JP2007204636A - 光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれを用いた偏光板、ディスプレイ装置 - Google Patents

光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれを用いた偏光板、ディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】面状ムラのない光学フィルムを提供すること。十分な反射防止能を有し、かつ、スベリ性や防汚性に優れた反射防止フィルムとして有用な光学フィルムを提供すること。該光学フィルムを用いた、表示品位の良好な偏光板やディスプレイ装置を提供すること。
【解決手段】透明支持体上に少なくとも二層の機能層が塗設された光学フィルムであって、該機能層のうちの表面層を除いたいずれかの層が、下記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層であることを特徴とする光学フィルムとする。
【化1】
Figure 2007204636

(一般式[1]において、R1、R2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。pは10〜500の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、表面層を除いたいずれかの層にポリシロキサンセグメントを側鎖に有するポリマーを用いた光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれを用いた偏光板、ディスプレイ装置に関する。
近年、各種コーティング法を用いた材料の開発が進んでおり、特に数μm〜数十nmレベルの薄層塗布技術は、光学フィルム、印刷、フォトリソグラフィーなどで必要であり、要求される塗布精度も薄膜化、基材の大型化、塗布の高速化などに伴い高くなってきている。特に光学フィルムの製造においては、膜厚の制御が光学性能を左右する非常に重要なポイントであり、精度を高く保ちつつ塗布速度の高速化を実現できる技術への要求は高くなってきている。
光学フィルムの一種である反射防止フィルムは、一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するようディスプレイの最表面に配置される。
近年これら表示装置、特に従来のCRTに比べ奥行きが薄く、表示領域の大きな表示装置の普及に従って、より高精細化、より高品質な表示装置が要求されるようになっている。それに伴い反射防止膜の面状均一性が強く求められている。ここで言う面状均一性とは、反射防止性能に代表される光学性能のバラツキ、および耐擦傷性能などの膜物性のバラツキが全表示部内でないことを言う。
反射防止フィルムの製造方法としては、特許文献1にCVDによる酸化硅素膜を用いたガスバリア性、防眩性、反射防止性に優れる防眩性反射防止膜が記載されているような無機蒸着法が挙げられるが、大量生産性の観点からはオールウェット(液状)塗布による反射防止フィルムの製造方法が有利である。
しかしながら、溶剤を用いたオールウェット塗布は生産性の観点から非常に有利である反面、塗布直後の溶剤乾燥を一定に保つことが非常に難しく、面状ムラを生じやすいことが知られている。ここで言う面状ムラとは溶剤乾燥速度差に起因する乾燥ムラや乾燥風で引き起こされる厚みムラによって生じる風ムラ、塗工部で発生する塗布ムラなどのことである。
一方、オールウェット塗布においてもさらに生産性を向上させるために、塗布速度を速くすることが強く要求される。ところが、単純に塗布速度を速くすると相対的に乾燥風の風速も速くなり、また支持体の高速移動に伴う同伴風の影響も受けるようになって、風ムラが悪化する。さらに、塗工部もより不安定になり、塗布ムラも悪化することが多い。このような状況により、長年、塗布速度を速くした条件で、光学性能、膜物性のバラツキを抑えた反射防止フィルムを得ることができなかった。
乾燥時のムラを低減させるためにはレベリング性を向上させることが有効であることが知られている。レベリング性を向上させる一つの手段として、塗布組成物中に界面活性剤を添加する方法が提案されている。塗布物に界面活性剤を添加すると表面張力が低下して被塗布物への濡れを改良し、塗膜形成過程での表面張力変化を小さく、または低下させて熱対流を防止して膜の均一性を改良するという機構に基づいている(非特許文献1参照)。目的とする塗布組成物中の溶剤、樹脂、各種添加剤との相溶性などにより最適な界面活性種は異なるが、溶剤を用いて塗布する場合には溶剤に可溶で表面張力低下能力が最も高いフッ素系界面活性剤を用いるのが有効である。
一般に、フッ素系界面活性剤は表面張力低下機能を実現するためのフルオロ脂肪族基と、例えば該活性剤を添加剤として使用したときに、コーティング用、成形材料用等の各種組成物に対する親和性に寄与する親媒性基とを同一分子内に有する化合物からなるものである。このような化合物は、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと親媒性基を有するモノマーとを共重合させて得られる。
フルオロ脂肪族基を有するモノマーと共重合される、親媒性基を有するモノマーの代表的な例としては、ポリ(オキシアルキレン)アクリレート、ポリ(オキシアルキレン)メタクリレート等が挙げられる。また、特許文献2に記載のω−H型フッ素系ポリマー界面活性剤により、風ムラの良化と耐擦傷性能の両立した反射防止膜の報告がある。
しかしながら、従来のフッ素系界面活性剤は面状ムラの低減が必ずしも十分ではなく、フッ素系界面活性剤以外で乾燥ムラや塗布ムラ等を改良できる素材の探索が要求されていた。
他方、ポリシロキサンを構造単位(セグメント)に含む化合物をスベリ剤や防汚剤として光学フィルムの最外層に含有させることは知られている(特許文献3、4参照)。これらに関係する化合物の中から、レベリング性の向上のために有効な構造を特定化すること、さらにそれの効果を十分に発揮させるための使用方法を探索することが望まれていた。
特開平7−333404号公報 特開2004−331812号公報 特開2003−294911号公報 特開2005−234476号公報 桐生春雄監修,「コーティング用添加剤の最新技術」,シーエムシー,2001年
本発明の目的は、
(1)面状ムラのない光学フィルムを提供すること、(2)面状均一性が高く、十分な反射防止能を有し、かつ、スベリ性や防汚性に優れた反射防止フィルムとして有用な光学フィルムを提供すること、及び(3)そのような光学フィルムを用いた表示品位の良好な偏光板やディスプレイ装置を提供すること、にある。
本発明者らは、ポリシロキサンセグメントを含むポリマーの組成、使用法について精査した結果、ポリシロキサンセグメントを含むポリマーのうち、特定の一般式を有するポリマーを複数の塗布層のうちの最外層より内側の塗布層に用いることにより、該含有層の面状ムラを悪化させず、さらに最外層のスベリ性や防汚性の良好な光学フィルムを作製できることを見出した。
より詳細には下記構成の光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置の提供により上記目的が達成される。
(1)透明支持体上に少なくとも二層の機能層が塗設された光学フィルムであって、該機能層のうちの表面層を除いたいずれかの層が、下記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマー(以下、「ポリシロキサン系ポリマー」という。)を用いた層であることを特徴とする光学フィルム。
一般式[1]
Figure 2007204636
(上記一般式[1]において、R1、R2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。pは10〜500の整数を表す。)
(2)前記ポリシロキサン系ポリマーの質量平均分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
(3)前記ポリシロキサン系ポリマーが下記一般式[2]で表されるポリシロキサン含有ビニル単量体を単独重合または共重合させることにより得られるグラフトポリマーであることを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
一般式[2]
Figure 2007204636
(一般式[2]において、R1、R2およびpは一般式[1]と同じ意味を表す。R3、R4及びR5は同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価の有機基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表し、nは0または1を表す。)
(4)前記ポリシロキサン系ポリマーを用いた層が、下記一般式M1で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を少なくとも含むポリマーをも用いたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
一般式M1
Figure 2007204636
(一般式M1において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、R12は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表す。Rfは−CF3または−CF2Hを表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜11の整数を表す。)
(5)前記ポリシロキサン系ポリマーを用いた層の厚さが、10μm〜20μmであることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
(6)前記ポリシロキサン系ポリマーを用いた層が、平均粒径5μm〜10μmの樹脂粒子を含有することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
(7)前記ポリシロキサン系ポリマーを用いた層が2層以上あり、そのうちの1層が前記樹脂粒子を含有することを特徴とする前記6に記載の光学フィルム。
(8)前記2層以上のポリシロキサン系ポリマーを用いた層のうち、他の1層が帯電防止層であることを特徴とする前記7に記載の光学フィルム。
(9)前記1〜8のいずれかに記載の光学フィルムが反射防止機能を有することを特徴とする反射防止フィルム。
(10)前記9に記載の反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
(11)前記9に記載の反射防止フィルムまたは前記10に記載の偏光板を有するディスプレイ装置であって、前記反射防止フィルムが視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
本発明の光学フィルムは、面状ムラすなわち塗布時に生じる乾燥ムラや風ムラ等を低減し、さらに最外層のスベリ性や防汚性が良好である。更に、これを適用した偏光板を備えたディスプレイ装置は、外光の映り込みや背景の映り込みが少なく、極めて視認性が高く、表示ムラが少なく、表示品位が高い。
本発明は、透明支持体上に少なくとも二層の機能層が塗設された光学フィルムであって、該機能層のうちの表面層を除いたいずれかの層が、下記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層である光学フィルムであることを特徴とする。
下記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマー(以下、「ポリシロキサン系ポリマー」ともいう。)を用いた層の形成方法は、特に限定されないが、例えばポリシロキサン系ポリマーを含有する塗布液を塗布して硬化することによって成される。
一般式[1]
Figure 2007204636
(上記一般式[1]において、R1、R2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。pは10〜500の整数を表す。)
《機能層》
本発明の光学フィルムは、透明支持体の上に少なくとも二層の機能層が塗設されている。
光学フィルムの機能層の代表的な例として、光拡散層が挙げられる。光拡散層には、例えば透光性樹脂粒子が分散している。防眩性を有する光拡散層でもよいし、防眩性を有しない光拡散層でもよく、また、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。また、透光性樹脂粒子以外の部分の素材の屈折率は1.50〜2.00の範囲にあることが好ましい。
光学フィルムに機能層として塗設される他の層の例としては、例えばハ−ドコート層、帯電防止層、低屈折率層、防汚層、高屈折率層、中屈折率層、等が挙げられる。ハ−ドコート層は紫外線照射等により架橋又は重合反応で形成されることが好ましい。また、ハードコート層には金属酸化物による無機微粒子を含有することも好ましい。帯電防止層は導電性の無機微粒子を含有することが好ましい。低屈折率層は屈折率が1.20〜1.48の範囲にあることが好ましく、光拡散層の外側に隣接して塗設されることが好ましく、最外層であってもよい。また低屈折率層の上にさらに防汚層を有してもよい。反射防止特性をより向上するために、高屈折率層、中屈折率が、低屈折率層より支持体側に塗設されることもある。
本発明の光学フィルムとして好ましい形態の一つは、支持体上に単一層の光拡散層を有しその上に単一層の低屈折率層を有する形態であり、反射防止フィルムとして機能する。
本発明の光学フィルムのヘイズは、2〜60%が好ましく、5〜50%がより好ましく8〜40%がさらに好ましい。
本発明において、塗布組成物を塗布液と称することもあるが、どちらも同義である。
《ポリシロキサン系ポリマー》
