JP2007212193A - 放射線測定装置及びシンチレータ部材製造方法 - Google Patents

放射線測定装置及びシンチレータ部材製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外力に強くかつ遮光性が良好なシンチレータ部材を備えた放射線測定装置を実現する。
【解決手段】シンチレータ容器の表面の全体にわたって皮膜が形成され、これによって検出器230が構成される。皮膜は熱転写技術によって形成され、具体的には熱転写シートから剥離された皮膜がシンチレータ容器の表面へ転写される。屈曲部においては複数の皮膜がオーバーラップし、その結果として重合構造234が構築される。また、繋ぎ目部位においても重合構造240が構築される。そのような重合構造により遮光性及び耐久性を向上できる。
【選択図】図6

Description

本発明は放射線測定装置に関し、特に、シンチレータ部材を有する放射線測定装置に関する。
シンチレータ部材は、表面汚染測定器、体表面モニタなどの様々な放射線測定装置に用いられている。シンチレータ部材に放射線が入射すると、そこで生じた光が光電子増倍管(PMT)の受光面に導かれる。シンチレータ部材で生じた光を高感度で検出するために、シンチレータ部材の背面側には外部光を遮断する遮光構造(暗室)が設けられ、シンチレータ部材の前面側にも遮光構造が設けられる。
シンチレータ部材の前面(放射線入射面)側における遮光に際しては、そこを放射線が通過するために、そこでの放射線の減弱が問題となる。特に、β線は空気中の飛程が小さく、シンチレータ部材の前面側に、ある程度の厚みをもった遮光膜を形成すると、そこにおける放射線の遮断、減弱が無視できなくなって、測定感度が大きく低下する。よって、シンチレータ部材の前面側には極めて薄い遮光膜しか設けることができない。しかし、そのような薄い遮光膜は物理的な強度が非常に低く、腐食にも弱い。遮光膜が傷ついたりピンホールが形成されたりすると、そこから光が内部へ入射してしまい、シンチレータ部材で生じた微弱発光を検出することができなくなる。
そこで、下記の特許文献1及び特許文献5に記載されているように、シンチレータ部材の前面側に互いに離間して複数の薄い遮光膜を設けることが考えられる。各遮光膜は樹脂フィルムとその両面に形成された遮光層とで構成される。仮に、最も外側の遮光膜の表面に形成された遮光層が傷ついても、その裏面に形成された遮光膜によって光が遮断される。仮に外的作用が大きく、外側に設けられた遮光膜の全体が傷ついても、それに対して離間して配置された次の遮光膜によって光の遮断を確保できる。最も外側の遮光膜の前面側には、必要に応じて、格子状の保護部材が設けられるが、いずれかの開口を介して異物が進入する可能性もある。保護部材における開口面積を小さくして物理的保護を強化すれば、放射線の検出感度が低下してしまう。
遮光膜を放射線測定装置に取り付ける場合には、皺が生じないように全体を均等に引っ張りつつ、その配置を行う必要がある。その作業には熟練を要し、また非常に手間がかかる。更に、配置作業中に必要以上に力を加えると、遮光膜が簡単に破れてしまうという問題もある。従来においては、一般に、放射線測定装置に対して複数の遮光膜が取り付けられるため、上記問題は非常に顕著なものとなっている。
下記の特許文献2にはシンチレータ部材を用いた放射線測定器の一例が示されている。下記の特許文献3には、大面積の薄型シンチレータ板に対して遮光膜を貼り付けることが記載されている(第0041段落など)。しかし、遮光膜の詳細については記載されておらず、また、遮光膜の取付方法についても記載されていない。特に、β線検出においては極めて薄い遮光膜を配置する必要があるが、そのような薄膜特有の取り扱いについては記載されていない。
下記の特許文献4には、プラスチックシンチレータの表面上に遮光膜を設けることが記載されている。遮光膜は、薄膜状のプラスチックフィルムと、その裏面又は表面に形成された薄膜状の蒸着層と、を有する。しかし、プラスチックシンチレータに薄膜状の遮光膜をどのように設けるのかについては記載されていない。下記の特許文献6には、シンチレータ層と遮光層とを密着させることが記載されている。但し、遮光層は着脱可能であり、シンチレータ層に接着されているものではない。
本発明者らは、今まで、シンチレータ板の表面に1〜数μm程度の薄い遮光膜を形成することを目的として様々な検討及び実験を繰り返した。真空蒸着法による実験では、シンチレータ板を真空蒸着容器内に配置し、加熱下で、シンチレータ板の表面にアルミニウムを堆積、蒸着させることを試みた。しかし、その方法では、皮膜の厚みが20μm程度にもなってしまい、それを遮光層として利用すると、β線の感度が非常に低下してしまうことが判明した。また、皮膜の厚みの制御が非常に難しいことも判明した。スパッタリング法による実験では、遮光性をもった薄い皮膜を形成できたが、その皮膜の強度が非常に弱く、皮膜を擦ると簡単に皮膜が剥げてしまうことが判明した。また、その方法では、1つのスパッタリング処理当たり、処理できるシンチレータ板の個数に限りがあり、また、大型のシンチレータ板を処理困難である、などの問題も指摘できる。なお、イオンプレーティング法も検討されたが、処理温度が摂氏100度以上となり、シンチレータ板を構成するプラスチックシンチレータ材料如何によっては、その耐熱温度との関係で問題が生じるという結論に至っている。
上記の各種方法では、遮光皮膜を形成するために大掛かりな装置が必要となり、また大量処理に向かず処理コストが増大するという問題がある。シンチレータ板に対して均一な薄い皮膜を直接形成することは非常に難しいという背景から、現状においては、上記特許文献1に記載されているような構造、すなわち、シンチレータ板の放射線入射面側に相互に離間して複数の遮光膜を張るのが一般的である。そのような遮光膜は非常に薄いプラスチック膜にアルミ蒸着を施したものであるが、それ自体非常に破れやすいもので、また、各遮光膜が空中に保持されているために構造的に見て外力に対して非常に弱いものとなっている。シンチレータ部材を備えた放射線測定装置の堅牢性を向上するために、新しい遮光技術が強く求められている状況にある。
特開2001−141831号公報 特開平7−35869号公報 特開平8−248139号公報 実願昭60−108278号(実開昭62−16486号)のマイクロフィルム 特開平3−231187号公報 特開平5−297145号公報
以上のように、外力に強く良好な遮光性を有するシンチレータ部材が要望されている。ちなみに、従来技術によると、シンチレータ部材が平板形でないような場合、遮光膜を形成することが非常に困難であった。そこで、様々な形状をもったシンチレータ部材について十分な遮光性を確保する技術が求められている。
本発明の目的は、外力に強く良好な遮光性を有するシンチレータ部材を備えた放射線測定装置を提供することにある。
本発明の目的は、外力に強く良好な遮光性を有するシンチレータ部材の製造方法を提供することにある。
(1)シンチレータ部材の説明
本発明に係る放射線測定装置で設けられるシンチレータ部材は、放射線の入射により発光を生じるシンチレータと、前記シンチレータにおける放射線入射面としての表面に形成された少なくとも1つの皮膜と、を含み、前記皮膜は、放射線を透過させる保護層と、前記保護層の裏面側に設けられ、放射線を透過させ且つ光の透過を阻止する遮光層と、前記遮光層の裏面側に設けられ、当該皮膜を前記シンチレータに貼り付けるための接着層と、を有し、前記皮膜は、転写シートから前記シンチレータの表面上へ転写された剥離膜であるのが望ましい。
