JP2007198820A - 静電容量型物理量センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板への実装に有利な平面実装型の構造で、コンタクト抵抗を低減させた静電容量型物理量センサを提供すること。
【解決手段】ガラス基板11上に形成された固定電極13と、対向する位置に置かれた可動電極となる感圧ダイヤフラム15aとを有し、両電極の引き出し部14a,14bがガラス基板の下面11bに形成された、平面実装に適した静電容量型物理量センサである。ガラス基板11の一方の主面11a上に、感圧ダイヤフラム15a及び凸状の第2導電部15bを有するシリコン基板15が接合されている。引き出し部14bと接続される第2導電部15bは、ガラス基板11の主面11a側から、間に異なる部材を介在させることなく主面11b側に貫通して延在している。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス基板11上に形成された固定電極13と、対向する位置に置かれた可動電極となる感圧ダイヤフラム15aとを有し、両電極の引き出し部14a,14bがガラス基板の下面11bに形成された、平面実装に適した静電容量型物理量センサである。ガラス基板11の一方の主面11a上に、感圧ダイヤフラム15a及び凸状の第2導電部15bを有するシリコン基板15が接合されている。引き出し部14bと接続される第2導電部15bは、ガラス基板11の主面11a側から、間に異なる部材を介在させることなく主面11b側に貫通して延在している。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量を用いて物理量を検知する静電容量型物理量センサに関する。
静電容量型物理量センサ、例えば静電容量型圧力センサは、可動電極であるダイヤフラムを有する基板と、固定電極を有する基板とを、ダイヤフラムと固定電極との間に所定の間隔(キャビティ)を有するように接合することにより構成されている。この静電容量型圧力センサにおいては、ダイヤフラムに圧力が加わるとダイヤフラムが変形し、これによりダイヤフラムと固定電極との間隔が変わる。この間隔の変化によりダイヤフラムと固定電極との間の静電容量が変化し、この静電容量の変化を利用して圧力の変化を検出する。
上記静電容量型圧力センサは、例えば、特許文献1に記載されているように、固定電極を有するガラス基板上にダイヤフラムを有するシリコン基板が接合されて構成されている。両電極の取り出し部がガラス基板の下面にある平面実装型とすることが好ましいことから、固定電極、可動電極共に、それぞれと接続された導電部がガラス基板の下面に露出している。このような静電容量型圧力センサにおいては、ダイヤフラムの電極引き出し用の導電部は、通常、可動電極を構成する材料と異なる材料で構成されている。すなわち、感圧ダイヤフラムがシリコンで構成され、電極引き出し用の導電部が金属で構成されている。
特開2005−201818号公報
しかしながら、このような構造においては、ダイヤフラムと電極引き出し用の導電部とが別部材であるので、コンタクト抵抗が高くなるという問題がある。また、ガラス基板とシリコン基板との間の接合領域に電極引き出し用の導電部が配置されるので、ダイヤフラムと固定電極との間のキャビティ内の気密性に劣るという問題もある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、回路基板への実装に有利な平面実装型の構造で、コンタクト抵抗を低減させた静電容量型物理量センサを提供することを目的とする。加えて、可動電極がダイヤフラムの場合には、可動電極と固定電極との間のキャビティ内の気密性を向上させた静電容量型物理量センサとすることができる。
本発明の静電容量型物理量センサは、一対の主面を有し、該主面の一方に固定電極を有する第1基板と、可動電極を有し、前記可動電極が前記固定電極と所定の間隔をおいて配置されるように前記第1基板の一方の主面に接合された第2基板と、を具備する静電容量型物理量センサであって、前記第1基板は、両主面で露出するように埋め込まれた前記固定電極用の第1導電部を有し、前記第2基板は、その一部が柱状に突出して前記第1基板を貫通して前記他方の主面で露出する第2導電部を形成しており、前記固定電極が前記第1基板の前記一方の主面上で前記第1導電部と電気的に接続されており、前記第2導電部が前記第2基板と一体化されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2導電部が第2基板と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、第2基板と可動電極用の接続部材との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果センサの消費電力を小さくすることができる。
本発明の静電容量型物理量センサは、一対の主面を有し、該主面の一方に固定電極を有する第1基板と、可動電極を有し、前記可動電極が前記固定電極と所定の間隔をおいて配置されるように前記第1基板の一方の主面に接合された第2基板と、を具備する静電容量型物理量センサであって、前記第1基板は、他方の主面で露出するように埋め込まれた前記固定電極用の第1導電部を有し、前記第2基板は、その一部が柱状に突出して前記第1基板を貫通して前記他方の主面で露出する第2導電部を形成しており、前記固定電極が前記第1導電部を兼ねており、前記第2導電部が前記第2基板と一体化されていることを特徴とする。この構成によれば、固定電極と第1導電部とが同一部材となり、構造、製造工程共に簡素化することができる。
