JP2003290595A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JP2003290595A JP2003023589A JP2003023589A JP2003290595A JP 2003290595 A JP2003290595 A JP 2003290595A JP 2003023589 A JP2003023589 A JP 2003023589A JP 2003023589 A JP2003023589 A JP 2003023589A JP 2003290595 A JP2003290595 A JP 2003290595A
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宏 山本
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状体の内部形状を規定することにより、偏
心荷重調整に要する時間を短縮する。 【解決手段】 洗濯物を収容し、回転中心が水平又は傾
斜した状態で回転して、洗濯物を洗濯、脱水するドラム
と、該ドラムと同心且つ一体回転可能に形成され、内部
が中空の密閉環状体と、該環状体の内部に封入された液
体と、を具えるドラム式洗濯機であって、密閉環状体の
内部には、外周面側から複数の区画板が内向きに所定間
隔で突設されており、隣り合う区画板によって区画さ
れ、環状体の内向きに開口する複数の貯液箱を有し、各
貯液箱は、環状体の内部の内周面側で連通し、区画板の
高さをa、区画板の先端から環状体の内周面までの距離
をdとしたときに、0.1≦d/(a+d)≦0.9とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラム式洗濯機に
関し、より具体的には、洗濯物の偏在によるドラムの偏
心回転を防止できるドラム洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機(90)は、図13に示すよ
うに、洗濯、脱水するドラム(91)を、水平又は傾斜した
状態で回転させている。ドラム(91)は、外槽(92)の内部
に回転自在に支持されており、外槽(92)に配備された駆
動モータ(93)にベルト(94)及びプーリ(95)(95)を介して
連繋され、駆動モータ(93)の駆動によって回転する。こ
のドラム式洗濯機(90)では、特に脱水の際に、遠心力作
用によって濡れた洗濯物がドラム(91)の内周壁に偏在す
る結果、ドラム(91)に偏心荷重が生じて、回転中心周り
の重量バランスが不均衡となり、振動や騒音を発生する
問題があった。
【0003】そこで、偏心荷重の発生を抑え、振動と騒
音の低減を図るため、ドラム端面に複数の貯液箱(98)を
周方向に等間隔に設けると共に、荷重の偏心位置を検出
する手段(99)を配したものもある。各貯液箱(98)は、回
転軸の中心方向に向けて開口しており、高速回転状態で
先ず配管(図示せず)から水を注入し、偏心荷重検出手段
(99)で検出された偏心荷重位置に近い貯液箱(98)が上方
に移動したときに、ドラム(91)に瞬間的にブレーキを掛
けてドラム(91)を減速させ、偏心荷重位置にある貯液箱
(98)の水を重力作用によって落下させ、ドラム(91)の偏
心荷重を相殺し、振動や騒音を低減している(例えば、
特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−300185号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、上記ドラ
ム式洗濯機(90)では、貯液箱(98)へ水を注入するための
配管を、回転するドラム(91)の近傍まで配設し、さら
に、注水のタイミングを規定するなど、構造、制御が複
雑であり、また、偏心荷重調整の度に貯液箱(98)へ注水
する必要があるためコスト増に繋がるなどの問題があっ
た。
【0006】本発明は、液体を封入した環状体によって
ドラムの偏心荷重を調節することのできるドラム式洗濯
