JP2004191137A - 静電容量型圧力センサ - Google Patents

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裕成 中村
Satoshi Yamamoto
敏 山本
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Abstract

【課題】測定精度の長期安定性を保証することができる静電容量型圧力センサ及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の静電容量型圧力センサは、圧力に応じて変形する上部電極が形成された第1の基板と、下部電極が形成された第2の基板とが誘電体膜を介して対向配置され、ダイアフラムの押圧により変化する第1の基板と第2の基板とで形成される静電容量の変化に応じて圧力を検出する静電容量型圧力センサであって、下部電極が、第2の基板に形成された溝を導電性材料で埋めて形成され、かつ形成された下部電極の表面が第2の基板の表面と同じ高さを有することで第1の基板と第2の基板の接合性を高めることができるので、測定精度の長期安定性を保証することができる静電容量型圧力センサを提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電容量の変化量から圧力を検出する静電容量型圧力センサに関し、特にキャビティ−部の密閉度を向上させる接触型の静電容量型圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電容量の変化量に基づいて圧力を検出する、いわゆる静電容量型圧力センサが利用されている。
【0003】
一般的な静電容量型圧力センサは、その構造が、圧力に応じて変形するダイアフラム(Diaphragm)が形成された第1の基板と、導電膜が形成された第2の基板とが、所定空間を有しつつ、かつダイアフラムと導電膜とが誘電体膜を介して互いに対向するように配置接合されてなるものである。
【0004】
対向配置されたダイアフラムと導電膜との間には真空の空隙(キャビティー部)が形成されており、ダイアフラムを押圧して撓わませることで、ダイアフラムと導電膜との距離が変化し、これによる静電容量の変化に基づいて被測定媒体の圧力が検出される。
【0005】
このような静電容量型圧力センサに属するセンサの1つとして、タッチモード式容量型圧力センサがある。米国特許第5528452号明細書にこのタッチモード式容量型圧力センサに関する技術が開示されている。
【0006】
図8は、タッチモード式容量型圧力センサを示す図である。具体的に図8(a)はタッチモード式容量型圧力センサの上面図であり、図8(b)はタッチモード式容量型圧力センサのA−A断面図である。また、図8(c)はタッチモード式容量型圧力センサを第1の基板と第2の基板とに分離させた状態を示す図である。
【0007】
このタッチモード式容量型圧力センサ101は、図8(a)(b)に示すように、ガラス基板301上に形成された導電膜303(下部電極)上に誘電体膜305が形成され、ダイアフラム203(上部電極)がキャビティー部205を隔てて対向するように配置されてなる構造を有しており、圧力検出時は、図8(b)に示すように、ダイアフラム203が撓わむことで誘電体膜305と接触した接触面積の変化を両電極間の静電容量の変化として検出することで圧力の測定を可能とする。
【0008】
つまり、このタッチモード式容量型圧力センサ101は、圧力に応じて変形するダイアフラム203が形成されたシリコン基板201と、クロム(Cr)膜からなる導電膜303が形成されたガラス基板301とが、所定空間を有しつつ、ダイアフラム203と導電膜303とが誘電体膜として機能するガラス膜305を介して互いに対向するように配置されているものである。このとき下部電極303の膜厚は0.1μmであり、ガラス膜305の膜厚は0.4μmである。
【0009】
一方、シリコン基板201に形成されているダイアフラム203は、ボロンが高濃度でドーピングされてなるものである。このダイアフラム203の形状は、上面から見たとき、短辺0.4mm×長辺1.5mmの長方形を有しており、米国特許第5528452号明細書にも記載されているように、ダイアフラム203の形状は短辺と長辺とが1:3の比率以上となるように設計されているものである。
【0010】
なお、導電膜(以下、下部電極という。)303とダイアフラム(以下、上部電極という。)203との間に形成される空隙、すなわちキャビティ−部205は高さ3μmを有する真空の空隙である。