本発明の静電容量型物理量センサにおいては、前記可動電極がダイヤフラムであり、被検出物理量が圧力である圧力センサとすることができる。
本発明の静電容量型物理量センサにおいては、前記可動電極が揺動部材であり、被検出物理量が加速度である加速度センサとすることができる。
本発明の静電容量型物理量センサにおいては、前記第1基板がガラス基板であり、前記第2基板がシリコン基板であることが好ましい。シリコン基板はエッチングによりダイヤフラム状、あるいは音叉形状に代表される揺動部材状に加工することが容易となる。また、ガラス基板と強固に接合することができる。したがって、センサ自体として剛性の高いものができ、特に、圧力センサにおいては、形成されるキャビティ内の気密性が向上する。
本発明の静電容量型物理量センサにおいては、前記ガラス基板と前記シリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することが好ましい。この構成によれば、シリコンとガラスとの間の密着性をさらに高めることができる。
本発明の静電容量型物理量センサの製造方法は、一対の主面の両方で露出するように第1導電部が埋め込まれ、第2導電部用の貫通穴が形成されたガラス基板を作製する工程と、前記ガラス基板の一方の主面上に前記第1導電部と電気的に接続するように固定電極を形成する工程と、可動電極及び凸状の第2導電部を有するシリコン基板を作製する工程と、前記第2導電部が前記貫通穴に嵌合するようにして前記シリコン基板と前記ガラス基板の前記一方の主面とを接合する工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の静電容量型物理量センサの製造方法は、凸状の第1導電部を有する第1シリコン基板を作製する工程と、可動電極及び凸状の第2導電部を有する第2シリコン基板を作製する工程と、前記第2導電部がガラス基板の一方の主面に当接し、前記第1導電部が前記ガラス基板の他方の主面に当接した状態で、前記第1及び第2シリコン基板を前記ガラス基板側に押圧して前記第1及び第2シリコン基板を前記ガラス基板に接合する工程と、を具備することを特徴とする。
これらの方法によれば、第2導電部が第2基板と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、第2基板と可動電極用の接続部材との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果センサの消費電力を小さくすることができる静電容量型物理量センサを得ることができる。
本発明の静電容量型物理量センサの製造方法においては、前記接合が陽極接合であることが好ましい。この方法によれば、シリコンとガラスとの間の密着性を高めて、両基板で構成されるキャビティ内の気密性を高く保つことができる。
本発明によれば、回路基板への実装に有利な平面実装型の構造で、コンタクト抵抗を低減させると共に、可動電極がダイヤフラムの場合に可動電極と固定電極との間のキャビティ内の気密性を向上させることができる静電容量型物理量センサを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
以下の実施の形態においては、可動電極がダイヤフラムであり、被検出物理量が圧力である場合について説明する。
以下の実施の形態においては、可動電極がダイヤフラムであり、被検出物理量が圧力である場合について説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、第1導電部が第1基板(ガラス基板)に埋め込まれており、固定電極が第1基板の一方の主面上に形成されており、固定電極と第1導電部とが電気的に接続されている態様について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの断面図である。図中11はガラス基板を示す。ガラス基板11は、相互に対向する一対の主面11a,11bを有する。このガラス基板11の後述するキャビティ16内には、第1導電部12が埋設されている。また、ガラス基板11のキャビティ16以外の領域に、後述する可動電極用の第2導電部15bが埋め込まれている。第1導電部12は、固定電極用の接続部材であり、主面11a,11bでそれぞれ露出している。また、第2導電部15bは、可動電極用の接続部材であり、主面11bで露出している。
本実施の形態においては、第1導電部が第1基板(ガラス基板)に埋め込まれており、固定電極が第1基板の一方の主面上に形成されており、固定電極と第1導電部とが電気的に接続されている態様について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの断面図である。図中11はガラス基板を示す。ガラス基板11は、相互に対向する一対の主面11a,11bを有する。このガラス基板11の後述するキャビティ16内には、第1導電部12が埋設されている。また、ガラス基板11のキャビティ16以外の領域に、後述する可動電極用の第2導電部15bが埋め込まれている。第1導電部12は、固定電極用の接続部材であり、主面11a,11bでそれぞれ露出している。また、第2導電部15bは、可動電極用の接続部材であり、主面11bで露出している。
