JP2007212965A - フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクブランク - Google Patents

フォトマスクブランクの製造方法およびフォトマスクブランク Download PDF

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Abstract

【課題】透明基板上に成膜された光学膜の欠陥発生(フォトマスクブランクの不良率)を抑制してフォトマスクブランクの製造歩留まりを高めること。
【解決手段】フォトマスクブランクの製造に用いる石英基板11の表面(成膜面)の欠陥数を表面検査装置を用いて計測し、成膜面上の所定のサイズ(例えば、直径0.1〜0.5μm)の欠陥数を求める(基板検査工程)。そして、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が所定の個数以下の石英基板11のみを抜き取って成膜用基板とする(基板選別工程)。この「所定の個数」は5個以下とされ、好ましくは2個以下とされる。このようにして選別された成膜用基板上に、例えば遮光膜と反射防止膜とが順次積層された遮光性膜を形成する(成膜工程)。フォトマスクブランクを位相シフト型のものとする場合には、成膜用基板と遮光性膜との間に位相シフト層を成膜する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体集積回路、CCD(電荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)用カラーフィルタ、および磁気ヘッドなどの微細加工に用いられるフォトマスクの製造に用いられるフォトマスクブランクの製造方法に関する。
近年では、大規模集積回路の高集積化に伴う回路パターンの微細化要求などに応えるために、高度の半導体微細加工技術が極めて重要な要素技術となってきている。例えば、大規模集積回路の高集積化は、回路を構成する配線パターンの細線化技術や、セルを構成する層間の配線のためのコンタクトホールパターンの微細化技術を必須のものとして要求する。大規模集積回路のパターン微細化が加速されるのは、その高速動作と低消費電力化のためであり、その最も有効な方法がパターンの微細化だからである。
このような高度の微細加工の殆どはフォトマスクを用いるフォトリソグラフィ技術により施されるものであるため、フォトマスクは露光装置やレジスト材料とともに微細化技術を支える基本技術となっている。このため、上述の細線化された配線パターンや微細化されたコンタクトホールパターンを有するフォトマスクを実現する目的で、より微細且つより正確なパターンをフォトマスクブランク上に形成するための技術開発が進められてきた。
高精度のフォトマスクパターンをフォトマスク基板上に形成するためには、フォトマスクブランク上に形成するレジストパターンを高精度でパターニングすることが前提となる。半導体基板を微細加工する際のフォトリソグラフィは縮小投影法により実行されるため、フォトマスクに形成されるパターンのサイズは半導体基板上に形成するパターンサイズの4倍程度の大きさとされるが、このことはフォトマスクに形成されるパターンの精度が緩和されることを意味するものではなく、むしろ露光後に半導体基板上に得られるパターン精度よりも高い精度でフォトマスクパターンを形成することが求められる。
ところで、フォトマスクパターンを形成するためには、通常は、透明基板上に遮光層を設けたフォトマスクブランクの上にフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜に電子線を照射してパターン描画を行い、フォトレジスト膜を現像してレジストパターンを得る。そして、このレジストパターンを遮光層用のエッチングマスクとして遮光層をパターニングしてフォトマスクパターンを得る。このような手法で微細なフォトマスクパターンを得るためには、フォトレジスト膜の薄膜化と遮光層の材料選択とが重要となる。
フォトレジストをエッチングマスクとしてパターニングを施す場合の遮光膜材料についてはすでに多くの材料が提案されてきた。このうち、クロム化合物膜はそのエッチングに対する情報量が多く、実用上は常にクロム化合物が遮光膜材料として用いられてきており、事実上の標準加工工程として確立されている。例えば、特許文献1乃至3には、ArF露光用のフォトマスクブランクに求められる遮光特性を有する遮光膜をクロム化合物で形成したフォトマスクブランクの構成例が開示されている。
しかし、フォトマスクブランクの遮光膜の材料を如何に適正に選択しても、実際に成膜された膜にパーティクルやピンホールといった欠陥が存在すれば、この欠陥がマスクパターンの欠陥発生原因となり、このようなパターンが転写されたチップは不良品となってしまう。
