JP5103719B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は燃料電池システムに係り、特に、車両への搭載に適した燃料電池システムに関する。
従来、例えば特開2004−127548号公報に開示されるように、オフガス中の不純物イオン濃度に基づいて異常判定を行う機能を有する燃料電池システムが知られている。燃料電池は、通常、アノード側にH2ガスの供給をうけ、また、カソード側に空気の供給を受けることにより水を生成しながら電気を生成する。
燃料電池のアノード側からは、余剰のH2ガスと、生成された水とを含むオフガスが排出される。一方、カソード側からは、余剰の空気と、生成された水とを含むオフガスが排出される。オフガス中には、所定濃度以上で燃料電池の性能低下の原因となる種々の不純物イオンが溶出する。このため、オフガス中の不純物イオン濃度を検出し所定濃度以下となるように制御すれば、燃料電池の性能低下を抑制することができる。上記従来技術の燃料電池システムは、このような原理を利用して、燃料電池の性能低下を抑制している。
特開2004−127548号公報
ところで、燃料電池のオフガス通路には、燃料電池の停止中にはオフガスも水も排出されない。このため、燃料電池の停止中は、オフガス通路内の水分が蒸発し、オフガス通路内の不純物イオン濃度が大きく上昇することがある。また、燃料電池の作動中に生成される水の量は、燃料電池の発電量に応じて増減する。そして、燃料電池からの溶出不純物量が同じであっても、生成される水の量が異なれば、その水分中の不純物イオン濃度は異なったものとなる。
燃料電池のオン・オフ状態や運転状態は、使用者の要求に応じて変化する。特に、車両に搭載される燃料電池に関しては、それらの状態は、運転者の要求に応じて極めて頻繁に、かつ、大きく変化する。燃料電池のオン・オフ状態や運転状態がこのように変化する条件下では、オフガスに含まれる水分中の不純物濃度は、燃料電池からの溶出不純物量に対して正しい相関を示さない。
上記従来の燃料電池システムは、燃料電池の状態を考慮することなくオフガス中の不純物イオン濃度を計測する。このため、このシステムによっては、燃料電池からの溶出不純物量を必ずしも正確に検知することができなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池からの溶出不純物量に対して正しい相関を示す不純物イオン濃度を検知することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
ガスの供給を受けることにより水を生成しながら電気を生成する燃料電池と、
前記燃料電池に前記ガスを供給するガス供給機構と、
前記燃料電池によって生成された水と前記ガスの余剰分とを含むオフガスを前記燃料電池から排出させるためのオフガス通路と、
前記オフガス通路中を流れる凝縮水を一時的に滞留させるための凝縮水滞留部と、
前記凝縮水滞留部の中で、前記凝縮水の不純物濃度を計測する不純物濃度センサと、
前記オフガス通路内に安定水流が生ずる安定水流条件の成立を判定する安定水流条件判定手段と、
前記安定水流条件の成立時に、前記不純物濃度を有効値と認識する計測結果取り込み手段と、
前記燃料電池の始動後に、前記燃料電池から排出されたオフガス量の積算値を算出するオフガス量積算値算出手段を備え、
前記安定水流条件判定手段は、前記オフガス量の積算値が判定値を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、燃料電池システムであって、
ガスの供給を受けることにより水を生成しながら電気を生成する燃料電池と、
前記燃料電池に前記ガスを供給するガス供給機構と、
前記燃料電池によって生成された水と前記ガスの余剰分とを含むオフガスを前記燃料電池から排出させるためのオフガス通路と、
前記オフガス通路中を流れる凝縮水を一時的に滞留させるための凝縮水滞留部と、
前記凝縮水滞留部の中で、前記凝縮水の不純物濃度を計測する不純物濃度センサと、
前記燃料電池から前記凝縮水滞留部にわたって、前記オフガス経路の洗浄が終了したか否かを、前記燃料電池の起動毎に判断する洗浄終了判定手段と、
前記燃料電池の起動後、前記洗浄の終了が判断された後に、前記不純物濃度を有効値と認識する計測結果取り込み手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記燃料電池の起動後に生成された電流の積算値を算出する電流積算手段を備え、
前記洗浄終了判定手段は、前記電流の積算値が判定値を超える場合に前記洗浄の終了を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記オフガス経路内に安定水流が生ずる安定水流条件の成立を判定する安定水流条件判定手段を備え、
前記計測結果取り込み手段は、前記洗浄の終了後、かつ、前記安定水流条件の成立時に、前記不純物濃度を有効値と認識することを特徴とする。
また、第の発明は、第1または第4の発明において、
前記燃料電池の温度を計測するFC温度計測手段を備え、
前記安定水流条件判定手段は、前記燃料電池の温度が判定温度を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
また、第の発明は、第1第4および第5の発明の何れかにおいて、
前記凝縮水滞留部の内部または近傍で前記凝縮水の温度を計測する凝縮水温度計測手段を備え、
前記安定水流条件判定手段は、計測された凝縮水の温度が判定温度を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
また、第の発明は、第1および第4乃至第の発明の何れかにおいて、
前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段を備え、
前記安定水流条件判定手段は、算出された凝縮水量が判定量を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記燃料電池から排出されるオフガス量を検出するオフガス量検出手段と、
前記燃料電池の温度を計測するFC温度計測手段と、
前記燃料電池の近傍における前記オフガス通路の内圧を第1内圧として計測する第1内圧計測手段と、
前記オフガス量と、前記燃料電池の温度と、前記第1内圧とに基づいて、燃料電池からオフガス通路への排出水総量を算出する排出水総量算出手段と、
前記凝縮水滞留部の内部または近傍で前記凝縮水の温度を計測する凝縮水温度計測手段と、
前記凝縮水滞留部の内部または近傍における前記オフガス経路の内圧を第2内圧として計測する第2内圧計測手段と、
前記オフガス量と、前記凝縮水の温度と、前記第2内圧とに基づいて、前記凝縮水滞留部をガス状態のまま通過する水蒸気量を算出する通過水蒸気量算出手段とを備え、
前記凝縮水量算出手段は、前記排出水総量から前記水蒸気量を減じることにより、前記凝縮水量を算出する算出手段を含むことを特徴とする。
また、第の発明は、第の発明において、
前記燃料電池に対するガス供給量を検出するガス供給量検出手段と、
前記燃料電池の電流を検出する電流検出手段とを備え、
前記オフガス量検出手段は、前記ガス供給量と、前記電流とに基づいて前記オフガス量を算出する算出手段を含むことを特徴とする。
また、第10の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記不純物濃度センサは、前記凝縮水滞留部に設けられた導電率センサであることを特徴とする。
また、第11の発明は、第1乃至第10の発明の何れかにおいて、
前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段を備え、
前記計測結果取り込み手段は、算出された凝縮水量が高負荷判定量を超える場合に、前記不純物濃度が有効値と認識されるのを禁止する禁止手段を含むことを特徴とする。
また、第12の発明は、第1乃至第11の発明の何れかにおいて、
前記計測結果取り込み手段により有効値と認識された不純物濃度が、異常判定濃度を超える場合に前記燃料電池の異常を判定する異常判定手段と、
前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段と、
前記凝縮水量に基づいて前記異常判定濃度を設定する異常判定濃度設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第13の発明は、第1乃至第12の発明の何れかにおいて、
前記計測結果取り込み手段により有効値と認識された不純物濃度が、異常判定濃度を超える場合に前記燃料電池の異常を判定する異常判定手段と、
前記燃料電池の異常が判定された場合に、前記オフガス中の液体水分を増量させる液体水分増量手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第14の発明は、第13の発明において、前記液体水分増量手段は、前記燃料電池から排出されるオフガスを冷却するオフガス冷却手段を含むことを特徴とする。
また、第15の発明は、第13または第14の発明において、
前記ガス供給機構は、前記燃料電池のカソード側に空気を供給する空気供給通路と、前記空気供給通路の中を流れる空気を加湿する加湿ユニットとを備え、
前記液体水分増量手段は、前記加湿ユニットの上流側で前記空気供給通路の中を流れる空気を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
また、第16の発明は、第1乃至第15の発明の何れかにおいて、前記燃料電池の停止中に、前記オフガス経路に水を流通させる洗浄機構を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、オフガス通路中に安定水流が生じている場合に限り、不純物濃度の計測値が有効値と認識される。不純物濃度センサは、オフガス通路内に安定水流が生じている場合は、滞留不純物の濃度に影響されることなく、燃料電池から排出されてきたオフガス中の不純物イオン濃度を正しく計測する。このため、本発明によれば、燃料電池からの溶出不純物量を正しく表す不純物イオン濃度を検知することができる。
また、この発明によれば、燃料電池の始動後に、燃料電池から排出されたオフガス量の積算値が判定値を超えた段階で安定水流の発生が判定される。オフガスが、積算値を超える程度の流通する段階では、オフガス通路等の壁面に適当な濡れが形成され、安定水流が生じ得る環境が作り出される。このため、本発明によれば、安定水流の発生を精度良く判定することができる。
第2の発明によれば、オフガス通路の洗浄が終了した後に限り、不純物濃度の計測値が有効値と認識される。オフガス通路の洗浄が終了した後であれば、不純物濃度センサは、滞留不純物の濃度に影響されることなく、燃料電池から排出されてきたオフガス中の不純物イオン濃度を正しく計測する。このため、本発明によれば、燃料電池からの溶出不純物量を正しく表す不純物イオン濃度を検知することができる。
第3の発明によれば、燃料電池の起動後に生成された電流の積算値が判定値を超える場合に洗浄の終了が判定される。燃料電池で生成される水の量は、生成された電流の量に比例する。このため、上記の判定によれば、燃料電池からオフガス通路に排出された水の量が一定値に達した段階で、洗浄の完了を適正に判定することができる。
第4の発明によれば、オフガス通路の洗浄が終了しており、かつ、オフガス通路中に安定水流が生じている場合に限り、不純物濃度の計測値が有効値と認識される。不純物濃度センサは、このような状況下では、燃料電池から排出されてきたオフガス中の不純物イオン濃度を極めて正確に計測する。このため、本発明によれば、燃料電池からの溶出不純物量を正しく表す不純物イオン濃度を精度良く検知することができる。
の発明によれば、燃料電池の温度が判定温度を超えた段階で、オフガス通路内に安定水流が生じていると判断される。燃料電池は、温度の上昇に伴って発電効率を高め、その結果、単位時間当たりの水の生成量を増大させる。本発明によれば、その生成量が一定値に達した時点で、安定水流の発生を適正に判定することができる。
の発明によれば、不純物濃度センサが配置されている凝縮水滞留部の内部または近傍で、凝縮水の温度が判定温度を超えた段階で安定水流が生じていると判断される。凝縮水滞留部における水の温度は、燃料電池の温度と相関を有している。このため、本発明によれば、燃料電池が十分な量の水を生成する状態になった時点で、安定水流の発生を適正に判定することができる。