機であって、環状体の内部形状を規定することにより、
偏心荷重調整の所要時間を短縮できるドラム式洗濯機を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物を収容し、回転
中心が水平又は傾斜した状態で回転して、洗濯物を洗
濯、脱水するドラムと、該ドラムと同心且つ一体回転可
能に形成され、内部に液体を封入した中空密閉環状体
と、を具えるドラム式洗濯機であって、密閉環状体の内
部には、外周面側から内周側に向けて複数の区画板が所
定間隔で突設されており、隣り合う区画板によって区画
され、環状体の内向きに開口する複数の貯液箱を形成
し、各貯液箱は、環状体の内部の内周面側で連通し、区
画板の高さをa、区画板の先端から環状体の内周面まで
の距離をdとしたときに、0.1≦d/(a+d)≦0.9
としたものである。また、区画板どうしの間隔をb、貯
液箱の開口の周方向の幅をcとしたとき、0.1≦c/
b≦0.9としたものである。さらに、環状体内の貯液
箱の総容積Aに対する液体量Lの比、即ちL/Aは、
0.1≦L/A≦0.7とすることが望ましい。
【0008】
【作用及び効果】環状体内部の貯液箱を形成する区画板
の高さaと、区画板の先端から環状体の内周面までの距
離dを上記のように規定することにより、後述するとお
り、ドラムの偏心荷重調整に要する時間を短縮すること
ができる。区画板どうしの間隔bと、貯液箱の開口の周
方向の幅cを上記のように規定することにより、後述す
るとおり、ドラムの偏心荷重調整に要する時間を短縮す
ることができる。また、環状体に封入される液体量を上
記のように調節することによって、偏心荷重の高い打ち
消し効果を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、ドラム式洗濯機(10)の全
体構成を示す断面図である。ドラム式洗濯機(10)は、洗
濯機筐体(12)の内部に、ダンパ(14)及びスプリング(16)
(16)を介して外槽(18)が支持されており、外槽(18)の内
部に円筒状のドラム(20)が回転可能に支持されている。
図示のドラム式洗濯機(10)は、洗濯物を筐体(12)の上部
から出し入れするタイプのものであり、筐体(12)及び外
槽(18)の上面には、洗濯物を出し入れする洗濯物投入口
(22)(24)が開設されており、ドラム(20)の周面にも外槽
(18)の洗濯物投入口(24)と位置合わせ可能に洗濯物投入
口(26)が開設されている。各洗濯物投入口(22)(24)(26)
には、夫々、扉(図示せず)が取り付けられている。な
お、洗濯物投入口は、洗濯機の側面に設けてもよい。
【0010】ドラム(20)は、両端が閉塞した円筒体であ
り、周面に多数の通水孔(図示せず)が穿孔されており、
内周面には、洗濯物を掻き上げるバッフル(図示せず)を
複数突設することができる。また、洗濯物投入口(26)と
対向するドラム(20)の内周面には、洗濯物投入口(26)
(扉を含む)の重量バランスを保持するために洗濯物投入
口(26)の重さに対応した重量のバランサ(28)が配備され
ている。ドラム(20)の両端中央には、回転軸(30)(32)が
外向きに突設されており、外槽(18)にベアリング(34)(3
4)を介して回転自在に支持される。一方の回転軸(30)
は、外槽(18)の外側に配置された駆動モータ(50)(後述
する)の回転軸を兼ねている。
【0011】ドラム(20)の一端又は両端には、上記構成
の密閉環状体(80)(80)が、ドラム(20)と同心且つ一体回
転可能に配備されている。図1の実施例では、ドラム(2
0)の両端に環状体(80)(80)を配備しているが、何れか一
方の端面に環状体(80)を配備してもよい。
【0012】環状体(80)は、後述及び図1に示すドラム
式洗濯機(10)のドラム(20)と同心且つ一体回転可能に、
ドラム(20)の端面又は周面に配備される。図2は、図1
の線II−IIに沿って、環状体(80)を軸心と垂直な平面で
切断した断面図である。図2に示すように、環状体(80)
