JP2007248150A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

静電容量型圧力センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2007248150A
JP2007248150A JP2006069719A JP2006069719A JP2007248150A JP 2007248150 A JP2007248150 A JP 2007248150A JP 2006069719 A JP2006069719 A JP 2006069719A JP 2006069719 A JP2006069719 A JP 2006069719A JP 2007248150 A JP2007248150 A JP 2007248150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon substrate
glass substrate
fixed electrode
pressure
pressure sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006069719A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Kikuiri
勝也 菊入
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Tetsuya Fukuda
哲也 福田
Hiroyuki Kobayashi
弘之 小林
Yoshinobu Nakamura
吉延 中村
Hideo Sato
秀雄 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2006069719A priority Critical patent/JP2007248150A/ja
Publication of JP2007248150A publication Critical patent/JP2007248150A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

【課題】センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うこと。
【解決手段】ガラス基板11の主面11b側には、シリコン基板12が接合されている。ガラス基板11のキャビティ内の突出部11cには、固定電極13が形成されている。ガラス基板11の主面11aの接合面11e上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム17aを有するシリコン基板17が接合されている。ガラス基板11の突出部11cは、中央に向って深くなる湾曲面11eを有する。凹部11dは、シリコン基板17の表面に対して略鉛直方向に延在する側面11hを有するので、ガラス基板11とシリコン基板17とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム17aの領域が明確となり、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量を用いて圧力を検知する静電容量型圧力センサに関する。
静電容量型圧力センサは、図15に示すように、可動電極であるダイヤフラム101aを有する基板101と、固定電極102を有する基板103とが接合されて構成されている。基板103には、すり鉢状の凹部が形成されており、その凹部に固定電極102が形成されている。これにより、ダイヤフラム101aと固定電極102との間にキャビティ104が形成される。この静電容量型圧力センサにおいては、ダイヤフラム101aに圧力が加わるとダイヤフラム101aが変形し、これによりダイヤフラム101aと固定電極102との間隔が変わる。この間隔の変化によりダイヤフラム101aと固定電極102との間の静電容量が変化し、この静電容量の変化を利用して圧力の変化を検出する(例えば、特許文献1)。
特表2004−517305号公報
このような静電容量型圧力センサにおいては、基板103にすり鉢状の凹部を形成することによりキャビティ104を形成しているので、基板103に凹部を形成する際に基板101と基板103との間の接合領域になる部分と、キャビティ104を構成する凹部との境界が不明確となる。このため、基板101と基板103とを接合した際に可動電極であるダイヤフラム101aの領域が不明確となる。このように可動電極の領域にばらつきが生じると、センサ感度のばらつきが生じてしまうという問題がある。
一方、静電容量型圧力センサにおいては、さらなる小型化が望まれており、固定電極と可動電極との間のキャビティの間隔もより狭いものが要求される。また、静電容量型圧力センサにおいては、このようにキャビティ間隔が狭い状態で高い圧力を検出できることも望まれている。したがって、相対的に高い圧力が加わっても可動電極と固定電極との間の短絡がなく、しかも高感度で圧力検出が可能である静電容量型圧力センサへの要求が高まってきている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる静電容量型圧力センサを提供することを目的とする。
本発明の静電容量型圧力センサは、一対の主面を有し、前記一対の主面の一方の主面にキャビティ用に形成された凹部及び前記凹部内に設けられた第1突出部を有するガラス基板と、前記突出部上に形成された固定電極と、前記固定電極との間に所定の間隔をおいて配置された可動電極を有し、前記ガラス基板と接合された第1シリコン基板と、を具備し、前記第1突出部は、中央に向って深くなる湾曲面を有し、前記凹部は、前記第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有することを特徴とする。
この構成によれば、ガラス基板の第1突出部に、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面を形成しているので、可動電極の断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、この断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極と接触せず、固定電極のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極と可動電極である感圧ダイヤフラムとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部は、第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有するので、ガラス基板と第1シリコン基板とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラムの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記ガラス基板の他方の主面に接合され、前記ガラス基板を貫通して前記一方の主面側で露出した第2突出部を有する第2シリコン基板をさらに具備し、前記第2突出部が前記凹部内における第1突出部以外の領域で露出しており、前記固定電極が前記第2突出部と電気的に接続することが好ましい。
この構成によれば、第2突出部の頂面が第1突出部の頂面よりも低い位置にある。すなわち、第1シリコン基板との距離は、第1突出部の領域よりも第2突出部の領域の方が大きい。このように第1シリコン基板と第2突出部との間の距離を大きくすることにより、寄生容量を小さくすることが可能となり、より精度良く圧力検出を行うことができる。
本発明の静電容量型圧力センサは、一対の主面を有し、前記一対の主面の一方の主面にキャビティ用に形成された凹部を有するガラス基板と、前記ガラス基板の他方の主面に接合され、前記ガラス基板を貫通して前記一方の主面側で露出した突出部を有する第2シリコン基板と、前記突出部との間に所定の間隔をおいて配置された可動電極を有し、前記ガラス基板と接合された第1シリコン基板と、を具備し、前記突出部は、中央に向って深くなる湾曲面を有し、前記凹部は、前記第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有することを特徴とする。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記突出部がその頂面に固定電極を有し、前記固定電極が中央に向って深くなる湾曲面を有することが好ましい。この場合において、前記突出部上において、前記固定電極の周りにストッパ層が残存することが好ましい。
本発明の静電容量型圧力センサにおいては、前記ガラス基板と前記第1及び第2シリコン基板との界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することが好ましい。この構成によれば、ガラス基板とシリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有するので、ガラスとシリコンとが強固に接合されて、両者間の密着性が向上し、凹部と第1シリコン基板とで構成されるキャビティの気密性が向上する。
