JP3754377B2 - ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 - Google Patents
ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3754377B2 JP3754377B2 JP2002035735A JP2002035735A JP3754377B2 JP 3754377 B2 JP3754377 B2 JP 3754377B2 JP 2002035735 A JP2002035735 A JP 2002035735A JP 2002035735 A JP2002035735 A JP 2002035735A JP 3754377 B2 JP3754377 B2 JP 3754377B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drum
- liquid
- liquid storage
- eccentric load
- rotational speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
- Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遠心脱水機能を備えた洗濯機に関し、特に、水平軸を中心に回転するドラムを有するドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラム式洗濯機は、洗濯物を収容して洗濯および脱水のために回転する円筒状のドラムを備えている。ドラムは、円筒状の外槽内で端面を前後にして設けられている。ドラムの後端面には、ほぼ水平に延びた回転軸が連結されていて、この回転軸は、外槽に対して回転自在に受け取られて外槽の後方へ突出している。そして、回転軸の後端部には、モータが結合されおり、ドラムは、モータの駆動力によって、外槽内で回転軸まわりに回転されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなドラム式洗濯機が有する課題の1つは、ドラムを予め定める脱水回転速度で高速回転させて行う遠心脱水の際に、ドラム内の洗濯物の偏在により生じる偏心荷重が原因で、外槽の振動やその振動に伴う騒音を発生する場合があることである。
この課題に対して、たとえば、内部に液体が封入されたバランサをドラムの端面に設け、ドラムの回転を立ち上げていく過程で、ドラムに生じている偏心荷重の大きさおよび位置を検出し、偏心荷重の大きさが所定の基準値よりも大きい場合に、ドラムの回転速度を制御して、その偏心荷重が打ち消されるようにバランサ内の液体を偏在させることにより、ドラムの回転方向の重量バランスを調整する手法が提案されている。
【0004】
かかる技術では、ドラム内の洗濯物の偏在により生じる偏心荷重を良好に補償でき、偏心荷重に起因する外槽の振動の発生を効果的に抑制することができる。ところが、偏心荷重の大きさおよび位置の検出が必要なうえに、その検出結果に応じた複雑なドラムの回転速度制御を行わなければならないため、重量バランスの調整に時間がかかってしまう。
また、偏心荷重による振動および騒音の大きさは、ドラムの回転速度によって変化するから、ドラムの回転速度を脱水回転速度まで段階的に立ち上げていく場合、ドラムの回転速度が異なる複数の段階において、ドラムの回転方向の重量バランスの調整を行うことが好ましい。しかしながら、上記手法によるバランス調整を複数の段階で行っていたのでは、ドラムの回転速度を脱水回転速度まで立ち上げるのに時間がかかり、その結果、一連の洗濯行程(洗い、すすぎおよび脱水)に要する時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、偏心荷重の大きさおよび位置の検出や複雑なドラム回転速度制御を行わずに、ドラムの回転方向の重量バランスを調整でき、これにより脱水時における振動を低減することができる方法を提供することである。
また、この発明の他の目的は、一連の洗濯行程に要する時間の長時間化を招くことなく、ドラムの回転立ち上げ時における振動やこれに伴う騒音の低減を達成可能なドラム式洗濯機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、洗濯物を収容するためのドラム(4)を有し、このドラムをほぼ水平な回転軸線(51L,51R)まわりに回転させて、そのドラム内に収容されている洗濯物の遠心脱水を実行するドラム式洗濯機であって、上記ドラム(4)に固定され、回転軸線を中心とする円周上にほぼ等間隔で複数設けられた貯液槽であって、それぞれ上記回転軸線に臨んだ開口(88)を有し、内部に入った液体に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度以上で上記ドラムを回転させることにより、各貯液槽間の液体の移動を阻止することができ、上記ドラムを上記回転速度未満で回転させることにより、各貯液槽間での液体の移動を生じさせることのできる複数の貯液槽(86)と、上記ドラムを回転させるためのドラム回転用モータ(6)と、遠心脱水のために上記ドラムの回転を立ち上げる過程で、上記各貯液槽(86)にほぼ均一に液体が貯留された状態となるドラム回転速度に達したとき、上記ドラム回転用モータへの供給電圧を一時的に一定電圧に固定して、この時に生じる上記ドラムの回転速度むらにより上記各貯液槽内の液量を調整する電圧固定制御手段(96)とを含むことを特徴とするドラム式洗濯機である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