の発明によれば、凝縮水滞留部に流入する凝縮水量が判定量を超えた段階で安定水流が生じていると判断される。不純物濃度センサは、凝縮水滞留部の内部で、凝縮水中の不純物イオン濃度を計測する。このため、そこに流れ込む凝縮水量が判定量を超えているか否かは、不純物濃度センサの周辺に安定水流が生じているか否かと最も密接に関連している。本発明によれば、その判定に従って安定水流の有無が判断されるため、その判断を正確に行うことができる。
の発明によれば、燃料電池から排出されるオフガス量と、燃料電池の温度と、燃料電池の近傍における第1内圧とが計測される。燃料電池からオフガス経路に排出される水の総量は、排気ガス中にほぼ飽和の状態で存在する水蒸気と、排気ガス中に気体として存在できずに液体として排出される水との和に等しい。そして、その総量は、排気ガス中にほぼ飽和の状態で存在する水蒸気の量と相関を有している。本発明においては、これらの背景を前提として予め定めた規則に従って、オフガス量、燃料電池温度、および第1内圧に基づいて、燃料電池から排出される水の総量を精度良く算出することができる。更に、本発明によれば、同様の原理により、凝縮水滞留部から排出される水の総量が、凝縮水滞留部の内部または近傍における温度と、その内部または近傍における第2内圧と、オフガス量とに基づいて精度良く算出される。そして、燃料電池から排出される水の総量から、凝縮水滞留部から排出される水の総量を減ずることにより、凝縮水滞留部に流入する水の量が精度良く算出できる。
の発明によれば、燃料電池に対するガス供給量と共に、燃料電池の電流量とが検出される。燃料電池から排出されるオフガス量は、ガス供給量から、燃料電池において消費されるガス量を減じた量となる。そして、燃料電池において消費されるガス量は、電流量と相関を有している。このため、本発明によれば、ガス供給量と電流量とを基礎として、オフガス量を精度良く算出することができる。
10の発明によれば、凝縮水滞留部に設けた導電率センサにより、凝縮水中の不純物イオン濃度を精度良く計測することができる。
11の発明によれば、凝縮水滞留部に流入する凝縮水量が高負荷判定量を超える場合には、計測された不純物濃度が有効値と認識されるのを禁止することができる。凝縮水滞留部に流入する凝縮水量は、燃料電池の負荷が高まるほど多量となる。そして、不純物濃度センサの周囲を流れる水の量が多量になるに連れて、燃料電池の状態と凝縮水中の不純物イオン濃度との関係に変化が生ずる。本発明によれば、その関係が通常の関係でない場合に、燃料電池の状態を表す特性値として不純物イオン濃度が取り込まれるのを確実に防止することができる。
12の発明によれば、凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量に基づいて異常判定濃度を設定し、その異常判定濃度に基づいて燃料電池の異常を判定することができる。このため、本発明によれば、不純物濃度センサの周囲を流れる凝縮水量の多少に影響されることなく、燃料電池の異常の有無を正確に判定することができる。
13の発明によれば、異常判定濃度を超える不純物濃度が計測され、その結果燃料電池の異常が判定された場合に、オフガス中の液体水分を増量させることができる。オフガス中の液体水分量が増えれば、排出される凝縮水中の不純物濃度が低下する。このため、本発明によれば、燃料電池の異常時においても、排出水中の不純物濃度が不当に高くなるのを防ぐことができる。
14の発明によれば、燃料電池から排出されるオフガスを冷却することにより、オフガス中の水蒸気の凝縮を促し、その結果として、オフガス中の液体水分を増量させることができる。
15の発明によれば、燃料電池のカソード側に供給される空気を加湿ユニットにより加湿することができる。更に、この発明によれば、加湿ユニットの上流側で空気を加熱することができる。加湿ユニットは、その中を流れる空気が高温であるほど、多くの水分を空気中に加えることができる。このようにしてカソード側に多くの水分を供給すれば、カソード側から排出されるオフガス中の液体水分量を増量することができる。
16の発明によれば、燃料電池の停止中に、オフガス通路の洗浄を行うことができる。このため、本発明によれば、燃料電池の起動後に、残留イオンの影響を大きく受けることなく、燃料電池から排出されてくるオフガス中の不純物濃度そのものを、精度良く検出することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の燃料電池システムの構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、燃料電池10を備えている。燃料電池10は、積層された複数のセル12を備えていると共に、その両端に、出力取出し用集電板14と出力取出し用集電板16を備えている。
出力取出し用集電板14および出力取出し用集電板16には、それぞれ、燃料電池10により生成された電力を取り出すための導電線18が接続されている。導電線18には、燃料電池10から流出する電流を計測するための電流計20が備わっている。
図2は、燃料電池10のセル12の断面を拡大して表した図である。図2に示すように、複数のセル12は、境界層22を介して積層されている。境界層22には、水素通路24と、空気通路26と、冷却水通路28とが形成されている。それらの通路は、導電材料により形成された分離壁30により互いに分離されている。
水素通路24は、個々のセル12のアノード側に水素を供給するための通路である。空気通路26は、個々のセル12のカソード側に空気を供給するための通路である。また、冷却水通路28は、その内部に冷却水を流通させるための通路であり、分離壁30により個々のセル12から隔離されている。
個々のセル12は、電解質層32を有している。電解質層32の両側には、それぞれアノード側電極層34、およびカソード側電極層36が設けられている。アノード側電極層34の表面は拡散層38で覆われている。同様に、カソード側電極層36の表面も拡散層40で覆われている。
拡散層38,40は、多孔質性の導電物質であり、ガスの流通を許容すると共に電荷の移動を許容する。水素通路24の内部を流通する水素H2は、拡散層38を介してアノード側電極層34に到達する。その結果、アノード側電極層34では、以下の反応により水素イオンH+と電子e-とが生成される。
H2→2H++2e- ・・・(1)
上記の反応により生成された電子e-は、拡散層38を通って分離壁30に到達し、そこから隣接するセル12のカソード側に伝搬される。一方、電子e-と共に生成された水素イオンH+は、電解質32を通ってカソード側電極層36に到達する。カソード側電極層36には、隣接するセル12から伝搬される電子e-と、空気通路26の中を流れる酸素O2とが到達する。その結果、カソード側電極層36では、以下の反応が生ずる。
4H++4e-+O2→2H2O ・・・(2)
燃料電池10の各セル12は、上記(1)および(2)の反応を生じさせることにより、水を生成しながら電気エネルギーを発生する。この反応は発熱反応であるため、燃料電池10の動作中は、その内部温度が上昇する。冷却水通路28には、その温度を適温に維持するために冷却水が流される。
上記の構造によれば、個々のセル12は、隣接するセル12に対して直列に接続された状態となる。このため、全てのセル12において生成された電気エネルギーは、燃料電池10の両端に設けられた出力取出し用集電板14および出力取出し用集電板16に集約され、ここから外部に取り出される。
図1に示すように、本実施形態のシステムは、燃料電池10への空気供給通路42を備えている。空気供給通路42の端部にはエアフィルタ44が設けられている。エアフィルタ44の下流には、駆動源として電動機を備えるコンプレッサ46が配置されている。また、コンプレッサ46の近傍には、コンプレッサの回転数の積算値を計数するための回転数センサ48が設けられている。空気供給通路42は、個々のセル12のカソード側に位置する空気通路26(図2参照)の全てと導通しており、コンプレッサ46によって圧送された空気を、全てのセル12の空気通路26に供給することができる。
燃料電池10には、更に、カソード側オフガス通路50が設けられている。カソード側オフガス通路50は、上述した空気通路26の全てと連通しており、個々のセル12のカソード側で生成されるカソード側オフガスは、その全てがカソード側オフガス通路50に排出される。
上述した通り、燃料電池10のカソード側では、上記(2)式の反応に伴い、酸素が消費され、水が生成される。このため、カソード側オフガス通路50には、酸素濃度の下がった空気と水とを含むオフガスが排出される。
燃料電池10のカソード側には、更に、加湿ユニット52が設けられている。加湿ユニット52は、カソード側オフガス通路50内の水分を、空気供給通路42内の空気に加えるための機構である。燃料電池10は、カソード側に供給される空気にある程度水分が含まれている方が高い発電効率を発揮する。加湿ユニット52によれば、その要求を満たして、燃料電池10の効率を改善することができる。
カソード側オフガス通路50は、燃料電池10からの出口付近に圧力センサ54を備えている。以下、圧力センサ54の計測値を「圧力P54」と称す。また、カソード側オフガス通路50は、その端部において凝縮器56に連通していると共に、その直前に温度センサ58を備えている。以下、温度センサ58の計測値を「温度T58」と称す。更に、凝縮器56には、その内部に滞留する凝縮水の温度を計測するための温度センサ60と、その凝縮水の導電率を計測するための導電率センサ62と、その内圧を計測する圧力センサ63が組み込まれている。以下、温度センサ60の計測値を「温度T60」と、導電率センサ62の計測値を「カソード側導電率Ccw」と、また、圧力センサ63の計測値を「圧力P63」と、それぞれ称することにする。
導電率センサ62の出力は、検出器64に接続されている。検出器64は、導電率センサ62の出力に基づいて、凝縮器56に流入してくる凝縮水の導電率を検知することができる。
図3は、凝縮器56の構造を説明するための図である。凝縮器56は、カソード側オフガス通路50から流入してくるオフガスを受け入れるハウジング66を備えている。オフガス中には、空気に加えて、気体状態で存在している水蒸気と、既に液化している凝縮水とが混在している。気体状態で流入した水蒸気の一部も、ハウジング66の内部で冷却が進むことにより、液化して凝縮水となる。
ハウジング66の内部には、それらの凝縮水を一時的に滞留させるための凝縮水滞留部68と、凝縮水をある程度の量貯めておくための貯留部70とが形成されている。このような構成によれば、凝縮器56にオフガスが流入すると、凝縮水滞留部68には凝縮水の流れが発生する。このため、温度センサ60および導電率センサ62は、凝縮水が十分に生成されている状況下では、流動している凝縮水の温度および導電率を、それぞれ温度T60またはカソード側導電率Ccwとして計測することができる。
凝縮水滞留部68からあふれ出た凝縮水は、貯留部70に流れ出る。貯留部70は、電磁弁71を介して大気に連通している。このため、貯留部70に流れ込んだ凝縮水は、電磁弁71を通って大気中に排出される。
図1に示すように、凝縮器56には、排気通路72が連通している。排気通路72には、マフラ74が組み込まれている。このため、凝縮器56から流出したオフガスは、最終的に、マフラ74を通過した後大気中に排気される。また、排気通路72には、マフラ74をバイパスするように、混合器76が設けられている。このため、一部のオフガスは、混合器76を通って大気に排出されることになる。
本実施形態のシステムは、燃料電池10に水素を供給する為の水素供給通路78を備えている。水素供給通路78には、弁機構80を介して水素供給機構82が連通している。水素供給通路78は、個々のセル12のアノード側に位置する水素通路24(図2参照)の全てと導通しており、全てのセル12の水素通路24に供給することができる。
燃料電池10には、更に、アノード側オフガス通路84が設けられている。アノード側オフガス通路84は、上述した水素通路24の全てと連通しており、個々のセル12のアノード側で生成されるアノード側オフガスは、その全てがアノード側オフガス通路84に排出される。
上述した通り、燃料電池10には、水素が供給されている。また、個々のセル12においては、カソード側からアノード側に、水蒸気と窒素が透過してくる。このため、アノード側オフガス通路84には、水素と、窒素と、水とを含むオフガスが排出される。