本発明の静電容量型圧力センサは、一対の主面を有し、前記一対の主面の一方の主面にキャビティ用に形成された凹部及び前記凹部内に設けられた第1突出部を有するガラス基板と、前記突出部上に形成された固定電極と、前記固定電極との間に所定の間隔をおいて配置された可動電極を有し、前記ガラス基板と接合された第1シリコン基板と、を具備し、前記第1突出部は、中央に向って深くなる湾曲面を有し、前記凹部は、前記第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有するので、センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、キャビティ領域におけるガラス基板の突出部に角度を付けてミリング加工することにより、中央に向って深くなる湾曲面を形成する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの図である。図中11はガラス基板を示す。ガラス基板11は、相互に対向する一対の主面11a,11bを有する。ガラス基板11の主面11b側には、シリコン基板12が接合されている。ガラス基板11の主面11a側におけるキャビティ内には、突出部11cが形成されている。この突出部11cは固定電極が形成される領域であるので、突出部11cの高さは、可動電極との間の間隔に応じて適宜決定する。ガラス基板11a側には、後述するキャビティを構成するための凹部11dが形成されている。この凹部11dの深さは、キャビティ内の固定電極が後述する感圧ダイヤフラムと接触しないような範囲で所定のキャビティ間隔を保持できるように設定する。また、凹部11dの幅は、寄生容量を小さくするために、少なくとも固定電極の幅よりも大きく設定することが望ましい。また、固定電極13は、できるだけ寄生容量を小さくするために、凹部11dの突出部11c上のみに形成することがより好ましい。ここでは、突出部11c及びシリコン基板12との接続領域に形成している。なお、突出部11cは、寄生容量や全体の厚さ(加工時間)を考慮して、凹部11dの底面より約3〜約6μmの高さで形成することが好ましい。
ガラス基板11の突出部11cは、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面11eを有する。湾曲面11eは、後述する感圧ダイヤフラムの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、湾曲面11eの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極と接触せず、固定電極のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。
シリコン基板12は、固定電極用の接続部である突出部12aと、電極パッド用の接続部である突出部12bを有しており、ガラス基板11に突出部12a,12bが貫通して一方の主面11a側で露出している。シリコン基板12において、突出部12aがキャビティ内に配置され、突出部12bがキャビティ外に配置される。突出部12aは、ガラス基板11の凹部11dにおいて突出部11c以外の領域(固定電極として機能する領域以外の領域)に配置されており、その頂面が突出部11cよりも低い位置にある。すなわち、後述するシリコン基板17との距離は、突出部11cの領域よりも突出部12aの領域の方が大きい。また、突出部12aは、凹部11dの突出部11c以外の領域において、その一部の領域に部分的に形成されている。このようにシリコン基板17と突出部12aとの間の距離を大きくし、突出部12aの形成面積を相対的に小さくすることにより、寄生容量を小さくすることが可能となり、より精度良く圧力検出を行うことができる。さらに、突出部12aと突出部12bとを接続する接続部12cを、突出部12a及び突出部12bの頂面よりも低い位置に形成し、接続部12cとシリコン基板17との間の距離を、シリコン基板17と突出部12a及び突出部12bとの間の距離よりも大きくしている。これにより、寄生容量を小さくすることが可能となる。また、突出部12a,12bの高さは、寄生容量の低減の観点から、例えば約200μm程度とすることが好ましい。
ガラス基板11の突出部11c上には、湾曲面11eに沿って固定電極13が形成されている。この固定電極13は、突出部11cの側面を介してシリコン基板12の突出部12a上にまで延在している。したがって、固定電極13とシリコン基板12の突出部12aとは電気的に接続されている。なお、固定電極13は、例えばTi/Cr/Taの三層構造を用いることができる。CrはTaの下地層として用いることにより抵抗を低減させることができるので好ましい。また、固定電極13は、スパッタリング法などにより形成することができる。また、固定電極13の厚さは、全体で約0.2μm〜約0.3μm程度であることが好ましい。
また、突出部12b上には、コンタクト層14及びシード層15(メッキシード層)を介して電極パッド16が形成されている。突出部12aと突出部12bとは同じシリコン基板12に形成されているので、固定電極13と電極パッド16とは、シリコン基板12、コンタクト層14及びシード層15を介して電気的に接続されている。電極パッド16は、ワイヤボンディングなどの接続手段により外部回路と電気的に接続するようになっている。なお、コンタクト層14やシード層15を構成する材料としては、金属などの導電性材料を用いることができる。この場合、電極パッド16と接触抵抗が低い材料を選択することが好ましい。また、電極パッド16領域における構造については、これに限定されず種々変更することができる。
ガラス基板11の主面11aの接合面(凹部11d以外の領域)11f上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム17aを有するシリコン基板17が接合されている。これにより、ガラス基板11の凹部11dとシリコン基板17との間でキャビティ18が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム17a(可動電極)と固定電極13との間に静電容量が発生する。
ガラス基板11とシリコン基板17との間の界面(接合面11f)は、高い密着性を有することが好ましい。ガラス基板11にシリコン基板17を接合する場合には、ガラス基板11の接合面11f上にシリコン基板17を搭載し、陽極接合処理を施すことにより、両基板11,17の密着性を高くすることができる。このようにガラス基板11とシリコン基板17との界面で高い密着性を発揮することにより、感圧ダイヤフラム17aとガラス基板11の凹部11dとの間で構成するキャビティ18内の気密性を高く保つことができる。また、ガラス基板11の凹部11dにおいて、突出部11c以外の領域であって、シリコン基板17との間の距離が大きい領域11gを形成することにより、陽極接合時にシリコン基板17がガラス基板11に静電引力により引き寄せられても、両者が接触して接合面11f以外の部分で陽極接合されることを防止できる。なお、突出部11cは、金属で構成された固定電極13があるため、シリコン基板17と接触しても陽極接合はされない。
ここで、陽極接合処理とは、所定の温度(例えば400℃以下)で所定の電圧(例えば300V〜1kV)を印加することにより、シリコンとガラスとの間に大きな静電引力が発生して、接触したガラス−シリコン界面で酸素を介した化学結合を形成させる、もしくは、酸素の放出による共有結合を形成させる処理をいう。この界面での共有結合は、シリコンのSi原子とガラスに含まれるSi原子との間のSi−Si結合又はSi−O結合である。したがって、このSi−Si結合又はSi−O結合により、シリコンとガラスとが強固に接合して、両者間の界面で非常に高い密着性を発揮する。このような陽極接合を効率良く行うために、ガラス基板11のガラス材料としては、ナトリウムなどのアルカリ金属を含むガラス材料(例えばパイレックス(登録商標)ガラス)であることが好ましい。
また、ガラス基板11とシリコン基板12との間の界面も陽極接合されていることが好ましい。後述するように、これらの界面は、加熱下においてシリコン基板12をガラス基板11に押し込むことにより形成される。このような方法により得られた界面でも高い密着性を発揮できるが、シリコン基板12をガラス基板11に押し込んだ後に、陽極接合処理を施すことにより、密着性をより高くすることができる。
このような構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム17aとガラス基板11の突出部11c上に形成された固定電極13との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム17aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム17aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム17aと固定電極13との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、後述するように、ガラス基板11の突出部11cに、角度をつけてミリング加工を施すことにより、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面11eを形成しているので、感圧ダイヤフラム17aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、湾曲面11eの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極13と接触せず、固定電極13のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極13との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極13と可動電極である感圧ダイヤフラム17aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、キャビティ用に形成された凹部11dは突出部11cの周りに存在するので、ガラス基板とシリコン基板との間の陽極接合の際に生じるガスを拡散させる空間を確保することができる。このため、ガスによるキャビティ18内の圧力への影響を抑えることができる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部11dは、シリコン基板17の表面に対して略鉛直方向に延在する側面11hを有するので、すなわち、凹部11dにおけるキャビティ18を区画する側面11hが主面11a,11bに対して略鉛直に形成されているので、ガラス基板11とシリコン基板17とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム17aの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図2(a)〜(e)、図3(a)〜(e)及び図4(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板12を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図2(a)に示すように、このシリコン基板12の一方の主面をエッチングして、突出部12a,12bを形成する。この場合、シリコン基板12上にレジスト膜を形成し、突出部12a,12b形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコンをエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。このようにして突出部12a,12bを設ける。