上記構成によれば、転写技術を用いて、シンチレータの放射線入射面に直接的に(つまり、空気層を介在させずに)少なくとも1つの皮膜が形成される。皮膜は、保護層、遮光膜及び接着層を有する。遮光層は望ましくはアルミニウムを含有する薄い層として形成され、それは外部から進入する放射線を透過させ且つ外部からの光の進入を遮断する。遮光層は、放射線をできるだけ減弱させずに且つ遮光性を発揮できる程度の厚さに形成される。保護層は、放射線を透過させ、同時に遮光膜を外部作用から保護する材料で構成される。保護層は、一般に、塗布(印刷)により均一の厚みで形成されて硬化した塗膜として構成される。保護層は、放射線をできるだけ減弱させず且つ保護機能を発揮できる程度の厚さに形成される。但し、遮光層の厚み及び保護層の厚みは、シンチレータ上に積層形成する皮膜数を考慮して決定するのが望ましい。あるいは、皮膜における遮光層の厚み及び保護層の厚みを考慮して、シンチレータ上に形成する皮膜数を決定するのが望ましい。接着層は皮膜をシンチレータに貼り付ける部材として機能する。保護層、遮光層、接着層のいずれについても、その厚みが全体的に均一であるのが望ましい。皮膜が、保護層と遮光層との間に設けられた中間層、遮光層と接着層との間に設けられた別の中間層、その他の層を有するように構成してもよい。シンチレータの表面にそのまま皮膜を形成してもよいし、シンチレータの表面にコーティング層等を形成した上で、その表面に皮膜を形成するようにしてもよい。
遮光層から見てシンチレータが背面支持基板として機能するため、また、遮光層が保護層とシンチレータとでサンドイッチ状態で挟まれるため、遮光層は物理的作用から効果的に保護される。例えば、皮膜へ局所的な外力が加わっても、その外力は保護層で分散され、またシンチレータで分散されるので、遮光層へ及ぼうとする局所応力を回避、緩和できる。また、保護層それ自体についても、シンチレータが背面支持基板として機能するので、保護層の強度を向上できる。また、接着を利用するため、大掛かりで特殊な装置を必要とせずに、皮膜形成を簡便に行える。皮膜形成に当たって転写技術を利用すれば、例えば、既に形成されているアルミニウム蒸着層を転写するだけでよいので、シンチレータ全体を高温下で長い時間処理する必要はない。また、既に均一に形成されている遮光膜をそのまま利用できるので厚みの不均一性の問題も回避できる。なお、熱転写方式を利用する場合には、シンチレータへの熱伝導が生じるが、その場合でも比較的低温で処理を行うことができ、また、熱転写部位のみを短時間だけ加熱すればよいので、加熱による影響はほとんど問題とならない。感圧方式を利用する場合には加熱による問題を回避できる。
望ましくは、前記転写シートは熱転写シートであり、前記皮膜は熱転写法によって形成される。望ましくは、前記転写シートは感圧転写シートであり、前記皮膜は感圧転写法によって形成される。転写方式を利用すれば、ある程度の厚みをもったベースフィルム上に薄膜状の皮膜を形成しておいて、そのベースフィルムから皮膜を剥離してそれをシンチレータに接着することができる。つまり、転写前の状態において、皮膜はベースフィルムと一体化されているので物理的に強化された状態にあり、転写後の状態において、皮膜はシンチレータと一体化されるので物理的に強化された状態にある。また、転写という簡便な方法によって、シンチレータの表面に皮膜を形成できるので、従来の手張り法による場合に比べて、作業性を飛躍的に向上できる。また、ベースフィルム上への所定材料の塗布によって均一な厚みをもった保護層を容易に形成でき、その厚みのコントロールも容易である。保護層が塗布されて、それが硬化した後に、保護層の上に蒸着処理によって遮光層を均一な厚みで形成することも容易である。
望ましくは、前記遮光層はアルミニウムを含有する蒸着層である。望ましくは、前記保護層は遮光性をもった着色層である。着色層であれば保護層それ自体が遮光性を有することになるので、皮膜全体としての遮光性能をより向上できる。望ましくは、前記シンチレータの表面に複数の皮膜が積層され、前記各皮膜が前記保護層、前記遮光層及び前記接着層を有する。望ましくは、前記放射線はβ線である。上記の皮膜はX線、γ線、α線の検出においてもその機能を発揮するが、特に、空気中でさえ減弱し易いβ線を検出する場合において有効なものである。望ましくは、前記接着層には、前記皮膜の裏面から入射する光を反射する反射材が混入される。反射材は望ましくは白色を呈し、典型的には、乱反射作用も有する。望ましくは、前記シンチレータ部材の裏面側には透明性を有する補強部材が設けられる。
(2)放射線測定装置の説明
本発明に係る放射線測定装置は、放射線の入射により発光を生じるシンチレータと、前記シンチレータで生じた光を検出する光検出器と、前記シンチレータにおける放射線入射面としての表面を覆うように設けられた複数の皮膜と、を含み、前記各皮膜は、放射線を透過させる保護層と、前記保護層の裏面側に設けられ、放射線を透過させ且つ光の透過を阻止する遮光層と、前記遮光層の裏面側に設けられ、当該皮膜を前記シンチレータに貼り付けるための接着層と、を有し、前記各皮膜は、転写シートから前記シンチレータの表面上へ転写された剥離膜であり、前記シンチレータの表面における所定部位に複数の皮膜における複数の皮膜端部が重なり合うことによって端部重合構造が形成された、ことを特徴とする。
上記構成によれば、既に説明したように、外力に強く且つ遮光性が良好なシンチレータ部材を備えた放射線測定装置を構成できる。シンチレータが単純な平板でないような場合にはシンチレータの表面の全体を複数の皮膜で覆う際に、異なる皮膜に存在する2つの皮膜端部の繋ぎ目が生じる。上記構成によれば、そのような所定部位に複数の皮膜端部が重なり合う端部重合構造が構築されるので、当該所定部位における遮光性を良好にできる。つまり、2つの皮膜端部を単に揃えるだけではどうしても隙間が生じやすいが、上記構成では端部重合構造によってそのような隙間の発生を防止できる。また、端部重合構造が形成された部位においては、複数の皮膜端部が重なり合っているため、外力に対して強くなる。なお、重合される皮膜端部の個数が増大すると、そこでの放射線の減弱が無視できなくなるため、その個数は放射線の検出感度との関係で適宜定めればよい。あるいは、検出感度があまり問題とならない部位に端部重合構造を形成するのが望ましい。あるいは、検出感度があまり問題とならない程度の規模で端部重合構造を形成するのが望ましい。所定部位としては、シンチレータ部材の取扱い上外力を受けやすい屈曲部(角部位、コーナー部位、を含む)をあげることができる。勿論、それ以外の部位に端部重合構造を構築してもよい。
望ましくは、前記所定部位は前記シンチレータにおける屈曲部である。望ましくは、前記シンチレータは、前記屈曲部位を介して互いに連なる第1表面及び第2表面を有し、前記複数の皮膜は、前記第1表面を覆う第1皮膜と、前記第2表面を覆う第2皮膜と、を有し、前記第1皮膜における第1皮膜端部が前記第1表面を超えて前記第2表面上に到達し、当該第1皮膜端部が前記第2皮膜における第2皮膜部分と重合関係にあり、前記端部重合構造は、前記第1皮膜端部と前記第2皮膜部分とを有する。望ましくは、更に、前記第2皮膜における第2皮膜端部が前記第2表面を超えて前記第1表面上に到達し、当該第2皮膜端部が前記第1皮膜における第1皮膜部分と重合関係にあり、前記端部重合構造は、更に、前記第2皮膜端部と前記第1皮膜部分とを有する。
