JP2007209502A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007209502A
JP2007209502A JP2006032116A JP2006032116A JP2007209502A JP 2007209502 A JP2007209502 A JP 2007209502A JP 2006032116 A JP2006032116 A JP 2006032116A JP 2006032116 A JP2006032116 A JP 2006032116A JP 2007209502 A JP2007209502 A JP 2007209502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drum
water
balancer
rotation
outer tub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006032116A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoya Kawaguchi
智也 川口
Yuji Hirasawa
勇二 平澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2006032116A priority Critical patent/JP2007209502A/ja
Publication of JP2007209502A publication Critical patent/JP2007209502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

【課題】従来の流体バランサでは共振回転速度以下で振動を抑制できず、脱水立ち上げの際にドラムの回転速度を上げてゆく過程で大きな振動が起こる場合がある。
【解決手段】バランサの内部に形成した環状流路40a〜40dを周方向に区画する仕切壁41の間隔を30°以下にし、且つ環状流路の内周側壁面と仕切壁縁端との間に形成される内周側連通開口部42のドラム径方向のサイズを小さくし、外周側連通開口部43の面積を小さくする。これにより、共振回転速度以下において仕切壁で区切られる各区画室内に遠心力により液体が保持される。この状態でドラムを一時的に減速して液体に作用する遠心力を落とすことで該液体を内周側連通開口部を通して他の区画室に移動させ、バランサ自体が持つ偏心と洗濯物の片寄りによる偏心とを釣り合わせてドラム全体の偏心を小さくできる。また、バランサは共振回転速度以上では流体バランサとして機能し、振動を抑制できる。
【選択図】図8

Description

本発明はドラム式洗濯機に関し、さらに詳しくは、ドラムを高速回転させて該ドラム内に収容されている洗濯物を遠心脱水する際の振動を抑制する技術に関する。
一般にドラム式洗濯機は、略箱形状の筐体内に配設された外槽の内部に、水平な又は傾斜した軸を中心に周面円筒形状のドラムを回転自在に配置した構成を有しており、このドラム内に洗濯物を収容し、外槽内に水を貯留した状態でドラムを低速で回転させることによって洗濯物の洗濯を行うとともに、外槽内の水を排出した後にドラムを高速で回転させることにより洗濯物の遠心脱水を行う。
こうしたドラム式洗濯機のおける大きな課題の1つは、脱水時に起こる振動の抑制及びそれに伴う騒音の低減である。従来のドラム式洗濯機においてドラムを高速で回転させる際に、回転軸の周りでの洗濯物の片寄りに起因する振動を抑制するために、ドラムの端面に円環状の流体バランサが設けられている。流体バランサは円環状の中空体の内部に液体を封入したものであり、回転時に遠心力によってその液体が回転中心に対し同心の自由表面を形成する現象を利用したものである。
一般に、ドラムのような回転体の振動の振幅は、固有振動数により決まる所定の共振回転速度(危険速度と呼ばれる)まで回転速度の上昇に応じて増大し、危険速度において振動は最大となり、危険速度を超えた回転速度範囲では一定の振幅に収束する。この回転体に流体バランサを設けた場合、危険速度以上の回転速度では流体の自由表面円の中心が回転中心を挟んで偏心荷重と反対側(回転角度180°離れた位置)に位置するようになり、偏心荷重による振動を打ち消すように作用して振動振幅を小さくする。しかしながら、危険速度以下の回転速度領域では、流体の自由表面円の中心が回転中心に対して偏心荷重と同じ側に位置してしまうため、却って振動振幅は大きくなる。即ち、従来の流体バランサでは、危険速度以上の回転速度領域でのアンバランスを修正することは可能であるものの、危険速度以下の回転速度範囲を含む全回転速度範囲に亘っては回転軸周りのアンバランスを修正することはできないという原理的な問題がある。
ドラム式洗濯機では、通常、遠心脱水時のドラムの回転速度は800〜1000rpm程度であり、危険速度はドラム径等により異なるものの200〜300rpmくらいである。そのため、遠心脱水の立ち上げ時にドラムの回転速度を徐々に上昇させてゆくとき、危険速度を通過するまでは流体バランサの効果がなく、外槽が大きく振動して大きな騒音が発生したり、場合によっては揺動する外槽が筐体内部に装着された部品に接触する等のおそれがある。
一方、比較的低い回転速度領域における振動を抑制することを目的としたドラム式洗濯機として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。このドラム式洗濯機では、液体を封入した中空の密閉環状体の内部に内周側において連通している複数の貯水室を等間隔で放射状に設けてある。そして、ドラム内に収容された洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きいような回転速度で以てドラムを回転させた状態で、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重の位置をドラム円周上で検知し、検知された偏心位置に近い貯水室がドラム回転上方にきたときにドラムに一時的にブレーキを掛け、貯水室内に保持されている液体を重力によって落下させて他の貯水室に移動させる。それにより、貯水室に保持される液体は、回転軸を挟んで洗濯物の偏在に起因する偏心荷重と対向する側に片寄り、両者の釣り合いによってドラム全体の偏心を小さくすることができる。
しかしながら、ドラムの回転速度が危険速度以上に上昇され、脱水が進行して洗濯物から水が抜けると洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重の大きさや位置が変化する場合がある。この場合でも、上記のような貯水室を用いたバランサ自体の重量バランスは変化しないため、場合によってはドラム全体の偏心が大きくなるおそれがある。即ち、危険速度以上の回転速度においては振動抑制効果を有さない場合があるどころか、逆に振動を大きくしてしまうこともある。
こうしたことから、遠心脱水時に生じる振動や騒音をより確実に抑制するために、危険速度を挟んでそれ以下及びそれ以上の全回転速度範囲に亘って、回転軸周りのアンバランスを効果的に修正することが可能なドラム式洗濯機が強く要望されている。
また、上記のようなバランス調整を行うためには、回転状態にあるドラム円周上で偏心荷重の位置を把握し、その位置に応じた適宜の回転位置でドラムを減速させる必要がある。こうした偏心位置の検知とバランス調整動作を行うための回転位置の基準として、従来、モータのロータに取り付けた磁石とホール素子との組み合わせによりドラム1回転毎に1個のパルス信号を発生させるようにしている。しかしながら、こうした部品を設けることはコスト増加になるため、そうした部品を用いることなく偏心位置の検知やバランス調整を的確に行えることが要望されている。
また、遠心脱水時に筐体の振動を抑制させるには筐体自体の重量を大きくすることが有効である。しかしながら、筐体に重錘を設置すると洗濯機自体の重量が大きくなり、運搬や据付けがたいへんである。こうしたことから、基本的には洗濯機の重量を大きくすることなく、遠心脱水時には可能な限り筐体の重量を増すことにより筐体の振動を抑えるような構成が望まれている。
さらにまた、従来、衣類投入口を前面に備えるドラム式洗濯機では衣類投入口の位置が低く、ドラム内への洗濯物の出し入れがしにいという問題がある。これを解決するために、筐体の全高を高くしてドラムを内装する外槽の位置を高くするという構成が考えられる。しかしながら、その場合、外槽の振動を吸収するために外槽の底部を弾性支持するダンパの長さを長くすると、振動抑制の効果が減じてしまう。
特開2003−93790号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的とするところは、遠心脱水に際しドラムの全回転速度範囲に亘って偏心荷重に起因する振動を、簡単な構成により効果的に抑制することができるドラム式洗濯機を提供することである。
また本発明の第2の目的とするところは、偏心荷重の検知やバランス調整動作のための構成を簡略化してコスト低減を図ることができるドラム式洗濯機を提供することである。
また本発明の第3の目的とするところは、洗濯機の基本的な重量を増加させずに、遠心脱水時に筐体の振動を抑制しながら脱水効率を高めることができるドラム式洗濯機を提供することにある。