次いで、突出部12a,12bを形成したシリコン基板12上にガラス基板11を置く。さらに、真空下で、このシリコン基板12及びガラス基板11を加熱し、シリコン基板12をガラス基板11に押圧して突出部12a,12bをガラス基板11の主面11bに押し込んで、図2(b)に示すように、シリコン基板12とガラス基板11とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。
さらに、シリコン基板12の突出部12a,12bとガラス基板11との界面での密着性をより高めるために、陽極接合処理をすることが好ましい。この場合、シリコン基板12及びガラス基板11にそれぞれ電極をつけて、約400℃以下の加熱下で約300V〜1kVの電圧を印加することにより行う。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ18の気密性を向上させることができる。
次いで、図2(c)に示すように、ガラス基板11の主面11a側を研磨処理して、シリコン基板12の突出部12a,12bを露出させる。次いで、図2(d)に示すように、ガラス基板11及び突出部12a,12bを、角度をつけたミリング加工により、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面11eを形成する。
湾曲面11eは、具体的には、図4(a)〜(c)に示す工程により形成することができる。まず、図4(a)に示すように、ガラス基板11の主面11a側に、被ミリング加工領域に対応する開口19aを有するレジスト膜19を形成する。この場合、ガラス基板11の主面11a上にレジスト材料を被着し、被ミリング加工領域以外の領域にレジスト材料が残存するようにパターニング(フォトリソグラフィー)する。また、レジスト膜19の厚さは、ミリング加工における角度を考慮して適宜決定する。ここでは、例えば、レジスト膜19の厚さを約10μm〜約20μmとする。このようなレジスト膜19をマスクとして、鉛直方向に対して約70°〜約80°の角度をつけてミリング加工(被加工物を回転させながらのミリング加工)を施すことにより、図4(b)に示すように、シャドー効果でレジスト膜19に近い領域において相対的に加工レートが低くなり、図4(c)に示すように、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面11eを形成することができる。
次いで、図2(e)に示すように、湾曲面11eの外側の領域、すなわち固定電極13を設けない領域を、例えばミリング加工して、凹部11gを形成する。このようにして固定電極13を形成する突出部11cを形成する。次いで、図3(a)に示すように、ガラス基板11の突出部11cからシリコン基板12の突出部12aにわたって固定電極13を形成する。この場合、固定電極形成領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料を被着し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。これにより、突出部11cの湾曲面11eに沿って固定電極13を形成すると共に、固定電極13と突出部12aとを電気的に接続させる。
次いで、図3(a)に示すように、シリコン基板12の突出部12bを含む領域上にコンタクト層14を形成する。この場合、コンタクト層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、コンタクト層をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。次いで、図3(a)に示すように、コンタクト層14上にシード層15を形成する。この場合、シード層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、シード層15をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。これにより、シード層15上にメッキにより電極パッド16を形成することができるようになる。
次いで、図3(b)に示すように、シード層15上に電極パッド16を形成する。この場合、電極パッド形成領域以外の領域にマスクを設け、電極パッド形成領域のみにメッキを施して電極パッド16を形成する。なお、メッキの条件は、材料により異なるが通常用いられている条件とする。次いで、図3(c)に示すように、全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシード層15及びコンタクト層14をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
次いで、あらかじめエッチングや研磨などにより数十μm程度の所定の厚さに形成したシリコン基板17を、感圧ダイヤフラム17aが固定電極13と所定の間隔をおいて位置するようにして、図3(d)に示すように、ガラス基板11の接合面11f上に接合する。このとき、シリコン基板17及びガラス基板11に対して、約400℃以下の加熱下で約500V程度の電圧を印加することにより陽極接合処理を行う。これによりシリコン基板17とガラス基板11との間の界面での密着性がより高くなり、キャビティ18の気密性を向上させることができる。その後、図3(e)に示すように、シリコン基板17全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコン基板17をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。その後、必要に応じて、シリコン基板12の裏面を研磨又はエッチングして薄層化を行う。これにより図1に示す静電容量型圧力センサを得る。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極13が突出部12aを介して電極パッド16と電気的に接続され、感圧ダイヤフラム17aが引き出し電極(図示せず)と電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム17aと固定電極13との間で検知された静電容量の変化の信号は、電極パッド及び引き出し電極から取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。
本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、ガラス基板11の突出部11cに、角度をつけてミリング加工を施すことにより、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面11eを形成しているので、感圧ダイヤフラム17aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、湾曲面11eの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極13と接触せず、固定電極13のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極13との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極13と可動電極である感圧ダイヤフラム17aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、キャビティ用に形成された凹部11dは突出部11cの周りに存在するので、ガラス基板とシリコン基板との間の陽極接合の際に生じるガスを拡散させる空間を確保することができる。このため、ガスによるキャビティ18内の圧力への影響を抑えることができる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部11dは、シリコン基板17の表面に対して略鉛直方向に延在する側面11hを有するので、すなわち、凹部11dにおけるキャビティ18を区画する側面11hが主面11a,11bに対して略鉛直に形成されているので、ガラス基板11とシリコン基板17とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム17aの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
図1に示すような湾曲面11eを持つ突出部11cを有する静電容量型圧力センサと、平坦形状の突出部を有する静電容量型圧力センサについて、圧力Pが加わったときの感圧ダイヤフラムの変位量を調べた。この結果を図5(a),(b)に示す。なお、図5(a),(b)において、横軸は感圧ダイヤフラムの中心からの距離を示し、縦軸は感圧ダイヤフラムの変位量を示す。ここでは、最大圧力での感圧ダイヤフラムの変位に対して固定電極との間の接触しないクリアランスを0.1μmに設定した。
感圧ダイヤフラムの変位量(W)は、以下の式により求めた。
W=[{3×(1−v2)×P}/(16×E×t3)]×(r2−a22
式中、Eはヤング率(GPa)であり、vはポアソン比であり、Pは加えられる圧力(kPa)であり、tは感圧ダイヤフラムの厚さ(μm)であり、aは感圧ダイヤフラムの半径(μm)であり、rは感圧ダイヤフラムの中心からの位置(μm)である。
