JP2007197834A - 複合焼結摺動部材 - Google Patents
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【解決手段】 Cu−Al系焼結材料であって、1〜12重量%のSnと、2〜14重量%のAlとを含有する。また、この焼結材料を裏金部材に焼結接合して複合焼結摺動部材を構成する。
【選択図】 なし
Description
また、本発明は、より高面圧下での軸受の耐摩耗性の向上、異音の発生防止などを狙いとして、Cu−Al状態図におけるより硬質なβ相を出現させた(α+β)二相、β相およびそれらの基地に金属間化合物を分散させた焼結組織を利用した焼結材料を裏金に焼結接合して一体化した複合焼結摺動部材を提供することを目的とするものである。
なお、本発明中でβ相との記載は焼結温度においてβ相状態にあることを示したもので、焼結後の室温に冷却した状態では、Cu−Zn,Cu−Al状態図にも記載されているようにβ相の多くはβ'相にマルテンサイト変態することが知られているので、以下の説明においては、β'相も含めてβ相と記載することとする。
1〜12重量%のSnと、2〜14重量%のAlとを含有するCu−Al−Sn系焼結材料が裏金部材に焼結接合されて一体化されてなることを特徴とするものである。
1)α、β単相母合金粉末およびAl粉末をAl源とした時の成形時のスプリングバックを調査した結果、例えばβ単相母合金(13.9重量%Al)を利用し、Cu−8重量%Al焼結材の混合粉末を4ton/cm2で成形したとすると、スプリングバックは0.57%であり、金型からの取り出し時に成形品の破損が危惧されることがわかった。これに対して、Al粉末を利用した場合には、スプリングバックによる成形体破損の心配は全くなく、焼結後の異常膨張が抑制できればAl粉末を添加源として利用することが好ましいことがわかったので、本発明では、AlもしくはAl合金粉末をAl源としたCu−Al系焼結材料を開発した。
2)αおよびβ単相母合金を用いてα単相領域組成の焼結材料の焼結性を1000℃で調べた結果、α単相母合金を用いると僅かではあるが収縮性を示すのに対して、β単相母合金を用いた場合には顕著な膨張性が認められた。
3)さらに、β単相のCu14重量%Al母合金を使って、焼結組織が(α+β)二相組織になる8重量%Al−Cu−1重量%TiHでは、前述のものよりも大きな膨張性を示し、(α+β)二相組織合金の焼結性がより難しいことがわかった。
Cu−Al二元系焼結材料において、1000℃以下の焼結ではAl濃度にほぼ比例して膨張するが、焼結温度がCu−Al二元系の共晶温度(1037℃)に近い1020℃では、共晶組成(8.5重量%Al)に近いものの焼結性がより促進されることがわかった。
以上のことから、高Al濃度のCu−Al合金粉末をAl源とした場合においても、焼結時の膨張を抑制することは困難であるが、共晶組成、温度近傍での焼結性は遷移的な液相の発生であっても焼結性が促進されることがわかったので、本発明では、より低温度側において安定した液相を発生させるSn,Si等の合金元素を添加することによって焼結性を高めた。
Cu−Alに3重量%までのTi添加の影響を調べた結果、1000℃以下の焼結条件では、Tiが焼結性を促進して、焼結体の緻密化に寄与する効果は確認されないが、Cu−Al系の共晶温度1038℃に近い1020℃の焼結では緻密化する。これは前述のようにTi添加による共晶温度の低下に起因するものであり、Tiの単独添加による作用はAlの共晶温度直下温度での非常に限られた温度範囲でのものであり、Tiの単独添加だけではCu−Al系の焼結性を十分に改善できないことがわかった。
Alの酸化膜を積極的に還元するTiHの添加によっても、前述のTiH添加の効果で確認されたように十分な焼結促進効果が得られなかったが、Alの共晶温度直下温度での非常に限られた温度範囲のものであっても、液相が焼結に十分に関与すれば、焼結促進効果が十分に得られることがわかった。したがって、本発明では、