の内部には、複数の区画板(84)(84)が外周面から内向き
に突設されている。区画板(84)(84)の先端には、ドラム
(20)の回転方向とは逆向きに蓋体(86)(86)が屈曲して形
成されており、隣り合う区画板(84)(84)間に形成される
領域が貯液箱(82)となっている。貯液箱(82)は、内周側
が、環状体(80)の内部で開口(88)しており、貯液箱(82)
内へ環状体(80)に封入されている液体が開口(88)から出
入りする。
【0013】外槽(18)には、洗濯、すすぎ用の水を外槽
(18)の内部に供給する給水管(図示せず)と、外槽(18)内
の水を排出する排水管(44)が接続されている。また、排
水管(44)は、一端が外槽(18)の下部に接続され、排水バ
ルブ(48)を介して、他端が外部の排水口(図示せず)に接
続される。排水バルブ(48)を閉じると外槽(18)内に水が
貯留し、排水バルブ(48)を開くと外槽(18)内の水が外部
に排出される。
【0014】外槽(18)の側面には、駆動モータ(50)が配
備される。駆動モータ(50)として、ダイレクトドライブ
モータを例示することができ、この場合、駆動モータ(5
0)の回転軸は、前述のとおり、ドラム(20)の回転軸(30)
を兼ねる。
【0015】また、外槽(18)の外側下面には乾燥機ユニ
ット(64)が配備される。その他、洗濯機筐体(12)の外面
には、操作部や表示部を有する操作パネル(70)を具え
る。
【0016】<ドラムの偏心荷重調整>上記洗濯機(10)
において、洗濯物を収容したドラム(20)が脱水回転して
いるときに、ドラム(20)の偏心荷重と、環状体(80)内の
液体との重量バランスを、以下の工程によって調整する
ことができる。 偏心荷重の位置を検知するための回転数(例えば1
00rpm:以下「偏心位置検知回転数」という)より
も小さい回転数(例えば70rpm)で、偏心荷重(洗濯
物)が入った状態でドラム(20)を回転させる。環状体(8
0)が、ドラム(20)と一体に回転することによって、各貯
液箱(82)の液体には、重力と遠心力が作用する。液体に
作用する重力によって、貯液箱(82)に過剰に貯留された
液体は一部が貯液箱(82)から落下し、下方に位置する他
の貯液箱(82)に流入する。また、遠心力の作用によっ
て、適量の液体が貯液箱(82)内に留まる。環状体(80)の
回転を行なうことにより、貯液箱(82)からの液体の落
下、貯留が繰り返され、最終的に各貯液箱(82)内に液体
が均等に分布する。 次に、偏心位置検知回転数でドラム(20)を回転さ
せ、ドラム(20)内の偏心荷重(洗濯物)の位置と大きさを
検出する。 検出された偏心位置が上方位置に到達したときに、
偏心位置検知回転数から所定の回転数(上方を通過する
貯液箱から液体が重力作用により落下する程度の回転
数、例えば60rpm)までドラム(20)の回転を減速させ、
偏心位置近傍の貯液箱から、180度正対する貯液箱に
液体を移動させる。 偏心荷重の大きさが、所定の閾値以下となるまで、
とを繰り返す。上記工程により、ドラム(20)の偏心
荷重が打ち消される。
【0017】ところで、上記ドラム(20)の重量バランス
を短時間で正確に行なうには、環状体(80)及び内部に封
入される液体が、以下の条件を満たすことが必要とな
る。 偏心位置検知回転数以下にドラムが減速回転すると
き、ドラム(20)に封入された液体が各貯液箱(82)に均等
に分布されていること。貯液箱(82)の液体の分布が均等
でなければ、偏心荷重の位置を正確に検知できないから
である。 偏心位置検知回転数で、ドラムが回転しているとき
は、貯液箱間における液体の移動がないこと。偏心位置
検知回転数にて貯液箱(82)間で液体が移動すると、移動
した液体が偏心荷重となって、偏心荷重の位置を正確に
検知できないからである。 減速動作の際に、偏心位置近傍の貯液箱のみから液
体が流出すること。偏心位置近傍以外の貯液箱(82)から
液体が流出すると、偏心位置に対向する貯液箱(82)に過
剰な液体が流入し、貯液箱(82)から液体が溢れて液体が