ガラス基板11の主面11b上には、第1導電部12の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14aが形成されており、第2導電部15bの露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14bが形成されている。このように引き出し電極14a,14bがそれぞれ主面11b上に設けられていることにより、外部への取り出し電極を一つの面上に形成できるので、表面実装に適したデバイスとすることができる。第1導電部12を構成する材料としては、シリコン、金属などの導電性材料を用いることができるが、上記のようにガラスとの間の密閉性を考慮して、シリコンで構成することが好ましい。
ガラス基板11の主面11a上には、第1導電部12と電気的に接続するように固定電極13が形成されている。この固定電極13は、キャビティ16内に形成されている。第1導電部12は、固定電極13と引き出し電極14aとを電気的に接続する接続部材である。したがって、ガラス基板11は、主面11bで露出した固定電極用の第1導電部12を有することになる。
ガラス基板11の主面11aの接合面11c上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム15a及び凸状の第2導電部15bを有するシリコン基板15が接合されている。シリコン基板15は、ガラス基板11の主面11a側に凹部15cを有し、ガラス基板11と反対側に凹部15dを有する。これらの凹部15c,15dにより感圧ダイヤフラム15aが構成され、ガラス基板11とシリコン基板15の凹部15cとの間でキャビティ16が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム15a(可動電極)と固定電極13との間に静電容量が発生する。
また、第2導電部15bは、ガラス基板11の主面11a側から主面11b側に貫通して延在する凸状部であり、その先端が主面11bで露出して引き出し電極14bと電気的に接続されている。すなわち、シリコン基板15と第2導電部15bとは一体に形成されて、第2導電部15bは、ガラス基板11の貫通穴に挿入されて埋め込まれている。
ガラス基板11の主面11aとシリコン基板15との間の界面(接合面11c)は、高い密着性を有することが好ましい。ガラス基板11にシリコン基板15を接合する場合には、ガラス基板11の接合面11c上にシリコン基板15を搭載し、陽極接合処理を施すことにより、両基板11,15の密着性を高くすることができる。このようにガラス基板11とシリコン基板15との界面で高い密着性を発揮することにより、シリコン基板15の凹部15cとガラス基板11の主面11aとの間で構成するキャビティ16内の気密性を高く保つことができる。
ここで、陽極接合処理とは、所定の温度(例えば400℃以下)で所定の電圧(例えば300V〜1kV)を印加することにより、シリコンとガラスとの間に大きな静電引力が発生して、界面で共有結合を起こさせる処理をいう。この界面での共有結合は、シリコンのSi原子とガラスに含まれるSi原子との間のSi−Si結合又はSi−O結合である。したがって、このSi−Si結合又はSi−O結合により、シリコンとガラスとが強固に接合して、両者間の界面で非常に高い密着性を発揮する。このような陽極接合を効率良く行うために、ガラス基板11のガラス材料としては、ナトリウムなどのアルカリ金属を含むガラス材料(例えばパイレックス(登録商標)ガラス)であることが好ましい。
第1導電部12がシリコンで構成されている場合には、ガラス基板11と第1導電部12との間の界面も陽極接合されていることが好ましい。後述するように、これらの界面は、加熱下において第1導電部12をガラス基板11に押し込むことにより形成される。このような方法により得られた界面でも高い密着性を発揮できるが、第1導電部12をガラス基板11に押し込んだ後に、陽極接合処理を施すことにより、密着性をより高くすることができる。また、第2導電部15bとガラス基板11との間の界面も陽極接合されていることがより好ましい。
このように、感圧ダイヤフラム15aが固定電極13と所定の間隔をおいて配置された構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム15aとガラス基板11内の固定電極である第1導電部12との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム15aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム15aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム15aとガラス基板11内の固定電極との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、第2導電部15bがシリコン基板15と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、シリコン基板15と可動電極用の接続部材(可動電極をガラス基板11の主面11b側に引き出す部材)との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果センサの消費電力を小さくすることができる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図2(a)〜(d)及び図3(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。