【0011】
またに、このタッチモード式容量型圧力センサ101には、上部電極203及び下部電極303を外部に引き出すためのアルミ電極(以下、Al電極という。)307a,bがそれぞれガラス膜305上に設けられており、このうち上部電極203は第1のAl電極307aに導通接続されており、下部電極303は第2のAl電極307bに導通接続されている。
【0012】
次いで図9を参照して、より具体的に下部電極303について詳述する。
【0013】
まず、図9(a)はタッチモード式容量型圧力センサ101の断面図であり、図9(b)は下部電極303の上面図である。また図9(c)は下部電極303にガラス膜を被覆させた状態を示す図である。
【0014】
図9(b)に示すように、下部電極303は、ガラス基板側電極303aと、ガラス基板側外部電極303cと、これらガラス基板側電極303aとガラス基板側外部電極303cをつなぐフィードスルー部303bとで構成されている。
【0015】
また、この下部電極303は、図9(c)に示すように、下部電極303の全面がガラス膜305で覆われている。そのため、ガラス膜305には、ガラス基板301上を覆っている部分と下部電極303を覆っている部分とが存在することから、図9(a)に示すように、ガラス基板301を覆っているガラス膜305は、膜厚がガラス膜305の膜厚のみであるが、下部電極303を覆う部分の厚みは、下部電極303(0.1μm)が存在する分、その分だけ厚くなっている。
【0016】
【特許文献1】
米国特許第5528452号明細書
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、下部電極303及びガラス膜305が形成されたガラス基板301上に、ダイアフラム203が形成されたシリコン基板201を接合する場合、下部電極303とシリコン基板201とが重なる部分(図8(c)における斜線部(イ))は、周囲よりガラス膜305が下部電極303の厚さ分だけ盛り上がり高くなっているため、シリコン基板201との接合不良が生じるおそれがある。つまり接合不良が生じることにより斜線部(イ)の両脇に空隙が形成されてしまうという問題がある。この問題は、特に高圧下において顕著である。
【0018】
この空隙について、図10(a)〜(d)を参照して詳述する。図10(a)はタッチモード式容量型圧力センサの上面図であり、図10(b)はC1断面図である。同様に、図10(c)はC2断面図であり、図10(d)はC3断面図である。
【0019】
まず、図10(b)に示すように、シリコン基板201とガラス基板301の接合状態は、シリコン基板201の断面が略M字型をしていることから、ガラス膜305で被覆されたガラス基板側電極303aをまたぐように配置されているため、シリコン基板201とガラス基板301との接合状態は良好である。
【0020】
しかしながら、図10(c)に示すように、シリコン基板201とガラス基板301の接合状態は、シリコン基板201の底面が平らであることから、この底面がフィードスルー部303b及びガラス膜305を押し潰すように接合配置されるため、接合部分が非常に不安定になると共に、フィードスルー部303bの両脇に空隙309が形成される可能性がある。
【0021】
一方、図10(d)に示すように、ガラス基板側外部電極303c及びガラス膜305の上面にはシリコン基板201が配置されないため接合状態については問題ない。
【0022】
従って、図10(c)に示したように、シリコン基板201とガラス膜305の接合不良により空隙309が形成されると、この空隙309が原因となってキャビティ−部205にリークパスを発生させるという問題がある。つまり、リークパスが発生すると、時間と共に徐々にキャビティ−部205内の圧力が変化するので測定開始圧力が変動したり測定精度が低下するという問題がある。
【0023】
従来上述のような問題を有していたことから作製したタッチモード式容量型圧力センサ101のキャビティ−部205は密閉性が低く、安定な動作特性を長期間保証することが困難であった。