環状体(80)と一体に回転しなくなるためである。 減速動作によって、貯液箱間で、液体の移動がスム
ーズに行なわれること。液体の移動がスムーズでなけれ
ば、偏心位置にある貯液箱(82)の液量を減らし、偏心位
置と対向する貯液箱(82)の液量を増やすことができない
からである。 バランス調整終了時には、偏心荷重位置近傍の貯液
箱の液体は少なくなっており、180度正対する貯液箱
の液体が多くなっていること。偏心荷重を相殺するには
環状体(80)内で偏心荷重と相対する重量バランスを維持
する必要があるからである。
【0018】発明者らは、種々の実験を繰り返すことに
より、上記条件を満足させることのできる環状体(80)の
最適な液量と、環状体(80)の最適な形状を見出した。以
下、詳述する。
【0019】1.液量 環状体(80)の内部には、水や塩化カルシウム水溶液(比
重1.3)等の液体が封入される。封入される液体の最適
な量を求めるために、図3に示すように、板厚3mm、
直径(外径)500mm、区画板高さ30mm、幅35m
mの環状体(80)を用い、封入される液体の量を変えて、
実験を行なった。液体として、水と塩化カルシウム水溶
液(CaCl2)を用いた。液体の量は、貯液箱の総容積Aに
対する液体量Lの比、即ちL/Aで示している。結果を
表1に示しており、また、各条件による環状体内部の液
体の分布状況を図4乃至図6に示している。表1中、偏
心荷重打消能力とは、前述のバランスを調整する工程の
実施によって打ち消すことのできる偏心荷重Dの重さ
(g)を示している。
【0020】
【表1】
【0021】表1を参照すると、液体が水、塩化カルシ
ウム水溶液の何れの場合も、貯液箱の総容積Aに対する
液体量Lの比、即ちL/Aは、0.1≦L/A≦0.7が
望ましく、0.5≦L/A≦0.6がより望ましく、L/
A=0.53が最適であることがわかる。また、水より
も比重の高い塩化カルシウム水溶液の方が、打ち消すこ
とのできる偏心荷重Dを大きくできることがわかる。
【0022】液体の封入量Lによって、偏心荷重打消能
力に差が生じたのは、以下の理由による。封入量Lが少
ない場合、図4に示すように、例えばL/Aが0.3の
ときでは、偏心荷重に正対する貯液箱(82)に、十分な量
の液体が入っていないため、偏心荷重を打ち消すことの
できる重量差が環状体(80)に生じず、打ち消し効果が低
くなったものである。また、液体の封入量Lが多い場
合、図6に示すように、例えばL/Aが0.7のときで
は、偏心荷重に正対する貯液箱(82)には十分な量の液体
が入っている。しかしながら、封入量が多いために、偏
心荷重近傍の貯液箱にも液体が残留している。つまり、
相対する貯液箱間の液体の重量差が小さく、打ち消し効
果が低くなっている。一方、封入量Lが適正である場合
には、図5に示すように、例えばL/Aが0.53の場
合には、偏心荷重に正対する貯液箱(82)に十分な量の液
体が入っており、偏心荷重近傍の貯液箱(82)には殆んど
液体が残留していない。つまり、相対する貯液箱間の液
体の重量差が大きいために、高い打ち消し効果を得られ
た。
【0023】2.環状体の形状 偏心荷重をより効果的に打ち消すためには、液体が、上
記図5の状態になっていることが望ましい。このように
液体を分布させるには、環状体(80)を以下の条件で製作
することが望まれる。
【0024】2.1 環状体の回転速度について 偏心荷重位置の検知精度は、低速であるほど向上するた
め、検知の際の回転数は低いことが望まれる。また、正
確に検知するためには、検知時は封入されている液体は
貯液箱(82)(82)間を移動しないこと、各貯液箱(82)内の
液体量が均一であること、ドラム(20)内の洗濯物の移動
がないこと等が必要である。回転中における貯液箱(82)
内の液体状況は、図7及び図8に示すとおりである。液
面傾斜は、重力Aと遠心力Bの合力Eの方向に対し垂直
となるように、貯液箱の位置に応じて貯液箱毎に決定さ
れる(実際には、慣性力の影響によりあてはまらない場
合もある)。回転数が小さく、液体にかかる力のうち、
