JP2002085889A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP2002085889A
JP2002085889A JP2000282351A JP2000282351A JP2002085889A JP 2002085889 A JP2002085889 A JP 2002085889A JP 2000282351 A JP2000282351 A JP 2000282351A JP 2000282351 A JP2000282351 A JP 2000282351A JP 2002085889 A JP2002085889 A JP 2002085889A
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JP
Japan
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water
drum
storage tank
water supply
washing machine
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Application number
JP2000282351A
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English (en)
Inventor
Komei Noguchi
孔明 野口
Hiroshi Yamamoto
宏 山本
Takao Kinouchi
隆生 紀之内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脱水立上げ時に大きな振動が生じる。 【解決手段】ドラム3の後壁に、後方から貯水槽8をと
りつける。貯水槽8の周壁23には、注排水バルブ16
を備えた注排水口25を設ける。脱水時には注排水口2
5から水Wを注水し、これを遠心力により保持させる。
その後、偏心荷重位置に応じたタイミングでドラム3を
一時的に減速し、偏心荷重と同位置または近傍に位置す
る区画室27a、27b、27cから水Wを落下させる
ことにより、バランス調整を行う。脱水後は注排水口2
5から水Wを排水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心脱水機能を備
えた洗濯機に関し、特に、水平軸を中心に回転するドラ
ムを有するドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機は、外槽内に略水平方向
に延びる回転軸を中心に回転するドラムを備えており、
このドラム内に洗濯物が収容されるようになっている。
この種のドラム式洗濯機では、脱水時、ドラム内に収容
された洗濯物の偏在によって偏心荷重が生じ、振動や振
動に伴う騒音が発生する場合がある。特に、脱水立上げ
時には大きな振動が生じるおそれがある。
【0003】そこで、従来より、このような洗濯物の偏
在に起因する振動を軽減するために、ドラム内に水を貯
めて洗濯物をほぐすほぐし処理を脱水前に行ったり、偏
った洗濯物により生じた偏心荷重を吸収できるダンパで
外槽を支持する等の対策が講じられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の方法に
よって、脱水立上げ時に生じる振動を軽減することはで
きるが、脱水中の振動の軽減が不十分で、さらに振動を
少なくした洗濯機が望まれていた。本発明は、かかる背
景のもとでなされたもので、ドラム内で洗濯物が偏るこ
とを積極的に利用して、洗濯物が偏った状態で脱水を行
っても振動や騒音がほとんど生じない洗濯機を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するための請求項1記載の発明は、外槽内に設
けられ、略水平方向に延びる回転軸により回転自在に保
持されたドラムを高速で回転させることによって、ドラ
ム内に収容されている洗濯物の遠心脱水を実行する洗濯
機であって、上記外槽内へ水を供給するための給水口
と、上記回転軸を中心に上記ドラムと一体的に回転する
環状槽であって、内部に貯められた液体を偏在させるこ
とにより、洗濯物の偏在により生じる偏心荷重を打ち消
すための貯液槽とを含むことを特徴とする洗濯機であ
る。
【0006】この構成によれば、洗濯物により生じる偏
心荷重を貯水槽に貯められた液体の偏心荷重により打ち
消すことができるので、ドラム全体としてみると、ほと