上記構成によれば、第2表面上には第2皮膜部分と第1皮膜端部とが重合する。あるいは、第1表面上には第1皮膜部分と第2皮膜端部とが重合する。重合関係においてはいずれを上又は下としてもよい。また、3層以上の重合(積層)を採用するようにしてもよい。同様に、以下のように、第1表面及び第2表面にそれぞれ複数の皮膜を積層形成するようにしてもよい。
望ましくは、前記第1表面は複数の第1皮膜により覆われ、前記第2表面は複数の第2皮膜により覆われ、前記複数の第1皮膜における複数の第1皮膜端部が前記第1表面を超えて前記第2表面上に到達し、当該複数の第1皮膜端部が前記複数の第2皮膜における複数の第2皮膜部分と重合関係にあり、前記複数の第2皮膜における複数の第2皮膜端部が前記第2表面を超えて前記第1表面上に到達し、当該複数の第2皮膜端部が前記複数の第1皮膜における複数の第1皮膜部分と重合関係にあり、前記端部重合構造は、前記複数の第1皮膜端部と前記複数の第2皮膜部分とを含む第1の端部重合構造と、前記複数の第2皮膜端部と前記複数の第1皮膜部分とを含む第2の端部重合構造と、を有する。望ましくは、前記第1の端部重合構造においては、前記複数の第1皮膜端部と前記複数の第2皮膜部分とが互い違いに重なり合い、前記第2の端部重合構造においては、前記複数の第2皮膜端部と前記複数の第1皮膜部分とが互い違いに重なり合う。
望ましくは、前記シンチレータは、前記屈曲部を介して互いに連なる第1表面及び第2表面を有し、前記複数の皮膜は、前記第1表面を覆う第1皮膜と、前記第2表面を覆う第2皮膜と、前記屈曲部を覆う第3皮膜と、を有し、前記第3皮膜は、前記第1皮膜における第1皮膜端部と重合関係にある第3皮膜一方側端部と、前記第2皮膜における第2皮膜端部と重合関係にある第3皮膜他方側端部と、を有し、前記端部重合構造は、前記第1皮膜端部と前記第3皮膜一方側端部とを含む第1の端部重合構造と、前記第2皮膜端部と前記第3皮膜他方側端部とを含む第2の端部重合構造と、を有する。この構成によれば、屈曲部に補強的に第3皮膜を形成して、当該部位の遮光性及び耐久性を向上できる。勿論、屈曲部以外の部位(繋ぎ目、脆弱部位等)に補強的に皮膜を追加形成してもよい。転写方式を利用しているので、そのような部分的な皮膜形成も非常に容易である。
また、本発明は、放射線の入射により発光を生じるシンチレータと、前記シンチレータで生じた光を検出する光検出器と、前記シンチレータにおける放射線入射面としての表面を覆うように設けられた皮膜と、を含み、前記皮膜は、放射線を透過させる保護層と、前記保護層の裏面側に設けられ、放射線を透過させ且つ光の透過を阻止する遮光層と、前記遮光層の裏面側に設けられ、当該皮膜を前記シンチレータに貼り付けるための接着層と、を有し、前記皮膜は、転写シートから前記シンチレータの表面上へ転写された剥離膜であり、前記シンチレータの表面における所定部位に前記皮膜における複数の皮膜端部が重なり合うことによって端部重合構造が形成された、ことを特徴とする。この構成によれば皮膜を円筒形に形成する場合などにおいて、皮膜の両端を相互にオーバーラップさせて、両端の繋ぎ目における遮光性を向上できる。
(3)シンチレータ部材製造方法の説明
本発明に係る製造方法は、ベース層及び皮膜を有する転写シートを用いて少なくとも1つの屈曲部を有するシンチレータ部材を製造する方法であって、前記転写シートから前記シンチレータ上に前記皮膜を転写する複数回の転写工程を含み、前記複数回の転写工程は、前記シンチレータの第1面上に、前記転写シートから剥離された第1皮膜を接着する第1皮膜転写工程と、前記シンチレータの第1面に前記屈曲部を介して連なる第2面上に、前記転写シートから剥離された第2皮膜を接着する第2皮膜転写工程と、を含み、前記第1皮膜転写工程では、前記第1皮膜における第1皮膜端部が前記第2表面の縁部分に転写される、ことを特徴とする。
望ましくは、前記第2皮膜転写工程では、前記第2皮膜における第2皮膜端部が前記第1表面の縁部分に転写される。望ましくは、前記第1皮膜転写工程では、前記第1表面への前記第1皮膜における第1皮膜本体の転写と、前記第2表面の縁部分への前記第1皮膜端部の転写と、が同時に又は順番に行われる。望ましくは、前記第2皮膜転写工程では、前記第2表面への前記第2皮膜における第2皮膜本体の転写と、前記第1表面の縁部分への前記第2皮膜端部の転写と、が同時に又は順番に行われる。
以上説明したように、本発明によれば、外力に強く良好な遮光性を有するシンチレータ部材を備えた放射線測定装置を提供できる。あるいは、本発明によれば、外力に強く良好な遮光性を有するシンチレータ部材の製造方法を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)シンチレータ部材の説明
図1には、実施形態に係るシンチレータ部材10の製造方法が示されている。このシンチレータ部材10は、放射線測定装置において放射線検出器として用いられるものである。シンチレータ部材10はシンチレータプレート16と皮膜14とで構成される。なお、図1には、シンチレータプレート16の表面(放射線入射面)上に1つの皮膜が形成されているものが示されているが、シンチレータプレート16の表面上に複数の皮膜14を積層形成するようにしてもよい。
シンチレータプレート16はプラスチックシンチレータ材料によって構成される。周知のように、シンチレータプレート16に放射線が入射すると、それによって発光が生じ、生じた光はシンチレータプレート16の裏面側において検出される。放射線としては、X線(γ線)、β線、α線などをあげることができ、本実施形態に係るシンチレータ部材10は特にβ線の検出に好適なものである。図1において、シンチレータ部材10は板状の部材として示されており、このシンチレータ部材10はいわゆる大面積型のシンチレータ検出器を構成する。ただし、シンチレータ部材10の形状は必ずしも平板状である必要はなく、例えば曲面状であってもよいし、棒状であってもよい。転写技術を利用すれば、任意の形態のシンチレータに対して遮光層を容易に形成できる。
皮膜14は放射線を透過させる機能と外部からの光を遮断する機能とを有する。この皮膜14は、本実施形態において、熱転写方式によって、熱転写シート18から剥離された剥離膜である。これについては後に詳述する。皮膜14は、放射線の入射側から見て、保護層24、アルミ層26及び接着層28を有している。各層はそれ全体として均一の厚みを有する。
保護層24は透明な材料あるいは着色された材料からなるものであり、アルミ層26の表面の全体を覆ってアルミ層26を物理的な作用から保護する機能を発揮する。保護層は例えばアクリルエポキシ系の材料によって構成され、その厚みは例えば0.5〜3μmの範囲内に設定される。望ましくは保護層24は1.0μmの厚みを有する。保護層24は堅い材料によって薄く均一に形成されており、これによって上述したようにアルミ層26が物理的な作用から保護されている。保護層24を着色層として構成すれば、例えば黒色あるいは白色の層として構成すれば、それ自体に遮光性を持たせることができる。一般に、アルミ層26を構成するアルミニウム材料などに比べて樹脂系の材料の方が放射線の減弱作用が弱いために、アルミ層26よりも保護層24の方を厚くするのが望ましい。