図5から明らかなように、湾曲形状の電極を有する本発明の静電容量型圧力センサにおいては、電極形状が平坦である比較例のものより、電極形状が感圧ダイヤフラムの変位に適合している。すなわち、本発明に係る静電容量型圧力センサは、固定電極の範囲において感圧ダイヤフラムと固定電極がほぼ均一な間隔を保っている。これは、最大圧力500kPaに近づくにつれて顕著である。このため、加わる圧力が大きくなっても静電容量の変化を大きくとることができる。したがって、本発明に係る静電容量型圧力センサは、圧力に対して感度の高いセンサであることがわかる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、キャビティ領域におけるガラス基板のガラスとシリコン基板のシリコンとの間の研磨レートの違いを用いて、中央に向って深くなる湾曲面を形成する場合について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの図である。図中21はガラス基板を示す。ガラス基板21は、相互に対向する一対の主面21a,21bを有する。ガラス基板21の主面21b側には、シリコン基板22が接合されている。ガラス基板21の主面21a側におけるキャビティ内には、突出部21cが形成されている。この突出部21cは固定電極が形成される領域であるので、突出部21cの高さは、可動電極との間の間隔に応じて適宜決定する。ガラス基板21a側には、後述するキャビティを構成するための凹部21dが形成されている。この凹部21dの深さや幅、並びに突出部21cの高さについては、実施の形態1と同様である。また、固定電極23は、できるだけ寄生容量を小さくするために、凹部21dの突出部21c上のみに形成することがより好ましい。ここでは、突出部21c及びシリコン基板22との接続領域に形成している。
ガラス基板21の突出部21cは、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面21eを有する。湾曲面21eは、後述する感圧ダイヤフラムの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、湾曲面21eの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極と接触せず、固定電極のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。
シリコン基板22は、固定電極用の接続部である突出部22aと、電極パッド用の接続部である突出部22bを有しており、ガラス基板21に突出部22a,22bが貫通して一方の主面21a側で露出している。シリコン基板22において、突出部22aがキャビティ内に配置され、突出部22bがキャビティ外に配置される。突出部22aは、ガラス基板21の凹部21dにおいて突出部21cを囲繞する円環形状を有しており、その頂面が突出部21cよりも低い位置にある。すなわち、後述するシリコン基板27との距離は、突出部21cの領域よりも突出部22aの領域の方が大きい。また、突出部22aは、凹部21dの突出部21c以外の領域において、その一部の領域に部分的に形成されている。このようにシリコン基板27と突出部22aとの間の距離を大きくし、突出部22aの形成面積を相対的に小さくすることにより、寄生容量を小さくすることが可能となり、より精度良く圧力検出を行うことができる。さらに、突出部22aと突出部22bとを接続する接続部22cを、突出部22a及び突出部22bの頂面よりも低い位置に形成し、接続部22cとシリコン基板27との間の距離を、シリコン基板27と突出部22a及び突出部22bとの間の距離よりも大きくしている。これにより、寄生容量を小さくすることが可能となる。また、突出部22a,22bの高さは、寄生容量の低減の観点から、例えば約200μm程度とすることが好ましい。
ガラス基板21の突出部21c上には、湾曲面21eに沿って固定電極23が形成されている。この固定電極23は、突出部21cの側面を介してシリコン基板22の突出部22a上にまで延在している。したがって、固定電極23とシリコン基板22の突出部22aとは電気的に接続されている。なお、固定電極23の構成や形成方法については、実施の形態1と同様である。
また、突出部22b上には、コンタクト層24及びシード層25(メッキシード層)を介して電極パッド26が形成されている。突出部22aと突出部22bとは同じシリコン基板22に形成されているので、固定電極23と電極パッド26とは、シリコン基板22、コンタクト層24及びシード層25を介して電気的に接続されている。電極パッド26は、ワイヤボンディングなどの接続手段により外部回路と電気的に接続するようになっている。なお、コンタクト層24、シード層25及び電極パッド26については、実施の形態1と同様である。
ガラス基板21の主面21aの接合面(凹部21d以外の領域)21f上には、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム27aを有するシリコン基板27が接合されている。これにより、ガラス基板21の凹部21dとシリコン基板27との間でキャビティ28が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム27a(可動電極)と固定電極23との間に静電容量が発生する。
ガラス基板21とシリコン基板27との間の界面(接合面21f)やガラス基板21とシリコン基板22との間の界面は、高い密着性を有することが好ましいので、実施の形態1と同様に陽極接合されることが好ましい。陽極接合については、実施の形態1と同様である。
このような構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム27aとガラス基板21の突出部21c上に形成された固定電極23との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム27aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム27aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム27aと固定電極23との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、後述するように、ガラス基板21の突出部21cに、ガラスとシリコンの研磨レートの違いを用いて、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面21eを形成しており、感圧ダイヤフラム27aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、湾曲面21eの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極23と接触せず、固定電極23のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極23との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極23と可動電極である感圧ダイヤフラム27aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、キャビティ用に形成された凹部21dは突出部21cの周りに存在するので、ガラス基板とシリコン基板との間の陽極接合の際に生じるガスを拡散させる空間を確保することができる。このため、ガスによるキャビティ28内の圧力への影響を抑えることができる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部21dは、シリコン基板27の表面に対して略鉛直方向に延在する側面21hを有するので、すなわち、凹部21dにおけるキャビティ28を区画する側面21hが主面21a,21bに対して略鉛直に形成されているので、ガラス基板21とシリコン基板27とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム27aの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図7(a)〜(f)及び図8(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板22を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図7(a)に示すように、このシリコン基板22の一方の主面をエッチングして、突出部22a,22bを形成する。この場合、シリコン基板22上にレジスト膜を形成し、突出部22a,22b形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコンをエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。このようにして突出部22a,22bを設ける。
次いで、突出部22a,22bを形成したシリコン基板22上にガラス基板21を置く。さらに、真空下で、このシリコン基板22及びガラス基板21を加熱し、シリコン基板22をガラス基板21に押圧して突出部22a,22bをガラス基板21の主面21bに押し込んで、シリコン基板22とガラス基板21とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。さらに、シリコン基板22の突出部22a,22bとガラス基板21との界面での密着性をより高めるために、実施の形態1と同様にして陽極接合処理をすることが好ましい。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ28の気密性を向上させることができる。
次いで、ガラス基板21の主面21a側を研磨処理して、シリコン基板22の突出部22a,22bを露出させる。さらに、ラップ処理を施すことにより、ガラス基板22のガラスとシリコン基板22のシリコンとの間の研磨レートの差により、図2(b)に示すように、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面21eを形成する。ラップ処理においては、ガラス研磨用のスラリーとシリコン研磨用のスラリーとの混合スラリーを用いることが好ましい。例えば、セリアスラリーとアルミナスラリーとの混合スラリーなどを用いることが好ましい。このようなスラリーを用いてラップ処理を施すことにより、突出部21cの形成領域において、突出部22aの周辺、すなわち円環状の突出部22aの内側の突出部22a近傍では、突出部22aが存在することにより研磨レートが相対的に低くなり、一方、突出部21cの形成領域の中央部においては、突出部22aが遠いので研磨レートが相対的に高くなる。このように、ガラスとシリコンとでは研磨レートが異なるので、シリコン製の突出部22aの存在(突出部までの距離)により研磨量が異なる。その結果、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面21eを形成することができる。
次いで、図7(c)に示すように、例えばミリング加工などによりキャビティ用の凹部21dを形成し、図7(d)に示すように、湾曲面21eの外側の領域、すなわち固定電極23を設けない領域を、例えばミリング加工して、凹部21gを形成する。このようにして固定電極23を形成する突出部21cを形成する。次いで、図7(e)に示すように、ガラス基板21の突出部21cからシリコン基板22の突出部22aにわたって固定電極23を形成する。この場合、固定電極形成領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとして電極材料を被着し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。これにより、突出部21cの湾曲面21eに沿って固定電極23を形成すると共に、固定電極23と突出部22aとを電気的に接続させる。
次いで、図7(f)に示すように、シリコン基板22の突出部22bを含む領域上にコンタクト層24を形成する。この場合、コンタクト層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、コンタクト層をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。次いで、図8(a)に示すように、コンタクト層24上にシード層25を形成する。この場合、シード層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、シード層25をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。これにより、シード層25上にメッキにより電極パッド26を形成することができるようになる。
次いで、図8(b)に示すように、シード層25上に電極パッド26を形成する。この場合、電極パッド形成領域以外の領域にマスクを設け、電極パッド形成領域のみにメッキを施して電極パッド26を形成する。なお、メッキの条件は、材料により異なるが通常用いられている条件とする。次いで、図8(c)に示すように、全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシード層25及びコンタクト層24をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
次いで、あらかじめエッチングや研磨などにより数十μm程度の所定の厚さに形成したシリコン基板27を、感圧ダイヤフラム27aが固定電極23と所定の間隔をおいて位置するようにして、図8(d)に示すように、ガラス基板21の接合面21f上に接合する。このとき、シリコン基板27及びガラス基板21に対して、約400℃以下の加熱下で約500V程度の電圧を印加することにより陽極接合処理を行う。これによりシリコン基板27とガラス基板21との間の界面での密着性がより高くなり、キャビティ28の気密性を向上させることができる。その後、シリコン基板27全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコン基板27をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。その後、必要に応じて、シリコン基板22の裏面を研磨又はエッチングして薄層化を行う。これにより図6に示す静電容量型圧力センサを得る。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極23が突出部22aを介して電極パッド26と電気的に接続され、感圧ダイヤフラム27aが引き出し電極(図示せず)と電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム27aと固定電極23との間で検知された静電容量の変化の信号は、電極パッド及び引き出し電極から取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。また、本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、実施の形態1と同様に、センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、キャビティ領域におけるシリコン基板の突出部に形成した固定電極に対して、電極金属とストッパ材との間の研磨レートの違いを用いて、中央に向って深くなる湾曲面を形成する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型圧力センサの図である。図中31はガラス基板を示す。ガラス基板31は、相互に対向する一対の主面31a,31bを有する。ガラス基板31の主面31b側には、シリコン基板32が接合されている。ガラス基板31a側には、後述するキャビティを構成するための凹部31cが形成されている。この凹部31cの深さや幅については、実施の形態1と同様である。
シリコン基板32は、固定電極用の接続部である突出部32aと、電極パッド用の接続部である突出部32bを有しており、ガラス基板31に突出部32a,32bが貫通して一方の主面31a側で露出している。シリコン基板32において、突出部32aがキャビティ内に配置され、突出部32bがキャビティ外に配置される。また、突出部32aと突出部32bとを接続する接続部32cを、突出部32a及び突出部32bの頂面よりも低い位置に形成し、接続部32cとシリコン基板39との間の距離を、シリコン基板39と突出部32a及び突出部32bとの間の距離よりも大きくしている。これにより、寄生容量を小さくすることが可能となる。
突出部32a上には、固定電極34が形成されている。この固定電極34は、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面34aを有する。湾曲面34aは、後述する感圧ダイヤフラムの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、湾曲面34aの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極と接触せず、固定電極のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。
また、突出部32a上であって、固定電極34の周りには、固定電極34を囲繞するようにストッパ膜35が残存している。このストッパ膜35は、固定電極34の湾曲面34aを形成する際に設けたものである。なお、固定電極34を構成する材料としては、Fe−Ni−Co合金などの金属などを用いることができる。また、ストッパ膜35を構成する材料としては、アルミナなどの電極材料よりも硬質の材料を用いることができる。固定電極34を構成する材料とストッパ膜35を構成する材料については、研磨レートの差により、固定電極34に湾曲面34aが形成されるような組み合わせを選択する。さらに、固定電極34の厚さとストッパ膜35の厚さについても、固定電極34に湾曲面34aが形成されるように適宜設定する。
また、突出部32b上には、コンタクト層36及びシード層37(メッキシード層)を介して電極パッド38が形成されている。突出部32aと突出部32bとは同じシリコン基板32に形成されているので、固定電極34と電極パッド38とは、シリコン基板32、コンタクト層36及びシード層37を介して電気的に接続されている。電極パッド38は、ワイヤボンディングなどの接続手段により外部回路と電気的に接続するようになっている。なお、コンタクト層36、シード層37及び電極パッド38については、実施の形態1と同様である。
ガラス基板31の主面31aの接合面(凹部31c以外の領域)には、ガラス層33が形成されており、ガラス基板31は、このガラス層33を介して、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム39aを有するシリコン基板39が接合されている。これにより、ガラス基板31の凹部31cとシリコン基板39との間でキャビティ40が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム39a(可動電極)と固定電極34との間に静電容量が発生する。なお、本実施の形態においては、ガラス層33を介してガラス基板31とシリコン基板39とを接合しているが、ガラス層33を設けずに、ガラス基板31とシリコン基板39とを直接接合しても良い。
ガラス基板31とシリコン基板39との間の界面やガラス基板31とシリコン基板32との間の界面は、高い密着性を有することが好ましいので、実施の形態1と同様に陽極接合されることが好ましい。陽極接合については、実施の形態1と同様である。