1)Al粒子表面の酸化皮膜が焼結阻害の機能を発揮していても、焼結状態で液相焼結を促進する状態に第3元素で調整できれば、拡散性が極めて大きくなり、焼結性が促進され、高密度化(収縮)作用が現れる。
2)第3元素は、Cuの融点を顕著に低下させるとともに、(α+液相)の二相共存範囲が広く、かつα相に対する固溶範囲が広いことが好ましい。
3)第3元素は、共存するAl元素との金属間化合物を形成し難いこと。
4)第3元素と共存するAl元素が金属間化合物を形成しても、金属間化合物の融点が焼結温度よりも低いこと。
等の考え方に基づいて、Cu−Al系の焼結性を促進する第3の合金元素としてのSnを見出した。
18.5≦2.5×(Al重量%)+(Sn重量%)
Pの添加は、純元素粉末での添加が難しく、母合金粉末による添加が一般的であるが、低融点の例えばCu8重量%Pの燐銅合金では焼結時に顕著な流出孔を形成して、焼結の緻密化に好ましくないので、燐鉄合金(例えばP含有量:27重量%)として添加するのが好ましい。とりわけ、燐鉄によるPの添加によって前記発汗現象や燐銅合金に見られる顕著な流出孔の形成が無いだけでなく、焼結中の雰囲気による酸化が顕著に抑制され、焼結体の黒茶色の酸化着色が防止されることは、明らかに焼結品の付加価値を高めるとともに、この焼結材を焼結時に裏金に接合させる際の接合性を高めるのに有効である。さらに、本焼結材を摺動材料として利用する際、含油性を重視する場合においては燐銅合金粉末を適量添加することによって形成される流出孔を利用することが有効であることは明らかであるが、燐銅合金添加量は燐として2重量%を越える場合には、流出孔が多くなり過ぎて脆弱になり過ぎて好ましくない。燐鉄合金添加量はP添加量として2重量%を越える場合には、焼結による緻密化が阻害されるので好ましくない。
Si添加の影響は、前述のAlおよびCuに対するSnの関係とほぼ同様の関係にあるため、Snと同様の作用によって焼結性を促進するものと考えられる。
例えばCu−Al−1重量%TiHにSiを添加した場合、Siによる焼結促進効果が顕著に認められている。しかし、3重量%を越えて添加したときには顕著な硬化とともに脆化が認められたので、3重量%以下に抑えて使用することが好ましい。
Niは銅系材料においてもAl,Sn,Ti,Siと複合添加させることによって、強力な金属間化合物を形成し、硬化性を増すことはよく知られており、またMn,Fe等とともにCu−Al系のβ相を安定化して、β=α+γの共析変態を遅らせて、例えば焼結後の冷却時に脆弱な(α+γ)組織の出現を防止することは明らかであるので、本発明においても積極的に添加することが好ましい。しかし、コスト的な観点からすれば10重量%以下、好ましくは5重量%以下に止めておくことがより好ましい。
250メッシュ以下のアトマイズCu−6.9、10.2、13.7重量%Al合金粉末、300メッシュ以下のアトマイズAl粉末、Snアトマイズ粉末、300メッシュ以下のTiH粉末および電解銅粉末(福田金属CE15)を用いて、表1に示される組成よりなる混合粉末を、JISの引張り試験片用金型にて成形圧力4ton/cm2で成形し、引張り試験片としての成形体の寸法(長さ)を測定した。その結果がスプリングバック量とともに表1に示されている。
実施例1にて用いた電解銅粉末、Sn粉末、TiH粉末、Al粉末以外に、300メッシュ以下のMn粉末、Ni粉末、燐鉄(25重量%P)、Si粉末を使って、表2に示される割合で配合した混合粉末を準備し、実施例1と同じ引張り試験片金型を用いて加圧力4ton/cm2で成形した引張り試験片を10−2torrの真空下で、800〜1020℃の温度範囲で焼結した後、その焼結体寸法の測定と組織観察とを行った。なお、焼結体の寸法が表2に示されているが、成形体の寸法は96.56mmである。