本実施の形態においては、一対の主面で露出するように第1導電部が埋め込まれ、第2導電部用の貫通穴が形成されたガラス基板を作製し、ガラス基板の一方の主面上に第1導電部と電気的に接続するように固定電極を形成し、可動電極及び凸状の第2導電部を有するシリコン基板を作製し、第2導電部が貫通穴に嵌合するようにしてシリコン基板とガラス基板の一方の主面とを接合する。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板17を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図2(a)に示すように、このシリコン基板17の両面にエッチングマスク18を形成する。エッチングマスク18は、シリコン基板17を熱酸化し、シリコン基板17の表面に形成された熱酸化膜をパターニングすることにより形成する。そして、図2(b)に示すように、シリコン基板17をエッチングして、凹部15d及び第2導電部15bを形成する。エッチングは、ウェットエッチングで両面を一度にエッチングしても良く、ドライエッチングで両面をエッチングしても良い。なお、エッチングのエッチャントやエッチング条件は通常行われているものを用いることができる。
図2(c)に示すように、このシリコン基板17のガラス基板対向側にエッチングマスク19を形成する。エッチングマスク19は、例えばスプレーコートなどを用いることで、段差部へ形成することが可能である。そして、図2(d)に示すように、シリコン基板17のガラス基板対向側をエッチングして凹部15cを形成する。エッチングは、ウェットエッチングでも良く、ドライエッチングでも良い。なお、エッチングのエッチャントやエッチング条件は通常行われているものを用いることができる。これにより、感圧ダイヤフラム15a及び第2導電部15bを有するシリコン基板15が得られる。
図3(a)に示すように、第1導電部12を埋め込んだガラス基板11を作製する。この場合、シリコン基板の一方の主面をエッチングして第1導電部用の突出部を形成し、突出部を形成したシリコン基板上にガラス基板11を置き、さらに、真空下で、このシリコン基板及びガラス基板11を加熱して、シリコン基板をガラス基板11に押圧して突出部をガラス基板11の主面11bに押し込んで、シリコン基板とガラス基板11とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。このとき、シリコン基板の突出部とガラス基板11との界面での密着性をより高めるために、陽極接合処理をすることが好ましい。この場合、シリコン基板及びガラス基板11にそれぞれ電極をつけて、約400℃以下の加熱下で約300V〜1kVの電圧を印加することにより行う。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ16の気密性を向上させることができる。その後、ガラス基板11の主面11a側を研磨処理して、第1導電部12を主面11aで露出させ、シリコン基板の裏面(突出部を設けない面)側をエッチングしてガラス基板11の主面11bを露出させる。エッチングとしては、ドライエッチングでも良く、ウェットエッチングでも良い。また、裏面のシリコンは研磨による加工で除去しても良い。
次いで、図3(b)に示すように、ガラス基板11に第2導電部挿入用の貫通穴20を形成する。この貫通穴20は、主面11a側から例えばサンドブラスト加工により形成する。次いで、図3(c)に示すように、ガラス基板11の主面11a上に、第1導電部12と電気的に接続するように、固定電極13を形成する。この場合、ガラス基板11の主面11a上に電極材料を被着し、その上にレジスト膜を形成し、固定電極形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
次いで、シリコン基板15の第2導電部15bがガラス基板11の貫通穴20に嵌合するように、かつ、シリコン基板15の凹部15cがガラス基板11上の固定電極13を囲繞してキャビティ16を構成するようにして、シリコン基板15とガラス基板11の一方の主面11aとを接合する。このとき、シリコン基板15及びガラス基板11に対して、約400℃以下の加熱下で約500V程度の電圧を印加することにより陽極接合処理を行う。これによりシリコン基板15とガラス基板11との間の界面での密着性がより高くなり、キャビティ16の気密性を向上させることができる。また、必要に応じてガラス基板11の主面11b側を研磨処理して平坦化する。
その後、ガラス基板11の主面11b側において、第1及び第2導電部12,15bの露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14a,14bを形成する。この場合、まず、ガラス基板11の主面11b上に電極材料を被着し、その上にレジスト膜を形成し、引き出し電極形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極である第1導電部12が引き出し電極14aと電気的に接続され、感圧ダイヤフラム15aが第2導電部15bを介して引き出し電極14bと電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム15aと固定電極との間で検知された静電容量の変化の信号は、引き出し電極14a,14bから取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。