重力Aが遠心力Bの鉛直成分に比べて大きい場合、これ
らの合力の鉛直成分が大きくなる図8中の丸印付近で、
貯液箱間の液体の落下が生じる。また、回転数上昇(合
力の内、遠心力の割合が増加)に伴い、液体移動を生じ
る貯液箱(82)の位置が上方へ移動する。その位置が図8
の破線以上となったときに、全周均一に液体を分布させ
ることができる。また、偏心荷重打消能力と関連する各
貯液箱内の液体量を考慮し、適切な液量を全周均一に分
布させるには、前記破線よりも上方の位置、即ち、図8
中二重丸印位置付近で示す位置よりも上方でのみ液体が
貯液箱(82)から落下するように液体にかかる力を設定す
ることが望ましい。二重丸印位置で液体が移動するの
は、液面がほぼ垂直になるとき、即ち図8中、ζがほぼ
90°となったときである。この関係から、図8及び表
2を用いて、以下のように適切な検知回転数(ω(rad/
秒))と貯液箱半径(r(m))の関係が導かれる。なお、貯
液箱半径とは、図8に示すように、回転中心から貯液箱
(82)の中心高さまでの半径長さを意味する。
【0025】
【表2】
【0026】ζ=90°のとき、検知回転数(ω)と貯液
箱半径(r)の関係は、表2より、
【数1】
【0027】上の式が、検知回転数(ω)と貯液箱半径
(r)の関係の最小値である。従って、適切な検知回転数
(ω)と貯液箱半径(r)との関係は、
【数2】 となる。
【0028】2.2 貯液箱の区画板高さについて 図9中、区画板(84)の高さaと、隣り合う区画板(84)(8
4)どうしの間隔bについて、前提条件はa<2bであ
る。a<2bを満たさない場合、即ちa≧2bの場合に
は、液体を移動させるための減速を急激に行なう必要が
あり、各機構の負担が大きくなるからである。上記2.
1にて設定された回転速度において、液体をすべての貯
液箱(82)に均一に分布できる液体の量は、図8中二重丸
印付近の貯液箱(82)で、ζがほぼ90°となるときの貯
液箱内の液体量×貯液箱の数であるから、隣り合う区画
板(84)(84)どうしのなす角度をα(rad)とすると、単
位の貯液箱の保有液体量は、約1.4×a2/2(1.4は
補正係数であって実験的に算出した)であるから、全貯
液箱の保有液体量は、1.4×a2/2・2π/αで表わ
される(但し、環状体の幅方向は単位長さとしている)。
従って、上記1.で求められた適切な液量比の最大値
(Wmax)、最小値(Wmin)を用いると、
【数3】 となって、適切な区画板(84)の高さaと区画板どうしの
角度αの条件が得られる。
【0029】2.3 貯液箱どうしを結ぶ流路の高さ 偏心荷重調整に要する時間をパラメータとして、図10
に示すように、貯液箱(82)の高さ、即ち区画板(84)の高
さaと、流路の高さ、即ち区画板(84)の先端から環状体
(80)の内周面までの距離dについて、その関係について
調べたところ、表3の結果を得た。
【0030】
【表3】
【0031】表3より、偏心荷重調整に要する時間を短
縮するのに有効な流路幅比は、0.1≦d/(a+d)≦
0.9であり、0.25≦d/(a+d)≦0.35が最も
望ましいことがわかる。
【0032】2.4 貯液箱の開口の周方向の幅比 偏心荷重調整に要する時間をパラメータとして、時間短
縮に最適な貯液箱の開口の周方向の幅比(c/b)を測定
した。結果を表4に示している。
【0033】
【表4】
【0034】表4より、偏心荷重調整に要する時間を短
縮するのに有効な開口幅比(c/b)は、0.1≦c/b
≦0.9であり、0.3≦c/b≦0.4が最も望ましい
ことがわかる。
【0035】環状体及び貯液箱の形状に関する異なる実
施の形態 偏心荷重調整を短時間で行なうには、ドラム(20)に封入
された液体を各貯液箱(82)に素速く均等に分布させる必
要がある。偏心荷重調整の際に液体が環状体(80)の中で
偏った状態であると、正確な偏心位置を検知することが
できないからである。
【0036】貯液箱(82)の液体を均等に分布させるに
は、環状体(80)をより高速で回転させる必要がある。し