アノード側オフガス通路84は、燃料電池10からの出口付近に圧力センサ86を備えている。以下、圧力センサ86の計測値を「圧力P86」と称す。また、アノード側オフガス通路84は、その端部において凝縮器88に連通していると共に、その直前に温度センサ90を備えている。以下、温度センサ90の計測値を「温度T90」と称す。更に、凝縮器88には、その内部に滞留する凝縮水の温度を計測するための温度センサ92と、その凝縮水の導電率を計測するための導電率センサ94と、その内圧を検出するための圧力センサ96が組み込まれている。以下、温度センサ92の計測値を「温度T92」と、導電率センサ94の出力を「アノード側導電率Caw」と、また、圧力センサ96の出力を「圧力P96」と、それぞれ証することにする。
凝縮器88は、カソード側の凝縮器56と同様の構成を有している。このため、凝縮水が十分に生成されている状況下では、温度センサ92および導電率センサ94は、流動している凝縮水の温度および導電率を、それぞれ温度T92またはアノード側導電率Cawとして計測することができる。
また、導電率センサ94の出力は、カソード側の導電率センサ62の出力と同様に、検出器64に接続されている。従って、検出器64は、導電率センサ62の出力を見ることによりカソード側の凝縮水の導電率を、また、導電率センサ94の出力を見ることによりアノード側の凝縮水の導電率を、それぞれ検知することができる。
凝縮水貯留部68の底部は、排気弁98を介して、カソード側オフガス通路50に連通している。アノード側のオフガスには水素が含まれている。排気弁98は、その水素が排出されないように、凝縮水貯留部68内にある程度の凝縮水が貯まった時点で、適当な期間だけ開弁するように制御される。排気弁98の開弁に伴って排出される凝縮水は、最終的には、カソード側の凝縮水と一緒に、カソード側の凝縮器56から大気中に排出される。
アノード側の凝縮器88には、オフガス還流通路100が連通している。オフガス還流通路100には、主として、水素と窒素を含むオフガスが流通する。また、オフガス乾留通路100には、そのオフガスを圧送するための電動ポンプ102が組み込まれている。
電動ポンプ102の下流において、オフガス還流通路100は、逆止弁104を介して水素供給通路78に連通していると共に、排気弁106を介して混合器76に連通している。排気弁106は、オフガス中の窒素を排気するための弁機構である。
燃料電池10には、冷却水供給通路108と、冷却水排出通路110とが連通している。これらの通路108,110は、何れも、個々のセル12の間に形成されている冷却水通路28の全てと連通している。冷却水供給通路108の中を流れる冷却水は、冷却水通路28の中を流れることにより燃料電池10を冷却した後、冷却水排出通路110を通って、図示しないラジエタ等に導かれる。
冷却水排出通路の、燃料電池10からの出口の近傍において冷却水温を計測するための温度センサ112を備えている。以下、温度センサ112の計測値を「温度T112」と証する。燃料電池10の出口における冷却水温は、燃料電池10の温度そのものとして取り扱うことができる。このため、温度T112は、燃料電池10の温度として取り扱うことができる。
図1に示すシステムは、ECU120を備えている。ECU120には、電流計20、圧力センサ54,63,86,96、温度センサ58,60,90,92、回転数センサ48、および検出器64等の出力が供給されている。本実施形態のシステムは、ECU120が、それらの出力に基づいて、後述する手法により、燃料電池10を含むシステムの性能低下の原因となる導電性物質及び/又は配管等からの溶出物質の濃度を精度良く判定する点に特徴を有している。
[実施の形態1における具体的処理]
(溶出不純物量の判定の概要)
図4は、ECU120が、燃料電池10からの溶出不純物量の適否を判定するために実行するメインルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンでは、先ず、判定を実行するための判定条件が成立しているか否かが判別される(ステップ130)。
本実施形態のシステムは、上述した通り、アノード側およびカソード側に配置された導電率センサ62,94により、それぞれのオフガスに含まれる凝縮水の導電率を検知することができる。燃料電池10は作動時、性能低下の原因となる金属イオン等の導電性物質がオフガス中に溶出してくる。このため、導電率センサ62,94により計測される凝縮水の導電率を測定することにより、凝縮水中の導電性物質の濃度を測定することができる。
但し、導電率センサ62,94の周囲に存在する凝縮水の導電率は、必ずしも常に燃料電池10からの溶出不純物量と適正に対応しているものではない。例えば、燃料電池10の停止中は、新たに水が生成されることがない。このため、オフガス通路50,84や凝縮器56,88の内部では、水の蒸発に伴って導電性物質の濃縮が生ずる。また、オフガス通路50,84や凝縮器56,88に予め導電性物質が付着していた場合は、オフガス中にその導電性物質が溶出することにより、導電率センサ62,94の周囲には、燃料電池10からの溶出不純物量に対して過剰に導電性物質を含むオフガスが到達する。
以上に例示した状況下では、導電率センサ62,94により計測された導電率に基づいて、燃料電池10からの溶出不純物量の適否を正確に判断することはできない。このため、その導電率に基づく判定は、導電率センサ62,94が、燃料電池10からの溶出不純物量と整合する導電率を計測し得る状況において実行することが必要である。上記ステップ130において判断される条件は、その状況が形成されているか否かを判断するための条件である。本実施形態のシステムは、ここで厳密な条件判定を行うことにより、高い精度での判定を実現している。尚、その条件判定の内容は、後に図5乃至図14を参照して詳細に説明する。
図4に示すルーチン中、ステップ130において、判定の条件が成立していないと判定された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。このため、本実施形態のシステムによれば、燃料電池10からの溶出不純物量と整合していない導電率に基づき、誤った判定が行われるのを有効に防止することができる。
一方、上記ステップ130において、判定の条件が成立していると判断された場合は、以後、燃料電池10からの溶出不純物量の適否判定のための処理が進められる。ここでは、先ず、導電率センサ94の出力に基づいて、アノード側導電率Cawが測定される(ステップ132)。
次に、アノード側導電率Cawと、アノード側判定値βaとの比較に基づいて、その導電率Cawが正常値であるか否かが判別される(ステップ134)。具体的には、アノード側導電率Cawが判定値βa以下である場合は、燃料電池10から流出してくる導電性物質の濃度が正常値であると判断され、OK判定が成される。一方、アノード側導電率Cawが判定値βaを超えている場合は、導電性物質の濃度が異常値に達していると判断され、NG判定が成される。
ステップ134でNG判定がなされた場合、つまり、燃料電池10のアノード側から、導電性物質が多量に検出されたと判断された場合は、アノード腐食抑制処理が実行される(ステップ136)。ここでは、具体的には、アノード側のオフガス中に含まれる水分量を増やすための処理が行われる。燃料電池10から排出される導電性物質(フッ酸等)は、最終的には、凝縮水と共に大気中に排出される。オフガス中に含まれる水分量が増えれば、凝縮水中の不純物濃度は相対的に低下する。このため、上記の処理によれば、アノードからの溶出不純物量が多量になった状況下でも、導電性物質を高い濃度で含む凝縮水が大気中に排出されるのを有効に防ぐことができる。尚、ここで実行される処理の具体的内容については、後に図15および図16を参照して詳細に説明する。
ステップ136の処理が終わると、次に、燃料電池10からの溶出不純物量が過多であることを表すためのアラーム表示がなされる(ステップ138)。本ステップ138の処理が行われることにより、車両の運転者に、燃料電池10からの溶出不純物量が過多であることを迅速に知らしめることができる。
図4に示すルーチン中、上記ステップ134において、OK判定がなされた場合は、燃料電池10のアノード側からの溶出不純物量は適正であると判断される。この場合は、次に、カソード側の導電率センサ62の出力に基づいて、カソード側導電率Ccwが測定される(ステップ140)。
次いで、カソード側導電率Ccwと、カソード側判定値βcとの比較に基づいて、その導電率Ccwが正常値であるか否かが判別される(ステップ142)。具体的には、カソード側導電率Ccwが判定値βc以下である場合は、燃料電池10から流出してくる導電性物質の濃度が正常値であると判断され、OK判定が成される。一方、カソード側導電率Ccwが判定値βcを超えている場合は、導電性物質の濃度が異常値に達していると判断され、NG判定が成される。
ステップ142でOK判定が成された場合は、アノード側からもカソード側からも過剰な溶出藤生物量は生じていないと判断できる。この場合は、アラーム表示等の処理が行われることなく、今回の処理サイクルが即座に終了される。
一方、上記ステップ142において、NG判定がなされた場合は、燃料電池10のカソード側から溶出不純物が過多に流出していると判断できる。この場合は、次に、カソード腐食抑制処理が実行される(ステップ144)。ここでは、具体的には、カソード側のオフガス中に含まれる水分量を増やすための処理が行われる。この処理が行われることにより、カソード側からの溶出不純物量が過多である状況下でも、導電性物質を高い濃度で含む凝縮水が大気中に排出されるのを有効に防ぐことができる。尚、ここで実行される処理の具体的内容については、後に図17および図18を参照して詳細に説明する。
ステップ144の処理が終わると、ステップ138の処理により、アラーム表示がなされた後、今回の処理サイクルが終了される。
[判定条件の詳細]
次に、上記ステップ130において実行される条件判定の内容について説明する。ここでは、燃料電池10からの溶出不純物量と整合する導電率を計測し得る状況が形成されているか否かを判断するために、以下に説明する6種類の条件判定が行われる。
(判定の第1条件)
図5は、第1の条件の成否を判断するためのルーチンのフローチャートである。このルーチンでは、具体的には、燃料電池10が起動された後、オフガス通路50,84や凝縮器56,88の内部に残留していた物質の濃縮をキャンセルするにいたる水流が生じたか否かが判断される。つまり、オフガス通路50,84等の洗浄が終了しているか否かが判断される。
図5に示すルーチンでは、先ず、燃料電池10が停止しているか否かが判断される(ステップ150)。燃料電池10が停止しているか否かは、例えば、車両のイグニッションスイッチの状態に基づいて、或いは、電流計20の出力に基づいて判断することができる。燃料電池10の停止中は、オフガス通路50,84内に洗浄用の水が流通しないため、判定条件が成立していないと判断される。
この場合、先ず、燃料電池10によって生成された電流Aの積算値ΣAがゼロとされる(ステップ152)。次に、実行条件の不成立(False)が判定される(ステップ154)。その後、今回の処理サイクルが終了される。
一方、上記ステップ150において、燃料電池10の停止が否定された場合は、次式に従って、電流積算値ΣAtが算出される(ステップ156)。
ΣAt=ΣAt-1+At ・・・(3)
但し、「t」および「t-1」は、今回と前回のサンプリングタイミングである。また、Atは、今回のサンプリングタイミングにおいて電流計20により計測された電流値である。電流積算値ΣAは、燃料電池10の停止中は0とされている。このため、上記(3)式によれば、燃料電池10の起動後に生成された電流の積算値を求めることができる。
図5に示すルーチンでは、次に、電流積算値ΣAtが判定値αAを超えているか否かが判別される(ステップ158)。燃料電池10から排出される水の量、つまり、燃料電池10において生成される水の量は、そこで生成される電流量に比例する。このため、電流積算値ΣAtは、燃料電池10の起動後にオフガス通路50,84の中を流通した水の総量と相関を有している。上記の判定値αAは、オフガス通路50,84と凝縮器56,88の洗浄を終えるのに必要な水量に相当する電流値である。