また本発明の第4の目的とするところは、使い勝手を向上させるために外槽の位置を高くしたドラム式洗濯機において、ダンパによる高い振動抑制効果を維持しながら筐体構造の強度を確保することができるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために成された第1発明は、外槽と、該外槽内に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置された周面円筒形状のドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記ドラムを高速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
前記ドラムの端面の周縁部に取り付けられ、内部に液体が封入された1乃至複数の密閉円環状のバランス室を有する円環状のバランサであって、前記バランス室を円周方向に複数の区画室に仕切る仕切壁が30°以下の角度間隔で以て該バランス室の外周側壁面から内周側に向けて放射状に突設され、各仕切壁の内周側縁端部とバランス室の内周側壁面との間に形成される内周側連通開口部におけるドラム径方向のサイズsと仕切壁におけるドラム径方向のサイズhとが0.2≦s/(s+h)≦0.3の関係にされ、且つ各仕切壁にあってバランス室の外周側壁面に沿って形成された外周側連通開口部の面積A2と仕切壁の面積A1とがA2/A1≦0.1の関係に設定されて成るバランサと、
前記モータの回転を制御する手段であって、ドラム回転時の共振回転速度よりも低い回転速度範囲において、前記バランス室内の液体が遠心力により各区画室の外周側壁面に張り付くような回転速度で以てドラムを回転している状態から一時的に減速することで、回転上方に位置している区画室内の液体に作用する遠心力を減じて前記内周側連通開口部を通して他の区画室への移動を促すことにより、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重を小さくするように前記バランサ自体の回転軸周りの重量バランスを変化させるバランス調整手段と、
を備え、共振回転速度よりも低い回転速度においては必要に応じて前記バランス調整手段により回転軸周りのドラム全体の偏心を低減させるとともに、共振回転速度以上の回転速度においては前記バランサにあって外周側連通開口部を通した液体の移動により該バランサを流体バランサとして機能させてドラム全体の偏心を抑制させることを特徴としている。
この第1発明に係るドラム式洗濯機では、円環状のバランス室の内部において仕切壁による流路抵抗が大きいため、封入された液体が遠心力によってバランス室の外周側壁面に張り付くような回転速度であって且つ共振回転速度よりは低い回転速度で以てドラムが回転駆動されているときに、円周方向への液体の移動が制約を受ける。そのため、共振回転速度以下の回転速度においても、ドラム円周上で洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重が存在する位置近傍に液体が移動してしまうことを防止できる。そして、バランス調整手段によりドラムの回転速度が一時的に減速されるときには、ドラム回転上方にきている区画室内の液体は重力によって落下して内周側連通開口を経て移動可能となるため、これを他の区画室、具体的には回転軸を挟んで上記偏心荷重と対向する付近にある区画室に移動させることにより、バランサ自体の偏心と洗濯物の片寄りに起因する偏心とを打ち消すようにしてドラム全体の偏心を小さくすることができる。このようにドラム全体の偏心を小さくした状態でドラムの回転速度を上昇させて共振回転速度を通過させることより、最も振動が大きくなる期間においてもドラムや外槽、筐体の振動を抑制し、これに伴う騒音を軽減することができる。
ドラムの回転速度が共振回転速度以上に上昇すると、バランス室の各区画室内に保持されている液体は大きな遠心力によって外周側壁面に強く押し付けられ、回転軸を挟んでドラム全体の偏心位置と対向する側に移動しようとする。そのときには、外周側連通開口部を経て液体は徐々に移動する。即ち、上記バランサは一般的な流体バランサの原理に基づくように機能する。外周側連通開口部は比較的開口面積が小さく流路抵抗が大きいために液体の移動は遅いが、脱水の進行に伴って水が洗濯物から抜けてゆくことに伴う偏心量や偏心位置の変化を修正できればよいので、液体の移動が遅くても十分にドラム全体の偏心を抑制することができる。これにより、共振回転速度以上の回転速度でドラムが回転しているときにも、バランサの作用によりドラムの振動を抑制することができる。
上記第2の目的を達成するために成された第2発明は、外槽と、該外槽内に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置された周面円筒形状のドラムと、該ドラムを回転駆動するために回転軸に直結されたダイレクトドライブ式のモータと、を具備するドラム式洗濯機において、
前記ドラムの端面の周縁部に取り付けられ、内部に液体が封入された密閉円環状のバランス室を有するバランサであって、前記バランス室を円周方向に複数の区画室に仕切る仕切壁が該バランス室の外周側壁面から内周側に向けて放射状に突設され、各仕切壁の内周側に連通開口が形成されて成るバランサと、
前記モータのロータ又はドラムが一定角度回転する毎にパルス信号を生成する回転パルス生成手段と、
前記回転パルス信号をアップカウント又はダウンカウントし、ドラム1回転に相当するパルス信号個数毎にリセット又はセットされるカウンタと、
前記バランサの各区画室内に保持される液体及びドラム内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きな回転速度で以てドラムを回転駆動している状態で、前記回転パルス信号の発生時間間隔を利用して、前記カウンタの値で表現されるドラム円周上でのドラム全体の偏心荷重の位置を認識する偏心荷重検出手段と、
該偏心荷重検出手段による偏心位置の認識に引き続き、その認識された偏心位置に応じた回転位置を前記カウンタの値に基づいて検出し、一時的にその回転速度を低下させることで、前記バランサの各区画室に保持されている液体を前記連通開口を通して他の区画室に移動させることにより、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重を小さくするように前記バランサ自体の回転軸周りの重量バランスを変化させるバランス調整手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、回転パルス生成手段により生成されるロータ(又はドラム)1回転当たりのパルス個数は多いほうが回転位置の検知精度は上がるものの、それだけ構成が複雑になる。したがって、実用的には例えばロータ(又はドラム)1回転期間に5°の回転毎に1個のパルス信号を生成する程度でよい。
第2発明に係るドラム式洗濯機では、従来のように、例えば磁石とホール素子との組み合わせによりドラム1回転毎の位置を検知する代わりに、一般にモータの回転制御に利用されるパルス信号をカウントするカウンタがちょうどリセット又はセットされるタイミングをロータの1回転の位置基準とし、そのカウント値で以てロータの回転位置を認識する。即ち、この場合の位置基準は相対基準であって、少なくともカウンタ等の制御系回路の電源が投入される度に位置基準は変化する。しかしながら、一旦決まった位置基準は少なくとも、偏心荷重検出手段による偏心位置の認識の時点からバランス調整手段による偏心の修正が終了するまでの期間中変化しないので、認識した偏心荷重を小さくするように的確にバランス調整を遂行することができる。
上記第3の目的を達成するために成された第3発明は、筐体と、該筐体内に配設された外槽と、該外槽の内部に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配設されたドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記外槽内に水を貯留した状態で前記ドラムを低速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を洗濯し、前記外槽内の水を槽外に排出して前記ドラムを高速で回転させることにより洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
前記筐体内の底部に配設され、前記外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽と、
前記貯水槽内の貯留水の有無又は水量を検出する検出手段と、
脱水運転時に前記検出手段による検出結果に基づき、前記貯留水が有る場合には無い場合に比べてより大きなドラム全体の偏心を許容する脱水立ち上げを実行する、又は前記貯留水の水量が多いほど脱水運転の際のドラム回転速度を高く設定する脱水制御手段と、
を備えることを特徴としている。
同じく上記第3の目的を達成するために成された第4発明は、筐体と、該筐体内に配設された外槽と、該外槽の内部に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配設されたドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記外槽内に水を貯留した状態で前記ドラムを低速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を洗濯し、前記外槽内の水を槽外に排出して前記ドラムを高速で回転させることにより洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
