁気記録媒体では、記録データの記録再生を行うための磁気ヘッドと対向する面を意味する。また、本明細書では、各粒子の硬さを10段階で特定する旧モース硬度で表すが、各粒子の硬さを15段階で特定する修正モース硬度で表す際には、第1の粒子のモース硬度が1以上4以下の範囲内で、第2の粒子のモース硬度が6以上15以下の範囲内となる。
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記各第1の粒子としてのベーマイトと、前記各第2の粒子としてのαアルミナとを含んで前記インク受理層が構成されている。
また、本発明に係る情報記録媒体は、情報記録媒体用基材における情報記録面の裏面側に空隙型のインク受理層が形成され、前記インク受理層は、光反射率が1.20%以上で、かつ、引っ掻き値測定試験による引っ掻き値が幅100μm以下となるように構成されている。この場合、上記引っ掻き値測定試験は、JIS−K5400の鉛筆引っ掻き値の測定試験に準じ、かつ、当該測定試験における試験用鉛筆に代えて、ロックウェル硬度がR−119のポリアセタール樹脂の試験用ロッドを用いた試験である。
本発明に係る情報記録媒体によれば、モース硬度が1以上4以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第1の粒子と、モース硬度が6以上10以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第2の粒子とを含み、かつ、第1の粒子100重量部に対して、15重量部以上100重量部以下の範囲内で第2の粒子を含むようにして空隙型のインク受理層を構成したことにより、インク受理層の光反射率を十分に高める(インク受理層の表面平坦性を十分に高める)ことができるため、各種の図柄を写真画質のような高詳細な画質で印刷する能力を十分に高めることができると共に、プリンタの送り機構や爪などによって傷付けられることのない十分に強いインク受理層を備えた情報記録媒体を提供することができる。したがって、各種図柄を美しく印刷することができると共に、レーベル面(インク受理層の表面)に印刷された図柄等を美しい状態に維持することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体によれば、各第1の粒子としてのベーマイトと、各第2の粒子としてのαアルミナとを含んでインク受理層を構成したことにより、材料の入手が容易で比較的安価なベーマイトを用いることで情報記録媒体の製造コストを十分に低減することができると共に、このベーマイトを含むベーマイトゾル液とpHが同程度の溶液を生成し得るαアルミナ液を用いることで、インク受理層を形成するための塗布液(ベーマイトゾル液およびαアルミナ液を含む塗布液)を製作する際に、ベーマイトおよびαアルミナの両粒子を十分に分散させることができる。したがって、その塗布液を塗布して形成したインク受理層の表面平坦性を十分に向上させることができるため、光反射率が十分に高いインク受理層を有する情報記録媒体を製造することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体によれば、光反射率が1.20%以上で、かつ、引っ掻き値測定試験による引っ掻き値が幅100μm以下となるようにインク受理層を構成したことにより、各種の図柄を写真画質のような高詳細な画質で印刷する能力が十分に高く、しかも、プリンタの送り機構や爪などによって傷付けられることのない十分に強いインク受理層を備えた情報記録媒体を提供することができる。したがって、各種図柄を美しく印刷することができると共に、レーベル面(インク受理層の表面)に印刷された図柄等を美しい状態に維持することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る情報記録媒体の最良の形態について説明する。
図1に示す光ディスク1は、本発明に係る情報記録媒体の一例であるDVD−R(追記型の情報記録媒体)であって、基材(光透過性基板)11、機能層12、保護層13、接着層14、基材(ダミー基板:支持基板)15および白色下地層16によって本発明における情報記録媒体用基材が構成されている。この場合、この光ディスク1では、基材11の表面(同図における下面)が本発明における情報記録面に相当する。また、基材15の表面(レーベル面)には、白色下地層16が形成される共に、白色下地層16の表面(本発明における「情報記録面の裏面側」の一例)には、例えばインクジェット式プリンタによる各種図柄等の印刷が可能な空隙型(多孔質型)のインク受理層(インク受容層)17が形成されている。