んど偏心荷重は生じない。これにより、洗濯物が偏った
状態で脱水を行っても、振動や振動に伴う騒音がほとん
ど発生しない。また、請求項2記載の発明は、上記貯液
槽は、脱水時に、上記給水口に対向する位置で給水口か
ら供給される水を貯液槽内に注水するために開閉する注
水口と、脱水後に、貯液槽内に貯まった水を排水するた
めに開閉する排水口とを含むことを特徴とする請求項1
記載の洗濯機である。
【0007】この構成によれば、脱水時にのみ貯液槽に
水が貯められ、脱水時以外は水が排水されているので、
脱水時以外の洗濯機の重量を軽くすることができると共
に、洗濯時などの低速度回転の際に、貯液槽内の水が遊
動することにより異音が発生するのを防止できる。ま
た、請求項3記載の発明は、上記注水口および排水口
は、1つの注排水口により構成され、上記貯液槽には、
上記注排水口を開閉させるための注排水弁が備えられて
いることを特徴とする請求項2記載の洗濯機である。
【0008】この構成によれば、注水および排水を1つ
の注排水口により行うことができるので、簡単な構成と
することができる。また、注排水弁により、注排水口を
確実に開閉させることができる。また、請求項4記載の
発明は、上記貯液槽には、上記注排水弁が配置された位
置と上記回転軸に対して点対称の位置に、上記注排水弁
と同じ重さのおもりが備えられていることを特徴とする
請求項3記載の洗濯機である。
【0009】この構成によれば、貯液槽内に水が貯めら
れていない状態では、貯液槽に偏心荷重が発生しない。
したがって、貯液槽内に水を貯めずに行う予備脱水時な
どに、貯液槽の偏心荷重により振動が発生することがな
い。また、請求項5記載の発明は、上記貯液槽は、その
外径が上記ドラムの内径よりも小さいことを特徴とする
請求項1ないし4のいずれかに記載の洗濯機である。
【0010】この構成によれば、貯液槽内の液体よりも
ドラム内の洗濯物に対してより大きな遠心力が作用す
る。したがって、ドラムを短時間だけ所定回転速度まで
減速させることにより、ドラム内の洗濯物は落下させず
に貯液槽内の液体のみを落下させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、本発
明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発
明の一実施形態にかかるドラム式洗濯機の全体構成を示
す縦断面図である。筐体1の内部には円筒状の外槽2が
配置され、外槽2内部には洗濯物を収容するための円筒
状のドラム3が略水平方向に延びた回転軸7に軸支され
ている。ドラム3の前面開口には洗濯物投入用の蓋5が
開閉可能に設けられており、ドラム3の周壁17の内周
面17aには洗濯物を掻き上げるためのバッフル(図示
せず)が適宜の位置に取り付けられている。また、ドラ
ム3の周壁17には多数の通水孔4が穿孔されており、
洗浄やすすぎ時に外槽2内に供給された水はこの通水孔
4を通ってドラム3内に流入し、遠心脱水時にドラム3
内の洗濯物から吐き出された水はこの通水孔4を通って
外槽2側へ飛散する。
【0012】回転軸7は外槽2に回転自在に保持されて
いて、回転軸7の後端部にはプーリ9が取り付けられて
いる。外槽2の底部後方にはモータ12が配置され、モ
ータ12の出力軸にはモータプーリ18が取り付けられ
ている。このモータプーリ18の回転動力はVベルト1
0を介してプーリ9に伝達されるようになっている。脱
水時には、モータ12の駆動力によってドラム3が回転
軸7を中心として所定方向に高速回転され、ドラム3内
の洗濯物が遠心力により脱水される。
【0013】洗い時やすすぎ時に使用される水は、筐体
1の後壁1bの上端部に設けられた給水管接続部14か
ら給水管6を通り、外槽2の上部後方から外槽2内に入
り込んだ給水口19を介して外槽2内に供給される。給
水管6の途中部には給水バルブ15が配置されており、
この給水バルブ15が開かれると外槽2内に水が供給さ
れるようになっている。外槽2の底部前方には排水口2
0が設けられており、外槽2内に貯められた水は、排水
バルブ13により開閉される排水管21を通って、筐体
1の後壁1bの下端部に配置された排水管接続部11か
ら機外へと排出されるようになっている。
【0014】ドラム3の後壁22には、後方から貯水槽
8が取り付けられている。図5および図6を参照して、
貯水槽8は環状中空体からなる環状槽であって、内部に
貯められた水を偏在させることにより、洗濯物の偏在に
より生じる偏心荷重を打ち消すためのものである。貯水
槽8の周壁23の内周面23aからは断面略L字形状の