前記筐体内の底部に配設され、前記外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽と、
前記貯水槽内の貯留水の有無又は水量を検出する検出手段と、
脱水運転時に前記検出手段による検出結果に基づいて、ドラムの回転速度を脱水運転速度に立ち上げることを許容する、又は脱水回転速度を決めるためにドラムの偏心量を判定する判定閾値を変更する脱水制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第3発明及び第4発明に係るドラム式洗濯機では、例えば洗濯運転の最終すすぎ行程時に使用された、比較的汚れの少ない水を機外に排出せずに貯水槽に溜め、これを次の洗濯運転の洗い行程などに再利用することにより節水を図る。したがって、例えば最終すすぎ行程後の最終脱水行程の開始時点では貯水槽に水が貯留されているが、それ以外の、例えば洗い行程後や1回目のすすぎ行程の後などに行われる中間脱水行程の開始時点では貯水槽は空である。また、例えば上記のような水の再利用を行わないようなコースを使用者が選択した場合には、最終脱水行程の開始時点でも貯水槽に水が貯留されていない状況が考えられる。
そこで、検出手段は脱水行程の開始時に例えば貯水槽内に水が有るか否かを検出する。例えば貯水槽の容量が30Lであれば、水が満杯に貯留されている状態ではその重量は約30kgであり、これだけの重量の重錘を筐体に付加したのと同じことになる。そのため、貯水槽内に水が無い場合に比べて、同一の偏心がドラムにあったとしても振動は小さくなる。そこで、第3発明に係るドラム式洗濯機において、脱水制御手段は、例えば貯水槽内に貯留水が有る場合には無い場合に比べて、より大きな偏心があっても脱水運転の立ち上げを許可する。これにより、貯水槽内に水が有る状態では、脱水運転時のドラム円周上での洗濯物の片寄りがあっても振動がそれほど大きくならずに済み、脱水の立ち上げに要する時間が短縮できる。また、同一程度の偏心が生じている場合でも、貯水槽内に水が有るときには振動や騒音が抑えられ、静粛性を確保できる。また、脱水制御手段は、例えば貯水槽内の貯留水の水量が多いほど脱水運転のためのドラム回転速度を高くする。したがって、貯水槽内に貯留水が有るときには、脱水効率が向上し例えば引き続き乾燥を行う際に乾燥運転の時間を短縮することができる。
また第4発明に係るドラム式洗濯機では、より具体的に、脱水制御手段は、検出手段による検出結果に基づいて、貯水槽内に水が有る場合には無い場合に比べてドラムの偏心量を判定する判定閾値を大きくする。例えば、偏心量が判定閾値以上であるという条件の下にドラムの回転速度を脱水運転速度に立ち上げる場合には、判定閾値を大きくすることにより脱水運転立ち上げの偏心量の許容値を大きくしたことになり、洗濯物の片寄りが大きくても脱水運転が遂行され易くなる。また、貯水槽内に水が有る場合には無い場合に比べて、同一偏心量に対する脱水回転速度を高くするようにしてもよい。これによれば、脱水効率が向上する。
なお、貯水槽自体は上述のように節水を目的として設けられているが、例えば水の再利用を行わないコースが選択されている場合であっても、脱水運転時の振動を抑制する目的であえて外槽から排出される水を貯水槽に導入し、脱水運転が終了したならば貯留した水を機外に排出するようにしてもよい。
上記第4の目的を達成するために成された第5発明は、略箱状の筐体と、該筐体内に配置された外槽と、該外槽内に水平な又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置されたドラムと、前記筐体の底部に対し前記外槽の底部を弾性支持する前面視略ハ字形状の2本のダンパと、を具備するドラム式洗濯機において、
前記筐体の底部の構成部材として、その底面の四隅に支持脚が取り付けられる樹脂製の脚台部を含み、該脚台部の上面の左右両側に上方に突出する左右一対の嵩上げ部を形成し、
各嵩上げ部を上下から挟み込むように、その上部に前後方向に延伸する金属製のダンパ取付部材を固定するとともに、その下部には同じく前後方向に延伸する金属製の補強部材を固定し、
前記ダンパ取付部材に前記ダンパの下端を固定したことを特徴としている。
第5発明に係るドラム式洗濯機では、樹脂製の嵩上げ部が金属製のダンパ取付部材と補強部材とにより上下から挟み込まれるように補強されているため、ダンパを支え受けるのに十分な強度を確保することができる。それにより、使い勝手を高めるために外槽の位置を従来より高くしてもダンパ自体の長さを変更する必要がなく、十分な振動抑制効果を得ることができる。
また第5発明に係るドラム式洗濯機では、外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽を備え、前記左右の補強部材に対して左右方向に延伸する2本以上の金属製の取付板を前後に離して差し渡すように装着し、該取付板の上に前記貯水槽を載せて固定した構成とすることができる。
この構成によれば、上述したように水が貯留された状態ではかなりの重量を持つ貯水槽を、複数の取付板により安定して保持することができる。また、複数の取付板と両側の補強部材とにより金属製の矩形状の骨組が形成されるので、脚台自体を補強して搬送や据付時の変形などを防止することができる。
第1発明に係るドラム式洗濯機によれば、ドラムの端面に設けたバランサによって、従来の単なる流体バランサのように共振回転速度以上の回転速度範囲でのみドラムの振動を抑制するのみならず、共振回転速度以下の回転速度範囲においても洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重を小さくし、ドラムの回転速度上昇の過程で共振回転速度を通過する際に生じる振動を抑制することができる。それにより、脱水運転時の振動や騒音を軽減することができるとともに、洗濯物の片寄りの修正に時間が掛かって脱水運転の時間が長引くことを回避することができる。
第2発明に係るドラム式洗濯機によれば、偏心荷重の検知やバランス調整のために磁石とホール素子の組み合わせなどのドラム1回転毎の位置検知機構が不要になり、コストの低減を図ることができる。
第3及び第4発明に係るドラム式洗濯機によれば、貯水槽に水が貯留されている場合に、これを利用して脱水運転時の筐体の振動を抑制することができる。また、貯水槽に水が貯留されたときにこれが振動抑制用の重錘として機能することを見越して、筐体自体の重量を或る程度軽くすることもでき、その場合には、当該ドラム式洗濯機の搬送や据付の負担を軽減することができる。
第5発明に係るドラム式洗濯機によれば、使い勝手を高めるために筐体の全高を高くしドラムを内装した外槽の位置も高くした場合でも、ダンパの長さを従来と同様にすることができ、ダンパの振動抑制効果が低下することを回避できる。
以下、第1乃至第5発明の一実施例であるドラム式洗濯乾燥機について図面を参照して説明する。図1は本実施例のドラム式洗濯乾燥機の外観斜視図、図2は本実施例のドラム式洗濯乾燥機の概略側面縦断面図である。
本ドラム式洗濯乾燥機の外形を成す筐体1は全体として略箱形状である。筐体1の前面1aは、上部から中央部にかけて緩やかに湾曲しつつやや斜め上方を向く形状になっており、そこに略円形状の衣類投入口1bが形成され、衣類投入口1bは内部を透視可能である横開き式のドア2で以て開閉可能である。また、前面1aの上部つまり衣類投入口1bの上には、左右に細長く、各種操作キーや表示器が配置された操作パネル5が設けられ、その左側には前方に引き出し式の洗剤容器6が設置され、右側には同じく引き出し式の乾燥フィルタ容器7が設置されている。
筐体1の上面1cには一端が水道栓に接続される給水ホースの他端が接続される給水ホース接続口3が配置され、その右隣には一端が浴槽内の風呂水に浸漬される風呂水ホースの他端が接続される風呂水ホース接続口4が配置されている。給水ホース接続口3は後述する給水バルブ21の入水口を直接上面に露出させることで形成されており、風呂水ホース接続口4は風呂水ポンプ22の入水口を直接上面に露出させることで形成されている。
図2に示すように、筐体1の内部には、周面が略円筒形状の外槽10が左右両下側方を支持するダンパ11と上部を牽引する図示しないばねとにより適度に揺動自在に保持されている。外槽10の前面には筐体1の衣類投入口1bに相対して円形状に開口した外槽前面開口10aが形成され、この外槽前面開口10aの周縁部と衣類投入口1bの周縁部とはゴムなどの弾性体から成る扁平円筒形状のパッキン12によって連結されている。
外槽10の内部には、洗濯物を収容するための周面略円筒形状のドラム13が前後方向に延伸し且つ前上がりに傾斜して設けられた主軸14により軸支されている。ドラム13の前端面には大きく開口したドラム前面開口13aが形成されており、ドア2が開放されると、前方斜め上から外槽前面開口10aとこのドラム前面開口13aとを通して、ドラム13内部が覗き込めるようになっている。ここでは、ドラム13の中心軸線Cつまり主軸14の中心軸線の傾斜角度θは水平線に対して約15°に定められているが、これは一例であり、傾斜角度θは例えば10〜30°程度の適度な角度に設定される。