特開2003−195479号公報 特開2003−195483号公報 登録実用新案第3093632号公報
上述したように、フォトマスクブランクに形成された膜に欠陥が存在するとこれがフォトマスクパターンの欠陥発生要因となるため、パターン欠陥の発生を抑制するためには、無欠陥の膜を有するフォトマスクブランクにパターニングを施すことが前提となる。そして、無欠陥の膜を形成するためには成膜に用いられる基板の成膜面が無欠陥であることが必要である。このため、従来は、膜に所定のサイズ以上の欠陥を発生させないために、当該所定サイズと同サイズ以上の欠陥を有する基板を予め取り除くための事前基板検査を行い、この検査で所定サイズ以上の欠陥がないと判断された基板のみを選別して成膜用基板としていた。
ここで、問題とされる「所定サイズ」は、修復が困難な欠陥を生んでしまう確率に由来し、従ってデバイスの設計ルール、マスクパターン等によっても異なるが、例えば100nm以下のレジストパターンを形成するための高性能マスクを製造する際には、0.5μmを超える欠陥が存在すると、修復が困難なパターン欠陥を生む危険が高まる。そこで、上記「所定サイズ」を超える欠陥を極力排除する必要がある。また、更に微細化が進んだ場合には、欠陥の大きさとして、より小さなものの排除が要求される。
しかしながら、直径0.5μmを超えるサイズの欠陥がない基板を用いて成膜を行っても、当該基板上に成膜された光学膜に直径0.5μmを超えるサイズの欠陥が発生してしまうという現象が生じるために、フォトマスクブランクの製造歩留まりを低下させる要因となることを見出した。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基板上に成膜された光学膜の欠陥発生(フォトマスクブランクの不良率)を抑制し、その製造歩留まりを高めるために有効なフォトマスクブランクの製造方法を提供することにある。
本発明はこのような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、透明基板上に少なくとも無機膜を一層形成するフォトマスクブランクの製造方法において、成膜後に所定の大きさを超えるサイズの欠陥を零にするために、透明基板の一方主面上の欠陥数を計測する基板検査工程と、成膜前における該所定の大きさを超えるサイズの欠陥が零であると共に、該所定の大きさ以下かつ該所定の大きさの5分の1以上のサイズの欠陥の数が所定の数以下の基板を抜き取って成膜用基板とする基板選別工程と、前記成膜用基板として選別された透明基板の一方主面上に遮光性膜を形成する成膜工程とを備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記所定の大きさは直径0.5μmであり、前記基板選別工程では、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が5個以下の基板を抜き取って成膜用基板とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記選別工程は、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が2個以下の基板を選別して成膜用基板とすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記成膜工程は、前記成膜用基板の一方主面上に遮光膜と反射防止膜とを順次積層して実行されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記成膜工程は、前記成膜用基板と前記遮光性膜との間に位相シフト層を成膜するサブステップを備えていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記反射防止膜は、クロム系化合物の膜もしくは珪素系化合物の膜の少なくとも一方の膜を含んでいることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記クロム系化合物は、クロム酸化物、クロム窒化物、もしくはクロム酸窒化物を主成分とする化合物であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記珪素系化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、もしくは珪素酸窒化物を主成分とする化合物であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載のフォトマスクブランクの製造方法において、前記位相シフト層は、珪素酸化物、珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物を主成分とする膜であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたフォトマスクブランクである。