このため、ステップ158でΣAt>αAの不成立が判断された場合は、オフガス通路50,84等の洗浄が未だ終わっていないと判断することができる。図5に示すルーチンでは、この場合、判定の実行条件が成立していないとして、ステップ154の処理が実行される。
一方、上記ステップ158において、ΣAt>αAの成立が認められた場合は、オフガス通路50,84等の洗浄が終了していると判断できる。この場合は、洗浄に関する限り、判定の実行条件が成立(Truth)していると判断される(ステップ159)。
以上説明した通り、図5に示すルーチンによれば、燃料電池10の起動後、オフガス通路50,84や凝縮器56,88の洗浄が終わっていると認められる場合に限り、判定の条件成立が認められる。このため、本実施形態のシステムによれば、残留不純物の影響により誤った判定結果が得られる可能性を十分に下げることができる。
(判定の第2条件)
図6は、燃料電池10の負荷と、凝縮器56,88において生成される凝縮水の量との関係を説明するための図である。具体的には、図6中に実線で示す曲線は、水の飽和蒸気圧と温度との関係を示している。また、「起動直後」「実用運転域」および「高負荷運転域」の文字は、それぞれ、それらの運転領域において実現される燃料電池10の温度領域に記されている。
燃料電池10の電力生成反応は、上述した通り発熱反応である。このため、燃料電池10の温度は、その起動の後に、徐々に通常温度に向かって上昇する。そして、十分な暖機がなされた後は、実用運転域に比して、高負荷運転域においてその温度は高くなる。
図6中に示す3つの○印は、それぞれの運転領域下で、燃料電池10から排出された直後のオフガスについて成立する温度と蒸気圧との関係を示している。また、ここに示す3つの☆印は、それぞれの運転領域下で、凝縮器56に到達したオフガスについて成立する温度と受雄気圧との関係を示している。
例えば、高負荷運転域でのオフガス温度は、燃料電池10の近傍では80°C程度となり、凝縮器56に到達する間に65°C程度に冷却される。そして、オフガス中に気体として存在していた水は、その冷却に伴う蒸気圧の減少分だけ(図中の矢印に相当)液化して凝縮水となる。
燃料電池10から排出された後、凝縮器56に到達する過程で凝縮水となる水の量は、起動直後には極めて少量である。そして、その水の量は、燃料電池10の温度が高温となる高負荷運転域において多量となる。つまり、凝縮器56に流入する凝縮水の量は、起動直後には極めて少量となり、燃料電池10の負荷が高いほど多量となる。
導電率センサ62は、その周囲に凝縮水が滞っている場合に比して、その周囲に安定した水の流れが形成されている場合の方が凝縮水の導電率を正しく計測することができる。このため、導電率に基づく判定は、導電率センサ62の周囲に、安定した凝縮水の流れが確保されている場合に限って実行することが望ましい。
上記の観点からすれば、高負荷運転域に限って、つまり、燃料電池10の温度が80°C程度に上昇している場合に限って判定の実行を認めることも考えられる。しかしながら、高負荷運転域が用いられる頻度は、実用運転域が用いられる頻度に比して著しく希である。このため、高負荷運転域に限って判定の実行を認めることとすると、その実行の頻度を十分に確保することが困難となる。そこで、本実施形態では、燃料電池10の温度が、実用運転域で生ずるべき温度を超えている場合に、判定の実行条件の成立を判定することとした。
図7は、上記の条件判定を行うためにECU120が実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンでは、先ず、温度T112が、判定温度αT112を超えているか否かが判別される(ステップ160)。温度T112は、上述した通り、燃料電池10の温度に相当している。一方、判定温度αT112は、実用運転域において生ずる燃料電池10の温度(例えば50°C)である。
上記ステップ160において、T112>αT112の成立が否定された場合は、燃料電池10が未だ十分に暖機されていないと判断することができる。そして、この場合は、導電率センサ62,94の周囲に安定した凝縮水の流れが生じていないと判断され、判定の実行条件が不成立(False)と判定される(ステップ162)。
一方、燃料電池温度T112が判定温度αT112を超えていると判断された場合は、導電率センサ62,94の周囲に、安定した水の流れが生じていると判断できる。この場合は、導電率センサ62,94が、燃料電池10からの溶出不純物量を正しく表す導電率を計測し得ると判断され、判定の実行条件が成立(Truth)していると判断される(ステップ164)。
以上説明した通り、図7に示すルーチンによれば、導電率センサ62,94の周囲に安定した水の流れが生じている場合に限り、判定の実行を許可することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、導電率センサ62,94の周囲に、凝縮水が滞っているような状況下で、燃料電池10からの溶出不純物量の適否が誤判定されるのを確実に防止することができる。
(判定の第3条件)
図8は、第3の条件の成否を判断するためのルーチンのフローチャートである。このルーチンでは、図7に示すルーチンとは別の視点で、オフガス通路50および凝縮器56の内部に凝縮水の安定流が生じているか否かが判断される。
燃料電池10の停止中は、新たに水が生成されないため、オフガス通路50や凝縮器56の内部が乾いた状態となる。それらの内部に安定した凝縮水の流れが生ずるためには、オフガス通路50や凝縮器56の壁面が適当に濡れた状態となることが必要である。
オフガス通路50や凝縮器56の壁面の濡れ状態は、その内部を流通したオフガスの流量に対して相関を有している。そこで、本実施形態では、燃料電池10の起動後に生じたオフガスの積算量が、所定の判定量に達したら、その時点で、適当な濡れが形成され、その結果、凝縮水の安定流が生じたと判断することとした。
図8は、上記の機能を実現するために実行されるルーチンのフローチャートである。このルーチンでは、先ず、上述したステップ150の場合と同様の手法で、燃料電池10が停止しているか否かが判断される(ステップ170)。その結果、燃料電池10の停止が判断された場合は、オフガスの積算流量ΣQがゼロとされる(ステップ172)。次に、判定の実行条件が不成立(False)と判定される(ステップ174)。
一方、上記ステップ170において、燃料電池10の停止が否定された場合は、次式に従って、オフガスの積算流量ΣQtが算出される(ステップ176)。
ΣQt=ΣQt-1+Qt ・・・(4)
但し、「t」および「t-1」は、今回と前回のサンプリングタイミングである。また、Qtは、今回のサンプリングタイミングにおいて算出されたカソード側のオフガスの流量である。積算流量ΣQは、燃料電池10の停止中は0とされている。このため、上記(4)式によれば、燃料電池10の起動後に流通したオフガスの積算値を求めることができる。
カソード側のオフガスの流量Qtは、コンプレッサ46によって圧送された空気の量から、燃料電池10において消費された酸素の量を減じた量である。圧送された空気の量は、回転数センサ48により計測されるコンプレッサの回転数に基づいて推定することができる。一方、酸素の消費量は、燃料電池10によって生成された電流量に基づいて算出することができる。このため、ECU120は、回転数センサ48の計測値、および電流計20の計測値に基づいて、オフガスの流量Qtを求めることができる。
上記ステップ176では、この方法でオフガスの流量Qtが算出される。但し、オフガス流量Qtを求める手法はこれに限定されるものではない。例えば、酸素の消費量が無視できる場合には、コンプレッサ46により圧送される空気量を、そのままオフガス流量Qtとして取り扱うこととしてもよい。
オフガスの積算流量に基づいて安定流の有無を判定する処理をアノード側について実行する場合には、アノード側オフガス通路84の中を流れるオフガス流量Qtaを算出する必要がある。このオフガス流量Qtaは、電動ポンプ102により圧送されるガス量と、弁機構80を介して供給される水素量との和から、燃料電池10で消費される水素量を減じることにより求めることができる。但し、弁機構80から供給される水素量や、燃料電池10で諸費される水素量が無視できる場合には、伝導ポンプ102により圧送されるガス量を、オフガス量Qtaとして取り扱うこととしてもよい。
図8に示すルーチンでは、次に、オフガスの積算流量ΣQtが判定値αQを超えているか否かが判別される(ステップ178)。判定値αQは、オフガス通路50および凝縮器56の壁面を適当に濡らすのに必要なオフガスの総流量に設定されている。このため、ΣQt>αQが成立しないと判断された場合は、オフガス通路50等の壁面が十分に濡れていないと判断することができる。図8に示すルーチンでは、この場合、判定の実行条件が成立していないとして、ステップ174の処理が実行される。
一方、上記ステップ178において、ΣQt>αQの成立が認められた場合は、オフガス通路50等の壁面が適当に濡れていると判断できる。この場合は、安定した凝縮水流の発生に関して、判定の実行条件が成立(Truth)していると判断される(ステップ179)。
以上説明した通り、図8に示すルーチンによれば、オフガスの積算流量ΣQtが十分であるか否かの視点から、凝縮水の安定流の有無を判定し、その発生が推認できる場合に限り、判定の条件成立が判定される。このため、本実施形態のシステムによれば、凝縮水の流れが不安定な状況下で、誤った判定結果が得られる可能性を十分に下げることができる。
(判定の第4条件)
図9は、燃料電池10の温度である温度T112、カソード側の凝縮器56付近の温度である温度T58、およびアノード側の凝縮器88付近の温度である温度T90の経時的な変化を対比して表した図である。これらの変化は、何れも、燃料電池10の起動後に生じたものである。
図9に示すように、温度T58、および温度T90は、何れも燃料電池の温度T112に遅れて上昇し、その温度T112が安定した後、ある程度の遅延を伴って安定状態に至る。つまり、カソード側の温度T58、或いはアノード側の温度T90が安定温度に達するのを待てば、遅延時間分の遅れは生ずるものの、燃料電池10の温度T112が安定温度に達しているとの判断を下すことができる。
従って、カソード側の温度T58、或いはアノード側の温度T90に対して、適当な判定温度を設定しておけば、それらの温度T58, T90が判定温度を超えたか否かに基づいて、燃料電池10が、十分な量の水を生成する状態になっているか、つまり、導電率センサ62,94の周囲に、十分な水流が発生しているか否かを判断することが可能である。
図10は、上記の観点より、導電率センサ62,94の周囲に十分な水流が生じているか否かを、カソード側の温度T58に基づいて判断するためにECU120が実行するルーチンのフローチャートである。このルーチンでは、先ず、温度センサ58により計測される温度T58が、判定温度αT58を超えているか否かが判別される(ステップ180)。判定温度αT58は、カソード側の凝縮器56に流れ込むオフガスが実用運転域において到達する温度である。
上記ステップ180において、T58>αT58の成立が否定された場合は、燃料電池10が未だ十分に暖機されていない可能性があると判断できる。この場合は、導電率センサ62,94の周囲に安定した凝縮水の流れが生じていない可能性があると判断され、判定の実行条件が不成立(False)と判定される(ステップ182)。
一方、カソード側オフガス温度T58が判定温度αT58を超えていると判断された場合は、導電率センサ62,94の周囲に、安定した水の流れが生じていると判断できる。この場合は、導電率センサ62,94が、燃料電池10からの溶出不純物量を正しく表す導電率を計測し得ると判断され、判定の実行条件が成立(Truth)していると判断される(ステップ184)。
以上説明した通り、図10に示すルーチンによれば、導電率センサ62,94の周囲に安定した水の流れが生じている場合に限り、判定の実行を許可することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、導電率センサ62,94の周囲に、凝縮水が滞っているような状況下で、燃料電池10からの溶出不純物量の適否が誤判定されるのを確実に防止することができる。