隔壁24が所定角度間隔で中心に向かって突出してい
る。この隔壁24は、貯水槽8内に貯められた水Wが自
由に移動するのを妨げている。すなわち、貯水槽8内の
水に作用する遠心力が重力に勝る回転速度でドラム3が
回転されると、隣接する隔壁24の間に形成される区画
室27内において、水Wは周壁23の内周面23a側に
張り付き、他の区画室27へ移動することがない。
【0015】隣接する隔壁24間には、ドラム3の中心
に向かって開口28が形成されている。後に詳述する
が、ドラム3の回転を減速することにより、区画室27
内の水Wを開口28を介して流出/流入させ、各区画室
27間での水Wの移動を生じさせることができる(図6
(c)参照)。貯水槽8の周壁23には、例えば電磁弁
からなる注排水バルブ16を備えた注排水口25が設け
られている。注排水口25は、上方を向いたとき給水口
19と対向するようになっている。この状態で、注排水
バルブ16が開かれると共に給水バルブ15が開かれる
と、給水口19から注排水口25を通って貯水槽8内に
水が注がれる。貯水槽8内の水を排出する際には、貯水
槽8内の水に作用する遠心力が重力より小さくなる回転
速度でドラム3を回転させた状態で注排水バルブ16が
開かれることにより、貯水槽8内の水が注排水口25を
通って外槽2側へと排出される。
【0016】本実施形態では、注水および排水を1つの
注排水口25により行うことができるので、簡単な構成
とすることができる。また、注排水バルブ16により、
注排水口25を確実に開閉させることができる。ただ
し、注排水バルブ16は電磁弁に限られるものではな
い。貯水槽8の周壁23の内周面23aには、注排水バ
ルブ16が配置された位置と回転軸7に対して点対称の
位置に、該注排水バルブ16と同じ重さのおもり26が
配置されている(図5、図6参照)。このおもり26に
より、貯水槽8内に水が貯められていない状態では、貯
水槽8に偏心荷重が発生しない。したがって、貯水槽8
内に水を貯めずに行う予備脱水時などに、貯水槽8の偏
心荷重により振動が発生することがない。ただし、おも
り26は省略してもよい。この場合、貯水槽8内に水が
貯められていない状態で、貯水槽8に偏心荷重が発生し
ないように貯水槽8を設計すればよい。
【0017】図1を再び参照して、外槽2の上部前方に
は、加速度センサ29が配置されている。加速度センサ
29は主に外槽2の上下方向の加速度を検知するための
ものである。加速度センサ29の検知結果に基づいて、
ドラム3全体の偏心荷重の大きさおよび位置を求めるこ
とができる。ただし、偏心荷重の大きさおよび位置は、
加速度センサ29に限らず、例えばモータ12に流れる
電流を検知するトルク電流センサや外槽2の重量変化を
検知する重量センサなどを用いて求められてもよい。
【0018】図2は、ドラム式洗濯機の電気的構成を示
すブロック図である。全体の制御を司るマイクロコンピ
ュータ30は、CPU34、A/D変換器35、RAM
36、ROM37等を含んで構成されており、ROM3
7には、各洗濯工程を進めるための運転プログラムが予
め格納されている。マイクロコンピュータ30には、操
作部40、表示部41、バルブ駆動部42、インバータ
制御部43、加速度センサ29などが接続されている。
【0019】操作部40は、例えば筐体1の前面に設け
られた操作パネルを含み、使用者による操作に応じた入
力信号をマイクロコンピュータ30に与える。表示部4
1は、同様に、例えば筐体1の前面に設けられた表示パ
ネルを含み、操作に対応した情報や運転状況等に関連す
る情報を表示する。バルブ駆動部42には排水バルブ1
3、給水バルブ15、注排水バルブ16が接続されてお
り、マイクロコンピュータ30からの出力信号がバルブ
駆動部42を介して各バルブ13、15、16に与えら
れることにより、各バルブ13、15、16が開閉され
るようになっている。
【0020】マイクロコンピュータ30は、機能的に回
転速度制御部31および偏心荷重測定部32を含んでい
る。回転速度制御部31は、回転速度指示信号をインバ
ータ制御部43に送出し、インバータ制御部43は、こ
の指示信号をPWM信号に変換して、このPWM信号に
応じた駆動電圧をモータ12に印加する。これにより、
モータ12は所望の回転速度で回転し、ドラム3は予め
定められた減速比で減速されて回転する。
【0021】ドラム3全体として偏心荷重が生じている
と、ドラム3が1回転する間に、加速度センサ29によ
り検出される加速度成分は、洗濯物の偏在に起因する偏
心荷重に応じて変動する。図3は、偏心荷重による加速
