JP2007204654A - 導電性高分子モノマーの再生製造方法 - Google Patents

導電性高分子モノマーの再生製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、電解重合により不純物が混入した電導性高分子モノマー含有液から導電性高分子モノマーを低コストで、収率が高く再現性に優れた、且つ容易に再生製造できる方法を提供することである。
【解決手段】
電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に後記溶媒を加え、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムを加えることを特徴とする導電性高分子モノマーの再生製造方法。

Description

本発明は、光・電子機能性高分子である導電性高分子膜の製造工程における電解重合時に使用された有機導電性高分子モノマー含有液からの導電性高分子モノマーの再生製造方法に関する。
光・電子機能性高分子である電導性高分子の応用が活発に進められている。PCや携帯電話のコンポーネント部品であるアルミやタンタル固体電解コンデンサの固体電解質をはじめELのホール注入層、半導体用チャージアップ防止剤、金属の防錆剤、帯電・静電防止剤、電磁波シールド剤、エレクトロクロミック素子など多方面に渡って利用が拡大している。
これらを製造する方法のひとつとして、電解重合法が挙げられる。(非特許文献1)
すなわち、適当な溶媒中に、重合しようとする導電性高分子モノマーと適当な支持電解質を入れ、これに挿入した電極板(作用電極板と対極板)間に電圧を印加することにより、極板上に導電性高分子フィルムを成長させる方法である。
この方法は、
・ 電解装置は他の薄膜作製装置に比較して安価であり、かつ合成が比較的容易である。
・ 電解時間、電解電位、電解電気量などを変えることによって、膜厚(通常は10−6〜10−3cmぐらいまで)の規制および膜生成プロセスの制御が容易にできる。
・ 再現性よく同じ特性を有する膜の合成が可能である。
・ 比較的簡単な化合物を電解重合用モノマーとして用いることができる。
・ 用いるモノマーの種類に依存して、種々の導電率のもの(絶縁体、半導体、“金属的”ポリマー)や電気化学的に活性あるいは不活性なものを容易に生成することができる。
・ 同じモノマーを用いても、電解条件(溶媒の種類、電極の種類、pHの違い、支持電解質の種類など)あるいは電解モード(定電位電解、定電流電解など)を変えることによって、異なる構造や異なる電気化学的応答あるいは電気・光学特性を示す膜が得られる。
という特性があり、多くの企業にビジネスチャンスをもたらしている。
しかし、この重合反応により生成するオリゴマー等の低分子量重合体は、粘度、色調、比重等の溶液特性を変化させ、モノマー含有液(モノマー溶液または分散液)の極板への付着性、分布等に影響を及ぼすため、製造方法としては安定したものとは言い難い。
このように、導電性高分子を光・電子機能性高分子として利用する電解重合による製造方法においては、モノマー含有液の安定性は重要な因子であるが、これまでの技術では、原料含有液には製造の過程で徐々に不純物が蓄積する。従って、得られる導電性高分子の特性が悪化する前にモノマー含有液を交換しなければならず、原料モノマーが十分有効に利用されていないのが現状である。また、光・電子機能性高分子である導電性高分子膜の製造工程において使用される導電性高分子モノマーは、一般的に高価であり、できるだけ有効に利用することが工業的量産には不可欠である。
特許文献1では、化学酸化重合法による電導性重合体の原料モノマー含有液に混入する酸化剤、モノマー溶液中に生成するオリゴマー等の低分子量重合体や重合体などの不純物を除去し再利用できるモノマー溶液の再生方法が提案されている。この方法は、吸着能を有する多孔質体、例えば、酸性処理土、活性アルミナ、ゼオライト、カーボン、マグネシア及びシリカ系多孔質体やカーボン系多孔質体を用いて精製する。しかし、この方法では有用なモノマーまでも吸着するので収率が悪い。また、重合時に発生する不純物やpH調整剤、ドーピング剤などの添加剤だけを吸着させることは、それぞれが複雑に相互作用しているために困難であり、十分に除去することが非常に難しい。そして、原料モノマー含有液のモノマー濃度が低いと吸着剤に多くの原料モノマーが吸着し、コストが高くなるという傾向があり、電解重合法での工業的生産には効率の悪い方法であった。
これらを解決するには、原料である導電性高分子モノマーだけを電解重合に発生する不純物等が混入した導電性高分子モノマーの含有する電解重合液から導電性高分子モノマーだけを再生製造すればよいが、これまでそのような提案はなされていない。
特開2001−244151号公報 有機エレクトロニクス材料 昭和61年8月30日第1版第1刷発行、P175 SyntheticMetals、1986年15巻169頁
本発明の課題は、電解重合により発生する不純物等が混入した電導性高分子モノマー含有する電解重合液から導電性高分子モノマーを低コストで、収率が高く再現性に優れた、且つ容易に再生製造できる方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、電解重合用溶媒中に、支持電解質と重合しようとする導電性高分子モノマーを含有した電解重合液を電解重合したのち、前記電解重合液を水と塩化カリウムと前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とを用いて処理することで、低コストで、収率が高く、再現性に優れた、且つ容易に導電性高分子モノマーを再生製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に後記溶媒を加え、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムを加えることを特徴とする導電性高分子モノマーの再生製造方法に関する。