ところで、上述した説明においては、導電率センサ62,94の周囲に安定した水の流れが生じているか否かを、温度センサ58により計測される温度T58に基づいて判断することとしているが、本実施形態のシステムでは、その判断の基礎はこれに限定されるものではない。すなわち、本実施形態のシステムでは、温度センサ60により計測される温度T60、温度センサ90により計測される温度T90、および温度センサ92により計測される温度T90の何れかを基礎として上記の判断を行うこととしてもよい。
(判定の第5条件)
上述した通り、導電率センサ62,94が、燃料電池10からの溶出不純物量を正しく表す導電率を計測するためには、導電率センサ62,94の周囲に、安定した凝縮水の流れが生じていることが必要である。そこで、本実施形態のシステムは、以下に説明する手法により、導電率センサ62,94の周囲を流れる凝縮水量を推定し、第5の条件として、その推定値が十分であるか否かを判断することとした。
図11は、カソード側の導電率センサ62の周囲を流れる凝縮水の量、つまり、カソード側の凝縮器56の内部を流れる凝縮水の量を算出する手法を説明するための図である。図11中の「FC内」の欄は、燃料電池10のカソード側に存在する水の内訳を示す。また、「FC出口」の欄は、燃料電池10から排出された直後の水分の総量、およびその位置での水と水蒸気の割合を示す。更に、「凝縮器」の欄は、凝縮器56に流入する水分の総量、およびその内部における水と水蒸気の割合を示す。
燃料電池10のカソード側では、電気エネルギーの生成に伴って水が生成される。また、そこには、加湿ユニット52により空気中に加えられた水分が供給される。一方、カソード側に存在する水分の一部は、電解質層32を通ってアノード側に透過する。このため、カソード側に残存する水の総量は、生成量と供給量との和から、透過量を減じた量となる。そして、この総量が、燃料電池10からカソード側オフガス通路50に排出される水の総量となる。
オフガス中に水蒸気が飽和しているとすれば、オフガス中の水蒸気の分圧は、飽和蒸気圧となる。この飽和蒸気圧は、オフガスの温度に基づいて検知することができる。水蒸気の分圧と共にオフガスの圧力Pと流量QCoutが判れば、燃料電池10から排出される水蒸気の量を求めることができる。つまり、水蒸気が飽和しているとすれば、燃料電池10からの水蒸気の排出量(以下、「飽和水蒸気量MWC0」とする)は、燃料電池10付近におけるオフガスの温度Tおよび圧力P、並びにオフガスの流量QCoutの関数として次式のように表すことが可能である。
MWC0=f(QCout, T, P) ・・・(5)
オフガスの流量QCoutは、カソード側への空気の供給量QCから、カソードにおける酸素の消費量Q02を減じることにより、次式のように算出できる。
QCout=QC−QO2 ・・・(6)
上記(6)式中、空気の供給量QCは、コンプレッサ46の回転数、つまり、回転数センサ48の出力に基づいて算出することができる。一方、酸素の消費量Q02は、電流の生成量に比例するため、電流計18の計測値Aから求めることができる。従って、本実施形態のシステムでは、オフガスの流量QCoutを演算により求めることができる。
燃料電池10付近のオフガス温度Tは、燃料電池の温度とみなすことができる。従って、その温度は、温度T112として計測することができる。更に、本実施形態のシステムは、燃料電池10付近のオフガス圧力Pを、圧力P54として計測することができる。このため、このシステムによれば、上記の関数fを用いて、飽和水蒸気量MWC0を次式の通り算出することができる。
MWC0=f(QCout, T112, P54) ・・・(7)
燃料電池10から排出されるオフガス中の水分量MWCout1は、現実には、飽和に達しない量であったり、或いは、飽和を超える量であったりする。前者の場合は、燃料電池10から現実に排出される水の総量MWCout1は、飽和水蒸気量MWC0に1より小さな係数Kを乗じた値となる。また、後者の場合は、その総量MWCout1が、飽和水蒸気量MWC0に1より大きな係数Kを乗じた値となる。そして、その係数Kは、一般に0.8≦K≦1.2の範囲内の値となり、システムの固体毎に異なっている。
上記の係数Kは、予め実験的に取得しておくことができる。そして、係数Kが既知であれば、飽和水蒸気量MWC0に係数Kを掛け合わせることにより、燃料電池10から現実に排出されてくる水の総量MWCout1を、次式のように求めることが可能である。
MWCout1=f(QCout, T112, P54)*K
=F(QCout, T112, P54) ・・・(8)
本実施形態のシステムにおいて、燃料電池10から排出される水の総量MWCout1と、カソード側の凝縮器56に流入する水の総量とは、排気弁98が開いているときを除いて同量である。従って、凝縮器56の中を流れる凝縮水の量MWCは、原則として、水の排出総量MWCout1から、凝縮器56の下流に排出される水蒸気量MWCout2を減じることにより、次式にように算出される。
MWC=MWCout1−MWCout2 ・・・(9)
凝縮器56の内部では、常に水蒸気が飽和状態となっている。このため、凝縮器56の内部に存在する水蒸気の分圧は、その内部の温度T、つまり、温度T60に対応する飽和蒸気圧となる。この飽和蒸気圧と共に、凝縮器56を流れるオフガスの流量Qと、凝縮器56の内圧Pとが判れば、凝縮器56の内部を流れる水蒸気量、つまり、凝縮器56から排出される水蒸気量MWCout2を演算により求めることができる。
本実施形態において、凝縮器56を流れるオフガスの流量Qは、燃料電池10から排出されるオフガスの流量と同じ、つまり、上記(6)式により算出されるQCoutとみなすことができる。また、このシステムにおいて、凝縮器56の内圧Pは、圧力P63として計測することができる。このため、凝縮器56から流出する水蒸気の量は、適当な関数Gを用いて、次式のように表すことができる。
MWCout2=G(QCout, T60, P63) ・・・(10)
上記(8)式の演算結果と、上記(10)式の演算結果とを上記(9)式に代入すると、カソード側の凝縮器56を流れる凝縮水の量MWCが算出できる。
上述した演算の手法は、アノード側にも殆どそのまま適用することができる。つまり、アノード側オフガス通路84を流れるオフガスの流量QAoutは、電動ポンプ102により圧送される水素流量QAから、燃料電池10で消費される水素量QH2を減じることで次式のように求めることができる。
QAout=QA−QH2 ・・・(11)
また、アノード側における飽和水蒸気量MWA0は、上記のオフガス流量QCout、並びに、温度T112および圧力P86の関数として、次式のように表される。
MWA0=f(QAout, T112, P86) ・・・(12)
予め定めた係数Kを用いることにより、燃料電池10からアノード側オフガス通路84に現実に排出されてくる水の総量MWAout1は、次式のように求めることができる。
MWAout1=f(QAout, T112, P86)*K
=F(QAout, T112, P86) ・・・(13)
一方、アノード側の凝縮器88の下流に流出する水蒸気量MWAout2は、次式の通り、オフガス流量QAout、温度T92、および圧力P96の関数として表すことができる。
MWAout2=G(QAout, T92, P96) ・・・(14)
そして、アノード側の導電率センサ94の周囲を流れる凝縮水の量MWAは、上記(13)式の結果と、上記(14)式の結果とを用いて、次式の通り算出することができる。
MWA=MWAout1−MWAout2 ・・・(15)
以上説明した通り、本実施形態のシステムは、カソード側の導電率センサ62の周囲を流れる凝縮水の量MWC、およびアノード側の導電率センサ94の周囲を流れる凝縮水の量MWAを、それぞれ演算により求めることができる。従って、このシステムによれば、それらの凝縮水量MWC,MWAを、それぞれ適当な判定値と比較することにより、導電率センサ62,94の周囲に安定した水流が生じているか否かを、カソード側およびアノード側の双方において直接的に判断することができる。
図12は、上記の機能を実現するためにECU120が実行するルーチンのフローチャートである。図12に示すルーチンでは、先ず、カソード側のオフガス流量QCout=F(QC,A)と、アノード側のオフガス流量QAout=F(QA,A)がそれぞれ算出される(ステップ190)。ECU120は、上記(6)式および(11)式に対応する演算規則を記憶しており、ここでは、それらの規則に従ってオフガス流量QCout,QAoutが算出される。
次に、カソード側のオフガス流量QCout、温度T112、および圧力P54に基づいて、カソード側に排出される水分総量MWCout1が算出されると共に、アノード側のオフガス流量QAout、温度T112、および圧力P86に基づいて、アノード側に排出される水分総量MWAout1が算出される(ステップ192)。ECU120は、上記(8)式および(13)式に対応する演算規則を記憶しており、ここでは、それらに従って水分総量MWCout1,MWAout1が算出される。
次に、カソード側のオフガス流量QCout、温度T60、および圧力P63に基づいて、カソード側の凝縮器56から排出される水蒸気量MWCout2が算出されると共に、アノード側のオフガス流量QAout、温度T92、および圧力P96に基づいて、アノード側の凝縮器88から排出される水蒸気量MWAout2が算出される(ステップ194)。ECU120は、上記(10)式および(14)式に対応する演算規則を記憶しており、ここでは、それらに従って水蒸気量MWCout2,MWAout2が算出される。
次に、水分総量MWCout1から水蒸気量MWCout2を減じることにより、カソード側の導電率センサ62の周囲を流れる凝縮水量MWCが算出されると共に、水分総量MWAout1から水蒸気量MWAout2を減じることにより、アノード側の導電率センサ94の周囲を流れる凝縮水量MWAが算出される(ステップ196)。ECU120は、上記(9)式および(15)式に対応する演算規則を記憶しており、ここでは、それらに従って凝縮水量MWC,MWAが算出される。
次に、カソード側の凝縮水量MWCが、標準域に属しているか、より具体的には、上方判定値αMWCHより小さく、下方判定値αMWCLより大きいかが判別される(ステップ198)。上記の標準域は、燃料電池10が実用運転域で作動している場合に発生する凝縮水量の範囲である。上記の判定が否定された場合は、導電率センサ62の周囲に安定流が生じていないか、或いは、凝縮水量MWCが過剰であると判断できる。
凝縮水量MWCが過小であると、燃料電池10からの溶出不純物量を正しく表すカソード側導電率Ccwを計測することはできない。従って、この場合は、判定の実行条件が成立していないと判断すべきである。また、燃料電池10からの溶出不純物量が過多であると判断するべき導電率は、凝縮水量MWCが多くなるほど低い値となる。他方、本実施形態のシステムは、凝縮水量MWCが標準域に属しているものとして判定を行う。このため、凝縮水量MWCが過剰に生じている状況下で判定が行われると、燃料電池10からの過度の溶出不純物量が見過ごされる事態が生じ得る。従って、判定の実行条件は、この場合も不成立と判断することが適切である。
上記の観点より、ECU120は、上記ステップ198において、凝縮水量MWCが標準域に属していないと判別された場合は、カソード側につき、判定の実行条件が成立していない(False)と判断する(ステップ200)。また、凝縮水量MWCが標準域に属していると判別された場合は、カソード側につき、判定の実行条件が成立している(Truth)と判断される(ステップ202)。
図12に示すルーチンでは、次に、アノード側の凝縮水量MWAが標準域に属しているかが判別される(ステップ204)。カソード側について行った判定と同じ理由により、凝縮水量MWAが標準域に属していないと判別された場合は、判定の実行条件が成立していない(False)と判断される(ステップ206)。また、凝縮水量MWAが標準域に属していると判別された場合は、アノード側につき、判定の実行条件が成立している(Truth)と判断される(ステップ208)。
以上説明した通り、図12に示すルーチンによれば、導電率センサ62,94の周囲を流れる凝縮水の量MWC,MWAを、カソード側およびアノード側のそれぞれについて演算により求めることができる。更に、それらの凝縮水量MWC,MWAが適量である場合にのみ、実行条件の成立を判定することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、燃料電池10からの溶出不純物量の適否判定を、極めて精度良く行うことができる。