このような構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム39aと固定電極34との間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム39aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム39aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム39aと固定電極34との間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、後述するように、固定電極34とストッパ膜35の研磨レートの違いを用いて、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面34aを形成しており、感圧ダイヤフラム39aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、湾曲面34aの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極34と接触せず、固定電極34のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極34との間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極34と可動電極である感圧ダイヤフラム39aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、キャビティ用に形成された凹部31cは突出部32aの周りに存在するので、ガラス基板とシリコン基板との間の陽極接合の際に生じるガスを拡散させる空間を確保することができる。このため、ガスによるキャビティ40内の圧力への影響を抑えることができる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部31cは、シリコン基板39の表面に対して略鉛直方向に延在する側面31eを有するので、すなわち、凹部31cにおけるキャビティ40を区画する側面31eが主面31a,31bに対して略鉛直に形成されているので、ガラス基板31とシリコン基板39とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム39aの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図10(a)〜(d)及び図11(a)〜(d)は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板32を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図10(a)に示すように、このシリコン基板32の一方の主面をエッチングして、突出部32a,32bを形成する。この場合、シリコン基板32上にレジスト膜を形成し、突出部32a,32b形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコンをエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。このようにして突出部32a,32bを設ける。
次いで、突出部32a,32bを形成したシリコン基板32上にガラス基板31を置く。さらに、真空下で、このシリコン基板32及びガラス基板31を加熱し、シリコン基板32をガラス基板31に押圧して突出部32a,32bをガラス基板31の主面31bに押し込んで、シリコン基板32とガラス基板31とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。さらに、シリコン基板32の突出部32a,32bとガラス基板31との界面での密着性をより高めるために、実施の形態1と同様にして陽極接合処理をすることが好ましい。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ40の気密性を向上させることができる。
次いで、ガラス基板31の主面31a側を研磨処理して、シリコン基板32の突出部32a,32bを露出させる。次いで、図10(c)に示すように、固定電極34の厚さ分、突出部32aを掘り込んで段差部32cを形成する。この場合、例えばミリング加工などにより突出部32aに段差部32cを形成する。次いで、図10(d)に示すように、段差部32cの周縁にストッパ膜35を形成する。ここでは、ストッパ膜35として、アルミナ膜を用いる。この場合、ストッパ膜形成領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてアルミナを被着し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。
次いで、図11(a)に示すように、突出部32a上であってストッパ膜35の内側に固定電極34を形成する。すなわち、リング形状のストッパ膜35の内側に固定電極34を埋め込む。ここでは、固定電極34の材料として、Fe−Ni−Coを用いる。この場合、固定電極形成領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてFe−Ni−Coを被着し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。シリコン基板32の突出部32a上に固定電極34を形成するので、固定電極34と突出部32aとが電気的に接続される。このため、固定電極34は、接続部32c、突出部32bを介して引き出し電極としての電極パッド38と電気的に接続される。
次いで、図11(b)に示すように、ラップ処理を施すことにより、ストッパ膜35を構成する材料と固定電極34を構成する材料との間の研磨レートの差を用いて、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面34aを形成する。ラップ処理においては、例えば、アルミナスラリーを用いることが好ましい。このようなスラリーを用いてラップ処理を施すことにより、固定電極34のストッパ膜35の周辺、すなわち円環状のストッパ膜35の内側の固定電極34では、ストッパ膜35が存在することにより研磨レートが相対的に低くなり、一方、固定電極34の中央部においては、ストッパ膜35が遠いので研磨レートが相対的に高くなる。このように、固定電極34とストッパ膜35とでは研磨レートが異なるので、固定電極34の場所により(ストッパ膜35からの距離により)研磨量が異なる。その結果、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面34aを形成することができる。
次いで、図11(c)に示すように、ガラス基板31の主面11a上であって、シリコン基板39との接合領域にガラス層33を形成する。この場合、ガラス層形成領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてガラス(例えば、パイレックス(登録商標)ガラス)を被着し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。次いで、図11(d)に示すように、突出部32aの外側の領域、すなわち固定電極34を設けない領域を、例えばミリング加工して、凹部31dを形成する。
その後は、実施の形態1,2と同様にして、突出部32b上にコンタクト層36、シード層37及び電極パッド38を形成し、あらかじめエッチングや研磨などにより数十μm程度の所定の厚さに形成したシリコン基板39を、感圧ダイヤフラム39aが固定電極34と所定の間隔をおいて位置するようにして、ガラス基板31に接合する。その後、電極パッド周辺領域以外のシリコン基板39をエッチングなどにより除去する。その後、必要に応じて、シリコン基板32の裏面を研磨又はエッチングして薄層化を行う。これにより図9に示す静電容量型圧力センサを得る。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極34が突出部32aを介して電極パッド38と電気的に接続され、感圧ダイヤフラム39aが引き出し電極(図示せず)と電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム39aと固定電極34との間で検知された静電容量の変化の信号は、電極パッド及び引き出し電極から取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。また、本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、実施の形態1と同様に、センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、キャビティ領域におけるシリコン基板の突出部に対して、角度を付けてミリング加工することにより、中央に向って深くなる湾曲面を形成する場合について説明する。
図12は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型圧力センサの図である。図中41はガラス基板を示す。ガラス基板41は、相互に対向する一対の主面41a,41bを有する。ガラス基板41の主面41b側には、シリコン基板42が接合されている。ガラス基板41a側には、後述するキャビティを構成するための凹部41cが形成されている。この凹部41cの深さや幅については、実施の形態1と同様である。
シリコン基板42は、固定電極用の突出部42aと、電極パッド用の接続部である突出部42bを有しており、ガラス基板41に突出部42a,42bが貫通して一方の主面41a側で露出している。シリコン基板42において、突出部42aがキャビティ内に配置され、突出部42bがキャビティ外に配置される。また、突出部42aと突出部42bとを接続する接続部42cを、突出部42a及び突出部42bの頂面よりも低い位置に形成し、接続部42cとシリコン基板46との間の距離を、シリコン基板46と突出部42a及び突出部42bとの間の距離よりも大きくしている。これにより、寄生容量を小さくすることが可能となる。
突出部42aは固定電極として機能する。この固定電極である突出部42aは、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面42dを有する。湾曲面42dは、後述する感圧ダイヤフラムの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。すなわち、湾曲面42dの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても固定電極と接触せず、固定電極のほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラムと固定電極との間の間隔がほぼ均一になるように適宜設定することが好ましい。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となる。