ドラム回転用モータへの供給電圧が固定されている状態では、ドラム回転用モータの出力トルクは一定であるから、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重がドラムに生じていると、ドラム回転用モータの回転速度は、偏心荷重が最下位置に到達した時に極大値となり、偏心荷重が最上位置に到達した時に極小値となる正弦波状に変動し、その変動の振幅は、偏心荷重の大きさにほぼ比例する。
【0008】
上記の発明によれば、ドラムの回転を立ち上げる過程において、たとえば、ドラムの回転速度が所定の回転速度に達した時に、ドラム回転用モータへの供給電圧が一定の電圧に固定される。これにより、ドラムに生じている偏心荷重が大きく、ドラムの回転速度の極小値付近の値が、貯液槽内の液体に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度を下回れば、偏心荷重の位置の近傍にある貯液槽から液体が流出し、これによる偏心荷重によって、洗濯物の偏在により生じている偏心荷重が打ち消される。その結果、ドラムの回転方向の重量バランス調整が達成される。
【0009】
このような電圧固定制御によるバランス調整は、偏心荷重量および偏心荷重位置の検出を必要とせず、ドラム回転用モータへの供給電圧を一定にするという単純な制御で達成されるから、この発明に係るドラム式洗濯機では、洗濯行程に要する時間が長くなるという問題を招くことなく、ドラムの回転立ち上げ時における振動および騒音の発生が良好に抑制される。
請求項2記載の発明は、上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさおよび位置を検出する手段(98)と、上記電圧固定制御手段によって上記各貯液槽内の液量が調整された後に、上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさが所定の閾値よりも大きい場合に、その偏心荷重の位置に応じたタイミングで上記ドラムの回転速度を上記貯液室内の液体に作用する遠心力が重力よりも小さくなる回転速度に一時的に減速させて、(偏心荷重が打ち消されるように)上記各貯液槽内の液量をさらに調整する回転速度制御手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機である。
【0010】
この発明によれば、電圧固定制御手段による制御の後に、回転速度制御手段による制御が行われる。これにより、洗濯物の偏在により生じている偏心荷重がより良好に補償され、偏心荷重に起因した振動およびその振動に伴う騒音の発生をより効果的に抑制することができる。
請求項3記載の発明は、洗濯物を収容するためのドラム(4)を有し、このドラムをほぼ水平な回転軸線(51L,51R)まわりに回転させて、そのドラム内に収容されている洗濯物の遠心脱水を実行するドラム式洗濯機における脱水時の振動軽減方法であって、上記ドラム式洗濯機は、上記ドラム(4)に固定され、回転軸線を中心とする円周上にほぼ等間隔で複数設けられた貯液槽であって、それぞれ上記回転軸線に臨んだ開口(88)を有し、内部に入った液体に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度以上で上記ドラムを回転させることにより、各貯液槽間の液体の移動を阻止することができ、上記ドラムを上記回転速度未満で回転させることにより、各貯液槽間での液体の移動を生じさせることのできる複数の貯液槽を備えており、遠心脱水のために上記ドラムの回転を立ち上げる過程で、上記各貯液槽(86)にほぼ均一に液体が貯留された状態となるドラム回転速度に達したとき、ドラム回転用モータへの供給電圧を一時的に一定電圧に固定して、この時に生じる上記ドラムの回転速度むらにより上記各貯液槽内の液量を調整する電圧固定制御ステップ(S7)を含むことを特徴とする脱水時の振動軽減方法である。
【0011】
この方法によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項4記載の発明は、上記電圧固定制御ステップで上記各貯液槽内の液量が調整された後に、上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさが所定の閾値よりも大きい場合に、その偏心荷重の位置に応じたタイミングで上記ドラムの回転速度を上記貯液室内の液体に作用する遠心力が重力よりも小さくなる回転速度に一時的に減速させて、(偏心荷重が打ち消されるように)上記各貯液槽内の液量をさらに調整する回転速度制御ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の脱水時の振動軽減方法である。
【0012】
この方法によれば、請求項2に関連して述べた効果を同様な効果を奏することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、この発明の一実施形態に係るドラム式洗濯機の全体構成を示す縦断面図であり、図1には、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面が示されており、図2には、左右方向に沿った鉛直面で切断したときの断面が示されている。
【0014】
このドラム式洗濯機の外観を構成する筐体1は、たとえば、洗濯物を収容する槽内に水流を発生させるためのパルセータを備えた渦巻式の縦型洗濯機用の洗濯機パンに設置可能なサイズに形成されている。また、床の上に設置されたときの高さ(床面から筐体1の上面までの高さ)がユーザの腰くらいとなるように設計されている。
筐体1の内部には、中空円柱形状の外槽2が端面を左右にして設けられている。外槽2は、一対のダンパ3F,3Bおよび一対のコイルばね3L,3Rによって支持されている。具体的には、一対のダンパ3F,3Bは、筐体1の内底面と外槽2との間を連結していて、それぞれ外槽2の下方前寄りの位置および下方後寄りの位置を支持している。また、一対のコイルばね3L,3Rは、それぞれ筐体1の左側面および右側面と外槽2とを連結しており、外槽2の上方後寄りの位置を支持している。