(実施の形態1の変形例)
ところで、上記の説明においては、凝縮水量MWC,MWAが標準域に対して過剰である場合に、実行条件の不成立を判定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、凝縮水量MWC,MWAが過剰であっても、その影響が小さく、燃料電池10からの溶出不純物量の適否が正しく判定できる場合には、凝縮水量MWC,MWAが標準域を下回っている場合にのみ実行条件の不成立を判断することとしてもよい(第1変形例)。
或いは、凝縮水量MWC,MWAが標準域を下回っている場合にのみ実行条件の不成立を判断すると共に、凝縮水量MWC,MWAが下方判定値αMWCL,αMWALを超えている状況下では、判定に用いる判定値βc,βaを、凝縮水量MWC,MWAに基づいて適宜設定することとしてもよい(第2変形例)。
上述した第2変形例は、上記ステップ198の判定を「MWC>αMWCL」の判定に変更し、上記ステップ204の判定を「MWA>αMWAL」の判定に変更し、かつ、ECU120に、以下に説明する図13に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
図13に示すルーチンは、ここでは、図12に示すルーチンに続いて起動されるものとする。このルーチンでは、先ず、上記ステップ196において求めたカソード側の凝縮水量MWCと、アノード側の凝縮水量MWAとが読み込まれる(ステップ210)。次に、カソード側判定値βc、つまり、燃料電池10からの溶出不純物量の適否をカソード側について判定するための判定値βcが設定される(ステップ212;図4中ステップ142参照)。
図14は、カソード側判定値βcを設定するために、ECU120に記憶させるべきマップの1例である。上記ステップ212において、ECU120は、このマップに従って判定値βcを設定するものとする。
溶出不純物量が過多であると判断するべきカソード側導電率Ccwは、既述した通り、凝縮水量MWCが増えるほど低い値となる。このため、適否の判断に用いるカソード側判定値βcは、凝縮水量MWCが増えるに従って小さな値とする必要がある。図14に示すマップによれば、そのような傾向に適合するようにカソード側判定値βcを定めることができる。このため、第2変形例によれば、カソード側の凝縮水量MWCが多量である状況下でも、高精度な判定を行うことができる。
図13に示すルーチンでは、次に、アノード側判定値βaが設定される(ステップ214;図4中ステップ134参照)。アノード側判定値βaも、カソード側判定値βcと同様に、凝縮水量MWAが多いほど小さな値とされる。このため、第2変形例によれば、アノード側の凝縮水量MWAが多量である状況下でも、高精度な判定を行うことができる。
[アノード腐食抑制処理]
(ハードウェア構成の説明)
次に、図15および図16を参照して、図4中ステップ136において実行される「アノード腐食抑制処理」の詳細について説明する。
図15は、図1に示す構成に、アノード腐食抑制処理を実行するために必要な要素を書き加えたハードウェア構成を示す。ここでは、具体的には、図1に示す構成に対して、アノード側のオフガスを冷却するための冷却水経路が追加されている。
すなわち、本実施形態のシステムは、図15に示すように、ラジエタ220を備えている。ラジエタ220には、冷却水流出通路222の一端が連通している。冷却水流出通路222の他端は、アノード系冷却弁224を介して冷却水供給通路108に連通している。また、冷却水流出通路222には、ポンプ226が組み込まれている。ポンプ226は、ラジエタ220によって冷却された冷水を、アノード系冷却弁224に向けて圧送することができる。
アノード系冷却弁224は、冷却水流出通路222と冷却水供給通路108とを導通状態とする。このため、燃料電池10には、ラジエタ222から流出した冷水が供給される。この冷水は、燃料電池10の内部を流通した後、冷却水排出通路110に流出する。冷却水排出通路110は、カソード系加熱弁228を介して冷却水流入通路229に連通している。冷却水流入通路229は、その端部においてラジエタ220に連通している。カソード系加熱弁228は、冷却水排出通路110と冷却水流入通路229とを導通状態とする。このため、燃料電池10から流出した冷却水は、ラジエタ220に還流することができる。
冷却水流出通路222には、ポンプ226の下流において、冷水供給通路230が連通している。冷水供給通路230は、アノード側オフガス通路84に配置された熱交換器232に連通している。また、熱交換器232は、冷水流出通路234が連通している。冷水流出通路234は、上述したアノード系冷却弁224に通じている。
アノード系冷却弁224は、ECU120が発する制御信号を受けて、冷水流出通路234と冷却水供給通路108とを導通させるON状態と、それらが遮断されるOFF状態とを選択的に実現する。アノード系冷却弁224がON状態となると、ポンプ226によって圧送された冷水を、熱交換器232を通して循環させることができる。
熱交換器232は、燃料電池10の近傍に配置されており、アノード側オフガス通路84の中を流れるオフガスを、その位置で冷却することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、アノード系冷却弁224をON状態とすることにより、アノード側のオフガスを、燃料電池10から流出した直後において効率的に冷却することができる。
(具体的処理)
アノード腐食抑制処理は、上述した通り、アノード側のオフガス中に含まれる水分量を増やして、凝縮水中の腐食性物質の濃度を低下させ、下流の腐食環境を改善するために行われる。アノード側のオフガスには膜を透過した水分と、その温度・圧力条件で結露した水と水蒸気が含まれている。液水を増やすにはオフガスの温度を下げることが有効であり、飽和蒸気圧が下がり、凝縮水量を増やすことができる。冷却・濃縮機構を有する場合には、蒸気として持ち去る水分を液水に変える能力が上がるため、オフガスの量を増やす。すなわち、供給するガス量を増やすことで得られる液水量が増加する。
図16は、上記の観点より、ECU120が、アノード腐食抑制処理を実現するために実行するルーチンのフローチャートである。ここに示すように、ECU120は、アノード腐食抑制処理の実行が要求されると、先ず、電動ポンプ102の回転数を高めて水素の循環量、つまり、オフガスの循環量を増やす(ステップ240)。次に、アノード系冷却弁224をON状態として、熱交換器232に冷水を流通させる。
以上の処理によれば、アノード側のオフガスを増やすことにより、オフガス中に持ち去られる水分量を増やし、更に、オフガスを冷却することにより、凝縮器88に流入する凝縮水量MWAを増やすことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、アノード腐食抑制処理を実行することにより、アノード側の凝縮水中の腐食性物質の濃度を下げ、配管等の環境を改善することができる。
[カソード腐食抑制処理]
(ハードウェア構成の説明)
次に、図17および図18を参照して、図4中ステップ144において実行される「カソード腐食抑制処理」の詳細について説明する。
図17は、図1に示す構成に、カソード腐食抑制処理を実行するために必要な要素を書き加えたハードウェア構成を示す。ここでは、具体的には、カソードへの供給空気を加熱し、かつ、カソード側のオフガスを冷却するための冷却水経路が追加されている。尚、図17において、図15に示す要素については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
すなわち、本実施形態のシステムは、図17に示すように、燃料電池10のカソード側に通じる空気供給通路42、およびカソード側オフガス通路50の双方に、それぞれ熱交換器250,252を備えている。熱交換器250,252は、何れも、それぞれの経路において加湿ユニット52の直前(上流)に位置するように配置されている。
また、本実施形態のシステムは、冷却水流出通路222と冷却水供給通路108との間に、カソード系冷却弁254を備えている。カソード系冷却弁254は、それら2つの通路を導通状態に維持する。このため、冷却水流出通路222から供給される冷却水は、冷却水供給通路108に流入して、燃料電池10に到達することができる。
冷却水流出通路222には、ポンプ226の下流において、冷水供給通路256が連通している。冷水供給通路256は、カソード側オフガス通路50に配置された熱交換器252に連通している。更に、この熱交換器252は、冷水流出通路258を介して、上記のカソード系冷却弁254に連通している。
カソード系冷却弁254は、ECU120が発する制御信号を受けて、冷水流出通路258と冷却水供給通路108とを導通させるON状態と、それらが遮断されるOFF状態とを選択的に実現する。カソード系冷却弁254がON状態となると、ポンプ226によって圧送された冷水を、熱交換器252を通して循環させることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、カソード系冷却弁254をON状態とすることにより、カソード側のオフガスを、加湿ユニット52の直前で効率的に冷却することができる。
本実施形態のシステムは、更に、カソード系加熱弁228に連通する温水供給通路260を備えている。温水供給通路260は、空気供給通路42に配置された熱交換器250に連通している。熱交換器250は、また、温水流出通路262を介して、冷却水流入通路229に連通している。
カソード系加熱弁228は、ECU120が発する制御信号を受けて、冷却水排出通路110と温水供給通路260とを導通させるON状態と、それらが遮断されるOFF状態とを選択的に実現する。また、温水供給通路260には、カソード系加熱弁228側から熱交換器250側へ向けて冷却水を圧送するポンプ264が設けられている。上記の構成によれば、カソード系加熱弁228をON状態とし、かつ、ポンプ264を稼働させることにより、燃料電池10の内部で加熱された温水を、熱交換器250を通して流通させることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、その状態を作り出すことにより、加湿ユニット52の直前で、燃料電池10への供給空気を効率的に加熱することができる。
加湿ユニット52は、オフガスの温度が低く、オフガスに含まれる水蒸気が凝縮し易いほど、燃料電池10への供給空気に多くの水分を加えることができる。また、供給空気は、その温度が高いほど、多量の水分を含むことができる。そして、供給空気に含まれる水分量が多いほど、オフガスに含まれる水分が多量となり、凝縮器56に流れ込む凝縮水量MWCが多量となる。このため、熱交換器252によってオフガスを冷却し、また、熱交換器250によって供給空気を加熱すると、凝縮器56に流れ込む凝縮水量MWCを増やすことができる。
(具体的処理)
カソード腐食抑制処理は、上述した通り、カソード側のオフガス中に含まれる水分量を増やして、凝縮水中の腐食性物質の濃度を低下させるための処理である。本実施形態のシステムでは、この目的は、カソード系冷却弁254をON状態とすることで、或いはカソード系加熱弁228をON状態とすることで達成することができる。
図18は、ECU120が、上記の観点より、カソード腐食抑制処理を実現するために実行するルーチンのフローチャートである。ここでは、先ず、カソード側への空気の供給量QCが検出される(ステップ270)。空気の供給量QCは、上述した通り、コンプレッサ46の回転数を計測する回転数センサ48の出力より求めることができる。
次に、空気の供給量QCが、第1判定値QCTH1以下であるかが判別される(ステップ272)。供給空気の温度は、コンプレッサ46によって過圧されることにより上昇する。このため、空気の供給量QCがある程度確保されている状況下では、熱交換器250によって供給空気を加熱する利益がさほど生じない。第1判定値QCTH1は、その利益が生ずるか否かを判断するための判定値である。