かしながら、環状体(80)を高速で回転させると、遠心力
作用によって貯液箱(82)から液体が落下せず、貯液箱(8
2)間の液体の移動がなくなる。従って、貯液箱(82)から
液体が落下することのできる最大の回転数で環状体(80)
を回転させると、液体は各貯液箱(82)に均等に分散す
る。図11において、環状体(80)の外周半径をR、ドラ
ム中心から貯液箱(82)内に貯留する液体の液面までの距
離をl、貯液箱(82)を形成する隣り合う区画板(84)の夫
々の角度(鉛直下方向に対する角度)をβ1、β2としたと
きに、液体の張力、摩擦等を無視すると、封入された液
体を貯液箱(82)から落下させることのできる最大回転数
φ=30/π×ωは、次の及びの条件を同時に満た
す最小の角速度ωより求まる。 区画板(84)の端部から液体が落下しないための条件
は、図11を参照するとわかるとおり、液体にかかる遠
心力(m(R−a)ω2)が、液体にかかる重力の回転中心
方向の成分(mgcos(π−β)=−mgcosβ)以上である
必要があるから、次の通り表わされる。
【数4】 各貯液箱(82)の液体の量が一定(封入される液体量
/区画数)となるための条件は、貯液箱(82)内に貯留し
た液体の断面積(奥行は単位長さとして算出)から次の通
り導かれる。
【数5】
【0037】上記との条件を外径(半径)がR=24
0mm、区画板(84)の高さがa=39mm、液体量90
0ccである環状体(80)に当てはめると、からφ=6
6.8rpmとなる。しかしながら、この回転数では、
条件を満たすことができないため、実験的に求めた値
は70rpmであった。即ち、このような大きさ、形
状、液体量の環状体では、液体を均等に分布させるため
に適した回転数φは70rpmである。ところが、実際
の使用環境下では、この回転数では、ドラム(20)内に濡
れた衣類が入っており、この衣類がドラム内で移動し、
ドラム回転数が大きく変動するため、液体を精度良く均
等に分散させることが困難な場合がある。ドラム内に衣
類が張り付いた状態で回転させるには、衣類の移動が起
こらない75rpm以上にすることが望ましい。この回
転数は、上記表1で示したように、偏心荷重の打消しに
効果的な液体量(例えば表1のL/A=0.53)の状態
で実現する必要がある(条件)。また、上記のように区
画板(84)の高さは、貯液箱(82)の液体の封入量に影響を
与え、偏心荷重の打消し効果に影響を及ぼすから、区画
板(84)の高さも変更することなく実現する必要がある
(条件)。
【0038】上記条件にて、φ=75rpm(=30
/π×ω)としたときに、条件及び条件を満足しつ
つ、条件が一定となるように貯液箱(82)の形状を決定
することが望ましいことがわかる。
【0039】よって、条件〜を満たしつつ、貯液箱
(82)に素速く液体を均等に分布させ、且つ、ドラムの偏
心荷重調整時に行なう減速動作において、液体をスムー
ズに落下させるためには、蓋体(86)を以下の形状とする
ことが望ましい。
【0040】蓋体(86)は、区画板(84)の先端から環状体
(80)の内周面側に向けて傾斜するように形成し、蓋体(8
6)を傾斜させないときと比べて、液体を貯液箱(82)から
落下させることのできる最大回転数も高くさせる必要が
ある。例えば、図12に示すように、蓋体(86)は、区画
板(84)の先端から屈曲して延びるように形成することが
望ましい。
【0041】図12に示すように、蓋体(86)を含む区画
板(84)の高さをe、蓋体(86)のみの高さをfとし、上記
したd/(a+d)の最適値を代えることなく、蓋体(86)
の高さfを種々変えて貯液箱(82)内の溶液の分散状態
(液体分散能力)と、打ち消すことのできる最大の偏心荷
重の大きさ(偏心荷重打消能力)を比較し、夫々5段階評
価した。結果を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】表5を参照すると、蓋体(86)を含む区画板
(84)の高さeと、区画板(84)の蓋体(86)の根元までの高
