JP2007206030A - 感光体性能測定装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子ビーム発生手段10と、荷電粒子ビームを屈曲させる電子レンズ11と、荷電粒子ビームの通過を制限するアパーチャ12と、荷電粒子ビームを偏向させるビーム偏向手段13と、荷電粒子ビームが感光体18に当たることによって発生する2次荷電粒子を検出する2次荷電粒子検出手段16と、光源17を有する感光体性能測定装置において、性能測定時に前記電子レンズの少なくとも2つは屈折力を変化させ、該屈折力を変化させる電子レンズはアパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側と感光体側のそれぞれに少なくとも1つ配置してあり、測定の第1段階から第2段階への移行時にアパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側の電子レンズ11の屈折力を調整し、且つ、感光体側の電子レンズ14の屈折力を弱める構成とした。
【選択図】図1
Description
図9に示す画像形成装置では、像担持体としての円筒状に形成された感光体ドラム111を有し、その周辺には帯電手段112(図では帯電ローラによる接触式のものを示しているが、この他、帯電ブラシや、非接触式のコロナチャージャ等を用いることもできる)、光走査装置117、現像装置113、転写手段114(図では転写ローラを示しているが、コロナチャージャ等を用いるものであってもよい)、クリーニング装置115を有している。また、符号116は定着装置を示している。
感光体ドラム111は図中の矢印方向へ等速回転され、帯電手段112によって感光体表面に均一に電荷が与えられる。
次に、光走査装置117によって感光体ドラム111の一部に光が当てられる。感光体ドラム111の光の当たった部分は電導体となり、感光体表面の電荷が導電性を持つ円筒を介して逃げることにより感光体表面の電荷が無くなる。また、光の当たらなかった部分の電荷はそのまま保持される。この様にして静電潜像が形成される。
感光体上のトナー画像は、図示しない給紙部から給紙される転写紙やOHPシート等のシート状記録媒体S上に転写手段114によって静電力及び圧力により転写され、定着装置116によって熱及び圧力を加えることにより定着される。
トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは装置外へ排出され、トナー画像転写後の感光体111はクリーニング装置115によりクリーニングされて残留トナーや紙粉が除去される。
この先願技術では、荷電粒子ビームを照射して、測定を行う装置内で静電潜像を形成する手段を持ち、潜像形成後の短い時間内に測定を行うことができ、また、非破壊で測定することが可能な、静電潜像の測定方法および装置を得ることを課題としている。そして、この静電潜像の測定方法および装置では、感光体等の試料面を荷電粒子ビームで走査し、この走査で得られる検出信号により試料面の静電潜像を測定するものである。より具体的には、荷電粒子ビームを走査する装置内で、試料に対して帯電させ、光学系を介して帯電した試料を露光させることにより、試料上に静電潜像(電荷分布)を生成させる。そして電荷分布を有する試料を移動させながら試料面の静電潜像を測定する。また、帯電手段は電子ビームを照射させる手段とし、試料からの2次電子を検出する手段を設けている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、プログラムの保存及び実行が可能なプログラミング制御装置を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、基準時間発生手段を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、前記2次電子検出手段からの2次電子検出信号の強度の時間変化から前記感光体面上の2次電子発生量の分布を濃度に置き換えた画像に変換する画像変換手段を有することを特徴とする。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、前記印加電圧発生手段は、低電圧の可変電圧発生手段と、電圧増幅手段を有し、前記可変電圧発生手段と電圧増幅手段は、信号線を除いて電気的に分離されていることを特徴とする。
なお、ここでの性能とは、露光されない状態で帯電が保持されるか否かのことである。帯電が保持されない(性能が悪い)と、この感光体を用いた画像形成装置は地汚れが発生し、著しく画像性能を落とすことになる。
本発明では、上記の感光体性能測定装置により性能を評価され、選定された感光体を用いて画像形成装置を構成することにより、地汚れの発生しにくい良好な画像を出力できる画像形成装置を実現することが可能となる。
