JP2007200814A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料ガスタンク11から燃料電池スタック100へ燃料ガスを供給する供給路201Aに、燃料ガスタンク11の元弁V0、調圧弁V1、エゼクター80を順に設け、燃料電池スタック100のから排出される燃料ガスをエゼクター80の吸込口82に接続して、循環路を構成する。そして、エゼクター80を、元弁V0、調圧弁V1と一体に構成することにより、前記弁における高圧ガスの断熱膨張による温度低下で、エゼクター80を冷やし、エゼクター80による還流量を向上させる。
【選択図】図1
Description
(1)燃料ガス及び酸化ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料ガスが貯蔵され前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガスタンクと、
前記燃料ガスタンクから燃料ガスが駆動ガスとして供給されることで、前記燃料電池から排出される排ガスを吸い込み、燃料ガスと共に前記燃料電池に供給するエゼクターと、
前記エゼクターに供給される燃料ガスと該エゼクターが吸い込む排ガスとの温度差を制御することで前記エゼクターの排ガス吸込量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
前記燃料ガスが貯蔵され前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガスタンクと、
前記燃料ガスタンクから燃料ガスが駆動ガスとして供給されることで、前記燃料電池から排出される排ガスを吸い込み、燃料ガスと共に前記燃料電池に供給するエゼクターと、
前記エゼクターを冷却する冷却手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
前記エゼクターは、前記酸化ガス供給ファンにより供給される酸化ガス流の中に配置されていることを特徴とする上記(3)に記載の燃料電池システム。
従って、請求項1記載の発明によれば、エゼクターの駆動ガス流入口から流入する燃料ガスとエゼクターの燃料ガス吸込口から吸い込む燃料ガスとの温度差を制御することで、燃料ガスの還流量を制御することが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、エゼクターは酸化ガス供給ファンにより供給される酸化ガスにより冷却される。エゼクターが冷却されると、エゼクターの燃料ガス吸込口から吸い込まれる燃料ガスも冷却されるから、エゼクターの駆動ガス流入口から流入する燃料ガスと燃料電池から排出されエゼクターの燃料ガス吸込口から吸い込まれる燃料ガスとの温度差が大きくなる。また、酸化ガス供給ファンからの送風量を制御することによって、エゼクターの温度調節が可能となり、間接的に、燃料ガスの還流量を制御することが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、燃料電池内で水分を含んで排出された燃料ガスは、エゼクターで冷やされるため、水回収手段を設けることで、水分の回収が容易となる。特に、エゼクターの下流側に水回収手段を設けると水の回収効率が向上する。
次にこの発明の好適実施形態について説明する。この実施形態は、電気自動車に搭載される燃料電池システムである。図1は、この発明の燃料電池システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されているように、この燃料電池システム1は燃料電池スタック100と、水素貯蔵タンク11を含む燃料供給系10と、空気供給系12と、負荷系(図示せず)とに大略構成される。
燃料電池スタック100は、単位セル2と、セパレータ3とを備えている。単位セル2は、空気極である酸素極21と燃料極22とで固体高分子電解質膜23を挟持した構成となっている。
固体高分子電解質膜23は、高温域でプロトン伝導度が十分に得られる高温膜が用いられる。すなわち、この高温膜は、雰囲気が高温・低湿度である場合において、プロトン伝導度が高い固体高分子電解質膜である。具体的に高温膜として用いられる材料としては、含フッ素系膜、炭化水素系膜、またはそれらの合成膜などのカチオン交換膜であり、低湿度で高いプロトン伝導性を示す特性の構造を持つもので構成される。低湿度で高いプロトン伝導性を示す特性とは、例えば、一般的な固体高分子電解質よりも水が十分に保水される材料か、又は水が無くてもプロトン伝導可能な物質が添加された材料であり、含フッ素系膜のパーフルオロ系膜ではスルホン酸基の濃度が高い(EW値が低い)ものであれば良く、炭化水素系膜のスルホン酸化ポリイミド膜では分子構造上に水を保持する物質であれば良い。