保護層24は、後述するベースフィルム上に所定材料を塗布し、それを硬化することによって形成された塗膜(塗布層)である。塗布処理によれば、均一で薄い層を比較的に容易に形成できるという利点がある。
本実施形態では、熱転写前の状態では、皮膜14が後述するベースフィルム20に一体化されてその強度が確保され、熱転写後の状態では皮膜がシンチレータプレート16に一体化されてその強度が確保される。皮膜を単体で存在させる必要がないので、その取扱いが極めて容易である。
アルミ層26はアルミニウム材料あるいはそれを含む混合材料によって構成され、そのアルミ層26は保護層24の裏面側に形成された蒸着層として形成されている。すなわちアルミ層26は熱転写シート18の形成段階において蒸着によって形成されたものである。その厚みは、例えば0.01〜1.5μmの範囲内に設定され、望ましくは0.05μmである。熱転写シート18の形成段階において蒸着法以外を用いてアルミ層26を形成するようにしてもよい。アルミ層26は、測定対象となる放射線を通過させ、その一方において、外来光がシンチレータプレートへ到達することを防止する遮光機能、及び、シンチレータプレート側からの光を反射する反射機能、を有する。なお、蒸着層をアルミニウム材料以外の材料で構成することも可能である。
接着層28は、本実施形態において、熱可塑性接着材によって構成され、例えばオレフィン系の材料(PP系接着材、アクリル系接着材、等)によって構成される。接着層28は、皮膜14をシンチレータプレート16上に接着するためのものである。その厚みは例えば2〜3μm程度である。接着層28を構成する材料としては加熱後に硬化する材料を用いるのが望ましい。もちろん、それ以外にも様々な接着材料を利用することが可能である。但し、あまり接着層28の厚さを厚くするとそこでの放射線の減弱が無視できなくなるため、そのような放射線の減弱を考慮しつつできる限り薄い接着層28を形成するのが望ましい。複数の接着層を形成するようにしてもよい。本実施形態において、接着層28には、白色を呈する酸化チタンの粉末が添加されている。その粉末は、シンチレータプレート16側から進入した光を反射(乱反射)する反射材として機能する。酸化チタンに代えて他の材料を用いることもできる。
なお、シンチレータプレートは例えば0.5〜2.0mmの厚みを有し、その厚みは、検出する放射線などに応じて適宜設定される。例えばシンチレータプレート16の厚みを薄くしてそれに対して皮膜14を形成した後に、シンチレータ部材10を湾曲させて放射線検出器として利用することも可能である。シンチレータプレート16を湾曲させた状態において皮膜14を熱転写によって形成するようにしてもよい。シンチレータプレートそれ自体は通常透明であるが、その表面には、必要に応じて、光の散乱を生じさせる非常に細かい凹凸加工が施される。これは、光検出器側から見て発光部分を広げるためである。
次に、熱転写シート18について詳述する。熱転写シート18は、ベースフィルム20と、そのベースフィルム20に対して離型層22を介して設けられた上記の皮膜14と、を有している。すなわち、熱転写時において、熱転写シート18に対して加熱が行われると、離型層22の作用により、ベースフィルム20から皮膜14が剥がれることになる。それと同時に、皮膜14は上記の接着層28の作用によってシンチレータプレート16上に接着される。ベースフィルム20は、例えばポリエステル樹脂によって構成され、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムによって構成される。その厚みは例えば10〜20μmの範囲内に設定され、望ましくは16μmの厚みを有する。離型層22は例えばワックス系あるいはアクリル系の材料によって構成され、その厚みは例えば0.3〜0.8μmの範囲内に設定され、望ましくは0.5μmである。上記の離型層を有しない熱転写シートを用いることもできる。
図1においては、シンチレータプレート16上に熱転写シート18が重合され、その重合体が搬送されている状態が示されている。重合体に対する局所的な加熱が図示されていない熱転写ローラによって行われた後、ガイドローラ44によってベースフィルム20が巻き取られる。すると、上述したようにベースフィルム20上から皮膜14が剥離して、皮膜14がシンチレータ部材10側に残存することになる。これによって熱転写処理が完成する。
後に説明するように、熱転写処理にあたっては、シンチレータプレート16への熱伝導は局所的になされるため、シンチレータプレート16が熱的な影響によって劣化する問題はほとんど生じない。但し、熱転写後において、シンチレータ部材10の反りを防止するために、熱転写時に、シンチレータプレート16の裏面側に(シンチレータプレート16と後述するベルトコンベアとの間に)薄い平坦な金属板を設けることもできる。その金属板は、例えばアルミニウムによって構成され、熱転写時に、シンチレータプレート16へ加えられた熱を、シンチレータプレート16の裏面側で奪い取る吸熱作用を発揮する。
なお、上記で掲げた各数値は一例であって、諸条件に応じて各種の数値を採用し得る。例えば、アルミ層26の厚みを遮光性が十分担保される限りにおいてより薄くしつつ、その一方において保護層24の厚みをより厚くするようにしてもよい。また薄いアルミ層26と薄い保護層24とで皮膜14を構成し、そのような皮膜を複数積層することによって、全体として厚いアルミ層及び厚い保護層を構成するようにしてもよい。いずれの場合においても、放射線に応じてそれを十分な感度をもって検出できるように、しかも遮光層における物理的な保護が十分に図られるように、各材料の厚みを適宜設定するのが望ましい。
図2には、一般的な熱転写装置30を利用したシンチレータ部材の製造方法が例示されている。シンチレータプレート16はベルトコンベア32上におかれ、図2における矢印方向へのベルトコンベア32の移動に伴ってシンチレータプレート16が搬送される。ベルトコンベア32上には転写ユニットが設けられており、その転写ユニットは供給ローラ38、巻取りローラ40、ヒーター36、熱転写ローラ34、及び、ガイドローラ42,44などによって構成される。
供給ローラ38には熱転写シートが巻き付けられており、その供給ローラ38から供給される熱転写シート18は、ガイドローラ42によって案内され、熱転写ローラ34を経てガイドローラ44によって折り返され、巻取りローラ40によって巻き取られる。熱転写ローラ34はヒーター36によって所定温度に加熱されており、また熱転写ローラ34がその下方を通過するシンチレータプレート16に対して熱転写シート18を押しつける。これによって、熱転写ローラ34の当接部位において、加圧と加熱とが同時に行われる。ベルトコンベア32は一定速度で搬送されており、それと同じ速度で熱転写シート18も搬送される。加熱後においては、熱転写シート18がガイドローラ44によって折り返されるが、その段階においては図1に示したようにガイドローラ44の作用によって熱転写シート18におけるベースフィルム20と皮膜14との分離が達成される。すなわちベースフィルム20から皮膜14が剥がされることになる。