主軸14の前端はドラム13の後面に強固に固定され、外槽10の後面部に装着された軸受固定部材15に保持される軸受16により回転自在に支承されている。外槽10の後方側に突出した主軸14の端部には、ダイレクトドライブ方式のモータとしてアウタロータ型のモータ(ドラムモータ)17のロータ172が取り付けられ、一方、軸受固定部材15にはモータ17のステータ171が固定されている。永久磁石を含むロータ172は巻線を含むステータ171の外周側を取り囲むように配置されており、ステータ171に駆動電流が供給されるとロータ172は回転し、主軸14を介してロータ172と同一の回転速度でドラム13が回転駆動される。
筐体1内の上部空間には、給水バルブ21、風呂水ポンプ22、注水口部23を含む給水ユニット20が配設されている。この給水バルブ21の上方に指向した入水口が上記給水ホース接続口3であり、風呂水ポンプ22の上方に指向した入水口が上記風呂水ホース接続口4である。洗剤容器6を引き出し自在に内装する注水口部23は給水バルブ21の前方に配置され、給水バルブ21や風呂水ポンプ22を経て注水口部23に供給された水は主として洗剤容器6の内部を通り、注水口部23の底部に接続された注水管24を通して外槽10の後部に設けられた注水口25から外槽10内へと供給される。
上述したように給水が行われて外槽10に貯留した水は、ドラム13の周壁面に多数穿孔された通水穴13bを通してドラム13内へと流入する。また、ドラム13の高速回転による遠心脱水時にドラム13内で洗濯物から吐き出された水は通水穴13bを通して外槽10側へと飛散する。外槽10の底部後方には排水口26が設けられ、排水口26は排水バルブ27の流入口に接続されており、この排水バルブ27が開放されると外槽10内に貯留されている水は筐体1の側面下部に形成された左右いずれかの排出口29a、29bから機外へ引き出される図示しない排水ホースを通して排出される。
一方、排水口26は貯水バルブ31の流入口にも接続されており、排水バルブ27が閉鎖状態であって貯水バルブ31が開放されると、外槽10内に貯留されている水は排水管28ではなく、筐体1内で外槽10の下方に設置されている、30リットル程度の容量を有する貯水タンク30に流れ込む。これにより、洗濯に一度使用された水を廃棄せずに貯水タンク30に溜めることができる。貯水タンク30と注水口部23とは環流水路33により接続され、その途中には中水ポンプ32が設けられている。
このドラム式洗濯乾燥機では、水道水による最終すすぎが実行された後、そのすすぎに使用された水は廃棄されずに貯水タンク30に貯留される。貯水タンク30には貯留水(いわゆる中水)を浄化するための図示しない浄化装置が付設されており、この浄化装置の作用により雑菌が繁殖するのが抑えられる。次の洗濯の際に中水給水が指定されると、給水実行時に中水ポンプ32が作動され、貯水タンク30に貯留されている中水が吸引されて環流水路33を通して注水口部23に送られ、水道水や風呂水の代わりに洗剤容器6を経て外槽10内に供給される。これにより、洗濯に使用する水の水量を従来よりも大幅に削減することができる。また、この中水は乾燥運転時の除湿にも利用可能である。
なお、繁雑さを避けるため図2では記載を省略しているが、本実施例のドラム式洗濯乾燥機は脱水後の洗濯物を乾燥させる機能も有している。即ち、外槽10の後面下部に入口端、外槽10の前面上部に出口端を有する通風路が接続され、該通風路内には空気の流れに沿って、除湿部、乾燥フィルタ容器7内に収納された乾燥フィルタ、ファン、及びヒータが設けられている。而して、乾燥運転時には、ファンにより生起された空気流がヒータで加熱された後に外槽10内に供給される。その加熱空気はドラム13内部を通過する際に洗濯物と熱交換を行って水分を奪い、除湿部においてその空気中の水蒸気が除去される。除湿後の乾いた空気は乾燥フィルタを通過し、ファンを経てヒータに戻る、というように循環する。
上述したように本実施例のドラム式洗濯乾燥機は、外槽10の下方に貯水タンク30を備えており、その分だけ(約100〜200mm)筐体1の全高が高く、筐体1内における外槽10の位置も高くなっている。振動吸収性能を確保するために上端が上端取付金具11aにより外槽10に固定されるダンパ11の長さは長くすることができないため、ここではダンパ11の下端の取付構造を次のようにしている。このダンパ下端の取付構造を含む筐体1の底部構造について図3〜図5により説明する。
図3は筐体1の底部を構成する部材である脚台部80にダンパ11及び貯水タンク30を装着した状態の斜視図、図4は図3の状態を底面側から見たときの斜視図、図5は図3のダンパ11の位置での正面縦断面図である。
脚台部80は樹脂成型品であり、その底面の四隅に円盤状でゴム製の支持脚85が取り付けられる(なお、図では1個所のみ支持脚85を取り付けた状態を示している)。脚台部80の上面で中央からやや後方付近には、左右の両側壁面の内側に上方に突出して嵩上げ部80aが形成され、両側の嵩上げ部80aの間は大きな開口部となっている。左右の嵩上げ部80aにはそれぞれ金属製で断面略コ字状であるダンパ取付部材81が前後方向に延伸するように被装され、4本のネジで脚台部80に対し固定されている。また、嵩上げ部80aの下側には金属製で断面コ字形状であってダンパ取付部材81よりも長いサイズの補強部材82がダンパ取付部材81と同一方向、つまり前後方向に延伸するように取り付けられる。この補強部材82は前後の支持脚85の真近まで延びている。
さらに、左右の補強部材82の間に差し渡すように左右方向に延伸する金属製の2本のタンク取付板83が取り付けられている。具体的には、脚台部80にあって補強部材82が密着する下面の所定個所には位置決めピン80bが下向きに突設されている。そして、タンク取付板83の両端部に穿設された位置決め孔が位置決めピン80bに挿入するように各タンク取付板83の前後方向の取り付け位置が決められ、その下方からさらに上述した補強部材82が取り付けられる。そして、補強部材82とタンク取付板83とが重なり合った個所において、下方からボルト84で両部材82、83を脚台部80に対し共締めしている。2本の補強部材82と2本のタンク取付板83とが矩形状に組まれるので、これにより脚台部80自体の強度が向上し、捻れなどの変形が生じにくい。
貯水タンク30は、その下面に下方に突出する位置決めピン30aを有し、その位置決めピン30aがタンク取付板83に穿設されている位置決め孔83bに挿入されるように、その位置が決められる。そのように位置決めされた状態では、タンク取付板83に穿設されているネジ孔83aの上に貯水タンク30のボスが位置するから、ネジ孔83aに挿入したネジをボスに螺入することにより貯水タンク30をタンク取付板83に固定する。
貯水タンク30に水が充満されるとかなりの重量(ここでは30kg程度)となるが、貯水タンク30を保持する2本の取付板83は補強部材82と脚台部80との間に挟まれて共締めされているため、十分な強度を保ち、安定して貯水タンク30を保持することができる。また、脚台部80と一体である嵩上げ部80aは樹脂製であって金属と比べると強度が劣るが、高い強度を有するダンパ取付部材81と補強部材82とにより上下から挟まれているこによって嵩上げ部80aの強度は高められており、後述するダンパ11からの力が加わっても破損を生じない。
左右2本のダンパ11の下端は下端取付金具11bによりそれぞれ上述したダンパ取付部材81に対し固定される。したがって、ダンパ11の長さは従来と同じであっても嵩上げ部80aの分だけダンパ11を高い位置に取り付けることができ、ダンパ11は従来と同様の振動抑制(吸収)効果を発揮する。
次に、本実施例のドラム式洗濯乾燥機においてドラム13のドラム前面開口13aの周囲に装着される円環状のバランサ40の構造について、図6〜図8により説明する。図6は図2中のA部の拡大図、図7はバランサ40の中心軸線C(回転軸)に直交する面での断面の一部を示す図、図8はバランサ40のB−B’矢視線及びC−C’矢視線での断面図である。
バランサ40は合成樹脂製の2つの部材を突き合わせて振動溶着により一体化したものであり、両部材の内周側及び外周側の壁面には溶着時の突き合わせの面積を確保するために周方向に広がるフランジが形成されていて、溶着により両部材のフランジが一体化されてリブ40e、40fとなっている。図6に示すように、ドラム13は、ステンレス板を円筒形状に形成した胴部材131と前端面を形成する円環状の前端面部材132とを含むが、前端面部材132はその断面が略コ字形状となっており、内周側の縁端部は略半円状に外周方向に巻き込まれたカール部133となっている。この前端面部材132の外周側縁端部と胴部材131の前縁端部とは加締めによって接合された上で、胴部材131の外側から螺入されたネジ135により固定されている。
前端面部材132の断面略コ字形状の凹部はバランサ40が半分程度収まるようになっており、そのようにバランサ40を凹部に収納したときに外周側のリブ40fは加締部134に当接し、内周側のリブ40eはカール部133に当接する。そして、このように凹部に収納されたバランサ40は、前端面部材132と胴部材131とを接合するネジ135により、その両部材131、132に対して、つまりドラム13に対して固定されている。
バランサ40は同心円環状で且つ径の相違する、内周側から順に符号40a、40b、40c、40dを付した4本の環状流路を有し、各環状流路40a、40b、40c、40dにはそれぞれ所定量の液体(例えば塩化カルシウム溶液など)が封入されている。この各環状流路40a、40b、40c、40dの内部には所定角度(この例では約15°)毎に、外周側壁面から内方に延出するように仕切壁41が設けられている。各仕切壁41の内周側縁端部と環状流路の内周側壁面との間に回転軸方向に細長い内周側連通開口部42が形成され、各仕切壁41の基部である外周側壁面に沿って同じく回転軸方向に延伸する短い外周側連通開口部43が形成されている。これにより、仕切壁41により区画される隣接する区画室同士は、内周側連通開口部42及び外周側連通開口部43を通して連通している。