本発明のフォトマスクブランクの製造方法では、光学膜の成膜に先立ち、透明基板の成膜面上の所定のサイズ(例えば直径0.1〜0.5μm)の欠陥数を検査することとし、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が5個以下の基板のみを成膜用基板とすることとしたので、光学膜の成膜プロセス中で基板上の欠陥が光学膜に転写・成長してフォトマスクブランクの製造歩留まりが低下するという問題の解決に役立つ。
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明者らは、フォトマスクブランクに設けられた光学膜に所定のサイズ(直径A)よりも大きな欠陥が生じる原因について鋭意検討および実験を重ねた結果、成膜用基板に所定値Aを超えるサイズの欠陥がなくても、所定値A以下のサイズの欠陥が存在すると、このような欠陥が成膜される光学膜に「転写」されて「成長」し、その結果、所定値Aよりも大きな欠陥が発生するとの知見を得た。つまり、所定値A以下のサイズの欠陥であっても、これが成膜用基板上に存在すると、その欠陥数に応じて所定値A以上の大きさの欠陥が光学膜に生じる確率が高くなり、フォトマスクブランクの歩留まりが低下することを見出した。
発明者らの検討により、成膜後の光学膜の所定値Aを超えるサイズの欠陥数と、成膜前の基板に検出される所定値A以下のサイズの欠陥数との間に、特定の相関があることが明らかとなった。そして、発明者らは、この相関に基いて、所定値A以上の大きさの欠陥が光学膜に生じる確率を顕著に低くするためにはどのような欠陥レベルの基板を成膜用基板とすべきかを検討して本発明に至った。
以下に、図面を参照して、実施例により本発明を説明するが、上述したように、一般に、フォトマスクブランクの製造において歩留まり低下の原因となる光学膜の欠陥は0.5μmを越えるサイズのものであると考えられるので、以下の実施例においては、直径が0.5μmを超えるサイズの光学膜欠陥を顕著に低減させるためのフォトマスクブランクの製造方法について説明する。
(フォトマスクブランクの製造プロセス)
本実施例では、本発明のフォトマスクブランクを得るための製造プロセスを説明する。
〔石英基板の選別〕
図1は、本実施例のフォトマスクブランクの製造の工程を示す図である。まず、フォトマスクブランクの製造に用いる152mm角の石英基板11を準備する(図1(a))。次に、石英基板11の表面(成膜面)の欠陥数を表面検査装置(レーザーテック株式会社製のMAGICS(商品名))を用いて計測する。この検査装置は、石英基板11の表面を走査させながらレーザ光を照射し、このレーザ光の反射光をモニタすることで表面の「異物」の存在が検知できる。なお、本実施例で問題とされる光学膜の欠陥は直径0.5μmを超えるサイズのものであるから、従来どおり、検査対象とされる石英基板11の表面上の直径0.5μmを超えるサイズの欠陥数はゼロとされている。そして、表面検査装置の欠陥検出レンジを直径0.1〜0.5μmに設定して石英基板11の成膜面全面でマッピングをとり、成膜面上の直径0.1〜0.5μmのサイズの欠陥数を求める。
ここで、石英基板11の成膜面上の欠陥サイズの下限値(0.1μm)を、所定の大きさ(0.5μm)の5分の1の値としたのは、それ以下の大きさの欠陥は成膜中に所定の大きさ(0.5μm)を超えるサイズにまで成長する確率が小さいためである。また、欠陥サイズの下限値は小さくしすぎると、欠陥検出器の性能や石英基板の表面あれ、ノイズ等により実際には欠陥でないものを欠陥と認識して「擬似欠陥」が検出される虞がある。このような理由を考慮して下限値を決めている。なお、問題とされる「所定の大きさ」はフォトマスクブランクの用途により変わり得るから、表面検査装置の欠陥検出レンジもそれに応じて適当な値に設定されることは言うまでもない。例えば「所定の大きさ」が0.3μmである場合には、石英基板の成膜面上の欠陥サイズの上限値は0.3μm、下限値はその5分の1の0.06μmとなる。
このような基板検査工程により、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が所定の個数以下の石英基板11のみを抜き取って成膜用基板とする。なお、「所定の個数」とは、後述するように、5個以下とされ、好ましくは2個以下とされる。
〔遮光膜〕