【0015】
外槽2の内部には、洗濯物を収容するためのドラム4が端面を左右にして設けられている。ドラム4の両端面は、端面壁41L,41Rで閉じられており、これらの端面壁41L,41Rの中心には、それぞれ回転軸51L,51Rが連結されている。回転軸51L,51Rは、それぞれ、筐体1の左右側面にほぼ直交する方向に設定された同一の回転軸線に沿って端面壁41L,41Rから左右に延び、外槽2に取り付けられた軸受52L,52Rに回転自在に受け取られている。そして、回転軸51Rの右端部には、DD(ダイレクトドライブ)方式でモータ6が結合されており、ドラム4は、モータ6の駆動力によって、外槽2内で上記回転軸線まわりに回転されるようになっている。
【0016】
ドラム4の周面壁42には、洗濯物の出し入れのための開口43が形成されている。また、筐体1の前面11と上面12とは、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面形状がほぼ円弧状の凸曲面13で接続されており、この凸曲面13には、たとえば、折り畳み式の開閉蓋14によって開閉可能な開口15が形成されている。そして、外槽2の周面壁21には、その筐体1の開口15と対向する位置に開口22が形成されていて、ドラム4は、開口43が外槽2の開口22と重なるように停止位置が制御されるようになっている。これにより、ドラム4が停止した状態で、開閉蓋14を開き、ドラム4に対して斜め上方から、開口15,22,43を介して洗濯物の出し入れを行うことができる。
【0017】
なお、図示していないが、外槽2の開口22およびドラム4の開口43には、それぞれにスライド式あるいは持ち上げ式の開閉蓋が設けられており、これらの開閉蓋を開いた状態で洗濯物の出し入れを行うようになっている。ドラム4の開口43の開閉蓋は、外槽2の開口22の開閉蓋を開閉させた時に、これと連動して自動的に開閉されるように構成されていてもよい。
ドラム4の開口43に開閉蓋を設けたことによる重量バランスの不均衡を是正するために、ドラム4の周面壁42の内面には、上記回転軸線に関して開口43とほぼ対向する位置に開口部バランサ44が取り付けられている。また、周面壁42の内面には、洗濯物を持ち上げるための複数のバッフル45が適宜の位置に設けられており、このうち、開口43とほぼ対向する位置にあるバッフル45には、開口43に開閉蓋を設けたことによる重量バランスの不均衡を是正するためのバランサが内蔵されている。
【0018】
筐体1の左側面16には、外部の水道設備等に至る給水ホースを接続するためのホース接続口71が設けられており、このホース接続口71から筐体1の内部に向かって給水管72が延びている。給水管72の先端は、外槽2内に進入し、回転軸51Lの下方で注水口73をなしている。また、給水管72の途中部には、注水口73への水の流通を許可および阻止するための注水弁74が介装されている。注水弁74を開くと、上記給水ホースを介して供給されてくる水が、給水管72を通って注水口73に至り、注水口73から下方に向けて放水される。
【0019】
また、外槽2の周面壁21の最下部には、排水管75の一端が接続されており、この排水管75の他端は、筐体1の右側面17に設けられた排水口76に接続されている。排水管75の途中には、排水弁77が介装されている。この排水弁77を閉じた状態で注水弁74を開いて、注水口73からの給水を行うことにより、外槽2内に水を溜めることができる。また、外槽2内に溜まった水は、排水弁77を開くことにより、排水管75および排水口76を通して機外に排水することができる。
【0020】
ドラム4の周面壁42には、多数の通水孔(図示せず)が穿設されており、外槽2内に溜められた水は、通水孔を通ってドラム4内に流入するようになっている。洗いおよびすすぎ時には、外槽2内に水が溜められた状態でドラム4が回転されることにより、ドラム4内の洗濯物がバッフル45によって持ち上げられ、ある程度の高さから水面に向けて自然落下するといった動作が繰り返される。また、脱水時には、ドラム4が高速回転されて、ドラム4内の洗濯物に含まれる水が遠心力により絞り出され、この洗濯物からの脱水が通水孔を通って外槽2側へ飛散する。
【0021】
この脱水時にドラム4内で洗濯物が偏在していると、その偏在によって偏心荷重が生じ、これが原因で振動やその振動に伴う騒音が発生するおそれがある。そこで、その脱水時に生じる偏心荷重の補償のために、ドラム4の端面壁41L,41Rのそれぞれ外側の面に、中空円環形状で内部に液体(たとえば、水)が封入された液体封入型のバランス調整部材8が取り付けられている。
なお、このドラム式洗濯機は、脱水後の洗濯物を乾燥させる機能も有しており、図2に示すように、外槽2の下方左寄りの位置には、その乾燥機能のためのユニットUが取り付けられている。乾燥機能のためのユニットUは重量が比較的大きいので、このユニットUを外槽2の中心に関してモータ6と反対側に取り付けることにより、外槽2に加わる重量バランスの均衡が図られている。
【0022】
図3は、バランス調整部材8の構成について説明するための断面図であり、ドラム4の端面壁41Rに取り付けられているバランス調整部材8をドラム4の回転軸線に直交する面で切断したときの断面をドラム4の右側から見た状態を示している。
図2および図3を参照して、バランス調整部材8は、ドラム4の回転軸線方向に所定間隔をおいて平行に配置された一対の環状板81,82と、これら一対の環状板81,82の外周縁間を閉塞する外周面板83と、一対の環状板81,82の内周縁間を閉塞する内周面板84とを有している。
【0023】