本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、第2導電部15bがシリコン基板15と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、シリコン基板15と可動電極用の接続部材(可動電極をガラス基板11の主面11b側に引き出す部材)との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果、センサの消費電力を小さくすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、固定電極が第1基板に埋め込まれており、固定電極が第1導電部を兼ねている態様について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの断面図である。なお、図4において、図1と同じ部材については図1と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、固定電極が第1基板に埋め込まれており、固定電極が第1導電部を兼ねている態様について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの断面図である。なお、図4において、図1と同じ部材については図1と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4に示す静電容量型圧力センサにおいては、ガラス基板11に埋め込まれた第1導電部が固定電極21として用いられている。すなわち、固定電極21が第1導電部を兼ねている。この固定電極21は、ガラス基板11の主面11bで露出している。なお、本実施の形態においては、固定電極21がガラス基板の主面11bのみで露出している場合について説明しているが、固定電極21はガラス基板の両主面11a,11bで露出していても良い。そして、ガラス基板11の主面11b側で露出した固定電極21上には、引き出し電極14aが形成されている。
固定電極21を構成する材料としては、シリコン、金属などの導電性材料を用いることができる。図4に示すように、固定電極21がガラス基板の主面11bのみで露出している場合には、導電性材料であれば特に制限はないが、固定電極21はガラス基板の両主面11a,11bで露出している場合には、ガラスとの間の密閉性を考慮して、シリコンで構成することが好ましい。また、固定電極21はガラス基板の両主面11a,11bで露出している場合において、固定電極21がシリコンで構成されている場合には、ガラス基板11と固定電極21との間の界面も陽極接合されていることが好ましい。
このように、感圧ダイヤフラム15aが固定電極21と所定の間隔をおいて配置された構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム15aとガラス基板11内の固定電極21との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム15aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム15aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム15aとガラス基板11内の固定電極21との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいても、第2導電部15bがシリコン基板15と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、シリコン基板15と可動電極用の接続部材(可動電極をガラス基板11の主面11b側に引き出す部材)との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果センサの消費電力を小さくすることができる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。本実施の形態においては、凸状の第1導電部を有する第1シリコン基板を作製し、可動電極及び凸状の第2導電部を有する第2シリコン基板を作製し、第2導電部がガラス基板の一方の主面に当接し、第1導電部がガラス基板の他方の主面に当接した状態で、第1及び第2シリコン基板をガラス基板側に押圧して第1及び第2シリコン基板をガラス基板に接合する。
まず、上記図2(a)〜(d)に示すようにして感圧ダイヤフラム15a及び第2導電部15bを有するシリコン基板15を作製する。次いで、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板22を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、このシリコン基板22の一方の主面をエッチングして固定電極用の突出部22aを形成する。なお、エッチングのエッチャントやエッチング条件は通常行われているものを用いることができる。また、第2導電部15bや突出部22aの高さは、ガラス基板11の厚さを考慮して適宜決定する。このようにして突出部22aを有するシリコン基板22を作製する。
次いで、図5(a)に示すように、ガラス基板11の主面11a側にシリコン基板15を配置し、主面11b側にシリコン基板22を配置する。このとき、シリコン基板15は、第2導電部15bがガラス基板11と対向するように配置し、シリコン基板22は、突出部22aがガラス基板11と対向するように配置する。そして、所定の圧力及び温度下で、第2導電部15bがガラス基板11の主面11aに当接し、突出部22aがガラス基板11の主面11bに当接した状態で、シリコン基板15,22をガラス基板11側(図5(a)の矢印方向)に押圧してシリコン基板15,22をガラス基板11に接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。このとき、シリコン基板15とガラス基板11との界面及びシリコン基板22とガラス基板11との界面での密着性をより高めるために、陽極接合処理をすることが好ましい。この場合、シリコン基板15,22及びガラス基板11にそれぞれ電極をつけて、約400℃以下の加熱下で約300V〜1kVの電圧を印加することにより行う。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ16の気密性を向上させることができる。これにより、図5(b)に示す構造体が形成される。
その後、図5(c)に示すように、シリコン基板22の裏面(突出部を設けない面)側をエッチングして固定電極21及び第2導電部15bをガラス基板11の主面11bで露出させる。エッチングとしては、ドライエッチングでも良く、ウェットエッチングでも良い。また、裏面のシリコンは研磨による加工で除去しても良い。
その後、ガラス基板11の主面11b側において、固定電極21及び第2導電部15bの露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14a,14bを形成する。この場合、まず、ガラス基板11の主面11b上に電極材料を被着し、その上にレジスト膜を形成し、引き出し電極形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極21が引き出し電極14aと電気的に接続され、感圧ダイヤフラム15aが第2導電部15bを介して引き出し電極14bと電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム15aと固定電極との間で検知された静電容量の変化の信号は、引き出し電極14a,14bから取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。
本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、第2導電部15bがシリコン基板15と一体化されている、すなわち同じ部材で構成されているので、シリコン基板15と可動電極用の接続部材(可動電極をガラス基板11の主面11b側に引き出す部材)との間のコンタクト抵抗をなくすことが可能となる。したがって、センサにおける直列抵抗を下げることができ、その結果、センサの消費電力を小さくすることができる。また、本実施の形態に係る方法によれば、より簡単な工程でセンサの消費電力を小さくすることができる静電容量型圧力センサを得ることができる。
ここで、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。第2導電部15b(シリコン基板15側)の直径を約100μmとして図1に示すような本発明に係る静電容量型圧力センサ(実施例)を作製した。表1に示すように、この静電容量型圧力センサにおけるシリコン基板15とガラス基板11との間の接合面での抵抗値はシリコン基板15と第2導電部15bとが同一部材であるので0となり、接合部(第2導電部15b)の抵抗値が、対応する厚さのシリコンの抵抗値として若干であり、感圧ダイヤフラムと第2導電部の抵抗値が9.2Ωであり、センサ全体の抵抗値が10Ω以下であった。また、第2導電部とシリコン基板との間に接続電極が介在している構成を有する静電容量型圧力センサ(従来例)を作製した。表1に示すように、この静電容量型圧力センサにおけるシリコン基板とガラス基板との間の接合面での抵抗値は12.8Ωであり、接合部の金属の抵抗値がほぼ0であり、感圧ダイヤフラムと第2導電部の抵抗値が9.2Ωであり、センサ全体の抵抗値が22Ω程度であった。このように本発明に係る静電容量型圧力センサは、コンタクト抵抗の非常に低いものであった。
本発明は上記実施の形態1,2に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態1,2においては、可動電極がダイヤフラムであり、被検出物理量が圧力である場合について説明しているが、本発明は、可動電極がビーム(梁)や錘のような揺動部材であり、被検出物理量が加速度である場合(静電容量型加速度センサ)にも適用することができる。また、上記実施の形態で説明した数値や材質については特に制限はない。また、上記実施の形態で説明したプロセスについてはこれに限定されず、工程間の適宜順序を変えて実施しても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
11 ガラス基板
11a,11b 主面
12 第1導電部
13,21 固定電極
14a,14b 引き出し電極
15,17,22 シリコン基板
15a ダイヤフラム
15b 第2導電部
15c,15d 凹部