(1)感光体の測定範囲全体に均一に強力な荷電粒子ビームを当てることにより、感光体表面を均一に帯電させる。この際、感光体に負荷をかけることにより加速試験にもなる。
(2)荷電粒子ビームを弱めて走査させ、2次電子の発生量の分布を得る。
(3)測定範囲全体の面積に対する電荷の失われている個所の面積比から感光体の性能を評価する。
(4)評価結果から性能の良い感光体を選別して、画像形成装置の作像部に組み込む。
また、帯電及び電荷が逃げて行く過程は刻々と状態が変わって行く過渡現象であり、比較測定を行う場合に条件を揃えるためには時間管理が重要であり、そのために基準時間発生手段を有していなければならない。
また、画像形成装置が廃棄された際に、本発明の感光体性能測定装置で感光体の劣化の程度を判定することにより、劣化の程度が小さいものはリサイクルでき、資源の有効活用が可能となる。
図1に本発明の第1の実施例を示す。性能を評価する感光体18は、電子を照射する側と反対の面を接地させた状態で配置される。ここでは円筒状の感光体18の内側を接地する。なお、図示の例では、感光体全体をそのまま測定装置の真空槽(以下、チャンバと言う)25内に入れた状態を示しているが、感光体の一部を切り出した小片やテスト用に作成した平板の試料(サンプル)であっても構わない。
荷電粒子ビーム照射部15は、荷電粒子ビーム発生手段10と、複数の電子レンズ11,13,14、アパーチャ12等で構成されており、測定に用いる荷電粒子ビーム(ここでは電子ビームを用いるが、イオン等の電荷を持った粒子のビームであったら何でも構わない)は、荷電粒子ビーム発生手段10で発生する。荷電粒子ビーム発生手段10の詳細は図示しないが、電子を発生させるフィラメント、該電子を引き出す電極、加速する電極、ビーム照射を開始及び停止する機構等からなる。
さらに、走査レンズ13の後段にも電子レンズ(以下、対物レンズと言う)14が設けられており、この対物レンズ14によって再度電子ビームは収束させられる。対物レンズ14の構造は基本的にコンデンサーレンズ11と同じである。
2次荷電粒子検出手段16の構造の一例としては、シンチレータ(蛍光体)と光電子増倍管を組み合わせたものであり、シンチレータの表面に印加された引き込み電圧の電界により2次電子はシンチレータに引き付けられて捕獲され、シンチレーション光に変換される。この光はライトパイプを通って光電子増倍管で増幅され、2次電子検出信号となる。
感光体18の負極性に帯電している部分(Q1,Q2)では、感光体18から飛び出した2次電子(e11,e12)は実線の電位等高線に従い、矢印G1,G2で示すように、2次荷電粒子検出手段のシンチレータ24へ到達する。
一方、負極性の帯電量が少ない部分(Q3)では破線の電位等高線が示す様にQ3に近い方が電位が高く、感光体18から飛び出した2次電子(e13)は矢印G3で示すように、感光体18に戻ってしまい、2次荷電粒子検出手段へは到達しない。故に、電子ビームを走査させて2次電子検出信号の強度変化を測ることにより、感光体表面の帯電状態を測定することができる。
準備段階として、感光体18の表面にある帯電を無くし、初期状態を揃えるために、光源17を一定時間点灯させる。
そして第1段階として、荷電粒子ビーム照射部15により、感光体18に多量の電子ビームを照射し、感光体18を帯電させる。
また、多量の電子ビームを長時間照射することにより、感光体18の劣化を早める効果を与えることもできる。
なお、照射の時間が感光体18に与えるダメージの大きさを決定するので、複数の感光体で比較測定するためには照射時間を厳密に管理することが重要である。
電子照射量を可変する手段としては、アパーチャ12の開口径を変化させる方法も考えられるが、このためにはメカ機構が必要であり、切替時間が数十ミリ秒はかかってしまい、潜像現象の様な数マイクロ秒単位で状態が変化する系を観測するには遅すぎるので望ましく無い。
また、測定中も量は少ないとは言え電子が当たっているために感光体の劣化が進み、時間によって状態が変わるため、ここでも時間管理をした上で測定しなければならない。
基準時間発生手段23とは、水晶発振子の様な一定時間間隔で電気信号を発生させる部分と、該電気信号をカウントし、規定のカウント数で新たな電気信号を発生させる部分とからなる。
次に本発明の第2の実施例を示す。第1の実施例との違いは、図5に示すように、測定時の第1段階で、感光体18を帯電させる方法が異なる点であり、その他の構成、動作は第1の実施例と同様である。
本実施例では、図5に示すように、コンデンサーレンズ11でアパーチャ12近傍に焦点を結ぶように電子ビームを収束させることにより、荷電粒子ビーム発生手段10で発生した電子のほとんどが感光体18に到達する様にしており、さらに、対物レンズ14の屈折力を弱め、感光体18の広い範囲に電子ビームが照射される様にしている。また、ここでは、ビーム偏向手段である走査レンズ13は機能を停止させている。
図6(a),(b)に、光源17と電子レンズ(コンデンサーレンズ11と対物レンズ14)への印加電圧と感光体到達電流のタイムチャートの例を2例示す。