本発明で表面層を除いたいずれかの機能層に用いられる、一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーについて以下、詳細に説明する。なお、本明細書ではこれを「ポリシロキサン系ポリマー」とも称する。
一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーは、セグメントが主鎖にあるものよりも、塗布、乾燥工程での面状ムラ改良に好ましい。ポリシロキサンセグメントを側鎖に有するグラフトポリマーの場合、特にその主鎖構造に制限はないが、好ましくはエチレン性不飽和基を重合せしめて得られる構造を有し、ポリシロキサンセグメントと主鎖とは直接結合していても良く、適当な連結基を介して結合していても良い。
一般式[1]
Figure 2007204636
一般式[1]中、R1,R2は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、アリール基を表わす。R1,R2は同一であっても異なっていてもよい。アルキル基としては炭素数1〜4が好ましく、例としてメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜20が好ましく、例としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらの中でもメチル基およびフェニル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。R1,R2において置換していても良い置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、シアノ基、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。
pは10〜500の整数を表わし、好ましくは50〜300であり、特に好ましくは100〜250の場合である。
側鎖に一般式[1]で表わされるポリシロキサン構造を有するポリマーは、例えばJ.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載の如く、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(例えばエポキシ基又は酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサンを高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコーンマクロマーを重合させる方法によって合成されるが、本発明ではシリコーンマクロマーの重合によって導入する方法が特に好ましい。
(シリコーンマクロマー)
シリコーンマクロマーとしてはその重合性基に特に制限はないが、下記一般式[2]で表されるような構造が好ましい。
一般式[2]
Figure 2007204636
一般式[2]においてR1,R2,pは一般式[1]と同じ意味を表す。R3〜R5はそれぞれ、置換または無置換の1価の有機基または水素原子を表わし、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、オクチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)を表わし、より好ましくはフェニル基または炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。R3〜R5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R3〜R5の置換していても良い好ましい置換基としては、R1,R2の置換基として挙げたものと同じである。R6は水素原子またはメチル基を表わす。Lは、単結合または2価の連結基を表し、好ましくは炭素数1〜25からなるものであり、重合可能なビニル基を連結し得るものであれば特に制限はないが、より好ましくは下記一般式L1あるいは一般式L2で表されるような構造を有する。nは0または1を表す。
こうした一般式[2]で表されるような化合物は、例えば特開平6−322053号公報記載の方法で合成される。
一般式L1
Figure 2007204636
一般式L2
Figure 2007204636
上記一般式L1あるいは一般式L2においてL’は置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは脂環式のアルキレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表し、好ましくは炭素数1〜25のアルキレン基、またはアリーレン基であり、より好ましくは、炭素数1〜25の無置換の直鎖アルキレン基であり、特に好ましくはエチレン基またはプロピレン基である。L’の置換基としては、R1,R2の置換基として挙げたものが好ましい。
これらシリコーンマクロマーのうち特に好ましいのは、下記一般式[3]で表される構造である。
一般式[3]
Figure 2007204636
一般式[3]中、R1〜R6、pは一般式[2]中で用いられているものと同じ意味を表し、L’は一般式L1中で用いられているものと同じものを表す。
以下に本発明に有用な側鎖にポリシロキサン部位を含む重合単位(繰り返し単位)の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
なお、入手可能なシリコーンマクロマーの例としては、チッソ(株)製、FM−0725、FM−0721、信越化学工業(株)製KT−100T、X−22−169AS、KF−102、X−22−37011E、X−22−164b、X−22−5002,X−22−173b、X−22−174d、X−22−167b、X−22−161AS、東亞合成(株)製AK−5、AK−30、AK−32などが挙げられる。
(シリコーンマクロマーと共重合可能な他の種類のモノマー)
本発明に係るポリシロキサン系ポリマーは、含フッ素共重合体との相溶性等の観点から一般式[2]または[3]で表されるモノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとの共重合体であることが好ましい。このような共重合可能な他の種類のモノマーとしては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley Interscience(1975),Chapter 2,Page 1〜483記載のものを用いることが出来る。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
具体的には、以下の単量体をあげることができる。
アクリル酸エステル類:
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、
メタクリル酸エステル類:
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミドなど。
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど。
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレートなど
その他:
クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
マレイロニトリル、スチレンなど。
これらの中でも下記一般式[4]で表されるモノマーが好ましい。
一般式[4]
Figure 2007204636
一般式[4]において、R11は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Xは酸素原子、硫黄原子または−N(R13)−を表し、酸素原子または−N(R13)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R13は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。R12は置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、分岐、または環状のアルキル基、置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。炭素数1〜18の直鎖、分岐、または環状のアルキル基、または総炭素数6〜18の芳香族がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐、または環状のアルキル基が更に好ましい。
以下に一般式[4]で表されるモノマーの具体例を示すが、これらに限定されることはない。
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
(好ましいポリシロキサン系ポリマー)
本発明に用いられるポリシロキサン系ポリマーは、下記一般式[5]で表される形態が好ましい。
一般式[5]
Figure 2007204636
一般式[5]において、R1〜R6、p及びL’は一般式[3]と同じ意味を表す。R11、R12及びXは一般式[4]と同じ意味を表す。a、bは各構成成分の質量分率(%)を表す。aは0.01≦a≦100であり、1≦a≦80が好ましく、10≦a≦70がより好ましい。bは0≦b≦95であり、1≦b≦90が好ましく、10≦b≦50がより好ましい。
また一般式[3]で表されるポリシロキサン含有ビニル重合体を2種類以上併用しても良く、aの合計が0.01≦a≦100であり、1≦a≦80が好ましく、10≦a≦70がより好ましい。bの合計が0≦b≦95であり、1≦b≦90が好ましく、10≦b≦50がより好ましい。
本発明で用いられるポリシロキサン系ポリマーの好ましい質量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、6,000〜80,000がより好ましく、8,000〜60,000が更に好ましい。
ここで、質量平均分子量及び分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
本発明のポリシロキサン系ポリマーは公知慣用の方法で製造することができる。例えば後述の有機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。もしくは場合によりその他の付加重合性不飽和化合物とを添加して、上記と同じ公知慣用の方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
以下、本発明によるポリシロキサン系ポリマーを具体的な構造を示すが、この限りではない。
尚、下記式において、Sは前記した側鎖にポリシロキサンセグメントを含む繰り返し単位を表わす。また、Aは前述一般式[4]で表わされるモノマーから導かれる繰り返し単位を表わす。aおよびbは各構成成分の質量分率(%)を表わす。
Figure 2007204636
Figure 2007204636
本発明のポリシロキサン系ポリマーにおける一般式[1]で表わされるポリシロキサンセグメントの割合は、10質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜80質量%であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムにおいて、本発明に係るポリシロキサン系ポリマーの添加量は、含有層全固形分に対して0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。
また2種類以上のポリシロキサン系ポリマーを併用しても良く、添加量の合計が含有層全固形分に対して0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜10質量%である。上記範囲とすることにより塗布性が向上する。
〔光拡散層〕
本発明に係る機能層の代表例である光拡散層について、以下、説明する。
光拡散層は光学性能に影響を与える層であって、その塗布組成物は、例えば平均粒径数μmの透光性樹脂粒子、マトリックス形成バインダー用モノマー類及び有機溶媒を含有する。
さらに詳述すると、光拡散層を形成する塗布組成物は、例えば電離放射線等で硬化されて形成する透光性ポリマーの原料となる主マトリックス形成バインダー用モノマー類、前記特定粒径の透光性樹脂粒子、好ましくは前記透光性樹脂粒子以外でカールを防止するための屈折率がバインダー近い樹脂粒子、高分子化合物、膜硬度を強くするための添加剤、カール低減や屈折率調節等のための無機微粒フィラー、塗布助剤等を含む。
光拡散層の厚さは、通常2μm〜30μmが好ましく、4μm〜25μmがより好ましく、さらに10μm〜20μmが最も好ましい。厚さが該範囲内であると、膜硬度に優れ、カール、ヘイズ値、ギラツキ等の欠点がなく、面状ムラも少ない。
[主バインダー]
光拡散層を形成する主たるマトリックス形成用バインダー(以下、単にバインダーともいう)としては、電離放射線等による硬化後に飽和炭化水素鎖、又はポリエーテル鎖を主鎖として有する透光性ポリマーであることが好ましい。また、硬化後の主バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
硬化後に飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマー及びこれらの重合体(第一群の化合物)、また、ポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーとしてはエポキシ系モノマー及びこれらの開環による重合体(第二群の化合物)が好ましい。さらにこれらのモノマー類の混合物の重合体も好ましい。以下これらの化合物に付き詳述する。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、且つ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