外周面板83の内周面には、複数枚(この実施形態では、36枚)の区画板85がドラム4の回転軸線を中心とする等角度間隔で立設されている。互いに隣り合う区画板85の間は、液体を貯留可能な貯液槽86となっている。また、各区画板85の先端縁からは、ドラム4の回転方向上流側に向けて、互いに隣り合う区画板85の先端縁間の約1/2〜2/3を覆うように仕切板87が延びていて、これにより、各貯液槽86は、仕切板87の先端縁と区画板85の先端縁との間でドラム4の回転軸線に向かって開いた開口88を有している。
【0024】
この構成により、バランス調整部材8内の液体に作用する遠心力が重力以上となるような回転速度(65rpm以上)でドラム4を回転させた時には、貯液槽86内の液体が遠心力で外周面板83の内周面に張りついて、各貯液槽86内に液体が貯留された状態が保持され、液体に作用する遠心力が重力を超えないような回転速度でドラム4を回転させた時には、上方の貯液槽86内の液体が開口88から流出し、その流出した液体が下方の貯液槽86に開口88から流入する。つまり、バランス調整部材8内の液体に作用する遠心力と重力とが釣り合う一定の回転速度以上でドラム4を回転させることにより、バランス調整部材8内での液体の移動を阻止することができ、ドラム4を上記一定の回転速度未満で回転させることにより、各貯液槽86間での液体の移動を生じさせることができる。
【0025】
図4は、このドラム式洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。このドラム式洗濯機は、CPU91、RAM92、ROM93およびA/D変換器94などを含む構成のマイクロコンピュータ9を有している。
マイクロコンピュータ9には、ユーザによって操作される操作ボタンが配置された操作部101と、この操作部101の操作内容や洗濯行程の進行具合などの情報を表示するための表示部102と、注水弁74および排水弁77を駆動するためのバルブ駆動部103と、モータ6に駆動電圧を供給するためのインバータ回路を含むインバータ制御部104と、モータ6が一定角度回転する度にパルス信号を出力するホールセンサ61とが接続されている。
【0026】
また、マイクロコンピュータ9は、プログラム処理によってソフトウエア的に実現される複数の機能処理部を有している。複数の機能処理部には、ドラム4の目標回転速度を設定し、その設定した目標回転速度に応じた駆動電圧がモータ6に供給されるようにインバータ制御部104をフィードバック制御する回転速度制御部95、一定の駆動電圧がモータ6に供給されるようにインバータ制御部104を制御する電圧固定制御部96、回転速度制御部95による制御と電圧固定制御部96による制御とを切り換える制御切替部97、ホールセンサ61が出力するパルス信号に基づいて、ドラム4に生じている偏心荷重の大きさおよび位置を検出する偏心荷重検出部98、およびホールセンサ61が出力するパルス信号に基づいて、ドラム4内に収容されている洗濯物の重量(負荷重量)を検出する負荷重量検出部99が含まれている。
【0027】
図5は、脱水時の概略的な処理の流れを示す図である。また、図6および図7は、脱水時にマイクロコンピュータ9によって行われる具体的な処理の内容を示すフローチャートである。洗濯物の脱水は、たとえば、洗濯物の洗いおよびすすぎが終了した後に行われる。
脱水が開始されると、まず、マイクロコンピュータ9のRAM92に設けられたエラーカウンタおよび電圧固定回数カウンタのカウント値が零にリセットされる(図6のステップS1,S2)。その後、回転速度制御部95による制御の下、ドラム4の目標回転速度が、ドラム4内の洗濯物に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度(65rpm)よりも少し大きい70rpmまで、2秒ごとに0→50→60→70rpmと段階的に上げられる(ステップS4,S5,S6)。これにより、すすぎ終了時の排水によって団子状態となった洗濯物が、徐々にほぐされながらドラム4の周面壁42に張りついていく。そして、ドラム4の回転速度が70rpmに達した時には、洗濯物がドラム4の周面壁42にある程度分散して張りついた状態となる。したがって、このドラム4を70rpmまで段階的に加速していく行程は、すすぎ後の洗濯物(衣類)をほぐすための衣類ほぐし行程と言うことができる。
【0028】
また、ドラム4の回転速度が徐々に上げられていくことにより、バランス調整部材8内の液体が各貯液槽86にまんべんなく分配されていき、ドラム4の回転速度が70rpmに達した時には、図8(a)に示すように、各貯液槽86にほぼ均一に液体が貯留された状態となる。
ドラム4の回転速度が70rpmに達すると、電圧固定制御によるドラム4の回転方向の重量バランス調整が行われる(ステップS7)。具体的には、ドラム4の回転速度が70rpmに達すると、回転速度制御部95による制御から電圧固定制御部96による制御に切り換えられて、モータ6への供給電圧が、予め定める電圧値(たとえば、45ボルト)に8秒間だけ固定される。予め定める電圧値は、たとえば、ドラム4の回転速度が70rpmに達した後、その回転速度でドラム4を回転し続ける際にモータ6に供給される駆動電圧の平均値に設定されている。
【0029】
モータ6への供給電圧が固定されている状態では、ドラム4の回転速度(回転数)は、図9に示すように、ドラム4に生じている偏心荷重の位置に応じて変動する。すなわち、モータ6への供給電圧が固定されている状態では、モータ6の出力トルクは一定であるから、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重がドラム4に生じていると、モータ6の回転速度は、偏心荷重が最下位置に到達した時に極大値となり、偏心荷重が最上位置に到達した時に極小値となる正弦波状に変動し、その変動の振幅は、偏心荷重の大きさにほぼ比例する。
【0030】