表2のNo.1〜17には、Cu−Alと、Cu−AlにSnを添加した場合の焼結体寸法がそれぞれ示されている。また、図2には、No.1〜4のCu−Al二元系焼結体の寸法と、後述するNo.18〜24のCu−Al−1重量%Ti三元系焼結体の寸法との比較が示されている。
Cu−AlにTiHを添加した場合の焼結体寸法が表2のNo.18〜No.20に示され、図4には、1000℃、1020℃で真空焼結した結果が示されている。この結果から明らかに、1000℃での3重量%までのTi添加では燃焼性が改善されて焼結体が収縮することがないことがわかる。なお、1020℃での真空焼結で、3重量%Ti添加に顕著な収縮反応(試料の変形と溶損傾向)が確認されたが、これは図2に示される共晶点直下もしくは三元共晶領域での焼結の影響によるものと考えられる。現実的には、大量生産時の真空炉内温度のばらつきを考えれば、極めて限られた温度領域でしか焼結できないTi添加の作用は、焼結促進元素として十分なものではなく、前記Snなどの液相発生元素との組み合わせが必要であると考えられる。
図5には、Cu−AlにSn,TiHを複合添加し、960〜1000℃で焼結した場合の焼結体寸法が示されているが、Cu−AlにSn,Tiを単独添加した場合よりも顕著な収縮反応が観察された。これは、例えば表2中のNo.28〜32、36,37,41,42,46,47,51,52の試料において、1000℃の真空焼結時にCu−Al−Sn三元系焼結体で確認された発汗現象が1〜3重量%Tiの複合添加によって顕著になくなり、Sn添加により発生する液相が焼結体外に排出されることなく、焼結反応に効率良く寄与したことによるものである。
図6には、1000℃で真空焼結したCu−Al−1重量%Tiに対する他の合金元素添加の影響が示されているが、前述のようにSn添加の顕著な焼結性促進の効果が認められる。また、Siにおいても顕著な焼結性促進効果が確認された。この理由は、前述のように状態図的にAlとSnとは液相でのみ溶け合うが、固相状態ではほとんど溶け合わないこと、AlとSnとでは金属間化合物を形成しないこと、Cuに対しては融点を顕著に降下させ、液相の発生を助ける等といった特徴がSiについても認められることに起因するためである。
表3には、代表的な1000℃での真空焼結後のα、β相についての組織観察と硬さ測定結果とが合わせて示され、図7には1000〜820℃での組織観察結果に基づくCu−Al−Snの三元状態図中のα、β相の各存在領域が示されている。この結果から、Cu−Al二元系における(α+β)二相領域が、Snの添加によってより低Al濃度側に推移し、Snがβ相をより安定する元素であることがわかる。また、図7中の破線で示されるように、低温度での焼結ではより低Al濃度側においてβ相の存在が確認されている。これは焼結が十分な平衡状態に達していないことによるものである。この非平衡状態においてもβ相が出現し始める組成α/(α+β)とα相が消失し、β相単相となる組成(α+β)/βは、ほぼ次式で表示されることがわかった。
18.5≦2.5×(Al重量%)+(Sn重量%)≦28.5
;(α+β)二相領域の組成範囲
表4には、本実施例に供する混合粉末の配合組成が示されている。B1は(α+β)二相組織、B2、B3はβ組織の摺動材料になる配合とした。なお、B3は内径接合に対する燐鉄の影響を比較するためのものであり、B4はCu8重量%Pの流出孔を利用した含油摺動材の効果を確認するためのものである。また、摺動試験に供する比較材として高力黄銅4種材を用いた。その組成が欄外に重量%で表示されている。
表2に示されるNo.1〜No.52とCA7,8の焼結した引張り試験片を、その試験片が割れない範囲で圧延し、同じ温度、時間で再焼結したものの硬さを調査し、さらにそれらの圧延・再焼結材(2S1R材)を定速摩擦摩耗試験法で摩擦係数が急激に大きくなる圧力と速度とから焼付き限界値(PV値)とその時点での摩耗量(ΔW)を測定して摺動特性を評価した。