度成分の変動の一例を示す波形図である。加速度成分の
最小ピークAminは、ドラム3の1回転期間内において
偏心荷重の原因である洗濯物を重力に抗してドラム3の
上方に持ち上げようとするときに現れる。したがって、
通常、ドラム3内の最高位置に対して回転方向手前側の
約90°の角度範囲に偏心荷重が存在するときに最小ピ
ークAminが出現する。この特性を利用して、ドラム3
全体の偏心荷重の位置を検出することができる。
【0022】一方、加速度成分の変動振幅、つまり最大
ピーク値と最小ピーク値の差(Amax−Amin)は、偏心
荷重の大きさを反映している。そこで、ドラム3に生じ
る偏心荷重と、加速度成分の変動振幅との関係を予め調
べておき、加速度成分の変動振幅から偏心荷重が所定の
許容量であることを判定するための判定基準値を予め設
定することにより、加速度成分の変動振幅に基づいてド
ラム3全体に生じる偏心荷重を求めることができる。具
体的な動作としては、偏心荷重測定部32は、加速度セ
ンサ29から図3に示すような波形を受け取ると、ドラ
ム3の1回転期間中の最大ピークAmax、最小ピークAm
inをそれぞれ検出し、その両ピークAmax、Aminの差か
ら変動振幅を求め、その変動振幅を上記判定基準と比較
することにより、ドラム3全体に生じる偏心荷重が許容
値以下であるか否かを判断する。
【0023】図4は、脱水工程時のマイクロコンピュー
タ30による制御動作を示すフローチャートである。ま
た、図5および図6は、ドラム回転時の貯水槽8の状態
を示す模式図である。脱水工程が開始されると、注排水
バルブ16が閉じられると共に、300rpm程度の回
転速度でドラム3を回転させるべくモータ12の回転が
制御される(ステップS1)。この回転速度は、ドラム
3内の洗濯物に含まれる水が遠心力によって適度に飛散
され、しかも、洗濯物の偏在による偏心荷重があって
も、ドラム3や外槽2の振動が許容できる程度に収まる
ような回転速度である。すなわち、これにより洗濯物が
予備的に脱水される。この予備脱水で、ある程度の脱水
を行っておくことにより、ドラム3を高速度で回転させ
て脱水を行う際に脱水率の相違による偏心荷重の増加や
位置のずれなどを軽減することができる。また、洗濯物
をドラム3の周壁17の内周面17aに張り付かせるこ
とができるので、この後に行われるバランス調整時に、
重力により洗濯物の位置がずれるのを防止できる。
【0024】予備脱水後、貯水槽8の注排水バルブ16
が真上に位置した地点でドラム3の回転が停止される
(ステップS2、図5(a)参照)。この状態では、給
水口19と注排水口25とが対向している。次に、注排
水バルブ16が開かれると共に給水バルブ15が開かれ
る。給水管6を通って所定量の水が注排水口25から貯
水槽8内に注がれた後、注排水バルブ16および給水バ
ルブ15が閉じられる(ステップS3)。
【0025】本実施形態では、貯水槽8は環状槽である
ので、ドラム3の回転を停止させて内部に水を注ぐこと
ができ、一定量の水を確実に注水することができる。こ
の構成は、特に径の小さいドラム3に有利である。径が
小さいドラム3の場合、貯水槽8内の水に作用する遠心
力が重力に勝るようにしようとすると、ある程度高い回
転速度でドラム3を回転させなければならない。貯水槽
8が環状槽ではなく、各貯水室が独立したいわゆる排水
型の貯水槽の場合、上述の高い回転速度で回転させなが
ら水を注水しなければならず、注水に時間がかかると共
に注水しにくい。
【0026】貯水槽8に水が注がれた後、ドラム3が3
0rpm程度の回転速度で回転される(ステップS4、
図5(b)参照)。この回転速度は、貯水槽8内の水W
に作用する遠心力が重力よりも小さい回転速度であっ
て、ドラム3を該回転速度で暫時回転させることによ
り、貯水槽8内の水Wを各区画室27に満遍なく分配す
ることができる。この状態では、貯水槽8による偏心荷
重はなくなり、洗濯物の偏在のみによる偏心荷重がドラ
ム全体の偏心荷重となる。
【0027】その後、ドラム3は100rpm程度の回
転速度で回転される(ステップS5)。この回転速度
は、洗濯物に作用する遠心力と重力とが均衡する回転速
度よりも僅かに大きい回転速度である。したがって、こ
の後行われる偏心荷重の検知(ステップS6)の際に、
振動の少ない低速度で偏心荷重を検知することができ
る。この状態において、加速度センサ29にて検出され
た加速度成分に基づいて、そのときドラム3全体に生じ
ている偏心荷重の大きさと位置が検知される(ステップ
S6)。そして、検知された偏心荷重の大きさが許容値