ここで後述する脱水運転においてドラム13の振動を効果的に抑制するために、次のような点が重要である。即ち、基本的には、内部に封入された液体の急な移動を制限するため、仕切壁41の間隔を狭くする。隣接する仕切壁41の角度間隔は30°程度以下が好ましく、本実施例ではこれを15°に設定している。
さらに、後述するバランス調整の際に重力を利用して液体を移動させるために、仕切壁41の内周側に連通開口部42を設けながらも、遠心力が重力よりも大きな状態では各区画室内に保持された液体が仕切壁41を乗り越えないようにし、各区画室内に保持可能な液体の容量を十分に確保する必要がある。そのために、各仕切壁41はその高さhが高くなっている。仕切壁41の高さhと内周側連通開口部42の高さsは、0.2≦s/(h+s)≦0.3の関係にあることが好ましく、ここではこの値を0.26に設定している。
また、このバランサ40がいわゆる流体バランサとして機能するためには高速回転時に液体が円周方向に移動可能である必要があるが、前述のバランス調整によって或る1乃至複数の区画室に保持された液体が他の区画室に簡単に移動してしまうことを避ける必要もある。そこで、外周側連通開口部43の面積は小さくされている。外周側連通開口部43の面積Dと仕切壁41の面積Eは、D/E≦0.1の関係にあることが好ましく、ここではこの値を0.045に設定している。このような構造のバランサ40による振動抑制作用については後で説明する。
図9は本実施例のドラム式洗濯乾燥機の電気系ブロック構成図である。制御部50はCPU、ROM、RAM、タイマなどを含むマイクロコンピュータ(マイコン)を中心に構成されており、ROMに格納されている制御プログラムに基づいて、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥の各行程の運転動作を行うための各種の制御を実行する。制御部50には、使用者が各種設定や指示を与えるために操作パネル5に設けられた操作部53からキー入力信号が与えられるとともに、外槽10内に貯留された水の水位を検知する外槽内水位検知部55、貯水タンク30内に貯留された水の水位を検知する貯水タンク内水位検知部56などから検出信号が入力される。
また制御部50にはインバータ駆動部52が接続されており、ドラムモータ17の回転に伴ってパルス信号を発生する回転センサ59からの信号を受けつつ、インバータ駆動部52を介してドラムモータ17の回転を制御する。回転センサ59はホール素子を利用した位置センサであり、ここではドラムモータ17の1回転当たり(つまりドラム13の1回転当たり)72個のパルス信号を等回転(5°)角度間隔で発生する。したがって、ドラムモータ17が正確に一定速度で回転している場合にはパルス信号は等時間間隔で発生し、制御部50は隣接するパルス信号の時間間隔によってドラムモータ17の回転速度を検出することができる。
また制御部50には負荷駆動部51が接続されており、この負荷駆動部51を介して、上述した給水バルブ21、風呂水ポンプ22、排水バルブ27、貯水バルブ31、中水ポンプ32のほか、乾燥用のファンモータ57及びPTCヒータ58などの動作をそれぞれ制御する。さらにまた、制御部50は操作部53の操作に応じた表示や運転進行状況を知らせるための表示を行うべく表示部54に表示信号を送る。
次に、本実施例のドラム式洗濯乾燥機における特徴的な脱水運転時の制御について説明する。図10は脱水行程時のドラム13の回転速度の概略的な変化の状態を示す図、図11は脱水行程時の制御フローチャートである。なお、このドラム式洗濯乾燥機では、洗い運転や最終すすぎを除くすすぎ運転の後に中間脱水を行い、最終すすぎの後には最終脱水を行うが、ここでいう脱水行程とは中間脱水と最終脱水の両方を含む。
脱水行程が開始されると、制御部50はまず貯水タンク内水位検知部56からの検知信号に基づいて貯水タンク30内に水が有るか否かを判定する(ステップS10)。ここでは或る水位以上の水が貯留されているときに水有りと判断する。水有りと判定されると偏心量を判定する基準である4つの判定閾値Ta、Tb、Tc、TdをそれぞれTa1、Tb1、Tc1、Td1と決め、水無しと判定されると同じ判定閾値Ta、Tb、Tc、TdをそれぞれTa2、Tb2、Tc2、Td2と決める(ステップS12、S14)。貯水タンク30に水が有る場合には水が無い場合に比べて貯水タンク30の重量がかなり大きく、これ自体が重錘として機能するため筐体1の振動を抑制する効果がある。そこで、Ta1>Ta2、Tb1>Tb2、Tc1>Tc2、Td1>Td2としておくことにより、貯水タンク30内に水が有る場合には判定閾値を上げ、より大きな偏心量を許容する。
各判定閾値が決まると、インバータ駆動部52を介してドラムモータ17を作動させ、ドラム13の回転速度を100rpmまで上昇させるべく制御する(ステップS16)。ドラム13が100rpmで回転されるとき、ドラム13内の洗濯物に作用する遠心力は重力よりも大きくなり、洗濯物は完全にドラム13の内周面に張り付いた状態でドラム13と一体に回転する。回転センサ59により得られるパルス信号に基づいて回転速度が100rpmに到達したことが検知されると、制御部50は回転速度を100rpmに維持するように速度制御を行い、その状態で1回目の偏心量検知を実行する(ステップS18)。
偏心量は、ドラム13の回転速度を100rpmに維持するように一定速度制御しているときの実際の回転速度の変動に基づいて求める。即ち、ドラム13に偏心荷重が存在している場合、ドラム13の回転に伴って偏心荷重がドラム13上方から下方に向かうときにはその偏心荷重はドラム13を加速するように作用し、逆に偏心荷重がドラム13下方から上方に向かうときにはドラム13を減速させるように作用する。その加速作用及び減速作用によってドラム13が1回転する間に回転速度が変動するため、制御部50は回転センサ59から得られるパルス信号の時間間隔を計測することによって速度変動を求め、この変動量に応じて偏心量を推算する。このときに検知された偏心量をXとする。なお、偏心量算出方法の詳細は後述する。
制御部50は検知された偏心量Xが判定閾値Ta以下であるか否かを判定する(ステップS20)。そして、偏心量Xが判定閾値Taを超えている場合には後述のバランス調整によっても偏心を修正できないため、ドラム13の回転速度を減速させるか又は一旦停止させてほぐし運転を実行し(ステップS22)ステップS16へと戻る。上述のように判定閾値TaはTa1又はTa2であってTa1>Ta2であるから、貯水タンク30に水が有れば、より大きな偏心量が存在してもほぐし運転に移行する確率は小さくなる。
ステップS20において偏心量Xが判定閾値Ta以下である場合には、次に偏心量Xが判定閾値Td以下であるか否かを判定する(ステップS26)。必ずTd<Taであるため、偏心量Xが判定閾値Ta以下であっても判定閾値Tdを超えている場合もある。このときの判定閾値Tdは、ドラム13の高速回転時に振動が許容し得る範囲に収まる最大値である。したがって、ステップS26で偏心量Xが判定閾値Tdを超えていると判定された場合には、バランス調整を行わずにドラム13の回転速度を上げると異常振動が発生する可能性が高いため後述するバランス調整動作を実行し(ステップS28)、その後にステップS18へと戻ってバランス調整実行後の偏心量を確認する。
ステップS26で偏心量Xが判定閾値Td以下であると判定されると、制御部50はドラム13の回転速度を100rpmから上昇させるようにインバータ駆動部52を介してドラムモータ17を制御する(ステップS30)。そして回転速度が300rpmに達するまでは連続的に偏心荷重の量と位置とを検知する。このドラム式洗濯乾燥機におけるドラム13や外槽10を含む揺動機構部の共振回転速度は、ドラム13内に収容されている洗濯物の量にも依存するものの平均的には250rpm程度である。そのため、回転速度が250rpmに近づくほど振動が大きくなる傾向にあるが、特にドラム13の回転速度が140〜160rpmを越えるくらいになると、軸方向に離れ、且つ互いに回転軸を挟んで互いに反対の位置に存在する2つの偏心荷重(以下これを対向偏心と呼ぶ)の影響が顕著に出始め、ドラム13の周方向にみたときの偏心量が小さい場合であっても対向偏心に起因する振動が大きくなり始める。
ここでは詳しく述べないが、ドラム13の速度上昇を一定に維持するように制御したときの1回転の間での加速度の変動を利用することで、対向偏心の程度を推定することができる。そこで、上述したように回転速度を上昇させている期間中、対向偏心に起因する偏心量Yを繰り返し検知し(ステップS32)、偏心量Yが判定閾値Tb以下であるか否かを判定する(ステップS34)。偏心量Yが判定閾値Tbを超えている場合にはドラム13の回転速度を落として洗濯物のほぐし運転を実行する(ステップS22)。問題なく回転速度が共振回転速度を通過し、300rpm以上になったならばさらに回転速度を500rpmまで上昇させ、回転速度が500rpmに達したならばそれを維持するように制御する(ステップS36)。