【0024】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、キャビティ−部の密閉性を高めることで測定精度の長期安定性を保証することができる静電容量型圧力センサ及びその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、第1の基板に形成された易変形なる上部電極と、第2の基板に形成された下部電極を有し、前記第1の基板と前記第2の基板はキャビティー部を形成し、前記上部電極の撓み量により変化するこれら電極間の静電容量値を検出して圧力を測定する静電容量型圧力センサであって、前記下部電極の少なくとも一部は、前記第2の基板に形成された凹部を導電性材料で埋めて形成され、かつ形成された下部電極の表面が、前記第2の基板の表面と少なくとも前記凹部の周囲において同じ高さを有する。
【0026】
また請求項2記載の発明は、前記下部電極は、前記上部電極と向かい合う基板側導電部と、前記第1の基板の外側に配置される基板外側導電部と、前記基板側導電部と前記基板外側導電部とを接続するフィードスルー部とで構成されており、前記フィードスルー部の、前記第1の基板と前記第2の基板の少なくとも接続部及び近傍にあたる部分が、前記第2の基板に埋め込まれている。
【0027】
更に請求項3記載の発明は、前記上部電極が、前記誘電体膜を挟んで前記下部電極に接触し、その接触面積が外圧に応じて変化する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量型圧力センサを示す図であり、図1(a)は静電容量型圧力センサの上面図、図1(b)はC1断面図、図1(c)はC2断面図、図1(d)はC3断面図である。
【0030】
ここで、下部電極の表面パターンは既に説明した図8、図9と同様であるので断面図に沿って説明をしてゆく。
【0031】
さて、図1(a)(b)に示すように、静電容量型圧力センサ11は、ガラス基板31と、このガラス基板31上に形成される凹部と、この凹部を導電性材料で埋めてなる下部電極33と、この下部電極33が埋め込まれてなる平坦なガラス基板31及び下部電極33上に形成されるガラス膜層35とを備える第2の基板39と、一方、シリコン基板21と、このシリコン基板21の(100)面に形成される凹部と、この凹部が形成された面にP型イオンが注入されてなる上部電極23とを備える第1の基板27とが、真空中にて下部電極33と上部電極23とが対向するように配置され、かつシリコン基板21の接合面とガラス膜35面とが密閉接続されキャビティー部を形成してなるものであり、易変形なる上部電極23が外圧により変形して下部電極33側に接触することにより、これら電極間の静電容量が変化するようになっている。
【0032】
次に図2(b)は、該センサの別の断面図を示すもので、図2(a)の上面図において、D1断面図を示す図である。本図においてガラス基板31の上には、センサの内部から外部に連通する凹部が延在し、この凹部に導電材料を埋め込んで下部電極33が埋設形成されている。そして、埋設された下部電極33の表面は、少なくとも凹部の周囲のガラス基板31の表面と同じ高さになるように平坦化されている。そのためガラス基板31及び下部電極33上に積み上げられるガラス膜35も平坦化されている。
【0033】
従って、本発明の静電容量型圧力センサ11は、従来のセンサ101と比較して下部電極33の構造が異なる。つまり、従来のようにガラス基板301の表面に下部電極303を形成するのではなく、図1(b)、図2(b)に示したように、ガラス基板31に凹部を形成し、そこに下部電極33が盛り上がらないように導電材料を埋め込むことでガラス基板31面上を平坦にしているので、従来問題となっていたフィードスルー部における段差を無くしている。その結果、シリコン基板21とガラス基板31との間に空隙が生じないので、基板31とシリコン基板との間の封止状態が安定してキャビティー部25内の真空度が変化することを抑えることができ、また、時間と共にキャビティー25の圧力が変化することも抑えることができることから、測定開始圧力が変化したり測定精度が低下することを低減させることができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る静電容量型圧力センサ41を示す図である。この静電容量型圧力センサ41は、第1の実施の形態に係る静電容量型圧力センサ11とほぼ同じ構造を有しているが、下部電極33の構造が異なる点で相違している。
【0035】