以下であるか否かが判定される(ステップS7)。
【0028】ドラム3全体に生じている偏心荷重の大き
さが許容値以下である場合には、ドラム3の偏心荷重の
調整を行う必要はないので、ドラム3の回転速度は高速
度(約700rpm)まで上昇され、その回転速度が維
持されて脱水が行われる(ステップS12)。一方、ド
ラム3全体に生じている偏心荷重の大きさが許容値を超
えている場合には、貯水槽8に貯められた水を一部偏在
させることにより、バランス調整を実行する。具体的に
は、100rpm程度の回転速度で回転されているドラ
ム3を、偏心荷重位置に応じたタイミングでもって短時
間45rpm程度まで減速させる(ステップS8)。す
なわち、貯水槽8内の水に作用する遠心力が重力に勝る
ような回転速度で回転しているドラム3を、一時的に、
遠心力が重力よりも小さくなるような回転速度に落と
す。
【0029】図6(c)を参照して、ドラム3の回転速
度が一時的に落とされると、区画室27に貯留された水
Wに慣性力が働く。そして、回転している区画室27内
の水Wにも重力が作用しているため、回転上方に持ち上
げられつつある区画室27b、27cおよび既に上方に
位置している区画室27aから水Wが落下する。これら
の区画室27a、27b、27c以外の回転下方に進も
うとしている区画室27内の水Wは、落ちずに保持され
る。区画室27a、27b、27cから落下した水W
は、偏心荷重と反対側の区画室27に入る。この状態に
おける区画室27の偏心荷重により、洗濯物の偏在によ
る偏心荷重を打ち消すことができる。
【0030】なお、このバランス調整においては、区画
室27内の水のみを落下させ、ドラム3内の洗濯物はド
ラム3内で移動しないようにする必要がある。本実施形
態では、区画室27をドラム3の周壁17の内周面17
aよりも内側に設けることにより、ある回転速度でもっ
てドラム3を回転させたとき、区画室27内の水よりも
ドラム3の周壁17の内周面17aにある洗濯物に対し
てより大きな遠心力が作用するようにしている。また、
一般に、水を含んでいる洗濯物は水によってドラム3の
周壁17の内周面17aとの密着性が増すため、計算上
遠心力と重力との関係で想定される状態よりも落ちにく
いという性質がある。このようなことから、遠心力と重
力とがバランスする程度の回転速度近傍で適宜に回転速
度を設定することにより、洗濯物は落下させずに水のみ
を落下させることができる。
【0031】ドラム3の回転速度を減速するタイミング
については、図3に示したような加速度成分の変動を監
視し、その最小ピークAminの発生地点でもって偏心荷
重の位置を認識し、偏心荷重がドラム3の最低位置を通
過して上方に持ち上げられる途中の適宜の時点(例えば
最高位置の回転方向手前側90°から最高位置までの範
囲)で減速させる。以上のバランス調整の後、再び加速
度センサ29にて検出された加速度成分に基づいて、そ
のときのドラム3全体に生じている偏心荷重の大きさが
検知される(ステップS9)。そして、検知された偏心
荷重の大きさが許容値以下であるか否かが判定される
(ステップS10)。
【0032】ドラム3全体に生じている偏心荷重の大き
さが許容値以下である場合には、ドラム3の回転速度は
高速度(約700rpm)まで上昇され、その回転速度
が維持されて脱水が行われる(ステップS12)。一
方、ドラム3全体に生じている偏心荷重の大きさが許容
値を超えている場合には、バランス調整によってドラム
3の偏心荷重が解消されていないことから、ドラム3に
偏心荷重が生じていても振動が大きくならない程度の中
速度(約500rpm)までドラム3の回転速度が上昇
され、その回転速度が維持されて脱水が行われる(ステ
ップS11)。ただし、ドラム3の偏心荷重が解消され
るまで、ステップS8〜S10を繰り返し行ってもよ
い。
【0033】ステップS11またはステップS12のい
ずれにおいても、所定の脱水運転時間が経過した後、貯
水槽8内の水が排水されて脱水運転が終了する。すなわ
ち、注排水バルブ16が開けられると共に、30rpm
程度の回転速度でドラム3が回転される(ステップS1
3)。この回転速度は、貯水槽8内の水に作用する遠心
力が重力よりも小さくなる回転速度であって、ドラム3
を該回転速度で暫時回転させることにより、貯水槽8内
の水を注排水口25を介して外槽2側へと残らず排水す
ることができる。
【0034】本実施形態においては、洗濯物により生じ
る偏心荷重を貯水槽8に貯められた水の偏心荷重により
打ち消すことができるので、ドラム3全体としてみる