たとえば、1000gの偏心荷重がドラム4に生じている場合、ドラム4の回転速度は、ドラム4が1回転する間において、ドラム4の最上位置(最下位置)に対して回転方向前後の90度の位置に偏心荷重が存在するときに約70rpmとなり、偏心荷重が最上位置に達した時には約62rpmまで下がり、偏心荷重が最下位置に達した時には約78rpmまで上がるような変動を示す。
上記したように、ドラム4の回転速度が65rpmを下回ると、バランス調整部材8内において、上方の貯液槽86内の液体が開口88から流出し、その流出した液体が下方の貯液槽86に開口88から流入するといった液体の移動が生じる。これにより、1000gの偏心荷重がドラム4に生じている場合には、偏心荷重がドラム4の最上位置の近傍(最上位置を含む90度の角度範囲内)に存在している時に、図8(b)に示すように、偏心荷重の位置の近傍の貯液槽86から液体が流出し、その流出した液体が偏心荷重に対向する位置の近傍の貯液槽86に流入するといった液体の移動を生じる。この結果、図8(c)に示すように、偏心荷重の位置の近傍の貯液槽86内の液体量が少なくなる一方で、偏心荷重に対向する位置の近傍の貯液槽86内の液体量が多くなり、これにより生じる偏心荷重によって、洗濯物の偏在が原因でドラム4に生じている偏心荷重が打ち消されて小さくなる。
【0031】
ドラム4に生じている偏心荷重が700gに下がると、図7に示すように、ドラム4の回転速度は、偏心荷重が最上位置に達した時に約65rpmまで下がり、偏心荷重が最下位置に達した時に約75rpmまで上がるような正弦波状の変動を示すようになる。こうなると、それ以降は、ドラム4の回転速度が65rpmを下回らないから、バランス調整部材8内での液体の移動はなくなり、偏心荷重が700g以下に下がった状態に保持される。
【0032】
電圧固定制御によるバランス調整の後は、回転速度制御部95によってドラム4の回転速度が70rpmに制御され、この状態で偏心荷重検出部98による偏心荷重量の検出が行われる。
上記したように、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重がドラム4に生じていると、ドラム4の回転速度は、正弦波状に変化し、偏心荷重が最下位置に到達した時に極大値となり、偏心荷重が最上位置に到達した時に極小値となる。このようなドラム4の回転速度の変動は、回転速度制御部95によるモータ6の回転速度制御が行われている時でも少しは現れる。ドラム4の回転速度の変動の振幅は、偏心荷重量に対応し、一方で、ドラム4が1回転する間に現れるパルス間隔の極大値と極小値との差(極大−極小値差)に比例している。偏心荷重検出部98には、偏心荷重量とパルス間隔の極大−極小値差との関係が予め求められて記憶されており、偏心荷重検出部98は、この関係に従って、その時の極大−極小値差からドラム4に生じている偏心荷重量を求める。
【0033】
偏心荷重検出部98によって偏心荷重量が検出されると、その検出された値が予め定められた第1の閾値である700g以下であるか否かが調べられる(ステップS8)。偏心荷重量が700gよりも大きい場合には、電圧固定回数カウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて(ステップS9)、そのインクリメント後のカウント値が3以下であるか否かが調べられる。そして、カウント値が3以下であれば、ドラム4(モータ6)が一旦回転停止された後(ステップS11)、ドラム4の回転速度が0から70rpmまで段階的に上げられて、ドラム4の回転速度が70rpmに達すると、電圧固定制御によるバランス調整が再び行われる(ステップS4〜S8)。
【0034】
このようにして電圧固定制御によるバランス調整が行われる度に、電圧固定回数カウンタのカウント値がインクリメントされていく。電圧固定回数カウンタのカウント値が4になる前に、電圧固定制御によるバランス調整後の偏心荷重量が700g以下になると、ドラム4の回転速度が70rpmから100rpmに上げられる(図9のステップS12)。このとき、上述の電圧固定制御によるバランス調整によって偏心荷重が小さくされているから、ドラム4の回転速度が100rpmに上げられても、偏心荷重に起因する外槽2の振動やその振動に伴う騒音を発生するおそれがない。
【0035】
ドラム4の回転速度が100rpmに達した後、負荷重量検出部99による負荷重量の検出が行われる(ステップS13)。具体的には、ドラム4の目標回転速度が100rpmから70rpmに減速され、その減速指令から一定時間(たとえば、0.1秒間)が経過した時のホールセンサ61のパルス信号の出力間隔(パルス間隔)が検出される。負荷重量検出部99には、ドラム4の目標回転速度が100rpmから70rpmに減速され、その減速指令から上記一定時間が経過した時点におけるパルス間隔と負荷重量との関係が予め求められて記憶されており、負荷重量検出部99は、パルス間隔を検出すると、この関係に従って、ドラム4に収容されている洗濯物の重量である負荷重量を求める。
【0036】
また、ドラム4の回転速度が大きいほど、ホールセンサ61から出力されるパルス信号の出力間隔は短くなることから、パルス間隔が最も短い時に偏心荷重が最下位置に存在し、パルス間隔が最も長い時に偏心荷重が最上位置に存在していると検出することができるる。
この後、負荷重量検出部99によって検出された負荷重量に応じて、G−Fall制御によるバランス調整を行うべきか否かを判定する際の閾値A(g)と1000rpmまで加速するか否かを判定する際の閾値B(g)とが設定される(ステップS14)。また、マイクロコンピュータ9のRAM92に設けられたGFカウンタのカウント値が零にリセットされる(ステップS15)。
【0037】