次に、上述の基板選別工程で抜き取られて成膜用基板とされた石英基板11上の一方主面(成膜面)上に、遮光膜13を成膜する(図1(b))。本実施例の遮光膜13はCrCONであるが、この組成に限定されるものではない。一般的な材料としては、金属膜として、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)などの金属を主成分とする金属膜があり得る。これらの材料は、ArF露光で用いられる波長193nmの光に対してクロム(Cr)金属膜よりも大きな消衰係数をもつため、薄膜化が可能となる意味でも有利である。また、これらの金属膜を単層として用いることのほか複数の異種金属膜を積層させて遮光層12とすることもできる。
また、上記の金属膜には酸素、窒素、炭素などの非金属元素が含まれていてもよいが、これらの非金属原子を一定量以上含有する場合には遮光層としての遮光性が低下して所定の光学濃度を得ることが困難となる。特に、ArF露光用フォトマスクを作製するフォトマスクブランクとする場合には、窒素および炭素については40原子%以下、酸素については30原子%以下、また窒素、炭素、酸素を合計したものが50原子%以下であることが好ましい。
図2は、本発明のフォトマスクブランクの遮光膜13の成膜に用いたスパッタリング装置の構成を説明するための概略断面図で、この図において、101はチャンバ、102はターゲット、103はスパッタガス導入口、104はガス排気口、105は基板回転台、106は、ターゲットに電圧を印加するための電源である。
本実施例では、ターゲット102としてクロムターゲットを用い、スパッタリングすることでクロムの遮光膜13を成膜している。スパッタリングガスとしてアルゴンガスと、窒素ガス、および酸化炭素ガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定した。そして、成膜前加熱温度130℃とし、Crターゲットに放電電力を印加して、石英基板11を回転させながら膜厚70nmのCrCON膜を成膜し、これを遮光膜13とした。
〔反射防止膜〕
図2に図示した構成のスパッタリング装置を用いて、遮光膜13上にCrONの反射防止膜14を成膜した(図1(c))。遮光膜13と同様に、ターゲット102としてクロムターゲットを用い、このターゲットのみをスパッタリングすることでクロムの反射防止膜14を成膜している。なお、スパッタリングガスとしてはアルゴンガス、窒素ガス、および酸化窒素ガスをチャンバ101内に導入してチャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定した。そして、成膜前加熱温度130℃とし、Crターゲットに放電電力を印加して、基板11を回転させながら膜厚30nmのCrON膜を成膜し、これを反射防止膜14とした。
なお、本実施例においては、基板11上に、遮光膜13および反射防止膜14を積層した例について説明しているが、これらを一体的に「遮光性膜」12として成膜してもよい。例えば、基板11上にクロム含有化合物を積層する際に、連続的に酸素や窒素の含有量を高めて基板11に近い側に主として遮光性機能を持たせ、基板11から離れた側に主として反射防止機能を持たせた遮光性膜を生成してもよい。
反射防止膜14としては、CrON膜以外にも種々の組成選択があり得るが、好ましくは、クロム系化合物もしくは珪素系化合物が選択され、これらを組み合わせた積層膜としてもよい。このような化合物が好ましいのは、これらの化合物が高いエッチング選択性を示すという特長があるためである。具体的には、クロム系化合物は、酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl+O)系)により容易にエッチングされる一方、酸素非含有塩素系ドライエッチング(Cl系)やフッ素系ドライエッチング(F系)に対してはエッチング耐性を示し、珪素系化合物は、フッ素系ドライエッチング(F系)が可能である一方、酸素含有塩素系ドライエッチング((Cl+O)系)および酸素非含有塩素系ドライエッチング(Cl系)に対して耐性をもつ。
このようなエッチング特性を示すクロム系化合物膜としては、クロム酸化物やクロム窒化物あるいはクロム酸窒化物を主成分とする膜があり、クロム系化合物膜中には炭素やフッ素などの非金属元素が含有されていてもよい。なお、反射防止層を単一組成のクロム系化合物膜で形成することのほか、複数の異なる組成のクロム系化合物膜を積層させて反射防止層とするようにしてもよい。
また、上述したエッチング特性を示す珪素系化合物膜としては、珪素酸化物や珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物の膜(珪素化合物膜)のほか、これらの膜に遷移金属の酸化物や窒化物あるいは珪素酸窒化物が含まれた膜(珪素遷移金属化合物の膜)などがあり、さらにこのような膜中には炭素が含有されていてもよい。なお、反射防止層を単一組成の珪素系化合物膜で形成することのほか、複数の異なる組成の珪素系化合物膜を積層させて反射防止層とするようにしてもよい。