光拡散層を形成するためのバインダーポリマーに用いられる、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル{例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート}、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、(メタ)アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)等が挙げられる。
さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等もあげられる。これらのモノマーは2種以上併用してもよく、また、2個以上のエチレン性不飽和基を有する樹脂はバインダー全量に対して10〜70%含有することが好ましい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル重合開始剤又は熱ラジカル重合開始剤、および樹脂粒子、必要に応じて無機フィラー、塗布助剤、その他の添加剤、少なくとも2種の有機溶媒を含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明支持体上に塗布後、電離放射線又は熱による重合反応により硬化して光拡散層を形成する。電離放射線硬化と熱硬化を合わせて行うことも好ましい。光及び熱重合開始剤としては市販の化合物を利用することができ、それらは、「最新UV硬化技術」(p.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)や、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のカタログに記載されている。
[高分子化合物]
光拡散層は、高分子化合物を含有してもよい。高分子化合物を添加することで、硬化収縮を小さくしたり、樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布液の粘度調整をより優位に行うことができ、さらには、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりすることもでき、好ましい。
高分子化合物は、塗布液に添加する時点で既に重合体を形成しており、該高分子化合物としては、例えばセルロースエステル類(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースナイトレート等)、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸メチル等)、ポリスチレン等の樹脂が好ましく用いられる。
高分子化合物は、硬化収縮への効果や塗布液の粘度増加効果の観点から、高分子化合物を含有する層に含む全バインダーに対して、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲で含有することが好ましい。
また、高分子化合物の分子量は質量平均で0.3万〜40万が好ましく、0.5万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万がさらに好ましい。
バインダーの屈折率は、マトリックス全体として、好ましくは1.40〜2.00であり、より好ましくは1.45〜1.90であり、更に好ましくは1.48〜1.85であり、特に好ましくは1.51〜1.80である。なお、バインダーの屈折率は、光拡散層の成分から樹脂粒子を除いて測定した値である。
光拡散層のバインダーは、該層の塗布液の固形分量に対して20〜95質量%の範囲で添加することが好ましい。
光拡散層は、該塗布液を支持体に塗布後、光照射、電子線ビーム照射、加熱処理などを実施して、架橋又は重合反応させて形成することが好ましい。紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
紫外線による硬化は、窒素パージ等で酸素濃度が4体積%以下、更に好ましくは2体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下で硬化することが好ましい。
[透光性樹脂粒子]
光拡散層には、平均粒径が1μm〜15μmの透光性樹脂粒子が含有される。樹脂粒子の粒径は3μm〜13μmがより好ましく、5μm〜10μmがさらに好ましい。これは、ディスプレイ表面で反射する外光を散らして弱めたり、液晶表示装置の視野角(特に下方向視野角)を拡大したりして、観察方向の視角が変化してもコントラスト低下、黒白反転又は色相変化を起こりにくくする目的で用いられる。本発明においては、平均粒径が上記範囲であると、反射率、ヘイズ、耐擦傷性に優れる。
樹脂粒子は平均粒径の異なる2種以上の粒子を併用することも好ましい。
透光性樹脂粒子のバインダーに対する添加量は、光拡散層の全固形分中の2〜40質量%がこのましく、4〜25質量%であることが特に好ましい。
透光性樹脂粒子の塗布量は、好ましくは10mg/m2〜10000mg/m2、より好ましくは50mg/m〜4000mg/m2である。
樹脂粒子の具体例としては、例えば架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋メチルメタアクリレート−メチルアクリレート共重合粒子、架橋アクリレート−スチレン共重合粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。さらにはこれらの樹脂粒子の表面にフッ素原子、シリコン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、燐酸基等を含む化合物を化学結合させた所謂表面修飾した粒子も好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子等が好ましい。
樹脂粒子の形状は、真球又は不定形のいずれも使用できる。粒度分布はヘイズ値と拡散性の制御性、塗布面状の均質性から単分散性粒子が好ましい。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つ粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布の粒子を得ることができる。
粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。平均粒径は得られた粒子分布から算出する。
本発明の光拡散層には、上記の透光性樹脂粒子に加えて、後述の「無機フィラー」を屈折率の調整や、膜強度の調整の目的で使用することもできる。
[有機溶媒]
光拡散層を形成する塗布組成物には少なくとも1種の有機溶媒が含有される。
有機溶媒としては、例えばアルコール系では、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、イソアミルアルコール、1−ペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール等、
ケトン系では、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等、
エステル系では、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル等、
エーテル、アセタール系では、1,4ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルアセタール等、
炭化水素系では、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、リグロイン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ジビニルベンゼン等、
ハロゲン炭化水素系では、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1,2−テトラクロルエタン等、
多価アルコールおよびその誘導体系では、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタジオール、グリセリンモノアセテート、グリセリンエーテル類、1,2,6−ヘキサントリオール等、
脂肪酸系では、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、絡酸、イソ絡酸、イソ吉草酸、乳酸等、
窒素化合物系では、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル等、
イオウ化合物系では、ジメチルスルホキシド等、が挙げられる。
これらの中でメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、1−ペンタノール等が特に好ましく、また凝集性制御の目的でアルコール、多価アルコール系の溶媒を適宜混合して用いてもよい。
これらの有機溶媒は、単独でも混合して用いてもよく、塗布組成物中に有機溶媒総量として、40質量%〜98質量%含有することが好ましく、60質量%〜97質量%含有することがより好ましく、70質量%〜95質量%含有することが最も好ましい。
[有機ケイ素化合物]
本発明の光拡散層は、下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物、もしくはその重合体の反応物を含有することが、硬化収縮低減と膜硬度を高めるために好ましい。
一般式(2)
2 mSi(OR1)4-m
(一般式(2)中で、R1、R2は、置換または無置換のアルキルであり、同じでも異なっていても良い。mは0または1である。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば以下が挙げられる。
Si(OCH3)4、Si(OC25)4、Si(OC37)4、Si[OCH(CH3)2]4、Si(OC49)4、CH3CH2Si(OCH3)3、CH3(CH2)2Si(OCH3)3、CH3(CH2)3Si(OCH3)3、(CH3)2(CH)Si(OCH3)3、CH3Si(OC25)3、CH3CH2Si(OC25)3、CH3(CH2)2Si(OC25)3、CF3CF2(CH2)2Si(OCH3)3、CF3(CF2)2(CH2)2Si(OCH3)3、等が挙げられ、これらを単独に、あるいは2種類以上併せて用いてもよい。
上記一般式(2)で表される有機珪素化合物を用いて重合体を作製する方法は限定されないが、加水分解によって作製するにあたっての触媒としては、公知であり、例えば、塩酸、蓚酸、硝酸、酢酸、フッ酸、ギ酸、燐酸、蓚酸、アンモニア、アルミニウムアセトナート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸スズ化合物、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフロロ酢酸等が挙げられ、これらを単独に、或いは2種類以上併せて用いてもよい。
[無機フィラー]
光拡散層には、層の硬度の増加、硬化収縮減少、さらに屈折率を高めるため、前記の粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、一次粒子の平均粒径が、一般に0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である微細な無機フィラーを含有することも好ましい。
また逆に、高屈折率の樹脂粒子を用いた光拡散層では、粒子との屈折率差を大きくするためにバインダーの屈折率を低くすることも好ましい。このために無機フィラーとして、シリカ微粒子、中空シリカ微粒子等を用いることができる。好ましい粒径は前記の高屈折率化微細無機フィラーと同じである。
光拡散層に用いられる微細無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO(Snをドープした酸化インジウム)、SiO2等が挙げられる。TiO2及びZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの微細無機フィラーの添加量は、光拡散層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは30〜75質量%である。
なお、微細無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分短いために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質の性質を有する。
[その他の添加剤]
本発明の光学フィルムを構成する光拡散層は、その層を形成する塗布液中に、後記の低屈折率層の項に詳述されるオルガノシラン化合物、いわゆるゾル成分(以降このように称する場合もある)を含有することで耐擦傷性を向上させることが好ましい。
[フッ素系ポリマー]
本発明ではレベリング剤としてのフッ素系ポリマーを前記ポリシロキサン系ポリマーと併用することも好ましい。
フッ素系ポリマーとしては、フルオロ脂肪族基を有する重合体が好ましく、さらに下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)の重合体、又は下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)および下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)を含むアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。このような単量体としては、PolymerHandbook2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2,Page 1〜483記載のものを用いることが出来る。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