つづいて、偏心荷重検出部98によって、ドラム4に生じている偏心荷重量および偏心荷重位置の検出が行われる。そして、偏心荷重検出部98によって検出された偏心荷重量が、負荷重量に応じて設定された閾値A以下であるか否かが調べられる(ステップS16)。偏心荷重量が閾値Aよりも大きい場合には、G−Fall制御によるバランス調整が行われる(ステップS17)。具体的には、ドラム4の回転速度が、偏心荷重検出部98によって検出された偏心荷重の位置に応じたタイミングで短時間だけ、100rpmから50rpmに急減速される。これにより、偏心荷重の位置の近傍の貯液槽86から液体が流出し、その流出した液体が偏心荷重に対向する位置の近傍の貯液槽86に流入する。その結果、バランス調整部材8内の液体がドラム4に生じている偏心荷重位置に応じて偏在し、ドラム4の回転方向の重量バランスがより良好に調整される。
【0038】
G−Fall制御によるバランス調整の後、偏心荷重検出部98による偏心荷重量および偏心荷重位置の検出が再び行われて、偏心荷重量が負荷重量に応じて設定された閾値以下になったかどうかが調べられる(ステップS18)。偏心荷重量が閾値Aよりもまだ大きい場合には、GFカウンタのカウント値がインクリメント(+1)されて(ステップS19)、そのインクリメント後のカウント値が5以下であるか否かが調べられる(ステップS20)。そして、カウント値が5以下であれば、G−Fall制御によるバランス調整が再び行われる(ステップS17)。
【0039】
G−Fall制御によるバランス調整が行われる度に、GFカウンタのカウント値がインクリメントされていく。GFカウンタのカウント値が6になる前に、偏心荷重の大きさが閾値A以下になれば、ドラム4の回転速度が100rpmから400rpmに上げられて、洗濯物を軽く脱水する前脱水が行われる(ステップS21)。
前脱水が所定時間(たとえば、10秒間)に渡って行われると、つづいて、偏心荷重検出部98による偏心荷重量の検出が行われ、前脱水後の偏心荷重量が負荷重量に応じて決定された第2の閾値B以下であるか否かが調べられる(ステップS22)。偏心荷重量が閾値Bよりも大きい場合には、ステップS12に戻って、ドラム4の回転速度が100rpmに下げられて、ステップS12〜S23の処理が再び行われる。一方、偏心荷重量が閾値B以下であれば、ドラム4の回転速度が予め定める脱水回転速度である1000rpmまで上げられて、ドラム4の高速回転による洗濯物の脱水(本脱水)が行われる(ステップS23)。この本脱水が所定時間(たとえば、3分間)に渡って行われると、脱水終了であり、ドラム4が回転停止される(ステップS24)。
【0040】
なお、電圧固定制御によるバランス調整が繰り返し行われて、電圧固定回数カウンタのカウント値が4になった場合、および、G−Fall制御によるバランス調整が繰り返し行われて、GFカウンタのカウント値が6になった場合には、エラーカウンタのカウント値がインクリメント(+1)される(ステップS25)。そして、図6のステップS2に戻って、電圧固定回数カウンタのカウント値が零にリセットされた後、エラーカウンタのカウント値が3以下であるか否かが調べられる。エラーカウンタのカウント値が3以下であれば、上述したステップS4以降の処理が行われる。一方、エラーカウンタのカウント値が4よりも大きい場合には、洗濯物が団子状態となってほぐれないといったような異常が発生していると判断されて、その異常が発生している旨を表すエラー表示が表示部102に出されて(ステップS26)、脱水は強制的に終了される。
【0041】
以上のように、この実施形態によれば、ドラム4の回転を脱水回転速度まで立ち上げていく過程において、ドラム4の回転速度が70rpmに達すると、電圧固定制御によるバランス調整が行われる。これにより、ドラム4の回転方向の重量バランスが適当に調整されるから、その後にドラム4の回転速度が100rpmに上げられても、偏心荷重に起因する外槽2の大きな振動やそれに伴う騒音を発生するおそれがない。
【0042】
ドラム4の回転速度を70rpmから100rpmに上げた時に振動および騒音が発生するのを防止するために、ドラム4の回転速度が70rpmの時に、G−Fall制御によるバランス調整を行うことが考えられる。しかしながら、G−Fall制御によるバランス調整には、偏心荷重量および偏心荷重位置の検出が必要であり、また、その検出結果に応じた複雑なドラムの回転速度制御を行わなければならない。そのため、ドラム4の回転速度を脱水回転速度まで立ち上げるのに時間がかかり、一連の洗濯行程に要する時間が長くなるという問題を招くおそれがある。
【0043】
これに対し、電圧固定制御によるバランス調整は、偏心荷重量および偏心荷重位置の検出を必要とせず、モータ6への供給電圧を一定にするという単純な制御で達成されるから、G−Fall制御によるバランス調整に比べて短時間ですむ。したがって、この実施形態に係るドラム式洗濯機では、洗濯行程に要する時間が長くなるという問題を招くことなく、ドラム4の回転速度を70rpmから100rpmに上げた時における振動および騒音の発生が抑制される。
【0044】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、電圧固定制御によるバランス調整を行う時期は、ドラム4の回転速度が70rpmの時には限らず、電圧固定制御によるバランス調整の後の行程(ドラム4を100rpmで回転させる行程)で許容される偏心荷重量に応じて変更されるとよい。たとえば、電圧固定制御によるバランス調整後の行程で許容される偏心荷重量が700gよりも小さい場合には、ドラム4の回転速度が70rpmよりも小さい状態の時に、電圧固定制御によるバランス調整が行われるとよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、ドラム4の端面壁41L,41Rのそれぞれ外側の面に液体封入型のバランス調整部材8が取り付けられているとしたが、バランス調整部材8は、端面壁41L,41Rのそれぞれ内側の面に設けられていてもよいし、端面壁41L,41Rの一方の外側または内側の面だけに設けられていてもよい。バランス調整部材8が端面壁41L,41Rの一方に設けられる場合、バランス調整部材8は、モータ6が設けられている側とは反対側の端面壁41Lに設けられることが好ましい。ドラム4内における洗濯物の偏在は、モータ6が設けられている側とは反対側の端面壁41L付近に生じやすく、この端面壁41Lにバランス調整部材8を設けることにより、洗濯物の偏在に起因する偏心荷重を良好に補償することができる。