このときの回転速度は脱水運転の最高回転速度である1000rpmよりは低いものの、洗濯物に含まれる水をかなりの程度、絞り出すことが可能であるような回転速度である。このとき、バランサ40内の液体には大きな遠心力が作用し、各環状流路40a、40b、40c、40d内で外周側壁面に液体が張り付く。したがって、内周側連通開口部42は存在しないものとみなすことができ、外周側連通開口部43を通して液体はドラム13全体の偏心が小さくなるように移動する。即ち、バランサ40は本来の流体バランサとして機能し振動を抑制する。
但し、バランス調整を実行した時点からこの時点までにドラム13内の洗濯物は軽い絞りがなされた状態となるため、特に化学繊維など水が抜け易い性質の衣類では洗濯物の重量が大きく変化している可能性がある。この変化が、流体バランサとして機能するバランサ40の偏心抑制可能範囲を超えてしまう場合には、洗濯物を軽く絞ったことによって重量のバランスが崩れ、偏心量が大きく増加している可能性がある。脱水効率の点からはさらに回転速度を上げることが望ましいが、上記のように偏心量が大きく増加した状況のまま回転速度を上げてしまうと、異常振動を引き起こすおそれがある。そこで、回転速度が500rpmである状態において、上記対向偏心荷重検知と同様の処理により偏心量Zを検知する(ステップS38)。
そして、偏心量Zが判定閾値Tc以下であるか否かを判定し(ステップS40)、判定閾値Tcを超えている場合には偏心量の増加が大きいために脱水運転を継続すると異常振動の発生するおそれが高いと判断し、ドラム13を一旦停止するか又はそれに近い速度まで減速してほぐし運転を実行し(ステップS22)ステップS16へと戻って脱水立ち上げをやり直す。一方、偏心量Zが判定閾値Tc以下であればさらに回転速度を1000rpmまで上昇させて脱水運転を遂行する(ステップS42)。なお、偏心量Zを判定する判定閾値を複数段階にし、偏心量Zがいずれの範囲に入るのかによって脱水運転の最高回転速度を800rpm、900rpm、1000rpmの3段階に分けるようにしてもよい。このようにドラム13を高速で回転させて脱水を遂行している期間中は、バランサ40内の液体の移動によって、つまり流体バランサの機能によって振動は抑制される。
次に、上記ステップS28において実行されるバランス調整について詳しく説明する。図12はバランス調整の原理を説明するための模式図である。この図では、バランサ40中の1本の環状流路のみを拡大し、隣接する仕切壁41の間隔も上記実施例よりも広げている。また、仕切壁41に設けられた外周側連通開口部も省略している。
バランサ40の内部は放射状に設けられた仕切壁41で複数の区画室44に分けられている。各区画室44は内周側連通開口部42を通して互いに連通しているが、内部に封入された液体の自由な移動は仕切壁41によって妨げられる。したがって、バランサ40内に封入されている液体に作用する遠心力が重量に勝るような回転速度でドラム13を回転させると、液体は各区画室44内で外周側に片寄り各区画室44内に保持される。したがって、外周側連通開口部43による液体の移動を無視すれば(実際に短時間の範囲では無視できる)、各区画室44はその内部に保持している液体の重量の分だけ、それぞれの位置に重錘を付加したものとみなすことができる。
全ての区画室44に同量の液体が保持されている場合、バランサ40による偏心量は殆どゼロであるとみなせる。一方、液体が特定の区画室44内に片寄って保持されている場合には、バランサ40によって回転軸周りにアンバランスが生じ偏心荷重が存在することになる。ドラム13内周面に張り付いた状態で回転している洗濯物の片寄りによって偏心荷重が生じている場合、その洗濯物に起因する偏心荷重と釣り合うような位置にバランサ40の偏心荷重を意図的に生じさせるように重量バランスを変化させれば、ドラム13全体の偏心量は減少することになる。
いま図12(a)に示すように、ドラム13が例えば100rpmで回転していて各区画室44に保持されている液体の量がほぼ均等である状態、つまりバランサ40自体には偏心荷重がない状態を考える。このとき、ドラム13の円周方向の洗濯物の片寄りによって偏心荷重Wが存在しているものとする。この場合、一定速度制御の状態でドラム13の回転速度の変動に基づいてドラム13全体の偏心荷重の量と位置とを検知し、検知した偏心位置に応じた所定のタイミングで以てドラム13の回転速度を短時間だけ減速させる。すると、減速の期間中に液体に作用する遠心力が減少し、図12(b)に示すように、そのときに回転上方に来ている区画室44aから内周側連通開口部42を経て液体が流出し、他の区画室44に移動する。
即ち、各区画室44に貯留されている液体の量の配分が変化してバランサ40自体に偏心が生じるから、ドラム13の減速のタイミングを適切に決めることによって洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重Wが存在する位置近傍の区画室内の液量を減少させ、それに対向する位置近傍の区画室内の液量を増加させることができる。こうした減速動作を1乃至複数回繰り返すことにより、最終的には図12(c)に示すように、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重Wが存在する位置近傍の区画室44a内の液体を減らし、回転軸を挟んでそれに対向している区画室44bにおける液量を増加させる。これにより、バランサ40による偏心荷重と洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重とがうまくバランスし、ドラム13全体のアンバランスを修正することができる。
上述したバランス調整を実行する際には偏心荷重の位置を検知する必要があるが、このドラム式洗濯乾燥機では、ドラムモータ17やドラム13に絶対的な回転位置基準を設けていない。即ち、ドラムモータ17やドラム13の1回転期間中の或る決まった位置に来たときにこれを検知してパルス信号を生成するような検知機構(通常は磁石とホール素子との組み合わせ)を設けていない。そこで、ステップS18の偏心荷重の検知は次のようにして行う。図13は制御部50における回転位置決め用回路の構成図、図14は図13の回路の動作タイミング図である。
第1カウンタ70は回転センサ59で得られるドラム13の1回転期間中に72個発生するパルス信号P1をクロック信号としてカウントアップし、そのカウント値が「72」になると所定値検出部71によりパルス信号P2が生成されて第1カウンタ70はリセットされる。したがって、第1カウンタ70はドラム13の1回転に相当する期間中で0〜71のカウント値αを出力し、これをドラム13が回転している限り繰り返す。第2カウンタ72は所定値検出部71で生成されるパルス信号P2をクロック信号としてカウントアップするから、ドラム13がちょうど1回転する毎に1ずつカウント値βが増加する。パルス信号P2の発生位置はドラム13やドラムモータ17の1回転中の絶対位置ではないが、パルス信号P2は必ずドラム1回転毎に発生するから、この発生位置を基準として、即ち、カウント値αの値で以て偏心荷重の位置を表すことができる。
具体的には、制御部50は次のようにして偏心荷重の量と位置とを検知する。即ち、回転速度が100±2rpmの範囲に収まったならば、回転センサ59からのパルス信号P1が入力される毎に得られる速度データ(連続する2個のパルス信号P1の時間間隔を示すデータ)を120個取得する。120個の速度データとはドラム13が約1.7回転する期間中の速度変化を反映した情報である。この120個の速度データに対し、時間的に隣接する15個の速度データの移動平均を順番に計算する。これにより106個の移動平均値が得られるから、これに対し再び15個の値の移動平均を順番に計算する。これにより92個の2回目の移動平均値が得られる。
それから、この92個の移動平均データについて時間的に隣接するものの差分をそれぞれ計算し、91個の差分データを得る。ドラム13の円周方向の洗濯物の片寄りによる偏心が存在する場合、通常、上述したようにドラム13が1回転する間に1回の加速作用と減速作用とが生じるため、その1回転期間中に上記差分データの極大点と極小点が1個ずつ発生する。そこで、上述した91個の差分データの中でこの極大点及び極小点を見い出し、極大値と極小値との差により偏心荷重の大きさを求め、極大点(又は極小点)が存在する位置(カウント値α)により偏心荷重の位置を検知する。
但し、上記のような1回の手順のみでは外乱等の影響が排除できないため、1回目に120個の速度データを取得したのと同じタイミングで以て(つまり同一の1.7回転期間の120個の速度データを得られるように)、4回同じ手順で以て偏心荷重の量と位置とを求め、その平均をとるものとする。これによって得られた偏心量がステップS18での偏心量Xとなる。
偏心量Xが判定閾値Tdを超えている場合には、上述したように所定のタイミングでドラム13を一時的に減速させることでバランサ40内の各区画室に保持されている液体を移動させてバランス調整を行うが、その制御に必要な各種パラメータ、即ち、減速のタイミング、減速時間、減速速度、加速時間、加速速度などは、直前に検知された偏心荷重の位置情報などを考慮して決められる。そして、実際に減速を行うためにブレーキを掛けるタイミングは、パルス信号P2の発生位置を基準として決められる。したがって、偏心荷重の大きさ及び位置の検知からそれを修正するためのバランス調整を終了するまでの期間中は、第2カウンタ72をリセットしない。
以上のように、本実施例のドラム式洗濯乾燥機では、ドラム13やドラムモータ17の回転位置を示す絶対的な基準を設けることなく、電源投入毎に実際のドラム13の円周上の位置との対応関係が変化する相対基準を用いて偏心位置の検知やバランス調整動作などを遂行し、偏心荷重を小さくすることができる。それによって、最も振動が大きくなる共振回転速度付近においても、異常な振動が生じることを防止できる。