また、突出部42b上には、コンタクト層43及びシード層44(メッキシード層)を介して電極パッド45が形成されている。突出部42aと突出部42bとは同じシリコン基板42に形成されているので、固定電極である突出部42aと電極パッド45とは、シリコン基板42、コンタクト層43及びシード層44を介して電気的に接続されている。電極パッド45は、ワイヤボンディングなどの接続手段により外部回路と電気的に接続するようになっている。なお、コンタクト層43、シード層44及び電極パッド45については、実施の形態1と同様である。
ガラス基板41の主面41aの接合面(凹部41c以外の領域)41dには、圧力センサの可動電極である感圧ダイヤフラム46aを有するシリコン基板46が接合されている。これにより、ガラス基板41の凹部41cとシリコン基板46との間でキャビティ47が形成される。これにより、感圧ダイヤフラム46a(可動電極)と固定電極42aとの間に静電容量が発生する。
ガラス基板41とシリコン基板46との間の界面やガラス基板41とシリコン基板42との間の界面は、高い密着性を有することが好ましいので、実施の形態1と同様に陽極接合されることが好ましい。陽極接合については、実施の形態1と同様である。
このような構成を有する静電容量型圧力センサにおいては、感圧ダイヤフラム46aと固定電極42aとの間に所定の静電容量を有する。この圧力センサに圧力が加わると、感圧ダイヤフラム46aが圧力に応じて可動する。これにより、感圧ダイヤフラム46aが変位する。このとき、感圧ダイヤフラム46aと固定電極42aとの間の静電容量が変化する。したがって、この静電容量をパラメータとして、その変化を圧力変化とすることができる。
この静電容量型圧力センサにおいては、後述するように、シリコン基板42の突出部42aに、角度をつけてミリング加工を施すことにより、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面42dを形成しているので、感圧ダイヤフラム46aの断面における変形形状に応じた断面形状を有する。このため、湾曲面42dの断面形状は、感圧ダイヤフラムが外圧により変形しても接触せず、固定電極42aのほぼ全面にわたって感圧ダイヤフラム46aと固定電極42aとの間の間隔がほぼ均一になる。これにより、被測定圧力が相対的に高い場合であっても高感度で圧力検出を行うことが可能となり、センサとしてのダイナミックレンジが大きくなる。また、このような構成によれば、性能を維持しつつ、固定電極42aと可動電極である感圧ダイヤフラム46aとの間のギャップを比較的小さくすることができるので、さらなる小型化を図ることが可能となる。さらに、キャビティ用に形成された凹部41cは突出部42aの周りに存在するので、ガラス基板とシリコン基板との間の陽極接合の際に生じるガスを拡散させる空間を確保することができる。このため、ガスによるキャビティ47内の圧力への影響を抑えることができる。さらに、この静電容量型圧力センサにおいては、凹部41cは、シリコン基板46の表面に対して略鉛直方向に延在する側面41eを有するので、すなわち、凹部41cにおけるキャビティ47を区画する側面41eが主面41a,41bに対して略鉛直に形成されているので、ガラス基板41とシリコン基板46とを接合した際に可動電極である感圧ダイヤフラム46aの領域が明確となる。このため、センサ感度のばらつきが生じることを防止できる。
次に、本実施の形態の静電容量型圧力センサの製造方法について説明する。図13(a)〜(e)及び図14(a)〜(e)は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、不純物をドーピングして低抵抗化したシリコン基板42を準備する。不純物としては、n型不純物でも良く、p型不純物でも良い。抵抗率としては、例えば0.01Ω・cm程度とする。そして、図13(a)に示すように、このシリコン基板42の一方の主面をエッチングして、突出部42a,42bを形成する。この場合、シリコン基板42上にレジスト膜を形成し、突出部42a,42b形成領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコンをエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。このようにして突出部42a,42bを設ける。
次いで、突出部42a,42bを形成したシリコン基板42上にガラス基板41を置く。さらに、図13(b)に示すように、真空下で、このシリコン基板42及びガラス基板41を加熱し、シリコン基板42をガラス基板41に押圧して突出部42a,42bをガラス基板41の主面41bに押し込んで、シリコン基板42とガラス基板41とを接合する。このときの温度は、シリコンの融点以下であって、ガラスが変形可能である温度(例えば、ガラスの軟化点温度以下)が好ましい。例えば加熱温度は約800℃である。さらに、シリコン基板42の突出部42a,42bとガラス基板41との界面での密着性をより高めるために、実施の形態1と同様にして陽極接合処理をすることが好ましい。これにより両者の界面での密着性がより高くなり、静電容量型圧力センサのキャビティ47の気密性を向上させることができる。
次いで、図13(c)に示すように、ガラス基板41の主面41a側を研磨処理して、シリコン基板42の突出部42a,42bを露出させる。次いで、図13(d)に示すように、突出部42aを、角度をつけたミリング加工することにより、中央に向って深くなる、すなわち外側よりも内側が深くなる湾曲面42dを形成する。湾曲面42dは、実施の形態1と同様に、図4(a)〜(c)に示す工程により形成することができる。
次いで、図13(e)に示すように、湾曲面42dの外側の領域、すなわち固定電極を設けない領域のガラス基板41を、例えばミリング加工して、凹部41fを形成する。このようにして固定電極である突出部42aを形成する。次いで、図14(a)に示すように、シリコン基板42の突出部42bを含む領域上にコンタクト層43を形成する。この場合、コンタクト層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、コンタクト層をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。次いで、図14(a)に示すように、コンタクト層43上にシード層44を形成する。この場合、シード層形成領域以外の領域にレジスト膜を形成し、シード層44をスパッタリング法などで成膜し、その後残存したレジスト膜を除去(リフトオフ)する。これにより、シード層44上にメッキにより電極パッド45を形成することができるようになる。
次いで、図14(b)に示すように、シード層44上に電極パッド45を形成する。この場合、電極パッド形成領域以外の領域にマスクを設け、電極パッド形成領域のみにメッキを施して電極パッド45を形成する。なお、メッキの条件は、材料により異なるが通常用いられている条件とする。次いで、図14(c)に示すように、全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシード層44及びコンタクト層43をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。
次いで、あらかじめエッチングや研磨などにより数十μm程度の所定の厚さに形成したシリコン基板46を、感圧ダイヤフラム46aが固定電極42aと所定の間隔をおいて位置するようにして、図14(d)に示すように、ガラス基板41の接合面41d上に接合する。このとき、シリコン基板46及びガラス基板41に対して、約400℃以下の加熱下で約500V程度の電圧を印加することにより陽極接合処理を行う。これによりシリコン基板46とガラス基板41との間の界面での密着性がより高くなり、キャビティ47の気密性を向上させることができる。その後、図14(e)に示すように、シリコン基板46全体にレジスト膜を形成し、電極パッド周辺領域以外の領域にレジスト膜が残るように、そのレジスト膜をパターニング(フォトリソグラフィー)し、そのレジスト膜をマスクとしてシリコン基板46をエッチングし、その後残存したレジスト膜を除去する。その後、必要に応じて、シリコン基板42の裏面を研磨又はエッチングして薄層化を行う。これにより図12に示す静電容量型圧力センサを得る。
このようにして得られた静電容量型圧力センサは、固定電極42aが電極パッド45と電気的に接続され、感圧ダイヤフラム46aが引き出し電極(図示せず)と電気的に接続されている。したがって、感圧ダイヤフラム46aと固定電極42aとの間で検知された静電容量の変化の信号は、電極パッド及び引き出し電極から取得することができる。この信号に基づいて測定圧力を算出することができる。また、本実施の形態に係る静電容量型圧力センサによれば、実施の形態1と同様に、センサ感度のばらつきが生じることを防止でき、可動電極と固定電極との間の短絡を防止することができると共に、高感度で圧力検出を行うことができる。
本発明は上記実施の形態1〜4に限定されず、種々変更して実施することが可能である。また、上記実施の形態1〜4で説明した数値、材質、図面におけるサイズについては特に制限はない。また、上記実施の形態1〜4におけるシリコンのエッチングやミリング加工については特に特定しない限り通常用いられる条件で行うことができる。また、上記実施の形態1〜4で説明したプロセスについてはこれに限定されず、工程間の適宜順序を変えて実施しても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明は、例えば大気圧をモニタリングする気圧計やガス圧をモニタリングする静電容量型圧力センサに適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a),(b)は、静電容量型圧力センサのセンサ特性を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態3に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態4に係る静電容量型圧力センサの概略構成を示す図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。 従来の静電容量型圧力センサを示す断面図である。