さ(e−f)の比が、0.45≦(e−f)/e≦0.9のと
き、すぐれた液体分散能力と偏心荷重打消能力を発揮
し、さらに、0.6≦(e−f)/e≦0.75のとき、こ
れら能力が最も発揮されることがわかる。さらに液体分
散能力と偏心荷重打消能力の評価値を総合して評価する
と、上記と同様に0.45≦(e−f)/e≦0.9のとき
が望ましく、0.6≦(e−f)/e≦0.75のときが最
も望ましいことがわかる。
【0044】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドラム式洗濯機の断面図である。
【図2】環状体の断面図である。
【図3】貯液箱の総容積Aと封入される液体量Lとの関
係を示す断面図である。
【図4】液体量L/貯液箱の総容積Aが0.3である環
状体の断面図である。
【図5】液体量L/貯液箱の総容積Aが0.53である
環状体の断面図である。
【図6】液体量L/貯液箱の総容積Aが0.7である環
状体の断面図である。
【図7】回転中における貯液箱内の液体状況及び液面傾
斜を示す環状体の断面図である。
【図8】環状体内部の液体が受ける力を示す断面図であ
る。
【図9】貯液箱を拡大して示す断面図である。
【図10】貯液箱を拡大して示す断面図である。
【図11】環状体の拡大断面図である。
【図12】蓋体の望ましい形状を示す断面図である。
【図13】従来のドラム式洗濯機の断面図である。
【符号の説明】 (10) ドラム式洗濯機 (20) ドラム (80) 環状体 (82) 貯液箱 (84) 区画板 (86) 蓋体 (88) 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 康彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA01 AA06 BA03 BA04 BB16 CA02 DC03 DC09 DC11 DC18 MA01 MA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯物を収容し、回転中心が水平又は傾
    斜した状態で回転して、洗濯物を洗濯、脱水するドラム
    と、 該ドラムと同心且つ一体回転可能に形成され、内部に液
    体を封入した中空の密閉環状体と、 を具えるドラム式洗濯機であって、 密閉環状体の内部には、外周面側から内周側に向けて複
    数の区画板が所定間隔で突設されており、隣り合う区画
    板によって区画され、環状体の内向きに開口する複数の
    貯液箱を形成し、 各貯液箱は、環状体の内部の内周面側で連通し、 区画板の高さをa、区画板の先端から環状体の内周面ま
    での距離をdとしたときに、0.1≦d/(a+d)≦0.
    9としたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】 各区画板の先端には、夫々ドラムの回転
    方向とは逆向きに延び、貯液箱の開口の一部を塞ぐ蓋体
    が形成されている請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 【請求項3】 各区画板の先端の蓋体は、区画板の先端
    から環状体の内周面側に向けて傾斜した状態で形成され
    ている請求項2に記載のドラム式洗濯機。
  4. 【請求項4】 各区画板の先端の蓋体は、区画板の先端
    から円弧状に湾曲して延びている請求項2又は請求項3
    に記載のドラム式洗濯機。
  5. 【請求項5】 区画板どうしの間隔をb、貯液箱の開口
    の周方向の幅をcとしたとき、0.1≦c/b≦0.9で
    ある請求項1乃至請求項4の何れかに記載のドラム式洗
    濯機。
  6. 【請求項6】 環状体内の貯液箱の総容積Aに対する液
    体量Lの比は、0.1≦L/A≦0.7である請求項1乃
    至請求項5の何れかに記載のドラム式洗濯機。
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