上記ステップ272において、QC≦QCTH1の不成立が認められた場合は、熱交換器250による加熱が有効ではないと判断される。この場合、ステップ274の処理がジャンプされ、即座にステップ276の処理が実行される。一方、上記の判定が肯定された場合は、熱交換器250による加熱が有効であると判断される。この場合は、次に、カソード系加熱弁228がON状態とされる(ステップ274)。その結果、熱交換器250に温水が流通し始め、カソード側への供給空気が加熱され始める。そして、供給空気の温度が上がり、飽和蒸気圧が高まることにより、供給空気に含まれる水分量が増加する。
図18に示すルーチンでは、次に、空気の供給量QCが、第2判定値QCTH2以上であるかが判別される(ステップ276)。オフガスと共に排出される熱量は、供給量QCが少ないほど少量となる。このため、供給量QCが十分に少ない間は、熱交換器252によってオフガスを冷却する利益がさほど生じない。第2判定値QCTH2は、そのような利益が生ずるか否かを判断するための判定値である。
上記ステップ276において、QC≧QCTH2の不成立が認められた場合は、熱交換器252による冷却が有効ではないと判断される。この場合、ステップ278の処理がジャンプされ、即座に今回の処理サイクルが終了される。一方、上記の判定が肯定された場合は、熱交換器252による冷却が有効であると判断される。この場合は、次に、カソード系冷却弁254がON状態とされる(ステップ278)。その結果、熱交換器252に冷水が流通し始め、カソード側のオフガスが冷却され始める。そして、加湿ユニット52の直前でオフガスの温度が下げられ、加湿ユニット52内の過飽和状態が強められることにより、供給空気に水を加えやすい状況が作り出される。また、オフガスが冷却されることにより、凝縮水が生成され易い状況が作り出される。
以上説明した通り、図18に示すルーチンによれば、低温の供給空気を加熱し、また、高温のオフガスを冷却することにより、オフガスに含まれる水分量を増やすと共に、オフガス通路50内での凝縮水の生成効率を高めることができる。このため、本実施形態のシステムによれば、カソード腐食抑制処理を実行することにより、カソード側の凝縮水中の導電性物質を有効に希釈化することができる。
ところで、上記の説明においては、カソード系加熱弁228は、供給空気量QCが第1判定値QCTH1以下であることを条件にONとし、また、カソード系冷却弁254は、供給空気量QCが第2判定値QCTH2以上であることを条件にONとすることとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、供給空気量QCの多少によらず、カソード腐食抑制処理の実行が求められる場合には、常にそれらをONとすることとしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、燃料電池10からの溶出不純物量の適否を、凝縮水の導電率に基づいて判断することとしているが、その判定手法は、これに限定されるものではない。すなわち、燃料電池10から溶出不純物が流出するのに伴ってフッ酸等の導電性物質がオフガス中に流出すると、凝縮水の導電率の他、凝縮水のpHにも変化が生ずる。このため、導電率センサ62,94の代わりにpHセンサを配置し、燃料電池10からの溶出不純物量の適否を凝縮水のpHに基づいて判定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、判定の実行条件として、上述した5種類の条件判定を行うこととしているが、これらは、常に組み合わせて実行する必要はない。すなわち、図4に示すメインルーチン中、ステップ130では、上述した5種類の条件判定中、少なくとも1つの判定が実行されればよい。
尚、上述した実施の形態1においては、空気供給通路42および水素供給通路78が前記第1または第2の発明における「ガス供給機構」に、カソード側オフガス通路50およびアノード側オフガス通路84が前記第1または第2の発明における「オフガス通路」に、導電率センサ62,94が前記第1または第2の発明における「不純物濃度センサ」にそれぞれ相当している。
また、ここでは、ECU120が、図7、図8、図10、および図12に示すルーチンを実行することにより前記第1または4の発明における「安定水流条件判定手段」が、図5に示すルーチンを実行することにより前記第2の発明における「洗浄終了判定手段」が、図4に示すステップ132以降の処理を実行することにより前記第1または第2の発明における「計測結果取り込み手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ156の処理を実行することにより前記第3の発明における「電流積算手段」が、ステップ158の処理を実行することにより前記第3の発明における「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ176の処理を実行することにより前記第の発明における「オフガス量積算値算出手段」が、ステップ178の処理を実行することにより前記第5の発明における「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、温度センサ110が前記第6の発明における「FC温度計測手段」に相当していると共に、ECU120が、ステップ160の処理を実行することにより前記第の発明における「判定手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、温度センサ58が前記第の発明における「凝縮水温度計測手段」に相当していると共に、ECU120が、ステップ180の処理を実行することにより前記第の発明における「安定水流条件判定手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ190〜196の処理を実行することにより前記第の発明における「流入凝縮水量算出手段」が、ステップ198および204の処理を実行することにより前記第の発明における「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、温度センサ112が前記第の発明における「FC温度計測手段」に、圧力センサ54,86が前記第の発明における「第1内圧計測手段」に、圧力センサ63,96が前記第の発明における「第2内圧計測手段」に、温度センサ60,92が前記第の発明における「凝縮水温度計測手段」に、それぞれ相当している。更に、ここでは、ECU20が、ステップ190の処理を実行することにより前記第の発明における「オフガス量検出手段」が、ステップ192の処理を実行することにより前記第の発明における「排出水総量算出手段」が、ステップ194の処理を実行することにより前記第の発明における「通過水蒸気量算出手段」が、ステップ196の処理を実行することにより前記第の発明における「算出手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、電流センサ20が前記第の発明における「電流検出手段」に相当していると共に、ECU120が、回転数センサ48の出力に基づいて空気供給量QCを検出し、また、電動ポンプ102の回転数に基づいて水素供給量QAを検出することにより前記第の発明における「ガス供給量検出手段」が実現されている。更に、ECU120が、ステップ190の処理を実行することにより前記第の発明における「算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ190〜196の処理を実行することにより前記第11の発明における「流入凝縮水量算出手段」が実現されていると共に、ステップ198においてαMWCH>MWCの不成立が判定された際にFalse判定を行い、また、ステップ204においてαMACH>MWCの不成立が判定された際にFalse判定を行うことにより前記第11の発明における「禁止手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ134および142の処理を実行することにより前記第12の発明における「異常判定手段」が、ステップ190〜196の処理を実行することにより前記第12の発明における「流入凝縮水量算出手段」が、ステップ210〜214の処理を実行することにより前記第12の発明における「異常判定濃度設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU120が、ステップ134および142の処理を実行することにより前記第13の発明における「異常判定手段」が、ステップ136および144の処理を実行することにより前記第13の発明における「液体水分増量手段」が、それぞれ実現されている。更に、ここでは、熱交換器232および252が前記第14の発明における「オフガス冷却手段」に、熱交換器250が前記第15の発明における「加熱手段」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
(実施の形態2の構成)
次に、図19および図20を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図19は、本実施形態のシステムの構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、図19に示す構成において、ECU120に、実施の形態1の場合と同様の処理に加え、後述する図20に示す処理を実行させることにより実現することができる。
本実施形態のシステムは、カソード側およびアノード側に、純水供給タンク280,282と、洗浄弁284,286を備えている点を除き、実施の形態1のシステムと同様のハードウェア構成を有している。以下、図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を用いてその説明を省略または簡略する。
純水供給タンク280は、洗浄弁284を介して空気供給通路42に連通している。純水供給タンク280には、純水が貯留されており、洗浄弁284が開かれると、その純水により、燃料電池内部の空気通路26、カソード側オフガス通路、および凝縮器56の内部を洗浄することができる。同様に、アノード側に配置された洗浄弁284を開弁すると、純水供給タンク282に蓄えられている純水により、燃料電池内部の水素通路24、アノード側オフガス通路84、および凝縮器88の内部を洗浄することができる。
本実施形態のシステムは、燃料電池10の停止時に、洗浄弁284,286を開いて上記の洗浄を実行する。このような洗浄によれば、導電率センサ62,94の上流に残存する導電性物質を、燃料電池10の停止中に洗い流すことができる。このため、本実施形態のシステムによれば、燃料電池10の起動後速やかに、導電率センサ62,94の計測値に基づいて、燃料電池10の状態を正しく判定することができる。
(実施の形態2における具体的処理)
図20は、上述した洗浄を行うためにECU120が実行するルーチンのフローチャートである。図20に示すルーチンでは、先ず、燃料電池10の停止処理が終了したか否かが判別される(ステップ290)。その結果、停止処理が終了していないと判断された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。
一方、停止処理が終了していると判別された場合は、次に、洗浄の実行条件が成立(Truth)しているか否かが判別される(ステップ292)。その結果、実行条件が成立していないと判別された場合は、そのまま今回の処理が終了される。
洗浄の実行条件の成立が判定された場合は、次に、洗浄弁284,286が開状態とされる(ステップ294)。その結果、純水供給タンク280,282中の純水による洗浄が開始される。
次に、停止タイマTSがインクリメントされる(ステップ296)。停止タイマTSは、燃料電池10の停止時点では0とされており、その停止後の経過時間を計数するためのものである。
図20に示すルーチンでは、次に、停止タイマTSの計数値が、第1判定時間αT1を超えているかが判別される(ステップ298)。第1判定時間αT1は、洗浄の継続時間として定められた値である。TS>αT1が否定された場合は、洗浄を継続するべく再び上記ステップ294の処理が実行される。一方、TS>αT1の成立が認められた場合は、洗浄が十分に行われたと判断され、洗浄弁284,286が閉じられる(ステップ300)。
次に、コンプレッサ46が規定の回転数に制御され、かつ、電動ポンプ102が規定の回転数に制御される(ステップ302)。コンプレッサ46および電動ポンプ102を作動させると、カソード側オフガス通路50およびアノード側オフガス通路84の双方に、ガスを流通させることができ、通路内に残存する純水の排出を促進することができる。このため、上記の処理によれば、洗浄の効果を更に高めることができる。