(i)下記一般式M1で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
一般式M1
Figure 2007204636
上記一般式M1において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましい。Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、酸素原子または−N(R12)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R12は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。Rfは−CF3または−CF2Hを表す。
一般式M1中のmは1〜6の整数を表し、1〜3がより好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式M1中のnは1〜11の整数を表し、1〜9がより好ましく、1〜6が更に好ましい。Rfは−CF2Hが好ましい。
またフッ素系ポリマー中に一般式M1で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される重合単位が2種類以上構成成分として含まれていても良い。
(ii)上記(i)と共重合可能な下記一般式M2で示されるモノマー
一般式M2
Figure 2007204636
上記一般式M2において、R13は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Yは酸素原子、イオウ原子または−N(R15)−を表し、酸素原子または−N(R15)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R15は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。
14は、置換基を有しても良い炭素数1〜60の直鎖、分岐状、あるいは環状のアルキル基、または置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。該アルキル基はポリ(アルキレンオキシ)基を含んでも良い。さらに、炭素数1〜20の直鎖、分岐状あるいは環状のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10の直鎖、分岐状のアルキル基が極めて好ましい。
好ましいフッ素系ポリマーの製造に用いられる上記一般式M1で示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該フッ素系ポリマーの単量体全量に基づいて、10質量%以上であり、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70〜100質量%であり、さらに好ましくは80〜100質量%の範囲である。
以下、好ましいフッ素系ポリマーの具体的な構造例を示すがこの限りではない。
なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
フッ素系ポリマーを構成するフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位の量は、10質量%を超えることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましく、ハードコート層のムラを防止するという観点を重視すれば、75〜100質量%であることが最も好ましく、光拡散層の上に低屈折率層を塗布する場合は、50〜75質量%であることが最も好ましい。(該フッ素系ポリマーを構成する全重合単位で記載した)
また光拡散層上に低屈折率層をオーバーコートする時点で表面エネルギーの低下を防げば、反射防止性能の悪化が防げる。光拡散層塗布時にはフッ素系ポリマーを用いて塗布液の表面張力を下げて面状均一性を高め、高速塗布による高生産性を維持し、防眩層塗布後にコロナ処理、UV処理、熱処理、鹸化処理、溶剤処理といった表面処理手法を用いて、特に好ましいのはコロナ処理であるが、表面自由エネルギーの低下を防ぐことにより、低屈折率層塗布前の光拡散層の表面エネルギーを前記範囲に制御することでも目的を達成することができる。
また、本発明の光拡散層を形成する為の塗布組成物中に、チクソトロピー剤を添加しても良い。チクソトロピー剤としては、0.1μm以下のシリカ、マイカ等があげられる。これら添加剤の含有量は、通常、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜10質量部程度とするのが好適である。
本発明の光学フィルムは、ゴニオフォトメーターで測定される散乱光の強度分布が視野角改良効果に相関することが好ましい。すなわち、バックライトから出射された光が視認側の偏光板表面に設置された光学フィルムに含有される透光性微粒子の内部散乱の効果により拡散されればされるほど視野角特性がよくなる。しかし、あまり拡散されすぎると、後方散乱が大きくなり、正面輝度が減少する、あるいは、散乱が大きすぎて画像鮮明性が劣化する等の問題が生じる。従って、散乱光強度分布をある範囲に制御することが必要となる。そこで、鋭意検討の結果、所望の視認特性を達成するには、散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対して、特に視認角改良効果と相関ある30°の散乱光強度が0.01%〜0.2%であることが好ましく、0.02%〜0.15%が更に好ましく、0.03%〜0.1%が特に好ましい。散乱光プロファイルは、作成した光散乱フィルムについて、(株)村上色彩技術研究所製の自動変角光度計GP−5型を用いて測定できる。
〔低屈折率層〕
本発明の光学フィルムは光拡散層の上に他の機能層である低屈折率層を積層して反射防止フィルムとすることが好ましい。低屈折率層は、例えば含フッ素ポリマー及び/または多官能電離放射線硬化性モノマー、または熱硬化性モノマーをを主成分とする硬化性組成物を塗布、乾燥後、光重合または熱重合によって硬化形成される硬化膜であることが好ましい。さらにオルガノシラン化合物、その加水分解物および/またはその部分縮合物を含有することも好ましい。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.20〜1.48であり、より好ましくは1.30〜1.46の範囲にある。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(I)
(mλ/4)×0.7<n11<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
[低屈折率層用含フッ素ポリマー]
含フッ素ポリマーは、硬化被膜にした場合の被膜の動摩擦係数が0.03〜0.20、水に対する接触角が90〜120°、純水の滑落角が70°以下であり、熱または電離放射線により架橋するポリマーであるのが、ロールフィルムをウェブ搬送しながら塗布、硬化する場合などにおいて生産性向上の点で好ましい。
また、本発明の光学フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなるので、剥離力は、500gf(4.9N)以下が好ましく、300gf(2.9N)以下がより好ましく、100gf(0.98N)以下が最も好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難いので、該表面硬度が、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーは、フッ素原子を35〜80質量%の範囲で含有し、且つ架橋性もしくは重合性の官能基を含む含フッ素ポリマーであることが好ましく、例えば、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物〔例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン〕の加水分解物や脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性単位とを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素共重合体の場合、主鎖は、炭素原子のみからなるのが好ましい。すなわち、主鎖骨格に酸素原子や窒素原子などを有しないのが好ましい。
前記含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
前記架橋反応性単位としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位;カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー〔例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等〕の重合によって得られる構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また、前記含フッ素モノマー単位及び前記架橋反応性単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から、適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合させて、他の重合単位を導入することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類〔エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等〕、アクリル酸エステル類〔アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル〕、メタクリル酸エステル類〔メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等〕、スチレン誘導体〔スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等〕、ビニルエーテル類〔メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等〕、ビニルエステル類〔酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等〕、アクリルアミド類〔N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等〕、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
前記含フッ素ポリマーに対しては特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類とのランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基〔(メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等〕を有していることが好ましい。
これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%を占めていることである。
本発明に用いられる低屈折率層用含フッ素ポリマーの好ましい形態として一般式FP−Aで表される共重合体が挙げられる。
Figure 2007204636
一般式FP−A中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N及びSから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**,*−(CH2)2−NH−**,*−(CH2)4−O−**,*−(CH2)6−O−**,*−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**,*−CONH−(CH2)3−O−**,*−CH2CH(OH)CH2−O−**,*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
一般式FP−A中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式FP−A中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65が好ましく、更に好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。ただし、x+y+z=100である。
本発明に用いられる共重合体の特に好ましい形態として一般式FP−Bが挙げられる。
Figure 2007204636
一般式FP−BにおいてXは一般式FP−Aと同じ意味を表わし、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表わし、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式FP−AにおけるAの例として説明したものが当てはまる。
x、y、z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表わし、x及びyは、それぞれ30≦x≦60、5≦y≦70を満たすのが好ましく、更に好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55の場合である。z1及びz2については、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たすのが好ましく、更に好ましくは0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。ただし、x+y+z1+z2=100である。