摺動試験条件:
相手材;SCM420浸炭焼入れ
表面硬さ HRC60〜62
面粗さ 2.5S以下
潤滑油;EO10,油量;250cm3/分,油温;60℃
周速;10m/秒
面圧;Max800kg/cm2(50kg/cm2毎)
摺動試験片は板厚2mmで5mmに加工した後、摺動試験ホルダーにセットして試験に供した。摺動試験の面圧は100kg/cm2から開始して、5分間に摩擦係数の異常や摩耗の異常がなければ50kg/cm2毎に昇圧しながら最大800kg/cm2まで負荷した。
1)Cu−Alに対するSn添加による硬さアップの寄与はほとんどなく、僅かにAl濃度が増すにつれて硬化するが、β単一組織になると圧延し難くなり、結果として硬度が低くなる。
2)Cu−Al、Cu−Al−Sn系焼結体の硬さアップに対するTiの添加の影響は極めて顕著であり、その作用は焼結温度が高いほど大きくなるが、これはTiの合金化の促進によるものである。同様の作用はMn,Ni,Siにおいても観察される。
3)定速摩擦摩耗試験による摺動特性を評価した結果、α相、(α+β)二相、β相の各組織材においてもSnの添加によって摺動特性はより改善されることがわかった。
4)硬質なα相組織材料に比べて、(α+β)二相およびβ相組織材料の摺動特性は顕著に改善されていることがわかった。
5)i,Si,Mn,Niなどの添加によって耐摩耗性が改善されることも明らかとなった。
なお、表5中のCA7,8には900℃での真空焼結時間を5分と短くして、圧延と焼結を二度繰返した(3S2R材)水準を示したが、CA8では非平衡状態でのβ相が粒界に沿って微細に析出することが確認され、摺動特性を改善することにもその影響が現れている。
本実施例では、250メッシュ以下の青銅アトマイズ粉末(Cu20重量%Sn)、銅アトマイズ粉末、Cu20.2重量%Al、Cu50.5重量%Alアトマイズ粉末および実施例1で使用した粉末を使って、表6に示される混合粉末を調整し、400番の研磨紙で表面を荒らし、アセトンで良く洗浄した軟鋼板(SS400、厚さ3.5mm、幅90mm、長さ300mm)への接合焼結実験を実施した。
表6中のPB1からPB6の混合粉末を前記鋼板上に3mmの高さに散布して、3mm厚さの黒鉛板を被せ、露点−38℃のアンモニア分解ガス雰囲気炉で、900℃、10分間加熱されるように接合焼結し、この後に圧延機で焼結層が1.7mmになるように圧延した。この結果、Al源を純Al,Cu50Al合金とした場合には、圧延に耐える十分な強度が得られなかった。さらに、圧延したPB2,PB4〜6の散布材を再度前述と同じ条件で焼結した後に、焼結層を内側にして直径95mmの円筒上に丸曲げ加工し、その時の鋼板からの焼結層の剥離状況を観察したが、PB6はβ相となっているために圧延時に導入された微細な割れが進展して剥離することがわかった。
250メッシュ以下のCu10重量%Sn合金アトマイズ粉末に3重量%のSnアトマイズ粉末を配合した混合粉末を前述の鋼板に約1mm高さに散布し、同じ露点のアンモニア分解雰囲気炉で900℃で加熱したものに、表6中のPB7〜10の混合粉末を更に2mm散布して圧延機で焼結層全体厚さが2.0mmになるように圧下した後、前記と同様に900℃、10分間の焼結を行い、さらに圧延機で焼結層全体厚さが2.0mmになるように圧下した。この後に、圧延の加工歪みを取るために、再度900℃で焼結し、丸曲げ加工を施して、焼結層の剥離状況を調査した結果、第3の焼結層を介在させて接合焼結する方法はいずれも問題なく製造できることがわかった。なお、本実施例では、第3の焼結層として青銅焼結材を用いたが、例えばFe−30Cu−5Sn等の鉄系焼結材料を利用することができるのは明らかである。