【0046】
さらには、液体封入型のバランス調整部材8に代えて、または、液体封入型のバランス調整部材8とともに、ドラム4の端面壁41L,41Rの少なくとも一方に、それぞれドラム4の回転軸線に向けて開いた開口を有する複数の貯液箱が、ドラム4の回転軸線を中心とする円周上に並べて設けられてもよい。この場合、ドラム4の回転を70rpmまで立ち上げる過程において、各貯液箱に水等の液体を供給して、すべての貯液箱に液体が満たされた状態にし、その後で電圧固定制御によるバランス調整を行うようにすればよい。
【0047】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るドラム式洗濯機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面図である。
【図2】上記ドラム式洗濯機を左右方向に沿った鉛直面で切断したときの断面図である。
【図3】バランス調整部材の構成について説明するための断面図である。
【図4】上記ドラム式洗濯機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】脱水時の概略的な処理の流れを示す図である。
【図6】脱水時に行われる具体的な処理の内容を示す第1のフローチャートである。
【図7】脱水時に行われる具体的な処理の内容を示す第2のフローチャートである。
【図8】電圧固定制御によるバランス調整の仕組みについて説明するための図解的な断面図である。
【図9】ドラムの回転数(回転速度)と回転角度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
4 ドラム
6 モータ
8 バランス調整部材
9 マイクロコンピュータ
51L 回転軸
51R 回転軸
86 貯液槽
88 開口
95 回転速度制御部
96 電圧固定制御部
98 偏心荷重検出部
Claims (4)
- 洗濯物を収容するためのドラムを有し、このドラムをほぼ水平な回転軸線まわりに回転させて、そのドラム内に収容されている洗濯物の遠心脱水を実行するドラム式洗濯機であって、
上記ドラムに固定され、回転軸線を中心とする円周上にほぼ等間隔で複数設けられた貯液槽であって、それぞれ上記回転軸線に臨んだ開口を有し、内部に入った液体に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度以上で上記ドラムを回転させることにより、各貯液槽間の液体の移動を阻止することができ、上記ドラムを上記回転速度未満で回転させることにより、各貯液槽間での液体の移動を生じさせることのできる複数の貯液槽と、
上記ドラムを回転させるためのドラム回転用モータと、
遠心脱水のために上記ドラムの回転を立ち上げる過程で、上記各貯液槽にほぼ均一に液体が貯留された状態となるドラム回転速度に達したとき、上記ドラム回転用モータへの供給電圧を一時的に一定電圧に固定して、この時に生じる上記ドラムの回転速度むらにより上記各貯液槽内の液量を調整する電圧固定制御手段と
を含むことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさおよび位置を検出する手段と、
上記電圧固定制御手段によって上記各貯液槽内の液量が調整された後に、上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさが所定の閾値よりも大きい場合に、その偏心荷重の位置に応じたタイミングで上記ドラムの回転速度を上記貯液室内の液体に作用する遠心力が重力よりも小さくなる回転速度に一時的に減速させて、上記各貯液槽内の液量をさらに調整する回転速度制御手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。 - 洗濯物を収容するためのドラムを有し、このドラムをほぼ水平な回転軸線まわりに回転させて、そのドラム内に収容されている洗濯物の遠心脱水を実行するドラム式洗濯機における脱水時の振動軽減方法であって、
上記ドラム式洗濯機は、上記ドラムに固定され、回転軸線を中心とする円周上にほぼ等間隔で複数設けられた貯液槽であって、それぞれ上記回転軸線に臨んだ開口を有し、内部に入った液体に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速度以上で上記ドラムを回転させることにより、各貯液槽間の液体の移動を阻止することができ、上記ドラムを上記回転速度未満で回転させることにより、各貯液槽間での液体の移動を生じさせることのできる複数の貯液槽を備えており、