一般式FP−A又はFP−Bで表わされる共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。この際用いられる再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
一般式FP−A又はFP−Bで表わされる共重合体の好ましい具体例としては、特開2004−45462号公報の段落[0035]〜[0047]に記載されたものを挙げることができ、該公報に記載の方法により合成することができる。
[オルガノシラン化合物]
本発明の表面層を除いたいずれかの層(光拡散層や低屈折率層等)には、前記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーとともに、オルガノシラン化合物、いわゆるゾル成分(以降このように称する場合もある)を含有することができる。ゾル成分を含有することにより、層の耐擦傷性を向上させることが可能となる。特に低屈折率層とその隣接層に反射防止能と耐擦傷性向上を両立させることが可能となる。このゾル成分は、塗布液を塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成し上記層のバインダーの一部となる。また、該硬化物が重合性不飽和結合を有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
オルガノシラン化合物はポリシロキサン系ポリマー含有層に含まれる場合は、該ポリマーに対して100質量%〜2000質量%、好ましくは200質量%〜1600質量%の割合で含有される。
また、ポリシロキサン系ポリマー非含有層に含まれる場合は、バインダー成分に対して、1質量%〜80質量%、好ましくは3質量%〜60質量%含有することが好ましい。
オルガノシラン化合物は、下記一般式Aで表されるものが好ましい。
一般式A
(R1)m−Si(X)4-m
上記一般式Aにおいて、R1は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基か好ましく、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アルキル基の具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。mは1〜3の整数を表し、好ましくは1〜2である。
Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
1に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
1が複数ある場合は、少なくとも一つが置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
前記一般式Aで表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式Bで表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
Figure 2007204636
上記一般式Bにおいて、R2は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**、*−CONH−**、*−CONR−**(R:炭素数1〜3のアルキル基)、または*−O−**を表し、単結合、*−COO−**および*−CONH−**が好ましく、単結合および*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R2)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
Lは2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
Xは一般式Aと同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
1は一般式Aと同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
nは0または1を表す。nとして好ましくは0である。Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
以下に一般式A,Bで表されるオルガノシラン化合物の具体例を示すが、これによって限定されるものではない。
Figure 2007204636
Figure 2007204636
Figure 2007204636
これらのうち、(M−1)、(M−2)、(M−25)と、(M−19)、(M−27)、(M−28)からそれぞれ選ばれるオルガノシランの組み合わせが特に好ましい。
上記オルガノシラン化合物の加水分解物および部分縮合物の含有量は、比較的薄膜である低屈折率層の場合は少なく、厚膜である機能層の場合は多いことが好ましい。含有量は効果の発現、屈折率、膜の形状・面状等を考慮すると、含有層(添加層)の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜15質量%が最も好ましい。
(多官能電離放射線硬化性モノマー)
低屈折率層を形成するための塗布組成物(塗布液)には、多官能の電離放射線硬化性モノマーを含有することもできる。該モノマーは塗布組成物を塗布、乾燥後に電離放射線を照射することで化学結合を起こして塗膜を形成する。電離放射線硬化性モノマーは、電離放射線によって重合、付加重合、縮重合等の化学反応によって硬化するモノマーであり、例えば、アクリル基、ビニル基、エポキシ基等を有するモノマー類が入手がたやすく好ましい。
これらモノマー類には熱硬化性基が含まれることも好ましく、例えば、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等を含むことも好ましい。
多電離放射線硬化性モノマーの官能基は、2官能以上が好ましく、3官能以上が特に好ましい。これら電離放射線硬化性モノマーの具体例としては、以下に挙げるような、後記の防眩性ハードコート層の項で述べられているモノマー類が挙げられる。
(空隙を有する無機微粒子)
低屈折率層は、屈折率を低下するために粒子内部に空隙を有する無機微粒子を含むことが好ましい。空隙は、多孔質または中空であることが好ましく、また無機微粒子が鎖状に連なって空隙を形成する構造を有する微粒子であってもよく、中でも中空構造を有するものが特に好ましい。
中空無機微粒子は中空構造のシリカであることが好ましい。中空のシリカ微粒子は屈折率が1.17〜1.40が好ましく、更に好ましくは1.17〜1.35、最も好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記数式(II)から算出される空隙率xは、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。
(数式II):x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
(フッ素および/またはシリコーン系化合物)
低屈折率層は、フッ素および/またはシリコーン系化合物を含有することが好ましい。これらによって表面自由エネルギーを低下させて防汚性、スベリ性、耐水性等を向上させることができる。
これらの化合物としては、公知のシリコーン化合物あるいはフッ素系化合物を用いることができる。これらを添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましく、3000〜30000であることが特に好ましく、10000〜20000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821、FL100(以上商品名)や、チッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM−4421、FM−5521、FM6621、FM−1121や、Gelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221(以上商品名)、GE東芝シリコーン(株)製TSF4460、などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CF2CF3,−CH2(CF2)4H,−CH2(CF2)8CF3,−CH2CH2(CF2)4H等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF3)2,CH2CF(CF3)2,CH(CH3)CF2CF3,CH(CH3)(CF2)5CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えばCH2OCH2CF2CF3,CH2CH2OCH248H,CH2CH2OCH2CH2817,CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)、日本油脂製モディパーFシリーズなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
フッ素および/またはケイ素含有化合物はその分子中にバインダーとの反応性を有する基を少なくとも一つ含有することが好ましい。好ましい反応性基の例としては熱硬化性の活性の水素原子、水酸基、メラミン、活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリロイル基、エポキシ基が挙げられ、メラミンまたは(メタ)アクリロイル基であることが特に好ましい。
本発明において、無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的で、各層を形成するための塗布液に分散安定化剤を併用することも好ましい。分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステル、ポリエーテル、界面活性剤および、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を使用することができる。特に前述のシランカップリング剤が硬化後の皮膜が強いため好ましい。
本発明の低屈折率層形成組成物は液の形態をとり、前述のオルガノシラン化合物、その加水分解物および/またはその部分縮合物、含フッ素ポリマーを含有し、任意に、無機微粒子、フッ素および/またはシリコーン系化合物、他のバインダー、ラジカル重合開始剤等各種添加剤を適当な溶剤に溶解して作製される。
この際、固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1〜20質量%程度である。
低屈折率層の硬化後の層厚みは、10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、30〜200nmがさらに好ましい。
また低屈折率層の皮膜硬度の観点からは硬化剤等の添加剤を添加することは必ずしも有利ではないが、高屈折率層との界面密着性等の観点から、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物等の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
低屈折率層は、防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物やフッ素系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては大日本インキ化学工業(株)製、メガファックF−150(商品名)、東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
次に本発明の光学フィルムにおけるその他の機能層について説明する。
〔帯電防止層〕
帯電防止層を形成する方法は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗工液を塗工する方法、或いは透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法等の従来公知の方法を挙げることができる。帯電防止層は、基材フィルムに直接又は基材フィルムとの接着を強固にするプライマー層を介して形成することができる。また、帯電防止層を反射防止膜の一部として使用することもできる。この場合、最表層から近い層で使用する場合には、膜の厚さが薄くても十分に帯電防止性を得ることができる。
帯電防止層の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.03〜7μmであることがより好ましく、0.05〜5μmであることがさらに好ましい。本発明の帯電防止層の、25℃55%RHにおける表面抵抗値(log SR)は12Ω/sq以下であることが好ましく、10Ω/sq以下であることがより好ましい。また、表面抵抗値は、塗膜の透明性と両立するために5Ω/sq以上であることが好ましい。すなわち、本発明の帯電防止層の25℃55%RHにおける表面抵抗値は5〜12Ω/sqであることが好ましく、5〜10Ω/sqであることがより好ましい。
帯電防止層の表面抵抗は、四探針法により測定することができる。
帯電防止層の表面抵抗を上記範囲とすることで、透明でかつ、防塵性の良い反射防止フィルムが得られる。
また帯電防止層は環境の温湿度で表面抵抗値に変化の少ない電子伝導型であることが好ましい。