したがって、図2に示すような熱転写装置30を用いれば、様々な形状及びサイズをもったシンチレータプレート16に対して簡便かつ迅速に皮膜形成処理を行うことができ、その製造コストを非常に軽減することが可能となる。また様々な場所で皮膜形成を行えるという利点もある。ベルトコンベア32上に複数のシンチレータプレート16を整列させておけば、それらのシンチレータプレート16に対して連続的に熱転写処理を施すことも可能であり、図2に示す構成によれば大量処理を容易に行えるという利点がある。なお、熱転写時における加熱温度は例えば100〜250℃であるが、その温度は熱転写シートやシンチレータ材料などに応じて適宜設定すればよい。加熱部位はシンチレータプレートの搬送方向及び深さ方向の両方向にわたって限定されており、また瞬時的なものであるため、シンチレータ材料に与える熱的な影響をほとんど無視することができる。ちなみに、シンチレータが平板形以外の形状を有する場合、その形状に合った熱転写装置を利用するのが望ましい。これに関しては後に図4等を用いて説明する。
図3には、複数の皮膜が積層されたシンチレータ部材100が示されている。シンチレータプレート16上には2つの皮膜14A,14Bが設けられている。各皮膜14A,14Bは、それぞれ放射線入射側から見て保護層24、アルミ層26及び接着層28を有する。例えば、図2に示したようなプロセスを2回繰り返せば、図3に示すような2層の皮膜14A,14Bを容易に形成することができる。もちろん3層以上の積層構造を構築することも容易である。
図2に示した熱転写プロセスにおいては、熱転写処理に先立ってシンチレータプレート16の表面上における塵、ゴミ等の異物を十分に除去しておくのが望ましい。すなわち、シンチレータプレート16の表面を清浄状態にしておくのが望ましい。その場合においては、例えばエアブロー、洗浄などの手法を利用することができ、場合によっては、不純物の混入を避けるために、クリーンブースあるいはそれに相当するような部屋を用意し、その内部において熱転写処理を行うようにしてもよい。そのような密閉空間には、エアフィルタを通過したクリーンエアが導入される。エアーブロー装置は、熱転写前の段階で、シンチレータプレート16の表面上にクリーンエアを吹き付けて異物を吹き飛ばすものである。そのような処理によれば異物によるピンホールの発生を効果的に防止できるという利点がある。
上記の熱転写方式に代えて感圧転写方式を利用することもできる。その場合、感圧転写シートが利用される。感圧転写シートは、上記の熱転写シートと同様に、ベースフィルムの上に設けられた皮膜(保護層、蒸着層、接着層)を有する。感圧転写シートにおける接着層は、熱可塑性接着材ではなく、加圧によって接着作用を十分に発揮する接着材で構成される。感圧転写方式の場合には、加圧ローラによって、感圧転写シートがシンチレータプレートへ押しつけられ、シンチレータプレート上に皮膜(剥離膜)が転写される。この感圧転写方式においても、熱転写方式の場合と同様の利点を得られる。すなわち、転写前の状態においては、皮膜がベースフィルム上に形成されるので、その皮膜を薄く形成することができ、しかも、皮膜が単体で存在している場合に比べて、皮膜を物理的あるいは構造的に保護、強化することができる。転写後の状態においては、皮膜がシンチレータプレートに転写されるため、その皮膜を物理的あるいは構造的に保護、強化することができる。感圧転写方式によれば、熱的歪みの発生を防止できる。熱転写方式によれば、より薄い皮膜の転写を行える。
(2)放射線測定装置及びその製造方法の説明
図4には、シンチレータ部材としてのシンチレータ容器200が示されている。図4には円筒形状を有するシンチレータ容器200が示されているが、シンチレータ容器200の形状は円筒形状に限られず、例えば箱状、球状であってもよい。特に、後述する端部重合技術は、図4に示されるようなシンチレータ部材(すなわちシンチレータ容器200)には限られず、非平面形状を持った多様なシンチレータ部材に対して適用するのが望ましい。また、平板型のシンチレータ部材であっても、複数の皮膜端部による繋ぎ目が存在する場合には、そこに端部重合技術を適用することができる。
図4において、シンチレータ容器200は上述したように円筒形状を有しており、シンチレータ容器200は上面200A、下面200B及び湾曲した側面200Cを有している。ちなみに、シンチレータ容器200の内部は空洞である。但し、内部が詰まったブロック状のシンチレータ部材に対して本発明を適用することもできる。本実施形態においては、図4に示されるような形態をもったシンチレータ容器200に対して、その表面の全体に対して皮膜が形成される。その皮膜は図1等を用いて説明したように熱転写技術を用いて形成されるものである。
本実施形態においては、側面200C、上面200A及び下面200Bのそれぞれの面に対して転写工程が実行される。各面への転写順序は適宜定められるものである。図4においては側面200Cに対する皮膜形成工程が概略的に示されている。符号201は熱転写シートを示している。この熱転写シート201は図1に示した熱転写シート18に相当する。すなわち、熱転写シート201は、ベースフィルム、離型層及び皮膜を有し、その皮膜は保護層、アルミ層及び接着層を有している。熱転写シート201の横幅(図4において上下方向の幅)は側面200Cの幅(図4において上下方向の長さ)に合わせて設定されており、具体的には、側面200Cの幅に後に説明する2つの端部の幅を加えたものとして設定されている。但し、それよりも十分に広い幅を持った熱転写シート201を利用し、熱転写を行う幅を制限するようにしてもよい。
符号202は熱転写用のローラを示している。このローラ202はそれ自体が発熱部を有しているが、ローラ202の近傍にヒータを設けることにより、ローラ202を加熱するようにしてもよい。いずれにしても、ローラ202によって熱転写シート201を側面200Cに押し付けかつ局所的に加熱することにより、熱転写シートから皮膜を剥離させてそれを側面200C上に転写することが可能となる。
具体的に説明すると、図4に示す例では、ローラ202は、側面200Cの幅と同一の幅を持った小径部204と、その小径部204の両側(上側及び下側)に設けられた一対の大径部206と、を有している。小径部204及び一対の大径部206は、例えば弾性部材などを含むものである。なお、ローラ202についての回転軸及び駆動機構については図示省略されている。小径部204と各大径部206との連結部にL字型の稜線が形成されることになり、その部分が側面200Cの両端に存在する屈曲部すなわち角部分に当接されることになる。すなわち、ローラ202とシンチレータ容器200との間に熱転写シート201を挟み込みつつ、ローラ202を回転させて側面200C上において相対的に周回運動を行わせると、ローラ202とシンチレータ容器200との接触部分において局所的に熱転写が行われ、それが側面200Cに沿って展開されることになる。その際、熱転写シート201における上下の両端部は一対の大径部206の作用によって折り曲げられ、それらの端部は上面200A及び下面200Bの縁部分に当接され、そこにおいても熱転写が行われることになる。