基材11は、記録再生用のレーザービームの波長領域において十分な光透過性を有し、かつ、光ディスク1に求められる機械的強度を十分に高めることができるように、一例として、ポリカーボネート樹脂等の透過性樹脂によって直径が120mm程度で厚みが0.6mm程度の円板状に射出成形されている。なお、基材11を成形するための材料は、ポリカーボネート樹脂に限定されず、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂およびウレタン樹脂のいずれかを用いて成形することができる。また、基材15は、光ディスク1の機械的強度を確保するための支持基板であって、基材11と同様にして、上記したポリカーボネート樹脂等の透過性樹脂によって直径が120mm程度で厚みが0.6mm程度の円板状に射出成形されている。
機能層12は、一例として、有機色素を含む記録層(図示せず)と、金属材料を含む反射層(図示せず)とが基材11の一面にこの順で形成されて構成されている。なお、本発明をDVD−ROM等のROM型の情報記録媒体に適用するときには、光ディスク1における基材11に代えて、射出成形時にピットが形成された基材を用いると共に、機能層12に代えて、金属材料を含む反射層(図示せず)からなる機能層を基材の一面に形成すればよい。また、本発明をDVD−RW等の書き換え型の光ディスクに適用するときには、光ディスク1における機能層12に代えて、相変化材料を含む記録層(図示せず)と、これを挟むようにして設けられた誘電体層(図示せず)と、金属材料を含む反射層(図示せず)とを基材11の一面にこの順で形成して機能層を構成すればよい。
保護層13は、基材11の一面に形成された機能層12を保護するための層であって、一例として、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂を塗布して硬化させることで形成されている。この場合、保護層13の厚みは、一例として、0.5μm以上100μm以下の範囲内とすることで、機能層12を十分に保護することができる。接着層14は、基材11、機能層12および保護層13からなる積層体と基材15とを互いに接着するための層であって、一例として、上記の積層体および基材15の少なくとも一方にアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂を塗布した後に積層体および基材15を貼り合わせた状態において紫外線を照射することによって積層体および基材15の間において硬化して形成される。この場合、接着層14の厚みについては、特に限定されないが、積層体と基材15とを確実に接着しつつ、光ディスク1の厚みが規格の範囲を超えることのないように、一例として、10μm以上200μm以下の範囲内とすればよい。
白色下地層16は、アクリル系樹脂等の紫外線硬化型樹脂に酸化チタン等の白色顔料を混合した塗布液(塗液)を例えばスクリーン印刷法によって基材15の表面に塗布した後(印刷した後)に紫外線を照射して硬化させることによって形成されている。この場合、白色下地層16の厚みについては特に限定されないが、一例として、5μm以上の厚みとすることで白色下地層16を白く色付けすることができる。また、白色下地層16の厚みを必要以上に厚くした場合、上記の白さの度合いが大きく変化することがなく、しかも光ディスク1が全体として反るため、白色下地層16の厚みを20μm以下とするのが好ましい。
インク受理層17は、例えば、インクジェット式プリンタによる図柄等の印刷が可能に、全体として半透明の薄膜状に形成されており、プリンタから射出されるインクを光ディスク1に定着させる機能を有している。この場合、十分な量のインクを短時間で定着させるためには、インク受理層17の厚みを10μm以上50μm以下の範囲内とすればよい。また、インク受理層17の表面の平均粗さ(Ra)を十分に小さくすることにより、プリンタによって図柄等を印刷したときの印刷品質(特に、発色や光沢)を向上させることができる。具体的には、銀塩写真に近い印刷品質を再現するには、インク受理層17の表面の平均粗さ(Ra)を0.1μm以下とするのが好ましい。
このインク受理層17は、後述するようにして、本発明における第1の粒子に相当するベーマイトと、本発明における第2の粒子に相当するαアルミナとを顔料として含んだ塗布液を基材15の表面に塗布した後に乾燥させることで形成されている。この場合、インク受理層17を形成するための塗布液を塗布する方法は特に限定されないが、一例として、スピンコート法やスリットコート法を採用することができる。