帯電防止層は、実質的に透明であることが好ましい。具体的には、帯電防止層のヘイズが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。さらに、波長550nmの光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが最も好ましい。
本発明の帯電防止層は、強度が優れており、具体的な帯電防止層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度(JIS−K−5400の規定)で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることがさらに好ましく、4H以上であることが最も好ましい。
帯電防止層が含有する導電性無機微粒子は、金属の酸化物または窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または窒化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛および窒化チタンが含まれる。中でも、酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。導電性無機微粒子は、これらの金属の酸化物または窒化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、S、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子が含まれる。酸化錫および酸化インジウムの導電性を高めるために、Sb、P、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子を添加することが好ましい。Sbを含有する酸化錫(ATO)およびSnを含有する酸化インジウム(ITO)が特に好ましい。ATO中のSbの割合は、3〜20質量%であることが好ましい。ITO中のSnの割合は、5〜20質量%であることが好ましい。
帯電防止層は、架橋しているポリマーをバインダーとして用いることができる。該架橋性ポリマーはアニオン性基を有していることが好ましい。アニオン性基を有する架橋性ポリマーは、アニオン性基を有するポリマーの主鎖が架橋構造を有する。アニオン性基は、導電性無機微粒子の分散状態を維持する機能を有する。架橋構造は、ポリマーに皮膜形成能を付与して、帯電防止層を強化する機能を有する。
アニオン性基を有する架橋性ポリマーは、主鎖としてポリオレフィン(飽和炭化水素)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド等を有するもの、およびメラミン樹脂が好ましい。中でもポリオレフィン主鎖、ポリエーテル主鎖およびポリウレア主鎖が好ましく、ポリオレフィン主鎖およびポリエーテル主鎖がさらに好ましく、ポリオレフィン主鎖が最も好ましい。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、光学フィルムに物理強度を付与するために防眩性ではない、いわゆる平滑なハードコート層も好ましく用いられ、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記機能層(帯電防止層、光拡散層)の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、防眩性ハードコート層で例示したものが挙げられ、光重合開始剤、光増感剤を用いて重合することが好ましい。光重合反応は、ハードコート層の塗布および乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
ハードコート層には金属酸化物による無機微粒子を含有することも好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
《透明支持体》
本発明の光学フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
トリアセチルセルロースは、単層または複数の層からなる。単層のトリアセチルセルロースは、特開平7−11055号公報等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースは、特開昭61−94725号公報、特公昭62−43846号公報等で開示されている、いわゆる共流延法により作成される。すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
トリアセチルセルロースの屈折率は、1.46〜1.49が好ましく、1.47〜1.48がさらに好ましい。
上記のような、トリアセチルセルロースを溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的である。しかし地球環境や作業環境の観点から、溶剤はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。
ジクロロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてトリアセチルセルロースのドープを調製する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。
本発明の光学フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。また、本発明の反射防止フィルムと偏光板を組み合わせてもよい。該透明支持体がトリアセチルセルロースの場合は偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、本発明の反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコストの上では好ましい。
本発明の光学フィルムは、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置したり、そのまま偏光板用保護フィルムとして使用される場合には、十分に接着させるためには透明支持体上に最外層を形成した後、鹸化処理を実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フィルムを適切な時間浸漬して実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の(1)及び(2)の2つの手段から選択することができる。汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で(1)が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、(2)が優れる。
(1)透明支持体上に各塗設層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に塗設層を形成する前または後に、アルカリ液を該光学フィルムの塗設面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
[塗布方式]
本発明の光学フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。次に、諸機能層を形成するための塗布液をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
その後、光照射あるいは加熱して、機能層を形成するモノマーを重合して硬化する。これにより機能層が形成される。ここで必要であれば、機能層を複数層とすることができる。
次に、同様にして低屈折率層を形成するための塗布液を機能層上に塗布し、光照射あるいは加熱し(紫外線など電離放射線を照射、好ましくは加熱下で電離放射線を照射することにより硬化させ、)低屈折率層が形成される。このようにして本発明の光学フィルムが得られる。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記支持体の上面が自由状態にある位置におけるその支持体の下面に塗布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法である。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された支持体の一方の側に、少なくともハードコート層乃至含フッ素ポリマーを含む低屈折率層の内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
[偏光板]
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落[0020]〜[0030]に詳しい記載がある。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学補償層を有し、該ディスコティック化合物と支持体とのなす角度が層の深さ方向において変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。
該角度は光学異方性層の支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、少なくとも1枚の保護フィルムの透明支持体が下記式(I)および(II)を満たすことが、液晶表示画面の斜め方向からの表示改良効果が高く好ましく、特に本発明の透明支持体が下記式(I)および(II)を満たすことが特に好ましい。
(I):0≦Re(630)≦10、かつ|Rth(630)|≦25
(II):|Re(400)−Re(700)|≦10、かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[ディスプレイ装置]
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のようなディスプレイ装置(画像表示装置)に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。
本発明の光学フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
さらに、ベンド配向モードの液晶セル、光学異方層を含む偏光板を含めた全体として、波長450nm、波長550nmおよび波長630nmのいずれの測定においても、下記式(1')を満足する光学特性を有することが、液晶表示画面の斜め方向からの表示改良効果が高く好ましく、特に本発明の光学フィルムを保護フィルムとした偏光板が下記式(1')をみたすことが特に好ましい。
式(1'):0.05<(Δn×d)/(Re×Rth)<0.20
[式(1')中、Δnは液晶セル中の棒状液晶性分子の固有複屈折率であり;dはnmを単位とする液晶セルの液晶層の厚さであり;Reは光学異方層全体の面内レターデーション値であり;Rthは光学異方層全体の厚み方向のレターデーション値である。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)などに記載されている。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを偏光膜の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特別の断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
ポリシロキサン系ポリマーとして、前記(P−8)、(P−1)、(P−11)、(P−21)を合成した。
(ポリシロキサン系ポリマー(P−8)の合成)
Figure 2007204636
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、サイラプレーンFM−0721(チッソ(株)製、前記S−(2)に対応するシリコーンマクロマー)31.94g、ブチルメタクリレート7.99g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.1g、2−ブタノン30gを加え窒素雰囲気下で6時間78℃に加熱して反応を完結させた。質量平均分子量は9.0×103であった。
(ポリシロキサン系ポリマー(P−1)の合成)
Figure 2007204636
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、サイラプレーンFM−0725(チッソ(株)製、前記S−(1)に対応するシリコーンマクロマー)23.96g、ブチルアクリレート15.97g、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.1g、2−ブタノン30gを加え窒素雰囲気下で6時間78℃に加熱して反応を完結させた。質量平均分子量は2.1×104であった。
類似の方法で、ポリシロキサン系ポリマー(P−11)、(P−21)を合成した。(P−11)の質量平均分子量は5.2×104で、(P−21)の質量平均分子量は4.1×104であった。
(ゾル液a−1の調製)
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mlの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン29.0g(0.21mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水17.0g(0.94mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液a−1を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は30%であった。
また1H−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、以下の一般式で表される構造であった。
平均組成式: (CH2=CHCOO−C36)0.8(CH3)0.2SiO0.86(OCH3)1.28