以上の過程を継続すると、シンチレータ容器200における側面200Cの全体にわたって皮膜214が連続的に形成されることになる。ここで、形成された皮膜14は、側面200C上に形成された皮膜本体214Aと、上面200A及び下面200Bの縁部分に沿って形成された一定幅を有する皮膜端部214Bと、からなるものである。符号23は皮膜214が剥離された後のベースフィルムを示している。ちなみに、図4において、熱転写シート201の送り機構及び引き出し機構等については図示省略されている。
上記の熱転写を行う場合、シンチレータ容器200を固定しておいて、ローラ202を回転させながら符号210で示されるように、ローラ202を側面200Cに沿って旋回させるようにしてもよいし、ローラ202の回転軸を固定しておいて、シンチレータ容器200を符号212で示されるように回転させるようにしてもよい。また、大掛かりな熱転写装置を用いることなく、可搬型のすなわち小型の熱転写装置を利用して、すなわちローラ202を備える可搬型の熱転写装置を利用して上記の熱転写工程を実行するようにしてもよい。熱転写にあたっては、皮膜において皺が生じないようにその工程を遂行するのが望ましい。
図4に示したローラ202の形態は一例であって、各種の熱転写用ローラあるいは熱転写用プレートを用いることが可能である。例えば平板型あるいは緩やかに湾曲した熱転写プレートなどを利用することも可能である。また、図4に示したような小径部204及び一対の大径部206を有するローラ202を採用する場合であっても、それぞれの部分の直径については適宜定めることが可能であり、できる限り皺が生じないようにローラ202の形状や材料、押圧力、回転速度等を適宜設定するのが望ましい。もちろん、熱転写方式によらずに感圧転写方式などを利用するようにしてもよい。
ちなみに、皮膜端部214Bの幅は適宜定めることができる。皮膜端部214Bの幅を大きくすると、その分だけコーナー部分の皮膜の耐久性及び遮光性を向上することができる。その一方、あまりその幅を広くし過ぎると、後に説明するように放射線の減弱が無視できなくなるおそれがあり、あるいは感度の均一性を保つことが難しくなるため、そのような問題が生じない限りにおいて、皮膜端部214Bの幅を定めるのが望ましい。なお、皮膜端部214Bはリング状の形態を有するが、皮膜それ自体は柔軟性をもっているものであるため、そこには実質的に皺は生じないか、あるいは、微小な皺が生じたとしてもそれは事実上問題とならない。
図4に示す方法によって、側面200Cに対してその全体にわたって皮膜が形成された後、図5に示されるような方法を用いて、上面200A及び下面200Bのそれぞれに対して皮膜が形成される。
図5においては、上面に対する皮膜形成方法が例示されている。この例では上面に対して円形の熱転写シート220が載せられており、熱転写用ローラ222を押圧回転させて当該上面に対して皮膜の形成が行われる。すなわち、例えば符号224で示される方向にローラ222を進行させながらそれを回転させることにより、その押圧力及び熱伝導によって上面における一端側から他端側へ皮膜を形成することが可能である。ちなみに、上面以外の領域に対して加熱が行われたとしても、当該部分においては熱転写の対象物が存在していないため、その部分についての転写はなされない。但し、上面の範囲内に限って加熱するようにしてもよい。図5に示すような方法を実行すれば、熱転写シート220に含まれる皮膜全体における内部が円形に切り取られたような形で熱転写が行われることになる。
なお、ローラ222を回転させながら、そのローラ222を符号224で示される方向へ運動させるのではなく、ローラ222の回転軸を不動として、符号226で示されるようにシンチレータ容器を平行運動させるようにしてもよい。例えば、そのような場合には、図2に示した装置を用いることも可能である。図5に示した上面への皮膜形成工程が実行された後、シンチレータ容器の下面に対して皮膜形成構成が実行されることになる。但し、上面と下面とを同時に処理することも可能である。また、本実施形態においては、シンチレータ容器の側面に対する皮膜形成を先行させたが、上面及び下面への皮膜形成を先行させて、それらの後に側面に対して皮膜を形成するようにしてもよい。
図5に示す例では、単純な円筒形状を持ったローラ222を用いたが、例えば図4に示したようなローラ202に類似する形態をもったローラーを用いて、それを上面あるいは下面上で旋回運動させることにより、皮膜の形成を行うことも可能である。そのような方法によれば、側面における縁部分にリング状の皮膜端部を形成することも容易である。また、図5に示したローラ222に代えて、平板型の熱転写プレートを用いて皮膜の形成を行うようにしてもよい。
図6には、実施形態に係る放射線測定装置が概略的に示されている。図6は特に検出部の構成を示すものである。上述したように、シンチレータ容器に対してはその表面の全体にわたって皮膜が形成されており、これによって検出器230が構成されている。すなわち、円筒形状をもったシンチレータの側面、上面及び下面のそれぞれの面に皮膜が形成されている。ここで、符号232は上面に形成された皮膜を示しており、符号232は下面に形成された皮膜を示している。符号234はオーバーラップ構造、すなわち重合構造を示している。すなわち、上述したように、側面に皮膜を形成する際に同時にその皮膜の両端部が上面及び下面に熱転写されており、これによって検出器230における屈曲部にそれ全体にわたって端部重合構造234が構築されている。その部分においては、2つの皮膜部分が積層されることになるため、その部分の遮光性を良好にでき、また耐久性を向上できる。屈曲部においては検出器230の取り扱い上、他の部材に接触しやすいと言えるが、その部分に重合構造を採用することにより、検出器全体としての遮光性及び耐久性を向上することができる。図6においては、上面及び下面に重合構造が形成されていたが、さらに側面における縁部分にも重合構造を形成するのが望ましく、これについては後に図10などを用いて説明する。
また、側面においては、その全周にわたって皮膜が形成されているが、皮膜形成の開始端と終了端とがシフトされており、これによって側面上においても部分的に重合構造が形成されている。これが符号240で示されている。ここで、符号214Cは開始端を示しており、符号214Dは終了端を示している。このように同じ皮膜における両端部を重ならせることにより、端部間の繋ぎ目における遮光性を向上することが可能である。すなわち、単に2つの端部を付き合わせて揃えただけではそこに隙間が生じやすく、少しでも隙間が生じると、外部光が内部に進入して、後に説明する光電子増倍管を破損させたり、あるいは検出時のノイズ成分を増大させてしまう。本実施形態においては、上述したような重合構造234,240を採用することにより、遮光性を十分に確保して、検出器の動作信頼性を保障できるという利点がある。