と、ほとんど偏心荷重は生じない。これにより、洗濯物
が偏った状態で脱水を行っても、振動や振動に伴う騒音
がほとんど発生しない。また、脱水時にのみ貯水槽8に
水が貯められ、脱水時以外は水が排水されているので、
脱水時以外の洗濯機の重量を軽くすることができると共
に、洗濯時などの低速度回転の際に、貯水槽8内の水が
遊動することにより異音が発生するのを防止できる。
【0035】本発明は、以上の実施形態の内容に限定さ
れるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の
変更が可能である。例えば、本実施形態では、注排水口
25により貯水槽8内の水の注水と排水の両方を行う構
成について説明したが、注水口と排水口とを別々に設
け、注水口に注水バルブを、排水口に排水バルブを設け
た構成などであってもよい。本実施形態においては、貯
水槽8をドラム3の後壁22に外側から取り付ける構成
について説明したが、貯水槽8は回転軸7を中心にドラ
ム3と一体的に回転する環状槽であれば、例えばドラム
3の後壁22に内側から取り付けられていてもよいし、
ドラム3ではなく回転軸7に取り付けられていてもよ
い。
【0036】また、貯水槽8の内部構成は、上記構成に
限らず、内部に貯められた水を偏在させることにより、
洗濯物の偏在により生じる偏心荷重を打ち消すことがで
きるような構成であれば、他の構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるドラム式洗濯機の
全体構成を示す縦断面図である。
【図2】ドラム式洗濯機の電気的構成を示すブロック図
である。
【図3】偏心荷重による加速度成分の変動の一例を示す
波形図である。
【図4】脱水工程時のマイクロコンピュータによる制御
動作を示すフローチャートである。
【図5】ドラム回転時の貯水槽の状態を示す模式図であ
る。
【図6】ドラム回転時の貯水槽の状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
2 外槽 3 ドラム 7 回転軸 8 ドラム 16 注排水バルブ(注排水弁) 19 給水口 25 注排水口(注水口、排水口) 26 おもり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 紀之内 隆生 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA06 BA03 BA04 CA02 DC06 DC21 FA14 FA29 FC01 FC02 MA01 MA02 MA03 MA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外槽内に設けられ、略水平方向に延びる回
    転軸により回転自在に保持されたドラムを高速で回転さ
    せることによって、ドラム内に収容されている洗濯物の
    遠心脱水を実行する洗濯機であって、 上記外槽内へ水を供給するための給水口と、 上記回転軸を中心に上記ドラムと一体的に回転する環状
    槽であって、内部に貯められた液体を偏在させることに
    より、洗濯物の偏在により生じる偏心荷重を打ち消すた
    めの貯液槽とを含むことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】上記貯液槽は、脱水時に、上記給水口に対
    向する位置で給水口から供給される水を貯液槽内に注水
    するために開閉する注水口と、脱水後に、貯液槽内に貯
    まった水を排水するために開閉する排水口とを含むこと
    を特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 【請求項3】上記注水口および排水口は、1つの注排水
    口により構成され、 上記貯液槽には、上記注排水口を開閉させるための注排
    水弁が備えられていることを特徴とする請求項2記載の
    洗濯機。
  4. 【請求項4】上記貯液槽には、上記注排水弁が配置され
    た位置と上記回転軸に対して点対称の位置に、上記注排
    水弁と同じ重さのおもりが備えられていることを特徴と
    する請求項3記載の洗濯機。
  5. 【請求項5】上記貯液槽は、その外径が上記ドラムの内
    径よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の洗濯機。
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