すなわち、下部電極33は、ガラス基板側電極33aとフィードスルー部33bとガラス基板側外部電極33cとで構成されており、ガラス基板31に形成される凹部はガラス基板31上のシリコン基板21と接合する接合面近傍の部分で、少なくともフィードスルー部33bのみである。従って、この部分の電極のみがガラス基板31に埋め込まれ、他の部分はガラス基板21の表面に形成される。そのため、ガラス基板31上のシリコン基板21と接合する接合面近傍のみが平坦化されるであるから、従来の問題であったフィードスルー部33bで生じていた段差による空隙の発生を抑制することができる。
【0036】
従って、シリコン基板21とガラス基板31とが密着接合されるので、フィードスルー部33bでのリークパスの発生を低減させることができる。
【0037】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る静電容量型圧力センサ51を示す図である。この静電容量型圧力センサ51は、第2の実施の形態に係る静電容量型圧力センサ41とほぼ同じ構造を有しているが、下部電極33の形状が異なる点で相違している。
【0038】
すなわち、第2の実施の形態における下部電極33は、フィードスルー部33bのみが埋め込まれているが、第3の実施の形態に係る下部電極33は、フィードスルー部33bとガラス基板側外部電極33cがガラス基板31に埋め込まれている。その結果、上記構成を有する静電容量型圧力センサ51の下部電極33のうち、少なくともフィードスルー部33bが埋め込まれるため、シリコン基板21と接合する接合面が平坦化されるため、従来の問題であったフィードスルー部33bで生じていた段差による空隙の発生を抑制することができる。
【0039】
従って、シリコン基板21とガラス基板31とが密着接合されるので、フィードスルー部33bでのリークパスの発生を低減させることができる。
【0040】
(第1〜3の実施の形態の変形例)
図5は、本発明の第1乃至第3の実施の形態の変形例に係る静電容量型圧力センサ61の断面を示す図である。
【0041】
図5に示すように、本変形例は、第1乃至第3の実施の形態とほぼ同じ構造断面を有しているが、ダイアフラム23の周縁を支持する厚肉部の構造が異なる点で相違している。
【0042】
すなわち、第1乃至第3の実施の形態における静電容量型圧力センサ11,41,51の断面図においては、ダイアフラム23の周縁は厚肉部の中程にて支持されているが、本変形例においては、厚肉部の上面とダイアフラム23が一致する高さになるように平坦化している。
【0043】
なお、図5においては、下部電極33の全体をガラス基板31に埋め込むように配置しているが、埋め込み形状はこれに限らず、第2及び第3の実施の形態で示したようにフィードスルー部33bのみが埋め込まれていればよい。
【0044】
従って、本変形例においては、ダイアフラム23の外周を囲うように設けられていたシリコン突起の高さをダイアフラム23の高さと同等にすることで、ダイアフラム23を押圧する押圧面積を広くすることができるので、より操作がし易くなる。また、下部電極33がガラス基板31に埋め込まれていることで、シリコン基板21がガラス基板31と空隙が生じないように密着接合させることができるので、リークパスの発生を抑制することができる。
【0045】
更に、本発明は第1の基板と第2の基板の少なくとも接合部及び近傍において、フィードスルー部の盛り上がりを防止するものであるから、リークパスの発生に関与しない他の領域での下部電極構造を限定するものではない。
【0046】
(製造方法)
次に、図6を参照して、本発明の静電容量型圧力センサ11の製造工程を説明する。図6(a1)〜(a5)は、第2の基板39の製造工程を示す図であり、具体的には、図6(a1)は、ガラス基板31の洗浄工程、(a2)は埋め込みギャップの形成工程、(a3)は下部電極33の形成工程、(a4)はガラス膜35の形成工程、(a5)はコンタクト及び外部電極37の形成工程を示している。
【0047】
一方、図6(b1)〜(b3)は、第1の基板27の製造工程を示す図であり、具体的には、図6(b1)はシリコン基板21の洗浄工程、(b2)はエッチング工程、(b3)はイオン注入工程を示している。
【0048】
(第2の基板39の製造工程)
まず、図6(a1)に示すように、出発材料であるガラス基板31を購入し、ガラス基板31上のゴミ、ホコリ等を取り除くための表面洗浄を行う。ここでガラスの素材としては、パイレックス(登録商標)ガラスなどの硬質ガラスが好適に用いられるが、セラミック材を用いることも可能である。
【0049】