具体的なプロトン伝導度の一例を挙げると、温度が摂氏50〜140℃の範囲内で、湿度が0〜50%の雰囲気下において、一般的な固体高分子(摂氏50度以下、湿度50%以上の雰囲気下でプロトン伝導度が0.1S/cm以上)よりもプロトン伝導性が良好なものであり、例えば、摂氏120℃、湿度20%の雰囲気下において、プロトン伝導性が0.1S/cm以上であるものが好ましい。
以上のような高温膜を用いることによって、燃料電池の発電反応の温度利用域を摂氏100度以上とすることができる。これにより反応によって発生する生成水が気化し、燃料ガスや酸化ガスとともに排出されるため、燃料電池スタック内に水が溜まることがなく、水排出のための構造を付加する必要もなくなる。また、生成水が蒸発するため、生成水により電解質成分が希釈されることを抑制できる。
集電部材31の、燃料極22に接触する面には、直線状に連続して隆起した凸部311が等間隔で複数形成され、該凸部311の間には、溝312がそれぞれ形成される。つまり、凸部311と溝312は、交互に配置された形状となっている。凸部311は、最も突出した峰の平面部が燃料極22に接触する接触部313となっており、この接触部313を介して燃料極22と通電可能となる。溝312と、燃料極22の表面とによって、燃料ガスとしての水素ガスが流通する燃料ガス流通路315が形成される。
このように構成された燃料電池スタック100の鉛直上側には、空気マニホールド54が設けられている。
排気ダクト124は、燃料電池スタック100の空気流出部327に接続され、空気流出部327から流出した空気を合流させ、外部環境へ放出する。
エゼクター80は、駆動ガス流入口81、燃料吸込口82、燃料ガス吐出口83とを備えている。駆動ガス流入口81は水素ガスタンク11に接続されており、この駆動ガス流入口81を介してエゼクター80内部に水素ガスタンク11からの燃料ガスが流入する。
ガス循環流路202、エゼクター80、燃料ガス供給流路201Aによって、水素ガスの循環路が構成されており、この水素ガスの循環路においては、エゼクター80の作用により、燃料電池スタック100から排出された燃料ガスが循環するようになっている。
燃料ガス供給流路201Aにおいて、
ガス循環流路202に排気された燃料ガスは、燃料電池スタック100内で、高温(摂氏100度以上)となり、かつ生成水に基づく水蒸気を含んでいる。この状態で燃料ガスはエゼクター80に吸引される。エゼクター80に吸引された燃料ガスは、エゼクター80から駆動ガスと合流して昇圧されつつ吐出ガスとして燃料ガス吐出口83から吐出される。このとき、駆動ガスとの合流による温度低下によって吸引された燃料ガス中の水蒸気の一部は、水として結露する。この結露した水は、エゼクター80の下流側に位置する水回収トラップ26により回収される。
図4は、燃料電池システム1の動作(水素ガスの還流量制御)を説明するためのフローチャートである。
このフローチャートは、ガス循環流路を循環する燃料ガス中の水分が一定量以上になったと判定された場合に開始する(ステップS101)。この判定は、例えば、燃料電池スタック100内の特定の単位セルに電圧計(図示せず)を接続し、この電圧計により電圧を測定し、その結果、該特定のセルの電圧低下が検出された場合に、燃料ガス中の水分が一定量以上になったと判定することが考えられる。
一方、必要還流性能を満たしていないのであれば(ステップS105:No)、必要還流性能に対応する空気ファン制御量をテーブルから読み取り、その制御量に基づいて空気ファン122を制御する(ステップS107)。ここでは、空気ファン122による空気供給量が低下するように空気ファン122を制御するものとする。これにより、燃料電池スタック100に対する、空気の流通による冷却効果が低下し、温度が上昇する。燃料電池スタック100から排出され循環する水素ガス温度も上昇する。これにより、エゼクター80の駆動ガス流入口81から流入する燃料ガスと燃料電池スタック100から排出されエゼクター80の燃料ガス吸込口82から吸い込まれる燃料ガスとの温度差が大きくなる。これにより、ガス循環流路202内の燃料ガスの還流量を制御(この場合増加)することが可能となる。すなわち、空気ファン122による空気の供給量を制御することで、ガス循環流路202内の燃料ガスの還流量を制御(この場合増加)することが可能となっている。