また、本発明は、支持電解質が、過塩素酸塩である上記導電性高分子モノマーの再生製造方法に関する。
また、本発明は、導電性高分子モノマーが、チオフェン誘導体である上記導電性高分子モノマーの再生製造方法に関する。
本発明の導電性高分子モノマーの再生製造方法は、電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムを加えることを特徴とするものである。前記電解重合液は、電解重合用溶媒と電導性高分子モノマーと支持電解質とが複雑に相互作用するために、それぞれを分離することが困難である。
しかし、ハロゲン化カリウムを用いて処理すると、前記支持電解質の陽イオンがカリウムイオンに交換さることにより、電解重合用溶媒と前記支持電解質と前記導電性高分子モノマーとの相互作用が解除される。このために、水溶性である支持電解質やその他の添加剤などは、親水性溶媒に溶解する。そして、前記導電性高分子モノマーは、前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒により選択的に抽出することができる。
このように、導電性高分子モノマーを低コストで、収率が高く、再現性に優れた、且つ容易に再生製造できるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、まず、電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に、親水性溶媒と有機溶媒とが分離するように、親水性溶媒および/または導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒を加えて、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離させる。電解重合用溶媒が、水を多く含む場合は、有機溶媒だけを添加してもよいし、有機溶媒を多く含む場合はこれだけでもよい。
電解重合は、通常の電気化学測定と同様に、一般には3電極式(すなわち、作用電極、対極および参照電極)と重合槽とからなる。作用電極には、目的に応じて種々の金属や半導体電極、導電性基材、ネサガラス(ITO)、グラファイトなどが用いられる。対極には通常白金や炭素電極等を用い、そして参照電極としては、水素電極、カロメル電極、Ag/Ag電極等を用いることができる。
重合槽としては、作用電極室と対極室とをシンタードガラスフィルターなどで隔てた構造のガラス容器を用いる。これは作用電極および対極で生じた生成物が混じり合わないようにするためである。重合槽に電解重合液(少なくとも重合しようとするモノマーおよび溶液に十分な電導性を与えるための支持電解質を含んでいなければならない。さらに、必要な場合にはpH緩衝溶液などを加える。)を入れ、対極、作用電極、参照極を取り付ける。対極と作用電極間に、所定の電流、或いは電圧をかけると作用電極板に導電性高分子が生成してくる。電解重合は、生成した重合膜が空気中の酸素などと反応する場合がしばしばあるので、通常、不活性ガス雰囲気下、例えば窒素ガス、アルゴンガス下で、必要に応じて電解重合液を撹拌しながら行われる。電解重合が終了後は、対極を重合槽より取り外し、複合膜をそのまま、或いは一度電極面より剥し洗浄し、必要に応じて乾燥することにより可溶性あるいは易分散性の導電性複合ポリマ−が得られる。こうして得られたポリマ−を、適当な溶媒に溶解あるいは分散させ、必要とする基材上に塗工、乾燥することで目的とする導電性を有する塗膜を得ることが出来る。
本発明における電解重合溶媒としては、例えば、ニトロメタン、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、ニトロベンゼン、シアノベンゼン、イオン交換水、o−ジクロロベンゼン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、グリセリン、水、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、N−メチルピロリドン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、n−ヘキサン、アセトン、1,3−ジオキソラン、フラン、ベンゾトリフルオリド等が挙げられるがこれらに限定するものではない。また、これらの溶媒は、単品あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における支持電解質としては、通常の電解重合用のものをそそまま使用することが出来る。具体的に示すと、テトラエチルアンモニウムパ−クロレ−ト、テトラ(n−ブチル)アンモニウムパ−クロレ−ト、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレ−ト、テトラ(n−ブチル)アンモニウムテトラフルオロボレ−ト、ナトリウムテトラフルオロボレ−ト、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェ−ト、p−トルエンスルホン酸塩、テトラ(n−ブチル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェ−ト、塩化リチウム、フタロシアニン誘導体、ジアルキルアンモニウム塩等を単独、または混合して使用する事ができる。