次いで、図6(a2)に示すように、ガラス基板31上にフォトレジストを塗布し、これをフォトリソグラフィー技術によりパターニングして、既に説明した形状に沿った下部電極領域を開口する。次いで、開口されたレジストをレジストマスクにしてウェットエッチングによりガラス基板31上に0.1μmの深さの凹部を形成する。次いで、ガラス基板31上の余分なレジストを除去し、所定の洗浄工程を終えることでギャップが形成されたガラス基板31を完成する。なお、本製造工程で行うエッチング方法はウェットエッチングに限らずドライエッチングでもよい。
【0050】
続いて、図6(a3)に示すように、凹部が形成されたガラス基板31上にスパッタリングによりクロム(Cr)を均一に蒸着させて0.1μmのクロム膜を形成する。次いで、このクロム膜上にフォトレジストを塗布してフォトリソグラフィー技術によりパターニングし、下部電極領域外を開口する。次いで、ウェットエッチング等により下部電極領域外に蒸着されたクロム膜を除去する。次いで、下部電極領域上に蒸着されているフォトレジスト膜を除去することで、下部電極33が形成される。
【0051】
ここで、ガラスとの密着性の点からクロムを選択したが、Al、Au、Cu、Tiなどの電極材料を用いることも可能であり、スパッタリングのみならずCVD法、無電解メッキ法などの周知の成膜方法を採用することができ、これは本発明において共通である。
【0052】
次いで、図6(a4)に示すように、下部電極33が埋め込まれた平坦なガラス基板31上に、スパッタリングにより誘電体膜として機能するガラス膜35を0.4μmの厚さで形成する。このガラス膜35上に更にフォトレジストを塗布して、フォトリソグラフィー技術によりパターニングしコンタクトホールを開口する。次いで、このレジストをレジストマスクにして、反応性イオンエッチングにより下部電極33まで貫通するコンタクトホールを形成する。次いで、ガラス基板31上のレジストを除去することで、コンタクトホールが形成されたガラス膜35を備えるガラス基板31が完成する。
【0053】
ここで、誘電体膜としてはガラス以外に、セラミックなどの絶縁材料を採用することも可能であり、これは本発明において共通である。
【0054】
続いて、図6(a5)に示すように、コンタクトホールが形成されたガラス膜35上にスパッタリングによりアルミニウム等の金属膜を均一に蒸着させてコンタクトホールを埋めると共に、ガラス膜35上にアルミニウム等の金属を蒸着させる。次いで、このアルミニウム膜上にフォトレジストを塗布して、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、コンタクトに連結して設けられる外部電極領域外のレジストを除去する。そして、このレジストをレジストマスクにして反応性イオンエッチング等によりアルミニウム膜を除去する。次いで外部電極領域上のレジストを除去することで、コンタクト及び外部電極37が形成される。なお、外部電極37に凹凸がある場合は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法で表面を研磨して平坦化する。
【0055】
(第1の基板27の製造工程)
一方シリコン基板21の製造工程は、図6(b1)に示すように、出発材料であるシリコン単結晶からなるn型シリコン基板21を購入し、シリコン基板21上のゴミ、ホコリ等を取り除くための表面洗浄を行う。
【0056】
次いで、図6(b2)に示すように、シリコン基板21上にフォトレジストを塗布し、これをフォトリソグラフィー技術によりパターニングして上部電極領域を開口する。次いで、開口されたレジストをレジストマスクにして異方性エッチングによりシリコン基板21上に3μmの深さの角形なる凹部を形成する。次いで、シリコン基板21上の余分なレジストを除去し、所定の洗浄工程を終えることでギャップが形成されたシリコン基板を完成する。
【0057】
一般に、シリコン単結晶を用いたダイアフラムの形成には、KOH(水酸化カリウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)等の無機系溶液やエチレンジアミン・ピロカテコール(EDP)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等の有機系溶液を用い、シリコン単結晶の結晶方位によるエッチングレートの違いを利用した異方性エッチングがなされることが多い。なお、エッチング溶液の中でもKOH水溶液は、他のエッチング溶液と比較してエッチングレートが大きいことや安価であることから、シリコン単結晶の異方性エッチングに良く用いられている。
【0058】