図5は、エゼクター80の冷却システムを説明するための図である。
エゼクター80には、弁(図5中水素タンク元弁V0、調圧弁V1を例示)が一体的に設けられている。この弁は燃料ガスを放出する際、ガスの断熱膨張により冷却され、弁が冷却されると弁と一体化されているエゼクター80も冷却される。エゼクター80が冷却されると、エゼクター80の燃料ガス吸込口82から吸い込まれる燃料ガスも冷却されるから、エゼクター80の駆動ガス流入口81から流入する燃料ガスと燃料電池スタック100から排出されエゼクター80の燃料ガス吸込口81から吸い込まれる燃料ガスとの温度差が大きくなる。従って、燃料ガスの還流量を制御することが可能となる。また、弁を開閉制御することでも、燃料ガスの還流量を制御することが可能となる。なお、弁とエゼクター80とは直接一体化されていてもよいし(図5)、熱伝導率が、他の部材(弁やエゼクター80に接続されている配管や燃料ガス容器、これらを収容するケーシングなど)よりも高い材料(例えば、アルミニウムや銅などの金属)を介して接続されていてもよく、さらに、そのような材料によって一体化されていることが好ましい。
図6は、エゼクター80の他の冷却システムを説明するための図である。
図6に示すように、この冷却システムは、図1に示す燃料電池システム1とほぼ同様の構成であるが、エゼクター80は、空気ファン122と空気マニホールド54との間にある空気導入路123中に一部が露出するように配置される。これにより、空気ファン122により供給される空気が、エゼクター80を冷却し、燃料ガスの還流量能力を高く維持することができる。他の構成については、図1に示す燃料電池システム1と同様であるので、同一の符号を付して、その説明を省略する。
11 水素貯蔵タンク
26 水回収トラップ
100 燃料電池スタック
201A 燃料ガス供給流路
202 循環エゼクター
80 エゼクター
Claims (7)
- 燃料ガス及び酸化ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料ガスが貯蔵され前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガスタンクと、
前記燃料ガスタンクから燃料ガスが駆動ガスとして供給されることで、前記燃料電池から排出される排ガスを吸い込み、燃料ガスと共に前記燃料電池に供給するエゼクターと、
前記エゼクターに供給される燃料ガスと該エゼクターが吸い込む排ガスとの温度差を制御することで前記エゼクターの排ガス吸込量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給ファンと、前記酸化ガス供給ファンによる酸化ガスの供給量を制御する酸化ガス供給量制御装置と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 燃料ガス及び酸化ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料ガスが貯蔵され前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガスタンクと、
前記燃料ガスタンクから燃料ガスが駆動ガスとして供給されることで、前記燃料電池から排出される排ガスを吸い込み、燃料ガスと共に前記燃料電池に供給するエゼクターと、
前記エゼクターを冷却する冷却手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記エゼクターに供給される燃料ガスを断熱膨張させるための弁を含み、前記弁と前記エゼクターは熱伝導性材料により一体化されて形成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記弁は、燃料ガス元弁又は燃料ガス調圧弁であることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記冷却手段は、前記燃料電池に酸化ガスを供給するための酸化ガス供給ファンであり、
前記エゼクターは、前記酸化ガス供給ファンにより供給される酸化ガス流の中に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池の排ガスから水分を回収するための水回収手段を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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