この光ディスク1の製造に際しては、まず、例えばポリカーボネート樹脂によって基材11,15を射出成形する。次いで、基材11の表面に有機色素を含む塗布液をスピンコート法によって塗布して硬化させることで記録層(図示せず)を形成した後に、この記録層の表面に金属材料をスパッタリングすることで反射層(図示せず)を形成する。これにより、機能層12の形成が完了する。続いて、機能層12の上に例えばスピンコート法によって紫外線硬化型樹脂を塗布して硬化させることで保護層13を形成する。次いで、保護層13の上にスピンコート法によって紫外線硬化型樹脂を塗布して塗膜を形成した後に基材15を貼り合わせた状態において紫外線を照射する。これにより、基材11、機能層12および保護層13の積層体と基材15とが硬化した紫外線硬化型樹脂(接着層14)によって互いに接着される。
続いて、白色下地層16を形成する。具体的には、前述した塗布液の一例として、帝国インキ社製「UVSP20404」を#350のメッシュを用いて基材15の表面にスクリーン印刷した後に、塗膜に紫外線を照射して硬化させる。これにより、その厚みが10μm程度の白色下地層16が基材15の一面に形成されて本発明における情報記録媒体用基材に相当する積層体が完成する。
次いで、インク受理層17を形成するための塗布液を製作する。この際には、最初に、ベーマイトゾル液およびαアルミナ液をそれぞれ製作すると共に、製作した両液と、PVA液と、ホウ酸とを所定の比率で混合することで塗布液を製作する。
具体的には、ベーマイトゾル液については、まず、高塩基性塩化アルミニウム(Al(OH)Cl・14HO)100gと、水500gとを水熱合成反応装置に入れて95℃となるように加熱処理する。次いで、アルミン酸ナトリウム(AlNaO)の13%水溶液を水熱合成反応装置に入れ、液体の温度を95℃に維持しつつ24時間に亘って攪拌処理することでスラリーを得る。続いて、洗浄したスラリーを再び95℃となるように加熱処理し、この状態のスラリーの総固形分量に対する2%のアミド硫酸をスラリーに添加し、総固形分濃度が20%となるまで減圧濃縮処理を行う。この後、超音波分散処理を行うことにより、pHが4.5のベーマイトゾル液を製作する。この場合、ベーマイトゾル液中のべーマイト(各粒子)は、その2次粒子の平均粒子径が190nm程度(2次粒子径が1μm以下である状態の一例)で、そのモース硬度が3〜4となっている。
一方、αアルミナ液については、一例として、住友化学工業製のAKP20を95gと、硝酸の添加によってpHが4となるように調整した水を175gと、粒径が2mm程度のアルミナボール1kgとを容量1リットルのボールミルに投入し、72時間に亘ってボールミルを回転させることで製作する。この場合、αアルミナ液中のαアルミナ(各粒子)は、その2次粒子の平均粒子径が0.6μm程度(2次粒子径が1μm以下である状態の一例)で、そのモース硬度が7となっている。
次いで、ベーマイトゾル液(固形分20%)100重量部に対し、αアルミナ液(固形分35%)を8.57重量部、PVA液(一例として、クラレ製ポバールPVA117の8%水溶液)を47.9重量部、ホウ酸を0.38重量部となる比率で混合して撹拌機によって30分間に亘って攪拌処理する。これにより、インク受理層17を形成するための塗布液が完成する。次いで、このインク受理層17用の塗布液をスリットコート装置にセットし、上記の積層体における白色下地層16の表面に対して乾燥後の塗膜厚が30μmとなるように塗布する。この後、塗布液を乾燥させることにより、白色下地層16の上に半透明のインク受理層17が形成されて、図1に示すように、光ディスク1が完成する。
この光ディスク1では、上記のように顔料としてのベーマイトとαアルミナとを含む塗布液を塗布して乾燥させることでインク受理層17が形成されている。この場合、塗布液の乾燥が完了したインク受理層17中におけるベーマイトとαアルミナとの含有率(インク受理層17に占める両粒子の割合)は、ベーマイト100重量部に対してαアルミナが15重量部となっている。したがって、顔料としてベーマイトのみを含んだ塗布液を塗布することでインク受理層が形成されている従来の光ディスクとは異なり、モース硬度がベーマイトよりも高いαアルミナを含んでいる分だけ、光ディスク1におけるインク受理層17の強度が十分に高まっている。これにより、光ディスク1の搬送時にインク受理層17に爪などが当接したとしても、大きく傷付くことなく、層形状を維持することが可能となっている。
次に、インク受理層を形成するための塗布液に含有させる顔料の比率と、インク受理層の強度および反射率との関係について、図面を参照して説明する。