更に、29Si−NMR測定による縮合率αは0.59であった。この分析結果から、本シランカップリング剤ゾルは直鎖状構造部分が大部分であることが分かった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
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帯電防止層用塗布液T−1の組成
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ペルトロンC−4456−S7(ATO分散ハードコート剤) 100g
シクロヘキサノン 30g
メチルエチルケトン 10g
KBM−5103(シランカップリング剤) 1.5g
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帯電防止層用塗布液T−2の組成
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ペルトロンC−4456−S7 100g
シクロヘキサノン 30g
ポリシロキサン系ポリマー P−8 0.41g
メチルエチルケトン 10g
KBM−5103 1.5g
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上記各塗布液を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して帯電防止層用塗布液を調製した。
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光拡散層用塗布液A−1の組成
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PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレートと
ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物) 45.0g
DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物) 5.0g
イルガキュア184(重合開始剤) 2.2g
SX−350H(3.5μm架橋ポリスチレン粒子、
トルエン30%分散液) 16.0g
3.5μm架橋アクリル−スチレン粒子(トルエン30%分散液) 5.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−8 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
トルエン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−2の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
SX−350H(トルエン30%分散液) 16.0g
3.5μm架橋アクリル−スチレン粒子(トルエン30%分散液) 5.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−1 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
トルエン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−3の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋アクリル粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−1 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−4の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋アクリル粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−11 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−5の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋アクリル粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−8 0.35g
フッ素系レベリング剤 FP−12 0.22g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.3g
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光拡散層用塗布液A−6の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋アクリルースチレン粒子
(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−21 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−7の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋スチレン粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−1 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−8の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
8μm架橋アクリル粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ポリシロキサン系ポリマー P−1 0.35g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.5g
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光拡散層用塗布液A−9の組成
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PET−30 45.0g
DPHA 5.0g
イルガキュア184 2.2g
5μm架橋アクリル粒子(メチルイソブチルケトン30%) 21.1g
ゾル液a−1 10.0g
メチルイソブチルケトン 38.8g
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上記光拡散層用塗布液各々について孔径10μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布液を調製した。
光拡散層用塗布液A−10の調製
上記、光拡散層用塗布液A−1のポリシロキサン系グラフトポリマー(P−8)の代わりに、下記構造のフッ素系ポリマー0.35g添加した以外は、添加量も含めて上記塗布液A−1と全く同様にして光拡散層用塗布液A−10を調製した。
Figure 2007204636
光拡散層用塗布液A−11の調製
特開平11−228631号公報の記載に基づいて該資料の主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するフッ素系共重合体A1を調製し、これを上記光拡散層用塗布液A−1のポリシロキサン系グラフトポリマー(P−8)の代わりに0.35g添加して光拡散層用塗布液A−11を調製した。
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低屈折率層用塗布液C−1の組成
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JTA−113(ポリシロキサンおよび水酸基を
含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー) 63.7g
MEK−ST−L(コロイダルシリカ分散物) 6.4g
メチルエチルケトン 27.4g
シクロヘキサノン 2.9g
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低屈折率層用塗布液C−2の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JTA−113 63.7g
MEK−ST−L 6.4g
ポリシロキサン系ポリマー P−1 1.5g
メチルエチルケトン 25.9g
シクロヘキサノン 2.9g
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記各々の液を、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液を調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
それぞれ使用した化合物を以下に示す。
・ペルトロンC−4456−S7:ATO分散ハードコート剤[固形分濃度45%、日本ペルノックス製]
・KBM−5103:シランカップリング剤(アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)[信越化学工業(株)製]
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・SX−350H:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子[屈折率1.60、綜研化学(株)製。30%トルエン分。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用]
・3.5μm架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm[屈折率1.55、綜研化学(株)製。30%トルエン分散液。上記と同じ分散条件にて分散]
・5μm架橋スチレン粒子:平均粒径5μm架橋ポリスチレン粒子[SX−500H、屈折率1.60、綜研化学(株)製。30%メチルイソブチルケトン分散液。上記と同じ分散条件にて分散]
・5μ架橋アクリル粒子:平均粒径5μm[MX−500、屈折率1.50、綜研化学(株)製。30%メチルイソブチルケトン分散液。上記と同じ分散条件にて分散]
・5μm架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径5μm[屈折率1.55、内製合成品。30%メチルイソブチルケトン分散液。上記と同じ分散条件にて分散]
・8μ架橋アクリル粒子:平均粒径8μm[MBX−8、屈折率1.50、積水化成品工業(株)製。30%メチルイソブチルケトン分散液。上記と同じ分散条件にて分散]
・イルガキュア184:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・JTA−113:ポリシロキサンおよび水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(固形分濃度6%、JSR(株)製)
・MEK−ST−L:コロイダルシリカ分散物[MEK−STの粒子サイズ違い、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製]
[実施例1]
〔光学フィルム試料101〜120の作製と評価〕
(1)帯電防止層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、帯電防止層用塗布液を塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して、帯電防止層を形成した。
(2)光拡散層の塗設
上記の帯電防止層を塗設したものは帯電防止層上に、しなかったものは80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して直接、各々光拡散層用塗布液を前記のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、光拡散層を形成し、巻き取った。
(3)低屈折率層の塗設
上記の光拡散層を塗設したフィルムを再び巻き出して、低屈折率層用塗布液を前記のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、120℃で75秒乾燥の後、更に10分乾燥させてから窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量240mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
(光学フィルム試料101〜120の作製)
上記方法により、下記表1に示す各層の塗布液と膜厚の組み合わせで光学フィルム試料101〜120を作製した。表1の左側に記載の塗設層から順に支持体上に積層塗布されている。
Figure 2007204636
(光学フィルムの評価)
得られたこれらの光学フィルム試料101〜120について、以下の項目の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)平均反射率
フィルムの裏面をサンドペーパーで祖面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における鏡面分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面反射率の算術平均値を用いた。
(2)ヘイズ
JIS−K7136に準じてフィルムのヘイズ値を測定した。
(3)スチールウール耐傷性