遠心脱水のために上記ドラムの回転を立ち上げる過程で、上記各貯液槽にほぼ均一に液体が貯留された状態となるドラム回転速度に達したとき、ドラム回転用モータへの供給電圧を一時的に一定電圧に固定して、この時に生じる上記ドラムの回転速度むらにより上記各貯液槽内の液量を調整する電圧固定制御ステップを含むことを特徴とする脱水時の振動軽減方法。 - 上記電圧固定制御ステップで上記各貯液槽内の液量が調整された後に、上記ドラムに生じている偏心荷重の大きさが所定の閾値よりも大きい場合に、その偏心荷重の位置に応じたタイミングで上記ドラムの回転速度を上記貯液室内の液体に作用する遠心力が重力よりも小さくなる回転速度に一時的に減速させて、上記各貯液槽内の液量をさらに調整する回転速度制御ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の脱水時の振動軽減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002035735A JP3754377B2 (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002035735A JP3754377B2 (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003230788A JP2003230788A (ja) | 2003-08-19 |
JP3754377B2 true JP3754377B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=27777838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002035735A Expired - Fee Related JP3754377B2 (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3754377B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007111239A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Hitachi Appliances Inc | 洗濯乾燥機 |
CN111850970B (zh) * | 2019-04-18 | 2022-11-25 | 重庆海尔滚筒洗衣机有限公司 | 一种滚筒洗衣机及其控制方法 |
WO2020238611A1 (zh) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 青岛海尔滚筒洗衣机有限公司 | 一种洗衣机 |
CN114059279B (zh) * | 2020-07-30 | 2023-03-31 | 广东美的白色家电技术创新中心有限公司 | 控制方法、家用电器及计算机可读存储介质 |
-
2002
- 2002-02-13 JP JP2002035735A patent/JP3754377B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003230788A (ja) | 2003-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101287536B1 (ko) | 세탁기 및 그 제어방법 | |
EP1950336B1 (en) | Washing machine with balancers and control method thereof | |
AU2001225542B2 (en) | Drum type washing machine and its control method | |
JP4306880B2 (ja) | 洗濯機 | |
EP1143059B1 (en) | Washing machine with balancer | |
US6782722B2 (en) | Drum washing machine | |
ITMI20010657A1 (it) | Macchina lavatrice del tipo a tamburo | |
KR20080040944A (ko) | 세탁기 및 그 제어방법 | |
US20040083774A1 (en) | Washing machine | |
CN110678598B (zh) | 洗涤物处理设备的脱水程序控制方法 | |
KR102604224B1 (ko) | 세탁기 제어방법 | |
JP3754377B2 (ja) | ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯機における脱水時の振動低減方法 | |
EP1391549A1 (en) | Washing machine | |
JP4307335B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP4271021B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2009078177A (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP3510840B2 (ja) | 洗濯機 | |
JP2005348804A (ja) | ドラム式洗濯機 | |
KR101138882B1 (ko) | 세탁기 및 그 탈수제어방법 | |
JP7538785B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
CN113286921B (zh) | 立式洗衣机 | |
JPH09140986A (ja) | 遠心脱水装置 | |
JP4115141B2 (ja) | ドラム式洗濯機 | |
JP2002085889A (ja) | 洗濯機 | |
JP2003093787A (ja) | ドラム式洗濯機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050531 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051215 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |