JP2007101282A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

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勝也 菊入
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Abstract

【課題】可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる静電容量型圧力センサを提供すること。
【解決手段】ガラス基板11のキャビティ17内には、第1導電部材12が埋設されている。ガラス基板11のキャビティ17以外の領域に、第2導電部材13が埋設されている。ガラス基板11の主面11b上には、第1導電部材12の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14aが形成されており、第2導電部材13の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14bが形成されている。ガラス基板11の主面11a側の第1導電部材12は、中央に向って深くなる凹部12aを有する。ガラス基板11の主面11aの接合面11d上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム16aを有するシリコン基板16が接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量を用いて圧力を検知する静電容量型圧力センサに関する。
静電容量型圧力センサは、可動電極である感圧ダイヤフラムを有する基板と、固定電極を有する基板とを、感圧ダイヤフラムと固定電極との間に所定の間隔(キャビティ)を有するように接合することにより構成されている。この静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラムに圧力が加わると感圧ダイヤフラムが変形し、これにより感圧ダイヤフラムと固定電極との間隔が変わる。この間隔の変化により感圧ダイヤフラムと固定電極との間の静電容量が変化し、この静電容量の変化を利用して圧力の変化を検出する(例えば、特許文献1)。
特許第2772111号公報
このような静電容量型圧力センサは、さらなる小型化が望まれており、固定電極と可動電極との間のキャビティの間隔もより狭いものが要求される。また、静電容量型圧力センサにおいては、このようにキャビティ間隔が狭い状態で高い圧力を検出できることも望まれている。したがって、相対的に高い圧力が加わっても可動電極と固定電極との間の短絡がなく、しかも高感度で圧力検出が可能である静電容量型圧力センサへの要求が高まってきている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる静電容量型圧力センサを提供することを目的とする。
本発明の静電容量型圧力センサは、相互に対向する一対の主面を有し、前記一対の主面の両方の主面で露出するように埋め込まれた固定電極となる第1導電部材を有するガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面上に接合されており、前記第1導電部材と所定の間隔をおいて対向して配置された可動電極を有するシリコン基板と、を具備し、前記第1導電部材は、中央に向って深くなる凹部を有することを特徴とする。
この構成によれば、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる凹部を有するので、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても第1導電部材と接触せず、第1導電部材のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと第1導電部材との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記ガラス基板は、前記シリコン基板と電気的に接続されており、前記ガラス基板の少なくとも他方主面で露出する第2導電部材を有することが好ましい。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記ガラス基板の他方の主面において、前記第1及び第2導電部材上に引き出し電極が形成されていることが好ましい。この構成によれば、外部への取り出し電極を一つの面上に形成できるので、表面実装に適したデバイスとすることができる。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記第1及び第2導電部材がシリコンで構成されていることが好ましい。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記ガラス基板と前記シリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することが好ましい。この構成によれば、ガラス基板とシリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有するので、ガラスとシリコンとが強固に接合されて、両者間の密着性が向上し、キャビティの気密性が向上する。
本発明の静電容量型圧力センサによれば、相互に対向する一対の主面を有し、前記一対の主面の両方の主面で露出するように埋め込まれた固定電極となる第1導電部材を有するガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面上に接合されており、前記第1導電部材と所定の間隔をおいて対向して配置された可動電極を有するシリコン基板と、を具備し、前記第1導電部材は、中央に向って深くなる凹部を有するので、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、固定電極が一段階で窪んだ凹部を有する態様について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの断面図である。図中11はガラス基板を示す。ガラス基板11は、相互に対向する一対の主面11a,11bを有する。このガラス基板11の後述するキャビティ17内には、固定電極である第1導電部材12が埋設されている。また、ガラス基板11のキャビティ17以外の領域に、後述する可動電極用の接続電極である第2導電部材13が埋設されている。第1及び第2導電部材12,13は、それぞれ主面11a,11bでそれぞれ露出している。
ガラス基板11の主面11b上には、第1導電部材12の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14aが形成されており、第2導電部材13の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14bが形成されている。このように引き出し電極14a,14bがそれぞれ主面11b上に設けられていることにより、外部への取り出し電極を一つの面上に形成できるので、表面実装に適したデバイスとすることができる。
ガラス基板11の主面11aは、キャビティ17を構成するための凹部11cが形成されている。この凹部11cの幅は、少なくとも固定電極である第1導電部材12の幅よりも大きく設定することが望ましい。このように設定することにより、第1導電部材12をシリコンで構成する場合に、キャビティ17内にガラスとシリコンとの界面が存在し、他の材料間の界面が存在しないことになり、キャビティ17内の密閉性を向上させることができる。
第1及び第2導電部材12,13を構成する材料としては、シリコン、金属などの導電性材料を用いることができるが、第1導電部材12については、上記のようにガラスとの間の密閉性を考慮して、シリコンで構成することが好ましい。
ガラス基板11の主面11a側の第1導電部材12は、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる凹部12aを有する。この凹部12aは、一段階の段差により構成されている。凹部12aは、後述する感圧ダイヤフラムの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、凹部12aの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても第1導電部材12と接触せず、第1導電部材12のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと第1導電部材12との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。
ガラス基板11の主面11aの接合面(凹部11c以外の領域)11d上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム16aを有するシリコン基板16が接合されている。これにより、ガラス基板11の凹部11cとシリコン基板16との間でキャビティ17が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム16a(可動電極)と第1導電部材12(固定電極)との間に静電容量が発生する。
第2導電部材13とシリコン基板16との間には電極15が介在されている。なお、第2導電部材13がシリコン基板6と電気的に接続される材料で構成されていれば、電極15を設けずに、第2導電部材13とシリコン基板16とを直接接合する構成にしても良い。
ガラス基板11とシリコン基板16との間の界面(接合部11d)は、高い密着性を有することが好ましい。ガラス基板11にシリコン基板16を接合する場合には、ガラス基板11の接合部11d上にシリコン基板16を搭載し、陽極接合処理を施すことにより、両基板11,16の密着性を高くすることができる。このようにガラス基板11とシリコン基板16との界面で高い密着性を発揮することにより、感圧ダイヤフラム16aとガラス基板11の凹部11cとの間で構成するキャビティ17内の気密性を高く保つことができる。
ここで、陽極接合処理とは、所定の温度(例えば400℃以下)で所定の電圧(例えば300V〜1kV)を印加することにより、シリコンとガラスとの間に大きな静電引力が発生して、界面で共有結合を起こさせる処理をいう。この界面での共有結合は、シリコンのSi原子とガラスに含まれるSi原子との間のSi−Si結合又はSi−O結合である。したがって、このSi−Si結合又はSi−O結合により、シリコンとガラスとが強固に接合して、両者間の界面で非常に高い密着性を発揮する。このような陽極接合を効率良く行うために、ガラス基板11のガラス材料としては、ナトリウムなどのアルカリ金属を含むガラス材料(例えばパイレックス(登録商標)ガラス)であることが好ましい。
第1及び/又は第2導電部材12,13がシリコンで構成されている場合には、ガラス基板11と第1及び/又は第2導電部材12,13との間の界面も陽極接合されていることが好ましい。後述するように、これらの界面は、加熱下において第1及び/又は第2導電部材12,13をガラス基板11に押し込むことにより形成される。このような方法により得られた界面でも高い密着性を発揮できるが、第1及び/又は第2導電部材12,13をガラス基板11に押し込んだ後に、陽極接合処理を施すことにより、密着性をより高くすることができる。
このような構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム16aとガラス基板11内の固定電極である第1導電部材12との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム16aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム16aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム16aとガラス基板11内の固定電極との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる凹部12aを有するので、感圧ダイヤフラム16aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、凹部12aの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても第1導電部材12と接触せず、第1導電部材12のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと第1導電部材12との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極である第1導電部材12と可動電極である感圧ダイヤフラム16aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図2(a)〜(c)及び図3(a),(b)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板18を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。濃度としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図2(a)に示すように、このシリコン基板18の一方の主面をエッチングして、第1及び第2導電部材12,13に相当する突出部18a,18bを形成する。すなわち、突出部18aが第1導電部材12に相当し、突出部18bが第2導電部材13に相当する。
次いで、突出部18a,18bを形成したシリコン基板18上にガラス基板11を置く。さらに、真空下で、このシリコン基板18及びガラス基板11を加熱し、シリコン基板18をガラス基板11に押圧して突出部18a,18bをガラス基板11の主面11bに押し込んで、図2(c)に示すように、シリコン基板18とガラス基板11とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。
さらに、シリコン基板18の突出部18a,18bとガラス基板11との界面11eでの密着性をより高めるために、陽極接合処理をすることが好ましい。この場合、シリコン基板18及びガラス基板11にそれぞれ電極をつけて、約400℃以下の加熱下で約300V〜1kVの電圧を印加することにより行う。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ17の気密性を向上させることができる。
次いで、ガラス基板11の主面11a側を研磨処理して、シリコン基板18の突出部18a,18bを主面11aで露出させる。次いで、シリコン基板18の裏面(突出部18a,18bを設けない面)側をエッチングしてガラス基板11の主面11bを露出させる。エッチングとしては、ドライエッチングでも良く、ウェットエッチングでも良い。また、裏面のシリコンは研磨による加工で除去しても良い。
その後、突出部18a及びガラス基板11の主面11aの上面をエッチングして、図3(a)に示すように、凹部11cと感圧ダイヤフラム16aとを接触させないための凹部12aを形成する。この場合、シリコン基板18の露出部上にレジスト膜を形成し、凹部11c形成領域以外にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコンをエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。このようにして凹部11cを設ける。次いで、同様にして凹部12aを形成する。エッチングとしては、ドライエッチングでも良く、ウェットエッチングでも良い。ただし、ウェットエッチングの場合には、シリコンとガラスでエッチングレートに差が出るため、シリコンとガラスの境界で段差が出ないように条件設定する必要がある。これにより、ガラス基板11に凹部11c,12aを有する第1導電部材12及び第2導電部材13が埋め込まれた状態となる。
次いで、図3(a)に示すように、ガラス基板11の主面11b側において、第1及び第2導電部材12,13の露出部分と電気的に接続するように引き出し電極14a,14bを形成する。この場合、まず、ガラス基板11の主面11bの第1及び第2導電部材12,13上に電極材料を被着し、その上にレジスト膜を形成し、引き出し電極形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
また、図3(a)に示すように、ガラス基板11の主面11a側において、第2導電部材13の露出部分と電気的に接続するように電極15を形成する。この場合、まず、ガラス基板11の主面11aの第2導電部材13上に電極材料を被着し、その上にレジスト膜を形成し、電極形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
次いで、図3(b)に示すように、あらかじめエッチングなどにより数十μm程度の所定の厚さに形成したシリコン基板16を、感圧ダイヤフラム16aが固定電極である第1導電部材12と所定の間隔をおいて位置するようにして、ガラス基板11の接合部11d上に接合する。このとき、シリコン基板16及びガラス基板11に対して、約400℃以下の加熱下で約500V程度の電圧を印加することにより陽極接合処理を行う。これによりシリコン基板16とガラス基板11との間の界面での密着性がより高くなり、キャビティ17の気密性を向上させることができる。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極である第1導電部材12が引き出し電極14aと電気的に接続され、感圧ダイヤフラム16aが電極15及び第2導電部材13を介して引き出し電極14bと電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム16aと固定電極との間で検知された静電容量の変化の信号は、引き出し電極14a,14bから取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。
本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる凹部12aを有するので、感圧ダイヤフラム16aが外圧により変形しても第1導電部材12と接触せず、第1導電部材12のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラム16aと第1導電部材12との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、固定電極が多段階で窪んだ凹部を有する態様について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの断面図である。図4において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4に示す構成においては、第1導電部材12が多段で構成された凹部12bを有する。この凹部12bも、凹部12aと同様に、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなっている。凹部12bも、感圧ダイヤフラム16aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。この場合においても、凹部12bの断面形状は、感圧ダイヤフラム16aが外圧により変形しても第1導電部材12と接触せず、第1導電部材12のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラム16aと第1導電部材12との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。凹部12bは、実施の形態1において示した凹部12aよりも感圧ダイヤフラム16aの変形形状により近い断面形状を有するので、より高感度の圧力センサを実現することができる。なお、図4においては、凹部12bが2段階で窪んだ凹部を示しているが、本発明はこれに限定されず、3段階以上で窪んだ凹部を用いても良い。
図4に示す第1導電部材12の凹部12bを形成する場合、例えば図5(a)〜(c)に示すようにする。まず、図5(a)に示すように、第1導電部材12の表面上にレジスト膜を形成し、凹部12bにおける各段の深さに応じて厚さが異なるように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)する。この場合、レジスト膜のパターニングに、領域により光の透過率を変えたマスクを用いる。例えば、図5(a)に示すようにレジスト膜を残存させる場合、レジスト膜19aに相当する領域に最も光が照射されるように透過率を最も高くし、レジスト膜19bに相当する領域に次に光が照射されるように透過率を2番目に高くし、レジスト膜19cに相当する領域に最も光が照射されないように透過率を最も低く設定する。このようなマスクを用いて露光を行って現像を行うことにより、図5(a)に示すようにレジスト膜19a〜19cを残存させることができる。
このレジスト膜19a〜19cをマスクとしてシリコンをエッチングすると、まず一番薄いレジスト膜19cが除去されてレジスト膜19cに対応する領域にシリコンが露出する。これにより、図5(b)に示すように、その領域のシリコンがエッチングされる。このとき、レジスト膜19a,19bもそれぞれ厚さが薄くなる。さらにエッチングを続けると、次に薄いレジスト膜19bが除去されてレジスト膜19bに対応する領域にシリコンが露出し、その領域のシリコンがエッチングされる。このとき、レジスト膜19aもそれぞれ厚さが薄くなると共に、レジスト膜19cに対応する領域のシリコンがより深くエッチングされる。そして、さらにエッチングを続けると、次に薄いレジスト膜19aが除去されてレジスト膜19aに対応する領域にシリコンが露出し、その領域のシリコンがエッチングされる。このとき、レジスト膜19c,19bに対応する領域のシリコンがより深くエッチングされる。このようにして、図5(c),(d)に示すような形状の凹部12bを形成することができる。
なお、図4に示す第1導電部材12の凹部12bを形成する方法は、上記の方法に限定されず、実施の形態1で説明したようなエッチングを複数回行う方法やRIE(Reactive Ion Etching)を用いる方法などでも良い。また、使用するレジスト膜やエッチャントなどについては、第1導電部材12の材料により適宜選択する。
本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる凹部12bを有するので、感圧ダイヤフラム16aが外圧により変形しても第1導電部材12と接触せず、第1導電部材12のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラム16aと第1導電部材12との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
図4に示すような多段階形状の凹部を有する第1導電部材を有する静電容量型圧力センサと、平坦形状の第1導電部材を有する静電容量型圧力センサについて、圧力Pが加わったときの感圧ダイヤフラムの変位量を調べた。この結果を図6(a),(b)に示す。なお、図6(a),(b)において、横軸は感圧ダイヤフラムの中心からの距離を示し、縦軸は感圧ダイヤフラムの変位量を示す。ここでは、最大圧力での感圧ダイヤフラムの変位に対して第1導電部材との間の接触しないクリアランスを0.1μmに設定した。