なお、上記実施例のドラム式洗濯乾燥機では、貯水タンク内水位検知部56により貯水タンク30内の水の有無のみを判断していたが、例えば水量(又は水位)をより細かく計測可能なセンサを用いた場合に、その水量が多いほどつまりは貯水タンク30の重量が大きいほど脱水運転時のドラム13の最高回転速度を高く設定し、脱水効率を高めるようにすることができる。
また、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
本発明の一実施例によるドラム式洗濯乾燥機の外観斜視図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の概略側面縦断面図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機において脚台部にダンパ及び貯水タンクを装着した状態の斜視図。 図3の状態を底面側から見たときの斜視図。 図3のダンパの位置での正面縦断面図。 図2中のA部の拡大図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機におけるバランサの中心軸線Pに直交する面での断面の一部を示す図。 図7中のB−B’矢視線及びC−C’矢視線での断面図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機の電気系ブロック構成図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機における脱水行程時のドラムの回転速度の変化の状態を示す概略図。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機における脱水行程時の制御フローチャート。 本実施例のドラム式洗濯乾燥機におけるバランス調整の原理を説明するための模式図。 本実施例によるドラム式洗濯乾燥機の制御部における回転位置決め用回路の構成図。 図13に示した回路の動作タイミング図。
符号の説明
1…筐体
10…外槽
11…ダンパ
11a…上端取付金具
11b…下端取付金具
12…パッキン
13…ドラム
14…主軸
15…軸受固定部材
16…軸受
17…ドラムモータ
30…貯水タンク
30a…位置決めピン
31…貯水バルブ
32…中水ポンプ
33…環流水路
40…バランサ
40a、40b、40c、40d…環状流路
41…仕切壁
42…内周側連通開口部
43…外周側連通開口部
44…区画室
50…制御部
51…負荷駆動部
52…インバータ駆動部
56…貯水タンク内水位検知部
59…回転センサ
70…第1カウンタ
71…所定値検出部
72…第2カウンタ
80…脚台部
80a…嵩上げ部
80b…位置決めピン
81…ダンパ取付部材
82…補強部材
83…タンク取付板
83a…ネジ孔
83b…位置決め孔
84…ボルト
85…支持脚

Claims (6)

  1. 外槽と、該外槽内に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置された周面円筒形状のドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記ドラムを高速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
    前記ドラムの端面の周縁部に取り付けられ、内部に液体が封入された1乃至複数の密閉円環状のバランス室を有する円環状のバランサであって、前記バランス室を円周方向に複数の区画室に仕切る仕切壁が30°以下の角度間隔で以て該バランス室の外周側壁面から内周側に向けて放射状に突設され、各仕切壁の内周側縁端部とバランス室の内周側壁面との間に形成される内周側連通開口部におけるドラム径方向のサイズsと仕切壁におけるドラム径方向のサイズhとが0.2≦s/(s+h)≦0.3の関係にされ、且つ各仕切壁にあってバランス室の外周側壁面に沿って形成された外周側連通開口部の面積A2と仕切壁の面積A1とがA2/A1≦0.1の関係に設定されて成るバランサと、
    前記モータの回転を制御する手段であって、ドラム回転時の共振回転速度よりも低い回転速度範囲において、前記バランス室内の液体が遠心力により各区画室の外周側壁面に張り付くような回転速度で以てドラムを回転している状態から一時的に減速することで、回転上方に位置している区画室内の液体に作用する遠心力を減じて前記内周側連通開口部を通して他の区画室への移動を促すことにより、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重を小さくするように前記バランサ自体の回転軸周りの重量バランスを変化させるバランス調整手段と、
    を備え、共振回転速度よりも低い回転速度においては必要に応じて前記バランス調整手段により回転軸周りのドラム全体の偏心を低減させるとともに、共振回転速度以上の回転速度においては前記バランサにあって外周側連通開口部を通した液体の移動により該バランサを流体バランサとして機能させてドラム全体の偏心を抑制させることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 外槽と、該外槽内に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置された周面円筒形状のドラムと、該ドラムを回転駆動するために回転軸に直結されたダイレクトドライブ式のモータと、を具備するドラム式洗濯機において、
    前記ドラムの端面の周縁部に取り付けられ、内部に液体が封入された密閉円環状のバランス室を有するバランサであって、前記バランス室を円周方向に複数の区画室に仕切る仕切壁が該バランス室の外周側壁面から内周側に向けて放射状に突設され、各仕切壁の内周側に連通開口が形成されて成るバランサと、
    前記モータのロータ又はドラムが一定角度回転する毎にパルス信号を生成する回転パルス生成手段と、
    前記回転パルス信号をアップカウント又はダウンカウントし、ドラム1回転に相当するパルス信号個数毎にリセット又はセットされるカウンタと、
    前記バランサの各区画室内に保持される液体及びドラム内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりも大きな回転速度で以てドラムを回転駆動している状態で、前記回転パルス信号の発生時間間隔を利用して、前記カウンタの値で表現されるドラム円周上でのドラム全体の偏心荷重の位置を認識する偏心荷重検出手段と、
    該偏心荷重検出手段による偏心位置の認識に引き続き、その認識された偏心位置に応じた回転位置を前記カウンタの値に基づいて検出し、一時的にその回転速度を低下させることで、前記バランサの各区画室に保持されている液体を前記連通開口を通して他の区画室に移動させることにより、洗濯物の片寄りに起因する偏心荷重を小さくするように前記バランサ自体の回転軸周りの重量バランスを変化させるバランス調整手段と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 筐体と、該筐体内に配設された外槽と、該外槽の内部に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配設されたドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記外槽内に水を貯留した状態で前記ドラムを低速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を洗濯し、前記外槽内の水を槽外に排出して前記ドラムを高速で回転させることにより洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
    前記筐体内の底部に配設され、前記外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽と、
    前記貯水槽内の貯留水の有無又は水量を検出する検出手段と、
    脱水運転時に前記検出手段による検出結果に基づき、前記貯留水が有る場合には無い場合に比べてより大きなドラム全体の偏心を許容する脱水立ち上げを実行する、又は前記貯留水の水量が多いほど脱水運転の際のドラム回転速度を高く設定する脱水制御手段と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 筐体と、該筐体内に配設された外槽と、該外槽の内部に水平又は傾斜した軸を中心に回転自在に配設されたドラムと、該ドラムを回転駆動するモータと、を具備し、前記外槽内に水を貯留した状態で前記ドラムを低速で回転させることにより該ドラム内に収容された洗濯物を洗濯し、前記外槽内の水を槽外に排出して前記ドラムを高速で回転させることにより洗濯物を遠心脱水するドラム式洗濯機において、
    前記筐体内の底部に配設され、前記外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽と、
    前記貯水槽内の貯留水の有無又は水量を検出する検出手段と、
    脱水運転時に前記検出手段による検出結果に基づいて、ドラムの回転速度を脱水運転速度に立ち上げることを許容する、又は脱水回転速度を決めるためにドラムの偏心量を判定する判定閾値を変更する脱水制御手段と、