支持電解質を選択する場合まず考慮されなければならないのは、溶解性、解離性、求核性である。これらを考慮して、一般的には陽イオンとして、Li、Na、K+、H、Ca2+、Mg2+等よりテトラアルキルアンモニウム塩を使用することが好ましい。
陰イオンの選択もまた重要である。高い求核性アニオンであるヒドロキシサイド、アルコキシサイド、シアナイド、アセテート、ベンゾエートを使用した場合、よい性質をもった膜が生成しないことが多いので、過塩素酸塩等が好ましい。
また、支持電解質溶液にピリジンなどの第三成分を添加したとき、電気化学的応答の変化は観察されないが、膜生成効率は増加し、その膜表面の平面性や強度が向上することがあるので添加することができる。
支持電解質の濃度としては、0.01〜1mol/lが好ましいがこれに限定されることはない。濃度がこれ以下の場合ポリマ−によっては導電性に著しい低下がみられる。電解重合液は、これらの溶媒、支持電解質に導電性高分子モノマ−の重合性の必要に応じて助剤等を添加したもので構成される。
本発明における電解重合液の重合条件は、導電性高分子モノマーの電解重合として、公知の電解重合方法を用いることが可能であり、定電位電解法、定電流電解法、電位走引電解法、交流電解法などのいずれをも用いることができる。反応温度は、それぞれ反応方法によるので、特に限定できないが、一般的に−70℃〜80℃である。望ましくは−30℃〜50℃であり、さらにより好ましくは−10℃〜40℃である。反応温度が−70℃より低いと重合速度が遅くなるなど、設備的、生産的な実用上の問題が生じる。80℃を超える反応温度では、π共役系を形成しない望ましくない反応が誘起され、得られるπ共役系ポリマーの電気伝導度も低いものとなる。電流密度は、0.01〜20mA/cmである。電流密度が0.01mA/cm未満、20mA/cmを超えると良好な膜質の導電性高分子を得ることが困難である。
本発明における導電性高分子モノマーとしては、特に限定されるものではないが、チオフェン骨格を有する化合物(チオフェン誘導体)、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物、アニリン骨格を有する化合物が挙げられる。
チオフェン骨格を有する化合物としては、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−n−プロピルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−n−オクタドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−フェニルチオフェン、3−チオフェンカルボン酸、3−チオフェンアルデヒド、チオフェン−3−酢酸、3−チオフェンエタノール、3−チオフェンマロン酸、3−チオフェンメタノール、3−フルオロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−ブロモ−4−メチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェン、3,4−ブチレンチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン等の誘導体を挙げることができる。これらの化合物は、一般には市販されている化合物であるか、または公知の方法(例えば,非特許文献2)で調整することができる。
多環状スルフィド骨格を有する化合物としては、例えば、1,3−ジヒドロ多環状スルフィド(別名、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン)骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフト[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロアントラ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロナフタセノ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物を挙げることができる。これらは、例えば特開平8−3156号公報記載等の公知の方法により調整することができる。
また、例えば、1,3−ジヒドロナフト[1,2−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロフェナントラ[2,3−c]チオフェン誘導体、1,3−ジヒドロトリフェニロ[2,3−c]チオフェン骨格を有する化合物、1,3−ジヒドロベンゾ[a]アントラセノ[7,8−c]チオフェン誘導体なども利用できる。
縮合環に窒素またはN−オキシドを任意に含んでいる場合もあり、例えば1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4−オキシド、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]キノキサリン−4,9−ジオキシド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ピロール骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−ペンチルピロール、3−ヘキシルピロール、3−ヘプチルピロール、3−オクチルピロール、3−ノニルピロール、3−デシルピロール、3−フルオロピロール、3−クロロピロール、3−ブロモピロール、3−シアノピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロール、3,4−ブチレンピロール、3,4−メチレンジオキシピロール、3,4−エチレンジオキシピロール等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、市販品が入手可能であり、また公知の方法で製造することができる。