まず、図2,3に示す実施例1〜5の光ディスクおよび比較例1〜4の光ディスクを製作する。この場合、各実施例の光ディスクおよび各比較例の光ディスクについては、インク受理層を形成するための塗布液の製作方法を除き、上記の光ディスク1の製造時と同様の手順で製作した。また、製作した各光ディスクについて、インク受理層の表面の光反射率を測定すると共に、インク受理層に対する引っ掻き値測定試験を行った。その結果を図3に示す。
[実施例1]
ベーマイトの濃度が20%のベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナの濃度が35%のαアルミナ液が8.57重量部、PVA液(PVA117の8%水溶液)が47.9重量部、ホウ酸が0.38重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が15重量部となる。
[実施例2]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が11.43重量部、PVA液が50.0重量部、ホウ酸が0.40重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が20重量部となる。
[実施例3]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が17.14重量部、PVA液が54.2重量部、ホウ酸が0.43重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が30重量部となる。
[実施例4]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が28.57重量部、PVA液が62.5重量部、ホウ酸が0.50重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が50重量部となる。
[実施例5]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が57.14重量部、PVA液が83.3重量部、ホウ酸が0.67重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が100重量部となる。
[比較例1]
αアルミナ液を混合することなく、ベーマイトゾル液100重量部に対し、PVA液が41.7重量部、ホウ酸が0.33重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。
[比較例2]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が5.71重量部、PVA液が45.8重量部、ホウ酸が0.37重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が10重量部となる。
[比較例3]
ベーマイトゾル液100重量部に対し、αアルミナ液が60.03重量部、PVA液が85.5重量部、ホウ酸が0.69重量部となる混合比率で、ベーマイトゾル液、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。この場合、形成したインク受理層に占めるベーマイト(固形成分)とαアルミナ(固形成分)との割合は、ベーマイト(固形成分)100重量部に対し、αアルミナ(固形成分)が105重量部となる。
[比較例4]
ベーマイトゾル液を混合することなく、αアルミナ液100重量部に対し、PVA液が72.9重量部、ホウ酸が0.58重量部となる混合比率で、αアルミナ液、PVA液およびホウ酸を混合して塗布液を生成してインク受理層を形成した。
[光反射率の測定]
ETA社の光学特性測定装置により、波長が650nmの検査光を用いてインク受理層の光反射率を測定した。この場合、図3においては、測定された光反射率が1.20%以上の光ディスクを「○(良)」とし、測定された光反射率が1.20%未満の光ディスクを「×(不良)」とした。
[引っ掻き値測定試験]
JIS−K5400の鉛筆引っ掻き値の測定試験に準じた測定試験を行い、引っ掻き値の幅を測定した。この場合、測定試験においては、JIS−K5400の測定試験における試験用鉛筆に代えて、そのロックウェル硬度がR−119のポリアセタール樹脂(ジュラコン:登録商標)で形成した試験用樹脂ロッド20(図4参照)を使用した。具体的には、図4に示すように、直径L1が8mmの円柱状の試験用樹脂ロッド20における一端部を市販の鉛筆削りを用いて切削し、その先端角(角度θ1)が12°となるように円錐状に加工した。次いで、粗さ1500番の紙やすりに対して試験用樹脂ロッド20の先端部を垂直に押し当てつつ静かに研磨することにより、直径L2が1.5mmの円形面を試験用樹脂ロッド20の先端部に形成した。