符号の説明
11,21,31,41 ガラス基板
11c,12a,12b,21c,22a,22b,32a,32b,42a,42b 突出部
11e,21e,34a,42d 湾曲面
11h,21h,31e,41e 側面
12,17,22,27,32,39,42,46 シリコン基板
13,23,34 固定電極
14,24,36,43 コンタクト層
15,25,37,44 シード層
16,26,38,45 電極パッド
17a,27a,39a,46a 感圧ダイヤフラム
18,28,40,47 キャビティ
35 ストッパ膜

Claims (6)

  1. 一対の主面を有し、前記一対の主面の一方の主面にキャビティ用に形成された凹部及び前記凹部内に設けられた第1突出部を有するガラス基板と、前記突出部上に形成された固定電極と、前記固定電極との間に所定の間隔をおいて配置された可動電極を有し、前記ガラス基板と接合された第1シリコン基板と、を具備し、前記第1突出部は、中央に向って深くなる湾曲面を有し、前記凹部は、前記第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有することを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 前記ガラス基板の他方の主面に接合され、前記ガラス基板を貫通して前記一方の主面側で露出した第2突出部を有する第2シリコン基板をさらに具備し、前記第2突出部が前記凹部内における第1突出部以外の領域で露出しており、前記固定電極が前記第2突出部と電気的に接続することを特徴とする請求項1記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 一対の主面を有し、前記一対の主面の一方の主面にキャビティ用に形成された凹部を有するガラス基板と、前記ガラス基板の他方の主面に接合され、前記ガラス基板を貫通して前記一方の主面側で露出した突出部を有する第2シリコン基板と、前記突出部との間に所定の間隔をおいて配置された可動電極を有し、前記ガラス基板と接合された第1シリコン基板と、を具備し、前記突出部は、中央に向って深くなる湾曲面を有し、前記凹部は、前記第1シリコン基板の表面に対して略鉛直方向に延在する側面を有することを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  4. 前記突出部がその頂面に固定電極を有し、前記固定電極が中央に向って深くなる湾曲面を有することを特徴とする請求項3記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 前記突出部上において、前記固定電極の周りにストッパ層が残存することを特徴とする請求項4記載の静電容量型圧力センサ。
  6. 前記ガラス基板と前記第1及び第2シリコンとの界面においてSi−Si結合又はSi−O結合を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の静電容量型圧力センサ。
JP2006069719A 2006-03-14 2006-03-14 静電容量型圧力センサ Withdrawn JP2007248150A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006069719A JP2007248150A (ja) 2006-03-14 2006-03-14 静電容量型圧力センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006069719A JP2007248150A (ja) 2006-03-14 2006-03-14 静電容量型圧力センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007248150A true JP2007248150A (ja) 2007-09-27

Family

ID=38592634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006069719A Withdrawn JP2007248150A (ja) 2006-03-14 2006-03-14 静電容量型圧力センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007248150A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013178181A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Alps Electric Co Ltd 静電容量型物理量センサとその製造方法
JP2013178182A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Alps Electric Co Ltd 静電容量型物理量センサとその製造方法
US20150090029A1 (en) * 2013-09-30 2015-04-02 Seiko Epson Corporation Physical quantity sensor, pressure sensor, altimeter, electronic apparatus, and moving object

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013178181A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Alps Electric Co Ltd 静電容量型物理量センサとその製造方法
JP2013178182A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Alps Electric Co Ltd 静電容量型物理量センサとその製造方法
US20150090029A1 (en) * 2013-09-30 2015-04-02 Seiko Epson Corporation Physical quantity sensor, pressure sensor, altimeter, electronic apparatus, and moving object

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4585426B2 (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2005201818A (ja) 圧力センサ
JP2006047279A (ja) ガラス基板及びそれを用いた静電容量型圧力センサ
JP2007248150A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2008039593A (ja) 静電容量型加速度センサ
EP1788372B1 (en) Capacitive pressure sensor
JP5695741B2 (ja) 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
JP2007127440A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2007163456A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2005321257A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2007155542A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP4773821B2 (ja) 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
JP2006010539A (ja) 容量式圧力センサ及びこの製造方法
JP4967907B2 (ja) 半導体圧力センサ及びその製造方法
JP2007139559A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP4821839B2 (ja) 半導体圧力センサの製造方法
JP2007225373A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2010054210A (ja) 静電容量型半導体物理量センサの製造方法及び静電容量型半導体物理量センサ
JP2008244627A (ja) 静電型圧力変換器およびコンデンサマイクロホン
JP2007139571A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2000124466A (ja) 半導体圧力センサ及びその製造方法
JP2007101282A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2007232650A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2006170893A (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2007205858A (ja) 静電容量型圧力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080911

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090423

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090709