16 キャビティ
18,19 エッチングマスク
20 貫通穴
22a 突出部
11a,11b 主面
12 第1導電部
13,21 固定電極
14a,14b 引き出し電極
15,17,22 シリコン基板
15a ダイヤフラム
15b 第2導電部
15c,15d 凹部
16 キャビティ
18,19 エッチングマスク
20 貫通穴
22a 突出部
Claims (9)
- 一対の主面を有し、該主面の一方に固定電極を有する第1基板と、可動電極を有し、前記可動電極が前記固定電極と所定の間隔をおいて配置されるように前記第1基板の一方の主面に接合された第2基板と、を具備する静電容量型物理量センサであって、前記第1基板は、両主面で露出するように埋め込まれた前記固定電極用の第1導電部を有し、前記第2基板は、その一部が柱状に突出して前記第1基板を貫通して前記他方の主面で露出する第2導電部を形成しており、前記固定電極が前記第1基板の前記一方の主面上で前記第1導電部と電気的に接続されており、前記第2導電部が前記第2基板と一体化されていることを特徴とする静電容量型物理量センサ。
- 一対の主面を有し、該主面の一方に固定電極を有する第1基板と、可動電極を有し、前記可動電極が前記固定電極と所定の間隔をおいて配置されるように前記第1基板の一方の主面に接合された第2基板と、を具備する静電容量型物理量センサであって、前記第1基板は、他方の主面で露出するように埋め込まれた前記固定電極用の第1導電部を有し、前記第2基板は、その一部が柱状に突出して前記第1基板を貫通して前記他方の主面で露出する第2導電部を形成しており、前記固定電極が前記第1導電部を兼ねており、前記第2導電部が前記第2基板と一体化されていることを特徴とする静電容量型物理量センサ。
- 前記可動電極がダイヤフラムであり、被検出物理量が圧力であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の静電容量型物理量センサ。
- 前記可動電極が揺動部材であり、被検出物理量が加速度であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の静電容量型物理量センサ。
- 前記第1基板がガラス基板であり、前記第2基板がシリコン基板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の静電容量型物理量センサ。
- 前記ガラス基板と前記シリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することを特徴とする請求項5記載の静電容量型物理量センサ。
- 一対の主面の両方で露出するように第1導電部が埋め込まれ、第2導電部用の貫通穴が形成されたガラス基板を作製する工程と、前記ガラス基板の一方の主面上に前記第1導電部と電気的に接続するように固定電極を形成する工程と、可動電極及び凸状の第2導電部を有するシリコン基板を作製する工程と、前記第2導電部が前記貫通穴に嵌合するようにして前記シリコン基板と前記ガラス基板の前記一方の主面とを接合する工程と、を具備することを特徴とする静電容量型物理量センサの製造方法。
- 凸状の第1導電部を有する第1シリコン基板を作製する工程と可動電極及び凸状の第2導電部を有する第2シリコン基板を作製する工程と、前記第2導電部がガラス基板の一方の主面に当接し、前記第1導電部が前記ガラス基板の他方の主面に当接した状態で、前記第1及び第2シリコン基板を前記ガラス基板側に押圧して前記第1及び第2シリコン基板を前記ガラス基板に接合する工程と、を具備することを特徴とする静電容量型物理量センサの製造方法。
- 前記接合が陽極接合であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の静電容量型物理量センサの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2006015940A JP2007198820A (ja) | 2006-01-25 | 2006-01-25 | 静電容量型物理量センサ及びその製造方法 |
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JP2006015940A Withdrawn JP2007198820A (ja) | 2006-01-25 | 2006-01-25 | 静電容量型物理量センサ及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2007198820A (ja) |
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US9090458B2 (en) | 2012-11-28 | 2015-07-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Ultrasonic transducer and method of manufacturing the same |
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2006
- 2006-01-25 JP JP2006015940A patent/JP2007198820A/ja not_active Withdrawn
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