この鉛筆状の試験用樹脂ロッド20と、試験片としての各光ディスクとを東洋精機(株)製の引っ掻き値試験器に取り付けて引っ掻き値測定試験を実行した。この場合、試験用樹脂ロッド20に加える荷重を50gとし、各光ディスク(インク受理層17)に対する試験用樹脂ロッド20の交差角度(角度θ2)を45°とし、かつ、各光ディスクに対する試験用樹脂ロッド20の移動速度を毎秒0.5mmとして測定処理を実行し、形成される引掻き傷を干渉顕微鏡で観察することで引掻き傷の幅(引っ掻き値)を測定した。この場合、図3においては、測定試験によって形成された引っ掻き傷の幅が100μm以下の光ディスクを「○(良)」とし、形成された引っ掻き傷の幅が100μmを超えた光ディスクを「×(不良)」とした。
図3に示すように、本発明における第1の粒子(この例では、べーマイト)と第2の粒子(この例では、αアルミナ)とを含む塗布液を塗布してインク受理層を形成した実施例1〜5の光ディスク、および比較例1,2の光ディスクでは、インク受理層の光反射率が1.35%から2.16%の範囲内(光反射率が1.20%以上の条件を満たしている例)で十分に高くなっている。これに対して、本発明における第1の粒子よりも本発明における第2の粒子の含有量が多い比較例3の光ディスクや、本発明における第1の粒子を含まずに顔料として第2の粒子のみ含ませてインク受理層を形成した比較例4の光ディスクでは、インク受理層の光反射率が1.12%、1.06%と極めて低くなっている。したがって、本発明における第1の粒子と第2の粒子との双方を含ませてインク受理層を形成することで、インク受理層の光反射率を十分に高める(すなわち、表面平坦性が十分に高いインク受理層を形成する)ことができる。
また、本発明における第1の粒子(この例では、べーマイト)100重量部に対し、15重量部以上100重量部以下の範囲内で第2の粒子(この例では、αアルミナ)を含ませてインク受理層を形成した実施例1〜5の光ディスクでは、引っ掻き値測定試験によって形成された引っ掻き傷の幅が60μmから98μmの範囲内(測定結果が幅100μm以下の条件を満たしている例)と非常に小さくなっている。この場合、第1の粒子100重量部に対し、105重量部で第2の粒子を含ませてインク受理層を形成した比較例3の光ディスクでは、引っ掻き傷の幅が58μmと非常に小さく、第2の粒子を含ませずにインク受理層を形成した比較例4の光ディスクでは、引っ掻き値測定試験によって引っ掻き傷が形成されなかったものの、前述したように、両比較例3,4の光ディスクは、光反射率が極めて低く、その美観が低下している。
一方、本発明における第1の粒子(この例では、べーマイト)100重量部に対し、15重量部未満で第2の粒子(この例では、αアルミナ)を含ませてインク受理層を形成した比較例1,2の光ディスクでは、引っ掻き値測定試験によって形成された引っ掻き傷の幅が173μmおよび147μmと非常に大きくなっている。したがって、本発明における第1の粒子100重量部に対し、15重量部以上100重量部以下の範囲内で第2の粒子を含ませてインク受理層17を形成することで、インク受理層17の強度を十分に高めて傷付き難くすることができる。
このように、この光ディスク1によれば、モース硬度が1以上4以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第1の粒子(この例では、ベーマイト)と、モース硬度が6以上10以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第2の粒子(この例では、αアルミナ)とを含み、かつ、第1の粒子100重量部に対して、15重量部以上100重量部以下の範囲内で第2の粒子を含むようにして空隙型のインク受理層17を構成したことにより、インク受理層17の光反射率を十分に高める(インク受理層17の表面平坦性を十分に高める)ことができるため、各種の図柄を写真画質のような高詳細な画質で印刷する能力を十分に高めることができると共に、プリンタの送り機構や爪などによって傷付けられることのない十分に強いインク受理層17を備えた光ディスク1を提供することができる。したがって、各種図柄を美しく印刷することができると共に、レーベル面(インク受理層17の表面)に印刷された図柄等を美しい状態に維持することができる。