続いて、図6(b3)に示すように、凹部が形成されている面に濃度が1019cm−3程度のボロン(B)をイオン注入してn型シリコンにp層の上部電極23を形成する。
【0059】
次に、図6(c1)に示すように、ダイアフラム23が形成されているシリコン基板21と、下部電極33及びガラス膜35が形成されているガラス基板31とを、真空中で陽極接合させる。この陽極接合は真空中で行われるため形成されたキャビティ−部の内部は真空となる。
【0060】
接合が完了したならば、図6(c2)に示すように、ガラス基板31と反対の面からシリコン基板21をエッチングするが、ここでは、p層でのエッチストップ効果を利用することができる。すなわちボロン濃度が1019cm−3を超えるような領域ではシリコン層と比べてエッチングレートが数十分の一から数百分の一になるという効果を利用して、通常厚さ数μmのダイアフラム(上部電極)23を形成することができる。なお、ダイアフラム23の厚さや電極間隔の寸法を制御することにより、後述する静電容量−圧力特性に示される直線領域を所望するセンサの動作領域に合わせることができるので、例えばタイヤ圧検出用の圧力センサにおいては、ダイアフラム23の厚さや電極間隔の寸法を制御することにより10kgf/cm程度の圧力範囲内で安定した動作を得るセンサを製造することができる。
【0061】
従って、以上の製造工程で製造された本発明の静電容量型圧力センサ11は、ダイアフラム23がn型シリコンに高濃度にボロンをドーピングしてなるp層からなるため、ダイアフラム23を1つの電極とみなせば圧力検出時には下部電極33、ガラス膜35、及びダイアフラム23からなるコンデンサを形成していることと同等となるので、ダイアフラム23とガラス膜35との接触面積の変化を両電極間の静電容量の変化として検出することで圧力の測定が可能となる。
【0062】
(静電容量と圧力関係)
図7は、静電容量型圧力センサ11の静電容量と印加圧力の関係を示す図である。静電容量型圧力センサ11の特性上、ダイアフラム23がガラス膜35に接触する前の低圧領域(未接触領域)では、感度はほとんどゼロである。ダイアフラム23がガラス膜35に接触すると、静電容量型圧力センサ11の静電容量は一定の範囲内で圧力に対してほぼ直線的に増加(直線領域)し、更に圧力が高まると感度は次第に低下して静電容量の変化は飽和する(飽和領域)。ダイアフラム23がガラス膜35に接触するときの圧力、すなわち測定開始圧力はダイアフラムの厚さやキャビティー部の高さ、またキャビティー部の圧力(真空度)に大きく依存する。
【0063】
以上の構成、製造方法及び特性から、予めガラス基板31上に形成されたギャップを埋めるようにしてなる下部電極33を有する静電容量型圧力センサ11は、従来の問題点であるリークパスの原因となるガラス膜305の段差がないため、非常に高いキャビティ−部25の密閉性を有することが確認された。これにより測定精度の長期安定性を保証した圧力センサの製造が可能となった。
【0064】
なお、このダイアフラムや導電膜を形成するための広い面積のウエハを用いることが可能であるため、ウエハ上に1度に大量のセンサを作製でき、低コストでの大量生産できるという利点を有している。
【0065】
更に、クロム膜及びガラス膜の形成方法は、スパッタリングによる膜の蒸着などの周知の形成方法とフォトリソグラフィによるパターニングによる一連の工程で行われるので製造工程が簡易になる。
【0066】
また、シリコン基板及びガラス基板上はそれぞれ各種部品を形成する工程が終了後、互いの基板を接合して個々チップごとに切断することで完成された1個のタッチモード式容量型圧力センサを得ることができる。
【0067】
更に、以上の説明はタッチモード型に沿ったものであるが、本発明の電極構造は、上部電極が下部電極側に接触しない方式の静電容量型圧力センサに用いることもできる。
【0068】
【発明の効果】