感圧ダイヤフラムの変位量(W)は、以下の式により求めた。
W=[{3×(1−v2)×P}/(16×E×t3)]×(r2−a22
式中、Eはヤング率(GPa)であり、vはポアソン比であり、Pは加えられる圧力(kPa)であり、tは感圧ダイヤフラムの厚さ(μm)であり、aは感圧ダイヤフラムの半径(μm)であり、rは感圧ダイヤフラムの中心からの位置(μm)である。
図6から明らかなように、電極形状(凹部形状)が多段階である本発明の静電容量型圧力センサにおいては、電極形状が平坦である比較例のものより、電極形状が感圧ダイヤフラムの変位に適合している。すなわち、本発明に係る静電容量型圧力センサは、第1導電部材(固定電極)の範囲において感圧ダイヤフラムと固定電極がほぼ均一な間隔を保っている。これは、最大圧力500kPaに近づくにつれて顕著である。このため、加わる圧力が大きくなっても静電容量の変化を大きくとることができる。したがって、本発明に係る静電容量型圧力センサは、圧力に対して感度の高いセンサであることがわかる。
本発明は上記実施の形態1,2に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1,2においては、キャビティ17内の固定電極である第1導電部材12に凹部12a,12bを形成する場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、第1導電部材12よりも外側のガラス基板11の凹部11cの領域も含めて、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなるような形状を設けても良い。
上記実施の形態1,2においては、ガラス基板11の主面11a側にキャビティ17用の凹部11cを設ける場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、図7に示すように、シリコン基板16側にキャビティ17用の凹部16cを設けても良い。このような構成において、第1導電部材に凹部12a,12bを形成することにより、上記実施の形態1,2と同様の効果を発揮することができる。図7に示す構成の静電容量型圧力センサを製造する場合には、シリコン基板16の両面を上述したような方法でエッチングして感圧ダイヤフラム16a及び厚肉部16bを形成し、一方、図2(c)に示す構造体の両主面を研磨処理して、その後主面11a側に露出した第1導電部材12に凹部12a,12bを形成し、ガラス基板11とシリコン基板16を上述したように接合する。
上記実施の形態1,2で説明した数値や材質については特に制限はない。また、上記実施の形態1,2で説明したプロセスについてはこれに限定されず、工程間の適宜順序を変えて実施しても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、例えばバッテリー付のTPMS(Tire Pressure Monitoring System)において、タイヤ回転時のみ圧力をモニタリングする静電容量型圧力センサに適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの製造方法の他の例を説明するための断面図であり、(d)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサにおける第1導電部材を示す斜視図である。 (a),(b)は、静電容量型圧力センサのセンサ特性を示す図である。 本発明の実施の形態に係る静電容量型圧力センサの他の例を示す断面図である。
符号の説明
11 ガラス基板
11a,11b 主面
11c,12a,12b 凹部
11d 接合部
11e 界面
12,13 導電部材
14a,14b 引き出し電極
15 電極
16,18 シリコン基板
16a 感圧ダイヤフラム
16b 厚肉部
16c,17 キャビティ
18a,18b 突出部
19a〜19c レジスト膜

Claims (5)

  1. 相互に対向する一対の主面を有し、前記一対の主面の両方の主面で露出するように埋め込まれた固定電極となる第1導電部材を有するガラス基板と、前記ガラス基板の一方の主面上に接合されており、前記第1導電部材と所定の間隔をおいて対向して配置された可動電極を有するシリコン基板と、を具備し、前記第1導電部材は、中央に向って深くなる凹部を有することを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 前記ガラス基板は、前記シリコン基板と電気的に接続されており、前記ガラス基板の少なくとも他方主面で露出する第2導電部材を有することを特徴とする請求項1記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 前記ガラス基板の他方の主面において、前記第1及び第2導電部材上に引き出し電極が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の静電容量型圧力センサ。
  4. 前記第1及び第2導電部材がシリコンで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 前記ガラス基板と前記シリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の静電容量型圧力センサ。
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CN116429317A (zh) * 2023-06-09 2023-07-14 季华实验室 电容薄膜真空计传感器及其制作方法和电容薄膜真空计

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