ちなみに、符号236及び238は一対の光電子増倍管(PMT)を示している。それらの光電子増倍管236,238はシンチレータ容器にて発生した光を検出する光検出器であり、いわゆる同時計数処理によってノイズを除去するために、一対の光電子増倍管236,238が設けられている。それらの受光面はシンチレータ容器の内部に差し込まれてその内部に臨んでいる。符号231は外部から進入する放射線を示しており、放射線231が皮膜を透過してシンチレータに到達するとそこで光が発生し、その光はシンチレータ容器内部を拡散し、それが2つの光電子増倍管236,238で検出される。上述したように、シンチレータ容器の形状は円筒形状に限られず、箱状あるいは球状などの他の形態とするようにしてもよい。また、内部空間を有するシンチレータ容器とはせずに例えば湾曲したあるいは複雑な形状をもったシンチレータ板を利用して放射線の測定を行うことも可能である。そのような場合においても、シンチレータ部材が屈曲部を有するような場合において、そこに上記の端部重合構造を採用すれば、その部位における遮光性を向上できるという利点がある。
図7には可搬型の熱転写装置の一例が概念図として示されている。もちろんこれは一例であるが、大掛かりな装置を用いなくても、このような小型の熱転写装置を利用して、シンチレータ容器に対して皮膜の形成を行うことができる。具体的に説明すると、熱転写ローラ252はその内部に熱源を有しており、あるいはその外部にヒータを有している。フレーム254は一対のアーム254Aを有し、その端部は軸受254Dとなっている。フレームにはカバー258が取り付けられている。カバー258のローラ側面にヒーターなどを設けるようにしてもよい。一対のアーム254Aはシャフト254Bによって連結され、その中央部から起立した支柱254Cにグリップ256が取り付けられている。使用者はそのグリップ256を握りながら、熱転写装置250を所望の方向へ進行させてローラ252を押圧回転させることにより、その接触部において熱転写を行うことが可能である。ローラ252に代えて熱転写用のプレートを有する熱転写装置を利用することも可能である。
次に、図8〜図13を用いて重合構造のいくつかの例について説明する。
図8は、図6に示した検出器の一部分を拡大図として示すものである。図8は、特に屈曲部の断面を示している。これは後に説明する図9〜図13についても同様である。側面には皮膜214が形成されており、具体的には、その皮膜214は、側面それ自体に形成された皮膜本体214Aと、上面に形成された皮膜端部214Bと、で構成されている。上面には、皮膜232が形成されており、その内で皮膜端部214B上に一部分232Aが重合している。これによって重合構造234が構築されている。放射線231がシンチレータ260に到達すると、そこで光が生じる。これが符号262で示されている。一方、外部から到来する光264,266はいずれも皮膜に含まれる遮光層すなわちアルミ層によって遮断され、そのような光が内部に侵入することはない。一方、シンチレータ容器の内部で生じた光が外部に進行しようとしても、符号268で示されるように、皮膜内における反射層あるいは反射機能によってその光が内部に戻されることになる。これによって検出感度を高められる。
図9に示す例では、上面に形成される皮膜270が皮膜端部270Aを有しており、その皮膜端部270Aは側面の縁部分に回り込んで形成されている。そして、側面に形成された皮膜280における一部分280Aが皮膜端部270Aに重合しており、これによって重合構造282が構築されている。
図10に示す例では側面に形成された皮膜290が有する皮膜端部290Aが側面を越えて上面に回り込んで形成されている。これと同様に、主として上面に形成された皮膜292の皮膜端部292Bが上面を越えて側面に回り込んで形成されている。その結果、側面の縁部分においては符合290B及び292Bに示されるように複数の皮膜部分が重合された状態となり、また、上面の隅部分においても符号290A及び292Aで示されるように複数の皮膜部分が積層された状態となる。つまり、屈曲部全体として重合構造284が構築されるが、特に、側面及び上面のそれぞれについて重合構造286,288が構築されている。その結果、特にシンチレータ容器におけるエッジ部分に形成された皮膜の遮光性及び耐久性を極めて向上できるという利点がある。
図11に示す例では、側面及び上面のそれぞれに対して複数の皮膜が形成されている。ここで、符号294,296は上面に形成された皮膜を示しており、符号298,300は側面に形成された皮膜を示している。それぞれの皮膜の端部は一方側から他方側へ回り込んでおり、その結果、屈曲部に多層的な階層構造302が構築されている。具体的には、上面の隅部分においては、符号294B,298B,296B,300Bで示されるように4つの皮膜部分が積層されており(上面側の重合構造)、側面の縁部分においては符号294A,298A,296A,300Aで示されるように4つの皮膜部分が積層されている(側面側の重合構造)。よって、図10に示した構造をより発展させているので、屈曲部における遮光性及び耐久性をより増大できるという利点がある。
図12に示す例では、補強的なあるいは部分的な皮膜310が利用されている。すなわち側面には皮膜308が形成され、上面には皮膜306が形成されているが、それらの端部による回り込みは生じていない。それに代えて、皮膜310が側面の隅部分及び上面の隅部分の両者に跨って形成されており、その結果として重合構造が構築されている。すなわち、側面の隅部分においては符号308A,310Bで示されるような重合構造が構築されており、上面の隅部分においては符号306A,310Aで示されるような重合構造が構築されている。
以上説明した各例においてはいずれも直角状の屈曲部が示されていたが、例えば図13に示すようなカーブしたあるいはコーナー状の屈曲部に対しても重合構造を採用することができる。それが符号316で示されている。すなわち、シンチレータ容器におけるコーナー部分260Aは屈曲部に相当し、シンチレータ容器の側面には皮膜314が形成されているが、その端部は上面側に回り込んでいる。これと同様に、シンチレータ容器の上面には皮膜312が形成されているが、その端部312Aは側面に回り込んでいる。その結果、コーナー部分において複数の皮膜が重合することになり、その結果として重合構造316が構築されている。このような重合構造は、図示されたような角部分あるいはコーナーのような部分に限られず、平面上あるいは曲面上の部分に対しても適用することが可能である。いずれにしても、本発明においては熱転写技術を利用して皮膜の形成を行えるので、重合構造を構築する場合でも、そのためのコスト及び労力は非常に小さく、かつそのような構造を採用することによって遮光性が低下しやすい部分を補強できるという利点がある。
本発明に係るシンチレータ部材の製造方法を示す概念図である。 熱転写装置の構成を示す斜視図である。 複数の皮膜を有するシンチレータ部材を示す図である。 側面に対する皮膜形成を説明するための図である。 上面に対する皮膜形成を説明するための図である。 皮膜形成後の検出器の一例を示す図である。 可搬型の熱転写装置を説明する図である。 屈曲部の構造の一例を示す図である。 屈曲部の構造の他の例を示す図である。 屈曲部の構造の更に他の例を示す図である。 屈曲部の構造の更に他の例を示す図である。 屈曲部の構造の更に他の例を示す図である。 屈曲部の構造の更に他の例を示す図である。
符号の説明
10 シンチレータ部材、14 皮膜、16 シンチレータプレート、18 熱転写シート、20 ベースフィルム、22 離型層、24 保護層、26 アルミ層、28 接着層、200 シンチレータ容器、201 熱転写シート、202 ローラ、234 重合構造(端部重合構造)。

Claims (15)

  1. 放射線の入射により発光を生じるシンチレータと、