定速摩擦摩耗試験機を用いて摺動特性を評価した。用いる装置、試験条件は実施例5と同じである。図13に摺動試験片の形状が示されている。また、比較材として、鋼板に接合焼結されたCu−10重量%Sn−10重量%Pbの鉛青銅焼結材料(LBC)を用いた。
Claims (15)
- 1〜12重量%のSnと、2〜14重量%のAlとを含有するCu−Al−Sn系焼結材料が裏金部材に焼結接合されて一体化されてなることを特徴とする複合焼結摺動部材。
- TiおよびSiのうちの1種以上が、それぞれTi;0.3〜5重量%、Si;0.5〜3重量%の範囲内で含有される請求項1に記載の複合焼結摺動部材。
- 少なくとも焼結組織中にβ相が存在する(α+β)二相、β相および/またはそれらの基地に金属間化合物が分散した組織である請求項1または2に記載の複合焼結摺動部材。
- β相を安定化させ、β=α+γの共析変態を遅らせるとともに硬化性を与えるMn,Ni,Fe等の成分が5重量%以下の範囲で含有される請求項3に記載の複合焼結摺動部材。
- 焼結時の還元性を高める燐鉄合金粉末がP;2重量%以下相当添加される請求項1〜4のうちのいずれかに記載の複合焼結摺動部材。
- さらに、P,Zn,Fe,Ni,Co,Mn,Be,Pb,Mo,W,Mg,Agのうちの1種以上の合金元素および/またはWC,黒鉛,セラミックス等の分散成分の1種以上が含有される請求項1〜5のうちのいずれかに記載の複合焼結摺動部材。
- Cu−Al系合金粉末またはAl粉末を用いて、Alが2〜14重量%になるように添加された混合粉末を、所要の円筒形状に成形して圧粉体を得、この圧粉体をその圧粉体の外径よりも僅かに大きい穴径を有する裏金部材内へ挿入し、真空、中性または還元雰囲気に調整した焼結炉内で800℃以上の温度でその裏金部材の内径部に焼結接合してなる請求項1〜6のうちのいずれかに記載の複合焼結摺動部材。
- 前記裏金部材の内径部への焼結接合は、前記裏金部材と圧粉体との間に第3の金属合金を介して行われる請求項7に記載の複合焼結摺動部材。
- 前記第3の金属合金は、少なくとも焼結接合温度において前記裏金部材と接合するに必要な液相を発生させる溶製合金および/または焼結合金である請求項8に記載の複合焼結摺動部材。
- 前記裏金部材には内径部に溝加工が施され、焼結接合した後にその溝部が潤滑油のオイル溜まりになるようにされる請求項8または9に記載の複合焼結摺動部材。
- 前記裏金部材が鋼である請求項1〜10のうちのいずれかに記載の複合焼結摺動部材。
- Snを5〜12重量%含有する青銅系のCu−Sn合金粉末または混合粉末を鋼板上に散布し、真空、中性または還元雰囲気に調整した焼結炉内で700℃以上の温度で焼結接合したものを裏金部材として用い、この裏金部材上に2〜14重量%Al濃度に調整された前記Cu−Al系合金粉末を散布した後に、700℃以上での焼結・圧延、700℃以上での焼結もしくは圧延および700℃以上での焼結の各工程を施してなる請求項1〜6に記載の複合焼結摺動部材。
- 前記700℃以上での焼結・圧延、700℃以上での焼結もしくは圧延および700℃以上での焼結の各工程を2回以上繰り返し、Cu−Al系焼結摺動層の平均結晶粒を5ミクロン以下に微細化するとともに、相対密度を90%以上に高密度化する請求項12に記載の複合焼結摺動部材。
- 硬さをHv100以上に高め、耐摩耗性を改善させてなる請求項13に記載の複合焼結摺動部材。
- Cu粉末にAl;8重量%以上のβ組織を含むCu−Al系合金粉末および/またはAl粉末を全体の混合粉末でAl;2〜9重量%相当量添加した混合粉末を裏金部材上に散布し、真空、中性または還元雰囲気に調整した焼結炉内で700℃以上の温度でAlが十分に拡散して均質化しないでβ相が存在するような短時間焼結と圧延とを組み合わせて、非平衡状態でβ相が存在するようにされる請求項12〜14のうちのいずれかに記載の複合焼結摺動部材。
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