フラン骨格を有する化合物としては、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフラン、3−プロピルフラン、3−ブチルフラン、3−ペンチルフラン、3−ヘキシルフラン、3−ヘプチルフラン、3−オクチルフラン、3−ノニルフラン、3−デシルフラン、3−フルオロフラン、3−クロロフラン、3−ブロモフラン、3−シアノフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフラン、3,4−ジブチルフラン、3,4−ブチレンフラン、3,4−メチレンジオキシフラン、3,4−エチレンジオキシフラン等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は市販品で入手可能であり、また公知の方法で製造することができる。
アニリン骨格を有する化合物としては、例えば、2−メチルアニリン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−ブチルアニリン、2−ペンチルアニリン、2−ヘキシルアニリン、2−ヘプチルアニリン、2−オクチルアニリン、2−ノニルアニリン、2−デシルアニリン、2−フルオルアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−シアノアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,3−ブチレンアニリン、2,3−メチレンジオキシアニリン、2,3−エチレンジオキシアニリン等の化合物を挙げることができる。これらの化合物は、市販品が入手可能であり、また公知の方法で製造することができる。
本発明の導電性高分子モノマーの再生製造方法は、電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムを加えることを特徴とするものである。前記電解重合液は、電解重合用溶媒と電導性高分子モノマーと支持電解質とが複雑に相互作用するために、それぞれを分離することが困難である。
しかし、ハロゲン化カリウムを用いて処理すると、前記支持電解質の陽イオンがカリウムイオンに交換することにより、電解重合用溶媒と前記支持電解質と前記導電性高分子モノマーとの相互作用が解除される。
しかも、この前記支持電解質の陽イオンとカリウムイオンとの交換は、部分的に生じるだけで効果が生じる。
また、親水性溶媒を用いることにより親水性の不純物や支持電解質が除去される。このために、導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒により有用な前記導電性高分子モノマーを選択的に抽出することができる。
本発明におけるハロゲン化カリウムとしては、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムである。
ハロゲン化カリウムは、固体状態でそのまま使用あるいは予めに水に溶解して使用できる。好ましくは、水に溶解しての使用である。水に溶解しての使用のほうが、支持電解質の陽イオンとカリウムイオンの交換が促進されやすいためである。さらに好ましくは、飽和塩化カリウム水溶液としての使用である。
本発明における親水性溶媒とは、メタノール、水である。好ましくは、水である。
本発明における導電性高分子モノマー溶解する有機溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなど飽和脂肪族炭化水素が挙げられるが、水および支持電解質を溶解せず、導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒であればよい。
本発明における電解重合用溶媒と電導性高分子モノマーと支持電解質を含有する電解重合用溶液は、複雑に相互作用しているために、電導性高分子モノマーとを効率よく分離抽出することは非常に困難である。
このために、例えば、
・ 電解重合後の電解重合用溶液を過剰の電解重合用溶媒をエバポレータ等で留去し濃縮物を得る。
・ この濃縮物に水を加えて処理を行う。
・ 水と支持電解質を溶解しない、且つ電導性高分子モノマーは溶解する有機溶媒で処理する。
・ 前記有機溶媒を取り出し、乾燥剤で有機溶媒中に存在する水を除去し、エバポレータなどで溶媒を留去し、室温−減圧下で乾燥して得られる導電性高分子モノマーの収率は50%以下である。
そこで、導電性高分子モノマーを再生製造するために検討した結果、塩化カリウムで処理することで支持電解質の陽イオンをカリウムイオンで交換すると、有用な導電性高分子モノマーの再生製造効率が飛躍的に向上することがわかった。
また、支持電解質に過塩素酸塩を用いた場合には、ハロゲン化カリウムで処理すると、過塩素酸塩の陽イオンがカリウムイオンに交換するので水に難溶である過塩素酸カリウムとなり、さらに導電性高分子モノマーの再生製造効率が向上し、好ましい。更に、テトラアルキルアンモニウム塩であることがより好ましい。