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:500g/cm2(4.9N/cm2)、
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
◎:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△:弱い傷が見える。
×:一目見ただけで分かる傷がある。
(4)消しゴム擦り耐性
光学フィルム試料をガラス面上に粘着剤で固定し、直径8mm、厚さ4mmにくりぬいた消しゴム、MONO(商品名、トンボ製)を擦り試験機のヘッドとして反射防止フィルムの表面に500g/cm2(4.9N/cm2)の荷重で垂直に上方から押し付けた後、25℃60RH%の
条件下においてストローク長3.5cm、擦り速度1.8cm/sにて200往復擦った後、付着した消しゴムを除去後、試料の擦り部を目視で確認し、表面の傷つき度合いを上記テストを3回繰り返し、平均して4段階で評価した。
○ :ほとんどキズが認められない。
△ :僅かにキズが認められる。
× :はっきりとキズが認められる。
××:キズが擦りあと全面に認められる。
(5)油性ペン拭き取り性
光学フィルム試料をガラス面上に粘着剤で固定し、25℃60RH%の条件下で黒油性ペン「マッキー極細(商品名:ゼブラ(株)製)」のペン先(細)にて直径5mmの円形を3周書き込み、5秒後に10枚重ねに折り束ねたベンコット(リンターを原料とした工業用不織布ワイパーの商品名、旭化成(株)製)でベンコットの束がへこむ程度の荷重で20往復拭き取る操作を行った。インク跡を拭き取りで消せなくなるまで前記の書き込みと拭き取りを前記条件で繰り返し、拭き取りした回数を求めた。上記テストを4回繰り返し、平均して下記4段階で評価した。
○ :10回以上拭き取り可能。
△ :数回〜10回未満拭き取れる。
× :1回だけ拭き取れる。
××:1回も拭き取れない
(6)動摩擦係数測定
表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、表面性測定機HEIDON−14(商品名、新東科学(株))により5mmステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した値を用いた。
(7)指紋付着性評価
表面の耐汚染性の指標として、サンプル表面に指紋を付着させてから、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
◎:1回で指紋が完全に拭き取れる
○:2ないし3回で指紋が拭き取れる
△:4回以上拭いて指紋が拭き取れる
×:指紋がほとんど拭き取れない
(8)ゴミ付き性評価
光学フィルム試料の透明支持体側をCRT表面に張り付け、0.5μm以上のホコリおよびティッシュペーパー屑を、1ft3(立方フィート)当たり100〜200万個有する部屋で24時間使用した。反射防止膜100cm2当たり、付着したホコリとティッシュペーパー屑の数を測定し、それぞれの結果の平均値を以下のように評価した。
◎:20個未満
○:20〜49個
△:50〜199個
×:200個以上
(9)面状ムラ評価
塗布後試料を黒布の上に塗布層が上になるように置き、白熱灯の点状光源下と蛍光灯の面状光源下各々において、反射光による面状観察を行った。スジ状、段状、面積状のムラの強度、頻度を以下の基準で評価した。
◎ :ムラがまったく見えない。
○ :よく探すと弱いムラが見えるがほとんどわからない。
○△:一見して弱いムラが少し見える。
△ :弱いムラが比較的多く見える
× :強いムラが見える。
××:強いムラが、かなりたくさん見える。
Figure 2007204636
表2に示される結果より、以下のことが明らかである。
表面層を除いたいずれかの層にポリシロキサン系ポリマーを用いた本発明の光学フィルムは、反射防止フィルムとしての光学的性能(平均反射率、へイズ)を望ましい範囲に保ちつつ、かつ表面特性(耐擦傷性、油性ペン拭き取り性、スベリ性、指紋やゴミ付着性)もすべて良好であり、しかも面状ムラの改良において優れている(101〜111,115〜118)。
一方、光拡散層に、本発明のポリシロキサン系ポリマーでなく、フッ素系ポリマーないし主鎖中にポリシロキサンセグメントを有するポリマーを用いても、面状ムラは本発明ほど改善されないし、光学的性能も劣っている(113,114)。また、本発明のポリシロキサン系ポリマーを表面層にのみ入れても、塗布面状はあまり改善されない(119,120)。
本発明の光学フィルムは、表面層を除いたいずれかの層に本発明のポリシロキサン系ポリマーを用いることで、表面層にポリシロキサン系ポリマーを用いないでも、光学フィルムの総合的性能に優れたものとなっている。
また、本発明の光学フィルムのなかでも、光拡散層の膜厚の厚いほうが面状ムラ改良に良好(115〜118:◎)であり、さらに樹脂粒子の粒径の大きいものが耐擦傷性にやや優れており(A−8を用いた111,118:◎)、本発明のポリシロキサン系ポリマーとフッ素系レベリング剤を併用したほうが指紋ふき取り性、面状ムラ改良に優れている(A−5を用いた108,117:◎)。また、ポリシロキサン系ポリマーを帯電防止層と光拡散層の両層に含有するほうが面状ムラ改良、油性ペン拭き取り性に優れている(102:◎)。本発明の光学フィルムには反射率も低めにでているものがある(101〜103:反射率1.6)。
光学フィルムの総合的性能に優れるこれらの構成は本発明によって初めて明らかになった。
[実施例2]
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)と、実施例1における本発明試料(鹸化処理済み)の各々のフィルムに、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光膜の両面を接着、保護して偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板を、反射防止膜側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEFをバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、面状ムラもなく、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
[実施例3]
PVAフィルムをヨウ素2.0g/l、ヨウ化カリウム4.0g/lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、特開2002−86554号公報に記載の図2の形態のテンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得た。
次に、実施例1における本発明試料(鹸化処理済み)の各々のフィルムを上記偏光板と貼り合わせて反射防止層付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作製したところ、本発明試料は外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、反射像が目立たず、また103のフィルムを用いたもの以外は画面にムラが見られず、優れた視認性を有していた。
比較試料である試料112〜114,119,120のフィルムを貼った偏光板を用いた液晶表示装置は画面に不均一なムラが見られた。
なお、103のフィルムを用いた表示装置は画面にムラが見られたが、ポリシロキサン系ポリマーを使用しないフィルム112,ポリシロキサン系ポリマーを表面層に使用したフィルム119を用いたものと比べた場合、ほとんど目立たない程度であった。
[実施例4]
実施例1における本発明試料の各々のフィルムを貼りつけた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムとして、光学補償フィルム(ワイドビューフィルムエース、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
また、本発明試料101〜105は、出射角0°に対する30°の散乱光強度が0.06%であり、この光拡散性により、特に下方向の視野角アップ、左右方向の黄色味が改善され、非常に良好な液晶表示装置であった。
[実施例5]
アセチル置換度2.94のセルロースアシレートを用い、下記光学的異方性低下剤A−19を49.3%(対セルロースアシレート)、下記波長分散調整剤UV−102を7.6%(対セルロースアシレート)となるようにして、共流延法により厚み80μmのセルロースアシレート試料201を作製した。得られたフィルムのレターデーションReは−1.0nm(TD方向に遅相軸のため負とする)、厚み方向のレターデーションRthは−2.0nmといずれも十分に小さい値であった。このセルロースアシレートフィルム試料を偏光子の2枚の保護フィルムのうちセル側の保護フィルムの透明支持体に、実施例1における本発明試料の各々のフィルムを偏光子の視認側の保護フィルムとしたところ、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置での評価をしたところ、いずれの場合においてもコントラスト視野角が良好な性能が得られた。
光学的異方性低下剤A−19:
Figure 2007204636
波長分散調整剤UV−102:
Figure 2007204636
[実施例6]
実施例1における本発明試料の各々のフィルムを、有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
[実施例7]
実施例1における本発明試料の各々のフィルムを用いて、片面反射防止フィルム付き偏光板を作製し、偏光板の反射防止膜を有している側の反対面にλ/4板を張り合わせ、反射防止膜側が最表面になるように、有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示が得られた。

Claims (9)

  1. 透明支持体上に少なくとも二層の機能層が塗設された光学フィルムであって、該機能層のうちの表面層を除いたいずれかの層が、下記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層であることを特徴とする光学フィルム。
    一般式[1]
    Figure 2007204636
    (上記一般式[1]において、R1、R2は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。pは10〜500の整数を表す。)
  2. 前記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーが下記一般式[2]で表されるポリシロキサン含有ビニル単量体を単独重合または共重合させることにより得られるグラフトポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
    一般式[2]
    Figure 2007204636
    (一般式[2]において、R1、R2およびpは一般式[1]と同じ意味を表す。R3、R4及びR5は同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価の有機基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表し、nは0または1を表す。)
  3. 前記ポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層が、下記一般式M1で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を少なくとも含むポリマーをも用いたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
    一般式M1
    Figure 2007204636
    (一般式M1において、R1は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、R12は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表す。Rfは−CF3または−CF2Hを表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜11の整数を表す。)
  4. 前記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層の厚さが、10μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 前記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層が、平均粒径5μm〜10μmの樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. 前記一般式[1]で表されるポリシロキサンセグメントを含んでなる部位を側鎖に有するポリマーを用いた層が2層以上あり、そのうちの1層が前記樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルムが反射防止機能を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  8. 請求項7に記載の反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
  9. 請求項7に記載の反射防止フィルムまたは請求項8に記載の偏光板を有するディスプレイ装置であって、前記反射防止フィルムが視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
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