また、この光ディスク1によれば、本発明における第1の粒子としてのベーマイトと、本発明における第2の粒子としてのαアルミナとを含んでインク受理層17を構成したことにより、材料の入手が容易で比較的安価なベーマイトを用いることで光ディスク1の製造コストを十分に低減することができると共に、このベーマイトを含むベーマイトゾル液とpHが同程度の溶液を生成し得るαアルミナ液を用いることで、インク受理層17を形成するための塗布液(ベーマイトゾル液およびαアルミナ液を含む塗布液)を製作する際に、ベーマイトおよびαアルミナの両粒子を十分に分散させることができる。したがって、その塗布液を塗布して形成したインク受理層17の表面平坦性を十分に向上させることができるため、光反射率が十分に高いインク受理層17を有する光ディスク1を製造することができる。
また、この光ディスク1によれば、光反射率が1.20%以上で(つまり表面平坦性がよく)、かつ、引っ掻き値測定試験による引っ掻き値が幅100μm以下となる(つまり引っ掻きに対する強度が高くなる)ようにインク受理層17を構成したことにより、各種の図柄を写真画質のような高詳細な画質で印刷する能力が十分に高く、しかも、プリンタの送り機構や爪などによって傷付けられることのない十分に強いインク受理層17を備えた光ディスク1を提供することができる。したがって、各種図柄を美しく印刷することができると共に、レーベル面(インク受理層17の表面)に印刷された図柄等を美しい状態に維持することができる。
なお、本発明は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、DVD−ROM、DVD−RおよびDVD−RW等の光ディスクに本発明を適用する例について説明したが、本発明における情報記録媒体は、上記の例に限定されず、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−RAM、HD DVD−ROM、HD DVD−ARWおよびBlu−ray Disc等の各種光ディスク(光記録媒体)に適用することができる。また、本発明における情報記録媒体は、光記録媒体に限定されず、光磁気記録媒体や磁気記録媒体がこれに含まれる。さらに、インク受理層17と基材15との間に白色下地層16を設けた構成について説明したが、白色下地層16を設けることなく、例えば、基材15を成形する樹脂材料に酸化チタン等の白色顔料を混合することで基材15を白色に色付けする構成や、インク受理層17を形成するための塗布液に酸化チタン等の白色顔料を混合してインク受理層17を白色に色付けする構成を採用することもできる。
光ディスク1の構成を示す断面図である。 実施例1〜5および比較例1〜4の各光ディスクにおけるインク受理層を形成するための塗布液の構成内容を説明するための説明図である。 実施例1〜5および比較例1〜4の各光ディスクの反射率の測定結果並びに引っ掻き値測定試験による引っ掻き値の測定結果を説明するための説明図である。 試験用樹脂ロッド20の外観斜視図である。
符号の説明
1 光ディスク
11 基材
12 機能層
13 保護層
14 接着層
15 基材
16 白色下地層
17 インク受理層
20 試験用樹脂ロッド

Claims (3)

  1. 情報記録媒体用基材における情報記録面の裏面側に空隙型のインク受理層が形成され、
    前記インク受理層は、モース硬度が1以上4以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第1の粒子と、モース硬度が6以上10以下の範囲内の2次粒子径が1μm以下の複数の第2の粒子とを含んで構成されると共に、前記第1の粒子100重量部に対して、15重量部以上100重量部以下の範囲内で前記第2の粒子を含んで構成されている情報記録媒体。
  2. 前記インク受理層は、前記各第1の粒子としてのベーマイトと、前記各第2の粒子としてのαアルミナとを含んで構成されている請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 情報記録媒体用基材における情報記録面の裏面側に空隙型のインク受理層が形成され、
    前記インク受理層は、光反射率が1.20%以上で、かつ、引っ掻き値測定試験による引っ掻き値が幅100μm以下となるように構成され、
    前記引っ掻き値測定試験は、JIS−K5400の鉛筆引っ掻き値の測定試験に準じ、かつ、当該測定試験における試験用鉛筆に代えて、ロックウェル硬度がR−119のポリアセタール樹脂の試験用ロッドを用いた試験である情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009069388A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. 情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法

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