本発明は、キャビティー内部の圧力を変動させる原因として電極配線の形状に着目し、従来の配線とは異なる配線を施すことにより、キャビティー内部の密閉性を高めた。つまり、圧力に応じて変形するダイアフラムが形成された第1の基板と、下部電極が形成された第2の基板とが誘電体膜を介して対向配置され押圧によるキャビティー内の静電容量変化に応じて圧力を検出する静電容量型圧力センサにおいて、第2の基板に溝を形成し、この溝を導電性材料で埋めて下部電極を形成すると共に、この下部電極の表面を第2の基板の表面と同じ高さとすることで、第1の基板と第2の基板とを隙間なく陽極接合することができるので密閉度の高いキャビティー部を形成することができた。その結果、キャビティー内部の圧力を一定に保つことができ、ひいては測定精度の長期安定性を保証することができる静電容量型圧力センサを提供することをできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電容量型圧力センサの上面図(a)、静電容量型圧力センサのC1断面図(b)、静電容量型圧力センサのC2断面図(c)、静電容量型圧力センサのC3断面図(d)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る静電容量型圧力センサの上面図(a)、静電容量型圧力センサのD断面図(b)である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る静電容量型圧力センサの上面図(a)、静電容量型圧力センサのD断面図(b)である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る静電容量型圧力センサの上面図(a)、静電容量型圧力センサのD断面図(b)である。
【図5】本発明の第1乃至第3の実施の形態に係る静電容量型圧力センサのD断面図(b)の変形例である。
【図6】本発明の静電容量型圧力センサの製造工程を断面順に示す図である。
【図7】本発明の静電容量型圧力センサの静電容量−圧力印加の関係を示す特性グラフである。
【図8】従来のタッチモード式容量型圧力センサの上面図(a)、タッチモード式容量型圧力センサのA断面図(b)、タッチモード式容量型圧力センサを第1の基板と第2の基板とに分離させた状態を示す図である。
【図9】従来の下部電極について詳述するためのタッチモード式容量型圧力センサの断面図(a)、タッチモード式容量型圧力センサの下部電極(b)、誘電体膜で被覆された下部電極(c)である。
【図10】従来のタッチモード式容量型圧力センサに生じた空隙についてを詳述するための上面図(a)、タッチモード式容量型圧力センサのC1断面図(b)、タッチモード式容量型圧力センサのC2断面図(c)、タッチモード式容量型圧力センサのC3断面図(d)である。
【符号の説明】
11,41,51,61…静電容量型圧力センサ
21…シリコン基板(ガラス基板)
23…ダイアフラム(上部電極)
25…キャビティー部
27…第2の基板
31…導電膜(ガラス基板)
33…下部電極
33a…ガラス基板側電極
33b…フィードスルー部
33c…ガラス基板側外部電極
35…ガラス膜(誘電体膜)
37…外部電極
39…第1の基板
101…タッチモード式容量型圧力センサ
201…シリコン基板
203…ダイアフラム(上部電極)
205…キャビティー部
301…ガラス基板
303…導電膜(下部電極)
303a…ガラス基板側電極
303b…フィードスルー部
303c…ガラス基板側外部電極
305…ガラス膜(誘電体膜)
307a…第1のAl電極
307b…第2のAl電極
309…空隙

Claims (3)

  1. 第1の基板に形成された易変形なる上部電極と、第2の基板に形成された下部電極を有し、前記第1の基板と前記第2の基板はキャビティー部を形成し、前記上部電極の撓み量により変化するこれら電極間の静電容量値を検出して圧力を測定する静電容量型圧力センサであって、
    前記下部電極の少なくとも一部は、前記第2の基板に形成された凹部を導電性材料で埋めて形成され、かつ形成された下部電極の表面が、前記第2の基板の表面と少なくとも前記凹部の周囲において同じ高さを有することを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 前記下部電極は、前記上部電極と向かい合う基板側導電部と、
    前記第1の基板の外側に配置される基板外側導電部と、前記基板側導電部と前記基板外側導電部とを接続するフィードスルー部とで構成されており、
    前記フィードスルー部の、前記第1の基板と前記第2の基板の少なくとも接続部及び近傍にあたる部分が、前記第2の基板に埋め込まれていることを特徴する請求項1記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 前記上部電極が、前記誘電体膜を挟んで前記下部電極に接触し、その接触面積が外圧に応じて変化することを特徴とする請求項1〜2記載の静電容量型圧力センサ。
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