ここで、膜中に含有される遷移金属の例としては、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)などが挙げられるが、エッチング加工の容易性の観点からはモリブデンが好ましい。このような遷移金属としてモリブデンを選択した珪素遷移金属化合物(例えば、MoSiON)を反射防止層として上述の遮光層と組み合わせた場合のエッチング加工性は良好であり、高精度のフォトマスクパターンが得られる。
〔フォトマスクブランク歩留まり〕
上記の製造工程によって作製されたフォトマスクブランクの歩留まりを、反射防止膜14上に確認された直径0.5μmを超える欠陥の有無で調べた。表1は、上述の製造工程にしたがって作製されたフォトマスクブランクの歩留まりと、基板選別工程を経ないで作製されたフォトマスクブランクの歩留まりを纏めた表である。なお、この「歩留まり」を算出するに際しては、各ロットにおいて、30〜40枚のフォトマスクブランクを製造して統計的なデータを得ている。このため、成膜前の石英基板上の欠陥数(個)はロットの平均値で示してある。なお、「成膜前平均欠陥数(個)」とは、光学膜の成膜前の石英基板11上に存在する直径0.1〜0.5μmの大きさの欠陥数の平均値であり、「歩留まり(%)」とは、フォトマスクブランクの反射防止膜上に直径0.5μmを越えるサイズの欠陥が認められないフォトマスクブランクを合格品と判定した場合の合格率を示している。
Figure 2007212965
図3は、表1に示した実験結果を表すグラフ化したものである。この図から、成膜前の石英基板11に存在している直径0.1〜0.5μmの大きさの欠陥数とフォトマスクブランクの歩留まりとの間に顕著な相関があることが分かる。すなわち、成膜前欠陥数が5個以下の石英基板を成膜用基板として選別とすると、この基板上に成膜された光学膜の欠陥数が急激に減少してフォトマスクブランクの歩留まりが顕著に高まり、概ね50%以上の歩留まりを確保することができる。さらに、成膜前欠陥数が2個以下の石英基板を成膜用基板として選別とすると、フォトマスクブランクの歩留まりは80%以上と高まる。このように、成膜前の石英基板上の欠陥数が5個以下、好ましくは2個以下のものを成膜用基板として選別して製造に用いることにより、フォトマスクブランクの歩留まりを顕著に向上させることができる。
(位相シフトマスクブランク)
本発明は、位相シフトマスクブランクの製造にも適用可能である。その場合には、上述の成膜用基板(石英基板11)と遮光性膜12との間に位相シフト層が成膜される。その場合においても、位相シフト層の成膜に先立って、上述の基板選別がなされることは言うまでもない。また、位相シフト層成膜後に当該層表面の欠陥レベルを検査して、直径0.1〜0.5μmのサイズの欠陥数が5個以下のもののみを遮光性膜の成膜用基板とするようにしてもよい。
図4は、フォトマスクブランクが位相シフトマスクブランクとして構成されている場合の断面概略図で、石英基板11の一方主面上に透明または半透明の位相シフト層15が設けられており、この位相シフト層15上に、既に説明した遮光膜13および反射防止膜14が順次積層されている。この位相シフト層15には公知の種々の位相シフト膜を用いることができ、これらの膜を互いに組み合わせることで得られる複合膜であってもよい。また、位相シフト層15の吸収体材料をハーフトーン材料に変えてハーフトーンの位相シフト層としてもよい。
位相シフト層15の構成はバリエーションに富むが、高透過膜の好ましい例としては、珪素酸化物や珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物を主成分とする単層膜あるいはこれらの膜を積層させた複合膜が挙げられる。また、透過光を減衰させる膜で位相シフト層15を構成する場合の膜としては、珪素酸化物や珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物を主成分とする膜(珪素化合物の膜)のほか、これらの膜に遷移金属の酸化物や窒化物あるいは珪素酸窒化物が含まれた膜(珪素遷移金属化合物の膜)などがあり、これらの膜中に炭素が含有されていてもよい。さらには、遷移金属薄膜を透過光減衰膜として位相シフト層15を形成することもできる。なお、位相シフト層15をハーフトーン位相シフト層とする場合は、上記で列挙した材料からなる単層膜あるいは多層膜の透過率が2〜40%、位相シフト量が約180°となるように材料の組成を調整する。