    前記シンチレータで生じた光を検出する光検出器と、
    前記シンチレータにおける放射線入射面としての表面を覆うように設けられた複数の皮膜と、
    を含み、
    前記各皮膜は、
    放射線を透過させる保護層と、
    前記保護層の裏面側に設けられ、放射線を透過させ且つ光の透過を阻止する遮光層と、
    前記遮光層の裏面側に設けられ、当該皮膜を前記シンチレータに貼り付けるための接着層と、
    を有し、
    前記各皮膜は、転写シートから前記シンチレータの表面上へ転写された剥離膜であり、
    前記シンチレータの表面における所定部位に前記複数の皮膜における複数の皮膜端部が重なり合うことによって端部重合構造が形成された、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記転写シートは熱転写シートであり、前記各皮膜は熱転写法によって形成された、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記所定部位は前記シンチレータにおける屈曲部である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記シンチレータは、前記屈曲部位を介して互いに連なる第1表面及び第2表面を有し、
    前記複数の皮膜は、前記第1表面を覆う第1皮膜と、前記第2表面を覆う第2皮膜と、を有し、
    前記第1皮膜における第1皮膜端部が前記第1表面を超えて前記第2表面上に到達し、当該第1皮膜端部が前記第2皮膜における第2皮膜部分と重合関係にあり、
    前記端部重合構造は、前記第1皮膜端部と前記第2皮膜部分とを有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    更に、前記第2皮膜における第2皮膜端部が前記第2表面を超えて前記第1表面上に到達し、当該第2皮膜端部が前記第1皮膜における第1皮膜部分と重合関係にあり、
    前記端部重合構造は、更に、前記第2皮膜端部と前記第1皮膜部分とを有する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項4記載の装置において、
    前記第1表面は複数の第1皮膜により覆われ、
    前記第2表面は複数の第2皮膜により覆われ、
    前記複数の第1皮膜における複数の第1皮膜端部が前記第1表面を超えて前記第2表面上に到達し、当該複数の第1皮膜端部が前記複数の第2皮膜における複数の第2皮膜部分と重合関係にあり、
    前記複数の第2皮膜における複数の第2皮膜端部が前記第2表面を超えて前記第1表面上に到達し、当該複数の第2皮膜端部が前記複数の第1皮膜における複数の第1皮膜部分と重合関係にあり、
    前記端部重合構造は、
    前記複数の第1皮膜端部と前記複数の第2皮膜部分とを含む第1の端部重合構造と、
    前記複数の第2皮膜端部と前記複数の第1皮膜部分とを含む第2の端部重合構造と、
    を有することを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    前記第1の端部重合構造においては、前記複数の第1皮膜端部と前記複数の第2皮膜部分とが互い違いに重なり合い、
    前記第2の端部重合構造においては、前記複数の第2皮膜端部と前記複数の第1皮膜部分とが互い違いに重なり合う、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  8. 請求項3記載の装置において、
    前記シンチレータは、前記屈曲部を介して互いに連なる第1表面及び第2表面を有し、
    前記複数の皮膜は、前記第1表面を覆う第1皮膜と、前記第2表面を覆う第2皮膜と、前記屈曲部を覆う第3皮膜と、を有し、
    前記第3皮膜は、前記第1皮膜における第1皮膜端部と重合関係にある第3皮膜一方側端部と、前記第2皮膜における第2皮膜端部と重合関係にある第3皮膜他方側端部と、を有し、
    前記端部重合構造は、
    前記第1皮膜端部と前記第3皮膜一方側端部とを含む第1の端部重合構造と、
    前記第2皮膜端部と前記第3皮膜他方側端部とを含む第2の端部重合構造と、
    を有することを特徴とする放射線測定装置。
  9. 請求項1記載の装置において、
    前記所定部位は、異なる皮膜に存在する2つの皮膜端部の繋ぎ目部位であることを特徴とする放射線測定装置。
  10. 放射線の入射により発光を生じるシンチレータと、
    前記シンチレータで生じた光を検出する光検出器と、
    前記シンチレータにおける放射線入射面としての表面を覆うように設けられた皮膜と、
    を含み、
    前記皮膜は、
    放射線を透過させる保護層と、
    前記保護層の裏面側に設けられ、放射線を透過させ且つ光の透過を阻止する遮光層と、
    前記遮光層の裏面側に設けられ、当該皮膜を前記シンチレータに貼り付けるための接着層と、
    を有し、
    前記皮膜は、転写シートから前記シンチレータの表面上へ転写された剥離膜であり、
    前記シンチレータの表面における所定部位に前記皮膜における複数の皮膜端部が重なり合うことによって端部重合構造が形成された、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  11. 請求項10記載の装置において、
    前記所定部位は、同じ皮膜に存在する2つの皮膜端部の繋ぎ目部位であることを特徴とする放射線測定装置。
  12. ベース層及び皮膜を有する転写シートを用いて少なくとも1つの屈曲部を有するシンチレータ部材を製造する方法であって、
    前記転写シートから前記シンチレータ上に前記皮膜を転写する複数回の転写工程を含み、
    前記複数回の転写工程は、
    前記シンチレータの第1面上に、前記転写シートから剥離された第1皮膜を転写する第1皮膜転写工程と、
    前記シンチレータの第1面に前記屈曲部を介して連なる第2面上に、前記転写シートから剥離された第2皮膜を転写する第2皮膜転写工程と、
    を含み、
    前記第1皮膜転写工程では、前記第1皮膜における第1皮膜端部が前記第2表面の縁部分に転写される、
    ことを特徴とするシンチレータ部材製造方法。
  13. 請求項12記載の製造方法において、
    前記第2皮膜転写工程では、前記第2皮膜における第2皮膜端部が前記第1表面の縁部分に転写される、
    ことを特徴とするシンチレータ部材製造方法。
  14. 請求項12記載の製造方法において、
    前記第1皮膜転写工程では、前記第1表面への前記第1皮膜における第1皮膜本体の転写と、前記第2表面の縁部分への前記第1皮膜端部の転写と、が同時に又は順番に行われる、
    ことを特徴とするシンチレータ部材製造方法。
  15. 請求項13記載の製造方法において、
    前記第2皮膜転写工程では、前記第2表面への前記第2皮膜における第2皮膜本体の転写と、前記第1表面の縁部分への前記第2皮膜端部の転写と、が同時に又は順番に行われる、
    ことを特徴とするシンチレータ部材製造方法。
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