図8(a),(b)に、この場合の光源17と電子レンズ(コンデンサーレンズ11と対物レンズ14)への印加電圧と感光体到達電流のタイムチャートの例を2例示す。
11:コンデンサーレンズ(電子レンズ)
12:アパーチャ
13:走査レンズ(ビーム偏向手段)
14:対物レンズ(電子レンズ)
15:荷電粒子ビーム照射部
16:2次荷電粒子検出手段
17:光源
18:感光体
19:電圧増幅手段
20:画像変換手段
21:低電圧の可変電圧発生手段
22:プログラム制御装置
23:基準時間発生手段
25:チャンバ
111:感光体ドラム
112:帯電手段
113:現像装置
114:転写手段
115:クリーニング装置
116:定着装置
Claims (8)
- 荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子ビーム発生手段と、前記荷電粒子ビームを屈曲させる電子レンズと、前記荷電粒子ビームの通過を制限するアパーチャと、前記荷電粒子ビームを偏向させるビーム偏向手段と、前記荷電粒子ビームが感光体に当たることによって発生する2次荷電粒子を検出する2次荷電粒子検出手段と、光源とを有する感光体性能測定装置において、
性能測定時に前記電子レンズの少なくとも2つは屈折力を変化させ、該屈折力を変化させる電子レンズは前記アパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側と感光体側のそれぞれに少なくとも1つ配置してあり、測定の第1段階から第2段階への移行時に前記アパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側の電子レンズの屈折力を調整し、且つ、感光体側の電子レンズの屈折力を弱めることを特徴とする感光体性能測定装置。 - 荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子ビーム発生手段と、前記荷電粒子ビームを屈曲させる電子レンズと、前記荷電粒子ビームを絞るアパーチャと、前記荷電粒子ビームを偏向させるビーム偏向手段と、前記荷電粒子ビームが感光体に当たることによって発生する2次電子を検出する2次電子検出手段と、光源とを有する感光体性能測定装置において、
性能測定時に前記電子レンズの少なくとも1つは屈折力を変化させ、該屈折力を変化させる電子レンズは前記アパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側に配置されており、測定の第1段階では前記ビーム偏向手段の機能を停止させ、第2段階への移行時に前記ビーム偏向手段を機能させ、前記アパーチャより荷電粒子ビーム発生手段側の電子レンズの屈折力を調整し、且つ、感光体側の電子レンズの屈折力を感光体上に焦点が合うように調整することを特徴とする感光体性能測定装置。 - 請求項1または2記載の感光体性能測定装置において、
前記性能測定時に屈折力を変化させる電子レンズは、印加電圧発生手段によって屈折力を変化させることを特徴とする感光体性能測定装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、
プログラムの保存及び実行が可能なプログラミング制御装置を有することを特徴とする感光体性能測定装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、
基準時間発生手段を有することを特徴とする感光体性能測定装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、
前記2次電子検出手段からの2次電子検出信号の強度の時間変化から前記感光体面上の2次電子発生量の分布を濃度に置き換えた画像に変換する画像変換手段を有することを特徴とする感光体性能測定装置。 - 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置において、
前記印加電圧発生手段は、低電圧の可変電圧発生手段と、電圧増幅手段を有し、前記可変電圧発生手段と電圧増幅手段は、信号線を除いて電気的に分離されていることを特徴とする感光体性能測定装置。 - 像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視像化した後、像担持体上の可視像を記録媒体に転写して画像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体として、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光体性能測定装置よって性能を評価され、選別された感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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