このような位相シフト層15の材料としてフッ素系ドライエッチング(F系)可能なものを選択した場合には、上述した遮光膜と組み合わせた場合のエッチング加工プロセスが必要以上に複雑になることなく、かつ高精度のドライエッチング加工ができるという利点がある。フッ素系ドライエッチング(F系)が可能なハーフトーン位相シフト膜の例としては、珪素酸化物や珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物を主成分とする膜(珪素化合物の膜)のほか、これらの膜に遷移金属の酸化物や窒化物あるいは珪素酸窒化物が含まれた膜(珪素遷移金属化合物の膜)などがある。これらの膜は、膜中の酸素や窒素あるいは遷移金属の含有量を制御することにより、単層膜としてもあるいは複合膜を構成する一部の膜としてもハーフトーン位相シフト膜として用いることができる。このような膜からなる複合膜の例としては、上記の珪素化合物膜と珪素遷移金属化合物膜およびこれらの化合物を主成分とする金属シリサイド膜、さらにはモリブデンやタンタルもしくはタングステンを主成分とする金属膜を相互に組み合わせて得られる複合膜を挙げることができる。
以上、実施例により本発明のフォトマスクブランクの製造方法について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明は、透明基板上に成膜された光学膜の欠陥発生(フォトマスクブランクの不良率)を抑制し、フォトマスクブランクの製造歩留まりを高めるために有効な製造方法を提供する。
実施例1のフォトマスクブランクの製造工程を説明するための図である。 本発明のフォトマスクブランクの成膜に用いたスパッタリング装置の構成を説明するための概略断面図である。 成膜前の石英基板の欠陥数と歩留まりの関係を示す図である。 実施例2のフォトマスクブランクの膜構成を説明するための図である。
符号の説明
11 基板
12 遮光性膜
13 遮光膜
14 反射防止膜
15 位相シフト膜
101 チャンバ
102 ターゲット
103 スパッタガス導入口
104 ガス排気口
105 基板回転台
106 バイアス印加用電源

Claims (10)

  1. 透明基板上に少なくとも無機膜を一層形成するフォトマスクブランクの製造方法において、成膜後に所定の大きさを超えるサイズの欠陥を零にするために、透明基板の一方主面上の欠陥数を計測する基板検査工程と、成膜前における該所定の大きさを超えるサイズの欠陥が零であると共に、該所定の大きさ以下かつ該所定の大きさの5分の1以上のサイズの欠陥の数が所定の数以下の基板を抜き取って成膜用基板とする基板選別工程と、前記成膜用基板として選別された透明基板の一方主面上に遮光性膜を形成する成膜工程とを備えていることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  2. 前記所定の大きさは直径0.5μmであり、前記基板選別工程では、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が5個以下の基板を抜き取って成膜用基板とすることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  3. 前記選別工程は、直径0.1〜0.5μmの欠陥数が2個以下の基板を選別して成膜用基板とすることを特徴とする請求項2に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  4. 前記成膜工程は、前記成膜用基板の一方主面上に遮光膜と反射防止膜とを順次積層して実行されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  5. 前記成膜工程は、前記成膜用基板と前記遮光性膜との間に位相シフト層を成膜するサブステップを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  6. 前記反射防止膜は、クロム系化合物の膜もしくは珪素系化合物の膜の少なくとも一方の膜を含んでいることを特徴とする請求項4に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  7. 前記クロム系化合物は、クロム酸化物、クロム窒化物、もしくはクロム酸窒化物を主成分とする化合物であることを特徴とする請求項6に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  8. 前記珪素系化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、もしくは珪素酸窒化物を主成分とする化合物であることを特徴とする請求項6に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  9. 前記位相シフト層は、珪素酸化物、珪素窒化物あるいは珪素酸窒化物を主成分とする膜であることを特徴とする請求項5に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法によって製造されたフォトマスクブランク。

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