    を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  5. 略箱状の筐体と、該筐体内に配置された外槽と、該外槽内に水平な又は傾斜した軸を中心に回転自在に配置されたドラムと、前記筐体の底部に対し前記外槽の底部を弾性支持する前面視略ハ字形状の2本のダンパと、を具備するドラム式洗濯機において、
    前記筐体の底部の構成部材として、その底面の四隅に支持脚が取り付けられる樹脂製の脚台部を含み、該脚台部の上面の左右両側に上方に突出する左右一対の嵩上げ部を形成し、
    各嵩上げ部を上下から挟み込むように、その上部に前後方向に延伸する金属製のダンパ取付部材を固定するとともに、その下部には同じく前後方向に延伸する金属製の補強部材を固定し、
    前記ダンパ取付部材に前記ダンパの下端を固定したことを特徴とするドラム式洗濯機。
  6. 前記外槽内から排出された水を貯留可能である貯水槽を備え、前記左右の補強部材に対して左右方向に延伸する複数の金属製の取付板を前後に離して差し渡すように装着し、該取付板の上に前記貯水槽を載せて固定したことを特徴とする請求項5に記載のドラム式洗濯機。

JP2006032116A 2006-02-09 2006-02-09 ドラム式洗濯機 Pending JP2007209502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006032116A JP2007209502A (ja) 2006-02-09 2006-02-09 ドラム式洗濯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006032116A JP2007209502A (ja) 2006-02-09 2006-02-09 ドラム式洗濯機

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010243734A Division JP5050177B2 (ja) 2010-10-29 2010-10-29 ドラム式洗濯機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007209502A true JP2007209502A (ja) 2007-08-23

Family

ID=38488418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006032116A Pending JP2007209502A (ja) 2006-02-09 2006-02-09 ドラム式洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007209502A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021135A1 (ja) * 2008-08-22 2010-02-25 パナソニック株式会社 洗濯機
JP2012075691A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Panasonic Corp ドラム式洗濯機
CN103314149A (zh) * 2011-01-07 2013-09-18 夏普株式会社 洗衣机
JP2017060627A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 ドラム式洗濯機
CN113825871A (zh) * 2019-05-23 2021-12-21 青岛海尔洗衣机有限公司 滚筒洗衣机

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5514368A (en) * 1978-07-19 1980-01-31 Toshiba Corp Liquid balancing device
JPH11244592A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式遠心脱水装置
JP2003290595A (ja) * 2002-01-31 2003-10-14 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式洗濯機
JP2005124626A (ja) * 2003-10-21 2005-05-19 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2005348804A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式洗濯機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5514368A (en) * 1978-07-19 1980-01-31 Toshiba Corp Liquid balancing device
JPH11244592A (ja) * 1998-03-06 1999-09-14 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式遠心脱水装置
JP2003290595A (ja) * 2002-01-31 2003-10-14 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式洗濯機
JP2005124626A (ja) * 2003-10-21 2005-05-19 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2005348804A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Sanyo Electric Co Ltd ドラム式洗濯機

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021135A1 (ja) * 2008-08-22 2010-02-25 パナソニック株式会社 洗濯機
JP2012075691A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Panasonic Corp ドラム式洗濯機
CN103314149A (zh) * 2011-01-07 2013-09-18 夏普株式会社 洗衣机
JP2017060627A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 ドラム式洗濯機
CN113825871A (zh) * 2019-05-23 2021-12-21 青岛海尔洗衣机有限公司 滚筒洗衣机
CN113825871B (zh) * 2019-05-23 2023-07-28 青岛海尔洗衣机有限公司 滚筒洗衣机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7490490B2 (en) Drum type washing machine
US10066333B2 (en) Washing machine with ball balancer and method of controlling vibration reduction thereof
KR20090080608A (ko) 볼 밸런서를 구비한 드럼 세탁기 및 그 제어방법
US20080105002A1 (en) Washing machine and method of controlling the same
JP2010207316A (ja) 洗濯機
JP2007167263A (ja) ドラム式洗濯機
WO2012114751A1 (ja) ドラム式洗濯機
JP2001276468A (ja) ドラム式洗濯機
JP5050177B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP2007209502A (ja) ドラム式洗濯機
US20050115006A1 (en) Method for controlling dewatering operation of washing machine
JP5678275B2 (ja) 洗濯機
CN110678598B (zh) 洗涤物处理设备的脱水程序控制方法
JP2011062334A (ja) ドラム式洗濯機
EP3526388B1 (en) Washing machine
JP2006000387A (ja) ドラム式洗濯機
JP4307335B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP3123993B2 (ja) 洗濯機
US20210340701A1 (en) Method for controlling laundry treating apparatus
JP2005342274A (ja) ドラム式洗濯機
JP2005348804A (ja) ドラム式洗濯機
JP2012170685A (ja) ドラム式洗濯機
JP2009078177A (ja) ドラム式洗濯機
JP2008104494A (ja) ドラム式洗濯機
JP2017209295A (ja) 洗濯機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110329