次に、停止タイマTSの計数値が、第2判定時間αT2を超えているか否かが判別される(ステップ304)。第2判定時間αT2は、コンプレッサ46や電動ポンプ102による送風の継続時間として定められた値である。TS>αT2が否定された場合は、更に送風を継続するべく再び上記ステップ296の処理が実行される。一方、TS>αT2の成立が認められた場合は、十分に送風が行われたと判断され、コンプレッサ46および電動ポンプ102が停止される(ステップ306)。
以上説明した通り、図20に示すルーチンによれば、燃料電池10の停止中に、カソード側およびアノード側の双方において、残留不純物を効果的に洗浄することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、実施の形態1のシステムに比して、燃料電池10の起動後早期に、高精度な判定を行うことができる。
尚、上述した実施の形態2においては、純水供給タンク280,282、および洗浄弁284,286が前記第16の発明における「洗浄機構」に相当している。
本発明の実施の形態1の燃料電池システムの構成を説明するための図である。 図1に示す燃料電池のセルの断面を拡大して表した図である。 図1に示す構成においてカソード側に配置される凝縮器の構造を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるメインルーチンのフローチャートである。 判定の第1条件の成否を判断するルーチンのフローチャートである。 燃料電池の負荷と、凝縮器において生成される凝縮水の量との関係を説明するための図である。 判定の第2条件の成否を判断するルーチンのフローチャートである。 判定の第3条件の成否を判断するルーチンのフローチャートである。 燃料電池の温度T112と、カソード側の凝縮器付近の温度T58と、アノード側の凝縮器付近の温度T90の経時的な変化を対比して表した図である。 判定の第4条件の成否を判断するルーチンのフローチャートである。 カソード側の導電率センサの周囲を流れる凝縮水の量を算出する手法を説明するための図である。 判定の第5条件の成否を判断するルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の変形例において判定値を設定するために実行されるルーチンのフローチャートである。 図13に示すルーチン中で判定値を設定するために参照されるマップの一例である。 図1に示す構成に、アノード腐食抑制処理を実行するために必要な要素を書き加えたハードウェア構成を示す。 アノード腐食抑制処理として実行される一連の処理のフローチャートである。 図1に示す構成に、カソード腐食抑制処理を実行するために必要な要素を書き加えたハードウェア構成を示す。 カソード腐食抑制処理として実行される一連の処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態2の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、洗浄のために実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池
20 電流計
46 コンプレッサ
48 回転数センサ
52 加湿ユニット
54,63,86,96 圧力センサ
56,88 凝縮器
58,60,90,92,110 温度センサ
62,94 導電率センサ
68 凝縮水滞留部
102 電動ポンプ
120 ECU(Electronic Control Unit)
220 ラジエタ
224 アノード側冷却弁
232,250,252 熱交換器
228 カソード側加熱弁
254 カソード側冷却弁
280,282 純水供給タンク
284,286 洗浄弁
A 電流
Q オフガス流量
QC 空気の供給量
QA 水素の供給量
QCout カソード側のオフガス流量
QAout アノード側のオフガス流量
MWCout1 カソード側に排出される水分総量
MWAout1 アノード側に排出される水分総量
MWCout2 カソード側の凝縮器から流出する水蒸気量
MWAout2 アノード側の凝縮器から流出する水蒸気量
MWC カソード側の凝縮器を流通する凝縮水量
MWA アノード側の凝縮器を流通する凝縮水量
β,βc,βa 判定の判定値

Claims (16)

  1. ガスの供給を受けることにより水を生成しながら電気を生成する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記ガスを供給するガス供給機構と、
    前記燃料電池によって生成された水と前記ガスの余剰分とを含むオフガスを前記燃料電池から排出させるためのオフガス通路と、
    前記オフガス通路中を流れる凝縮水を一時的に滞留させるための凝縮水滞留部と、
    前記凝縮水滞留部の中で、前記凝縮水の不純物濃度を計測する不純物濃度センサと、
    前記オフガス通路内に安定水流が生ずる安定水流条件の成立を判定する安定水流条件判定手段と、
    前記安定水流条件の成立時に、前記不純物濃度を有効値と認識する計測結果取り込み手段と、
    前記燃料電池の始動後に、前記燃料電池から排出されたオフガス量の積算値を算出するオフガス量積算値算出手段を備え、
    前記安定水流条件判定手段は、前記オフガス量の積算値が判定値を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. ガスの供給を受けることにより水を生成しながら電気を生成する燃料電池と、
    前記燃料電池に前記ガスを供給するガス供給機構と、
    前記燃料電池によって生成された水と前記ガスの余剰分とを含むオフガスを前記燃料電池から排出させるためのオフガス通路と、
    前記オフガス通路中を流れる凝縮水を一時的に滞留させるための凝縮水滞留部と、
    前記凝縮水滞留部の中で、前記凝縮水の不純物濃度を計測する不純物濃度センサと、
    前記燃料電池から前記凝縮水滞留部にわたって、前記オフガス経路の洗浄が終了したか否かを、前記燃料電池の起動毎に判断する洗浄終了判定手段と、
    前記燃料電池の起動後、前記洗浄の終了が判断された後に、前記不純物濃度を有効値と認識する計測結果取り込み手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の起動後に生成された電流の積算値を算出する電流積算手段を備え、
    前記洗浄終了判定手段は、前記電流の積算値が判定値を超える場合に前記洗浄の終了を判定する判定手段を含むことを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記オフガス経路内に安定水流が生ずる安定水流条件の成立を判定する安定水流条件判定手段を備え、
    前記計測結果取り込み手段は、前記洗浄の終了後、かつ、前記安定水流条件の成立時に、前記不純物濃度を有効値と認識することを特徴とする請求項2または3記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の温度を計測するFC温度計測手段を備え、
    前記安定水流条件判定手段は、前記燃料電池の温度が判定温度を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする請求項1または4記載の燃料電池システム。
  6. 前記凝縮水滞留部の内部または近傍で前記凝縮水の温度を計測する凝縮水温度計測手段を備え、
    前記安定水流条件判定手段は、計測された凝縮水の温度が判定温度を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする請求項1、4および5の何れか1項記載の燃料電池システム。
  7. 前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段を備え、
    前記安定水流条件判定手段は、算出された凝縮水量が判定量を超える場合に前記安定水流条件の成立を判定する判定手段を含むことを特徴とする請求項1および4乃至の何れか1項記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池から排出されるオフガス量を検出するオフガス量検出手段と、
    前記燃料電池の温度を計測するFC温度計測手段と、
    前記燃料電池の近傍における前記オフガス通路の内圧を第1内圧として計測する第1内圧計測手段と、
    前記オフガス量と、前記燃料電池の温度と、前記第1内圧とに基づいて、燃料電池からオフガス通路への排出水総量を算出する排出水総量算出手段と、
    前記凝縮水滞留部の内部または近傍で前記凝縮水の温度を計測する凝縮水温度計測手段と、
    前記凝縮水滞留部の内部または近傍における前記オフガス経路の内圧を第2内圧として計測する第2内圧計測手段と、
    前記オフガス量と、前記凝縮水の温度と、前記第2内圧とに基づいて、前記凝縮水滞留部をガス状態のまま通過する水蒸気量を算出する通過水蒸気量算出手段とを備え、
    前記凝縮水量算出手段は、前記排出水総量から前記水蒸気量を減じることにより、前記凝縮水量を算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池に対するガス供給量を検出するガス供給量検出手段と、
    前記燃料電池の電流を検出する電流検出手段とを備え、
    前記オフガス量検出手段は、前記ガス供給量と、前記電流とに基づいて前記オフガス量を算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項記載の燃料電池システム。
  10. 前記不純物濃度センサは、前記凝縮水滞留部に設けられた導電率センサであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の燃料電池システム。
  11. 前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段を備え、
    前記計測結果取り込み手段は、算出された凝縮水量が高負荷判定量を超える場合に、前記不純物濃度が有効値と認識されるのを禁止する禁止手段を含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の燃料電池システム。
  12. 前記計測結果取り込み手段により有効値と認識された不純物濃度が、異常判定濃度を超える場合に前記燃料電池の異常を判定する異常判定手段と、
    前記凝縮水滞留部に流入する単位時間当たりの凝縮水量を算出する流入凝縮水量算出手段と、
    前記凝縮水量に基づいて前記異常判定濃度を設定する異常判定濃度設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項記載の燃料電池システム。
  13. 前記計測結果取り込み手段により有効値と認識された不純物濃度が、異常判定濃度を超える場合に前記燃料電池の異常を判定する異常判定手段と、
    前記燃料電池の異常が判定された場合に、前記オフガス中の液体水分を増量させる液体水分増量手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項記載の燃料電池システム。
  14. 前記液体水分増量手段は、前記燃料電池から排出されるオフガスを冷却するオフガス冷却手段を含むことを特徴とする請求項13記載の燃料電池システム。
  15. 前記ガス供給機構は、前記燃料電池のカソード側に空気を供給する空気供給通路と、前記空気供給通路の中を流れる空気を加湿する加湿ユニットとを備え、
    前記液体水分増量手段は、前記加湿ユニットの上流側で前記空気供給通路の中を流れる空気を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項13または14記載の燃料電池システム。
  16. 前記燃料電池の停止中に、前記オフガス経路に水を流通させる洗浄機構を備えることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項記載の燃料電池システム。
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