例えば、


Figure 2007204654


本発明における導電性高分子モノマーの再生製造方法で得られたモノマーは、そのままでも使用できるが、活性炭処理やシリカゲルカラム等で更に精製してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、この例示により本発明が限定的に解釈されるものではない。
下記の例において導電性高分子モノマー(実施例1、比較例1及び2の3,4−エチレンジオキシチオフェン)濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記の条件にて測定した。
HPLCによる導電性高分子モノマーの定量条件
移動相:0.1重量%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=53/47(V/V)
カラム:Mightysil RP-18 GP 長さ250mm−内径4.6mm(5μm) 関東化学株式会社
検出器:UV(254nm)
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/min
濃度:5mg/移動相3ml
注入量:10μl
(実施例1)
アセトニトリル1lと電解質である過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.1molと導電性高分子モノマーの2,3−エチレンジオキシチオフェン0.010molとを含有する電解重合用溶液で電解重合し導電性高分子層を形成する工程で使用された電解重合用溶液を再生製造の原料液として用意した。この原料液には、2,3−エチレンジオキシチオフェンが0.009mol含まれていた。この原料液500mlを約1/10容量までエバポレータで溶媒を留去して濃縮した。これに、水200mlと飽和塩化カリウム水溶液を100mlとヘキサン300mlを加え、分液ロート中でよく振り(このとき、析出物が生じる)、一晩静置し、ヘキサン層を取り出し、再びヘキサン200mlを加えよく振り、2時間静置したのちに、ヘキサン層を前のヘキサン層に加え、無水硫酸ナトリウムを加えた。添加量は、添加した無水硫酸ナトリウムが塊でなく、サラサラの粉体状になるまで加え、一晩静置したのち、濾過して濾液を得た。この濾液をエバポレータで、溶媒を留去して、白色の固体を得た。更に、常温、減圧下で7時間乾燥を行った。得られた固体は、HPLCで確認したところ、2,3−エチレンジオキシチオフェンで純度99.5%、収量0.63g、収率98%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の再生製造の原料液500mlを約1/10容量までエパポレータで濃縮した。これに、水300mlとヘキサン300mlを加え、分液ロート中でよく振り、一晩静置(このときは、析出物は生じなかった。)し、ヘキサン層を取り出し、再びヘキサン200mlを加えよく振り、2時間静置したのちに、ヘキサン層を前のヘキサン層に加えた。この溶媒に、無水硫酸ナトリウムを加えた。無水硫酸ナトリウムの添加量は、添加した無水硫酸ナトリウムが塊でなく、サラサラの粉体状になるまで加え、一晩静置したのち、濾過して濾液を得た。これまでの操作では、析出物はなかった。この濾液をエバポレータで、溶媒を留去した。得られたものを、室温−減圧下で7時間乾燥し、少し黄色の固体を得た。得られた固体を、HPLCで確認したところ、2,3−エチレンジオキシチオフェンで純度98%、収量0.30g、収率47%であった。
(比較例2)
実施例1と同様の再生製造の原料液500mlを約1/10容量までエパポレータで濃縮した。これに、水200mlと飽和塩化ナトリウム水溶液100mlとヘキサン300mlを加え、分液ロート中でよく振り、一晩静置し、ヘキサン層を取り出し、再びヘキサン200mlを加えよく振り、2時間静置したのちに、ヘキサン層を前のヘキサン層に加えた。これまでの操作では、析出物はなかった。この溶媒に、無水硫酸ナトリウムを加えた。無水硫酸ナトリウムの添加量は、添加した無水硫酸ナトリウムが塊でなく、サラサラの粉体状になるまで加え、一晩静置したのち、濾過して濾液を得た。この濾液をエバポレータで、溶媒を留去した。得られたものを、室温−減圧下で7時間乾燥し、若干黄色の固体を得た。得られた固体を、HPLCで確認したところ、2,3−エチレンジオキシチオフェンで純度98.7%、収量0.32g、収率50%であった。
実施例1と比較例1及び2とを比較すると、再生製造効率は、約50%から98%へ、飛躍的に向上し、精製度もHPLCの測定から向上している。特に、見かけにおける導電性高分子モノマーの色合いなどに効果が見られる。
このように、電解重合により発生する不純物等が混入した導電性高分子モノマー含有する電解重合液を、水と塩化カリウムと前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶剤で処理することで、従来に比べて再生製造収率が飛躍的に向上し、純度も99%以上であるという、低コストで、収率が高く、再現性に優れた、且つ容易に再生製造方法を提供することができる。
本発明の導電性高分子モノマーの再生製造方法は、電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液を、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムで前記支持電解質にカリウムイオンを付加することを特徴とするものである。
本発明によれば、高価な導電性高分子モノマーを再生して有効に利用でき、また、低コストで、収率が高く再現性に優れ、且つ容易に再生製造できるので、産業上の利用価値が高い。

Claims (3)

  1. 電解重合用溶媒と導電性高分子モノマーと支持電解質とを含有する電解重合液に後記溶媒を加え、親水性溶媒と前記導電性高分子モノマーを溶解する有機溶媒とが分離している状態で、ハロゲン化カリウムを加えることを特徴とする導電性高分子モノマーの再生製造方法。
  2. 支持電解質が、過塩素酸塩である請求項1記載の導電性高分子モノマーの再生製造方法。
  3. 導電性高分子モノマーが、チオフェン誘導体である請求項1または2記載の導電性高分子モノマーの再生製造方法。







































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